車両用ガラスアンテナ及び車両用窓ガラス
【課題】本発明は、地上デジタル放送などの電波の受信に適した低背で広帯域のアンテナ特性を持ち、丸形の指向性に近づけることができる、車両用ガラスアンテナ等の提供を目的とする。
【解決手段】アース部17を起点に水平方向に直角な方向である第1の方向に延伸するエレメント1と、エレメント1の終端部1gを起点に水平な方向であってエレメント1に対して給電部18側の方向である第2の方向に延伸するエレメント2とをアース導体として備えており、給電部18を起点に第2の方向に延伸するエレメント3と、エレメント3の終端部3gを起点に第1の方向に延伸するエレメント4と、エレメント4の終端部4gを起点に第2の方向と反対方向である第3の方向に延伸するエレメント5とをアンテナ導体として備えており、エレメント2の終端部2gが、エレメント5の終端部5gを通る仮想直線21に対して第3の方向側に位置する、車両用ガラスアンテナ。
【解決手段】アース部17を起点に水平方向に直角な方向である第1の方向に延伸するエレメント1と、エレメント1の終端部1gを起点に水平な方向であってエレメント1に対して給電部18側の方向である第2の方向に延伸するエレメント2とをアース導体として備えており、給電部18を起点に第2の方向に延伸するエレメント3と、エレメント3の終端部3gを起点に第1の方向に延伸するエレメント4と、エレメント4の終端部4gを起点に第2の方向と反対方向である第3の方向に延伸するエレメント5とをアンテナ導体として備えており、エレメント2の終端部2gが、エレメント5の終端部5gを通る仮想直線21に対して第3の方向側に位置する、車両用ガラスアンテナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナ導体及びアース導体、並びに給電部及びアース部が車両用窓ガラスに設けられた車両用ガラスアンテナに関する。また、その車両用ガラスアンテナを備えた車両用窓ガラスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、地上デジタルテレビ放送を受信する車両用ガラスアンテナとして、窓ガラスに略U字状のアンテナ導体を設け、アンテナ導体の2つの先端部のうちどちらかに給電点を設けたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−270395号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述の従来技術では、アンテナ導体の構成が単純で、充分なアンテナ利得が得られない。また、共振周波数が1つしかなく、国内地上デジタルテレビ放送帯の広帯域に対応可能な平坦性を有するアンテナ利得を得ることができない。一方、ガラスアンテナの設置可能な範囲が狭い窓ガラスを搭載する車両では、アンテナの小型化、特に窓ガラスの上端部に設けるガラスアンテナであれば、高さを低くすること(低背化)が求められる。さらに、特定の一方向に鋭い指向性を持ったアンテナ特性では、電波の到来方向によっては電波を受信しにくいので、丸形の指向性を持つことも求められる。
【0004】
そこで、本発明は、地上デジタル放送などの高周波数帯の電波の受信に適した低背で広帯域のアンテナ特性を持ち、丸形の指向性に近づけることができる、車両用ガラスアンテナ及び該車両用ガラスアンテナを備えた車両用窓ガラス板の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明に係る車両用ガラスアンテナは、アンテナ導体及びアース導体、並びに離間して配置された給電部及びアース部が車両用窓ガラスに設けられた車両用ガラスアンテナであって、
前記アース導体は、
給電部及びアース部が離間された方向を基準方向としたときに、
前記アース部を起点に、前記基準方向に略直角である第1の方向に延伸する第1のアンテナエレメントと、
前記第1のアンテナエレメントの延伸の終点である第1の終端部を起点に、前記基準方向に平行かつ前記第1のアンテナエレメントに対して前記給電部側の方向である第2の方向に延伸する第2のアンテナエレメントとを備えており、
前記アンテナ導体は、
前記給電部を起点に、前記第2の方向に延伸する第3のアンテナエレメントと、
前記第3のアンテナエレメントの延伸の終点である第3の終端部を起点に、前記第1の方向に延伸する第4のアンテナエレメントと、
前記第4のアンテナエレメントの延伸の終点である第4の終端部を起点に、前記第2の方向と反対方向である第3の方向に延伸する第5のアンテナエレメントと、を備えており、
前記第2のアンテナエレメントの延伸の終点である第2の終端部が、前記第5のアンテナエレメントの延伸の終点である第5の終端部を通り前記第1の方向に平行な第1の仮想直線に対して、該第1の仮想直線上又は前記第3の方向側に位置する、ことを特徴とする。
【0006】
ここで、前記アース導体は、
前記アース部を起点に、前記第3の方向に延伸する第6のアンテナエレメントを備え、
前記車両用窓ガラスが車体開口部に取り付けられた場合に、前記第6のアンテナエレメントの延伸の終点である第6の終端部と該第6の終端部に最も近接した車体開口部の車体開口縁との距離が10〜80mmとなると好適である。
【0007】
また、前記アース導体は、
前記(第6のアンテナエレメントの延伸の終点である)第6の終端部を起点に、前記第1の方向に延伸する第7のアンテナエレメントと、
前記第7のアンテナエレメントの延伸の終点である第7の終端部を起点に、前記第2の方向に延伸する第8のアンテナエレメントとを備え、
前記第8のアンテナエレメントの延伸の終点である第8の終端部が、前記第1の終端部を通り前記第1の方向に平行な第2の仮想直線に対して、該第2の仮想直線上又は前記第3の方向側に位置すると好適である。
【0008】
または、前記アース導体は、
前記第6のアンテナエレメント上の1点を起点に、前記第1の方向に延伸する第7のアンテナエレメントと、
前記第7のアンテナエレメントの延伸の終点である第7の終端部を起点に前記第2の方向に延伸するアンテナエレメントを含みかつ前記第6のアンテナエレメントと平行である第8のアンテナエレメントと、を備え、
前記第8のアンテナエレメントの前記第2の方向への延伸の終点である第8の終端部が前記第1のアンテナエレメントに接続されていると好適である。
【0009】
また、前記アンテナ導体は、
前記第4の終端部を起点に、前記第2の方向に延伸する第9のアンテナエレメントを備えると好適である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、アンテナ自体の低背化をしつつ、地上デジタルテレビ放送などの高周波数帯の電波の受信に適した広帯域で略丸形の指向性のアンテナ特性を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。なお、形態を説明するための図面において、方向について特に記載しない場合には図面上での方向をいうものとする。また、それらの図面は、窓ガラスが車両に取り付けられた状態での車内視(又は、車外視)の図である。例えば、窓ガラスが車両の前部に取り付けられるフロントガラスである場合、図面上での左右方向が車幅方向に相当する。なお、本発明は、フロントガラスに限定されず、車両の後部に取り付けられるリヤガラス、車両の側部に取り付けられるサイドガラスであってよい。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態である車両用ガラスアンテナ100の平面図である。車両用ガラスアンテナ100は、アンテナ導体及びアース導体、並びに互いに所定の基準方向(例えば、水平又は略水平な方向)に離間する給電部18及びアース部17が車両用窓ガラス板12に設けられた車両用ガラスアンテナである。車両用ガラスアンテナ100は、アース部17を起点に、その基準方向に直角又は略直角な方向である第1の方向(図面上では、下方向)に延伸する第1のアンテナエレメントであるアンテナエレメント1と、アンテナエレメント1の第1の方向への延伸の終点部分である第1の終端部1gを起点に、その基準方向に平行な方向であってアンテナエレメント1に対して給電部18側の方向である第2の方向に延伸する第2のアンテナエレメントであるアンテナエレメント2とを、アース導体として備えた構造であり、且つ、給電部18を起点に、第2の方向に延伸する第3のアンテナエレメントであるアンテナエレメント3と、アンテナエレメント3の第2の方向への延伸の終点部分である第3の終端部3gを起点に、第1の方向に延伸する第4のアンテナエレメントであるアンテナエレメント4と、アンテナエレメント4の第1の方向への延伸の終点部分である第4の終端部4gを起点に、第2の方向と反対方向である第3の方向に延伸する第5のアンテナエレメントであるアンテナエレメント5とを、アンテナ導体として備えた構造である。そして、アンテナエレメント2の第2の方向への延伸の終点部分である第2の終端部2gが、アンテナエレメント5の第3の方向への延伸の終点部分である第5の終端部5gを通り第1の方向に平行な第1の仮想直線21に対して、第3の方向側に位置している(図面上では、仮想直線21に対して左側に位置している)。なお、本明細書では、終端部は、アンテナエレメントの延伸する終点であってもよいし、その終点手前の導体部分である終点近傍であってもよい。
【0013】
車両用ガラスアンテナ100は、双極アンテナであって、負極側(コールド側(グランド側))のアース部17を接地基準として、正極側(ホット側)の給電部18からアンテナ導体による受信信号が取り出し可能になっており、受信信号が受信機(不図示)に伝達される。双極アンテナの場合、アンテナエレメント3の延伸方向(第2の方向)は、車両用窓ガラス板12が取り付けられる車体開口部の縁部に沿う方向であってもよいが、グランド側のアース部17に電気的に接続されたアンテナエレメント1,2がアース部17と共にアース導体として機能するため、縁部に沿わなくてもよい。これにより、ガラスアンテナを窓ガラス板12の限りある余白領域に配置する自由度が増す。また、窓ガラス板12が取り付けられる車両の車体開口部やその近傍部がグランドとして使用不可能な部位であれば(例えば、当該部位が、ボディーアースから電気的に浮いている場合や、ボディ自体が樹脂などの非導電性部材である場合であれば)、受信性能の向上に限らず配置の自由度においても双極アンテナは好適な態様である。
【0014】
給電部18及びアース部17は、受信機に接続される給電線が電気的に接続される給電点である。給電線として同軸ケーブルを用いる場合には、給電部18には同軸ケーブルの内部導体が電気的に接続され、アース部17には同軸ケーブルの外部導体が電気的に接続される。
【0015】
同軸ケーブルと、給電部18及びアース部17とを電気的に接続するためのコネクタを給電部18及びアース部17に実装する構成にすることによって、同軸ケーブルを給電部18及びアース部17に取り付けしやすくなる。給電部18及びアース部17に実装されるコネクタに給電部18及びアース部17での受信信号を増幅するための増幅回路が内蔵されている場合には、その増幅回路のグランドをアース部17と同軸ケーブルの外部導体を電気的に接続し、その増幅回路の入力側に給電部18が電気的に接続され、その増幅回路の出力側に同軸ケーブルの内部導体が接続されるとよい。
【0016】
アース部17や給電部18の形状及びアース部17と給電部18との間隔は、取り付けられるコネクタの実装面の形状やコネクタの実装面の間隔に応じて決めるとよい。例えば、正方形、略正方形、長方形、略長方形などの方形状や多角形状が実装上好ましい。なお、円、略円、楕円、略楕円などの円状でもよい。また、アース部17の面積と給電部18の面積は等しくても、異なっていてもよい。また、図1の場合、アース部17は、給電部18の第3の方向側(左側)近傍に備えられ、アース部17の右側縁部と給電部18の左側縁部は対向している。また、アース部17の重心と給電部18の重心とを結ぶ仮想直線は、アンテナエレメント2の延伸方向と平行であり且つアンテナエレメント3の延伸方向と平行であり且つアンテナエレメント5の延伸方向と平行であることが好適な態様である。
【0017】
図1は、方形状のアース部17と給電部18を示している。アース部17の右辺と給電部18の左辺は平行又は略平行である。アンテナエレメント1は、アース部17の下辺上の点を起点に下方向に終端部1gを終点として延伸されればよい。図1のアンテナエレメント1の起点は、アース部17の下辺の中心点より右側の下辺上の点である。アース部17の右辺と下辺の交点としてもよい。
【0018】
アンテナエレメント2は、終端部1gを起点に右方向に終端部2gを終点として延伸されればよい。
【0019】
アンテナエレメント3は、給電部18の右辺上の点、又は給電部18から延伸する第1の接続導体(不図示)を設けた場合、第1の接続導体上の点を起点に右方向に終端部3gを終点として延伸されればよい。図1のアンテナエレメント3の起点は、給電部18の右辺の中心点より下側の右辺上の点である。給電部18の下辺と右辺との交点としてもよい。
【0020】
アンテナエレメント4は、終端部3gを起点に下方向に終端部4gを終点として延伸されればよい。
【0021】
アンテナエレメント5は、終端部4gを起点に左方向に終端部5gを終点として延伸されればよい。
【0022】
本発明において、所望の放送周波数帯の中心周波数における空気中の波長をλ0といい、ガラス波長短縮率をkといい、k=0.64とし、λg=λ0・kとするとき、アンテナエレメント1の導体長x1とアンテエレメント2の導体長x2との和が、0.15・λg〜0.3・λg、特には0.18・λg〜0.25・λgであることがアンテナ利得向上の点では好ましい。
【0023】
また、アンテナエレメント3の導体長x3とアンテナエレメント4の導体長x4とアンテナエレメント5の導体長x5との和が、0.65・λg〜0.8・λg、特には0.7・λg〜0.8・λgであることがアンテナ利得向上の点では好ましい。
【0024】
例えば、地上波デジタルテレビ放送帯(470〜770MHz)の中心周波数は620MHzであり、620MHzにおけるλgは309.7mmである。地上波デジタルテレビの放送帯のうち、現行放送が行われている470〜600MHzを受信周波数帯とする場合には、535MHzを中心周波数と設定でき、地上波デジタルテレビ放送帯のうち、470〜710MHzを受信周波数帯とする場合には、590MHzを中心周波数と設定できる。
【0025】
これらを考慮すると具体的には、地上波デジタルテレビ放送帯(470〜770MHz)の場合において、(x1+x2)は46〜92mm(特には56〜77mm)であることが、(x3+x4+x5)は201〜248mm(特には216〜248mm)であることが、アンテナ利得の向上の点で好ましい。
【0026】
図2は、本発明の一実施形態である車両用ガラスアンテナ200の平面図である。車両用ガラスアンテナ200は、車両用ガラスアンテナ100の構成要素に加え、第6のアンテナエレメントとして、アンテナエレメント6が設けられている。車両用ガラスアンテナ200は、アース部17の左辺上の点、又はアース部17から延伸する第2の接続導体(不図示)を設けた場合、第2の接続導体上の点を起点に左方向に終端部6gを終点として延伸するアンテナエレメント6をアース導体として備えた構造である。図1と同様の構成については説明を省略する。
【0027】
アンテナエレメント6は、アース部17の左辺上の点を起点に左方向に延伸されればよい。図2のアンテナエレメント6の起点は、アース部17の左辺の中心点より下側の左辺上の点である。アース部17の下辺と左辺との交点としてもよい。図2のように、アンテナエレメント3の延伸方向とアンテナエレメント6の延伸方向は一直線上にあることが好適な態様である。
【0028】
車両用窓ガラス板12が車体開口部に取り付けられた場合に、アンテナエレメント6の終端部6gと終端部6gに最も近接した車体開口部の車体開口縁との距離が1〜80mm、特には10〜60mmであることが、アンテナ利得向上の点では好ましい。図2の場合、終端部6gと車幅方向左側の車体開口縁15dとの距離dに相当する。
【0029】
本発明において、所望の放送周波数帯の中心周波数における空気中の波長をλ0といい、ガラス波長短縮率をkといい、k=0.64とし、λg=λ0・kとするとき、アンテナエレメント6の導体長x6が、0.15・λg〜0.26・λg、特には0.18・λg〜0.25・λgであることがアンテナ利得向上の点では好ましい。
【0030】
例えば、地上波デジタルテレビ放送帯(470〜770MHz)の場合において、x6は46〜80mm(特には56〜77mm)であることが、アンテナエレメント6が構成されていない車両用ガラスアンテナ100に比べて、地上波デジタルテレビ放送帯での低周波側帯域でのアンテナ利得の向上の点で好ましい。
【0031】
なお、図1,2には図示していないが、アース導体として、アンテナエレメント1及びアース部17の少なくとも一方を起点に、第2の方向(図上、右方向)に延伸する複数のアンテナエレメントから構成される第1のアンテナエレメント群を備えていてもよく、アンテナエレメント2は、第1のアンテナエレメント群に含まれてもよい。
【0032】
また、アンテナ導体として、アンテナエレメント4を起点に、第3の方向(図上、左方向)に延伸する複数のアンテナエレメントから構成される第2のアンテナエレメント群を備えていてもよく、アンテナエレメント5は、第2のアンテナエレメント群に含まれてもよい。
【0033】
また、アース導体として、アース部17及び第2の接続導体(不図示)の少なくとも一方を起点に、第3の方向に延伸する複数のアンテナエレメントから構成される第3のアンテナエレメント群を備えていてもよく、アンテナエレメント6は、第3のアンテナエレメント群に含まれてもよい。
【0034】
このように、容量結合する間隔で互いに平行又は略平行な複数のアンテナエレメントから構成されるエレメント群を形成することによって、それらの長さや間隔を変えることによって、アンテナのチューニングがしやすくなる。
【0035】
図3は、本発明の一実施形態である車両用ガラスアンテナ300の平面図である。車両用ガラスアンテナ300は、車両用ガラスアンテナ200の構成要素に加え、アンテナエレメント6の第3の方向への延伸の終点部分である第6の終端部6を起点に、第1の方向に延伸する第7のアンテナエレメントであるアンテナエレメント7と、アンテナエレメント7の第1の方向への延伸の終点部分である第7の終端部7gを起点に、第2の方向に延伸する第8のアンテナエレメントであるアンテナエレメント8とをアース導体として備えた構造である。また、アンテナエレメント8の第2の方向への延伸の終点部分である第8の終端部8gが、終端部1gを通り第1の方向に平行な第2の仮想直線22に対して、第3の方向側に位置している(図面上では、仮想直線22に対して左側に位置している)。図1,2と同様の構成については説明を省略する。
【0036】
アンテナエレメント7は、終端部6gを起点に下方向に終端部7gを終点として延伸されればよい。アンテナエレメント8は、終端部7gを起点に右方向に終端部8gを終点として延伸されればよい。図3のように、アンテナエレメント8の延伸方向とアンテナエレメント2の延伸方向は一直線上にあることが好適な態様である。
【0037】
本発明において、所望の放送周波数帯の中心周波数における空気中の波長をλ0といい、ガラス波長短縮率をkといい、k=0.64とし、λg=λ0・kとするとき、アンテナエレメント6の導体長x6とアンテナエレメント7の導体長x7とアンテナエレメント8の導体長x8との和が、0.35・λg〜0.65・λg、特には0.4・λg〜0.56・λgであることがアンテナ利得向上の点では好ましい。
【0038】
例えば、地上波デジタルテレビ放送帯(470〜770MHz)の場合において、(x6+x7+x8)は108〜201mm(特には127〜174mm)であることが、アンテナエレメント7,8が構成されていない車両用ガラスアンテナ200に比べて、地上波デジタルテレビ放送帯での650MHz近辺の中間帯域でのアンテナ利得の向上の点で好ましい。
【0039】
図4は、本発明の一実施形態である車両用ガラスアンテナ400の平面図である。車両用ガラスアンテナ400は、車両用ガラスアンテナ200の構成要素に加え、アンテナエレメント4の第1の方向への延伸の終点部分である終端部4gを起点に、第2の方向に延伸する第9のアンテナエレメントであるアンテナエレメント9をアンテナ導体として備えた構造である。図1,2と同様の構成については説明を省略する。
【0040】
アンテナエレメント9は、終端部4gを起点に右方向に終端部9gを終点として延伸されればよい。図4のように、アンテナエレメント9の延伸方向とアンテナエレメント5の延伸方向は一直線上にあることが好適な態様である。
【0041】
本発明において、所望の放送周波数帯の中心周波数における空気中の波長をλ0といい、ガラス波長短縮率をkといい、k=0.64とし、λg=λ0・kとするとき、アンテナエレメント9の導体長x9が、0.1・λg〜0.35・λg、特には0.1・λg〜0.26・λgであることがアンテナ利得向上の点では好ましい。
【0042】
例えば、地上波デジタルテレビ放送帯(470〜770MHz)の場合において、x9は30〜108mm(特には30〜80mm)であることが、アンテナエレメント9が構成されていない車両用ガラスアンテナ200に比べて、地上波デジタルテレビ放送帯での低周波側帯域でのアンテナ利得の向上の点で好ましい。
【0043】
図5は、本発明の一実施形態である車両用ガラスアンテナ500の平面図である。車両用ガラスアンテナ500は、車両用ガラスアンテナ300と400の構成要素を組み合わせた構造である。上述の図3と図4の構成の説明を援用することにより、図5の構成の詳細説明を省略するが、図5の構成により、図3と図4のアンテナ構成を組み合わせた効果が得られる。
【0044】
図6は、本発明の一実施形態である車両用ガラスアンテナ600の平面図である。車両用ガラスアンテナ600は、車両用ガラスアンテナ200の構成要素に加え、アンテナエレメント6の起点と終端部6との中間点6mを起点に、第1の方向に延伸する第7のアンテナエレメントであるアンテナエレメント7と、アンテナエレメント7の第1の方向への延伸の終点部分である第7の終端部7gを通り所定の基準方向(例えば、水平又は略水平な方向)に延伸する第8のアンテナエレメントであるアンテナエレメント8とをアース導体として備えた構造である。アンテナエレメント8は、終端部7gを起点に第2の方向に延伸するエレメント8aと終端部7gを起点に第3の方向に延伸するエレメント8bから構成される。また、アンテナエレメント8の第2の方向への延伸の終点部分である終端部8g1が、アンテナエレメント1に電気的に接続されている。図6の場合、終端部8g1の位置が、アンテナエレメント1の終端部1gの位置に一致している。また、8g2は、アンテナエレメント8の第3の方向への延伸の終点部分である終端部である。図1,2と同様の構成については説明を省略する。
【0045】
本発明において、所望の放送周波数帯の中心周波数における空気中の波長をλ0といい、ガラス波長短縮率をkといい、k=0.64とし、λg=λ0・kとするとき、アンテナエレメント1とアース部17とアンテナエレメント6とアンテナエレメント7とアンテナエレメント8とによって形成されるループ状導体経路の最短周長が、0.26・λg〜0.75・λg、特には0.36・λg〜0.62・λgであり、アンテナエレメント8の導体長x8が、0.09・λg〜0.34・λg、特には0.1・λg〜0.28・λgであることがアンテナ利得向上の点では好ましい。図6の場合、その最短周長は、アンテナエレメント1の導体長とアース部17の基準方向(左右方向)の最短長とアンテナエレメント6の起点から中間点6mまでの導体長とアンテナエレメント7の導体長とアンテナエレメント8aの導体長との和である。
【0046】
例えば、地上波デジタルテレビ放送帯(470〜770MHz)の場合において、そのループ状導体経路の最短周長は80〜232mm(特には112〜192mm)であり、アンテナエレメント8の導体長x8は26〜106mm(特には30〜86mm)であることが、ループ状導体経路が構成されていない車両用ガラスアンテナ500に比べて、地上波デジタルテレビ放送帯での低周波側帯域でのアンテナ利得の向上の点で好ましい。
【0047】
図8は、本発明に係るガラスアンテナが窓ガラス12に配置される例を示している。4つのガラスアンテナがそれぞれ窓ガラス12の左上側領域、右上側領域、左下側領域及び右下側領域に配設されている。15aは車体上側の車体開口縁、15bは車体右側の車体開口縁、15cは車体下側の車体開口縁、15dは車体左側の車体開口縁である。図8において、窓ガラス12が後部窓ガラス板の場合は、中央領域にデフォッガ(不図示)が形成されている。しかし、これに限定されず、4つの領域の少なくとも1つに設けられていればよい。また、左側、右側ではなく中央上側領域、中央下側領域、中央左側領域、中央右側領域に設けられていてもよい。
【0048】
また、本発明においては、ガラスアンテナが窓ガラス板12の、左上側領域のガラスアンテナが図8のような状態で配設される場合、左上側領域のガラスアンテナの形状と左右対称となった形状で図8の右上側領域に図示された状態で配設されてもよい。下側領域についても同様である。
【0049】
上記のように複数個のガラスアンテナを設置した場合、ダイバーシティ受信となり受信特性が向上し好ましい。
【0050】
上述したガラスアンテナには、補助アンテナ導体は付設されていない。しかし、これに限定されず、インピーダンスマッチング、位相調整及び指向性調整等のために、アンテナエレメントに接続導体を介して又は介さずに、略T字状、略L字状、ループ状等の補助アンテナエレメントが付設されていてもよい。
【0051】
また、アンテナ導体からなる導体層を合成樹脂製フィルムの内部又はその表面に設け、導体層付き合成樹脂製フィルムを窓ガラス板の車内側表面又は車外側表面に形成してガラスアンテナとしてもよい。さらに、アンテナ導体が形成されたフレキシブル回路基板を窓ガラス板の車内側表面又は車外側表面に形成してガラスアンテナとしてもよい。
【0052】
本発明に係る車両用高周波ガラスアンテナが設けられる窓ガラスはフロントガラス、ドアガラス、サイド窓ガラス及び後部窓ガラス等どのようなものであってもよく、特に限定されない。
【0053】
車両に対する窓ガラス板の取り付け角度は、水平方向に対し、15〜90°、特には、30〜90°が好ましい。
【0054】
アンテナ導体は、銀ペースト等の、導電性金属を含有するペーストを窓ガラス板の車内側表面にプリントし、焼付けて形成される。しかし、この形成方法に限定されず、銅等の導電性物質からなる、線状体又は箔状体を、窓ガラス板の車両側表面又は車外側表面に形成してもよく、窓ガラスに接着剤等により形成してもよく、窓ガラス自身の内部に設けてもよい。
【0055】
また、窓ガラスの面上に隠蔽膜を形成し、この隠蔽膜の上にアンテナ導体の一部分又は全体を設けてもよい。隠蔽膜は黒色セラミックス膜等のセラミックスが挙げられる。この場合、窓ガラスの車外側から見ると、隠蔽膜により隠蔽膜上に設けられているアンテナ導体の部分が車外から見えなくなり、デザインの優れた窓ガラスとなる。図示の構成では、給電部とアンテナ導体の少なくとも一部を隠蔽膜上に形成させることで、車外視において導体の細い直線部分のみを見ることになり、デザイン上好ましい。
【実施例】
【0056】
以下に実施例を用いて本発明を説明するが、本発明は、これらの実施例には限定されず、本発明の範囲を逸脱することなく、これらの実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0057】
図1〜7に示すガラスアンテナの形態を実際の車両のフロントガラスの車内視左上側に取り付けることにより作製された自動車用高周波ガラスアンテナについて、その周波数特性や指向性特性などの実測結果について説明する。図1〜6は、本発明の実施形態であるガラスアンテナの平面図であり、図7は、従来のガラスアンテナ700の平面図である。ガラスアンテナ100〜700は、高周波数帯の電波の受信に適しているが、特に、地上波デジタルテレビ放送帯(470〜770MHz)の受信に適している。
【0058】
図1に示すガラスアンテナ100の各部の寸法は、
x1 :20mm
x2 :40mm
x3 :123mm
x4 :15mm
x5 :107mm
xs1 :10mm
xs2 :5mm
とする。
【0059】
図2に示すガラスアンテナ200の各部の寸法は、
x1 :20mm
x2 :50mm
x3 :123mm
x4 :15mm
x5 :100mm
xs1 :7mm
xs2 :5mm
車体開口縁15dとの距離 :20mm
とする。
【0060】
図3に示すガラスアンテナ300の各部の寸法は、
x1 :20mm
x2 :50mm
x3 :123mm
x4 :15mm
x5 :100mm
x6 :70mm
x7 :20mm
x8 :90mm
xs1 :7mm
xs2 :5mm
車体開口縁15dとの距離 :20mm
とする。
【0061】
図4に示すガラスアンテナ400の各部の寸法は、
x1 :20mm
x2 :50mm
x3 :123mm
x4 :15mm
x5 :100mm
x6 :70mm
x9 :50mm
xs1 :7mm
xs2 :5mm
車体開口縁15dとの距離 :20mm
とする。
【0062】
図5に示すガラスアンテナ500の各部の寸法は、
x1 :20mm
x2 :50mm
x3 :123mm
x4 :15mm
x5 :100mm
x6 :70mm
x7 :20mm
x8 :90mm
x9 :50mm
xs1 :7mm
xs2 :5mm
車体開口縁15dとの距離 :20mm
とする。
【0063】
図6に示すガラスアンテナ600の各部の寸法は、
x1 :20mm
x2 :50mm
x3 :123mm
x4 :15mm
x5 :100mm
x6 :70mm
x7 :20mm
x8 :96mm
x9 :50mm
ループ状導体経路の最短周長 :132mm
xs1 :7mm
xs2 :5mm
車体開口縁15dとの距離 :20mm
とする。
【0064】
図7に示すガラスアンテナ700の各部の寸法は、
x21 :100mm
x22 :150mm
x23 :50mm
x24 :70mm
x31 :20mm
x32 :20mm
x33 :15mm
とする。
【0065】
なお、ガラスアンテナ100〜700の各アンテナエレメントの導体幅は0.8mmである。また、図9は、ガラスアンテナ100〜700のアース部17及び給電部18の形状を表す図である。アース部17及び給電部18の各部の寸法は、
x7a :26mm
x7b :23mm
x7c :15mm
x7d :9mm
x8a :17mm
x8b :23mm
xs3 :17mm
とする。
【0066】
ガラスアンテナ100〜600の高さ(xs2+x4+x7b(x8b))は、43mmであり、ガラスアンテナ700の高さ(x33+x32+x31+x7b(x8b))は、78mmである。したがって、ガラスアンテナ100〜600は、従来のガラスアンテナ700に対して、低背化を実現している。
【0067】
また、ガラスアンテナ100〜700の受信電力を測定することによって、車両前方方向の半周分の平均利得を測定した。アンテナ利得の測定は、自動車に対して電波を放射し、角度1°毎に自動車を180°回転させて測定した。電波は水平偏波であり、周波数を470〜770MHzの範囲で3MHz毎に変化させた。電波の発信位置とアンテナ導体との仰角は水平方向(地面と平行な面を仰角=0°、天頂方向を仰角=90°とする場合、仰角=0°の方向)で測定した。
【0068】
図13は、ガラスアンテナ100とガラスアンテナ700のアンテナ利得の周波数特性図であり、図16は、それらのガラスアンテナの指向性の受信周波数毎の方向特性図である。なお、アンテナ利得の周波数特性図において、縦軸のアンテナ利得は、自動車を180°回転させることにより1°毎に測定されたアンテナ利得の平均値を示している(全周波数470〜770MHzにおける3MHz毎のアンテナ利得の平均値)。また、指向性の方向特性図は、フロントガラスに取り付けたガラスアンテナの車両全周にわたる指向特性を表し、図上、上半分が車両の前方領域に相当し、下半分が車両の後方領域に相当する。後述の他図も同様である。
【0069】
図13に示されるように、ガラスアンテナ100のアンテナ利得の周波数特性については、従来のガラスアンテナ700に比べ、約600MHz以上の高域の利得が増加している。また、470〜770MHzの全周波数帯における平均利得を計算すると、ガラスアンテナ100は7.5dBiであり、ガラスアンテナ700は7.6dBiであり、全周波数帯における平均利得については従来と同等の利得を確保している。一方、図16に示されるにように、ガラスアンテナ100の指向性については、従来のガラスアンテナ700に比べ、車幅方向の利得が増加している。
【0070】
図14は、ガラスアンテナ200〜500とガラスアンテナ700のアンテナ利得の周波数特性図であり、図17〜20は、それらのガラスアンテナの指向性の方向特性図である。図14に示されるように、ガラスアンテナ200〜500のアンテナ利得の周波数特性については、従来のガラスアンテナ700に比べ、約560MHz以下の低域と約700MHz以上の高域の利得が増加しており、特にガラスアンテナ400と500については、約600MHz以下の帯域の利得も増加している。一方、図17〜20に示されるように、ガラスアンテナ200〜500の指向性については、従来のガラスアンテナ700に比べ、車幅方向の利得が増加している。
【0071】
図15は、ガラスアンテナ500,600とガラスアンテナ700のアンテナ利得の周波数特性図であり、図21,22は、それらのガラスアンテナの指向性の方向特性図である。図15に示されるように、ガラスアンテナ500,600のアンテナ利得の周波数特性については、従来のガラスアンテナ700に比べ、約600MHz以下の帯域と約700MHz以上の高域の利得が増加している。また、ループ状導体経路が構成されたガラスアンテナ600は、ループ状導体経路が構成されていないガラスアンテナ500に比べて、約530MHz以下の利得の上昇幅が大きい。一方、図21に示されるように、ガラスアンテナ600の指向性については、従来のガラスアンテナ700に比べ、車幅方向の利得が増加している。また、図22に示されるように、ループ状導体経路を構成しても、構成していない場合と同等の車幅方向の利得を確保することができる。
【0072】
したがって、ガラスアンテナ100〜600のアンテナ形態にすることによって、低背化しても、広帯域をカバーする優れたアンテナ特性が得られる。また、ガラスアンテナ100〜600をフロントガラスとリヤガラスの両方に取り付けることによって、車両を中心とする略丸形の指向性のアンテナ特性が得られ、車幅方向からの電波の受信感度を上げることができる。
【0073】
また、図10は、ガラスアンテナ100において、終端部2gと終端部5gとの水平方向でのオーバーラップ距離xs1を変化させたときの、アンテナ利得の実測データである。横軸のオーバーラップ距離xs1が正の値の場合、2つのアンテナエレメント2と5において、一方のアンテナエレメントの図の上下方向の投影が他方のアンテナエレメントに重複する位置関係にあることを表す。一方、オーバーラップ距離xs1が負の値の場合、重複しない位置関係にあることを表す。すなわち、正の値である場合、終端部2gと終端部5gの間に水平方向に間隙がないことを表し、負の値である場合、終端部2gと終端部5gの間に水平方向に間隙があることを表す。図10に示されるように、アンテナエレメント2と5の上下方向の投影が互いに重複する場合に比べ、重複しない方が、アンテナ利得が向上する。例えば、地上波デジタルテレビ放送帯(470〜770MHz)の場合において、終端部2gと終端部5gとの水平方向での間隙は、0〜10mm(特には、2〜8mm)であることが、アンテナ利得の向上の点で好ましい。
【0074】
また、図11は、ガラスアンテナ500において、アンテナエレメント1の延伸方向に平行な方向でのアンテナエレメント2とアンテナエレメント5との最短のギャップxs2を変化させたときの、アンテナ利得の実測データである。図11に示されるように、ギャップxs2を増加させることによって、アンテナ利得が向上する。例えば、地上波デジタルテレビ放送帯(470〜770MHz)の場合において、ギャップxs2は、0〜5mm(特には、1〜4mm)であることが、アンテナ利得の向上の点で好ましい。
【0075】
また、図12は、ガラスアンテナ500において、終端部6g(又は、アンテナエレメント7)とフランジ(ピラー)との距離dを変化させたときの、アンテナ利得の実測データである。フランジ(ピラー)が上述の車体開口縁15dに相当する。図12に示されるように、距離dを減少させることによって、アンテナ利得が向上する。例えば、地上波デジタルテレビ放送帯(470〜770MHz)の場合において、距離dは、10〜80mm(特には、20〜70mm)であることが、アンテナ利得の向上の点で好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明は、地上波デジタルテレビ放送、UHF帯のアナログテレビ放送及び米国のデジタルテレビ放送、欧州連合地域のデジタルテレビ放送又は中華人民共和国のデジタルテレビ放送を受信する自動車用ガラスアンテナに利用される。その他、日本のFM放送帯(76〜90MHz)、米国のFM放送帯(88〜108MHz)、テレビVHF帯(90〜108MHz、170〜222MHz)、自動車電話用の800MHz帯(810〜960MHz)、自動車電話用の1.5GHz帯(1.429〜1.501GHz)、UHF帯(300MHz〜3GHz)、GPS(Global Positioning System)、人工衛星のGPS信号1575.42MHz)、VICS(登録商標)(Vehicle Information and Communication System、ヴィークル インフォメーション アンド コミュニケーション システム:2.5GHz)にも利用できる。
【0077】
さらに、ETC通信(Electronic Toll Collection System:ノンストップ自動料金収受システム、路側無線装置の送信周波数:5.795GHz又は5.805GHz、路側無線装置の受信周波数が5.835GHz又は5.845GHz)、専用狭域通信(DSRC:Dedicated Short Range Communication、915MHz帯、5.8GHz帯、60GHz帯)、マイクロ波(1GHz〜3THz)、ミリ波(30〜300GHz)、自動車用キーレスエントリィシステム(300〜450MHz)、及び、SDARS(Satellite Digital Audio Radio Service (2.34GHz、2.6GHz))の通信にも利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の一実施形態である車両用ガラスアンテナ100の平面図である。
【図2】本発明の一実施形態である車両用ガラスアンテナ200の平面図である。
【図3】本発明の一実施形態である車両用ガラスアンテナ300の平面図である。
【図4】本発明の一実施形態である車両用ガラスアンテナ400の平面図である。
【図5】本発明の一実施形態である車両用ガラスアンテナ500の平面図である。
【図6】本発明の一実施形態である車両用ガラスアンテナ600の平面図である。
【図7】従来の車両用ガラスアンテナ700の平面図である。
【図8】車両用ガラスアンテナの窓ガラス板への配設図である。
【図9】アース部17と給電部18の形状を表す図である。
【図10】終端部2gと終端部5gとの水平方向でのオーバーラップ距離xs1を変化させたときの、アンテナ利得の実測データである。
【図11】アンテナエレメント1の延伸方向に平行な方向でのアンテナエレメント2とアンテナエレメント5とのギャップxs2を変化させたときの、アンテナ利得の実測データである。
【図12】終端部6g(又は、アンテナエレメント7)とフランジ(ピラー)との距離dを変化させたときの、アンテナ利得の実測データである。
【図13】ガラスアンテナ100と700のアンテナ利得の周波数特性図である。
【図14】ガラスアンテナ200〜500と700のアンテナ利得の周波数特性図である。
【図15】ガラスアンテナ500,600と700のアンテナ利得の周波数特性図である。
【図16】ガラスアンテナ100と700の指向性の受信周波数毎の方向特性図である。
【図17】ガラスアンテナ200と700の指向性の受信周波数毎の方向特性図である。
【図18】ガラスアンテナ300と700の指向性の受信周波数毎の方向特性図である。
【図19】ガラスアンテナ400と700の指向性の受信周波数毎の方向特性図である。
【図20】ガラスアンテナ500と700の指向性の受信周波数毎の方向特性図である。
【図21】ガラスアンテナ600と700の指向性の受信周波数毎の方向特性図である。
【図22】ガラスアンテナ500と600の指向性の受信周波数毎の方向特性図である。
【符号の説明】
【0079】
1〜9 アンテナエレメント
12 窓ガラス板
15 窓の車体開口縁
17 アース部(負極側)
18 給電部(正極側)
21,22 仮想直線
100,200,・・・,700 ガラスアンテナ
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナ導体及びアース導体、並びに給電部及びアース部が車両用窓ガラスに設けられた車両用ガラスアンテナに関する。また、その車両用ガラスアンテナを備えた車両用窓ガラスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、地上デジタルテレビ放送を受信する車両用ガラスアンテナとして、窓ガラスに略U字状のアンテナ導体を設け、アンテナ導体の2つの先端部のうちどちらかに給電点を設けたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−270395号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述の従来技術では、アンテナ導体の構成が単純で、充分なアンテナ利得が得られない。また、共振周波数が1つしかなく、国内地上デジタルテレビ放送帯の広帯域に対応可能な平坦性を有するアンテナ利得を得ることができない。一方、ガラスアンテナの設置可能な範囲が狭い窓ガラスを搭載する車両では、アンテナの小型化、特に窓ガラスの上端部に設けるガラスアンテナであれば、高さを低くすること(低背化)が求められる。さらに、特定の一方向に鋭い指向性を持ったアンテナ特性では、電波の到来方向によっては電波を受信しにくいので、丸形の指向性を持つことも求められる。
【0004】
そこで、本発明は、地上デジタル放送などの高周波数帯の電波の受信に適した低背で広帯域のアンテナ特性を持ち、丸形の指向性に近づけることができる、車両用ガラスアンテナ及び該車両用ガラスアンテナを備えた車両用窓ガラス板の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明に係る車両用ガラスアンテナは、アンテナ導体及びアース導体、並びに離間して配置された給電部及びアース部が車両用窓ガラスに設けられた車両用ガラスアンテナであって、
前記アース導体は、
給電部及びアース部が離間された方向を基準方向としたときに、
前記アース部を起点に、前記基準方向に略直角である第1の方向に延伸する第1のアンテナエレメントと、
前記第1のアンテナエレメントの延伸の終点である第1の終端部を起点に、前記基準方向に平行かつ前記第1のアンテナエレメントに対して前記給電部側の方向である第2の方向に延伸する第2のアンテナエレメントとを備えており、
前記アンテナ導体は、
前記給電部を起点に、前記第2の方向に延伸する第3のアンテナエレメントと、
前記第3のアンテナエレメントの延伸の終点である第3の終端部を起点に、前記第1の方向に延伸する第4のアンテナエレメントと、
前記第4のアンテナエレメントの延伸の終点である第4の終端部を起点に、前記第2の方向と反対方向である第3の方向に延伸する第5のアンテナエレメントと、を備えており、
前記第2のアンテナエレメントの延伸の終点である第2の終端部が、前記第5のアンテナエレメントの延伸の終点である第5の終端部を通り前記第1の方向に平行な第1の仮想直線に対して、該第1の仮想直線上又は前記第3の方向側に位置する、ことを特徴とする。
【0006】
ここで、前記アース導体は、
前記アース部を起点に、前記第3の方向に延伸する第6のアンテナエレメントを備え、
前記車両用窓ガラスが車体開口部に取り付けられた場合に、前記第6のアンテナエレメントの延伸の終点である第6の終端部と該第6の終端部に最も近接した車体開口部の車体開口縁との距離が10〜80mmとなると好適である。
【0007】
また、前記アース導体は、
前記(第6のアンテナエレメントの延伸の終点である)第6の終端部を起点に、前記第1の方向に延伸する第7のアンテナエレメントと、
前記第7のアンテナエレメントの延伸の終点である第7の終端部を起点に、前記第2の方向に延伸する第8のアンテナエレメントとを備え、
前記第8のアンテナエレメントの延伸の終点である第8の終端部が、前記第1の終端部を通り前記第1の方向に平行な第2の仮想直線に対して、該第2の仮想直線上又は前記第3の方向側に位置すると好適である。
【0008】
または、前記アース導体は、
前記第6のアンテナエレメント上の1点を起点に、前記第1の方向に延伸する第7のアンテナエレメントと、
前記第7のアンテナエレメントの延伸の終点である第7の終端部を起点に前記第2の方向に延伸するアンテナエレメントを含みかつ前記第6のアンテナエレメントと平行である第8のアンテナエレメントと、を備え、
前記第8のアンテナエレメントの前記第2の方向への延伸の終点である第8の終端部が前記第1のアンテナエレメントに接続されていると好適である。
【0009】
また、前記アンテナ導体は、
前記第4の終端部を起点に、前記第2の方向に延伸する第9のアンテナエレメントを備えると好適である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、アンテナ自体の低背化をしつつ、地上デジタルテレビ放送などの高周波数帯の電波の受信に適した広帯域で略丸形の指向性のアンテナ特性を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。なお、形態を説明するための図面において、方向について特に記載しない場合には図面上での方向をいうものとする。また、それらの図面は、窓ガラスが車両に取り付けられた状態での車内視(又は、車外視)の図である。例えば、窓ガラスが車両の前部に取り付けられるフロントガラスである場合、図面上での左右方向が車幅方向に相当する。なお、本発明は、フロントガラスに限定されず、車両の後部に取り付けられるリヤガラス、車両の側部に取り付けられるサイドガラスであってよい。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態である車両用ガラスアンテナ100の平面図である。車両用ガラスアンテナ100は、アンテナ導体及びアース導体、並びに互いに所定の基準方向(例えば、水平又は略水平な方向)に離間する給電部18及びアース部17が車両用窓ガラス板12に設けられた車両用ガラスアンテナである。車両用ガラスアンテナ100は、アース部17を起点に、その基準方向に直角又は略直角な方向である第1の方向(図面上では、下方向)に延伸する第1のアンテナエレメントであるアンテナエレメント1と、アンテナエレメント1の第1の方向への延伸の終点部分である第1の終端部1gを起点に、その基準方向に平行な方向であってアンテナエレメント1に対して給電部18側の方向である第2の方向に延伸する第2のアンテナエレメントであるアンテナエレメント2とを、アース導体として備えた構造であり、且つ、給電部18を起点に、第2の方向に延伸する第3のアンテナエレメントであるアンテナエレメント3と、アンテナエレメント3の第2の方向への延伸の終点部分である第3の終端部3gを起点に、第1の方向に延伸する第4のアンテナエレメントであるアンテナエレメント4と、アンテナエレメント4の第1の方向への延伸の終点部分である第4の終端部4gを起点に、第2の方向と反対方向である第3の方向に延伸する第5のアンテナエレメントであるアンテナエレメント5とを、アンテナ導体として備えた構造である。そして、アンテナエレメント2の第2の方向への延伸の終点部分である第2の終端部2gが、アンテナエレメント5の第3の方向への延伸の終点部分である第5の終端部5gを通り第1の方向に平行な第1の仮想直線21に対して、第3の方向側に位置している(図面上では、仮想直線21に対して左側に位置している)。なお、本明細書では、終端部は、アンテナエレメントの延伸する終点であってもよいし、その終点手前の導体部分である終点近傍であってもよい。
【0013】
車両用ガラスアンテナ100は、双極アンテナであって、負極側(コールド側(グランド側))のアース部17を接地基準として、正極側(ホット側)の給電部18からアンテナ導体による受信信号が取り出し可能になっており、受信信号が受信機(不図示)に伝達される。双極アンテナの場合、アンテナエレメント3の延伸方向(第2の方向)は、車両用窓ガラス板12が取り付けられる車体開口部の縁部に沿う方向であってもよいが、グランド側のアース部17に電気的に接続されたアンテナエレメント1,2がアース部17と共にアース導体として機能するため、縁部に沿わなくてもよい。これにより、ガラスアンテナを窓ガラス板12の限りある余白領域に配置する自由度が増す。また、窓ガラス板12が取り付けられる車両の車体開口部やその近傍部がグランドとして使用不可能な部位であれば(例えば、当該部位が、ボディーアースから電気的に浮いている場合や、ボディ自体が樹脂などの非導電性部材である場合であれば)、受信性能の向上に限らず配置の自由度においても双極アンテナは好適な態様である。
【0014】
給電部18及びアース部17は、受信機に接続される給電線が電気的に接続される給電点である。給電線として同軸ケーブルを用いる場合には、給電部18には同軸ケーブルの内部導体が電気的に接続され、アース部17には同軸ケーブルの外部導体が電気的に接続される。
【0015】
同軸ケーブルと、給電部18及びアース部17とを電気的に接続するためのコネクタを給電部18及びアース部17に実装する構成にすることによって、同軸ケーブルを給電部18及びアース部17に取り付けしやすくなる。給電部18及びアース部17に実装されるコネクタに給電部18及びアース部17での受信信号を増幅するための増幅回路が内蔵されている場合には、その増幅回路のグランドをアース部17と同軸ケーブルの外部導体を電気的に接続し、その増幅回路の入力側に給電部18が電気的に接続され、その増幅回路の出力側に同軸ケーブルの内部導体が接続されるとよい。
【0016】
アース部17や給電部18の形状及びアース部17と給電部18との間隔は、取り付けられるコネクタの実装面の形状やコネクタの実装面の間隔に応じて決めるとよい。例えば、正方形、略正方形、長方形、略長方形などの方形状や多角形状が実装上好ましい。なお、円、略円、楕円、略楕円などの円状でもよい。また、アース部17の面積と給電部18の面積は等しくても、異なっていてもよい。また、図1の場合、アース部17は、給電部18の第3の方向側(左側)近傍に備えられ、アース部17の右側縁部と給電部18の左側縁部は対向している。また、アース部17の重心と給電部18の重心とを結ぶ仮想直線は、アンテナエレメント2の延伸方向と平行であり且つアンテナエレメント3の延伸方向と平行であり且つアンテナエレメント5の延伸方向と平行であることが好適な態様である。
【0017】
図1は、方形状のアース部17と給電部18を示している。アース部17の右辺と給電部18の左辺は平行又は略平行である。アンテナエレメント1は、アース部17の下辺上の点を起点に下方向に終端部1gを終点として延伸されればよい。図1のアンテナエレメント1の起点は、アース部17の下辺の中心点より右側の下辺上の点である。アース部17の右辺と下辺の交点としてもよい。
【0018】
アンテナエレメント2は、終端部1gを起点に右方向に終端部2gを終点として延伸されればよい。
【0019】
アンテナエレメント3は、給電部18の右辺上の点、又は給電部18から延伸する第1の接続導体(不図示)を設けた場合、第1の接続導体上の点を起点に右方向に終端部3gを終点として延伸されればよい。図1のアンテナエレメント3の起点は、給電部18の右辺の中心点より下側の右辺上の点である。給電部18の下辺と右辺との交点としてもよい。
【0020】
アンテナエレメント4は、終端部3gを起点に下方向に終端部4gを終点として延伸されればよい。
【0021】
アンテナエレメント5は、終端部4gを起点に左方向に終端部5gを終点として延伸されればよい。
【0022】
本発明において、所望の放送周波数帯の中心周波数における空気中の波長をλ0といい、ガラス波長短縮率をkといい、k=0.64とし、λg=λ0・kとするとき、アンテナエレメント1の導体長x1とアンテエレメント2の導体長x2との和が、0.15・λg〜0.3・λg、特には0.18・λg〜0.25・λgであることがアンテナ利得向上の点では好ましい。
【0023】
また、アンテナエレメント3の導体長x3とアンテナエレメント4の導体長x4とアンテナエレメント5の導体長x5との和が、0.65・λg〜0.8・λg、特には0.7・λg〜0.8・λgであることがアンテナ利得向上の点では好ましい。
【0024】
例えば、地上波デジタルテレビ放送帯(470〜770MHz)の中心周波数は620MHzであり、620MHzにおけるλgは309.7mmである。地上波デジタルテレビの放送帯のうち、現行放送が行われている470〜600MHzを受信周波数帯とする場合には、535MHzを中心周波数と設定でき、地上波デジタルテレビ放送帯のうち、470〜710MHzを受信周波数帯とする場合には、590MHzを中心周波数と設定できる。
【0025】
これらを考慮すると具体的には、地上波デジタルテレビ放送帯(470〜770MHz)の場合において、(x1+x2)は46〜92mm(特には56〜77mm)であることが、(x3+x4+x5)は201〜248mm(特には216〜248mm)であることが、アンテナ利得の向上の点で好ましい。
【0026】
図2は、本発明の一実施形態である車両用ガラスアンテナ200の平面図である。車両用ガラスアンテナ200は、車両用ガラスアンテナ100の構成要素に加え、第6のアンテナエレメントとして、アンテナエレメント6が設けられている。車両用ガラスアンテナ200は、アース部17の左辺上の点、又はアース部17から延伸する第2の接続導体(不図示)を設けた場合、第2の接続導体上の点を起点に左方向に終端部6gを終点として延伸するアンテナエレメント6をアース導体として備えた構造である。図1と同様の構成については説明を省略する。
【0027】
アンテナエレメント6は、アース部17の左辺上の点を起点に左方向に延伸されればよい。図2のアンテナエレメント6の起点は、アース部17の左辺の中心点より下側の左辺上の点である。アース部17の下辺と左辺との交点としてもよい。図2のように、アンテナエレメント3の延伸方向とアンテナエレメント6の延伸方向は一直線上にあることが好適な態様である。
【0028】
車両用窓ガラス板12が車体開口部に取り付けられた場合に、アンテナエレメント6の終端部6gと終端部6gに最も近接した車体開口部の車体開口縁との距離が1〜80mm、特には10〜60mmであることが、アンテナ利得向上の点では好ましい。図2の場合、終端部6gと車幅方向左側の車体開口縁15dとの距離dに相当する。
【0029】
本発明において、所望の放送周波数帯の中心周波数における空気中の波長をλ0といい、ガラス波長短縮率をkといい、k=0.64とし、λg=λ0・kとするとき、アンテナエレメント6の導体長x6が、0.15・λg〜0.26・λg、特には0.18・λg〜0.25・λgであることがアンテナ利得向上の点では好ましい。
【0030】
例えば、地上波デジタルテレビ放送帯(470〜770MHz)の場合において、x6は46〜80mm(特には56〜77mm)であることが、アンテナエレメント6が構成されていない車両用ガラスアンテナ100に比べて、地上波デジタルテレビ放送帯での低周波側帯域でのアンテナ利得の向上の点で好ましい。
【0031】
なお、図1,2には図示していないが、アース導体として、アンテナエレメント1及びアース部17の少なくとも一方を起点に、第2の方向(図上、右方向)に延伸する複数のアンテナエレメントから構成される第1のアンテナエレメント群を備えていてもよく、アンテナエレメント2は、第1のアンテナエレメント群に含まれてもよい。
【0032】
また、アンテナ導体として、アンテナエレメント4を起点に、第3の方向(図上、左方向)に延伸する複数のアンテナエレメントから構成される第2のアンテナエレメント群を備えていてもよく、アンテナエレメント5は、第2のアンテナエレメント群に含まれてもよい。
【0033】
また、アース導体として、アース部17及び第2の接続導体(不図示)の少なくとも一方を起点に、第3の方向に延伸する複数のアンテナエレメントから構成される第3のアンテナエレメント群を備えていてもよく、アンテナエレメント6は、第3のアンテナエレメント群に含まれてもよい。
【0034】
このように、容量結合する間隔で互いに平行又は略平行な複数のアンテナエレメントから構成されるエレメント群を形成することによって、それらの長さや間隔を変えることによって、アンテナのチューニングがしやすくなる。
【0035】
図3は、本発明の一実施形態である車両用ガラスアンテナ300の平面図である。車両用ガラスアンテナ300は、車両用ガラスアンテナ200の構成要素に加え、アンテナエレメント6の第3の方向への延伸の終点部分である第6の終端部6を起点に、第1の方向に延伸する第7のアンテナエレメントであるアンテナエレメント7と、アンテナエレメント7の第1の方向への延伸の終点部分である第7の終端部7gを起点に、第2の方向に延伸する第8のアンテナエレメントであるアンテナエレメント8とをアース導体として備えた構造である。また、アンテナエレメント8の第2の方向への延伸の終点部分である第8の終端部8gが、終端部1gを通り第1の方向に平行な第2の仮想直線22に対して、第3の方向側に位置している(図面上では、仮想直線22に対して左側に位置している)。図1,2と同様の構成については説明を省略する。
【0036】
アンテナエレメント7は、終端部6gを起点に下方向に終端部7gを終点として延伸されればよい。アンテナエレメント8は、終端部7gを起点に右方向に終端部8gを終点として延伸されればよい。図3のように、アンテナエレメント8の延伸方向とアンテナエレメント2の延伸方向は一直線上にあることが好適な態様である。
【0037】
本発明において、所望の放送周波数帯の中心周波数における空気中の波長をλ0といい、ガラス波長短縮率をkといい、k=0.64とし、λg=λ0・kとするとき、アンテナエレメント6の導体長x6とアンテナエレメント7の導体長x7とアンテナエレメント8の導体長x8との和が、0.35・λg〜0.65・λg、特には0.4・λg〜0.56・λgであることがアンテナ利得向上の点では好ましい。
【0038】
例えば、地上波デジタルテレビ放送帯(470〜770MHz)の場合において、(x6+x7+x8)は108〜201mm(特には127〜174mm)であることが、アンテナエレメント7,8が構成されていない車両用ガラスアンテナ200に比べて、地上波デジタルテレビ放送帯での650MHz近辺の中間帯域でのアンテナ利得の向上の点で好ましい。
【0039】
図4は、本発明の一実施形態である車両用ガラスアンテナ400の平面図である。車両用ガラスアンテナ400は、車両用ガラスアンテナ200の構成要素に加え、アンテナエレメント4の第1の方向への延伸の終点部分である終端部4gを起点に、第2の方向に延伸する第9のアンテナエレメントであるアンテナエレメント9をアンテナ導体として備えた構造である。図1,2と同様の構成については説明を省略する。
【0040】
アンテナエレメント9は、終端部4gを起点に右方向に終端部9gを終点として延伸されればよい。図4のように、アンテナエレメント9の延伸方向とアンテナエレメント5の延伸方向は一直線上にあることが好適な態様である。
【0041】
本発明において、所望の放送周波数帯の中心周波数における空気中の波長をλ0といい、ガラス波長短縮率をkといい、k=0.64とし、λg=λ0・kとするとき、アンテナエレメント9の導体長x9が、0.1・λg〜0.35・λg、特には0.1・λg〜0.26・λgであることがアンテナ利得向上の点では好ましい。
【0042】
例えば、地上波デジタルテレビ放送帯(470〜770MHz)の場合において、x9は30〜108mm(特には30〜80mm)であることが、アンテナエレメント9が構成されていない車両用ガラスアンテナ200に比べて、地上波デジタルテレビ放送帯での低周波側帯域でのアンテナ利得の向上の点で好ましい。
【0043】
図5は、本発明の一実施形態である車両用ガラスアンテナ500の平面図である。車両用ガラスアンテナ500は、車両用ガラスアンテナ300と400の構成要素を組み合わせた構造である。上述の図3と図4の構成の説明を援用することにより、図5の構成の詳細説明を省略するが、図5の構成により、図3と図4のアンテナ構成を組み合わせた効果が得られる。
【0044】
図6は、本発明の一実施形態である車両用ガラスアンテナ600の平面図である。車両用ガラスアンテナ600は、車両用ガラスアンテナ200の構成要素に加え、アンテナエレメント6の起点と終端部6との中間点6mを起点に、第1の方向に延伸する第7のアンテナエレメントであるアンテナエレメント7と、アンテナエレメント7の第1の方向への延伸の終点部分である第7の終端部7gを通り所定の基準方向(例えば、水平又は略水平な方向)に延伸する第8のアンテナエレメントであるアンテナエレメント8とをアース導体として備えた構造である。アンテナエレメント8は、終端部7gを起点に第2の方向に延伸するエレメント8aと終端部7gを起点に第3の方向に延伸するエレメント8bから構成される。また、アンテナエレメント8の第2の方向への延伸の終点部分である終端部8g1が、アンテナエレメント1に電気的に接続されている。図6の場合、終端部8g1の位置が、アンテナエレメント1の終端部1gの位置に一致している。また、8g2は、アンテナエレメント8の第3の方向への延伸の終点部分である終端部である。図1,2と同様の構成については説明を省略する。
【0045】
本発明において、所望の放送周波数帯の中心周波数における空気中の波長をλ0といい、ガラス波長短縮率をkといい、k=0.64とし、λg=λ0・kとするとき、アンテナエレメント1とアース部17とアンテナエレメント6とアンテナエレメント7とアンテナエレメント8とによって形成されるループ状導体経路の最短周長が、0.26・λg〜0.75・λg、特には0.36・λg〜0.62・λgであり、アンテナエレメント8の導体長x8が、0.09・λg〜0.34・λg、特には0.1・λg〜0.28・λgであることがアンテナ利得向上の点では好ましい。図6の場合、その最短周長は、アンテナエレメント1の導体長とアース部17の基準方向(左右方向)の最短長とアンテナエレメント6の起点から中間点6mまでの導体長とアンテナエレメント7の導体長とアンテナエレメント8aの導体長との和である。
【0046】
例えば、地上波デジタルテレビ放送帯(470〜770MHz)の場合において、そのループ状導体経路の最短周長は80〜232mm(特には112〜192mm)であり、アンテナエレメント8の導体長x8は26〜106mm(特には30〜86mm)であることが、ループ状導体経路が構成されていない車両用ガラスアンテナ500に比べて、地上波デジタルテレビ放送帯での低周波側帯域でのアンテナ利得の向上の点で好ましい。
【0047】
図8は、本発明に係るガラスアンテナが窓ガラス12に配置される例を示している。4つのガラスアンテナがそれぞれ窓ガラス12の左上側領域、右上側領域、左下側領域及び右下側領域に配設されている。15aは車体上側の車体開口縁、15bは車体右側の車体開口縁、15cは車体下側の車体開口縁、15dは車体左側の車体開口縁である。図8において、窓ガラス12が後部窓ガラス板の場合は、中央領域にデフォッガ(不図示)が形成されている。しかし、これに限定されず、4つの領域の少なくとも1つに設けられていればよい。また、左側、右側ではなく中央上側領域、中央下側領域、中央左側領域、中央右側領域に設けられていてもよい。
【0048】
また、本発明においては、ガラスアンテナが窓ガラス板12の、左上側領域のガラスアンテナが図8のような状態で配設される場合、左上側領域のガラスアンテナの形状と左右対称となった形状で図8の右上側領域に図示された状態で配設されてもよい。下側領域についても同様である。
【0049】
上記のように複数個のガラスアンテナを設置した場合、ダイバーシティ受信となり受信特性が向上し好ましい。
【0050】
上述したガラスアンテナには、補助アンテナ導体は付設されていない。しかし、これに限定されず、インピーダンスマッチング、位相調整及び指向性調整等のために、アンテナエレメントに接続導体を介して又は介さずに、略T字状、略L字状、ループ状等の補助アンテナエレメントが付設されていてもよい。
【0051】
また、アンテナ導体からなる導体層を合成樹脂製フィルムの内部又はその表面に設け、導体層付き合成樹脂製フィルムを窓ガラス板の車内側表面又は車外側表面に形成してガラスアンテナとしてもよい。さらに、アンテナ導体が形成されたフレキシブル回路基板を窓ガラス板の車内側表面又は車外側表面に形成してガラスアンテナとしてもよい。
【0052】
本発明に係る車両用高周波ガラスアンテナが設けられる窓ガラスはフロントガラス、ドアガラス、サイド窓ガラス及び後部窓ガラス等どのようなものであってもよく、特に限定されない。
【0053】
車両に対する窓ガラス板の取り付け角度は、水平方向に対し、15〜90°、特には、30〜90°が好ましい。
【0054】
アンテナ導体は、銀ペースト等の、導電性金属を含有するペーストを窓ガラス板の車内側表面にプリントし、焼付けて形成される。しかし、この形成方法に限定されず、銅等の導電性物質からなる、線状体又は箔状体を、窓ガラス板の車両側表面又は車外側表面に形成してもよく、窓ガラスに接着剤等により形成してもよく、窓ガラス自身の内部に設けてもよい。
【0055】
また、窓ガラスの面上に隠蔽膜を形成し、この隠蔽膜の上にアンテナ導体の一部分又は全体を設けてもよい。隠蔽膜は黒色セラミックス膜等のセラミックスが挙げられる。この場合、窓ガラスの車外側から見ると、隠蔽膜により隠蔽膜上に設けられているアンテナ導体の部分が車外から見えなくなり、デザインの優れた窓ガラスとなる。図示の構成では、給電部とアンテナ導体の少なくとも一部を隠蔽膜上に形成させることで、車外視において導体の細い直線部分のみを見ることになり、デザイン上好ましい。
【実施例】
【0056】
以下に実施例を用いて本発明を説明するが、本発明は、これらの実施例には限定されず、本発明の範囲を逸脱することなく、これらの実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0057】
図1〜7に示すガラスアンテナの形態を実際の車両のフロントガラスの車内視左上側に取り付けることにより作製された自動車用高周波ガラスアンテナについて、その周波数特性や指向性特性などの実測結果について説明する。図1〜6は、本発明の実施形態であるガラスアンテナの平面図であり、図7は、従来のガラスアンテナ700の平面図である。ガラスアンテナ100〜700は、高周波数帯の電波の受信に適しているが、特に、地上波デジタルテレビ放送帯(470〜770MHz)の受信に適している。
【0058】
図1に示すガラスアンテナ100の各部の寸法は、
x1 :20mm
x2 :40mm
x3 :123mm
x4 :15mm
x5 :107mm
xs1 :10mm
xs2 :5mm
とする。
【0059】
図2に示すガラスアンテナ200の各部の寸法は、
x1 :20mm
x2 :50mm
x3 :123mm
x4 :15mm
x5 :100mm
xs1 :7mm
xs2 :5mm
車体開口縁15dとの距離 :20mm
とする。
【0060】
図3に示すガラスアンテナ300の各部の寸法は、
x1 :20mm
x2 :50mm
x3 :123mm
x4 :15mm
x5 :100mm
x6 :70mm
x7 :20mm
x8 :90mm
xs1 :7mm
xs2 :5mm
車体開口縁15dとの距離 :20mm
とする。
【0061】
図4に示すガラスアンテナ400の各部の寸法は、
x1 :20mm
x2 :50mm
x3 :123mm
x4 :15mm
x5 :100mm
x6 :70mm
x9 :50mm
xs1 :7mm
xs2 :5mm
車体開口縁15dとの距離 :20mm
とする。
【0062】
図5に示すガラスアンテナ500の各部の寸法は、
x1 :20mm
x2 :50mm
x3 :123mm
x4 :15mm
x5 :100mm
x6 :70mm
x7 :20mm
x8 :90mm
x9 :50mm
xs1 :7mm
xs2 :5mm
車体開口縁15dとの距離 :20mm
とする。
【0063】
図6に示すガラスアンテナ600の各部の寸法は、
x1 :20mm
x2 :50mm
x3 :123mm
x4 :15mm
x5 :100mm
x6 :70mm
x7 :20mm
x8 :96mm
x9 :50mm
ループ状導体経路の最短周長 :132mm
xs1 :7mm
xs2 :5mm
車体開口縁15dとの距離 :20mm
とする。
【0064】
図7に示すガラスアンテナ700の各部の寸法は、
x21 :100mm
x22 :150mm
x23 :50mm
x24 :70mm
x31 :20mm
x32 :20mm
x33 :15mm
とする。
【0065】
なお、ガラスアンテナ100〜700の各アンテナエレメントの導体幅は0.8mmである。また、図9は、ガラスアンテナ100〜700のアース部17及び給電部18の形状を表す図である。アース部17及び給電部18の各部の寸法は、
x7a :26mm
x7b :23mm
x7c :15mm
x7d :9mm
x8a :17mm
x8b :23mm
xs3 :17mm
とする。
【0066】
ガラスアンテナ100〜600の高さ(xs2+x4+x7b(x8b))は、43mmであり、ガラスアンテナ700の高さ(x33+x32+x31+x7b(x8b))は、78mmである。したがって、ガラスアンテナ100〜600は、従来のガラスアンテナ700に対して、低背化を実現している。
【0067】
また、ガラスアンテナ100〜700の受信電力を測定することによって、車両前方方向の半周分の平均利得を測定した。アンテナ利得の測定は、自動車に対して電波を放射し、角度1°毎に自動車を180°回転させて測定した。電波は水平偏波であり、周波数を470〜770MHzの範囲で3MHz毎に変化させた。電波の発信位置とアンテナ導体との仰角は水平方向(地面と平行な面を仰角=0°、天頂方向を仰角=90°とする場合、仰角=0°の方向)で測定した。
【0068】
図13は、ガラスアンテナ100とガラスアンテナ700のアンテナ利得の周波数特性図であり、図16は、それらのガラスアンテナの指向性の受信周波数毎の方向特性図である。なお、アンテナ利得の周波数特性図において、縦軸のアンテナ利得は、自動車を180°回転させることにより1°毎に測定されたアンテナ利得の平均値を示している(全周波数470〜770MHzにおける3MHz毎のアンテナ利得の平均値)。また、指向性の方向特性図は、フロントガラスに取り付けたガラスアンテナの車両全周にわたる指向特性を表し、図上、上半分が車両の前方領域に相当し、下半分が車両の後方領域に相当する。後述の他図も同様である。
【0069】
図13に示されるように、ガラスアンテナ100のアンテナ利得の周波数特性については、従来のガラスアンテナ700に比べ、約600MHz以上の高域の利得が増加している。また、470〜770MHzの全周波数帯における平均利得を計算すると、ガラスアンテナ100は7.5dBiであり、ガラスアンテナ700は7.6dBiであり、全周波数帯における平均利得については従来と同等の利得を確保している。一方、図16に示されるにように、ガラスアンテナ100の指向性については、従来のガラスアンテナ700に比べ、車幅方向の利得が増加している。
【0070】
図14は、ガラスアンテナ200〜500とガラスアンテナ700のアンテナ利得の周波数特性図であり、図17〜20は、それらのガラスアンテナの指向性の方向特性図である。図14に示されるように、ガラスアンテナ200〜500のアンテナ利得の周波数特性については、従来のガラスアンテナ700に比べ、約560MHz以下の低域と約700MHz以上の高域の利得が増加しており、特にガラスアンテナ400と500については、約600MHz以下の帯域の利得も増加している。一方、図17〜20に示されるように、ガラスアンテナ200〜500の指向性については、従来のガラスアンテナ700に比べ、車幅方向の利得が増加している。
【0071】
図15は、ガラスアンテナ500,600とガラスアンテナ700のアンテナ利得の周波数特性図であり、図21,22は、それらのガラスアンテナの指向性の方向特性図である。図15に示されるように、ガラスアンテナ500,600のアンテナ利得の周波数特性については、従来のガラスアンテナ700に比べ、約600MHz以下の帯域と約700MHz以上の高域の利得が増加している。また、ループ状導体経路が構成されたガラスアンテナ600は、ループ状導体経路が構成されていないガラスアンテナ500に比べて、約530MHz以下の利得の上昇幅が大きい。一方、図21に示されるように、ガラスアンテナ600の指向性については、従来のガラスアンテナ700に比べ、車幅方向の利得が増加している。また、図22に示されるように、ループ状導体経路を構成しても、構成していない場合と同等の車幅方向の利得を確保することができる。
【0072】
したがって、ガラスアンテナ100〜600のアンテナ形態にすることによって、低背化しても、広帯域をカバーする優れたアンテナ特性が得られる。また、ガラスアンテナ100〜600をフロントガラスとリヤガラスの両方に取り付けることによって、車両を中心とする略丸形の指向性のアンテナ特性が得られ、車幅方向からの電波の受信感度を上げることができる。
【0073】
また、図10は、ガラスアンテナ100において、終端部2gと終端部5gとの水平方向でのオーバーラップ距離xs1を変化させたときの、アンテナ利得の実測データである。横軸のオーバーラップ距離xs1が正の値の場合、2つのアンテナエレメント2と5において、一方のアンテナエレメントの図の上下方向の投影が他方のアンテナエレメントに重複する位置関係にあることを表す。一方、オーバーラップ距離xs1が負の値の場合、重複しない位置関係にあることを表す。すなわち、正の値である場合、終端部2gと終端部5gの間に水平方向に間隙がないことを表し、負の値である場合、終端部2gと終端部5gの間に水平方向に間隙があることを表す。図10に示されるように、アンテナエレメント2と5の上下方向の投影が互いに重複する場合に比べ、重複しない方が、アンテナ利得が向上する。例えば、地上波デジタルテレビ放送帯(470〜770MHz)の場合において、終端部2gと終端部5gとの水平方向での間隙は、0〜10mm(特には、2〜8mm)であることが、アンテナ利得の向上の点で好ましい。
【0074】
また、図11は、ガラスアンテナ500において、アンテナエレメント1の延伸方向に平行な方向でのアンテナエレメント2とアンテナエレメント5との最短のギャップxs2を変化させたときの、アンテナ利得の実測データである。図11に示されるように、ギャップxs2を増加させることによって、アンテナ利得が向上する。例えば、地上波デジタルテレビ放送帯(470〜770MHz)の場合において、ギャップxs2は、0〜5mm(特には、1〜4mm)であることが、アンテナ利得の向上の点で好ましい。
【0075】
また、図12は、ガラスアンテナ500において、終端部6g(又は、アンテナエレメント7)とフランジ(ピラー)との距離dを変化させたときの、アンテナ利得の実測データである。フランジ(ピラー)が上述の車体開口縁15dに相当する。図12に示されるように、距離dを減少させることによって、アンテナ利得が向上する。例えば、地上波デジタルテレビ放送帯(470〜770MHz)の場合において、距離dは、10〜80mm(特には、20〜70mm)であることが、アンテナ利得の向上の点で好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明は、地上波デジタルテレビ放送、UHF帯のアナログテレビ放送及び米国のデジタルテレビ放送、欧州連合地域のデジタルテレビ放送又は中華人民共和国のデジタルテレビ放送を受信する自動車用ガラスアンテナに利用される。その他、日本のFM放送帯(76〜90MHz)、米国のFM放送帯(88〜108MHz)、テレビVHF帯(90〜108MHz、170〜222MHz)、自動車電話用の800MHz帯(810〜960MHz)、自動車電話用の1.5GHz帯(1.429〜1.501GHz)、UHF帯(300MHz〜3GHz)、GPS(Global Positioning System)、人工衛星のGPS信号1575.42MHz)、VICS(登録商標)(Vehicle Information and Communication System、ヴィークル インフォメーション アンド コミュニケーション システム:2.5GHz)にも利用できる。
【0077】
さらに、ETC通信(Electronic Toll Collection System:ノンストップ自動料金収受システム、路側無線装置の送信周波数:5.795GHz又は5.805GHz、路側無線装置の受信周波数が5.835GHz又は5.845GHz)、専用狭域通信(DSRC:Dedicated Short Range Communication、915MHz帯、5.8GHz帯、60GHz帯)、マイクロ波(1GHz〜3THz)、ミリ波(30〜300GHz)、自動車用キーレスエントリィシステム(300〜450MHz)、及び、SDARS(Satellite Digital Audio Radio Service (2.34GHz、2.6GHz))の通信にも利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の一実施形態である車両用ガラスアンテナ100の平面図である。
【図2】本発明の一実施形態である車両用ガラスアンテナ200の平面図である。
【図3】本発明の一実施形態である車両用ガラスアンテナ300の平面図である。
【図4】本発明の一実施形態である車両用ガラスアンテナ400の平面図である。
【図5】本発明の一実施形態である車両用ガラスアンテナ500の平面図である。
【図6】本発明の一実施形態である車両用ガラスアンテナ600の平面図である。
【図7】従来の車両用ガラスアンテナ700の平面図である。
【図8】車両用ガラスアンテナの窓ガラス板への配設図である。
【図9】アース部17と給電部18の形状を表す図である。
【図10】終端部2gと終端部5gとの水平方向でのオーバーラップ距離xs1を変化させたときの、アンテナ利得の実測データである。
【図11】アンテナエレメント1の延伸方向に平行な方向でのアンテナエレメント2とアンテナエレメント5とのギャップxs2を変化させたときの、アンテナ利得の実測データである。
【図12】終端部6g(又は、アンテナエレメント7)とフランジ(ピラー)との距離dを変化させたときの、アンテナ利得の実測データである。
【図13】ガラスアンテナ100と700のアンテナ利得の周波数特性図である。
【図14】ガラスアンテナ200〜500と700のアンテナ利得の周波数特性図である。
【図15】ガラスアンテナ500,600と700のアンテナ利得の周波数特性図である。
【図16】ガラスアンテナ100と700の指向性の受信周波数毎の方向特性図である。
【図17】ガラスアンテナ200と700の指向性の受信周波数毎の方向特性図である。
【図18】ガラスアンテナ300と700の指向性の受信周波数毎の方向特性図である。
【図19】ガラスアンテナ400と700の指向性の受信周波数毎の方向特性図である。
【図20】ガラスアンテナ500と700の指向性の受信周波数毎の方向特性図である。
【図21】ガラスアンテナ600と700の指向性の受信周波数毎の方向特性図である。
【図22】ガラスアンテナ500と600の指向性の受信周波数毎の方向特性図である。
【符号の説明】
【0079】
1〜9 アンテナエレメント
12 窓ガラス板
15 窓の車体開口縁
17 アース部(負極側)
18 給電部(正極側)
21,22 仮想直線
100,200,・・・,700 ガラスアンテナ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナ導体及びアース導体、並びに離間して配置された給電部及びアース部が車両用窓ガラスに設けられた車両用ガラスアンテナであって、
前記アース導体は、
給電部及びアース部が離間された方向を基準方向としたときに、
前記アース部を起点に、前記基準方向に略直角である第1の方向に延伸する第1のアンテナエレメントと、
前記第1のアンテナエレメントの延伸の終点である第1の終端部を起点に、前記基準方向に平行かつ前記第1のアンテナエレメントに対して前記給電部側の方向である第2の方向に延伸する第2のアンテナエレメントとを備えており、
前記アンテナ導体は、
前記給電部を起点に、前記第2の方向に延伸する第3のアンテナエレメントと、
前記第3のアンテナエレメントの延伸の終点である第3の終端部を起点に、前記第1の方向に延伸する第4のアンテナエレメントと、
前記第4のアンテナエレメントの延伸の終点である第4の終端部を起点に、前記第2の方向と反対方向である第3の方向に延伸する第5のアンテナエレメントと、を備えており、
前記第2のアンテナエレメントの延伸の終点である第2の終端部が、前記第5のアンテナエレメントの延伸の終点である第5の終端部を通り前記第1の方向に平行な第1の仮想直線に対して、該第1の仮想直線上又は前記第3の方向側に位置する、ことを特徴とする、車両用ガラスアンテナ。
【請求項2】
所望の放送周波数帯の中心周波数における空気中の波長をλ0といい、ガラス波長短縮率をk(ただしk=0.64)といい、λg=λ0・kとするとき、
前記第1のアンテナエレメントと前記第2のアンテナエレメントとの導体長の和が、0.15・λg〜0.3・λgである、請求項1に記載の車両用ガラスアンテナ。
【請求項3】
前記第1のアンテナエレメントと前記第2のアンテナエレメントとの導体長の和が、46〜92mmである、請求項1又は2に記載の車両用ガラスアンテナ。
【請求項4】
所望の放送周波数帯の中心周波数における空気中の波長をλ0といい、ガラス波長短縮率をk(ただしk=0.64)といい、λg=λ0・kとするとき、
前記第3のアンテナエレメントと前記第4のアンテナエレメントと前記第5のアンテナエレメントとの導体長の和が、0.65・λg〜0.8・λgである、請求項1から3のいずれか一項に記載の車両用ガラスアンテナ。
【請求項5】
前記第3のアンテナエレメントと前記第4のアンテナエレメントと前記第5のアンテナエレメントとの導体長の和が、201〜248mmである、請求項1から4のいずれか一項に記載の車両用ガラスアンテナ。
【請求項6】
前記アース導体は、
前記アース部を起点に、前記第3の方向に延伸する第6のアンテナエレメントを備え、
前記車両用窓ガラスが車体開口部に取り付けられた場合に、前記第6のアンテナエレメントの延伸の終点である第6の終端部と該第6の終端部に最も近接した車体開口部の車体開口縁との距離が10〜80mmとなる、請求項1から5のいずれか一項に記載の車両用ガラスアンテナ。
【請求項7】
所望の放送周波数帯の中心周波数における空気中の波長をλ0といい、ガラス波長短縮率をk(ただしk=0.64)といい、λg=λ0・kとするとき、
前記第6のアンテナエレメントの導体長が、0.15・λg〜0.26・λgである、請求項6に記載の車両用ガラスアンテナ。
【請求項8】
前記第6のアンテナエレメントの導体長が、46〜80mmである、請求項6又は7に記載の車両用ガラスアンテナ。
【請求項9】
前記アース導体は、
前記(第6のアンテナエレメントの延伸の終点である)第6の終端部を起点に、前記第1の方向に延伸する第7のアンテナエレメントと、
前記第7のアンテナエレメントの延伸の終点である第7の終端部を起点に、前記第2の方向に延伸する第8のアンテナエレメントとを備え、
前記第8のアンテナエレメントの延伸の終点である第8の終端部が、前記第1の終端部を通り前記第1の方向に平行な第2の仮想直線に対して、該第2の仮想直線上又は前記第3の方向側に位置する、請求項6から8のいずれか一項に記載の車両用ガラスアンテナ。
【請求項10】
所望の放送周波数帯の中心周波数における空気中の波長をλ0といい、ガラス波長短縮率をk(ただしk=0.64)といい、λg=λ0・kとするとき、
前記第6のアンテナエレメントと前記第7のアンテナエレメントと前記第8のアンテナエレメントとの導体長の和が、0.35・λg〜0.65・λgである、請求項9に記載の車両用ガラスアンテナ。
【請求項11】
前記第6のアンテナエレメントと前記第7のアンテナエレメントと前記第8のアンテナエレメントとの導体長の和が、108〜201mmである、請求項9又は10に記載の車両用ガラスアンテナ。
【請求項12】
前記アース導体は、
前記第6のアンテナエレメント上の1点を起点に、前記第1の方向に延伸する第7のアンテナエレメントと、
前記第7のアンテナエレメントの延伸の終点である第7の終端部を起点に前記第2の方向に延伸するアンテナエレメントを含みかつ前記第6のアンテナエレメントと平行である第8のアンテナエレメントと、を備え、
前記第8のアンテナエレメントの前記第2の方向への延伸の終点である第8の終端部が前記第1のアンテナエレメントに接続されている、請求項6から8のいずれか一項に記載の車両用ガラスアンテナ。
【請求項13】
所望の放送周波数帯の中心周波数における空気中の波長をλ0といい、ガラス波長短縮率をkといい、k=0.64とし、λg=λ0・kとするとき、
前記第1のアンテナエレメントと前記アース部と前記第6のアンテナエレメントと前記第7のアンテナエレメントと前記第8のアンテナエレメントとによって形成されるループ状導体経路の最短周長が、0.26・λg〜0.75・λgであり、
前記第8のアンテナエレメントの導体長が、0.09・λg〜0.34・λgである、請求項12に記載の車両用ガラスアンテナ。
【請求項14】
前記第1のアンテナエレメントと前記アース部と前記第6のアンテナエレメントと前記第7のアンテナエレメントと前記第8のアンテナエレメントとによって形成されるループ状導体経路の最短周長は、80〜232mmであり、
前記第8のアンテナエレメントの導体長は、26〜106mmである、請求項12又は13に記載の車両用ガラスアンテナ。
【請求項15】
前記アンテナ導体は、
前記第4の終端部を起点に、前記第2の方向に延伸する第9のアンテナエレメントを備える、請求項1から14のいずれか一項に記載の車両用ガラスアンテナ。
【請求項16】
所望の放送周波数帯の中心周波数における空気中の波長をλ0といい、ガラス波長短縮率をkといい、k=0.64とし、λg=λ0・kとするとき、
前記第9のアンテナエレメントの導体長は、0.1・λg〜0.35・λgである、請求項15に記載の車両用ガラスアンテナ。
【請求項17】
前記第9のアンテナエレメントの導体長は、30〜201mmである、請求項15又は16に記載の車両用ガラスアンテナ。
【請求項18】
前記基準方向と平行な直線に投影された前記第2の終端部と前記第5の終端部の(それぞれの投影点間の)距離が0〜10mmである、請求項1から17のいずれか一項に記載の車両用ガラスアンテナ。
【請求項19】
前記第2の終端部と前記第5の終端部との前記第1の方向成分の距離が、0〜5mmである、請求項1から18のいずれか一項に記載の車両用ガラスアンテナ。
【請求項20】
前記基準方向が、水平又は略水平な方向である、請求項1から19のいずれか一項に記載の車両用ガラスアンテナ。
【請求項21】
請求項1から20のいずれか一項に記載の車両用ガラスアンテナを備えた車両用窓ガラス。
【請求項1】
アンテナ導体及びアース導体、並びに離間して配置された給電部及びアース部が車両用窓ガラスに設けられた車両用ガラスアンテナであって、
前記アース導体は、
給電部及びアース部が離間された方向を基準方向としたときに、
前記アース部を起点に、前記基準方向に略直角である第1の方向に延伸する第1のアンテナエレメントと、
前記第1のアンテナエレメントの延伸の終点である第1の終端部を起点に、前記基準方向に平行かつ前記第1のアンテナエレメントに対して前記給電部側の方向である第2の方向に延伸する第2のアンテナエレメントとを備えており、
前記アンテナ導体は、
前記給電部を起点に、前記第2の方向に延伸する第3のアンテナエレメントと、
前記第3のアンテナエレメントの延伸の終点である第3の終端部を起点に、前記第1の方向に延伸する第4のアンテナエレメントと、
前記第4のアンテナエレメントの延伸の終点である第4の終端部を起点に、前記第2の方向と反対方向である第3の方向に延伸する第5のアンテナエレメントと、を備えており、
前記第2のアンテナエレメントの延伸の終点である第2の終端部が、前記第5のアンテナエレメントの延伸の終点である第5の終端部を通り前記第1の方向に平行な第1の仮想直線に対して、該第1の仮想直線上又は前記第3の方向側に位置する、ことを特徴とする、車両用ガラスアンテナ。
【請求項2】
所望の放送周波数帯の中心周波数における空気中の波長をλ0といい、ガラス波長短縮率をk(ただしk=0.64)といい、λg=λ0・kとするとき、
前記第1のアンテナエレメントと前記第2のアンテナエレメントとの導体長の和が、0.15・λg〜0.3・λgである、請求項1に記載の車両用ガラスアンテナ。
【請求項3】
前記第1のアンテナエレメントと前記第2のアンテナエレメントとの導体長の和が、46〜92mmである、請求項1又は2に記載の車両用ガラスアンテナ。
【請求項4】
所望の放送周波数帯の中心周波数における空気中の波長をλ0といい、ガラス波長短縮率をk(ただしk=0.64)といい、λg=λ0・kとするとき、
前記第3のアンテナエレメントと前記第4のアンテナエレメントと前記第5のアンテナエレメントとの導体長の和が、0.65・λg〜0.8・λgである、請求項1から3のいずれか一項に記載の車両用ガラスアンテナ。
【請求項5】
前記第3のアンテナエレメントと前記第4のアンテナエレメントと前記第5のアンテナエレメントとの導体長の和が、201〜248mmである、請求項1から4のいずれか一項に記載の車両用ガラスアンテナ。
【請求項6】
前記アース導体は、
前記アース部を起点に、前記第3の方向に延伸する第6のアンテナエレメントを備え、
前記車両用窓ガラスが車体開口部に取り付けられた場合に、前記第6のアンテナエレメントの延伸の終点である第6の終端部と該第6の終端部に最も近接した車体開口部の車体開口縁との距離が10〜80mmとなる、請求項1から5のいずれか一項に記載の車両用ガラスアンテナ。
【請求項7】
所望の放送周波数帯の中心周波数における空気中の波長をλ0といい、ガラス波長短縮率をk(ただしk=0.64)といい、λg=λ0・kとするとき、
前記第6のアンテナエレメントの導体長が、0.15・λg〜0.26・λgである、請求項6に記載の車両用ガラスアンテナ。
【請求項8】
前記第6のアンテナエレメントの導体長が、46〜80mmである、請求項6又は7に記載の車両用ガラスアンテナ。
【請求項9】
前記アース導体は、
前記(第6のアンテナエレメントの延伸の終点である)第6の終端部を起点に、前記第1の方向に延伸する第7のアンテナエレメントと、
前記第7のアンテナエレメントの延伸の終点である第7の終端部を起点に、前記第2の方向に延伸する第8のアンテナエレメントとを備え、
前記第8のアンテナエレメントの延伸の終点である第8の終端部が、前記第1の終端部を通り前記第1の方向に平行な第2の仮想直線に対して、該第2の仮想直線上又は前記第3の方向側に位置する、請求項6から8のいずれか一項に記載の車両用ガラスアンテナ。
【請求項10】
所望の放送周波数帯の中心周波数における空気中の波長をλ0といい、ガラス波長短縮率をk(ただしk=0.64)といい、λg=λ0・kとするとき、
前記第6のアンテナエレメントと前記第7のアンテナエレメントと前記第8のアンテナエレメントとの導体長の和が、0.35・λg〜0.65・λgである、請求項9に記載の車両用ガラスアンテナ。
【請求項11】
前記第6のアンテナエレメントと前記第7のアンテナエレメントと前記第8のアンテナエレメントとの導体長の和が、108〜201mmである、請求項9又は10に記載の車両用ガラスアンテナ。
【請求項12】
前記アース導体は、
前記第6のアンテナエレメント上の1点を起点に、前記第1の方向に延伸する第7のアンテナエレメントと、
前記第7のアンテナエレメントの延伸の終点である第7の終端部を起点に前記第2の方向に延伸するアンテナエレメントを含みかつ前記第6のアンテナエレメントと平行である第8のアンテナエレメントと、を備え、
前記第8のアンテナエレメントの前記第2の方向への延伸の終点である第8の終端部が前記第1のアンテナエレメントに接続されている、請求項6から8のいずれか一項に記載の車両用ガラスアンテナ。
【請求項13】
所望の放送周波数帯の中心周波数における空気中の波長をλ0といい、ガラス波長短縮率をkといい、k=0.64とし、λg=λ0・kとするとき、
前記第1のアンテナエレメントと前記アース部と前記第6のアンテナエレメントと前記第7のアンテナエレメントと前記第8のアンテナエレメントとによって形成されるループ状導体経路の最短周長が、0.26・λg〜0.75・λgであり、
前記第8のアンテナエレメントの導体長が、0.09・λg〜0.34・λgである、請求項12に記載の車両用ガラスアンテナ。
【請求項14】
前記第1のアンテナエレメントと前記アース部と前記第6のアンテナエレメントと前記第7のアンテナエレメントと前記第8のアンテナエレメントとによって形成されるループ状導体経路の最短周長は、80〜232mmであり、
前記第8のアンテナエレメントの導体長は、26〜106mmである、請求項12又は13に記載の車両用ガラスアンテナ。
【請求項15】
前記アンテナ導体は、
前記第4の終端部を起点に、前記第2の方向に延伸する第9のアンテナエレメントを備える、請求項1から14のいずれか一項に記載の車両用ガラスアンテナ。
【請求項16】
所望の放送周波数帯の中心周波数における空気中の波長をλ0といい、ガラス波長短縮率をkといい、k=0.64とし、λg=λ0・kとするとき、
前記第9のアンテナエレメントの導体長は、0.1・λg〜0.35・λgである、請求項15に記載の車両用ガラスアンテナ。
【請求項17】
前記第9のアンテナエレメントの導体長は、30〜201mmである、請求項15又は16に記載の車両用ガラスアンテナ。
【請求項18】
前記基準方向と平行な直線に投影された前記第2の終端部と前記第5の終端部の(それぞれの投影点間の)距離が0〜10mmである、請求項1から17のいずれか一項に記載の車両用ガラスアンテナ。
【請求項19】
前記第2の終端部と前記第5の終端部との前記第1の方向成分の距離が、0〜5mmである、請求項1から18のいずれか一項に記載の車両用ガラスアンテナ。
【請求項20】
前記基準方向が、水平又は略水平な方向である、請求項1から19のいずれか一項に記載の車両用ガラスアンテナ。
【請求項21】
請求項1から20のいずれか一項に記載の車両用ガラスアンテナを備えた車両用窓ガラス。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2010−41256(P2010−41256A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−200239(P2008−200239)
【出願日】平成20年8月1日(2008.8.1)
【出願人】(000000044)旭硝子株式会社 (2,665)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年8月1日(2008.8.1)
【出願人】(000000044)旭硝子株式会社 (2,665)
【Fターム(参考)】
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