説明

車両用の可倒式ルーフマウントアンテナ

【課題】瞬断を防止すると共に、アンテナ特性が変化し難い車両用の可倒式ルーフマウントアンテナを提供する。
【解決手段】本発明の可倒式ルーフマウントアンテナは、ジョイント側接続端子とベース側接続端子との間の電気的な導通経路が、第1導通経路と第2導通経路とからなる。第1導通経路は、平板面13aと、平板面13aからジョイント部10の回転軸方向に面状に突出する突出面13bとを有する、ジョイント側接続端子である突状面端子13の突出面13bを用いる面接触によるものである。また、第2導通経路は、突出面13bの周辺に配置され、平板面13aに接触すると共に突状面端子13とベース側接続端子32との間に押圧力を与える弾性導電体40によるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両用の可倒式ルーフマウントアンテナに関し、特に、複数の導通経路を有する可倒式ルーフマウントアンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の車両用の可倒式ルーフマウントアンテナとしては、例えば特許文献1に開示のものがある。特許文献1に記載の可倒式ルーフマウントアンテナは、略棒状の可倒アンテナ部の基端部が揺動軸で揺動自在にベース部材に配設されたものである。可倒アンテナ部に配設された第1のクラッチプレートが導電材且つ弾性材で形成され、ここに可倒アンテナ部のアンテナエレメントが電気的に接続される。また、ベース部材に配設された第2のクラッチプレートが導電材で形成されると共に、ここにアンテナ出力端子が設けられる。第1と第2のクラッチプレートが互いに弾接するように揺動軸に縮設したコイルスプリングで弾性付勢し、この弾接する箇所に互いに嵌合する凹部と凸部をそれぞれ設けて、電気的導通とクリック機構が提供されるものである。特許文献1に記載の可到式ルーフマウントアンテナの導通経路は、第1クラッチプレートと第2クラッチプレートの摺動面が、面接触することで形成されている。即ち、当該導通経路は、1系統で構成されている。
【0003】
また、導通経路を複数有する可到式ルーフアンテナの例としては、例えば本願出願人と同一人による、特許文献2等がある。図1は、従来の可到式ルーフアンテナの一例を説明する分解斜視図であり、図1(a)が全体を、図1(b)がジョイントアセンブリを、図1(c)がベースアセンブリを、図1(d)がクリック機構をそれぞれ表わしている。図示の通り、従来の可到式ルーフアンテナは、ジョイントアセンブリ100と、ベースアセンブリ200と、クリック機構300とから主に構成されている。ジョイントアセンブリ100は、アンテナロッドが固定されるものであり、アンテナロッドがねじ込まれるジョイント101と、電気的接点となる第1端子102を有する。ベースアセンブリ200は、ジョイントアセンブリ100を揺動可能に枢支する枢支部を有するベースモールド201と第2端子202とからなる。クリック機構300は、導電性のクリックプレート301と、筒状のクリックモールド302からなる。そして、クリック機構300のクリックモールド302内に第1スプリング400を収容し、ジョイントアセンブリ100とベースアセンブリ200とクリック機構300と第1スプリング400にボルト500を貫通させ、ナット550を、ワッシャ555を介して締結することで組み付けられるものである。そして、第1端子102と第2端子202の間の導通を確保するために、その間に第2スプリング450が設けられており、これにより導通経路が確保されている。また、第2スプリング450の周りには、Oリング460が設けられており、泥や砂等が侵入することを防止している。
【0004】
ここで、特許文献2に記載の可到式ルーフマウントアンテナの導通経路は、ジョイント101、第1端子102、第2スプリング450、第2端子202のルートと、ジョイント101、第1端子102、クリックプレート301、第1スプリング400、ボルト500、第2端子202のルートの2系統で構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−32015号公報
【特許文献2】特開2007−306605号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載されているような、1系統の面接触を用いた導通経路を有する可倒式ルーフマウントアンテナの場合、導通経路に泥や砂等が侵入すると、これらの粒子によって、摺動面が離間し、電気的な接続が切断されてしまうという問題があった。また、車両走行時等の振動で摺動面が瞬間的に離れ、所謂瞬断が生じてしまうという問題があった。
【0007】
また、特許文献2に記載されているような、2系統の導通経路を有する可倒式ルーフマウントアンテナの場合、仮に第2スプリングを用いた導通経路が離間されたとしても、第1スプリングを介する別のルートで導通が確保される構造となっている。しかしながら、特許文献2に記載の例では、2系統の導通経路の電気長に違いがあるため、仮に一方の経路が遮断された場合には、インピーダンスが変わってしまうためアンテナ特性が変化し得るという問題があった。
【0008】
本発明は、斯かる実情に鑑み、瞬断を防止すると共に、アンテナ特性が変化し難い車両用の可倒式ルーフマウントアンテナを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した本発明の目的を達成するために、本発明による車両用の可倒式ルーフマウントアンテナは、アンテナマストが取り付けられアンテナマストの軸に対して直交する回転軸を有するジョイント部のジョイント側接続端子と、ジョイント部を保持し車両側に固定されるベース部のベース側接続端子との間の電気的な導通経路が、ジョイント側接続端子又はベース側接続端子に提供され、平板面と、平板面からジョイント部の回転軸方向に面状に突出する突出面とを有する突状面端子の突出面を用いる面接触による第1導通経路と、突状面端子の突出面の周辺に配置され、平板面に接触すると共にジョイント側接続端子とベース側接続端子との間に押圧力を与える弾性導電体による第2導通経路と、を具備するものである。
【0010】
ここで、弾性導電体はリング状であり、リング状の弾性導電体の内側に突状面端子の突出面が位置しても良い。
【0011】
また、突状面端子の突出面はリング状であり、リング状の突出面の内側に弾性導電体が位置しても良い。
【0012】
さらに、ジョイント部とベース部の対向面の少なくとも一方に設けられ、第1導通経路及び第2導通経路を防水するための環状リブを有しても良い。
【0013】
また、環状リブは、ジョイント部又はベース部のモールド樹脂で一体成形されても良い。
【0014】
また、ジョイント側接続端子及び/又はベース側接続端子は、第1導通経路の面接触する面に、窪み部を具備しても良い。
【発明の効果】
【0015】
本発明の車両用の可倒式ルーフマウントアンテナには、瞬断が防止され、且つアンテナ特性が変化し難いという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、従来の可到式ルーフアンテナの一例を説明する分解斜視図である。
【図2】図2は、本発明の第1実施例の可倒式ルーフマウントアンテナを説明するための斜視図である。
【図3】図3は、本発明の第1実施例の可倒式ルーフマウントアンテナを説明するための断面図である。
【図4】図4は、本発明の第2実施例の可倒式ルーフマウントアンテナを説明するための断面図である。
【図5】図5は、本発明の可倒式ルーフマウントアンテナの他の例を説明するための一部拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための形態を図示例と共に説明する。図2は、本発明の第1実施例の可倒式ルーフマウントアンテナを説明するための斜視図であり、図2(a)が可倒式ルーフマウントアンテナ全体を、図2(b)が分解斜視図をそれぞれ表わしている。 また、図3は、本発明の第1実施例の可倒式ルーフマウントアンテナを説明するための断面図であり、図3(a)が全体の断面図であり、図3(b)が、第1導通経路及び第2導通経路付近の拡大断面図である。図中、図2と同一の符号を付した部分は概ね同一物を表わしている。図示の通り、本発明の可倒式ルーフマウントアンテナは、ジョイント部10と、クリック組立体20と、ベース部30と、弾性導電体40とから主に構成されている。
【0018】
ジョイント部10は、アンテナマスト(図示せず)が接続されるものであり、アンテナ接続部11と、有底筒状部12と、ジョイント側接続端子13とで構成されている。アンテナ接続部11は、アンテナマストが電気的に接続されるジョイント14を有している。また、有底筒状部12は、アンテナマストの軸に対して直交する回転軸を有し、一方が開放され他方に底部を有している。なお、有底筒状部12には、後述のクリック組立体20が挿入される。ジョイント側接続端子13は、ジョイント14と電気的に接続されるものであり、平板面13aと突出面13bを有する突状面端子からなる。平板面13a及び突出面13bは、有底筒状部12の底部から外側に露出するように配置されている。また、突出面13bは、突状の面端子を構成するものであり、平板面13aから回転軸方向に面状に突出している。ジョイント側接続端子13は、有底筒状部12にインサート成形等により設けられれば良い。そして、ジョイント側接続端子13には、孔部15が設けられている。なお、孔部15は凹部であっても良い。図示例では、ジョイント側接続端子13の露出が最小限となるように、有底筒状部12の一部で孔部15のベース部30側が塞がれている。これにより、後述のベース側接続端子32とジョイント側接続端子13との間に、有底筒状部12内から泥や砂等が侵入することを防止可能となる。
【0019】
クリック組立体20は、アンテナロッドを揺動させるとき、即ち、ジョイント部10を有底筒状部12の回転軸を中心に回転させるときに、ジョイント部10とベース部30との間にクリック間を与えるものである。図示例のクリック組立体20は、有底筒状部12の開放側から有底筒状部12に挿入されている。クリック組立体20は、図示例では、クリックプレート21とクリックモールド22からなる。クリックプレート21には、孔部15に嵌合する凸部23が設けられている。そして、クリックモールド22は筒状のものである。クリックモールド22の一端はクリックプレート21により閉じられており、他端は開口している。なお、図示例では、クリックプレート21がクリックモールド22に係止されるような構造を示したが、本発明はこれに限定されず、クリック組立体20は、クリックプレート21及びクリックモールド22をインサート成形することで構成されても構わない。さらに、クリックプレートは導通経路として用いられるものではないため、クリック組立体のすべてを樹脂により一体成形しても良い。また、クリックモールド22と、後述のベース部30の枢支部31には、互いに嵌合する凸部及び凹部が設けられており、ベース部30に固定される。クリック組立体20は、クリック組立体20に付勢力を与えるスプリング50と共に、ボルト60及びナット61を用いてベース部30に挟持されている。なお、ボルト60及びナット61の代わりに、本願出願人と同一出願人による特願2009−149870に開示のような、プッシュロッド等を用いても良い。このように、クリック組立体20はジョイント部10には固定されていないため、アンテナロッドの揺動に伴い、ジョイント部10とクリック組立体20は摺動すると共に、孔部15と凸部23が嵌合してクリック感が得られる。
【0020】
ベース部30は、車両側に固定されるものであり、有底筒状部12の回転軸を中心に、回転可能にジョイント部10を保持する。即ち、ベース部30は、一対の枢支部31を有しており、枢支部31とボルト60により、ジョイント部10が狭持されている。また、ベース部30には、ベース側接続端子32が設けられている。ベース側接続端子32は、ベース部30に例えばインサート成形等により設けられる。また、ベース側接続端子32には、車両室内に設けられる受信機(図示せず)等が、ケーブルを介して接続される。
【0021】
弾性導電体40は、ジョイント部10のジョイント側接続端子13の突出部の周辺に配置されるものである。また、弾性導電体40は、平板面13aとベース側接続端子32との間に押圧力を与えながら、その間を電気的に接続するものである。より具体的には、図示例では、弾性導電体40は、リング状であり、リング状の弾性導電体40の内側に突出面13bが位置するように構成されている。即ち、弾性導電体40の内側にジョイント側接続端子13の突出部が貫通し、その周りに弾性導電体40が配置されるように構成されている。弾性導電体40は、平板面13aとベース側接続端子32との間で付勢力を与えながら挟まれるように配置されるものであるため、車両走行中の振動等による瞬断が防止できる。弾性導電体40としては、例えば、図示例のようなウェーブワッシャだけでなく、スプリングワッシャや、さらにはコイルスプリング等を用いることが可能である。ウェーブワッシャの場合、ウェーブワッシャの波形の複数の凸部分により、ベース側接続端子32に対して複数個所で点接触することになる。
【0022】
このように構成される本発明の可到式ルーフマウントアンテナでは、ジョイント側接続端子13とベース側接続端子32の間の電気的な導通経路が、第1導通経路と第2導通経路という2つの経路を有するものとなる。即ち、第1導通経路は、突出面13bを用いる面接触による導通経路であり、また、第2導通経路は、弾性導電体40を用いる導通経路である。第1実施例の可倒式ルーフマウントアンテナでは、第2導通経路が第1導通経路の外側に位置する例を示した。なお、第2導通経路については、用いられる弾性導電体40によって、点接触にすることも面接触にすることも可能である。但し、第1導通経路が面接触によるものであるため、信頼性の確保や導通経路の確保の観点からは、第2導通経路は異なる接触形態である点接触とすることが好ましい。
【0023】
本発明の可倒式ルーフマウントアンテナによれば、ジョイント側接続端子とベース側接続端子の間の電気的な導通経路が2系統となるため、仮に1系統が切断されたとしても、もう1系統により電気的な接続が確保されるため、瞬断等を防止可能である。即ち、例えば、第1導通経路の突出面13bとベース側接続端子32との間に、泥や砂等が侵入して接触面が離間した場合や、車両走行中の振動等を受けた場合であっても、第2導通経路が確保されているため問題ない。また、第1導通経路と第2導通経路の電気長は略同じ長さとなるため、仮に一方が切断されたとしても、アンテナ特性の変化は最小限に抑えることが可能となる。さらに、第2導通経路を点接触、例えばウェーブワッシャを用いたものとした場合には、泥や砂等がウェーブワッシャの部分に侵入したとしても、ウェーブワッシャの波形の複数の凸部分により複数個所で点接触しているため、ある1点において電気的な接続が断たれても、他点において電気的な接続が保たれる。また、電気的な接続点が複数になることから、ジョイント側接続端子とベース側接続端子の間の接触抵抗を低減することも可能となる。
【0024】
さらに、図示例の本発明の可到式ルーフマウントアンテナには、第1導通経路及び第2導通経路を防水するための環状リブ80が設けられている。環状リブ80は、ジョイント部10とベース部30の対向面の少なくとも一方に設けられるものである。図示例では、環状リブ80は、ジョイント部10側に設けられている。より具体的には、ジョイント部10の有底筒状部12の底部の外側に環状リブ80が設けられている。環状リブ80は、有底筒状部12のベース部30の枢支部31、ベース側接続端子32との対向面に、環状リブ80が一体成形されている。ここで、環状リブ80をジョイント部10やベース部30に一体成形するために、ジョイント部10及びベース部30の外皮を構成する樹脂として、例えばエラストマ等の弾力性のあるものを用いれば良い。この環状リブ80により、第1導通経路及び第2導通経路に対して防水することで、泥や砂等の侵入を防ぐことができる。なお、図示例では、環状リブ80をジョイント部10側に設けたが、本発明はこれに限定されず、第1導通経路及び第2導通経路への防水が可能であれば、環状リブをベース部側に設けても良いし、ジョイント部とベース部の両方に設けても良い。この場合には、環状リブは、ジョイント部とベース部とに、それぞれ一体成形されれば良い。また、Oリング等を用いても良い。
【0025】
さらにまた、図示例では、ジョイント側接続端子13及びベース側接続端子32には、第1導通経路の面接触する面に、窪み部70が設けられている。より具体的には、窪み部70は、ジョイント側接続端子13の突出面13bとベース側接続端子32の接触面(摺動面)に対向するように設けられている。突出面13bとベース側接続端子32の間に泥や砂等が侵入した場合であっても、窪み部70内にこれらが溜まることで、第1導通経路の電気的な接続が切断されることをより防止可能となる。窪み部70は、ジョイント部10の回転中心からより離れた位置に配置したほうが泥や砂をそこに溜める効果が得られる。また、この窪み部70は、同時に摺動面のグリス溜めとしても機能させることが可能である。なお、本実施例では、窪み部70をジョイント側接続端子13及びベース側接続端子32の両方に設けた例を示したが、本発明はこれに限定されず、ジョイント側接続端子又はベース側接続端子のどちらか一方に設けるようにしても良い。
【0026】
次に、本発明の第2実施例の車両用の可倒式ルーフマウントアンテナを、図4を用いて説明する。図4は、本発明の第2実施例の可倒式ルーフマウントアンテナを説明するための断面図であり、図4(a)は全体断面図であり、図4(b)は第2導通経路及び第2導通経路付近の拡大断面図である。図中、図2又は図3と同一の符号を付した部分は概ね同一物を表わしているため詳述を省略する。第1実施例では、第2導通経路が第1導通経路の外側に位置していたが、第2実施例では、第2導通経路が第1導通経路の内側に位置するものである。
【0027】
図示の通り、第1実施例と同様に、本発明の第2実施例の可到式ルーフマウントアンテナは、ジョイント側接続端子13とベース側接続端子32との間の電気的な導通経路が、第1導通経路と第2導通経路の2系統からなるものである。第2実施例では、ジョイント側接続端子13が、リング状の突出面13bを有しており、このリング状の突出面13bの内側に、弾性導電体40が配置されている。即ち、第1実施例では突出面の外側に弾性導電体が配置されていたが、第2実施例では、リング状の突出面の内側に弾性導電体が配置されるものである。
【0028】
このような構成としても、第1実施例と同様に、瞬断を防止することが可能であり、また、電気長も略変わらないため、アンテナ特性の変化も最小限に抑えることが可能である。
【0029】
さらに、上述の図示例では、ジョイント側接続端子を突状面端子とし、ベース側接続端子を平坦構造とした例を示したが、本発明はこれに限定されず、反対に、ベース側接続端子を突状面端子とし、ジョイント側接続端子を平坦構造としても良い。図5は、ベース側接続端子に突出面を設けた例を説明するための一部拡大断面図である。図中、図2又は図3と同一の符号を付した部分は概ね同一物を表わしているため詳述を省略する。図示の通り、ジョイント側接続端子13を平坦構造とし、ベース側接続端子32を平板面32aと突出面32bとを有する突状面端子とする。このように構成しても、上述の図示例と同様の作用効果が得られる。なお、図5に示される例は、第1実施例の変形例であるが、本発明はこれに限定されず、第2実施例の変形例であっても良い。即ち、突出面をリング状に構成し、その内側に弾性導電体を配置する構成であっても良い。なお、図5では、クリックプレート21の凸部23と嵌合することでクリック感を得るための、ジョイント側接続端子13に設けられる孔部を、凹部15aとした例を示した。
【0030】
なお、本発明の車両用の可倒式ルーフマウントアンテナは、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0031】
例えば、上述の図示例では、2つの導通経路を示したが、例えばクリック組立体に付勢力を与えるスプリングやボルトを導電体とし、ジョイント側接続端子、スプリング、ボルト、ベース側接続端子のルートの第3導通経路を設けても良い。本発明によれば、第1導通経路又は第2導通経路の何れかにより電気的な接続は確保されるため、ジョイント側接続端子とベース側接続端子間の接触抵抗をより低減することも可能となる。
【符号の説明】
【0032】
10 ジョイント部
11 アンテナ接続部
12 有底筒状部
13 ジョイント側接続端子
13a 平板面
13b 突出面
14 ジョイント
15 孔部
20 クリック組立体
21 クリックプレート
22 クリックモールド
23 凸部
30 ベース部
31 枢支部
32 ベース側接続端子
40 弾性導電体
50 スプリング
60 ボルト
61 ボルト
70 窪み部
80 環状リブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用の可倒式ルーフマウントアンテナであって、該可倒式ルーフマウントアンテナは、
アンテナマストが取り付けられアンテナマストの軸に対して直交する回転軸を有するジョイント部のジョイント側接続端子と、ジョイント部を保持し車両側に固定されるベース部のベース側接続端子との間の電気的な導通経路が、
ジョイント側接続端子又はベース側接続端子に提供され、平板面と、平板面からジョイント部の回転軸方向に面状に突出する突出面とを有する突状面端子の突出面を用いる面接触による第1導通経路と、
突状面端子の突出面の周辺に配置され、平板面に接触すると共にジョイント側接続端子とベース側接続端子との間に押圧力を与える弾性導電体による第2導通経路と、
を具備することを特徴とする可倒式ルーフマウントアンテナ。
【請求項2】
請求項1に記載の可倒式ルーフマウントアンテナにおいて、前記弾性導電体はリング状であり、リング状の弾性導電体の内側に突状面端子の突出面が位置することを特徴とする可倒式ルーフマウントアンテナ。
【請求項3】
請求項1に記載の可倒式ルーフマウントアンテナにおいて、前記突状面端子の突出面はリング状であり、リング状の突出面の内側に弾性導電体が位置することを特徴とする可倒式ルーフマウントアンテナ。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3の何れかに記載の可倒式ルーフマウントアンテナであって、さらに、ジョイント部とベース部の対向面の少なくとも一方に設けられ、第1導通経路及び第2導通経路を防水するための環状リブを有することを特徴とする可倒式ルーフマウントアンテナ。
【請求項5】
請求項4に記載の可倒式ルーフマウントアンテナにおいて、前記環状リブは、ジョイント部又はベース部のモールド樹脂で一体成形されることを特徴とする可倒式ルーフマウントアンテナ。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5の何れかに記載の可倒式ルーフマウントアンテナにおいて、前記ジョイント側接続端子及び/又はベース側接続端子は、第1導通経路の面接触する面に、窪み部を具備することを特徴とする可倒式ルーフマウントアンテナ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−230532(P2011−230532A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−99740(P2010−99740)
【出願日】平成22年4月23日(2010.4.23)
【出願人】(000165848)原田工業株式会社 (78)
【Fターム(参考)】