説明

車両用のピラー構造および車両用ピラー製造方法

【課題】ピラーの強度を高めつつ、生産性の向上を図ることができる車両用のピラー構造および車両用ピラー製造方法を提供すること。
【解決手段】加熱された部材を冷却された型を用いてプレスすることにより補強部4を形成し、加熱された部材を前記冷却された型よりも温度が高い型を用いてプレスすることにより前記補強部4以外の部分に低強度部5を形成する。衝突エネルギの吸収のために高い強度が必要となる部分が高い強度を有する補強部4として形成され、プレス加工後にトリミングが必要となる部分が低強度部5として形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用のピラー構造および車両用ピラー製造方法に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の側面衝突荷重に対する耐力を大きくするセンターピラー構造として、例えば特開2004-314845号公報に示すように、センターピラーアウタとセンターピラーインナとの間の内部空間に補強部材が配置され、補強部材の車両前後方向の途中部に車両内外方向へ延びる延出部が設けられ、延出部の車両外側の端部領域に焼き入れがされるセンターピラー構造が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-314845号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような構造においては、プレス加工などにより補強部材を成形した後に焼入れを行う必要があったため、作業工程が多くなってしまうという問題があった。また、一旦成形した後に焼入れを行うため、焼入れにより歪が生じてしまうおそれがあった。このような問題を解決する方法として、加熱された部材を冷却された型でプレスするホットスタンプなどにより、成形と冷却を同時に行うことが考えられる。しかし、ホットスタンプでは、ホットスタンプにより形成された断面全体の強度が高くなってしまうため、プレスにより生じた不要部分をトリミングする際に金型が破損しやすく、生産コストが高くなるといった問題があった。
【0005】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、ピラーの強度を高めつつ生産性の向上を図ることができる車両用のピラー構造および車両用ピラー製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、本発明に係るピラー構造は、加熱された部材を冷却された型でプレスすることにより形成される補強部と、前記加熱された部材の少なくとも外周縁を含む前記補強部以外の部分を前記冷却された型よりも温度の高い型でプレスすることにより形成される低強度部とを備えて構成される。
【0007】
本発明によれば、加熱された部材を冷却された型でプレスすることにより形成される補強部を備えることにより、補強部が成形と同時に焼入れされることとなり、補強部は高い強度を有することとなる。また、加熱された部材の少なくとも外周縁を含む補強部以外の部分を冷却された型よりも温度の高い型でプレスすることにより形成される低強度部を備えることにより、低強度部が補強部よりも低い強度を有することとなる。よって、不要部分のトリミングが容易になり、ピラーの強度を高めつつ生産性の向上を図ることが可能となる。
【0008】
また、本発明に係るピラー構造において、凸断面形状のピラーの両角を車両内側に曲折することで形成されるステップ部を有し、前記補強部と前記低強度部の境界が、前記ステップ部を形成する面のうち前記ピラーの凸方向と交差する面に位置することが好ましい。
【0009】
この場合には、補強部と低強度部の境界がステップ部を形成する面のうちピラーの凸方向と交差する面に位置することにより、冷却された型と冷却された型よりも温度が高い型の分割面をピラーの凸方向と交差する面に設けることが可能となり、鋭角で肉厚の薄い部分を型に設ける必要がない。よって、型の構成が容易となり、生産コストを抑えることが可能となる。
【0010】
また、本発明に係る車両用ピラー製造方法は、冷却された強冷却型と前記強冷却型よりも温度の高い弱冷却型を用いて加熱された部材をプレスすることにより、前記強冷却型にプレスされる部分には補強部を形成すると共に前記加熱された部材の少なくとも外周縁を含む前記補強部以外の部分であって前記弱冷却型にプレスされる部分には低強度部を形成する車両用ピラー製造方法である。
【0011】
本発明によれば、強冷却型にプレスされる部分には補強部を形成することにより、補強部が成形と同時に焼入れされることとなり、補強部は高い強度を有することとなる。また、加熱された部材の少なくとも外周縁を含む補強部以外の部分であって弱冷却型にプレスされる部分には低強度部を形成することにより、低強度部が補強部よりも低い強度を有することとなる。よって、不要部分のトリミングが容易になり、ピラーの強度を高めつつ生産性の向上を図ることが可能となる。
【0012】
また、前記車両用ピラー製造方法は、ピラーを凸断面形状に形成するとともに前記ピラーの凸断面形状の両角を車両内側に曲折することでステップ部を形成する車両用ピラーの製造方法であって、前記加熱された部材をプレスする際に、前記補強部と前記低強度部の境界が前記ステップ部を形成する面のうち前記ピラーの凸方向と交差する面に位置するようにプレスすることが好ましい。
【0013】
この場合には、補強部と低強度部の境界がステップ部を形成する面のうちピラーの凸方向と交差する面に位置することにより、冷却された型と冷却された型よりも温度が高い型の分割面をピラーの凸方向と交差する面に設けることが可能となり、鋭角で肉厚の薄い部分を型に設ける必要がない。よって、型の構成が容易となり、生産コストを抑えることが可能となる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ピラーの強度を高めつつ生産性の向上を図ることができる車両用のピラー構造および車両用ピラー製造方法の提供が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態に係るピラー構造を示した斜視図である。
【図2】図1に示すピラー構造のA-A断面を示した矢視断面図である。
【図3】図1に示すピラー構造のB-B断面を示した矢視断面図である。
【図4】図1に示すピラー構造の製造方法に用いられるプレス装置の概略を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しつつ本発明に係るピラー構造の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、本明細書中において、車両が直前進している際の前方方向を「前方」と定め、「前」「後」等の方向を表す語を用いることとする。
【0017】
図1は、本発明の実施形態に係るピラー構造を示した斜視図である。また、図2は、図1に示すピラー構造のA-A断面を示した矢視断面図である。また、図3は、図1に示すピラー構造のB-B断面を示した矢視断面図である。
【0018】
図1に示すように、本実施形態に係るピラー構造1は、センターピラーアウタレインホースメント2に適用されるものである。
【0019】
センターピラーアウタレインホースメント2は、車両前後方向の中央部に配置され車両の上下方向に向けて設けられるセンターピラーを構成する部材である。このセンターピラーアウタレインホースメント2は、側面衝突などによりセンターピラーが荷重を受けた際に衝突エネルギを吸収する補強部材として機能する。また、センターピラーアウタレインホースメント2は、アウタパネル(図示しない)とインナパネル(図示しない)の間に形成される空間に配設され、車両の上下方向に向けて設けられる。
【0020】
センターピラーアウタレインホースメント2には、ステップ部3が形成されている。ステップ部3は、車両の上下方向の中央部付近から上部に亘って形成される。このステップ部3は、図2に示すように、凸断面形状となっているセンターピラーアウタレインホースメント2の両角を車両内側に曲折することで2箇所に形成されている。また、ステップ部3を形成する面のうちセンターピラーアウタレインホースメント2の凸方向と交差する面10には、補強部4と低強度部5の境界6が位置している。
【0021】
センターピラーアウタレインホースメント2には、補強部4が形成されている。補強部4は、側面衝突などによりセンターピラーが荷重を受けた際に衝突エネルギを吸収する補強部分として機能する。補強部4は、センターピラーアウタレインホースメント2の下方部から上端部に亘って形成されている。補強部4は、ステップ部3を有する断面部分では、図2に示すように面10に位置する境界6より車両外側の領域に形成されている。また、補強部4は、ステップ部3を有さない断面部分では、図3に示すように凸断面形状の両角に位置する境界6より車両外側の領域に形成されている。補強部4は、加熱された部材を冷却された型でプレスすることにより形成される。すなわち、補強部4は成形と焼入れが同時に行われるプレス方法にて形成される。よって、補強部4は、成形とは別に焼入れを行わなくても高い強度を有することとなる。このようなプレス方法としては、例えば、ホットスタンプが用いられる。
【0022】
センターピラーアウタレインホースメント2における補強部4以外の領域には低強度部5が形成されている。低強度部5は、プレス後にトリミングが必要となるセンターピラーアウタレインホースメント2の外周縁9を含む部分である。低強度部5は、加熱された部材を補強部4の形成に用いられる型よりも温度が高い型によりプレスすることにより形成される。すなわち、低強度部5は補強部4よりも低い強度を有することとなる。なお、低強度部5の形成には加熱された型を用いることで、低強度部5には焼入れが行われていないことが好ましい。
【0023】
次に、本実施形態に係るピラー構造1の作用及び効果について説明する。
【0024】
本実施形態に係るピラー構造1によれば、衝突エネルギの吸収のために高い強度が必要となる部分、すなわち車両外側の領域には、焼入れにより高い強度を有する補強部4が形成されている。よって、強度を高めることが可能となる。
【0025】
ここで、補強部4と低強度部5の境界6は材料強度が変化する箇所であり強度が低いため、センターピラーアウタレインホースメント2に衝撃が付加された場合に、境界6が変形の起点となりやすい。よって、断面が細く強度が相対的に弱くなりやすい部分では、境界6における強度変化がピラー全体の強度に影響しないような工夫がなされていることが好ましい。本実施形態では、断面が細い部分、すなわちステップ部3が設けられている部分では、境界6が稜線7および稜線8に囲まれた幅が狭い面10に位置している。このような構成とすることで、センターピラーアウタレインホースメント2に衝撃が付加され境界6で変形が生じた場合においても、稜線7および稜線8により局部的な座屈が抑制される。よって、境界6における強度変化がピラー全体の強度に与える影響を小さくすることができる。よって、さらに強度を高めることが可能となる。
【0026】
また、ステップ部3を有する断面部分では、補強部4と低強度部5の境界6は、ステップ部3を形成する面のうちセンターピラーアウタレインホースメント2の凸方向と交差する面10に位置している。よって、補強部4を形成するための冷却された型と冷却された型よりも温度の高い低強度部5を形成するための型を面10に対応した位置で分割することが可能であり、型に鋭角で肉厚の薄い部分を設ける必要がない。よって、型の構成が容易となり、生産コストを抑えることが可能となる。
【0027】
また、補強部4は、成形と焼入れが同時に行われるプレス方法にて形成されるため、成形後の残留歪が少ない。よって、本実施形態に係るピラー構造1は、成形後にスプリングバックなどによって変形が生じることがないというメリットも有する。
【0028】
さらに、プレス後にトリミングが必要となる外周縁9を含む領域は、補強部4よりも低い強度を有する低強度部5として形成されている。これにより、プレスにより生じた不要部分のトリミングが容易となり、金型の破損が低減される。よって、生産性の向上を図ることが可能となる。なお、低強度部5には焼入れが行われていない場合、トリミングがさらに容易に行えることとなり、さらなる生産性の向上を図ることが可能となる。
【0029】
次に、本実施形態に係るピラー構造1の製造方法について説明する。
【0030】
図4は、図1に示すピラー構造の製造方法に用いられるプレス装置の概略を示す図である。
【0031】
プレス装置60は、本実施形態に係るピラー構造1の製造を行うための装置である。プレス装置60は、上型70と下型80を備えて構成されている。
【0032】
上型70は、補強部4を形成するための冷却された型(以下、強冷却型とする)71と、低強度部5を形成するための強冷却型71よりも温度が高い型(以下、弱冷却型とする)72を備えて構成されている。ステップ部3を有する断面を形成するための部分においては、強冷却型71と弱冷却型72の分割面75は、センターピラーアウタレインホースメント2の面10に対応する転写面76と交差するように設けられている。仮に、分割面75がこれ以外の転写面(例えば転写面77)と交差するように設けられると、分割面75と転写面は鋭角に交差することとなり、肉厚の薄い部分を金型に設ける必要がある。よって、金型の構成が難しくなる。しかし、本実施形態のような構成とすることで、分割面75と転写面76は鋭角に交差することがなく、肉厚の薄い部分を金型に設ける必要がない。よって、金型の構成が容易となり、生産コストが抑えられる。ステップ部3を有さない断面を形成するための部分においては、強冷却型71と弱冷却型72の分割面(図示しない)は、ピラーの凸断面形状の両角に対応する位置に設けられている。上型70には、加熱された部材100をプレスすることができるように、昇降機能が備えられている。
【0033】
下型80は、補強部4を形成するための冷却された型(以下、強冷却型とする)81と、低強度部5を形成するための強冷却型81よりも温度が高い型(以下、弱冷却型とする)82を備えて構成されている。ステップ部3を有する断面を形成するための部分においては、強冷却型81と弱冷却型82の分割面85は、センターピラーアウタレインホースメント2の面10に対応する転写面86と交差するように設けられている。上述した上型70と同様、このような構成とすることで、分割面85と転写面86は鋭角に交差することがなく、肉厚の薄い部分を金型に設ける必要がない。よって、金型の構成が容易となり、生産コストが抑えられる。ステップ部3を有さない断面を形成するための部分においては、強冷却型81と弱冷却型82の分割面(図示しない)はピラーの凸断面形状の両角に対応する位置に設けられている。下型80には、加熱された部材100がセットされる。
【0034】
強冷却型71および強冷却型81には、それぞれ冷却手段が設けられている。冷却手段としては、冷却が行えるいかなる手段が用いられても良いが、例えば、強冷却型71に流水路73を設け、強冷却型81に流水路83を設け、チラー(図示しない)を用いて流水路73および流水路83に水を循環させることで強冷却型71および強冷却型81を冷却する手段が用いられる。
【0035】
弱冷却型72には強冷却型71よりも型の温度を高くするための加熱手段が設けられており、弱冷却型82には強冷却型81よりも型の温度を高くするための加熱手段が設けられている。加熱手段としては、加熱が行えるいかなる手段が用いられても良いが、例えば、弱冷却型72および弱冷却型82にそれぞれヒーター挿入孔を設け、弱冷却型72にはヒーター74を挿入し、弱冷却型82にはヒーター84を挿入し、ヒーター74およびヒーター84を用いて弱冷却型72および弱冷却型82を加熱する手段が用いられる。
【0036】
本実施形態に係るピラー構造1の製造方法としては、まず、センターピラーアウタレインホースメント2を形成するための部材100が、加熱装置(図示しない)にて加熱される。部材100としては、例えば、鋼板が用いられる。加熱装置としては、例えば、高周波誘導加熱装置が用いられる。加熱は部材100が焼入れ可能な温度に達するまで行われる必要があるが、この温度は部材の材質(炭素含有量など)による。
【0037】
次に、加熱された部材100がプレス装置60の下型80にセットされる。
【0038】
そして、上型70が降下され、加熱された部材100がプレスされ、センターピラーアウタレインホースメント2が形成される。このとき、強冷却型71および強冷却型81は冷却されているため、強冷却型71および強冷却型81によってプレスされた部位は急冷される。よって、強冷却型71および強冷却型81によってプレスされた部位には焼入れが行われることとなる。弱冷却型72および弱冷却型82は加熱されているため、弱冷却型72および弱冷却型82によってプレスされた部位は急冷されない。よって、弱冷却型72および弱冷却型82によってプレスされた部位には焼入れは行われない。
【0039】
本実施形態に係る製造方法は、強冷却型71および強冷却型81によってプレスされた部位に補強部4を形成することができる。補強部4には上述の通り焼入れが行われるため、補強部4には高い強度を持たせることが可能となる。よって、強度を高めることが可能となる。
【0040】
ここで、補強部4と低強度部5の境界6は材料強度が変化する箇所であり強度が低いため、センターピラーアウタレインホースメント2に衝撃が付加された場合に、境界6が変形の起点となりやすい。よって、断面が細く強度が相対的に弱くなりやすい部分は、境界6における強度変化がピラー全体の強度に影響しないように製造されることが好ましい。本実施形態に係る製造方法は、断面が細い部分、すなわちステップ部3が設けられている部分では、境界6を稜線7および稜線8に囲まれた幅が狭い面10に位置させることができる。このような構成とすることで、センターピラーアウタレインホースメント2に衝撃が付加され境界6で変形が生じた場合においても、稜線7および稜線8により局部的な座屈が抑制される。よって、境界6における強度変化がピラー全体の強度に与える影響を小さくすることができる。よって、さらなる強度を高めることが可能となる。
【0041】
また、本実施形態に係る製造方法は、補強部4に成形と焼入れを同時に行うことができるため、本製造方法により製造されるピラーは成形後の残留歪が少ない。よって、本製造方法により製造されるピラーは、成形後にスプリングバックなどによって変形が生じることがないというメリットを有する。
【0042】
さらに、本実施形態に係る製造方法は、弱冷却型72および弱冷却型82によってプレスされた部位に低強度部5を形成することができる。低強度部5には上述の通り焼入れは行われない。よって、低強度部5に補強部5よりも低い強度を持たせることが可能であり、成形完了後に不要部分を除去するトリミングが容易に行える。よって、トリミングの際に金型が破損することを低減することができ、生産性の向上を図ることが可能となる。
【0043】
以上のように、本実施形態に係る車両用のピラー構造および車両用ピラー製造方法によれば、ピラーの強度を高めつつ、生産性の向上を図ることができる。
【0044】
なお、上述した本実施形態は、本発明に係るピラー構造およびピラーの製造方法の一例を示したものである。このため、本発明に係るピラー構造およびピラーの製造方法は、このようなものに限られるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しないように実施形態に係るピラー構造およびピラーの製造方法を変形し、または他のものに適用したものであってもよい。
【0045】
例えば、上記実施形態においては、ピラー構造の構成要素のうちセンターピラーアウタレインホースメント2に補強部および低強度部を設けているが、ピラー構造の他の構成要素であるアウタパネルに補強部および低強度部を設けても良い。また、例えば、上記実施形態においては、部材100は加熱された後にプレス装置60にセットされているが、加熱される前にプレス装置60にセットされ、その後に加熱されても良い。
【符号の説明】
【0046】
1…ピラー構造、2…センターピラーアウタレインホースメント、3…ステップ、4…補強部、5…低強度部、6…境界、7…稜線、8…稜線、9…外周縁、10…面、60…プレス装置、70…上型、71…強冷却型、72…弱冷却型、73…流水路、74…ヒーター、75…分割面、76…転写面、77…転写面、80…下型、81…強冷却型、82…弱冷却型、83…流水路、84…ヒーター、85…分割面、86…転写面、100…部材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱された部材を冷却された型でプレスすることにより形成される補強部と、
前記加熱された部材の少なくとも外周縁を含む前記補強部以外の部分を前記冷却された型よりも温度の高い型でプレスすることにより形成される低強度部と、
を備える車両用のピラー構造。
【請求項2】
前記ピラー構造は、凸断面形状のピラーの両角を車両内側に曲折することで形成されるステップ部を有し、
前記補強部と前記低強度部の境界が、前記ステップ部を形成する面のうち前記ピラーの凸方向と交差する面に位置する、
請求項1に記載の車両用のピラー構造。
【請求項3】
冷却された強冷却型と前記強冷却型よりも温度の高い弱冷却型を用いて加熱された部材をプレスすることにより、前記強冷却型にプレスされる部分には補強部を形成すると共に前記加熱された部材の少なくとも外周縁を含む前記補強部以外の部分であって前記弱冷却型にプレスされる部分には低強度部を形成する、
車両用ピラー製造方法。
【請求項4】
ピラーを凸断面形状に形成するとともに前記ピラーの凸断面形状の両角を車両内側に曲折することでステップ部を形成する車両用ピラーの製造方法であって、
前記加熱された部材をプレスする際に、前記補強部と前記低強度部の境界が前記ステップ部を形成する面のうち前記ピラーの凸方向と交差する面に位置するようにプレスする、
請求項3に記載の車両用ピラー製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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