車両用アウトサイドミラー装置
【課題】格納ユニットの傾倒部材とミラーアセンブリのミラーハウジングとを確実に固定すること。
【解決手段】この発明は、格納ユニット3のギアケース6およびギアカバー7がミラーハウジング14の収納部18中に位置決め部25、26、27、28、29で置決めされた状態で収納されていて、ギアケース6およびギアカバー7と収納部18とがタッピングスクリュー13で固定されている。この結果、この発明は、格納ユニット3のギアケース6およびギアカバー7とミラーアセンブリ4のミラーハウジング14とが確実に固定され、これにより、ミラーアセンブリ4が格納ユニット3を介してベース2すなわち車体に対してスムーズに傾倒することができる。
【解決手段】この発明は、格納ユニット3のギアケース6およびギアカバー7がミラーハウジング14の収納部18中に位置決め部25、26、27、28、29で置決めされた状態で収納されていて、ギアケース6およびギアカバー7と収納部18とがタッピングスクリュー13で固定されている。この結果、この発明は、格納ユニット3のギアケース6およびギアカバー7とミラーアセンブリ4のミラーハウジング14とが確実に固定され、これにより、ミラーアセンブリ4が格納ユニット3を介してベース2すなわち車体に対してスムーズに傾倒することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ミラーアセンブリが車体(ドア)に対して可倒可能であるたとえばドアミラーなどの車両用アウトサイドミラー装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の車両用アウトサイドミラー装置は、従来からある(たとえば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4)。以下、従来の車両用アウトサイドミラー装置について説明する。従来の車両用アウトサイドミラー装置は、車体に固定されるベースと、そのベースに格納ユニットを介して可倒可能に装備されているミラーアセンブリと、を備えるものである。格納ユニットは、ベースに固定されているシャフトと、そのシャフトに可倒機構を介してシャフト回りに可倒可能に取り付けられている傾倒部材と、から構成されている。ミラーアセンブリは、ミラーハウジングと、そのミラーハウジングに配置されているミラーユニットと、から構成されている。格納ユニットの傾倒部材とミラーアセンブリのミラーハウジングとは、固定されている。この結果、ミラーアセンブリは、格納ユニットを介してベースすなわち車体に対して傾倒可能となる。
【0003】
前記の従来の車両用アウトサイドミラー装置においては、ミラーアセンブリが格納ユニットを介してベースすなわち車体に対してスムーズに傾倒するために、格納ユニットの傾倒部材とミラーアセンブリのミラーハウジングとを確実に固定する必要がある。
【0004】
【特許文献1】特開2001−322495号公報
【特許文献2】特開平7−329641号公報
【特許文献3】特開平7−69133号公報
【特許文献4】特開2001−322499号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明が解決しようとする課題は、格納ユニットの傾倒部材とミラーアセンブリのミラーハウジングとを確実に固定することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明(請求項1にかかる発明)は、車体に固定されるベースと、そのベースに格納ユニットを介して可倒可能に装備されているミラーアセンブリと、を備え、格納ユニットが、ベースに固定されているシャフトと、そのシャフトに可倒機構を介してシャフト回りに可倒可能に取り付けられている傾倒部材と、から構成されていて、ミラーアセンブリが、一方が開口しかつ他方が閉塞したミラーハウジングと、そのミラーハウジングの開口部に配置されていてかつ反射面を有するミラーユニットと、ミラーハウジングの閉塞部に固定されていてかつ閉塞部を覆うカバーと、ミラーハウジングの閉塞部のカバーと対向する側に一体に設けられていて傾倒部材をシャフトの軸線方向に収納する凹形状の収納部と、その収納部に一体に設けられていて収納部中に傾倒部材を収納する際に収納部中の傾倒部材の位置を決める位置決め部と、収納部中に位置決めされた傾倒部材と収納部とを固定する固定部材と、から構成されている、ことを特徴とする。
【0007】
また、この発明(請求項2にかかる発明)は、格納ユニットの傾倒部材には第1孔がシャフトの軸線方向に設けられていて、位置決め部が、第1孔中に挿入して傾倒部材の収納方向に対して直交する方向の位置を決めるピン部と、傾倒部材が当接して傾倒部材の収納方向の位置を決める第1当接部と、からなる、ことを特徴とする。
【0008】
さらに、この発明(請求項3にかかる発明)は、固定部材がタッピングスクリューであり、格納ユニットの傾倒部材の両側には座部と面取部とが隣り合わせに設けられていて、座部にはタッピングスクリューがねじ込まれる第2孔がシャフトの軸線方向に対して直交する方向に設けられていて、収納部には収納部中に収納されている傾倒部材の第2孔と連通していてタッピングスクリューが挿通する孔が設けられていて、位置決め部が、傾倒部材の座部もしくは面取部のうち少なくともいずれか一方を傾倒部材の収納方向に対して直交する方向に挟み込んで傾倒部材の収納方向に対して直交する方向の位置を決める第1挟持部からなる、ことを特徴とする。
【0009】
さらにまた、この発明(請求項4にかかる発明)は、位置決め部が、傾倒部材が当接して傾倒部材の収納方向に対して直交する方向の位置を決めるリブ形状の第2当接部と、傾倒部材を傾倒部材の収納方向に対して直交する方向に挟み込んで傾倒部材の収納方向に対して直交する方向の位置を決めるリブ形状の第2挟持部と、からなる、ことを特徴とする。
【0010】
さらにまた、この発明(請求項5にかかる発明)は、固定部材がタッピングスクリューであり、格納ユニットの傾倒部材には凸部がシャフトの軸線方向に対して直交する方向に設けられていて、凸部にはタッピングスクリューが挿通する第3孔がシャフトの軸線方向に設けられていて、位置決め部が、凸部が当接して傾倒部材の収納方向の位置を決める第3当接部からなり、第3当接部には収納部中に収納されている傾倒部材の第3孔と連通していてタッピングスクリューがねじ込まれる孔がシャフトの軸線方向に設けられている、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
この発明(請求項1にかかる発明)の車両用アウトサイドミラー装置は、前記の課題を解決するための手段により、格納ユニットの傾倒部材がミラーハウジングの収納部中に位置決め部で置決めされた状態で収納されていて、かつ、この傾倒部材と収納部とが固定部材で固定されている。この結果、この発明(請求項1にかかる発明)の車両用アウトサイドミラー装置は、格納ユニットの傾倒部材とミラーアセンブリのミラーハウジングとが確実に固定され、これにより、ミラーアセンブリが格納ユニットを介してベースすなわち車体に対してスムーズに傾倒することができる。
【0012】
また、この発明(請求項1にかかる発明)の車両用アウトサイドミラー装置は、格納ユニットの傾倒部材をミラーハウジングの収納部中にシャフトの軸線方向に収納することができるので、組み付け作業性が向上する。ここで、凹形状の収納部の開口部を上側にすれば、格納ユニットの傾倒部材をミラーハウジングの収納部中にシャフトの軸線方向に上から下に落とし込み式で収納することができるので、組み付け作業性がさらに向上する。
【0013】
さらに、この発明(請求項1にかかる発明)の車両用アウトサイドミラー装置は、ミラーハウジングの閉塞部の背面側(カバーと対向する側であって、ミラーユニットが配置されている正面側と反対側)に、格納ユニットの傾倒部材を収納固定する凹形状の収納部が一体に設けられているので、ミラーハウジングと収納部との剛性が向上される。しかも、ミラーハウジングと収納部との剛性が向上されることにより、ミラーハウジングと収納部との肉厚を薄くすることができ、その分、ミラーハウジングと収納部とを軽量化することができる。その上、ミラーハウジングに収納部を一体に設けるので、部品点数を抑えることができる。
【0014】
さらにまた、この発明(請求項1にかかる発明)の車両用アウトサイドミラー装置は、格納ユニットがミラーハウジングの閉塞部とカバーとにより区画されている空間中に収納されているので、格納ユニットの作動音が格納ユニットの収納空間中から外部に漏れるのを防止することができ、その分、格納ユニットの作動音を遮断することができ、静粛性が向上される。しかも、格納ユニットがミラーハウジングの閉塞部とカバーとにより隠されるので、見栄え(商品性)が向上される。
【0015】
さらにまた、この発明(請求項1にかかる発明)の車両用アウトサイドミラー装置は、ミラーハウジングの閉塞部の背面側の収納部中に格納ユニットの傾倒部材をシャフトの軸線方向に収納して、傾倒部材と収納部とを固定するものであるから、格納ユニットをユニットブラケットを介してミラーハウジングに取り付ける特許文献3と比較して、小型化が可能である。すなわち、特許文献3は、格納ユニットをミラーハウジングの正面側から背面側にミラーハウジングの閉塞部に設けた空所を潜り抜けてミラーハウジングの閉塞部の背面側に位置させて、その格納ユニットをユニットブラケットに取り付けて、そのユニットブラケットをミラーハウジングに取り付けるものである。このために、特許文献3は、ミラーハウジングの閉塞部の背面側において、格納ユニットをミラーハウジングの空所を潜り抜けるためのスペースが必要であり、その分、ミラーハウジングの閉塞部の背面側が大型化する。また、特許文献3は、格納ユニットをユニットブラケットを介してミラーハウジングに取り付けるので、格納ユニットとユニットブラケットとの取付箇所と、ユニットブラケットとミラーハウジングとの取付箇所とが連続し、その分、取付箇所が大型化する。これに対して、この発明(請求項1にかかる発明)の車両用アウトサイドミラー装置は、ミラーハウジングの閉塞部の背面側の収納部中に格納ユニットの傾倒部材をシャフトの軸線方向に収納して、傾倒部材と収納部とを固定するものである。このために、この発明(請求項1にかかる発明)の車両用アウトサイドミラー装置は、特許文献3のように格納ユニットをミラーハウジングの空所を潜り抜けるためのスペースが不要であり、その分、ミラーハウジングの閉塞部の背面側を小型化することができる。また、この発明(請求項1にかかる発明)の車両用アウトサイドミラー装置は、特許文献3のように格納ユニットとユニットブラケットとの取付箇所およびユニットブラケットとミラーハウジングとの取付箇所が連続するようなことがなく、その分、取付箇所を小型化することができる。
【0016】
また、この発明(請求項2にかかる発明)の車両用アウトサイドミラー装置は、前記の課題を解決するための手段により、格納ユニットの傾倒部材をミラーハウジングの収納部中に収納すると、位置決め部のピン部が傾倒部材の第1孔中に挿入して傾倒部材の収納方向に対して直交する方向の位置を決め、また、傾倒部材が位置決め部の第1当接部に当接して傾倒部材の収納方向の位置を決める。この結果、この発明(請求項2にかかる発明)の車両用アウトサイドミラー装置は、格納ユニットの傾倒部材をミラーハウジングの収納部中に所定の位置に確実に位置決めした状態で収納することができ、この状態で、固定部材で収納部中に位置決めされた傾倒部材と収納部とを固定することにより、格納ユニットの傾倒部材とミラーアセンブリのミラーハウジングとをさらに確実に固定することができる。
【0017】
しかも、この発明(請求項2にかかる発明)の車両用アウトサイドミラー装置は、傾倒部材にシャフトの軸線方向の第1孔が設けられている既存の格納ユニットを使用することができるので、製造コストを抑えることができる。
【0018】
さらに、この発明(請求項3にかかる発明)の車両用アウトサイドミラー装置は、前記の課題を解決するための手段により、格納ユニットの傾倒部材をミラーハウジングの収納部中に収納すると、位置決め部の第1挟持部が傾倒部材を傾倒部材の収納方向に対して直交する方向に挟み込んで傾倒部材の収納方向に対して直交する方向の位置を決める。この結果、この発明(請求項3にかかる発明)の車両用アウトサイドミラー装置は、格納ユニットの傾倒部材をミラーハウジングの収納部中に所定の位置に確実に位置決めした状態で収納することができ、この状態で、タッピングスクリューを収納部の孔中に挿通して傾倒部材の第2孔中にねじ込むことにより、格納ユニットの傾倒部材とミラーアセンブリのミラーハウジングとをさらに確実に固定することができる。
【0019】
しかも、この発明(請求項3にかかる発明)の車両用アウトサイドミラー装置は、傾倒部材にシャフトの軸線方向に対して直交する方向の第2孔とが設けられている既存の格納ユニットを使用することができるので、製造コストを抑えることができる。
【0020】
その上、この発明(請求項3にかかる発明)の車両用アウトサイドミラー装置は、タッピングスクリューを一方向から収納部の孔中に挿通して傾倒部材の第2孔中にねじ込むことにより、格納ユニットの傾倒部材とミラーアセンブリのミラーハウジングとの組み付け性が向上する。
【0021】
さらにまた、この発明(請求項4にかかる発明)の車両用アウトサイドミラー装置は、前記の課題を解決するための手段により、格納ユニットの傾倒部材をミラーハウジングの収納部中に収納すると、傾倒部材が位置決め部の第2当接部に当接して傾倒部材の収納方向に対して直交する方向の位置を決め、また、位置決め部の第2挟持部が傾倒部材を傾倒部材の収納方向に対して直交する方向に挟み込んで傾倒部材の収納方向に対して直交する方向の位置を決める。この結果、この発明(請求項4にかかる発明)の車両用アウトサイドミラー装置は、格納ユニットの傾倒部材をミラーハウジングの収納部中に所定の位置に確実に位置決めした状態で収納することができ、この状態で、固定部材で収納部中に位置決めされた傾倒部材と収納部とを固定することにより、格納ユニットの傾倒部材とミラーアセンブリのミラーハウジングとをさらに確実に固定することができる。
【0022】
しかも、この発明(請求項4にかかる発明)の車両用アウトサイドミラー装置は、リブ形状の第2当接部を傾倒部材の収納方向に沿って設けることにより、固定部材で傾倒部材を収納部中に固定する際に、傾倒部材の上下が前後に傾くのを防ぐことができる。
【0023】
さらにまた、この発明(請求項5にかかる発明)の車両用アウトサイドミラー装置は、前記の課題を解決するための手段により、格納ユニットの傾倒部材をミラーハウジングの収納部中に収納すると、格納ユニットの傾倒部材の凸部が位置決め部の第3当接部に当接して傾倒部材の収納方向の位置を決める。この結果、この発明(請求項5にかかる発明)の車両用アウトサイドミラー装置は、格納ユニットの傾倒部材をミラーハウジングの収納部中に所定の位置に確実に位置決めした状態で収納することができ、この状態で、タッピングスクリューを傾倒部材の凸部の第3孔中に挿通して収納部の第3当接部の孔中にねじ込むことにより、格納ユニットの傾倒部材とミラーアセンブリのミラーハウジングとをさらに確実に固定することができる。
【0024】
しかも、この発明(請求項5にかかる発明)の車両用アウトサイドミラー装置は、傾倒部材の収納方向と、タッピングスクリューを第3孔中に挿通して孔中にねじ込む方向とがシャフトの軸線方向と平行であって一致するので、格納ユニットの傾倒部材とミラーアセンブリのミラーハウジングとの組み付け作業性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、この発明にかかる車両用アウトサイドミラー装置の実施例の2例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
【実施例1】
【0026】
図1〜図16は、この発明にかかる車両用アウトサイドミラー装置の実施例1を示す。以下、この実施例1における車両用アウトサイドミラー装置の構成について説明する。図1において、符号1は、この実施例1における車両用アウトサイドミラー装置であって、この例では自動車用のドアミラーである。この実施例1のドアミラー1は、図示を省略するが、自動車の左右のドア(車体)にそれぞれ装備されている。なお、この実施例1のドアミラー1は、自動車の左側(ドライバー側から自動車の前進方向側を見た左側)のドアに装備されるものであって、自動車の右側のドアに装備されるドアミラーは、この実施例1のドアミラー1とほぼ左右が逆となる。
【0027】
この実施例1のドアミラー1は、前記ドアに固定されるベース2と、前記ベース2に格納ユニット3を介して可倒可能に装備されているミラーアセンブリ4と、を備えるものである。
【0028】
前記格納ユニット3は、図4〜図9、図11〜図14に示すように、既存の格納ユニットであって、前記ベース2に固定されているシャフト5と、前記シャフト5に可倒機構(図示せず)を介して前記シャフト5回りに可倒可能に取り付けられている傾倒部材6、7と、から構成されている。
【0029】
前記シャフト5の一端(下端)には、シャフトホルダ8が一体に設けられている。前記シャフトホルダ8は、前記ベース2にスクリュー(図示せず)により固定されている。前記傾倒部材は、ギアケース6とギアカバー7とからなるケーシングから構成されている。前記可倒機構は、前記シャフト5と前記ギアケース6および前記ギアカバー7との間に介装されている。前記可倒機構は、手動の場合には、クラッチ機構からなり、また、電動の場合には、モータと減速機構とクラッチ機構とからなる。
【0030】
前記傾倒部材としての前記ギアケース6の一端部(前記シャフト5と反対側の端部)には、水平板部9が前記シャフト5の軸線方向O−O(図4参照)に対して交差(直交)する方向に設けられているとともに、垂直板部10が前記シャフト5の軸線方向O−Oと平行に設けられている。また、前記ギアケース6の他端部の下部の前後両側面には、上円下方(上半分が半円形、下半分が方形)の座部15が設けられている。さらに、前記ギアケース6の2個の前記座部15の下側と左右両側とには、平面状の面取部30が設けられている。すなわち、前記座部15と前記面取部30とは、前記ギアケース6に隣り合わせに設けられている。前記座部15は、前記面取部30よりも若干外側に突出している。
【0031】
前記水平板部9には、2個の第1孔11が前記シャフト5の軸線方向O−Oに設けられている。また、前記垂直板部10には、3個の第2孔12が前記シャフト5の軸線方向O−Oに対して直交する方向に設けられている。さらに、2個の前記座部15には、第2孔12が前記シャフト5の軸線方向O−Oに対して直交する方向に、かつ、前記垂直板部10の3個の前記第2孔12と同方向に設けられている。
【0032】
前記第1孔11および前記第2孔12は、固定部材としてのタッピングスクリュー13がねじ込まれることにより、前記格納ユニット3を前記ミラーアセンブリ4のミラーハウジング14に固定するものである。このために、車種により前記ミラーアセンブリ4の前記ミラーハウジング14の形状が異なっていても、単一の前記格納ユニット3を使用できるように、前記第1孔11および前記第2孔12は、前記ギアケース6の複数の箇所(前記水平板部9、前記垂直板部10、前記座部15)に複数個設けられている。
【0033】
前記ミラーアセンブリ4は、図1〜図4、図7〜図16に示すように、前記ミラーハウジング14と、ミラーユニット16と、カバー(化粧カバー、ガーニッシュ、シェルフレーム)17と、収納部18と、位置決め部と、固定部材としての前記タッピングスクリュー13と、から構成されている。
【0034】
前記ミラーハウジング14は、一方(正面側、自動車の後退方向側、以下「後側」と称する)19が開口し、かつ、他方(背面側、自動車の前進方向側、以下「前側」と称する)20が閉塞した形状をなす。前記ミラーハウジング14の一端部(右側端部)の下部には、前記ベース2および前記シャフトホルダ8が収納される凹部21が設けられている。前記凹部21の底部には、前記シャフトホルダ8が挿通する挿通孔22が設けられている。前記ミラーハウジング14の前記閉塞部20の背面側(前記開口部19と反対側)には、斜め格子状の補強リブ23が一体に設けられている。
【0035】
前記ミラーユニット16は、反射面を有し、前記ミラーハウジング14の前記開口部19に配置されている。すなわち、前記ミラーハウジング14の前記閉塞部20の正面側にパワーユニット(図示せず)およびピボット機構(図示せず)を取り付ける。前記パワーユニットおよび前記ピボット機構に前記ミラーユニット16を取り付ける。この結果、前記ミラーユニット16は、前記ミラーハウジング14に、水平軸回りに上下に回転可能にかつ垂直軸回りに左右に回転可能に取り付けられている。これにより、前記ミラーユニット16の反射面をドライバーに視点(視線)に合わせて調整することができる。
【0036】
前記カバー17の縁部は、前記ミラーハウジング14の前記閉塞部20の縁部に固定されている。この結果、前記カバー17は、前記ミラーハウジング14の前記閉塞部20を覆う。
【0037】
前記収納部18は、前記ミラーハウジング14の前記閉塞部20の一端部(右側端部)の背面側(前記カバー17と対向する側)に一体に設けられている。前記収納部18は、前記格納ユニット3の前記ギアケース6および前記ギアカバー7を前記シャフト5の軸線方向O−Oに上側から下側に収納する凹形状をなす。
【0038】
すなわち、前記収納部18は、上側が開口していて、前後両側および左右両側および下側が閉塞しているバスタブ形状をなす。前記収納部18の下側閉塞部には、前記挿通孔22が設けられている。また、前記収納部18の前側閉塞部には、前記補強リブ23が設けられている。さらに、前記収納部18の前側閉塞部には、前記収納部18中に前記位置決め部により位置決めされて収納されている前記ギアケース6の前記第2孔12と連通していて前記タッピングスクリュー13が挿通する孔24が3個設けられている。3個の前記孔24は、前記垂直板部10の上の前記第2孔12と下の前記第2孔12と2個の前記座部15のうち前記ギアケース6の前側側面の前記座部15の前記第2孔12と連通する。
【0039】
前記位置決め部は、前記収納部18に一体に設けられている。前記位置決め部は、前記収納部18中に前記格納ユニット3の前記ギアケース6および前記ギアカバー7を収納する際に、前記収納部18中の前記ギアケース6および前記ギアカバー7の位置を決めるものである。
【0040】
前記位置決め部は、2本のピン部25と、3個の第1当接部26と、第2当接部27と、第1挟持部28と、第2挟持部29と、を備えるものである。
【0041】
2本の前記ピン部25は、前記収納部18の底部に一体に前記第1孔11と対応して設けられている。2本の前記ピン部25は、前記第1孔11中に挿入して前記ギアケース6および前記ギアカバー7の収納方向(前記シャフト5の軸線方向O−Oと平行であって、図4、図12、図14、図16中の実線矢印方向)に対して直交する方向の位置を決める(仮決めする)ものである。
【0042】
3個の前記第1当接部26は、それぞれ断面台形形状をなしていて、前記収納部18の底部に一体に前記ギアケース6の底面および前記水平板部9の底面および前記垂直板部10の底面とそれぞれ対応して設けられている。なお、3個の前記第1当接部26のうち、前記水平板部9の底面と対応する前記第1当接部26の上面には、2本の前記ピン部25が一体に設けられている。3個の前記第1当接部26は、前記ギアケース6の底面および前記水平板部9の底面および前記垂直板部10の底面がそれぞれ当接して前記ギアケース6および前記ギアカバー7の収納方向の位置を決めるものである。
【0043】
前記第2当接部27は、断面三角形状のリブ形状をなしていて、前記収納部18の後側閉塞部に一体に前記ギアケース6の後側側面に対応して前記ギアケース6および前記ギアカバー7の収納方向に沿って設けられている。前記第2当接部27は、前記ギアケース6の後側側面が当接して前記ギアケース6および前記ギアカバー7の収納方向に対して直交する方向の位置を決めるものである。また、前記第2当接部27は、前記ギアケース6および前記ギアカバー7の収納方向(上下方向)に沿って設けられているので、前記タッピングスクリュー13で前記ギアケース6および前記ギアカバー7を前記収納部18中に固定する際に、前記ギアケース6および前記ギアカバー7の上下が前後に傾くのを防ぐことができる。
【0044】
前記第1挟持部28は、ほぼ四角形形状をなしていて、前記収納部18の前側閉塞部と後側閉塞部との相互に対向する箇所に一体に前記ギアケース6の前記座部15および前記面取部30に対応して内側に若干突出して設けられている。前記第1挟持部28は、前記ギアケース6の前記面取部30を前記ギアケース6および前記ギアカバー7の収納方向に対して直交する方向に挟み込んで前記ギアケース6および前記ギアカバー7の収納方向に対して直交する方向の位置を決める(本決めする)ものである。なお、前記第1挟持部28は、前記面取部30のうち、前記座部15の左右両側の前記面取部30を挟み込む場合と、前記座部15の下側の前記面取部30を挟み込む場合と、前記座部15の左右両側の前記面取部30および前記座部15の下側の前記面取部30を挟み込む場合と、がある。
【0045】
前記第1挟持部28のうち前記ギアケース6の前記座部15に対応する箇所には、前記ギアケース6の前記座部15がガイドされながら嵌合(セット)される切欠31が設けられている。前記切欠31の下部は、前記座部15の方形下部が嵌合する方形をなし、かつ、前記切欠31の上部は、前記座部15の方形下部が前記切欠31の方形下部にガイドするために傾斜している。前記切欠31は、前記第1挟持部28よりも若干(前記ギアケース6の前記座部15の高さ分)内側に凹んでいる。また、2個の前記切欠31の相対向する面(内側に凹んだ面)は、前記ギアケース6の2個の前記座部15を前記ギアケース6および前記ギアカバー7の収納方向に対して直交する方向に挟み込んで前記ギアケース6および前記ギアカバー7の収納方向に対して直交する方向の位置を決める(本決めする)ものであっても良い。すなわち、前記切欠31の面は、前記第1挟持部28を構成するものである。前記第1挟持部28と前記切欠31の面とのうち少なくともいずれか一方が、位置決め部であれば良い。なお、前記第1挟持部28の2個の前記切欠31のうち前記収納部18の後側閉塞部の前記切欠31の面には、3個の前記孔24のうちの1個の前記孔24が設けられている。
【0046】
前記第2挟持部29は、一方が断面三角形状のリブ形状をなしていて、他方が断面四角形状のリブ形状をなしていて、前記収納部18の後側閉塞部と後側閉塞部との相互に対向する箇所に一体に前記垂直板部10に対応して前記ギアケース6および前記ギアカバー7の収納方向設けられている。前記第2挟持部29は、前記垂直板部10を前記ギアケース6および前記ギアカバー7の収納方向に対して直交する方向に挟み込んで前記ギアケース6および前記ギアカバー7の収納方向に対して直交する方向の位置を決める(本決めする)ものである。また、前記第2挟持部29は、前記ギアケース6および前記ギアカバー7の収納方向(上下方向)に沿って設けられているので、前記タッピングスクリュー13で前記ギアケース6および前記ギアカバー7を前記収納部18中に固定する際に、前記ギアケース6および前記ギアカバー7の上下が前後に傾くのを防ぐことができる。
【0047】
固定部材としての前記タッピングスクリュー13は、前記収納部18の前記孔24中を挿通して前記ギアケース6の前記第2孔12中にねじ込むことにより、前記収納部18中に前記位置決め部25、26、27、28、29で位置決めされた前記格納ユニット3の前記ギアケース6および前記ギアカバー7と前記収納部18とを固定するものである。
【0048】
この実施例1における車両用アウトサイドミラー装置(ドアミラー1)は、以上のごとき構成からなり、以下、前記格納ユニット3を前記ミラーアセンブリ4の前記ミラーハウジングに固定する工程、および、前記ドアミラー1の組立工程について説明する。
【0049】
まず、図4、図8、図10、図12、図14、図16に示すように、前記シャフトホルダ8を下側に向けて、前記格納ユニット3をセットし、一方、前記収納部18の開口部を上側に向けて、前記ミラーハウジング14をセットする。
【0050】
つぎに、図4、図12、図14、図16中の実線矢印に示すように、前記格納ユニット3を前記収納部18中に落とし込み式で収納させる。
【0051】
すると、図3、図9、図13に示すように、前記格納ユニット3の前記シャフトホルダ8が前記ミラーハウジング14の前記収納部18の底部の前記挿通孔22中から外部に下側に突出する。また、前記格納ユニット3の前記ギアケース6の前記座部15が前記ミラーハウジング18の前記収納部18の前記切欠31にガイドされながら嵌合する。さらに、図7、図11に示すように、前記収納部18の2本の前記ピン部25が前記ギアケース6の前記水平板部9の前記第1孔11中に挿入する。これにより、前記格納ユニット3(前記ギアケース6および前記ギアカバー)の収納方向に対して直交する方向の位置が決まる(仮決めされる)。この状態で前記格納ユニット3を前記収納部18中にさらに押し込む、すなわち、圧入する。
【0052】
すると、図9、図11に示すように、前記ギアケース6の底面および前記水平板部9の底面および前記垂直板部10の底面が前記収納部18の3個の前記第1当接部26にそれぞれ当接する。これにより、前記格納ユニット3(前記ギアケース6および前記ギアカバー7)の収納方向の位置が決まる。
【0053】
また、図7に示すように、前記ギアケース6の後側側面が前記収納部18の前記第2当接部27に当接する。これにより、前記格納ユニット3(前記ギアケース6および前記ギアカバー7)の収納方向に対して直交する方向の位置が決まる。
【0054】
さらに、図7、図13に示すように、前記収納部18の前記第1挟持部28が前記ギアケース6の前記面取部30を前記格納ユニット3(前記ギアケース6および前記ギアカバー7)の収納方向に対して直交する方向に挟み込む。これにより、前記格納ユニット3(前記ギアケース6および前記ギアカバー7)の収納方向に対して直交する方向の位置が決まる(本決めされる)。また、前記収納部18の2個の前記切欠31の相対向する面が前記ギアケース6の2個の前記座部15を前記格納ユニット3(前記ギアケース6および前記ギアカバー7)の収納方向に対して直交する方向に挟み込んで、前記格納ユニット3(前記ギアケース6および前記ギアカバー7)の収納方向に対して直交する方向の位置が決まる(本決めされる)場合であっても良い。すなわち、前記第1挟持部28と前記切欠31の面とのうち少なくともいずれか一方が、位置決め部であれば良い。
【0055】
さらにまた、図7、図15に示すように、前記収納部18の前記第2挟持部29が前記垂直板部10を前記格納ユニット3(前記ギアケース6および前記ギアカバー7)の収納方向に対して直交する方向に挟み込む。これにより、前記格納ユニット3(前記ギアケース6および前記ギアカバー7)の収納方向に対して直交する方向の位置が決まる(本決めされる)。
【0056】
以上のように、図3、図7、図9、図11、図13、図15に示すように、前記格納ユニット3の前記ギアケース6および前記ギアカバー7が前記収納部18中に前記位置決め部25、26、27、28、29で位置決めされた状態で収納される。また、前記格納ユニット3の前記シャフトホルダ8が前記ミラーハウジング14の前記収納部18の底部の前記挿通孔22中から外部(前記ミラーハウジング14の前記凹部21)に下側に突出する。
【0057】
3本の前記タッピングスクリュー13を前記収納部18の3個の前記孔24中を挿通して前記ギアケース6の3個の前記第2孔12中にねじ込む。これにより、前記収納部18中に前記位置決め部25、26、27、28、29で位置決めされた前記格納ユニット3(前記ギアケース6および前記ギアカバー7)は、前記収納部18に固定される。このとき、図7に示すように、前記ギアケース6の後側側面が前記収納部18の前記第2当接部27(前記格納ユニット3の収納方向(上下方向)に沿って設けられている前記第2当接部)に当接していて、また、図7、図15に示すように、前記収納部18の前記第2挟持部29(前記格納ユニット3の収納方向(上下方向)に沿って設けられている前記第2挟持部29)が前記垂直板部10を前記格納ユニット3(前記ギアケース6および前記ギアカバー7)の収納方向に対して直交する方向に挟み込んでいる。この結果、前記タッピングスクリュー13で前記格納ユニット3(ギアケース6および前記ギアカバー7)を前記収納部18中に固定する際に、前記ギアケース6および前記ギアカバー7の上下が前後に傾くのを防ぐことができる。
【0058】
以上のようにして、前記格納ユニット3を前記ミラーアセンブリ4の前記ミラーハウジングに固定する工程が完了する。
【0059】
つぎに、前記ミラーハウジング14の前記閉塞部20の正面側に前記パワーユニットおよび前記ピボット機構を取り付ける。前記パワーユニットおよび前記ピボット機構に前記ミラーユニット16を取り付ける。これにより、前記ミラーハウジング14の前記開口部19に前記ミラーユニット16が配置される。
【0060】
また、図3に示すように、前記ミラーハウジング14の前記閉塞部20の縁部に前記カバー17の縁部を固定する。これにより、図2に示すように、前記ミラーハウジング14の前記閉塞部20が前記カバー17により覆われる。このようにして、前記格納ユニット3を固定した前記ミラーアセンブリ4が組み立てられる。
【0061】
それから、前記ミラーハウジング14の前記凹部21に突出する前記シャフトホルダ8を前記ベース2に固定する。これにより、図1に示すように、この実施例1における車両用アウトサイドミラー装置(ドアミラー1)が組み立てられる。
【0062】
そして、前記ベース2を自動車のドアに固定することにより、この実施例1における車両用アウトサイドミラー装置(ドアミラー1)は、自動車に装備される。また、前記ミラーアセンブリ4が車体(ドア)に対して傾倒可能である。
【0063】
この実施例1における車両用アウトサイドミラー装置(ドアミラー1)は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。
【0064】
まず、ミラーユニット16の反射面で車両の後方を視認することができる。また、パワーユニットを駆動させると、ミラーユニット16を水平軸回りに上下方向にまた垂直軸回りに左右方向に回動させることができ、これにより、ミラーユニット16の反射面の位置をドライバーの視点(視線)に合わせて調整することができる。
【0065】
つぎに、モータの駆動または手動により、ミラーアセンブリ4をシャフト5の回りに時計方向または反時計方向に、可倒機構のクラッチ機構の保持力よりも大きい力で回す。すると、ミラーアセンブリ4は、シャフト5の回りに時計方向または反時計方向に回転して、使用位置、格納位置、前方傾倒位置のうちの所定の位置に位置する。また、使用位置に位置するミラーアセンブリ4に可倒機構のクラッチ機構の保持力よりも大きい力が作用すると、ミラーアセンブリ4は、シャフト5の回りに時計方向または反時計方向に緩衝のために回転する。
【0066】
この実施例1における車両用アウトサイドミラー装置(ドアミラー1)は、以上のごとき構成および作用からなり、以下、その効果について説明する。
【0067】
この実施例1における車両用アウトサイドミラー装置(ドアミラー1)は、格納ユニット3のギアケース6およびギアカバー7がミラーハウジング14の収納部18中に位置決め部25、26、27、28、29で置決めされた状態で収納されていて、かつ、ギアケース6およびギアカバー7と収納部18とがタッピングスクリュー13で固定されている。この結果、この実施例1における車両用アウトサイドミラー装置(ドアミラー1)は、格納ユニット3のギアケース6およびギアカバー7とミラーアセンブリ4のミラーハウジング14とが確実に固定され、これにより、ミラーアセンブリ4が格納ユニット3を介してベース2すなわち車体に対してスムーズに傾倒することができる。
【0068】
また、この実施例1における車両用アウトサイドミラー装置(ドアミラー1)は、格納ユニット3のギアケース6およびギアカバー7をミラーハウジング14の収納部18中にシャフト5の軸線方向O−Oに収納することができるので、組み付け作業性が向上する。ここで、凹形状の収納部18の開口部を上側にすれば、格納ユニット3のギアケース6およびギアカバー7をミラーハウジング14の収納部18中にシャフト5の軸線方向O−Oに上から下に落とし込み式で収納することができるので、組み付け作業性がさらに向上する。
【0069】
さらに、この実施例1における車両用アウトサイドミラー装置(ドアミラー1)は、ミラーハウジング14の閉塞部20の背面側(カバー17と対向する側であって、ミラーユニット16が配置されている正面側と反対側)に、格納ユニット3のギアケース6およびギアカバー7を収納固定する凹形状の収納部18が一体に設けられているので、ミラーハウジング14と収納部18との剛性が向上される。しかも、ミラーハウジング14と収納部18との剛性が向上されることにより、ミラーハウジング14と収納部18との肉厚を薄くすることができ、その分、ミラーハウジング14と収納部18とを軽量化することができる。その上、ミラーハウジング14に収納部18を一体に設けるので、部品点数を抑えることができる。
【0070】
さらにまた、この実施例1における車両用アウトサイドミラー装置(ドアミラー1)は、格納ユニット3がミラーハウジング14の閉塞部20とカバー17とにより区画されている空間中に収納されているので、格納ユニット3の作動音が格納ユニット3の収納空間中から外部に漏れるのを防止することができ、その分、格納ユニット3の作動音を遮断することができ、静粛性が向上される。しかも、格納ユニット3がミラーハウジング14の閉塞部20とカバー17とにより隠されるので、見栄え(商品性)が向上される。
【0071】
さらにまた、この実施例1における車両用アウトサイドミラー装置(ドアミラー1)は、ミラーハウジング14の閉塞部の背面側の収納部18中に格納ユニット3のギアケース6およびギアカバー7をシャフト5の軸線方向O−Oに収納して、ギアケース6およびギアカバー7と収納部18とを固定するものであるから、格納ユニットをユニットブラケットを介してミラーハウジングに取り付ける特許文献3と比較して、小型化が可能である。すなわち、特許文献3は、格納ユニットをミラーハウジングの正面側から背面側にミラーハウジングの閉塞部に設けた空所を潜り抜けてミラーハウジングの閉塞部の背面側に位置させて、その格納ユニットをユニットブラケットに取り付けて、そのユニットブラケットをミラーハウジングに取り付けるものである。このために、特許文献3は、ミラーハウジングの閉塞部の背面側において、格納ユニットをミラーハウジングの空所を潜り抜けるためのスペースが必要であり、その分、ミラーハウジングの閉塞部の背面側が大型化する。また、特許文献3は、格納ユニットをユニットブラケットを介してミラーハウジングに取り付けるので、格納ユニットとユニットブラケットとの取付箇所と、ユニットブラケットとミラーハウジングとの取付箇所とが連続し、その分、取付箇所が大型化する。これに対して、この実施例1における車両用アウトサイドミラー装置(ドアミラー1)は、ミラーハウジング14の閉塞部20の背面側の収納部18中に格納ユニット3のギアケース6およびギアカバー7をシャフト5の軸線方向O−Oに収納して、ギアケース6およびギアカバー7と収納部18とを固定するものである。このために、この実施例1における車両用アウトサイドミラー装置(ドアミラー1)は、特許文献3のように格納ユニットをミラーハウジングの空所を潜り抜けるためのスペースが不要であり、その分、ミラーハウジング14の閉塞部20の背面側を小型化することができる。また、この実施例1における車両用アウトサイドミラー装置(ドアミラー1)は、特許文献3のように格納ユニットとユニットブラケットとの取付箇所およびユニットブラケットとミラーハウジングとの取付箇所が連続するようなことがなく、その分、取付箇所を小型化することができる。
【0072】
また、この実施例1における車両用アウトサイドミラー装置(ドアミラー1)は、格納ユニット3のギアケース6およびギアカバー7をミラーハウジング14の収納部18中に収納すると、位置決め部のピン部25がギアケース6の第1孔11中に挿入して格納ユニット3(ギアケース6およびギアカバー7)の収納方向(シャフト5の軸線方向O−Oと平行な方向)に対して直交する方向の位置が決まり(仮決めされ)、また、ギアケース6の底面および水平板部9の底面および垂直板部10の底面が収納部18の3個の第1当接部26にそれぞれ当接して格納ユニット3の収納方向の位置が決まり、さらに、ギアケース6の後側側面が収納部18の第2当接部27に当接して格納ユニット3の収納方向に対して直交する方向の位置が決まり、さらにまた、収納部18の第1挟持部28がギアケース6の面取部30を格納ユニット3の収納方向に対して直交する方向に挟み込んで格納ユニット3の収納方向に対して直交する方向の位置が決まり(本決めされ)、さらにまた、収納部18の第2挟持部29が垂直板部10を格納ユニット3の収納方向に対して直交する方向に挟み込んで格納ユニット3の収納方向に対して直交する方向の位置が決まる(本決めされる)。この結果、この実施例1における車両用アウトサイドミラー装置(ドアミラー1)は、格納ユニット3のギアケース6およびギアカバー7をミラーハウジング14の収納部18中に所定の位置に確実に位置決めした状態で収納することができ、この状態で、タッピングスクリュー13を収納部18の孔24中に挿通してギアケース6の第2孔12中にねじ込むことにより、格納ユニット3のギアケース6およびギアカバー7とミラーアセンブリ4のミラーハウジング14とをさらに確実に固定することができる。
【0073】
しかも、この実施例1における車両用アウトサイドミラー装置(ドアミラー1)は、ギアケース6にシャフト5の軸線方向O−Oの第1孔11とシャフト5の軸線方向O−Oに対して直交する方向の第2孔12とが設けられている既存の格納ユニット3を使用することができるので、製造コストを抑えることができる。
【0074】
その上、この実施例1における車両用アウトサイドミラー装置(ドアミラー1)は、タッピングスクリュー13を一方向から収納部18の孔24中に挿通してギアケース6の第2孔12中にねじ込むことにより、格納ユニット3のギアケース6およびギアカバー7とミラーアセンブリ4のミラーハウジング14との組み付け性が向上する。
【0075】
さらにまた、この実施例1における車両用アウトサイドミラー装置(ドアミラー1)は、リブ形状の第2当接部27がギアケース6およびギアカバー7の収納方向(上下方向)に沿って設けられているので、タッピングスクリュー13でギアケース6およびギアカバー7を収納部18中に固定する際に、ギアケース6およびギアカバー7の上下が前後に傾くのを防ぐことができる。
【実施例2】
【0076】
図17〜図20は、この発明にかかる車両用アウトサイドミラー装置の実施例2を示す。以下、この実施例2における車両用アウトサイドミラー装置の構成について説明する。図中、図1〜図16と同符号は、同一のものを示す。
【0077】
格納ユニット3のギアケース6の左右両側面にはいた形状もしくはフランジ形状の凸部32がシャフト5の軸線方向O−Oに対して直交する方向に設けられている。前記凸部32には、タッピングスクリュー13が挿通する第3孔33がシャフト5の軸線方向O−Oに設けられている。
【0078】
ミラーハウジング14の収納部18の左右両側面には、位置決め部の断面台形状の第3当接部34が前記凸部32に対応して一体に設けられている。前記第3当接部34の上面には、収納部18中に収納されている格納ユニット3の前記第3孔33と連通していてタッピングスクリュー13がねじ込まれる孔35がシャフトの軸線方向に設けられている。
【0079】
この実施例2における車両用アウトサイドミラー装置(ドアミラー1)は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用効果について説明する。
【0080】
格納ユニット3のギアケース6およびギアカバー7をミラーハウジング14の収納部18中に収納する。すると、格納ユニット3のギアケース6の凸部32の下面が収納部18の位置決め部の第3当接部34の上面に当接してギアケース6およびギアカバー7の収納方向の位置が決まる。この結果、この実施例2にかかる車両用アウトサイドミラー装置(ドアミラー1)は、格納ユニット3のギアケース6およびギアカバー7をミラーハウジング14の収納部18中に所定の位置に確実に位置決めした状態で収納することができる。しかも、この状態で、タッピングスクリュー13を、シャフト5の軸線方向O−Oにギアケース6の凸部32の第3孔33中に挿通して、かつ、収納部18の第3当接部34の孔35中にねじ込む。これにより、格納ユニット3のギアケース6およびギアカバー7とミラーアセンブリ4のミラーハウジング14とをさらに確実に固定することができる。
【0081】
しかも、この実施例2にかかる車両用アウトサイドミラー装置(ドアミラー1)は、ギアケース6およびギアカバー7の収納方向と、タッピングスクリュー13を第3孔33中に挿通して孔35中にねじ込む方向とがシャフト5の軸線方向O−Oと平行であって一致する。その上、ギアケース6およびギアカバー7の収納方向と、タッピングスクリュー13を第3孔33中に挿通して孔35中にねじ込む方向とを上下方向とする。これにより、格納ユニット3のギアケース6およびギアカバー7をミラーハウジング14の収納部18中に上から下に落とし込み式で収納することができ、また、タッピングスクリュー13を上から下に第3孔33中に挿通して孔35中にねじ込むことができる。この結果、格納ユニット3のギアケース6およびギアカバー7とミラーアセンブリ4のミラーハウジング14との組み付け作業性が向上する。
【0082】
なお、この実施例2にかかる車両用アウトサイドミラー装置(ドアミラー1)において、格納ユニット3のギアケース6の凸部32の側面が収納部18の左右両側面に当接して、ギアケース6およびギアカバー7の収納方向に対して直交する方向の位置を決めるように構成しても良い。
【0083】
以下、前記の実施例1、2以外の例について説明する。前記の実施例1、2においては、ドアミラーについて説明したが、この発明においては、その他の自動車用アウトサイドミラー装置、たとえば、フェンダミラーやトラックミラーなどであっても良い。
【0084】
また、前記の実施例1、2においては、3本のタッピングスクリュー13を、ギアケース6の3個の第2孔12、すなわち、垂直板部10の上の第2孔12と下の第2孔12と2個の座部15のうちいずれか一方の座部15の第2孔12に、ねじ込んで、格納ユニット3をミラーハウジング14に固定するものである。ところが、この発明においては、ギアケース6の第2孔12にねじ込むタッピングスクリュー13の本数、また、タッピングスクリュー13をねじ込むギアケース6の第2孔12の箇所などは、特に限定しない。
【0085】
さらに、前記の実施例1、2においては、固定部材としてタッピングスクリュー13を使用するものである。ところが、この発明においては、固定部材としてタッピングスクリュー13以外のもの、たとえば、ボルトナット、加締め、係合、嵌合などを使用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】この発明にかかる車両用アウトサイドミラー装置の実施例1を示すドアミラーの正面図である。
【図2】同じく、ドアミラーのベースを除いたミラーアセンブリを示す背面図である。
【図3】同じく、ミラーアセンブリのミラーハウジングからカバーを取り外した状態を示す背面図である。
【図4】同じく、ミラーアセンブリのミラーハウジングから格納ユニットを取り外した状態を示す背面図である。
【図5】同じく、格納ユニットを示す背面図である。
【図6】同じく、格納ユニットを示す斜視図である。
【図7】同じく、図3におけるVII−VII線断面図である。
【図8】同じく、ミラーアセンブリのミラーハウジングから格納ユニットを取り外した状態を示す断面図(図3におけるVII−VII線断面図に対応する断面図)である。
【図9】同じく、図7におけるIX−IX線断面図である。
【図10】同じく、図8におけるX−X線断面図である。
【図11】同じく、図7におけるXI−XI線断面図である。
【図12】同じく、図8におけるXII−XII線断面図である。
【図13】同じく、図3におけるXIII−XIII線断面図である。
【図14】同じく、ミラーアセンブリのミラーハウジングから格納ユニットを取り外した状態を示す断面図(図3におけるXIII−XIII線断面図に対応する断面図)である。
【図15】同じく、図3におけるXV−XV線断面図である。
【図16】同じく、ミラーアセンブリのミラーハウジングから格納ユニットを取り外した状態を示す断面図(図3におけるXV−XV線断面図に対応する断面図)である。
【図17】この発明にかかる車両用アウトサイドミラー装置の実施例2を示す格納ユニットの背面図である。
【図18】同じく、格納ユニットを示す斜視図である。
【図19】同じく、収納部中に格納ユニットを収納固定した状態を示す縦断面図(垂直断面図)である。
【図20】同じく、収納部中から格納ユニットを取り出した状態を示す縦断面図(垂直断面図)である。
【符号の説明】
【0087】
1 ドアミラー(車両用アウトサイドミラー装置)
2 ベース
3 格納ユニット
4 ミラーアセンブリ
5 シャフト
6 ギアケース(傾倒部材)
7 ギアカバー(傾倒部材)
8 シャフトホルダ
9 水平板部
10 垂直板部
11 第1孔
12 第2孔
13 タッピングスクリュー(固定部材)
14 ミラーハウジング
15 座部
16 ミラーユニット
17 カバー
18 収納部
19 開口部
20 閉塞部
21 凹部
22 挿通孔
23 補強リブ
24 孔
25 ピン部(位置決め部)
26 第1当接部(位置決め部)
27 第2当接部(位置決め部)
28 第1挟持部(位置決め部)
29 第2挟持部(位置決め部)
30 面取部
31 切欠
32 凸部
33 第3孔
34 第3当接部
35 孔
O−O シャフトの軸線方向
【技術分野】
【0001】
この発明は、ミラーアセンブリが車体(ドア)に対して可倒可能であるたとえばドアミラーなどの車両用アウトサイドミラー装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の車両用アウトサイドミラー装置は、従来からある(たとえば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4)。以下、従来の車両用アウトサイドミラー装置について説明する。従来の車両用アウトサイドミラー装置は、車体に固定されるベースと、そのベースに格納ユニットを介して可倒可能に装備されているミラーアセンブリと、を備えるものである。格納ユニットは、ベースに固定されているシャフトと、そのシャフトに可倒機構を介してシャフト回りに可倒可能に取り付けられている傾倒部材と、から構成されている。ミラーアセンブリは、ミラーハウジングと、そのミラーハウジングに配置されているミラーユニットと、から構成されている。格納ユニットの傾倒部材とミラーアセンブリのミラーハウジングとは、固定されている。この結果、ミラーアセンブリは、格納ユニットを介してベースすなわち車体に対して傾倒可能となる。
【0003】
前記の従来の車両用アウトサイドミラー装置においては、ミラーアセンブリが格納ユニットを介してベースすなわち車体に対してスムーズに傾倒するために、格納ユニットの傾倒部材とミラーアセンブリのミラーハウジングとを確実に固定する必要がある。
【0004】
【特許文献1】特開2001−322495号公報
【特許文献2】特開平7−329641号公報
【特許文献3】特開平7−69133号公報
【特許文献4】特開2001−322499号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明が解決しようとする課題は、格納ユニットの傾倒部材とミラーアセンブリのミラーハウジングとを確実に固定することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明(請求項1にかかる発明)は、車体に固定されるベースと、そのベースに格納ユニットを介して可倒可能に装備されているミラーアセンブリと、を備え、格納ユニットが、ベースに固定されているシャフトと、そのシャフトに可倒機構を介してシャフト回りに可倒可能に取り付けられている傾倒部材と、から構成されていて、ミラーアセンブリが、一方が開口しかつ他方が閉塞したミラーハウジングと、そのミラーハウジングの開口部に配置されていてかつ反射面を有するミラーユニットと、ミラーハウジングの閉塞部に固定されていてかつ閉塞部を覆うカバーと、ミラーハウジングの閉塞部のカバーと対向する側に一体に設けられていて傾倒部材をシャフトの軸線方向に収納する凹形状の収納部と、その収納部に一体に設けられていて収納部中に傾倒部材を収納する際に収納部中の傾倒部材の位置を決める位置決め部と、収納部中に位置決めされた傾倒部材と収納部とを固定する固定部材と、から構成されている、ことを特徴とする。
【0007】
また、この発明(請求項2にかかる発明)は、格納ユニットの傾倒部材には第1孔がシャフトの軸線方向に設けられていて、位置決め部が、第1孔中に挿入して傾倒部材の収納方向に対して直交する方向の位置を決めるピン部と、傾倒部材が当接して傾倒部材の収納方向の位置を決める第1当接部と、からなる、ことを特徴とする。
【0008】
さらに、この発明(請求項3にかかる発明)は、固定部材がタッピングスクリューであり、格納ユニットの傾倒部材の両側には座部と面取部とが隣り合わせに設けられていて、座部にはタッピングスクリューがねじ込まれる第2孔がシャフトの軸線方向に対して直交する方向に設けられていて、収納部には収納部中に収納されている傾倒部材の第2孔と連通していてタッピングスクリューが挿通する孔が設けられていて、位置決め部が、傾倒部材の座部もしくは面取部のうち少なくともいずれか一方を傾倒部材の収納方向に対して直交する方向に挟み込んで傾倒部材の収納方向に対して直交する方向の位置を決める第1挟持部からなる、ことを特徴とする。
【0009】
さらにまた、この発明(請求項4にかかる発明)は、位置決め部が、傾倒部材が当接して傾倒部材の収納方向に対して直交する方向の位置を決めるリブ形状の第2当接部と、傾倒部材を傾倒部材の収納方向に対して直交する方向に挟み込んで傾倒部材の収納方向に対して直交する方向の位置を決めるリブ形状の第2挟持部と、からなる、ことを特徴とする。
【0010】
さらにまた、この発明(請求項5にかかる発明)は、固定部材がタッピングスクリューであり、格納ユニットの傾倒部材には凸部がシャフトの軸線方向に対して直交する方向に設けられていて、凸部にはタッピングスクリューが挿通する第3孔がシャフトの軸線方向に設けられていて、位置決め部が、凸部が当接して傾倒部材の収納方向の位置を決める第3当接部からなり、第3当接部には収納部中に収納されている傾倒部材の第3孔と連通していてタッピングスクリューがねじ込まれる孔がシャフトの軸線方向に設けられている、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
この発明(請求項1にかかる発明)の車両用アウトサイドミラー装置は、前記の課題を解決するための手段により、格納ユニットの傾倒部材がミラーハウジングの収納部中に位置決め部で置決めされた状態で収納されていて、かつ、この傾倒部材と収納部とが固定部材で固定されている。この結果、この発明(請求項1にかかる発明)の車両用アウトサイドミラー装置は、格納ユニットの傾倒部材とミラーアセンブリのミラーハウジングとが確実に固定され、これにより、ミラーアセンブリが格納ユニットを介してベースすなわち車体に対してスムーズに傾倒することができる。
【0012】
また、この発明(請求項1にかかる発明)の車両用アウトサイドミラー装置は、格納ユニットの傾倒部材をミラーハウジングの収納部中にシャフトの軸線方向に収納することができるので、組み付け作業性が向上する。ここで、凹形状の収納部の開口部を上側にすれば、格納ユニットの傾倒部材をミラーハウジングの収納部中にシャフトの軸線方向に上から下に落とし込み式で収納することができるので、組み付け作業性がさらに向上する。
【0013】
さらに、この発明(請求項1にかかる発明)の車両用アウトサイドミラー装置は、ミラーハウジングの閉塞部の背面側(カバーと対向する側であって、ミラーユニットが配置されている正面側と反対側)に、格納ユニットの傾倒部材を収納固定する凹形状の収納部が一体に設けられているので、ミラーハウジングと収納部との剛性が向上される。しかも、ミラーハウジングと収納部との剛性が向上されることにより、ミラーハウジングと収納部との肉厚を薄くすることができ、その分、ミラーハウジングと収納部とを軽量化することができる。その上、ミラーハウジングに収納部を一体に設けるので、部品点数を抑えることができる。
【0014】
さらにまた、この発明(請求項1にかかる発明)の車両用アウトサイドミラー装置は、格納ユニットがミラーハウジングの閉塞部とカバーとにより区画されている空間中に収納されているので、格納ユニットの作動音が格納ユニットの収納空間中から外部に漏れるのを防止することができ、その分、格納ユニットの作動音を遮断することができ、静粛性が向上される。しかも、格納ユニットがミラーハウジングの閉塞部とカバーとにより隠されるので、見栄え(商品性)が向上される。
【0015】
さらにまた、この発明(請求項1にかかる発明)の車両用アウトサイドミラー装置は、ミラーハウジングの閉塞部の背面側の収納部中に格納ユニットの傾倒部材をシャフトの軸線方向に収納して、傾倒部材と収納部とを固定するものであるから、格納ユニットをユニットブラケットを介してミラーハウジングに取り付ける特許文献3と比較して、小型化が可能である。すなわち、特許文献3は、格納ユニットをミラーハウジングの正面側から背面側にミラーハウジングの閉塞部に設けた空所を潜り抜けてミラーハウジングの閉塞部の背面側に位置させて、その格納ユニットをユニットブラケットに取り付けて、そのユニットブラケットをミラーハウジングに取り付けるものである。このために、特許文献3は、ミラーハウジングの閉塞部の背面側において、格納ユニットをミラーハウジングの空所を潜り抜けるためのスペースが必要であり、その分、ミラーハウジングの閉塞部の背面側が大型化する。また、特許文献3は、格納ユニットをユニットブラケットを介してミラーハウジングに取り付けるので、格納ユニットとユニットブラケットとの取付箇所と、ユニットブラケットとミラーハウジングとの取付箇所とが連続し、その分、取付箇所が大型化する。これに対して、この発明(請求項1にかかる発明)の車両用アウトサイドミラー装置は、ミラーハウジングの閉塞部の背面側の収納部中に格納ユニットの傾倒部材をシャフトの軸線方向に収納して、傾倒部材と収納部とを固定するものである。このために、この発明(請求項1にかかる発明)の車両用アウトサイドミラー装置は、特許文献3のように格納ユニットをミラーハウジングの空所を潜り抜けるためのスペースが不要であり、その分、ミラーハウジングの閉塞部の背面側を小型化することができる。また、この発明(請求項1にかかる発明)の車両用アウトサイドミラー装置は、特許文献3のように格納ユニットとユニットブラケットとの取付箇所およびユニットブラケットとミラーハウジングとの取付箇所が連続するようなことがなく、その分、取付箇所を小型化することができる。
【0016】
また、この発明(請求項2にかかる発明)の車両用アウトサイドミラー装置は、前記の課題を解決するための手段により、格納ユニットの傾倒部材をミラーハウジングの収納部中に収納すると、位置決め部のピン部が傾倒部材の第1孔中に挿入して傾倒部材の収納方向に対して直交する方向の位置を決め、また、傾倒部材が位置決め部の第1当接部に当接して傾倒部材の収納方向の位置を決める。この結果、この発明(請求項2にかかる発明)の車両用アウトサイドミラー装置は、格納ユニットの傾倒部材をミラーハウジングの収納部中に所定の位置に確実に位置決めした状態で収納することができ、この状態で、固定部材で収納部中に位置決めされた傾倒部材と収納部とを固定することにより、格納ユニットの傾倒部材とミラーアセンブリのミラーハウジングとをさらに確実に固定することができる。
【0017】
しかも、この発明(請求項2にかかる発明)の車両用アウトサイドミラー装置は、傾倒部材にシャフトの軸線方向の第1孔が設けられている既存の格納ユニットを使用することができるので、製造コストを抑えることができる。
【0018】
さらに、この発明(請求項3にかかる発明)の車両用アウトサイドミラー装置は、前記の課題を解決するための手段により、格納ユニットの傾倒部材をミラーハウジングの収納部中に収納すると、位置決め部の第1挟持部が傾倒部材を傾倒部材の収納方向に対して直交する方向に挟み込んで傾倒部材の収納方向に対して直交する方向の位置を決める。この結果、この発明(請求項3にかかる発明)の車両用アウトサイドミラー装置は、格納ユニットの傾倒部材をミラーハウジングの収納部中に所定の位置に確実に位置決めした状態で収納することができ、この状態で、タッピングスクリューを収納部の孔中に挿通して傾倒部材の第2孔中にねじ込むことにより、格納ユニットの傾倒部材とミラーアセンブリのミラーハウジングとをさらに確実に固定することができる。
【0019】
しかも、この発明(請求項3にかかる発明)の車両用アウトサイドミラー装置は、傾倒部材にシャフトの軸線方向に対して直交する方向の第2孔とが設けられている既存の格納ユニットを使用することができるので、製造コストを抑えることができる。
【0020】
その上、この発明(請求項3にかかる発明)の車両用アウトサイドミラー装置は、タッピングスクリューを一方向から収納部の孔中に挿通して傾倒部材の第2孔中にねじ込むことにより、格納ユニットの傾倒部材とミラーアセンブリのミラーハウジングとの組み付け性が向上する。
【0021】
さらにまた、この発明(請求項4にかかる発明)の車両用アウトサイドミラー装置は、前記の課題を解決するための手段により、格納ユニットの傾倒部材をミラーハウジングの収納部中に収納すると、傾倒部材が位置決め部の第2当接部に当接して傾倒部材の収納方向に対して直交する方向の位置を決め、また、位置決め部の第2挟持部が傾倒部材を傾倒部材の収納方向に対して直交する方向に挟み込んで傾倒部材の収納方向に対して直交する方向の位置を決める。この結果、この発明(請求項4にかかる発明)の車両用アウトサイドミラー装置は、格納ユニットの傾倒部材をミラーハウジングの収納部中に所定の位置に確実に位置決めした状態で収納することができ、この状態で、固定部材で収納部中に位置決めされた傾倒部材と収納部とを固定することにより、格納ユニットの傾倒部材とミラーアセンブリのミラーハウジングとをさらに確実に固定することができる。
【0022】
しかも、この発明(請求項4にかかる発明)の車両用アウトサイドミラー装置は、リブ形状の第2当接部を傾倒部材の収納方向に沿って設けることにより、固定部材で傾倒部材を収納部中に固定する際に、傾倒部材の上下が前後に傾くのを防ぐことができる。
【0023】
さらにまた、この発明(請求項5にかかる発明)の車両用アウトサイドミラー装置は、前記の課題を解決するための手段により、格納ユニットの傾倒部材をミラーハウジングの収納部中に収納すると、格納ユニットの傾倒部材の凸部が位置決め部の第3当接部に当接して傾倒部材の収納方向の位置を決める。この結果、この発明(請求項5にかかる発明)の車両用アウトサイドミラー装置は、格納ユニットの傾倒部材をミラーハウジングの収納部中に所定の位置に確実に位置決めした状態で収納することができ、この状態で、タッピングスクリューを傾倒部材の凸部の第3孔中に挿通して収納部の第3当接部の孔中にねじ込むことにより、格納ユニットの傾倒部材とミラーアセンブリのミラーハウジングとをさらに確実に固定することができる。
【0024】
しかも、この発明(請求項5にかかる発明)の車両用アウトサイドミラー装置は、傾倒部材の収納方向と、タッピングスクリューを第3孔中に挿通して孔中にねじ込む方向とがシャフトの軸線方向と平行であって一致するので、格納ユニットの傾倒部材とミラーアセンブリのミラーハウジングとの組み付け作業性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、この発明にかかる車両用アウトサイドミラー装置の実施例の2例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
【実施例1】
【0026】
図1〜図16は、この発明にかかる車両用アウトサイドミラー装置の実施例1を示す。以下、この実施例1における車両用アウトサイドミラー装置の構成について説明する。図1において、符号1は、この実施例1における車両用アウトサイドミラー装置であって、この例では自動車用のドアミラーである。この実施例1のドアミラー1は、図示を省略するが、自動車の左右のドア(車体)にそれぞれ装備されている。なお、この実施例1のドアミラー1は、自動車の左側(ドライバー側から自動車の前進方向側を見た左側)のドアに装備されるものであって、自動車の右側のドアに装備されるドアミラーは、この実施例1のドアミラー1とほぼ左右が逆となる。
【0027】
この実施例1のドアミラー1は、前記ドアに固定されるベース2と、前記ベース2に格納ユニット3を介して可倒可能に装備されているミラーアセンブリ4と、を備えるものである。
【0028】
前記格納ユニット3は、図4〜図9、図11〜図14に示すように、既存の格納ユニットであって、前記ベース2に固定されているシャフト5と、前記シャフト5に可倒機構(図示せず)を介して前記シャフト5回りに可倒可能に取り付けられている傾倒部材6、7と、から構成されている。
【0029】
前記シャフト5の一端(下端)には、シャフトホルダ8が一体に設けられている。前記シャフトホルダ8は、前記ベース2にスクリュー(図示せず)により固定されている。前記傾倒部材は、ギアケース6とギアカバー7とからなるケーシングから構成されている。前記可倒機構は、前記シャフト5と前記ギアケース6および前記ギアカバー7との間に介装されている。前記可倒機構は、手動の場合には、クラッチ機構からなり、また、電動の場合には、モータと減速機構とクラッチ機構とからなる。
【0030】
前記傾倒部材としての前記ギアケース6の一端部(前記シャフト5と反対側の端部)には、水平板部9が前記シャフト5の軸線方向O−O(図4参照)に対して交差(直交)する方向に設けられているとともに、垂直板部10が前記シャフト5の軸線方向O−Oと平行に設けられている。また、前記ギアケース6の他端部の下部の前後両側面には、上円下方(上半分が半円形、下半分が方形)の座部15が設けられている。さらに、前記ギアケース6の2個の前記座部15の下側と左右両側とには、平面状の面取部30が設けられている。すなわち、前記座部15と前記面取部30とは、前記ギアケース6に隣り合わせに設けられている。前記座部15は、前記面取部30よりも若干外側に突出している。
【0031】
前記水平板部9には、2個の第1孔11が前記シャフト5の軸線方向O−Oに設けられている。また、前記垂直板部10には、3個の第2孔12が前記シャフト5の軸線方向O−Oに対して直交する方向に設けられている。さらに、2個の前記座部15には、第2孔12が前記シャフト5の軸線方向O−Oに対して直交する方向に、かつ、前記垂直板部10の3個の前記第2孔12と同方向に設けられている。
【0032】
前記第1孔11および前記第2孔12は、固定部材としてのタッピングスクリュー13がねじ込まれることにより、前記格納ユニット3を前記ミラーアセンブリ4のミラーハウジング14に固定するものである。このために、車種により前記ミラーアセンブリ4の前記ミラーハウジング14の形状が異なっていても、単一の前記格納ユニット3を使用できるように、前記第1孔11および前記第2孔12は、前記ギアケース6の複数の箇所(前記水平板部9、前記垂直板部10、前記座部15)に複数個設けられている。
【0033】
前記ミラーアセンブリ4は、図1〜図4、図7〜図16に示すように、前記ミラーハウジング14と、ミラーユニット16と、カバー(化粧カバー、ガーニッシュ、シェルフレーム)17と、収納部18と、位置決め部と、固定部材としての前記タッピングスクリュー13と、から構成されている。
【0034】
前記ミラーハウジング14は、一方(正面側、自動車の後退方向側、以下「後側」と称する)19が開口し、かつ、他方(背面側、自動車の前進方向側、以下「前側」と称する)20が閉塞した形状をなす。前記ミラーハウジング14の一端部(右側端部)の下部には、前記ベース2および前記シャフトホルダ8が収納される凹部21が設けられている。前記凹部21の底部には、前記シャフトホルダ8が挿通する挿通孔22が設けられている。前記ミラーハウジング14の前記閉塞部20の背面側(前記開口部19と反対側)には、斜め格子状の補強リブ23が一体に設けられている。
【0035】
前記ミラーユニット16は、反射面を有し、前記ミラーハウジング14の前記開口部19に配置されている。すなわち、前記ミラーハウジング14の前記閉塞部20の正面側にパワーユニット(図示せず)およびピボット機構(図示せず)を取り付ける。前記パワーユニットおよび前記ピボット機構に前記ミラーユニット16を取り付ける。この結果、前記ミラーユニット16は、前記ミラーハウジング14に、水平軸回りに上下に回転可能にかつ垂直軸回りに左右に回転可能に取り付けられている。これにより、前記ミラーユニット16の反射面をドライバーに視点(視線)に合わせて調整することができる。
【0036】
前記カバー17の縁部は、前記ミラーハウジング14の前記閉塞部20の縁部に固定されている。この結果、前記カバー17は、前記ミラーハウジング14の前記閉塞部20を覆う。
【0037】
前記収納部18は、前記ミラーハウジング14の前記閉塞部20の一端部(右側端部)の背面側(前記カバー17と対向する側)に一体に設けられている。前記収納部18は、前記格納ユニット3の前記ギアケース6および前記ギアカバー7を前記シャフト5の軸線方向O−Oに上側から下側に収納する凹形状をなす。
【0038】
すなわち、前記収納部18は、上側が開口していて、前後両側および左右両側および下側が閉塞しているバスタブ形状をなす。前記収納部18の下側閉塞部には、前記挿通孔22が設けられている。また、前記収納部18の前側閉塞部には、前記補強リブ23が設けられている。さらに、前記収納部18の前側閉塞部には、前記収納部18中に前記位置決め部により位置決めされて収納されている前記ギアケース6の前記第2孔12と連通していて前記タッピングスクリュー13が挿通する孔24が3個設けられている。3個の前記孔24は、前記垂直板部10の上の前記第2孔12と下の前記第2孔12と2個の前記座部15のうち前記ギアケース6の前側側面の前記座部15の前記第2孔12と連通する。
【0039】
前記位置決め部は、前記収納部18に一体に設けられている。前記位置決め部は、前記収納部18中に前記格納ユニット3の前記ギアケース6および前記ギアカバー7を収納する際に、前記収納部18中の前記ギアケース6および前記ギアカバー7の位置を決めるものである。
【0040】
前記位置決め部は、2本のピン部25と、3個の第1当接部26と、第2当接部27と、第1挟持部28と、第2挟持部29と、を備えるものである。
【0041】
2本の前記ピン部25は、前記収納部18の底部に一体に前記第1孔11と対応して設けられている。2本の前記ピン部25は、前記第1孔11中に挿入して前記ギアケース6および前記ギアカバー7の収納方向(前記シャフト5の軸線方向O−Oと平行であって、図4、図12、図14、図16中の実線矢印方向)に対して直交する方向の位置を決める(仮決めする)ものである。
【0042】
3個の前記第1当接部26は、それぞれ断面台形形状をなしていて、前記収納部18の底部に一体に前記ギアケース6の底面および前記水平板部9の底面および前記垂直板部10の底面とそれぞれ対応して設けられている。なお、3個の前記第1当接部26のうち、前記水平板部9の底面と対応する前記第1当接部26の上面には、2本の前記ピン部25が一体に設けられている。3個の前記第1当接部26は、前記ギアケース6の底面および前記水平板部9の底面および前記垂直板部10の底面がそれぞれ当接して前記ギアケース6および前記ギアカバー7の収納方向の位置を決めるものである。
【0043】
前記第2当接部27は、断面三角形状のリブ形状をなしていて、前記収納部18の後側閉塞部に一体に前記ギアケース6の後側側面に対応して前記ギアケース6および前記ギアカバー7の収納方向に沿って設けられている。前記第2当接部27は、前記ギアケース6の後側側面が当接して前記ギアケース6および前記ギアカバー7の収納方向に対して直交する方向の位置を決めるものである。また、前記第2当接部27は、前記ギアケース6および前記ギアカバー7の収納方向(上下方向)に沿って設けられているので、前記タッピングスクリュー13で前記ギアケース6および前記ギアカバー7を前記収納部18中に固定する際に、前記ギアケース6および前記ギアカバー7の上下が前後に傾くのを防ぐことができる。
【0044】
前記第1挟持部28は、ほぼ四角形形状をなしていて、前記収納部18の前側閉塞部と後側閉塞部との相互に対向する箇所に一体に前記ギアケース6の前記座部15および前記面取部30に対応して内側に若干突出して設けられている。前記第1挟持部28は、前記ギアケース6の前記面取部30を前記ギアケース6および前記ギアカバー7の収納方向に対して直交する方向に挟み込んで前記ギアケース6および前記ギアカバー7の収納方向に対して直交する方向の位置を決める(本決めする)ものである。なお、前記第1挟持部28は、前記面取部30のうち、前記座部15の左右両側の前記面取部30を挟み込む場合と、前記座部15の下側の前記面取部30を挟み込む場合と、前記座部15の左右両側の前記面取部30および前記座部15の下側の前記面取部30を挟み込む場合と、がある。
【0045】
前記第1挟持部28のうち前記ギアケース6の前記座部15に対応する箇所には、前記ギアケース6の前記座部15がガイドされながら嵌合(セット)される切欠31が設けられている。前記切欠31の下部は、前記座部15の方形下部が嵌合する方形をなし、かつ、前記切欠31の上部は、前記座部15の方形下部が前記切欠31の方形下部にガイドするために傾斜している。前記切欠31は、前記第1挟持部28よりも若干(前記ギアケース6の前記座部15の高さ分)内側に凹んでいる。また、2個の前記切欠31の相対向する面(内側に凹んだ面)は、前記ギアケース6の2個の前記座部15を前記ギアケース6および前記ギアカバー7の収納方向に対して直交する方向に挟み込んで前記ギアケース6および前記ギアカバー7の収納方向に対して直交する方向の位置を決める(本決めする)ものであっても良い。すなわち、前記切欠31の面は、前記第1挟持部28を構成するものである。前記第1挟持部28と前記切欠31の面とのうち少なくともいずれか一方が、位置決め部であれば良い。なお、前記第1挟持部28の2個の前記切欠31のうち前記収納部18の後側閉塞部の前記切欠31の面には、3個の前記孔24のうちの1個の前記孔24が設けられている。
【0046】
前記第2挟持部29は、一方が断面三角形状のリブ形状をなしていて、他方が断面四角形状のリブ形状をなしていて、前記収納部18の後側閉塞部と後側閉塞部との相互に対向する箇所に一体に前記垂直板部10に対応して前記ギアケース6および前記ギアカバー7の収納方向設けられている。前記第2挟持部29は、前記垂直板部10を前記ギアケース6および前記ギアカバー7の収納方向に対して直交する方向に挟み込んで前記ギアケース6および前記ギアカバー7の収納方向に対して直交する方向の位置を決める(本決めする)ものである。また、前記第2挟持部29は、前記ギアケース6および前記ギアカバー7の収納方向(上下方向)に沿って設けられているので、前記タッピングスクリュー13で前記ギアケース6および前記ギアカバー7を前記収納部18中に固定する際に、前記ギアケース6および前記ギアカバー7の上下が前後に傾くのを防ぐことができる。
【0047】
固定部材としての前記タッピングスクリュー13は、前記収納部18の前記孔24中を挿通して前記ギアケース6の前記第2孔12中にねじ込むことにより、前記収納部18中に前記位置決め部25、26、27、28、29で位置決めされた前記格納ユニット3の前記ギアケース6および前記ギアカバー7と前記収納部18とを固定するものである。
【0048】
この実施例1における車両用アウトサイドミラー装置(ドアミラー1)は、以上のごとき構成からなり、以下、前記格納ユニット3を前記ミラーアセンブリ4の前記ミラーハウジングに固定する工程、および、前記ドアミラー1の組立工程について説明する。
【0049】
まず、図4、図8、図10、図12、図14、図16に示すように、前記シャフトホルダ8を下側に向けて、前記格納ユニット3をセットし、一方、前記収納部18の開口部を上側に向けて、前記ミラーハウジング14をセットする。
【0050】
つぎに、図4、図12、図14、図16中の実線矢印に示すように、前記格納ユニット3を前記収納部18中に落とし込み式で収納させる。
【0051】
すると、図3、図9、図13に示すように、前記格納ユニット3の前記シャフトホルダ8が前記ミラーハウジング14の前記収納部18の底部の前記挿通孔22中から外部に下側に突出する。また、前記格納ユニット3の前記ギアケース6の前記座部15が前記ミラーハウジング18の前記収納部18の前記切欠31にガイドされながら嵌合する。さらに、図7、図11に示すように、前記収納部18の2本の前記ピン部25が前記ギアケース6の前記水平板部9の前記第1孔11中に挿入する。これにより、前記格納ユニット3(前記ギアケース6および前記ギアカバー)の収納方向に対して直交する方向の位置が決まる(仮決めされる)。この状態で前記格納ユニット3を前記収納部18中にさらに押し込む、すなわち、圧入する。
【0052】
すると、図9、図11に示すように、前記ギアケース6の底面および前記水平板部9の底面および前記垂直板部10の底面が前記収納部18の3個の前記第1当接部26にそれぞれ当接する。これにより、前記格納ユニット3(前記ギアケース6および前記ギアカバー7)の収納方向の位置が決まる。
【0053】
また、図7に示すように、前記ギアケース6の後側側面が前記収納部18の前記第2当接部27に当接する。これにより、前記格納ユニット3(前記ギアケース6および前記ギアカバー7)の収納方向に対して直交する方向の位置が決まる。
【0054】
さらに、図7、図13に示すように、前記収納部18の前記第1挟持部28が前記ギアケース6の前記面取部30を前記格納ユニット3(前記ギアケース6および前記ギアカバー7)の収納方向に対して直交する方向に挟み込む。これにより、前記格納ユニット3(前記ギアケース6および前記ギアカバー7)の収納方向に対して直交する方向の位置が決まる(本決めされる)。また、前記収納部18の2個の前記切欠31の相対向する面が前記ギアケース6の2個の前記座部15を前記格納ユニット3(前記ギアケース6および前記ギアカバー7)の収納方向に対して直交する方向に挟み込んで、前記格納ユニット3(前記ギアケース6および前記ギアカバー7)の収納方向に対して直交する方向の位置が決まる(本決めされる)場合であっても良い。すなわち、前記第1挟持部28と前記切欠31の面とのうち少なくともいずれか一方が、位置決め部であれば良い。
【0055】
さらにまた、図7、図15に示すように、前記収納部18の前記第2挟持部29が前記垂直板部10を前記格納ユニット3(前記ギアケース6および前記ギアカバー7)の収納方向に対して直交する方向に挟み込む。これにより、前記格納ユニット3(前記ギアケース6および前記ギアカバー7)の収納方向に対して直交する方向の位置が決まる(本決めされる)。
【0056】
以上のように、図3、図7、図9、図11、図13、図15に示すように、前記格納ユニット3の前記ギアケース6および前記ギアカバー7が前記収納部18中に前記位置決め部25、26、27、28、29で位置決めされた状態で収納される。また、前記格納ユニット3の前記シャフトホルダ8が前記ミラーハウジング14の前記収納部18の底部の前記挿通孔22中から外部(前記ミラーハウジング14の前記凹部21)に下側に突出する。
【0057】
3本の前記タッピングスクリュー13を前記収納部18の3個の前記孔24中を挿通して前記ギアケース6の3個の前記第2孔12中にねじ込む。これにより、前記収納部18中に前記位置決め部25、26、27、28、29で位置決めされた前記格納ユニット3(前記ギアケース6および前記ギアカバー7)は、前記収納部18に固定される。このとき、図7に示すように、前記ギアケース6の後側側面が前記収納部18の前記第2当接部27(前記格納ユニット3の収納方向(上下方向)に沿って設けられている前記第2当接部)に当接していて、また、図7、図15に示すように、前記収納部18の前記第2挟持部29(前記格納ユニット3の収納方向(上下方向)に沿って設けられている前記第2挟持部29)が前記垂直板部10を前記格納ユニット3(前記ギアケース6および前記ギアカバー7)の収納方向に対して直交する方向に挟み込んでいる。この結果、前記タッピングスクリュー13で前記格納ユニット3(ギアケース6および前記ギアカバー7)を前記収納部18中に固定する際に、前記ギアケース6および前記ギアカバー7の上下が前後に傾くのを防ぐことができる。
【0058】
以上のようにして、前記格納ユニット3を前記ミラーアセンブリ4の前記ミラーハウジングに固定する工程が完了する。
【0059】
つぎに、前記ミラーハウジング14の前記閉塞部20の正面側に前記パワーユニットおよび前記ピボット機構を取り付ける。前記パワーユニットおよび前記ピボット機構に前記ミラーユニット16を取り付ける。これにより、前記ミラーハウジング14の前記開口部19に前記ミラーユニット16が配置される。
【0060】
また、図3に示すように、前記ミラーハウジング14の前記閉塞部20の縁部に前記カバー17の縁部を固定する。これにより、図2に示すように、前記ミラーハウジング14の前記閉塞部20が前記カバー17により覆われる。このようにして、前記格納ユニット3を固定した前記ミラーアセンブリ4が組み立てられる。
【0061】
それから、前記ミラーハウジング14の前記凹部21に突出する前記シャフトホルダ8を前記ベース2に固定する。これにより、図1に示すように、この実施例1における車両用アウトサイドミラー装置(ドアミラー1)が組み立てられる。
【0062】
そして、前記ベース2を自動車のドアに固定することにより、この実施例1における車両用アウトサイドミラー装置(ドアミラー1)は、自動車に装備される。また、前記ミラーアセンブリ4が車体(ドア)に対して傾倒可能である。
【0063】
この実施例1における車両用アウトサイドミラー装置(ドアミラー1)は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。
【0064】
まず、ミラーユニット16の反射面で車両の後方を視認することができる。また、パワーユニットを駆動させると、ミラーユニット16を水平軸回りに上下方向にまた垂直軸回りに左右方向に回動させることができ、これにより、ミラーユニット16の反射面の位置をドライバーの視点(視線)に合わせて調整することができる。
【0065】
つぎに、モータの駆動または手動により、ミラーアセンブリ4をシャフト5の回りに時計方向または反時計方向に、可倒機構のクラッチ機構の保持力よりも大きい力で回す。すると、ミラーアセンブリ4は、シャフト5の回りに時計方向または反時計方向に回転して、使用位置、格納位置、前方傾倒位置のうちの所定の位置に位置する。また、使用位置に位置するミラーアセンブリ4に可倒機構のクラッチ機構の保持力よりも大きい力が作用すると、ミラーアセンブリ4は、シャフト5の回りに時計方向または反時計方向に緩衝のために回転する。
【0066】
この実施例1における車両用アウトサイドミラー装置(ドアミラー1)は、以上のごとき構成および作用からなり、以下、その効果について説明する。
【0067】
この実施例1における車両用アウトサイドミラー装置(ドアミラー1)は、格納ユニット3のギアケース6およびギアカバー7がミラーハウジング14の収納部18中に位置決め部25、26、27、28、29で置決めされた状態で収納されていて、かつ、ギアケース6およびギアカバー7と収納部18とがタッピングスクリュー13で固定されている。この結果、この実施例1における車両用アウトサイドミラー装置(ドアミラー1)は、格納ユニット3のギアケース6およびギアカバー7とミラーアセンブリ4のミラーハウジング14とが確実に固定され、これにより、ミラーアセンブリ4が格納ユニット3を介してベース2すなわち車体に対してスムーズに傾倒することができる。
【0068】
また、この実施例1における車両用アウトサイドミラー装置(ドアミラー1)は、格納ユニット3のギアケース6およびギアカバー7をミラーハウジング14の収納部18中にシャフト5の軸線方向O−Oに収納することができるので、組み付け作業性が向上する。ここで、凹形状の収納部18の開口部を上側にすれば、格納ユニット3のギアケース6およびギアカバー7をミラーハウジング14の収納部18中にシャフト5の軸線方向O−Oに上から下に落とし込み式で収納することができるので、組み付け作業性がさらに向上する。
【0069】
さらに、この実施例1における車両用アウトサイドミラー装置(ドアミラー1)は、ミラーハウジング14の閉塞部20の背面側(カバー17と対向する側であって、ミラーユニット16が配置されている正面側と反対側)に、格納ユニット3のギアケース6およびギアカバー7を収納固定する凹形状の収納部18が一体に設けられているので、ミラーハウジング14と収納部18との剛性が向上される。しかも、ミラーハウジング14と収納部18との剛性が向上されることにより、ミラーハウジング14と収納部18との肉厚を薄くすることができ、その分、ミラーハウジング14と収納部18とを軽量化することができる。その上、ミラーハウジング14に収納部18を一体に設けるので、部品点数を抑えることができる。
【0070】
さらにまた、この実施例1における車両用アウトサイドミラー装置(ドアミラー1)は、格納ユニット3がミラーハウジング14の閉塞部20とカバー17とにより区画されている空間中に収納されているので、格納ユニット3の作動音が格納ユニット3の収納空間中から外部に漏れるのを防止することができ、その分、格納ユニット3の作動音を遮断することができ、静粛性が向上される。しかも、格納ユニット3がミラーハウジング14の閉塞部20とカバー17とにより隠されるので、見栄え(商品性)が向上される。
【0071】
さらにまた、この実施例1における車両用アウトサイドミラー装置(ドアミラー1)は、ミラーハウジング14の閉塞部の背面側の収納部18中に格納ユニット3のギアケース6およびギアカバー7をシャフト5の軸線方向O−Oに収納して、ギアケース6およびギアカバー7と収納部18とを固定するものであるから、格納ユニットをユニットブラケットを介してミラーハウジングに取り付ける特許文献3と比較して、小型化が可能である。すなわち、特許文献3は、格納ユニットをミラーハウジングの正面側から背面側にミラーハウジングの閉塞部に設けた空所を潜り抜けてミラーハウジングの閉塞部の背面側に位置させて、その格納ユニットをユニットブラケットに取り付けて、そのユニットブラケットをミラーハウジングに取り付けるものである。このために、特許文献3は、ミラーハウジングの閉塞部の背面側において、格納ユニットをミラーハウジングの空所を潜り抜けるためのスペースが必要であり、その分、ミラーハウジングの閉塞部の背面側が大型化する。また、特許文献3は、格納ユニットをユニットブラケットを介してミラーハウジングに取り付けるので、格納ユニットとユニットブラケットとの取付箇所と、ユニットブラケットとミラーハウジングとの取付箇所とが連続し、その分、取付箇所が大型化する。これに対して、この実施例1における車両用アウトサイドミラー装置(ドアミラー1)は、ミラーハウジング14の閉塞部20の背面側の収納部18中に格納ユニット3のギアケース6およびギアカバー7をシャフト5の軸線方向O−Oに収納して、ギアケース6およびギアカバー7と収納部18とを固定するものである。このために、この実施例1における車両用アウトサイドミラー装置(ドアミラー1)は、特許文献3のように格納ユニットをミラーハウジングの空所を潜り抜けるためのスペースが不要であり、その分、ミラーハウジング14の閉塞部20の背面側を小型化することができる。また、この実施例1における車両用アウトサイドミラー装置(ドアミラー1)は、特許文献3のように格納ユニットとユニットブラケットとの取付箇所およびユニットブラケットとミラーハウジングとの取付箇所が連続するようなことがなく、その分、取付箇所を小型化することができる。
【0072】
また、この実施例1における車両用アウトサイドミラー装置(ドアミラー1)は、格納ユニット3のギアケース6およびギアカバー7をミラーハウジング14の収納部18中に収納すると、位置決め部のピン部25がギアケース6の第1孔11中に挿入して格納ユニット3(ギアケース6およびギアカバー7)の収納方向(シャフト5の軸線方向O−Oと平行な方向)に対して直交する方向の位置が決まり(仮決めされ)、また、ギアケース6の底面および水平板部9の底面および垂直板部10の底面が収納部18の3個の第1当接部26にそれぞれ当接して格納ユニット3の収納方向の位置が決まり、さらに、ギアケース6の後側側面が収納部18の第2当接部27に当接して格納ユニット3の収納方向に対して直交する方向の位置が決まり、さらにまた、収納部18の第1挟持部28がギアケース6の面取部30を格納ユニット3の収納方向に対して直交する方向に挟み込んで格納ユニット3の収納方向に対して直交する方向の位置が決まり(本決めされ)、さらにまた、収納部18の第2挟持部29が垂直板部10を格納ユニット3の収納方向に対して直交する方向に挟み込んで格納ユニット3の収納方向に対して直交する方向の位置が決まる(本決めされる)。この結果、この実施例1における車両用アウトサイドミラー装置(ドアミラー1)は、格納ユニット3のギアケース6およびギアカバー7をミラーハウジング14の収納部18中に所定の位置に確実に位置決めした状態で収納することができ、この状態で、タッピングスクリュー13を収納部18の孔24中に挿通してギアケース6の第2孔12中にねじ込むことにより、格納ユニット3のギアケース6およびギアカバー7とミラーアセンブリ4のミラーハウジング14とをさらに確実に固定することができる。
【0073】
しかも、この実施例1における車両用アウトサイドミラー装置(ドアミラー1)は、ギアケース6にシャフト5の軸線方向O−Oの第1孔11とシャフト5の軸線方向O−Oに対して直交する方向の第2孔12とが設けられている既存の格納ユニット3を使用することができるので、製造コストを抑えることができる。
【0074】
その上、この実施例1における車両用アウトサイドミラー装置(ドアミラー1)は、タッピングスクリュー13を一方向から収納部18の孔24中に挿通してギアケース6の第2孔12中にねじ込むことにより、格納ユニット3のギアケース6およびギアカバー7とミラーアセンブリ4のミラーハウジング14との組み付け性が向上する。
【0075】
さらにまた、この実施例1における車両用アウトサイドミラー装置(ドアミラー1)は、リブ形状の第2当接部27がギアケース6およびギアカバー7の収納方向(上下方向)に沿って設けられているので、タッピングスクリュー13でギアケース6およびギアカバー7を収納部18中に固定する際に、ギアケース6およびギアカバー7の上下が前後に傾くのを防ぐことができる。
【実施例2】
【0076】
図17〜図20は、この発明にかかる車両用アウトサイドミラー装置の実施例2を示す。以下、この実施例2における車両用アウトサイドミラー装置の構成について説明する。図中、図1〜図16と同符号は、同一のものを示す。
【0077】
格納ユニット3のギアケース6の左右両側面にはいた形状もしくはフランジ形状の凸部32がシャフト5の軸線方向O−Oに対して直交する方向に設けられている。前記凸部32には、タッピングスクリュー13が挿通する第3孔33がシャフト5の軸線方向O−Oに設けられている。
【0078】
ミラーハウジング14の収納部18の左右両側面には、位置決め部の断面台形状の第3当接部34が前記凸部32に対応して一体に設けられている。前記第3当接部34の上面には、収納部18中に収納されている格納ユニット3の前記第3孔33と連通していてタッピングスクリュー13がねじ込まれる孔35がシャフトの軸線方向に設けられている。
【0079】
この実施例2における車両用アウトサイドミラー装置(ドアミラー1)は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用効果について説明する。
【0080】
格納ユニット3のギアケース6およびギアカバー7をミラーハウジング14の収納部18中に収納する。すると、格納ユニット3のギアケース6の凸部32の下面が収納部18の位置決め部の第3当接部34の上面に当接してギアケース6およびギアカバー7の収納方向の位置が決まる。この結果、この実施例2にかかる車両用アウトサイドミラー装置(ドアミラー1)は、格納ユニット3のギアケース6およびギアカバー7をミラーハウジング14の収納部18中に所定の位置に確実に位置決めした状態で収納することができる。しかも、この状態で、タッピングスクリュー13を、シャフト5の軸線方向O−Oにギアケース6の凸部32の第3孔33中に挿通して、かつ、収納部18の第3当接部34の孔35中にねじ込む。これにより、格納ユニット3のギアケース6およびギアカバー7とミラーアセンブリ4のミラーハウジング14とをさらに確実に固定することができる。
【0081】
しかも、この実施例2にかかる車両用アウトサイドミラー装置(ドアミラー1)は、ギアケース6およびギアカバー7の収納方向と、タッピングスクリュー13を第3孔33中に挿通して孔35中にねじ込む方向とがシャフト5の軸線方向O−Oと平行であって一致する。その上、ギアケース6およびギアカバー7の収納方向と、タッピングスクリュー13を第3孔33中に挿通して孔35中にねじ込む方向とを上下方向とする。これにより、格納ユニット3のギアケース6およびギアカバー7をミラーハウジング14の収納部18中に上から下に落とし込み式で収納することができ、また、タッピングスクリュー13を上から下に第3孔33中に挿通して孔35中にねじ込むことができる。この結果、格納ユニット3のギアケース6およびギアカバー7とミラーアセンブリ4のミラーハウジング14との組み付け作業性が向上する。
【0082】
なお、この実施例2にかかる車両用アウトサイドミラー装置(ドアミラー1)において、格納ユニット3のギアケース6の凸部32の側面が収納部18の左右両側面に当接して、ギアケース6およびギアカバー7の収納方向に対して直交する方向の位置を決めるように構成しても良い。
【0083】
以下、前記の実施例1、2以外の例について説明する。前記の実施例1、2においては、ドアミラーについて説明したが、この発明においては、その他の自動車用アウトサイドミラー装置、たとえば、フェンダミラーやトラックミラーなどであっても良い。
【0084】
また、前記の実施例1、2においては、3本のタッピングスクリュー13を、ギアケース6の3個の第2孔12、すなわち、垂直板部10の上の第2孔12と下の第2孔12と2個の座部15のうちいずれか一方の座部15の第2孔12に、ねじ込んで、格納ユニット3をミラーハウジング14に固定するものである。ところが、この発明においては、ギアケース6の第2孔12にねじ込むタッピングスクリュー13の本数、また、タッピングスクリュー13をねじ込むギアケース6の第2孔12の箇所などは、特に限定しない。
【0085】
さらに、前記の実施例1、2においては、固定部材としてタッピングスクリュー13を使用するものである。ところが、この発明においては、固定部材としてタッピングスクリュー13以外のもの、たとえば、ボルトナット、加締め、係合、嵌合などを使用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】この発明にかかる車両用アウトサイドミラー装置の実施例1を示すドアミラーの正面図である。
【図2】同じく、ドアミラーのベースを除いたミラーアセンブリを示す背面図である。
【図3】同じく、ミラーアセンブリのミラーハウジングからカバーを取り外した状態を示す背面図である。
【図4】同じく、ミラーアセンブリのミラーハウジングから格納ユニットを取り外した状態を示す背面図である。
【図5】同じく、格納ユニットを示す背面図である。
【図6】同じく、格納ユニットを示す斜視図である。
【図7】同じく、図3におけるVII−VII線断面図である。
【図8】同じく、ミラーアセンブリのミラーハウジングから格納ユニットを取り外した状態を示す断面図(図3におけるVII−VII線断面図に対応する断面図)である。
【図9】同じく、図7におけるIX−IX線断面図である。
【図10】同じく、図8におけるX−X線断面図である。
【図11】同じく、図7におけるXI−XI線断面図である。
【図12】同じく、図8におけるXII−XII線断面図である。
【図13】同じく、図3におけるXIII−XIII線断面図である。
【図14】同じく、ミラーアセンブリのミラーハウジングから格納ユニットを取り外した状態を示す断面図(図3におけるXIII−XIII線断面図に対応する断面図)である。
【図15】同じく、図3におけるXV−XV線断面図である。
【図16】同じく、ミラーアセンブリのミラーハウジングから格納ユニットを取り外した状態を示す断面図(図3におけるXV−XV線断面図に対応する断面図)である。
【図17】この発明にかかる車両用アウトサイドミラー装置の実施例2を示す格納ユニットの背面図である。
【図18】同じく、格納ユニットを示す斜視図である。
【図19】同じく、収納部中に格納ユニットを収納固定した状態を示す縦断面図(垂直断面図)である。
【図20】同じく、収納部中から格納ユニットを取り出した状態を示す縦断面図(垂直断面図)である。
【符号の説明】
【0087】
1 ドアミラー(車両用アウトサイドミラー装置)
2 ベース
3 格納ユニット
4 ミラーアセンブリ
5 シャフト
6 ギアケース(傾倒部材)
7 ギアカバー(傾倒部材)
8 シャフトホルダ
9 水平板部
10 垂直板部
11 第1孔
12 第2孔
13 タッピングスクリュー(固定部材)
14 ミラーハウジング
15 座部
16 ミラーユニット
17 カバー
18 収納部
19 開口部
20 閉塞部
21 凹部
22 挿通孔
23 補強リブ
24 孔
25 ピン部(位置決め部)
26 第1当接部(位置決め部)
27 第2当接部(位置決め部)
28 第1挟持部(位置決め部)
29 第2挟持部(位置決め部)
30 面取部
31 切欠
32 凸部
33 第3孔
34 第3当接部
35 孔
O−O シャフトの軸線方向
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミラーアセンブリが車体に対して可倒可能である車両用アウトサイドミラー装置において、
前記車体に固定されるベースと、
前記ベースに格納ユニットを介して可倒可能に装備されている前記ミラーアセンブリと、
を備え、
前記格納ユニットは、
前記ベースに固定されているシャフトと、
前記シャフトに可倒機構を介して前記シャフト回りに可倒可能に取り付けられている傾倒部材と、
から構成されていて、
前記ミラーアセンブリは、
一方が開口しかつ他方が閉塞したミラーハウジングと、
前記ミラーハウジングの開口部に配置されていてかつ反射面を有するミラーユニットと、
前記ミラーハウジングの閉塞部に固定されていてかつ前記閉塞部を覆うカバーと、
前記ミラーハウジングの閉塞部の前記カバーと対向する側に一体に設けられていて、前記格納ユニットの前記傾倒部材を前記シャフトの軸線方向に収納する凹形状の収納部と、
前記収納部に一体に設けられていて、前記収納部中に前記格納ユニットの前記傾倒部材を収納する際に、前記収納部中の前記傾倒部材の位置を決める位置決め部と、
前記収納部中に位置決めされた前記格納ユニットの前記傾倒部材と前記収納部とを固定する固定部材と、
から構成されている、
ことを特徴とする車両用アウトサイドミラー装置。
【請求項2】
前記格納ユニットの前記傾倒部材には、第1孔が前記シャフトの軸線方向に設けられていて、
前記位置決め部は、前記第1孔中に挿入して前記傾倒部材の収納方向に対して直交する方向の位置を決めるピン部と、前記傾倒部材が当接して前記傾倒部材の収納方向の位置を決める第1当接部と、からなる、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用アウトサイドミラー装置。
【請求項3】
前記固定部材は、タッピングスクリューであり、
前記格納ユニットの前記傾倒部材の両側には、座部と面取部とが隣り合わせに設けられていて、前記座部には、前記タッピングスクリューがねじ込まれる第2孔が前記シャフトの軸線方向に対して直交する方向に設けられていて、
前記収納部には、前記収納部中に収納されている前記傾倒部材の前記第2孔と連通していて前記タッピングスクリューが挿通する孔が設けられていて、
前記位置決め部は、前記傾倒部材の前記座部もしくは前記面取部のうち少なくともいずれか一方を前記傾倒部材の収納方向に対して直交する方向に挟み込んで前記傾倒部材の収納方向に対して直交する方向の位置を決める第1挟持部からなる、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用アウトサイドミラー装置。
【請求項4】
前記位置決め部は、前記傾倒部材が当接して前記傾倒部材の収納方向に対して直交する方向の位置を決めるリブ形状の第2当接部と、前記傾倒部材を前記傾倒部材の収納方向に対して直交する方向に挟み込んで前記傾倒部材の収納方向に対して直交する方向の位置を決めるリブ形状の第2挟持部と、からなる、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用アウトサイドミラー装置。
【請求項5】
前記固定部材は、タッピングスクリューであり、
前記格納ユニットの前記傾倒部材には、凸部が前記シャフトの軸線方向に対して直交する方向に設けられていて、前記凸部には、前記タッピングスクリューが挿通する第3孔が前記シャフトの軸線方向に設けられていて、
前記位置決め部は、前記凸部が当接して前記傾倒部材の収納方向の位置を決める第3当接部からなり、
前記第3当接部には、前記収納部中に収納されている前記傾倒部材の前記第3孔と連通していて前記タッピングスクリューがねじ込まれる孔が前記シャフトの軸線方向に設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用アウトサイドミラー装置。
【請求項1】
ミラーアセンブリが車体に対して可倒可能である車両用アウトサイドミラー装置において、
前記車体に固定されるベースと、
前記ベースに格納ユニットを介して可倒可能に装備されている前記ミラーアセンブリと、
を備え、
前記格納ユニットは、
前記ベースに固定されているシャフトと、
前記シャフトに可倒機構を介して前記シャフト回りに可倒可能に取り付けられている傾倒部材と、
から構成されていて、
前記ミラーアセンブリは、
一方が開口しかつ他方が閉塞したミラーハウジングと、
前記ミラーハウジングの開口部に配置されていてかつ反射面を有するミラーユニットと、
前記ミラーハウジングの閉塞部に固定されていてかつ前記閉塞部を覆うカバーと、
前記ミラーハウジングの閉塞部の前記カバーと対向する側に一体に設けられていて、前記格納ユニットの前記傾倒部材を前記シャフトの軸線方向に収納する凹形状の収納部と、
前記収納部に一体に設けられていて、前記収納部中に前記格納ユニットの前記傾倒部材を収納する際に、前記収納部中の前記傾倒部材の位置を決める位置決め部と、
前記収納部中に位置決めされた前記格納ユニットの前記傾倒部材と前記収納部とを固定する固定部材と、
から構成されている、
ことを特徴とする車両用アウトサイドミラー装置。
【請求項2】
前記格納ユニットの前記傾倒部材には、第1孔が前記シャフトの軸線方向に設けられていて、
前記位置決め部は、前記第1孔中に挿入して前記傾倒部材の収納方向に対して直交する方向の位置を決めるピン部と、前記傾倒部材が当接して前記傾倒部材の収納方向の位置を決める第1当接部と、からなる、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用アウトサイドミラー装置。
【請求項3】
前記固定部材は、タッピングスクリューであり、
前記格納ユニットの前記傾倒部材の両側には、座部と面取部とが隣り合わせに設けられていて、前記座部には、前記タッピングスクリューがねじ込まれる第2孔が前記シャフトの軸線方向に対して直交する方向に設けられていて、
前記収納部には、前記収納部中に収納されている前記傾倒部材の前記第2孔と連通していて前記タッピングスクリューが挿通する孔が設けられていて、
前記位置決め部は、前記傾倒部材の前記座部もしくは前記面取部のうち少なくともいずれか一方を前記傾倒部材の収納方向に対して直交する方向に挟み込んで前記傾倒部材の収納方向に対して直交する方向の位置を決める第1挟持部からなる、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用アウトサイドミラー装置。
【請求項4】
前記位置決め部は、前記傾倒部材が当接して前記傾倒部材の収納方向に対して直交する方向の位置を決めるリブ形状の第2当接部と、前記傾倒部材を前記傾倒部材の収納方向に対して直交する方向に挟み込んで前記傾倒部材の収納方向に対して直交する方向の位置を決めるリブ形状の第2挟持部と、からなる、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用アウトサイドミラー装置。
【請求項5】
前記固定部材は、タッピングスクリューであり、
前記格納ユニットの前記傾倒部材には、凸部が前記シャフトの軸線方向に対して直交する方向に設けられていて、前記凸部には、前記タッピングスクリューが挿通する第3孔が前記シャフトの軸線方向に設けられていて、
前記位置決め部は、前記凸部が当接して前記傾倒部材の収納方向の位置を決める第3当接部からなり、
前記第3当接部には、前記収納部中に収納されている前記傾倒部材の前記第3孔と連通していて前記タッピングスクリューがねじ込まれる孔が前記シャフトの軸線方向に設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用アウトサイドミラー装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2010−18257(P2010−18257A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−183154(P2008−183154)
【出願日】平成20年7月14日(2008.7.14)
【出願人】(000000136)市光工業株式会社 (774)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月14日(2008.7.14)
【出願人】(000000136)市光工業株式会社 (774)
【Fターム(参考)】
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