車両用ガラスアンテナ
【課題】自動車用リアガラスのデフォッガ上部余白部のスペースが狭い場合であっても、前記余白部に2本のアンテナを備えることで、FM放送波を良好にダイバーシティー受信できる車両用ガラスアンテナを提供する。
【解決手段】
自動車用リアガラスのデフォッガ上部余白部に配設されたFM放送波用の2本のアンテナからなり、それぞれのアンテナは、リアガラスの上端部に左右に離隔されて配設された給電部と、前記給電部に接続され下垂される垂直線条と、前記垂直線条の下端に接続される水平線条とを備えており、前記2本のアンテナが有している前記水平線条はそれぞれ、前記デフォッガの最上部の加熱水平線条に近接して配設され、前記最上部の加熱水平線条と容量結合しており、前記2本のアンテナのうちの少なくとも一方の前記垂直線条又は前記給電部に、指向特性調整用の補助線条を少なくとも一本接続している。
【解決手段】
自動車用リアガラスのデフォッガ上部余白部に配設されたFM放送波用の2本のアンテナからなり、それぞれのアンテナは、リアガラスの上端部に左右に離隔されて配設された給電部と、前記給電部に接続され下垂される垂直線条と、前記垂直線条の下端に接続される水平線条とを備えており、前記2本のアンテナが有している前記水平線条はそれぞれ、前記デフォッガの最上部の加熱水平線条に近接して配設され、前記最上部の加熱水平線条と容量結合しており、前記2本のアンテナのうちの少なくとも一方の前記垂直線条又は前記給電部に、指向特性調整用の補助線条を少なくとも一本接続している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のリアゲートに取付けられたリアガラスのデフォッガ上部余白部に設けられており、FM放送波をダイバーシティー受信するのに好適なガラスアンテナに関するものである。
【背景技術】
【0002】
FMラジオ放送用の周波数帯域は日本国内では76MHz〜90MHz、日本国以外では88MHz〜108MHzである。
【0003】
自動車にアンテナを設ける場合、前記アンテナは、車体から電気的な影響を受けるため、一般的に受信感度について等方的な指向特性を得るのが難しい。そのため、指向特性の異なる複数のアンテナを空間的に離れた位置に配設し、前記複数のアンテナでダイバーシティー受信させることにより受信性能を向上させている。
【0004】
セダンタイプの自動車でFM放送波をダイバーシティー受信させる場合には、リアガラスのデフォッガの余白部に2本のガラスアンテナを空間的に離して設けることがある。
【0005】
しかしながら、ワゴン車やSUV(Sport Utility Vehicle:スポーツ多目的車)車などのリアゲートを備えた自動車の場合は、セダンタイプの自動車に比べてリアガラスの車体への取付角度が大きいため、リアゲートを備えた自動車のリアガラスの縦方向の寸法は、セダンタイプの自動車のリアガラスの縦方向の寸法に比べて小さくなる。そのため、リアゲートを備えた自動車の場合、そのリアガラスのデフォッガの上下余白部のスペースが小さくなり、前記リアガラスに複数のアンテナを配設することが難しくなる。
【0006】
そこで、リアゲートを備えた自動車でFM放送波をダイバーシティー受信するために、例えば特開2009−105665号公報のように、前記自動車に備えられた2本のアンテナのうち、一本目のアンテナとしては、リアガラスのデフォッガ下部に配設されたガラスアンテナを使用し、もう一本のアンテナとしては、前記自動車のルーフ上に配設されたRMA(Roof Mount Antenna)を使用することが提案されている(特許文献1)。
【0007】
また、特開平2−42802号公報には、リアガラスのデフォッガ上部に配設されたガラスアンテナに関して、水平線条と、前記水平線条に接続され上方に延伸される垂直線条と、前記リアガラスの端部に配設された給電部と、前記垂直線条の上端と前記給電部とを接続するフィーダー線条とからなるFMアンテナが提案されている。このガラスアンテナは、前記水平線条を前記デフォッガの最上部の加熱線条に近接させることによって、前記デフォッガと容量結合させ、受信性能の向上を図っている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009−105665号公報
【特許文献2】特開平2−42802号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1に記載されたリアゲートを備えた自動車でFM放送波をダイバーシティー受信するアンテナは、前記自動車に2本備えられたアンテナのうちの一本がリアガラスのデフォッガ下部の余白部に配設され、もう一本のアンテナが前記自動車のルーフに配設されているため、それぞれのアンテナを別々に受信機から伸びる給電線と接続しなければならず、自動車の組立工数を増大させてしまう問題があった。
【0010】
また、特許文献2に記載されたアンテナは、ガラスアンテナをデフォッガに容量結合させることによって、リアガラスの上部余白部のスペースが小さい場合であっても、比較的良好な受信感度を得ることができる。しかしながら、前記ガラスアンテナをデフォッガの上部余白部の左右に一本ずつ給電部の距離を離して2本配設した場合に、それぞれのガラスアンテナがお互いに電気的に相互に干渉し、それぞれのアンテナの受信感度についての指向特性がほとんど同じになってしまうため、ダイバーシティー受信の効果が得られない問題があった。
【0011】
本発明は、これらの問題点の解決を図る。すなわちリアゲートを備えた自動車でFM放送波を受信する際に、前記リアゲートに取付けられたリアガラスのデフォッガの上部余白部に2本のガラスアンテナを配設しても、前記2本のガラスアンテナで良好なダイバーシティー受信を行えるようにすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
すなわち、本発明は、バスバと前記バスバに接続された複数の加熱線条からなるデフォッガを備えたリアガラスの前記デフォッガ上部余白部に配設されたFM放送波をダイバーシティー受信するための車両用ガラスアンテナであり、FM放送波用の第1のアンテナとFM放送波用の第2のアンテナとの2本のアンテナからなっている車両用ガラスアンテナである。
【0013】
前記第1のアンテナと前記第2のアンテナとは、それぞれ前記リアガラスの上端部に左右に離隔されて配設された給電部と、前記給電部に接続され下垂される垂直線条と、前記垂直線条の下端に接続される水平線条とを備えている。そして、前記2本のアンテナが有している前記水平線条はそれぞれ、前記デフォッガの最上部の加熱水平線条に近接して配設され、前記最上部の加熱水平線条と容量結合している。
【0014】
そして、前記2本のアンテナのうちの少なくとも一方の前記垂直線条又は前記給電部に、指向特性調整用の補助線条を少なくとも一本接続している。
【0015】
また、前記2本のアンテナに備えられる補助線条の全部又は一部が、前記2本のアンテナのうちのいずれかのアンテナに接続される前記水平線条と縦方向に間隔を置いて重なり合っているときには、前記間隔が10mm以上であるようにしておくことが好ましい。
【0016】
さらにまた、前記2本のアンテナの両方にそれぞれ少なくとも一本の補助線条が接続されており、それぞれのアンテナに接続された補助線条のうち、リアガラスの中心線方向に延伸されている補助線条同士が縦方向に間隔を置いて重なり合っているときには、前記間隔が10mm以上であるようにしておくことが好ましい。
【0017】
また、前記2本のアンテナに備えられている水平線条のうちの少なくとも一本の一端部に指向性調整用の補助線条を接続することができる。
【0018】
前記2つのアンテナのうちの少なくとも一方のアンテナに備えられた給電部が水平方向に伸びる給電線条を備えており、前記給電線条の先端を、前記アンテナの前記垂直線条の上端部に接続してもよい。
【0019】
上述の車両用ガラスアンテナと、前記車両用ガラスアンテナが取付られた車両に、AM放送波用アンテナを備えて、FM放送波とAM放送波を受信できるアンテナシステムを構築してもよい。
【0020】
前記AM放送波用アンテナとしては、前記車両のサイドウィンドーに配設されたガラスアンテナを用いてもよい。
【0021】
または、前記AM放送波用アンテナは、前記車両のルーフ又は、リアスポイラー(若しくはバンパーに備えてもよい。
【発明の効果】
【0022】
本発明のFM放送波用の車両用ガラスアンテナは、リアゲートを備えた自動車でFM放送波を受信する際に、前記リアゲートに取付けられた前記リアガラスの前記デフォッガ上部の余白部に配設された2本のアンテナの受信感度についての指向特性をそれぞれ異なるように構成できるため、良好なダイバーシティー受信が行えるとともに、前記リアガラスにダイバーシティー受信用の2本のアンテナを配設するため、自動車の組立工数を削減することも可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施例1のアンテナパターンの車外側から見た正面図。
【図2】本発明の実施例2のアンテナパターンの車外側から見た正面図。
【図3】本発明の実施例3のアンテナパターンの車外側から見た正面図。
【図4】本発明の実施例4のアンテナパターンの車外側から見た正面図。
【図5】本発明の実施例5のアンテナパターンの車外側から見た正面図。
【図6】本発明の実施例6のアンテナパターンの車外側から見た正面図。
【図7】本発明の実施例7のアンテナパターンの車外側から見た正面図。
【図8】本発明の実施例8のアンテナパターンの車外側から見た正面図。
【図9】本発明の実施例9のアンテナパターンの車外側から見た正面図。
【図10】本発明の実施例10のアンテナパターンの車外側から見た正面図。
【図11】本発明の実施例11のアンテナパターンの車外側から見た正面図。
【図12】本発明の参考例のアンテナパターンの車外側から見た正面図。
【図13】本発明の比較例1のアンテナパターンの車外側から見た正面図。
【図14】本発明の比較例2のアンテナパターンの車外側から見た正面図。
【図15】本発明の実施例1のアンテナの構成を日本国外のFM周波数帯に合わせたときの、本発明の実施例1のアンテナの各周波数における平均感度を比較した周波数特性図。
【図16】本発明の実施例1のアンテナの構成を日本国外のFM周波数帯に合わせたときの、本発明の実施例1の90MHzでの受信感度についての指向性特性図。
【図17】本発明の実施例1のアンテナの構成を日本国内のFM周波数帯に合わせたときの、本発明の実施例1のアンテナの各周波数における平均感度を比較した周波数特性図。
【図18】本発明の実施例1のアンテナの構成を日本国内のFM周波数帯に合わせたときの、本発明の実施例1の78MHzでの受信感度についての指向性特性図。
【図19】本発明の実施例2のアンテナの構成を日本国外のFM周波数帯に合わせたときの、本発明の実施例2のアンテナの各周波数における平均感度を比較した周波数特性図。
【図20】本発明の実施例2のアンテナの構成を日本国外のFM周波数帯に合わせたときの、本発明の実施例2の90MHzでの受信感度についての指向性特性図。
【図21】本発明の参考例のアンテナの構成を日本国外のFM周波数帯に合わせたときの、本発明の参考例のアンテナの各周波数における平均感度を比較した周波数特性図。
【図22】本発明の参考例のアンテナの構成を日本国外のFM周波数帯に合わせたときの、本発明の参考例の90MHzでの受信感度についての指向性特性図。
【図23】本発明の比較例1のアンテナの構成を日本国外のFM周波数帯に合わせたときの、本発明の比較例1のアンテナの各周波数における平均感度を比較した周波数特性図。
【図24】本発明の比較例1のアンテナの構成を日本国外のFM周波数帯に合わせたときの、本発明の比較例1の90MHzでの受信感度についての指向性特性図。
【図25】本発明の比較例2のアンテナの構成を日本国外のFM周波数帯に合わせたときの、本発明の比較例2のアンテナの各周波数における平均感度を比較した周波数特性図。
【図26】本発明の比較例2のアンテナの構成を日本国外のFM周波数帯に合わせたときの、本発明の比較例2の90MHzでの受信感度についての指向性特性図。
【図27】ワゴンタイプの自動車のリアゲートに本発明の実施例1に係るアンテナパターンを配設されたリアガラスとAM放送波用ガラスアンテナが配設されたサイドガラスとが取り付けられときの前記自動車の側面図及び後面図。
【図28】ワゴンタイプの自動車のリアゲートに本発明の実施例1に係るアンテナパターンを配設されたリアガラスとAM放送波用アンテナを内蔵したリアスポイラーとが取り付けられときの前記自動車の側面図及び後面図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
<全体>
本発明のアンテナは、図1から図11に示すリアガラス1のようにリアガラスの縦方向の幅fが狭いために、デフォッガ4の上部余白部の狭い場合であっても、デフォッガ4の上部余白部に第1のアンテナ2と第2のアンテナ3とを配設し、この2本のアンテナによってFM放送波を良好にダイバーシティー受信することができるガラスアンテナである。
【0025】
そのため、本発明のアンテナは、例えば、図27、図28のような自動車6のようにワゴンタイプやSUV(Sport Utility Vehicle:スポーツ多目的車)などのリアゲート(自動車の後部に設けられた開閉部)64を備えた自動車のリアゲート64に取付けられたリアガラス1のようにリアガラスの縦方向の幅fが狭いリアガラスのデフォッガ4の上部余白部に配設してもFM放送波を良好にダイバーシティー受信することができる。
【0026】
<第1のアンテナと第2のアンテナの基本となる構成について>
本発明のアンテナは、図1に示すように、リアガラス1のデフォッガ4の上部余白部に設けられているガラスアンテナであり、前記上部余白部に、第1のアンテナ2と第2のアンテナ3とが配設されており、この2つのアンテナでFM放送波をダイバーシティー受信する。
【0027】
第1のアンテナ2も第2のアンテナ3も、基本となる構成は例えば図13、図14に示されるようなガラスアンテナである。
【0028】
すなわち、第1のアンテナ2も第2のアンテナ3も、リアガラスの上端部に配設される第1のアンテナの給電部21及び第2のアンテナの給電部31と、第1のアンテナの給電部21及び第2のアンテナの給電部31にそれぞれ接続され、第1のアンテナの給電部21及び第2のアンテナの給電部31からそれぞれ下垂される第1のアンテナの垂直線条22及び第2のアンテナの垂直線条32と、第1のアンテナの垂直線条22及び第2のアンテナの垂直線条32のそれぞれの下端にそれぞれ接続される第1のアンテナの水平線条23及び第2のアンテナの水平線条33とからその基本が構成されている。
【0029】
そして、第1のアンテナの給電部21と第2のアンテナの給電部31とは、リアガラス1の左右に離して配設されている。
【0030】
第1のアンテナの水平線条23及び第2のアンテナの水平線条33は、いずれも、デフォッガ4の加熱水平線条42のうちの最上部の加熱水平線条42に近接して配設されており、前記最上部の加熱水平線条42と第1のアンテナの水平線条23及び第2のアンテナの水平線条33とが容量結合することによって、デフォッガ4の上部余白部の縦方向の幅が狭い場合であっても、良好な受信感度を得ることができる。第1のアンテナの水平線条23及び第2のアンテナの水平線条33と、デフォッガ4の加熱水平線条42のうちの最上部の加熱水平線条42との間隔d及び間隔d’は10mm以下にするとよい。
【0031】
また、第1のアンテナの水平線条23と第2のアンテナの水平線条33のそれぞれの長さ及び、第1のアンテナの水平線条23の第1のアンテナの垂直線条22の接続位置と第2のアンテナの水平線条33の第2のアンテナの垂直線条32との接続位置並びに、第1のアンテナの垂直線条22と第2のアンテナの垂直線条32の長さを調整することによって、所望のFM放送波の周波数にアンテナの入力インピーダンスを給電点21、31に接続される給電線の特性インピーダンスに整合させることができ、良好な受信感度を得ることができる。
【0032】
通常、第1のアンテナの給電部21と第2のアンテナの給電部31は、リアガラスの周縁部の黒枠と呼ばれる黒色セラミックが印刷・焼成された領域に設けられており、かつデフォッガ4の上部余白部の縦方向の幅は自動車によって定まっているので、第1のアンテナの垂直線条22と第2のアンテナの垂直線条32の長さは変化させられる余地が小さい。そのため、図10、図11に示される第1のアンテナの給電部21及び第2のアンテナの給電部31のようにそれぞれの給電部を第1のアンテナの垂直線条22及び第2のアンテナの垂直線条32の上端から離れた位置に配設し、第1のアンテナの給電部21及び第2のアンテナの給電部31からそれぞれ第1のアンテナの給電線条211及び第2のアンテナの給電線条311を延伸し、それぞれ第1のアンテナの垂直線条22及び第2のアンテナの垂直線条32の上端とを接続すると、前記給電線条の長さを変化させることによって、前記垂直線条の長さを変化させるのと同じように前記アンテナの入力インピーダンスを調整する効果が得られる。
【0033】
第1のアンテナの垂直線条22及び第2のアンテナの垂直線条32が配設されていることによって、第1のアンテナの給電部21及ぶ第2のアンテナの給電部31をリアガラスの上端部に配設することができるようになるため、前記各給電部を目立たなくすることができる。すなわち、リアガラスの上端部を含む周縁部には通常、黒枠と呼ばれる黒色セラミックが印刷・焼成された領域があるので、前記各給電部をリアガラスの上端部に配設することができれば、前記各給電部が黒枠で隠れるため、車外側から本発明のアンテナを見るときに、第1のアンテナの給電部21及ぶ第2のアンテナの給電部31は目立たなくなる。また、通常、リアガラスの上端部を含む周縁部は、車内側は内装材で覆われるため、車内側から見ても、第1のアンテナの給電部21及ぶ第2のアンテナの給電部31を見えなくさせることができる。
【0034】
<第1のアンテナと第2のアンテナとを前記基本となる構成のみで構成することの問題点>
第1のアンテナ2、第2のアンテナ3は、上記で示した基本となる構成、すなわち図13、図14に示されるように、第1のアンテナ2及び第2のアンテナ3とが、それぞれ第1のアンテナの給電部21及び第2のアンテナの給電部31、第1のアンテナの垂直線条22及び第2のアンテナの垂直線条32そして、第1のアンテナの水平線条23及び第2のアンテナ水平線条33のみから構成された場合、第1のアンテナ2と第2のアンテナ3とは、それぞれのアンテナが容量結合しているデフォッガ4を介して相互に電気的に影響しあい、互いの受信感度についての指向特性がほとんど同じになってしまう。
【0035】
そのため、図13、図14のような構成で、ダイバーシティー受信を行っても、第1のアンテナ2と第2のアンテナ3の受信感度についての指向特性がほとんど同じになっているので、受信性能を向上させることができない。
【0036】
<補助線条の本数について>
そこで、本発明のアンテナは例えば図1から図10に示すように、第1のアンテナ2と第2のアンテナ3の第1のアンテナの垂直線条22若しくは第2のアンテナの垂直線条32の途中部又は第1のアンテナの給電部21若しくは第2のアンテナの給電部31のいずれかに少なくとも1本の指向性調整用の補助線条を接続することによって受信感度についての指向特性を変化させ、第1のアンテナ2と第2のアンテナ3との受信感度についての指向特性が異なるようにする。
【0037】
または、前記補助線条は、図8に示される第2のアンテナ3のように第2のアンテナの水平線条33の先端に接続しているように、第1のアンテナの水平線条23の先端又は第2のアンテナの水平線条の先端のいずれかに指向特性を変化させるための補助線条を接続することができる。
【0038】
前記補助線条は、例えば図1、図2、図4、図6、図7、図8、図9、図10及び図11のように第1のアンテナ2と第2のアンテナ3のいずれか一方のアンテナに接続することでそれぞれのアンテナの指向特性を変化させることができる。
【0039】
または、図3、図5のように、第1のアンテナ2と第2のアンテナ3の両方に前記補助線条を接続してもよい。
【0040】
第1のアンテナ2又は第2のアンテナ3に前記補助線条を接続する場合、図1、図2、図3、図4、図5、図10、図11のように1本だけ接続してもよいし、図6、図7、図8、図9のように2本接続してもよい。
【0041】
図6、図7、図8、図9の第2のアンテナ3のように1本のアンテナに前記補助線条を2本接続する場合には、図6、図7、図8、図9の第2のアンテナ3のように前記2本の補助線条をそれぞれの接続位置からそれぞれ反対方向に延伸するようにすると、前記2本の補助線条が相互に近接しないため、前記2本の補助線条同士で相互に電気的に影響することを防ぐことができ、前記2本の補助線条の長さを変化させたり、前記垂直線条や前記給電部との前記補助線条の接続位置を変化させたりすることで、柔軟に指向特性を変化させることができる。
【0042】
第1のアンテナ2や第2のアンテナ3への前記補助線条の接続本数が増えるほど、指向特性を調整するための要素が増えることになる。しかし、前記補助線条の本数を増やしていくと、前記補助線条同士が近接するようになるため、前記補助線条同士が電気的に相互に影響しやすくなる。そのため、前記補助線条の本数を増やしていき、それぞれの前記補助線条の長さや前記垂直線条や前記給電部との接続位置の調整を行っても、指向特性を大きく変化させられなくなっていってしまう。
【0043】
<補助線条の位置について>
図5、図6の第2のアンテナ3のように前記アンテナに接続されている前記補助線条がそのアンテナの前記水平線条と縦方向にある間隔eをもって重なり合って存在している場合、その間隔eが狭いとき、前記補助線条は、前記水平線条と容量結合してしまうため、前記補助線条の接続によって指向特性は変化するが、前記間隔eが広い場合に比べてその変化量は小さくなる。
【0044】
そのため、図1、図3、図5の第2のアンテナ3や、図3、図4の第1のアンテナ2のように、前記垂直線条に対して前記水平線条と前記補助線条とを、それぞれ正反対に延伸させると前記補助線条によって指向特性を調整しやすくなる。
【0045】
また、前記アンテナが複数本の補助線条を接続しており、それぞれの補助線条が縦方向にある間隔をもって重なり合っている場合に、その間隔が狭い場合には、複数本の補助線条が容量結合するため、1本目の補助線条を接続した場合に比べ、2本目の補助線条を接続したときの指向特性の変化は小さくなる。
【0046】
さらに、前記補助線条のうち少なくとも1本の前記補助線条が、図1、図2、図4、図8、図9、図10のように、前記補助線条が接続されている前記アンテナとは異なるもう一方のアンテナの前記水平線条とリアガラスの縦方向にある間隔eをもって重なり合っている部分があるときに、その間隔eが狭いときには、前記2本のアンテナが前記重なり合っている部分を介して電気的に結合してしまうため、前記重なり合っている部分が存在しないか、又は前記重なり合っている部分の間隔eが広い場合に比べて指向特性の変化は小さなものとなる。
【0047】
さらにまた、前記補助線条のうち少なくとも1本の前記補助線条が、図3の第1のアンテナの第1の補助線条24と第2のアンテナの第1の補助線条34のように、2本のアンテナにそれぞれ接続されている前記補助線条同士がリアガラスの縦方向にある間隔eをもって重なり合っている部分があるときに、その間隔eが狭いときには、前記2本のアンテナが前記重なり合っている部分を介して電気的に結合してしまうため、前記重なり合っている部分が存在しないか、又は前記重なり合っている部分の間隔eが広い場合に比べて指向特性の変化は小さなものとなる。
【0048】
そのため、前記補助線条同士が縦方向にある間隔eをもって重なり合っている場合及び前記補助線条と前記水平線条とが縦方向にある間隔eをもって重なり合っている場合、その間隔eを、10mm以上に設定すると、重なり合っている前記線条相互の電気的影響が小さくなるため、前記アンテナの指向特性をより大きく変化させられるようになる。
【0049】
<補助線条の形状について>
前記補助線条の形状は、図1〜図7及び図10において、水平としているが、図8、図9の第2のアンテナ3の第2の補助線条34’のように折り曲げて配置しても構わない。
【0050】
<給電部と給電線との接続について>
本発明のアンテナは、第1のアンテナの給電部21及び第2のアンテナの給電部31の近傍の車体上に図示しない接地点を設けており、図示しない受信機から接地点までを図示しない同軸ケーブルで接続し、前記同軸ケーブルの外皮側は接地し、前記同軸ケーブルの芯線側は、図示しないAV線に接続し、接地点から第1のアンテナの給電部21及び第2のアンテナの給電部31までを接続している。
【0051】
<本発明の各線条の形成方法について>
本発明のアンテナは、デフォッガ4を形成するのと同じ導電性セラミックペーストを用いることができ、デフォッガ4と同じ方法で印刷し、加熱炉によって焼付けることができるため、デフォッガ4の形成と同時に形成することができる。または、本発明のアンテナは、透明フィルム上に導電性塗料によってプリントしたものを、リアガラス1のデフォッガ4の上部余白部に貼り付けて使用することもできる。
【0052】
<本発明のアンテナを搭載した自動車について>
本発明のアンテナは、FM放送波用のアンテナであるため、例えばAM放送波や地上デジタルテレビ放送波など異なる帯域も自動車で受信したい場合には、その用途に則したアンテナを前記自動車に設置する必要がある。
【0053】
例えば、AM放送波も受信したい場合には、図27に示したようにサイドガラス63にサイドガラス用のAM放送波用アンテナ7を配設したり、前記自動車のバンパーや図28に示したようなリアスポイラー65の中にAM放送波用アンテナを内蔵させたりすることができる。
【0054】
また、地上デジタル放送波を受信したい場合には、フロントガラスやサイドガラス63に地上デジタル放送用のガラスアンテナやフィルムアンテナを配設することができる。
【実施例】
【0055】
以下に本発明の各実施例について説明する。
【0056】
<実施例1>
図1は本発明の実施例1に係るアンテナパターンの車外側から見た正面図である。実施例1のアンテナは、リアガラス1の左右端部に配設された1対のバスバ41と、前記1対のバスバの間に配設され、その両端が前記バスバと接続されている複数本の加熱線条42とからなるデフォッガ4の上部余白部に配設されている。
【0057】
本実施例のアンテナは、第1のアンテナ2と第2のアンテナ3とから構成されている。そして、第1のアンテナの給電部21と第2のアンテナの給電部31とはリアガラス1の上辺部にそれぞれ横方向に離れた位置に配設されている。
【0058】
第1のアンテナ2は、第1のアンテナの給電部21と、第1のアンテナの垂直線条22と、第1のアンテナの水平線条23とから構成されている。第1のアンテナの垂直線条22は、その上端が第1のアンテナの給電部21に接続されており、その下端が第1のアンテナの水平線条23の途中部に接続されている。
【0059】
第1のアンテナの水平線条23は、デフォッガ4の最上部の加熱水平線条42に近接するように配設されており、前記最上部の加熱水平線条42と容量結合している。
【0060】
第2のアンテナ3は、第2のアンテナの給電部31と、第2のアンテナの垂直線条32と、第2のアンテナの水平線条33と、第2のアンテナの第1の補助線条34とから構成されている。第2のアンテナの垂直線条32は、その上端が第2のアンテナの給電部31に接続されており、その下端は、第2のアンテナの水平線条33の右端に接続されている。そして、第2のアンテナの第1の補助線条34は、その一端が第2のアンテナの垂直線条32の途中部に接続され、右方向に水平に延伸されている。
【0061】
第2のアンテナの水平線条33は、デフォッガ4の最上部の加熱水平線条42に近接するように配設されており、前記最上部の加熱水平線条42と容量結合している。
【0062】
<実施例1を日本国外のFM帯域に合わせて構成を調整したときの測定結果>
本実施例のアンテナの構成を日本国外のFM帯域(88MHz〜108MHz)の受信に好適になるように合わせたところ以下の通りの寸法となった。
【0063】
リアガラス1の縦方向の幅f=500mm
リアガラス1の横方向の幅g=1300mm
リアガラス1の中心線aから第1のアンテナの給電部21までの横方向の距離b=140mm
リアガラス1の中心線aから第2のアンテナの給電部31までの横方向の距離c=140mm
フランジ5の上縁端と第1のアンテナの給電部21との間隔=10mm
フランジ5の上縁端と第2のアンテナの給電部31との間隔=10mm
第1のアンテナの給電部21の大きさ:横X縦=22mm X 10mm
第1のアンテナの垂直線条22の長さ=60mm
第1のアンテナの水平線条23の長さ=240mm
第1のアンテナの水平線条23の第1のアンテナの垂直線条22との接続部分から右側23aの長さ=90mm
第1のアンテナの水平線条23の第1のアンテナの垂直線条22との接続部分から左側23bの長さ=150mm
デフォッガ4の最上部の加熱水平線条42と第1のアンテナの水平線条23との間隔d=10mm
第2のアンテナの給電部31の大きさ:横X縦=22mm X 10mm
第2のアンテナの垂直線条32の長さ=60mm
第2のアンテナの第1の補助線条34の長さ=200mm
第2のアンテナの垂直線条32の第2のアンテナの第1の補助線条34との接続部よりも下側32aの長さ=20mm
第2のアンテナの垂直線条32の第2のアンテナの第1の補助線条34との接続部よりも上側32bの長さ=40mm
第2のアンテナの水平線条33の長さ=170mm
デフォッガ4の最上部の加熱水平線条42と第2のアンテナの水平線条23との間隔d’=10mm
第2のアンテナの第1の補助線条34と第1のアンテナの水平線条23との間隔e=20mm
本実施例のアンテナを、リアガラス1に導電性セラミックペーストによって、各線条の幅を0.7mmとなるように印刷し、乾燥後、加熱炉によって焼付けして、第1のアンテナの給電部21及び第2のアンテナの給電部31のそれぞれにAV線を取り付けた上で、車体に取り付ける。そして、図示しないチューナーから延ばした同軸ケーブルを前記各給電点近傍の車体に設けた接地点において、前記同軸ケーブルの外皮導体を接地し、前記同軸ケーブルの芯線側を前記AV線と接続した。
【0064】
このようにして作成した本実施例のアンテナで日本国内外のFM帯域の周波数76〜108MHzにおける放送波を受信したところ、図15〜図16に示される結果が得られた。
【0065】
図15は、本実施例のアンテナの76MHz〜108MHzの各周波数における受信感度の全方位での平均値を示すものであり、実線は第1のアンテナ2の測定結果、破線は第2のアンテナ3の測定結果である。
【0066】
図16は、本実施例のアンテナの90MHzにおける受信感度についての指向特性図を示したものであり、実線は第1のアンテナ2の測定結果、破線は第2のアンテナ3の測定結果である。
【0067】
また、図23、図24は、後述の図13に示される比較例1のアンテナ(第2のアンテナの第1の補助線条34を備えていない点で、実施例1のアンテナとは異なる構成であるアンテナ)の実施例1と同じ測定条件での測定結果である。
【0068】
図23は、本実施例の比較例である比較例1のアンテナの76MHz〜108MHzの各周波数における受信感度の全方位での平均値を示すものであり、実線は第1のアンテナ2の測定結果、破線は第2のアンテナ3の測定結果である。
【0069】
図24は、本実施例の比較例である比較例1のアンテナの90MHzにおける受信感度についての指向特性図を示したものであり、実線は第1のアンテナ2の測定結果、破線は第2のアンテナ3の測定結果である。
【0070】
図24より、第2のアンテナ3に補助線条が接続されていない場合に、第1のアンテナ2の受信感度についての指向特性と第2のアンテナ3の受信感度についての指向性とは、その指向特性が相似形となっていることがわかる。
【0071】
ところが、図16の本実施例の指向特性図と図24に示される本実施例の比較例の比較を行ったところ、矢印で示した方向において、第2のアンテナ3の指向特性が大きく変化しており、その結果、第1のアンテナ2と第2のアンテナ3の指向特性が異なるものとなっていることがわかる。
【0072】
さらに、図15の本実施例のアンテナの各周波数における受信感度の全方位での平均値と、図16の本実施例の比較例である比較例1のアンテナの各周波数における受信感度の全方位での平均値とを比較したところ、第2のアンテナ3に補助線条を接続したことによって第2のアンテナ3の入力インピーダンスが第2のアンテナの給電部31に接続されている給電線の特性インピーダンスと整合が取れ、受信感度が大幅に改善するという結果も得られた。
【0073】
このように補助線条を接続することによって、本実施例のアンテナは、日本国外の周波数帯域において、良好にダイバーシティー受信をおこなうことができた。
【0074】
<実施例1を日本国内のFM帯域に合わせて構成を調整したときの測定結果>
本実施例のアンテナの構成を日本国内のFM帯域(76MHz〜90MHz)の受信に好適になるように合わせたところ以下の通りの寸法となった。
【0075】
リアガラス1の縦方向の幅f=500mm
リアガラス1の横方向の幅g=1300mm
リアガラス1の中心線aから第1のアンテナの給電部21までの横方向の距離b=140mm
リアガラス1の中心線aから第2のアンテナの給電部31までの横方向の距離c=140mm
フランジ5の上縁端と第1のアンテナの給電部21との間隔=10mm
フランジ5の上縁端と第2のアンテナの給電部31との間隔=10mm
第1のアンテナの給電部21の大きさ:横X縦=22mm X 10mm
第1のアンテナの垂直線条22の長さ=60mm
第1のアンテナの水平線条23の長さ=390mm
第1のアンテナの水平線条23の第1のアンテナの垂直線条22との接続部分から右側23aの長さ=240mm
第1のアンテナの水平線条23の第1のアンテナの垂直線条22との接続部分から左側23bの長さ=150mm
デフォッガ4の最上部の加熱水平線条42と第1のアンテナの水平線条23との間隔d=10mm
第2のアンテナの給電部31の大きさ、横X縦=22mm X 10mm
第2のアンテナの垂直線条32の長さ=60mm
第2のアンテナの第1の補助線条34の長さ=200mm
第2のアンテナの垂直線条32の第2のアンテナの第1の補助線条34との接続部よりも下側32aの長さ=20mm
第2のアンテナの垂直線条32の第2のアンテナの第1の補助線条34との接続部よりも上側32bの長さ=40mm
第2のアンテナの水平線条33の長さ=270mm
デフォッガ4の最上部の加熱水平線条42と第2のアンテナの水平線条23との間隔d’=10mm
第2のアンテナの第1の補助線条34と第1のアンテナの水平線条23との間隔e=20mm
本実施例のアンテナを、リアガラス1に導電性セラミックペーストによって、各線条の幅を0.7mmとなるように印刷し、乾燥後、加熱炉によって焼付けして、第1のアンテナの給電部21及び第2のアンテナの給電部31のそれぞれにAV線を取り付けた上で、車体に取り付ける。そして、図示しないチューナーから延ばした同軸ケーブルを前記各給電点近傍の車体に設けた接地点において、前記同軸ケーブルの外皮導体を接地し、前記同軸ケーブルの芯線側を前記AV線と接続した。
【0076】
このようにして作成した本実施例のアンテナで日本国内外のFM帯域の周波数76〜108MHzにおける放送波を受信したところ、図17〜図18に示される結果が得られた。
【0077】
図17は、本実施例のアンテナの76MHz〜108MHzの各周波数における受信感度の全方位での平均値を示すものであり、実線は第1のアンテナ2の測定結果、破線は第2のアンテナ3の測定結果である。
【0078】
図18は、本実施例のアンテナの78MHzにおける受信感度についての指向特性図を示したものであり、実線は第1のアンテナ2の測定結果、破線は第2のアンテナ3の測定結果である。
【0079】
図17を見ると、日本国内帯の76MHz〜90MHzで受信感度の全方位での平均値として大きな値が得られているのがわかる。
【0080】
また図18を見ると、第1のアンテナ2の指向特性は、左側に大きな感度が得られており、第2のアンテナ3の指向特性は右側に大きな感度が得られており、二つのアンテナの指向特性が大きく異なっていることがわかる。
【0081】
このように、本実施例のアンテナは、日本国内帯域において、良好にダイバーシティー受信をおこなうことができた。
【0082】
<実施例2>
図2は本発明の実施例2に係るアンテナパターンの車外側から見た正面図である。実施例2のアンテナは、第2のアンテナの水平線条33の途中部に第2のアンテナの垂直線条32の下端を接続し、第1のアンテナ2及び第2のアンテナ3のそれぞれを構成する線条の長さ及び線条同士の接続位置を調整して、第1のアンテナ2と第2のアンテナ3の入力インピーダンスを給電線と日本国外の周波数帯で整合が取れるようにしたこと以外は、実施例1のアンテナと同じ構成である。
【0083】
本実施例のアンテナを、リアガラス1に導電性セラミックペーストによって、各線条の幅を0.7mmとなるように印刷し、乾燥後、加熱炉によって焼付けして、第1のアンテナの給電部21及び第2のアンテナの給電部31のそれぞれにAV線を取り付けた上で、車体に取り付ける。そして、図示しないチューナーから延ばした同軸ケーブルを前記各給電点近傍の車体に設けた接地点において、前記同軸ケーブルの外皮導体を接地し、前記同軸ケーブルの芯線側を前記AV線と接続した。
【0084】
このようにして作成した本実施例のアンテナで日本国外のFM帯域の周波数88〜108MHzにおける放送波を受信したところ、実施例1と同様に第1のアンテナ2と第2のアンテナ3とで異なる指向特性が得られ、十分実用レベルにあることがわかった。
【0085】
もちろん、本実施例の第1のアンテナ2及び第2のアンテナ3のそれぞれを構成する線条の長さ及び線条同士の接続位置を調整して、第1のアンテナ2と第2のアンテナ3の入力インピーダンスを給電線の特性インピーダンスに日本国内の周波数帯で整合が取れるようにすれば、日本国外の周波数帯に合わせて本実施例を調整した場合と同様に、日本国内の周波数帯域において、本実施例のアンテナで、ダイバーシティー受信の効果が得られる。
【0086】
<実施例3>
図3は本発明の実施例3に係るアンテナパターンの車外側から見た正面図である。実施例3のアンテナは、第1のアンテナの水平線条23が、その左端で第1のアンテナの垂直線条22の下端に接続され、右方向に延伸されており、第1のアンテナの垂直線条22の途中部に第1のアンテナの第1の補助線条24が接続され、左方向に延伸されている点で、実施例1と構成が異なっており、本実施例のアンテナの構成を日本国外のFM帯域(88MHz〜108MHz)の受信に好適になるように合わせたところ以下の通りの寸法となった。
【0087】
リアガラス1の縦方向の幅f=500mm
リアガラス1の横方向の幅g=1300mm
リアガラス1の中心線aから第1のアンテナの給電部21までの横方向の距離b=140mm
リアガラス1の中心線aから第2のアンテナの給電部31までの横方向の距離c=140mm
フランジ5の上縁端と第1のアンテナの給電部21との間隔=10mm
フランジ5の上縁端と第2のアンテナの給電部31との間隔=10mm
第1のアンテナの給電部21の大きさ:横X縦=22mm X 10mm
第1のアンテナの垂直線条22の長さ=60mm
第1のアンテナの第1の補助線条24の長さ=200mm
第1のアンテナの垂直線条22の第1のアンテナの第1の補助線条24との接続部よりも下側22aの長さ=10mm
第1のアンテナの垂直線条22の第1のアンテナの第1の補助線条24との接続部よりも上側22bの長さ=50mm
第1のアンテナの水平線条23の長さ=90mm
デフォッガ4の最上部の加熱水平線条42と第1のアンテナの水平線条23との間隔d=10mm
第2のアンテナの給電部31の大きさ:横X縦=22mm X 10mm
第2のアンテナの垂直線条32の長さ=60mm
第2のアンテナの第1の補助線条34の長さ=200mm
第2のアンテナの垂直線条32の第2のアンテナの第1の補助線条34との接続部よりも下側32aの長さ=20mm
第2のアンテナの垂直線条32の第2のアンテナの第1の補助線条34との接続部よりも上側32bの長さ=40mm
第2のアンテナの水平線条33の長さ=170mm
デフォッガ4の最上部の加熱水平線条42と第2のアンテナの水平線条23との間隔d’=10mm
第2のアンテナの第1の補助線条34と第1のアンテナの第1の補助線条24との間隔e=10mm
本実施例のアンテナを、リアガラス1に導電性セラミックペーストによって、各線条の幅を0.7mmとなるように印刷し、乾燥後、加熱炉によって焼付けして、第1のアンテナの給電部21及び第2のアンテナの給電部31のそれぞれにAV線を取り付けた上で、車体に取り付ける。そして、図示しないチューナーから延ばした同軸ケーブルを前記各給電点近傍の車体に設けた接地点において、前記同軸ケーブルの外皮導体を接地し、前記同軸ケーブルの芯線側を前記AV線と接続した。
【0088】
このようにして作成した本実施例のアンテナで日本国内外のFM帯域の周波数76〜108MHzにおける放送波を受信したところ、図19〜図20に示される結果が得られた。
【0089】
図19は、本実施例のアンテナの76MHz〜108MHzの各周波数における受信感度の全方位での平均値を示すものであり、実線は第1のアンテナ2の測定結果、破線は第2のアンテナ3の測定結果である。
【0090】
図20は、本実施例のアンテナの90MHzにおける受信感度についての指向特性図を示したものであり、実線は第1のアンテナ2の測定結果、破線は第2のアンテナ3の測定結果である。
【0091】
また、図25、図26は、後述の図14に示される比較例2のアンテナ(第1のアンテナの第1の補助線条24及び第2のアンテナの第1の補助線条34を備えていない点で、実施例3のアンテナとは異なる構成のアンテナ)の実施例3と同じ測定条件での測定結果である。
【0092】
図25は、本実施例の比較例である比較例2のアンテナの76MHz〜108MHzの各周波数における受信感度の全方位での平均値を示すものであり、実線は第1のアンテナ2の測定結果、破線は第2のアンテナ3の測定結果である。
【0093】
図26は、本実施例の比較例である比較例2のアンテナの90MHzにおける受信感度についての指向特性図を示したものであり、実線は第1のアンテナ2の測定結果、破線は第2のアンテナ3の測定結果である。
【0094】
図26より、第1のアンテナ2及び第2のアンテナ3にそれぞれ補助線条が接続されていない場合に、第1のアンテナ2と第2のアンテナ3とは、その受信感度についての指向特性が相似形となっていることがわかる。
【0095】
ところが、図20の本実施例の指向特性図と図26に示される本実施例の比較例の比較を行ったところ、矢印で示した方向において、第2のアンテナ3の指向特性が大きく変化しており、その結果、第1のアンテナ2と第2のアンテナ3の指向特性が異なるものとなっていることがわかる。
【0096】
さらに、図19の本実施例のアンテナの各周波数における受信感度の全方位での平均値と、図25の本実施例の比較例である比較例2のアンテナの各周波数における受信感度の全方位での平均値とを比較したところ、第1のアンテナ2に第1のアンテナの補助線条24を接続したことによって第1のアンテナ2の入力インピーダンスが給電線の特性インピーダンスと整合が取れ、受信感度が大幅に改善するという結果も得られた。
【0097】
このように補助線条を接続することによって、本実施例のアンテナは、日本国外の周波数帯域において、良好にダイバーシティー受信をおこなうことができた。
【0098】
また、本実施例においては、第1のアンテナの第1の補助線条24と第2のアンテナの第1の補助線条34との間隔eを10mmとしている。間隔eを10mmよりも小さくしていくに従って、第1のアンテナ2と第2のアンテナ3のそれぞれの受信感度についての指向特性は相似形となっていくため、間隔eは10mm以上になるように本発明のアンテナを構成することが好ましい。
【0099】
もちろん、本実施例の第1のアンテナ2及び第2のアンテナ3のそれぞれを構成する線条の長さ及び線条同士の接続位置を調整して、第1のアンテナ2と第2のアンテナ3の入力インピーダンスを給電線の特性インピーダンスに日本国内の周波数帯で整合が取れるようにすれば、日本国外の周波数帯に合わせて本実施例を調整した場合と同様に、日本国内の周波数帯域において、本実施例のアンテナで、ダイバーシティー受信の効果が得られる。
【0100】
<実施例4>
図4は本発明の実施例4に係るアンテナパターンの車外側から見た正面図である。実施例4のアンテナは、実施例1におけて第1のアンテナ2及び第2のアンテナをそれぞれ構成する線条の構成を調整し、日本国外のFM周波数帯域で前記給電線の特性インピーダンスに前記2本のアンテナの入力インピーダンスを整合させた場合のアンテナパターンにおいて、第1のアンテナ2を中心線aに対して線対称となる位置に移動させ、新たに第2のアンテナ3とし、実施例1における第2のアンテナ3を中心線aに対して線対称となる位置に移動させ、新たに第1のアンテナ2としている。
【0101】
本実施例のアンテナを、リアガラス1に導電性セラミックペーストによって、各線条の幅を0.7mmとなるように印刷し、乾燥後、加熱炉によって焼付けして、第1のアンテナの給電部21及び第2のアンテナの給電部31のそれぞれにAV線を取り付けた上で、車体に取り付ける。そして、図示しないチューナーから延ばした同軸ケーブルを前記各給電点近傍の車体に設けた接地点において、前記同軸ケーブルの外皮導体を接地し、前記同軸ケーブルの芯線側を前記AV線と接続した。
【0102】
このようにして作成した本実施例のアンテナで日本国内外のFM帯域の周波数88〜108MHzにおける放送波を受信したところ、実施例1と同様に第1のアンテナ2と第2のアンテナ3とで異なる指向特性が得られ、十分実用レベルにあることがわかった。
【0103】
このとき、本実施例の第1のアンテナ2の指向特性は、実施例1の第2のアンテナ3の受信感度についての指向特性を左右に反転させたものとなり、本実施例の第2のアンテナ3の指向特性は、実施例1の第1のアンテナ2の受信感度についての指向特性を左右に反転させたものとなった。
【0104】
もちろん、実施例1のアンテナにおいて、実施例1において日本国内のFM周波数帯域に第1のアンテナ2と第2のアンテナ3をそれぞれ構成する線条の構成を調整し、前記2本のアンテナの入力インピーダンスと前記給電線条の特性インピーダンスを整合させた場合であっても、本実施例のように前記2本のアンテナのそれぞれを中心線aに対して線対称となる位置に移動させた際に、日本国外の周波数帯に合わせて本実施例を調整した場合と同様に、日本国内の周波数帯域において、本実施例のアンテナで、ダイバーシティー受信の効果が得られる。
【0105】
<実施例5>
図5は本発明の実施例5に係るアンテナパターンの車外側から見た正面図である。実施例5のアンテナは、第2のアンテナの水平線条33が、その左端を第2のアンテナの垂直線条32の下端に接続され、右方向に延伸されており、第2のアンテナの垂直線条32の途中部に接続された第2のアンテナの第1の補助線条34が左方向に延伸されており、第1のアンテナの垂直線条22の途中部に第1のアンテナの第1の補助線条24が接続され右方向に延伸され、第1のアンテナ2及び第2のアンテナ3のそれぞれを構成する各線条の長さ及び各線条同士の接続位置を調整して、第1のアンテナ2と第2のアンテナ3の入力インピーダンスを給電線の特性インピーダンスと日本国外のFM周波数帯で整合が取れるようにしたこと以外は、実施例1のアンテナと同じ構成である。
【0106】
本実施例のアンテナを、リアガラス1に導電性セラミックペーストによって、各線条の幅を0.7mmとなるように印刷し、乾燥後、加熱炉によって焼付けして、第1のアンテナの給電部21及び第2のアンテナの給電部31のそれぞれにAV線を取り付けた上で、車体に取り付ける。そして、図示しないチューナーから延ばした同軸ケーブルを前記各給電点近傍の車体に設けた接地点において、前記同軸ケーブルの外皮導体を接地し、前記同軸ケーブルの芯線側を前記AV線と接続した。
【0107】
このようにして作成した本実施例のアンテナで日本国外のFM帯域の周波数88〜108MHzにおける放送波を受信したところ、実施例1と同様に第1のアンテナ2と第2のアンテナ3とで異なる指向特性が得られ、十分実用レベルにあることがわかった。
【0108】
もちろん、本実施例の第1のアンテナ2及び第2のアンテナ3のそれぞれを構成する線条の長さ及び線条同士の接続位置を調整して、第1のアンテナ2と第2のアンテナ3の入力インピーダンスを給電線の特性インピーダンスに日本国内の周波数帯で整合させるようにすれば、日本国外の周波数帯に合わせて本実施例を調整した場合と同様に、日本国内の周波数帯域において、本実施例のアンテナで、ダイバーシティー受信の効果が得られる。
【0109】
<実施例6>
図6は本発明の実施例6に係るアンテナパターンの車外側から見た正面図である。実施例6のアンテナは、第2のアンテナの垂直線条32の途中部の第2のアンテナの第1の補助線条34と同じ接続位置にの第2のアンテナの第2の補助線条34’を追加し左側に延伸し、第1のアンテナ2及び第2のアンテナ3のそれぞれを構成する線条の長さ及び線条同士の接続位置を調整して、第1のアンテナ2と第2のアンテナ3の入力インピーダンスを給電線の特性インピーダンスに日本国外のFM周波数帯で整合が取れるようにしたこと以外は、実施例1のアンテナと同じ構成である。
【0110】
本実施例のアンテナを、リアガラス1に導電性セラミックペーストによって、各線条の幅を0.7mmとなるように印刷し、乾燥後、加熱炉によって焼付けして、第1のアンテナの給電部21及び第2のアンテナの給電部31のそれぞれにAV線を取り付けた上で、車体に取り付ける。そして、図示しないチューナーから延ばした同軸ケーブルを前記各給電点近傍の車体に設けた接地点において、前記同軸ケーブルの外皮導体を接地し、前記同軸ケーブルの芯線側を前記AV線と接続した。
【0111】
このようにして作成した本実施例のアンテナで日本国外のFM帯域の周波数88〜108MHzにおける放送波を受信したところ、実施例1と同様に第1のアンテナ2と第2のアンテナ3とで異なる指向特性が得られ、十分実用レベルにあることがわかった。
【0112】
もちろん、本実施例の第1のアンテナ2及び第2のアンテナ3のそれぞれを構成する線条の長さ及び線条同士の接続位置を調整して、第1のアンテナ2と第2のアンテナ3の入力インピーダンスを給電線の特性インピーダンスに日本国内の周波数帯で整合させるようにすれば、日本国外の周波数帯に合わせて本実施例を調整した場合と同様に、日本国内の周波数帯域において、本実施例のアンテナで、ダイバーシティー受信の効果が得られる。
【0113】
<実施例7>
図7は、本発明の実施例7に係るアンテナパターンの車外側から見た正面図である。実施例7のアンテナは、第2のアンテナの垂直線条32の途中部に接続された第2のアンテナの第2の補助線条34’の接続位置と第2のアンテナの垂直線条32に接続された第2のアンテナの第1の補助線条34の接続位置とを同じ場所ではなく、それぞれ異なる場所にして、第1のアンテナ2及び第2のアンテナ3のそれぞれを構成する線条の長さ及び線条同士の接続位置を調整して、第1のアンテナ2と第2のアンテナ3の入力インピーダンスを第1のアンテナの給電部21及び第2のアンテナの給電部31に接続される給電線の特性インピーダンスと日本国外のFM周波数帯で整合が取れるようにしたこと以外は、実施例6のアンテナと同じ構成である。
【0114】
本実施例のアンテナを、リアガラス1に導電性セラミックペーストによって、各線条の幅を0.7mmとなるように印刷し、乾燥後、加熱炉によって焼付けして、第1のアンテナの給電部21及び第2のアンテナの給電部31のそれぞれにAV線を取り付けた上で、車体に取り付ける。そして、図示しないチューナーから延ばした同軸ケーブルを前記各給電点近傍の車体に設けた接地点において、前記同軸ケーブルの外皮導体を接地し、前記同軸ケーブルの芯線側を前記AV線と接続した。
【0115】
このようにして作成した本実施例のアンテナで日本国外のFM帯域の周波数88〜108MHzにおける放送波を受信したところ、実施例1と同様に第1のアンテナ2と第2のアンテナ3とで異なる指向特性が得られ、十分実用レベルにあることがわかった。
【0116】
もちろん、本実施例の第1のアンテナ2及び第2のアンテナ3のそれぞれを構成する線条の長さ及び線条同士の接続位置を調整して、第1のアンテナ2と第2のアンテナ3の入力インピーダンスを給電線の特性インピーダンスに日本国内の周波数帯で整合が取れるようにすれば、日本国外の周波数帯に合わせて本実施例を調整した場合と同様に、日本国内の周波数帯域において、本実施例のアンテナで、ダイバーシティー受信の効果が得られる。
【0117】
<実施例8>
図8は本発明の実施例8に係るアンテナパターンの車外側から見た正面図である。実施例8のアンテナは、第2のアンテナの水平線条33の左端に、第2のアンテナの第2の補助線条34’を接続し、第2のアンテナの第2の補助線条34’を途中で折り曲げて第2のアンテナの第2の補助線条の折曲部34’aを形成しており、第1のアンテナ2及び第2のアンテナ3のそれぞれを構成する線条の長さ及び線条同士の接続位置を調整して、第1のアンテナ2と第2のアンテナ3の入力インピーダンスを第1のアンテナの給電部21及び第2のアンテナの給電部31に接続される給電線の特性インピーダンスと日本国外のFM周波数帯で整合が取れるようにしたこと以外は、実施例1のアンテナと同じ構成である。
【0118】
本実施例のアンテナを、リアガラス1に導電性セラミックペーストによって、各線条の幅を0.7mmとなるように印刷し、乾燥後、加熱炉によって焼付けして、第1のアンテナの給電部21及び第2のアンテナの給電部31のそれぞれにAV線を取り付けた上で、車体に取り付ける。そして、図示しないチューナーから延ばした同軸ケーブルを前記各給電点近傍の車体に設けた接地点において、前記同軸ケーブルの外皮導体を接地し、前記同軸ケーブルの芯線側を前記AV線と接続した。
【0119】
このようにして作成した本実施例のアンテナで日本国外のFM帯域の周波数88〜108MHzにおける放送波を受信したところ、実施例1と同様に第1のアンテナ2と第2のアンテナ3とで異なる指向特性が得られ、十分実用レベルにあることがわかった。
【0120】
もちろん、本実施例の第1のアンテナ2及び第2のアンテナ3のそれぞれを構成する線条の長さ及び線条同士の接続位置を調整して、第1のアンテナ2と第2のアンテナ3の入力インピーダンスを給電線の特性インピーダンスに日本国内の周波数帯で整合が取れるようにすれば、日本国外の周波数帯に合わせて本実施例を調整した場合と同様に、日本国内の周波数帯域において、本実施例のアンテナで、ダイバーシティー受信の効果が得られる。
【0121】
<実施例9>
図9は本発明の実施例9に係るアンテナパターンの車外側から見た正面図である。実施例9のアンテナは、第2のアンテナの給電部31に、第2のアンテナの第2の補助線条34’の右端を接続し、左側へ延伸し、その途中で折り曲げて第2のアンテナの第2の補助線条の折曲部34’aを形成しており、第1のアンテナ2及び第2のアンテナ3のそれぞれを構成する線条の長さ及び線条同士の接続位置を調整して、第1のアンテナ2と第2のアンテナ3の入力インピーダンスを第1のアンテナの給電部21及び第2のアンテナの給電部31に接続される給電線の特性インピーダンスと日本国外のFM周波数帯で整合が取れるようにしたこと以外は、実施例1のアンテナと同じ構成である。
【0122】
本実施例のアンテナを、リアガラス1に導電性セラミックペーストによって、各線条の幅を0.7mmとなるように印刷し、乾燥後、加熱炉によって焼付けして、第1のアンテナの給電部21及び第2のアンテナの給電部31のそれぞれにAV線を取り付けた上で、車体に取り付ける。そして、図示しないチューナーから延ばした同軸ケーブルを前記各給電点近傍の車体に設けた接地点において、前記同軸ケーブルの外皮導体を接地し、前記同軸ケーブルの芯線側を前記AV線と接続した。
【0123】
このようにして作成した本実施例のアンテナで日本国外のFM帯域の周波数88〜108MHzにおける放送波を受信したところ、実施例1と同様に第1のアンテナ2と第2のアンテナ3とで異なる指向特性が得られ、十分実用レベルにあることがわかった。
【0124】
もちろん、本実施例の第1のアンテナ2及び第2のアンテナ3のそれぞれを構成する線条の長さ及び線条同士の接続位置を調整して、第1のアンテナ2と第2のアンテナ3の入力インピーダンスを給電線の特性インピーダンスに日本国内の周波数帯で整合が取れるようにすれば、日本国外の周波数帯に合わせて本実施例を調整した場合と同様に、日本国内の周波数帯域において、本実施例のアンテナで、ダイバーシティー受信の効果が得られる。
【0125】
<実施例10>
図10は本発明の実施例10に係るアンテナパターンの車外側から見た正面図である。実施例10のアンテナは、第1のアンテナの垂直線条22及び第2のアンテナの垂直線条32の各上端に、それぞれ第1のアンテナの給電線条211の左端及び第2のアンテナの給電線条311の右端を接続し、それぞれ右側及び左側に延伸し、第1のアンテナの給電線条211の右端に給電部21を接続し、第2のアンテナの給電線条311の左端に第2のアンテナの給電部31接続し、第1のアンテナ2及び第2のアンテナ3のそれぞれを構成する線条の長さ及び線条同士の接続位置を調整して、第1のアンテナ2と第2のアンテナ3の入力インピーダンスを第1のアンテナの給電部21及び第2のアンテナの給電部31と接続される給電線の特性インピーダンスと日本国外のFM周波数帯で整合が取れるようにしたこと以外は、実施例1のアンテナと同じ構成である。
【0126】
本実施例のアンテナを、リアガラス1に導電性セラミックペーストによって、各線条の幅を0.7mmとなるように印刷し、乾燥後、加熱炉によって焼付けして、第1のアンテナの給電部21及び第2のアンテナの給電部31のそれぞれにAV線を取り付けた上で、車体に取り付ける。そして、図示しないチューナーから延ばした同軸ケーブルを前記各給電点近傍の車体に設けた接地点において、前記同軸ケーブルの外皮導体を接地し、前記同軸ケーブルの芯線側を前記AV線と接続した。
【0127】
このようにして作成した本実施例のアンテナで日本国外のFM帯域の周波数88〜108MHzにおける放送波を受信したところ、実施例1と同様に第1のアンテナ2と第2のアンテナ3とで異なる指向特性が得られ、十分実用レベルにあることがわかった。
【0128】
もちろん、本実施例の第1のアンテナ2及び第2のアンテナ3のそれぞれを構成する線条の長さ及び線条同士の接続位置を調整して、第1のアンテナ2と第2のアンテナ3の入力インピーダンスを給電線の特性インピーダンスに日本国内の周波数帯で整合が取れるようにすれば、日本国外の周波数帯に合わせて本実施例を調整した場合と同様に、日本国内の周波数帯域において、本実施例のアンテナで、ダイバーシティー受信の効果が得られる。
【0129】
<実施例11>
図11は本発明の実施例11に係るアンテナパターンの車外側から見た正面図である。実施例11のアンテナは、第1のアンテナの垂直線条22及び第2のアンテナの垂直線条32の各上端に、それぞれ第1のアンテナの給電線条211の右端及び第2のアンテナの給電線条311の左端を接続し、それぞれ左側及び右側に延伸し、第1のアンテナの給電線条211の左端に給電部21を接続し、第2のアンテナの給電線条311の右端に第2のアンテナの給電部31接続し、第1のアンテナ2及び第2のアンテナ3のそれぞれを構成する線条の長さ及び線条同士の接続位置を調整して、第1のアンテナ2と第2のアンテナ3の入力インピーダンスを第1のアンテナの給電部21及び第2のアンテナの給電部31に接続される給電線の特性インピーダンスと日本国外のFM周波数帯で整合が取れるようにしたこと以外は、実施例1のアンテナと同じ構成である。
【0130】
本実施例のアンテナを、リアガラス1に導電性セラミックペーストによって、各線条の幅を0.7mmとなるように印刷し、乾燥後、加熱炉によって焼付けして、第1のアンテナの給電部21及び第2のアンテナの給電部31のそれぞれにAV線を取り付けた上で、車体に取り付ける。そして、図示しないチューナーから延ばした同軸ケーブルを前記各給電点近傍の車体に設けた接地点において、前記同軸ケーブルの外皮導体を接地し、前記同軸ケーブルの芯線側を前記AV線と接続した。
【0131】
このようにして作成した本実施例のアンテナで日本国外のFM帯域の周波数88〜108MHzにおける放送波を受信したところ、実施例1と同様に第1のアンテナ2と第2のアンテナ3とで異なる指向特性が得られ、十分実用レベルにあることがわかった。
【0132】
もちろん、本実施例の第1のアンテナ2及び第2のアンテナ3のそれぞれを構成する線条の長さ及び線条同士の接続位置を調整して、第1のアンテナ2と第2のアンテナ3の入力インピーダンスを給電線の特性インピーダンスに日本国内の周波数帯で整合が取れるようにすれば、日本国外の周波数帯に合わせて本実施例を調整した場合と同様に、日本国内の周波数帯域において、本実施例のアンテナで、ダイバーシティー受信の効果が得られる。
【0133】
<実施例12>
図27は、ワゴンタイプの自動車6のリアゲート64に本発明の実施例1に係るアンテナパターンを配設されたリアガラス1を取付けられときの、自動車6の側面図及び後面図を示したものである。
【0134】
図27においては、本発明の実施例1に係るアンテナである第1のアンテナ2及び第2のアンテナ3でFM放送波をダイバーシティー受信し、サイドガラス63にプリントされているサイドガラス用のAM放送波用ガラスアンテナ7で、AM放送波を受信している。本発明の実施例1に係るアンテナである第1のアンテナ2及び第2のアンテナ3並びにサイドガラス用のAM放送波用ガラスアンテナ7とは、それぞれ別々の給電線が接続され、各給電線は自動車6に備えられた図示されていない受信機に接続されている。
【0135】
サイドガラス用のAM放送波用ガラスアンテナ7は、サイドガラス63の周縁部に配設されたサイドガラス用のAM放送波用ガラスアンテナの給電点71及びサイドガラス用のAM放送波用ガラスアンテナの給電点71に接続されたサイドガラス用のAM放送波用ガラスアンテナの線条部分72とから構成されている。
【0136】
サイドガラス用のAM放送波用ガラスアンテナ7としては、現在、一般的に自動車のサイドガラスで使用されているサイドガラス用のAM放送波用ガラスアンテナを用いることができる。
【0137】
このような構成にすることによって、AM放送波用アンテナとFM放送波用アンテナとを全てガラスアンテナで構成することができ、自動車の意匠性を向上させることができる。
【0138】
<実施例13>
図28も、ワゴンタイプの自動車6のリアゲート64に本発明の実施例1に係るアンテナパターンを配設されたリアガラス1を取付けられときの、自動車6の側面図及び後面図を示したものである。
【0139】
ただし図28においては、AM放送波は、リアスポイラー65に内蔵された図示されていないAM放送波用アンテナで受信させている点で、実施例12と異なっている。本発明の実施例1に係るアンテナである第1のアンテナ2及び第2のアンテナ3並びにリアスポイラー65に内蔵された図示されていないAM放送波用アンテナとは、それぞれ別々の給電線が接続され、各給電線は自動車6に備えられた図示されていない受信機に接続されている。
【0140】
リアスポイラー65に内蔵された図示されていないAM放送波用アンテナとしては、一般的に自動車で現在使用されているものを用いることができる。
【0141】
このような構成にすることによって、FM放送波用だけではなく、AM放送波も受信できるようになる。
【0142】
実施例13においては、AM放送波用アンテナとして、リアスポイラー65に内蔵したアンテナを用いたが、AM放送波用アンテナは、リアスポイラー65に内蔵する必要はなく、自動車のバンパーに内蔵したり、自動車の底部に配設したり、自動車のルーフに配設したりと、様々な場所に配設することが可能である。
【0143】
以上好適な実施の形態について述べたが、本発明はこれに限定されるものではなく種々の応用が考えられるものである。
【0144】
<参考例>
図12は本発明の参考例に係るアンテナパターンの車外側から見た正面図である。本参考例のアンテナは、実施例1のアンテナのうちの第2のアンテナ3を取り除き、第1のアンテナ2のみを残したものであり、本参考例の第1のアンテナ2の寸法は、実施例1の日本国外のFM周波数帯域に合わせたときの第1のアンテナ2の寸法及び比較例1における第1のアンテナ2の寸法と同様である。すなわち、以下の通りの寸法となっている。
【0145】
リアガラス1の縦方向の幅f=500mm
リアガラス1の横方向の幅g=1300mm
リアガラス1の中心線aから第1のアンテナの給電部21までの横方向の距離b=140mm
フランジ5の上縁端と第1のアンテナの給電部21との間隔=10mm
第1のアンテナの給電部21の大きさ:横X縦=22mm X 10mm
第1のアンテナの垂直線条22の長さ=60mm
第1のアンテナの水平線条23の長さ=240mm
第1のアンテナの水平線条23の第1のアンテナの垂直線条22との接続部分から右側23aの長さ=90mm
第1のアンテナの水平線条23の第1のアンテナの垂直線条22との接続部分から左側23bの長さ=150mm
デフォッガ4の最上部の加熱水平線条42と第1のアンテナの水平線条23との間隔d=10mm
本参考例のアンテナを、リアガラス1に導電性セラミックペーストによって、各線条の幅を0.7mmとなるように印刷し、乾燥後、加熱炉によって焼付けして、第1のアンテナの給電部21にAV線を取り付けた上で、車体に取り付ける。そして、図示しないチューナーから延ばした同軸ケーブルを前記各給電点近傍の車体に設けた接地点において、前記同軸ケーブルの外皮導体を接地し、前記同軸ケーブルの芯線側を前記AV線と接続した。
【0146】
このようにして作成した本実施例のアンテナで日本国内外のFM帯域の周波数76〜108MHzにおける放送波を受信したところ、図21〜図22に示される結果が得られた。
【0147】
図21は、本参考例のアンテナの76MHz〜108MHzの各周波数における受信感度の全方位での平均値を示すものであり、実線が第1のアンテナ2の測定結果である。
【0148】
図22は、本参考例のアンテナの90MHzにおける受信感度についての指向特性図を示したものであり、実線が第1のアンテナ2の測定結果である。
【0149】
図21の本参考例の日本国外帯の88MHz〜108MHzでの受信感度の全方位での平均値は、図15の実施例1の日本国外帯に寸法を合わしたときの実線で示される第1のアンテナ2に関する測定結果や図23の比較例1の実線で示される第1のアンテナ2に関する測定結果に対して、値が大きいことがわかる。
【0150】
しかしながら、図22の本参考例の90MHzでの指向特性を見ると、矢印で指し示した2箇所で指向特性が窪んでおり、図16の実施例1の日本国外帯にアンテナ寸法を合わしたときの実線で示される第1のアンテナ2に関する測定結果や図24の比較例1の実線で示される第1のアンテナ2に関する測定結果と同様な傾向を示しており、本参考例の第1のアンテナ2の受信感度についての指向特性は、図13に示される後述する比較例1の第1のアンテナ2の受信感度についての指向特性とほぼ同様であることがわかる。
【0151】
そのため、図13の比較例1のように、本参考例の第1のアンテナ2にさらに、第2のアンテナの給電部31、第2のアンテナの垂直線条32及び第2のアンテナの水平線条33とのみから構成される第2のアンテナ3を追加するのみでは、2本のアンテナでFM放送波をダイバーシティー受信する際に、本参考例のように1本のアンテナで受信する場合に比べて受信性能が下がってしまうことが懸念される。
【0152】
<比較例1>
図13は本発明の実施例1に係る比較例である比較例1のアンテナパターンの車外側から見た正面図である。本比較例のアンテナは、実施例1の日本国外帯域に寸法を合わせたアンテナのうちの第2のアンテナ3から第2のアンテナの第1の補助線条34を取り除いたものであり、そのほかの点では実施例1のアンテナと同じである。すなわち、以下の通りの寸法となっている。
【0153】
リアガラス1の縦方向の幅f=500mm
リアガラス1の横方向の幅g=1300mm
リアガラス1の中心線aから第1のアンテナの給電部21までの横方向の距離b=140mm
リアガラス1の中心線bから第2のアンテナの給電部31までの横方向の距離c=140mm
フランジ5の上縁端と第1のアンテナの給電部21との間隔=10mm
フランジ5の上縁端と第2のアンテナの給電部31との間隔=10mm
第1のアンテナの給電部21の大きさ:横X縦=22mm X 10mm
第1のアンテナの垂直線条22の長さ=60mm
第1のアンテナの水平線条23の長さ=240mm
第1のアンテナの水平線条23の第1のアンテナの垂直線条22との接続部分から右側23aの長さ=90mm
第1のアンテナの水平線条23の第1のアンテナの垂直線条22との接続部分から左側23bの長さ=150mm
デフォッガ4の最上部の加熱水平線条42と第1のアンテナの水平線条23との間隔d=10mm
第2のアンテナの給電部31の大きさ:横X縦=22mm X 10mm
第2のアンテナの垂直線条32の長さ=60mm
第2のアンテナの水平線条33の長さ=170mm
デフォッガ4の最上部の加熱水平線条42と第2のアンテナの水平線条23との間隔d’=10mm
本比較例のアンテナを、リアガラス1に導電性セラミックペーストによって、各線条の幅を0.7mmとなるように印刷し、乾燥後、加熱炉によって焼付けして、第1のアンテナの給電部21にAV線を取り付けた上で、車体に取り付ける。そして、図示しないチューナーから延ばした同軸ケーブルを前記各給電点近傍の車体に設けた接地点において、前記同軸ケーブルの外皮導体を接地し、前記同軸ケーブルの芯線側を前記AV線と接続した。
【0154】
このようにして作成した本比較例のアンテナで日本国内外のFM帯域の周波数76〜108MHzにおける放送波を受信したところ、図23〜図24に示される結果が得られた。
【0155】
図23は、本実施例のアンテナの76MHz〜108MHzの各周波数における受信感度の全方位での平均値を示すものであり、実線は第1のアンテナ2の測定結果、破線は第2のアンテナ3の測定結果である。
【0156】
図24は、本実施例のアンテナの90MHzにおける受信感度についての指向特性図を示したものであり、実線は第1のアンテナ2の測定結果、破線は第2のアンテナ3の測定結果である。
【0157】
図24より、第1のアンテナ2の受信感度についての指向特性と第2のアンテナ3の受信感度における指向特性とが相似形となっていることがわかり、比較例1のように第1のアンテナ2にも第2のアンテナ3にも前記補助線条が存在しない場合、FM放送波に対して良好なダイバーシティー受信ができないことが理解できる。
【0158】
<比較例2>
図14は本発明の実施例3に係る比較例である比較例2のアンテナパターンの車外側から見た正面図である。本比較例のアンテナは、実施例3のアンテナのうちの第1のアンテナ2から第1のアンテナの第1の補助線条24を取り除き、さらに第2のアンテナ3から第2のアンテナの第1の補助線条34を取り除いたものであり、そのほかの点では実施例3のアンテナと同じである。すなわち、以下の通りの寸法となっている。
【0159】
リアガラス1の縦方向の幅f=500mm
リアガラス1の横方向の幅g=1300mm
リアガラス1の中心線aから第1のアンテナの給電部21までの横方向の距離b=140mm
リアガラス1の中心線bから第2のアンテナの給電部31までの横方向の距離c=140mm
フランジ5の上縁端と第1のアンテナの給電部21との間隔=10mm
フランジ5の上縁端と第2のアンテナの給電部31との間隔=10mm
第1のアンテナの給電部21の大きさ:横X縦=22mm X 10mm
第1のアンテナの垂直線条22の長さ=60mm
第1のアンテナの水平線条23の長さ=90mm
デフォッガ4の最上部の加熱水平線条42と第1のアンテナの水平線条23との間隔d=10mm
第2のアンテナの給電部31の大きさ:横X縦=22mm X 10mm
第2のアンテナの垂直線条32の長さ=60mm
第2のアンテナの水平線条33の長さ=170mm
デフォッガ4の最上部の加熱水平線条42と第2のアンテナの水平線条23との間隔d’=10mm
本比較例のアンテナを、リアガラス1に導電性セラミックペーストによって、各線条の幅を0.7mmとなるように印刷し、乾燥後、加熱炉によって焼付けして、第1のアンテナの給電部21にAV線を取り付けた上で、車体に取り付ける。そして、図示しないチューナーから延ばした同軸ケーブルを前記各給電点近傍の車体に設けた接地点において、前記同軸ケーブルの外皮導体を接地し、前記同軸ケーブルの芯線側を前記AV線と接続した。
【0160】
このようにして作成した本比較例のアンテナで日本国内外のFM帯域の周波数76〜108MHzにおける放送波を受信したところ、図25〜図26に示される結果が得られた。
【0161】
図25は、本実施例のアンテナの76MHz〜108MHzの各周波数における受信感度の全方位での平均値を示すものであり、実線は第1のアンテナ2の測定結果、破線は第2のアンテナ3の測定結果である。
【0162】
図26は、本実施例のアンテナの90MHzにおける受信感度についての指向特性図を示したものであり、実線は第1のアンテナ2の測定結果、破線は第2のアンテナ3の測定結果である。
【0163】
図26より、第1のアンテナ2の受信感度についての指向特性と第2のアンテナ3の受信感度における指向特性とが相似形となっていることがわかり、比較例1のように第1のアンテナ2にも第2のアンテナ3にも前記補助線条が存在しない場合、FM放送波に対して良好なダイバーシティー受信ができないことが理解できる。
【符号の説明】
【0164】
1 リアガラス
2 第1のアンテナ
21 第1のアンテナの給電部
211 第1のアンテナの給電線条
22 第1のアンテナの垂直線条
22a 第1のアンテナの垂直線条における第1のアンテナの第1の補助線条との接続点から上側部分
22b 第1のアンテナの垂直線条における第1のアンテナの第1の補助線条との接続点から下側部分
23 第1のアンテナの水平線条
23a 第1のアンテナの水平線条における、第1のアンテナの垂直線条下端から右側部分
23b 第1のアンテナの水平線条における、第1のアンテナの垂直線条下端から左側部分
24 第1のアンテナの第1の補助線条
3 第2のアンテナ
31 第2のアンテナの給電部
311 第2のアンテナの給電線条
32 第2のアンテナの垂直線条
32a 第2のアンテナの垂直線条における第2のアンテナの第1の補助線条との接続点から上側部分
32b 第2のアンテナの垂直線条における第2のアンテナの第1の補助線条との接続点から下側部分
32a’ 第2のアンテナの垂直線条の第2の補助線条との接続点から上側部分
32b’ 第2のアンテナの垂直線条の第2の補助線条との接続点から下側部分
33 第2のアンテナの水平線条
33a 第2のアンテナの水平線条における、第2のアンテナの垂直線条下端から左側部分
33b 第2のアンテナの水平線条における、第2のアンテナの垂直線条下端から右側部分
34 第2のアンテナの第1の補助線条
34’ 第2のアンテナの第2の補助線条
34’a 第2のアンテナの第2の補助線条の折曲部
4 デフォッガ
41 バスバ
42 加熱水平線条
43 デフォッガの垂直線条
5 フランジ上縁端
6 ワゴンタイプの自動車
61 フロントドアガラス
62 リアドアガラス
63 サイドガラス
64 リアゲート
65 リアスポイラー
7 サイドガラス用のAM放送波用ガラスアンテナ
71 サイドガラス用のAM放送波用ガラスアンテナの給電点
72 サイドガラス用のAM放送波用ガラスアンテナの線条部分
a リアガラスの中心線
b リアガラスの中心線と第1のアンテナの給電部との間隔
c リアガラスの中心線と第2のアンテナの給電部との間隔
d デフォッガの最上部の加熱線条と第1のアンテナの水平線条の間隔
d’ デフォッガの最上部の加熱線条と第2のアンテナの水平線条の間隔
e 補助線条同士又は補助線条と水平線条との間隔
f リアガラスの縦方向の幅
g リアガラスの横方向の幅
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のリアゲートに取付けられたリアガラスのデフォッガ上部余白部に設けられており、FM放送波をダイバーシティー受信するのに好適なガラスアンテナに関するものである。
【背景技術】
【0002】
FMラジオ放送用の周波数帯域は日本国内では76MHz〜90MHz、日本国以外では88MHz〜108MHzである。
【0003】
自動車にアンテナを設ける場合、前記アンテナは、車体から電気的な影響を受けるため、一般的に受信感度について等方的な指向特性を得るのが難しい。そのため、指向特性の異なる複数のアンテナを空間的に離れた位置に配設し、前記複数のアンテナでダイバーシティー受信させることにより受信性能を向上させている。
【0004】
セダンタイプの自動車でFM放送波をダイバーシティー受信させる場合には、リアガラスのデフォッガの余白部に2本のガラスアンテナを空間的に離して設けることがある。
【0005】
しかしながら、ワゴン車やSUV(Sport Utility Vehicle:スポーツ多目的車)車などのリアゲートを備えた自動車の場合は、セダンタイプの自動車に比べてリアガラスの車体への取付角度が大きいため、リアゲートを備えた自動車のリアガラスの縦方向の寸法は、セダンタイプの自動車のリアガラスの縦方向の寸法に比べて小さくなる。そのため、リアゲートを備えた自動車の場合、そのリアガラスのデフォッガの上下余白部のスペースが小さくなり、前記リアガラスに複数のアンテナを配設することが難しくなる。
【0006】
そこで、リアゲートを備えた自動車でFM放送波をダイバーシティー受信するために、例えば特開2009−105665号公報のように、前記自動車に備えられた2本のアンテナのうち、一本目のアンテナとしては、リアガラスのデフォッガ下部に配設されたガラスアンテナを使用し、もう一本のアンテナとしては、前記自動車のルーフ上に配設されたRMA(Roof Mount Antenna)を使用することが提案されている(特許文献1)。
【0007】
また、特開平2−42802号公報には、リアガラスのデフォッガ上部に配設されたガラスアンテナに関して、水平線条と、前記水平線条に接続され上方に延伸される垂直線条と、前記リアガラスの端部に配設された給電部と、前記垂直線条の上端と前記給電部とを接続するフィーダー線条とからなるFMアンテナが提案されている。このガラスアンテナは、前記水平線条を前記デフォッガの最上部の加熱線条に近接させることによって、前記デフォッガと容量結合させ、受信性能の向上を図っている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009−105665号公報
【特許文献2】特開平2−42802号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1に記載されたリアゲートを備えた自動車でFM放送波をダイバーシティー受信するアンテナは、前記自動車に2本備えられたアンテナのうちの一本がリアガラスのデフォッガ下部の余白部に配設され、もう一本のアンテナが前記自動車のルーフに配設されているため、それぞれのアンテナを別々に受信機から伸びる給電線と接続しなければならず、自動車の組立工数を増大させてしまう問題があった。
【0010】
また、特許文献2に記載されたアンテナは、ガラスアンテナをデフォッガに容量結合させることによって、リアガラスの上部余白部のスペースが小さい場合であっても、比較的良好な受信感度を得ることができる。しかしながら、前記ガラスアンテナをデフォッガの上部余白部の左右に一本ずつ給電部の距離を離して2本配設した場合に、それぞれのガラスアンテナがお互いに電気的に相互に干渉し、それぞれのアンテナの受信感度についての指向特性がほとんど同じになってしまうため、ダイバーシティー受信の効果が得られない問題があった。
【0011】
本発明は、これらの問題点の解決を図る。すなわちリアゲートを備えた自動車でFM放送波を受信する際に、前記リアゲートに取付けられたリアガラスのデフォッガの上部余白部に2本のガラスアンテナを配設しても、前記2本のガラスアンテナで良好なダイバーシティー受信を行えるようにすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
すなわち、本発明は、バスバと前記バスバに接続された複数の加熱線条からなるデフォッガを備えたリアガラスの前記デフォッガ上部余白部に配設されたFM放送波をダイバーシティー受信するための車両用ガラスアンテナであり、FM放送波用の第1のアンテナとFM放送波用の第2のアンテナとの2本のアンテナからなっている車両用ガラスアンテナである。
【0013】
前記第1のアンテナと前記第2のアンテナとは、それぞれ前記リアガラスの上端部に左右に離隔されて配設された給電部と、前記給電部に接続され下垂される垂直線条と、前記垂直線条の下端に接続される水平線条とを備えている。そして、前記2本のアンテナが有している前記水平線条はそれぞれ、前記デフォッガの最上部の加熱水平線条に近接して配設され、前記最上部の加熱水平線条と容量結合している。
【0014】
そして、前記2本のアンテナのうちの少なくとも一方の前記垂直線条又は前記給電部に、指向特性調整用の補助線条を少なくとも一本接続している。
【0015】
また、前記2本のアンテナに備えられる補助線条の全部又は一部が、前記2本のアンテナのうちのいずれかのアンテナに接続される前記水平線条と縦方向に間隔を置いて重なり合っているときには、前記間隔が10mm以上であるようにしておくことが好ましい。
【0016】
さらにまた、前記2本のアンテナの両方にそれぞれ少なくとも一本の補助線条が接続されており、それぞれのアンテナに接続された補助線条のうち、リアガラスの中心線方向に延伸されている補助線条同士が縦方向に間隔を置いて重なり合っているときには、前記間隔が10mm以上であるようにしておくことが好ましい。
【0017】
また、前記2本のアンテナに備えられている水平線条のうちの少なくとも一本の一端部に指向性調整用の補助線条を接続することができる。
【0018】
前記2つのアンテナのうちの少なくとも一方のアンテナに備えられた給電部が水平方向に伸びる給電線条を備えており、前記給電線条の先端を、前記アンテナの前記垂直線条の上端部に接続してもよい。
【0019】
上述の車両用ガラスアンテナと、前記車両用ガラスアンテナが取付られた車両に、AM放送波用アンテナを備えて、FM放送波とAM放送波を受信できるアンテナシステムを構築してもよい。
【0020】
前記AM放送波用アンテナとしては、前記車両のサイドウィンドーに配設されたガラスアンテナを用いてもよい。
【0021】
または、前記AM放送波用アンテナは、前記車両のルーフ又は、リアスポイラー(若しくはバンパーに備えてもよい。
【発明の効果】
【0022】
本発明のFM放送波用の車両用ガラスアンテナは、リアゲートを備えた自動車でFM放送波を受信する際に、前記リアゲートに取付けられた前記リアガラスの前記デフォッガ上部の余白部に配設された2本のアンテナの受信感度についての指向特性をそれぞれ異なるように構成できるため、良好なダイバーシティー受信が行えるとともに、前記リアガラスにダイバーシティー受信用の2本のアンテナを配設するため、自動車の組立工数を削減することも可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施例1のアンテナパターンの車外側から見た正面図。
【図2】本発明の実施例2のアンテナパターンの車外側から見た正面図。
【図3】本発明の実施例3のアンテナパターンの車外側から見た正面図。
【図4】本発明の実施例4のアンテナパターンの車外側から見た正面図。
【図5】本発明の実施例5のアンテナパターンの車外側から見た正面図。
【図6】本発明の実施例6のアンテナパターンの車外側から見た正面図。
【図7】本発明の実施例7のアンテナパターンの車外側から見た正面図。
【図8】本発明の実施例8のアンテナパターンの車外側から見た正面図。
【図9】本発明の実施例9のアンテナパターンの車外側から見た正面図。
【図10】本発明の実施例10のアンテナパターンの車外側から見た正面図。
【図11】本発明の実施例11のアンテナパターンの車外側から見た正面図。
【図12】本発明の参考例のアンテナパターンの車外側から見た正面図。
【図13】本発明の比較例1のアンテナパターンの車外側から見た正面図。
【図14】本発明の比較例2のアンテナパターンの車外側から見た正面図。
【図15】本発明の実施例1のアンテナの構成を日本国外のFM周波数帯に合わせたときの、本発明の実施例1のアンテナの各周波数における平均感度を比較した周波数特性図。
【図16】本発明の実施例1のアンテナの構成を日本国外のFM周波数帯に合わせたときの、本発明の実施例1の90MHzでの受信感度についての指向性特性図。
【図17】本発明の実施例1のアンテナの構成を日本国内のFM周波数帯に合わせたときの、本発明の実施例1のアンテナの各周波数における平均感度を比較した周波数特性図。
【図18】本発明の実施例1のアンテナの構成を日本国内のFM周波数帯に合わせたときの、本発明の実施例1の78MHzでの受信感度についての指向性特性図。
【図19】本発明の実施例2のアンテナの構成を日本国外のFM周波数帯に合わせたときの、本発明の実施例2のアンテナの各周波数における平均感度を比較した周波数特性図。
【図20】本発明の実施例2のアンテナの構成を日本国外のFM周波数帯に合わせたときの、本発明の実施例2の90MHzでの受信感度についての指向性特性図。
【図21】本発明の参考例のアンテナの構成を日本国外のFM周波数帯に合わせたときの、本発明の参考例のアンテナの各周波数における平均感度を比較した周波数特性図。
【図22】本発明の参考例のアンテナの構成を日本国外のFM周波数帯に合わせたときの、本発明の参考例の90MHzでの受信感度についての指向性特性図。
【図23】本発明の比較例1のアンテナの構成を日本国外のFM周波数帯に合わせたときの、本発明の比較例1のアンテナの各周波数における平均感度を比較した周波数特性図。
【図24】本発明の比較例1のアンテナの構成を日本国外のFM周波数帯に合わせたときの、本発明の比較例1の90MHzでの受信感度についての指向性特性図。
【図25】本発明の比較例2のアンテナの構成を日本国外のFM周波数帯に合わせたときの、本発明の比較例2のアンテナの各周波数における平均感度を比較した周波数特性図。
【図26】本発明の比較例2のアンテナの構成を日本国外のFM周波数帯に合わせたときの、本発明の比較例2の90MHzでの受信感度についての指向性特性図。
【図27】ワゴンタイプの自動車のリアゲートに本発明の実施例1に係るアンテナパターンを配設されたリアガラスとAM放送波用ガラスアンテナが配設されたサイドガラスとが取り付けられときの前記自動車の側面図及び後面図。
【図28】ワゴンタイプの自動車のリアゲートに本発明の実施例1に係るアンテナパターンを配設されたリアガラスとAM放送波用アンテナを内蔵したリアスポイラーとが取り付けられときの前記自動車の側面図及び後面図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
<全体>
本発明のアンテナは、図1から図11に示すリアガラス1のようにリアガラスの縦方向の幅fが狭いために、デフォッガ4の上部余白部の狭い場合であっても、デフォッガ4の上部余白部に第1のアンテナ2と第2のアンテナ3とを配設し、この2本のアンテナによってFM放送波を良好にダイバーシティー受信することができるガラスアンテナである。
【0025】
そのため、本発明のアンテナは、例えば、図27、図28のような自動車6のようにワゴンタイプやSUV(Sport Utility Vehicle:スポーツ多目的車)などのリアゲート(自動車の後部に設けられた開閉部)64を備えた自動車のリアゲート64に取付けられたリアガラス1のようにリアガラスの縦方向の幅fが狭いリアガラスのデフォッガ4の上部余白部に配設してもFM放送波を良好にダイバーシティー受信することができる。
【0026】
<第1のアンテナと第2のアンテナの基本となる構成について>
本発明のアンテナは、図1に示すように、リアガラス1のデフォッガ4の上部余白部に設けられているガラスアンテナであり、前記上部余白部に、第1のアンテナ2と第2のアンテナ3とが配設されており、この2つのアンテナでFM放送波をダイバーシティー受信する。
【0027】
第1のアンテナ2も第2のアンテナ3も、基本となる構成は例えば図13、図14に示されるようなガラスアンテナである。
【0028】
すなわち、第1のアンテナ2も第2のアンテナ3も、リアガラスの上端部に配設される第1のアンテナの給電部21及び第2のアンテナの給電部31と、第1のアンテナの給電部21及び第2のアンテナの給電部31にそれぞれ接続され、第1のアンテナの給電部21及び第2のアンテナの給電部31からそれぞれ下垂される第1のアンテナの垂直線条22及び第2のアンテナの垂直線条32と、第1のアンテナの垂直線条22及び第2のアンテナの垂直線条32のそれぞれの下端にそれぞれ接続される第1のアンテナの水平線条23及び第2のアンテナの水平線条33とからその基本が構成されている。
【0029】
そして、第1のアンテナの給電部21と第2のアンテナの給電部31とは、リアガラス1の左右に離して配設されている。
【0030】
第1のアンテナの水平線条23及び第2のアンテナの水平線条33は、いずれも、デフォッガ4の加熱水平線条42のうちの最上部の加熱水平線条42に近接して配設されており、前記最上部の加熱水平線条42と第1のアンテナの水平線条23及び第2のアンテナの水平線条33とが容量結合することによって、デフォッガ4の上部余白部の縦方向の幅が狭い場合であっても、良好な受信感度を得ることができる。第1のアンテナの水平線条23及び第2のアンテナの水平線条33と、デフォッガ4の加熱水平線条42のうちの最上部の加熱水平線条42との間隔d及び間隔d’は10mm以下にするとよい。
【0031】
また、第1のアンテナの水平線条23と第2のアンテナの水平線条33のそれぞれの長さ及び、第1のアンテナの水平線条23の第1のアンテナの垂直線条22の接続位置と第2のアンテナの水平線条33の第2のアンテナの垂直線条32との接続位置並びに、第1のアンテナの垂直線条22と第2のアンテナの垂直線条32の長さを調整することによって、所望のFM放送波の周波数にアンテナの入力インピーダンスを給電点21、31に接続される給電線の特性インピーダンスに整合させることができ、良好な受信感度を得ることができる。
【0032】
通常、第1のアンテナの給電部21と第2のアンテナの給電部31は、リアガラスの周縁部の黒枠と呼ばれる黒色セラミックが印刷・焼成された領域に設けられており、かつデフォッガ4の上部余白部の縦方向の幅は自動車によって定まっているので、第1のアンテナの垂直線条22と第2のアンテナの垂直線条32の長さは変化させられる余地が小さい。そのため、図10、図11に示される第1のアンテナの給電部21及び第2のアンテナの給電部31のようにそれぞれの給電部を第1のアンテナの垂直線条22及び第2のアンテナの垂直線条32の上端から離れた位置に配設し、第1のアンテナの給電部21及び第2のアンテナの給電部31からそれぞれ第1のアンテナの給電線条211及び第2のアンテナの給電線条311を延伸し、それぞれ第1のアンテナの垂直線条22及び第2のアンテナの垂直線条32の上端とを接続すると、前記給電線条の長さを変化させることによって、前記垂直線条の長さを変化させるのと同じように前記アンテナの入力インピーダンスを調整する効果が得られる。
【0033】
第1のアンテナの垂直線条22及び第2のアンテナの垂直線条32が配設されていることによって、第1のアンテナの給電部21及ぶ第2のアンテナの給電部31をリアガラスの上端部に配設することができるようになるため、前記各給電部を目立たなくすることができる。すなわち、リアガラスの上端部を含む周縁部には通常、黒枠と呼ばれる黒色セラミックが印刷・焼成された領域があるので、前記各給電部をリアガラスの上端部に配設することができれば、前記各給電部が黒枠で隠れるため、車外側から本発明のアンテナを見るときに、第1のアンテナの給電部21及ぶ第2のアンテナの給電部31は目立たなくなる。また、通常、リアガラスの上端部を含む周縁部は、車内側は内装材で覆われるため、車内側から見ても、第1のアンテナの給電部21及ぶ第2のアンテナの給電部31を見えなくさせることができる。
【0034】
<第1のアンテナと第2のアンテナとを前記基本となる構成のみで構成することの問題点>
第1のアンテナ2、第2のアンテナ3は、上記で示した基本となる構成、すなわち図13、図14に示されるように、第1のアンテナ2及び第2のアンテナ3とが、それぞれ第1のアンテナの給電部21及び第2のアンテナの給電部31、第1のアンテナの垂直線条22及び第2のアンテナの垂直線条32そして、第1のアンテナの水平線条23及び第2のアンテナ水平線条33のみから構成された場合、第1のアンテナ2と第2のアンテナ3とは、それぞれのアンテナが容量結合しているデフォッガ4を介して相互に電気的に影響しあい、互いの受信感度についての指向特性がほとんど同じになってしまう。
【0035】
そのため、図13、図14のような構成で、ダイバーシティー受信を行っても、第1のアンテナ2と第2のアンテナ3の受信感度についての指向特性がほとんど同じになっているので、受信性能を向上させることができない。
【0036】
<補助線条の本数について>
そこで、本発明のアンテナは例えば図1から図10に示すように、第1のアンテナ2と第2のアンテナ3の第1のアンテナの垂直線条22若しくは第2のアンテナの垂直線条32の途中部又は第1のアンテナの給電部21若しくは第2のアンテナの給電部31のいずれかに少なくとも1本の指向性調整用の補助線条を接続することによって受信感度についての指向特性を変化させ、第1のアンテナ2と第2のアンテナ3との受信感度についての指向特性が異なるようにする。
【0037】
または、前記補助線条は、図8に示される第2のアンテナ3のように第2のアンテナの水平線条33の先端に接続しているように、第1のアンテナの水平線条23の先端又は第2のアンテナの水平線条の先端のいずれかに指向特性を変化させるための補助線条を接続することができる。
【0038】
前記補助線条は、例えば図1、図2、図4、図6、図7、図8、図9、図10及び図11のように第1のアンテナ2と第2のアンテナ3のいずれか一方のアンテナに接続することでそれぞれのアンテナの指向特性を変化させることができる。
【0039】
または、図3、図5のように、第1のアンテナ2と第2のアンテナ3の両方に前記補助線条を接続してもよい。
【0040】
第1のアンテナ2又は第2のアンテナ3に前記補助線条を接続する場合、図1、図2、図3、図4、図5、図10、図11のように1本だけ接続してもよいし、図6、図7、図8、図9のように2本接続してもよい。
【0041】
図6、図7、図8、図9の第2のアンテナ3のように1本のアンテナに前記補助線条を2本接続する場合には、図6、図7、図8、図9の第2のアンテナ3のように前記2本の補助線条をそれぞれの接続位置からそれぞれ反対方向に延伸するようにすると、前記2本の補助線条が相互に近接しないため、前記2本の補助線条同士で相互に電気的に影響することを防ぐことができ、前記2本の補助線条の長さを変化させたり、前記垂直線条や前記給電部との前記補助線条の接続位置を変化させたりすることで、柔軟に指向特性を変化させることができる。
【0042】
第1のアンテナ2や第2のアンテナ3への前記補助線条の接続本数が増えるほど、指向特性を調整するための要素が増えることになる。しかし、前記補助線条の本数を増やしていくと、前記補助線条同士が近接するようになるため、前記補助線条同士が電気的に相互に影響しやすくなる。そのため、前記補助線条の本数を増やしていき、それぞれの前記補助線条の長さや前記垂直線条や前記給電部との接続位置の調整を行っても、指向特性を大きく変化させられなくなっていってしまう。
【0043】
<補助線条の位置について>
図5、図6の第2のアンテナ3のように前記アンテナに接続されている前記補助線条がそのアンテナの前記水平線条と縦方向にある間隔eをもって重なり合って存在している場合、その間隔eが狭いとき、前記補助線条は、前記水平線条と容量結合してしまうため、前記補助線条の接続によって指向特性は変化するが、前記間隔eが広い場合に比べてその変化量は小さくなる。
【0044】
そのため、図1、図3、図5の第2のアンテナ3や、図3、図4の第1のアンテナ2のように、前記垂直線条に対して前記水平線条と前記補助線条とを、それぞれ正反対に延伸させると前記補助線条によって指向特性を調整しやすくなる。
【0045】
また、前記アンテナが複数本の補助線条を接続しており、それぞれの補助線条が縦方向にある間隔をもって重なり合っている場合に、その間隔が狭い場合には、複数本の補助線条が容量結合するため、1本目の補助線条を接続した場合に比べ、2本目の補助線条を接続したときの指向特性の変化は小さくなる。
【0046】
さらに、前記補助線条のうち少なくとも1本の前記補助線条が、図1、図2、図4、図8、図9、図10のように、前記補助線条が接続されている前記アンテナとは異なるもう一方のアンテナの前記水平線条とリアガラスの縦方向にある間隔eをもって重なり合っている部分があるときに、その間隔eが狭いときには、前記2本のアンテナが前記重なり合っている部分を介して電気的に結合してしまうため、前記重なり合っている部分が存在しないか、又は前記重なり合っている部分の間隔eが広い場合に比べて指向特性の変化は小さなものとなる。
【0047】
さらにまた、前記補助線条のうち少なくとも1本の前記補助線条が、図3の第1のアンテナの第1の補助線条24と第2のアンテナの第1の補助線条34のように、2本のアンテナにそれぞれ接続されている前記補助線条同士がリアガラスの縦方向にある間隔eをもって重なり合っている部分があるときに、その間隔eが狭いときには、前記2本のアンテナが前記重なり合っている部分を介して電気的に結合してしまうため、前記重なり合っている部分が存在しないか、又は前記重なり合っている部分の間隔eが広い場合に比べて指向特性の変化は小さなものとなる。
【0048】
そのため、前記補助線条同士が縦方向にある間隔eをもって重なり合っている場合及び前記補助線条と前記水平線条とが縦方向にある間隔eをもって重なり合っている場合、その間隔eを、10mm以上に設定すると、重なり合っている前記線条相互の電気的影響が小さくなるため、前記アンテナの指向特性をより大きく変化させられるようになる。
【0049】
<補助線条の形状について>
前記補助線条の形状は、図1〜図7及び図10において、水平としているが、図8、図9の第2のアンテナ3の第2の補助線条34’のように折り曲げて配置しても構わない。
【0050】
<給電部と給電線との接続について>
本発明のアンテナは、第1のアンテナの給電部21及び第2のアンテナの給電部31の近傍の車体上に図示しない接地点を設けており、図示しない受信機から接地点までを図示しない同軸ケーブルで接続し、前記同軸ケーブルの外皮側は接地し、前記同軸ケーブルの芯線側は、図示しないAV線に接続し、接地点から第1のアンテナの給電部21及び第2のアンテナの給電部31までを接続している。
【0051】
<本発明の各線条の形成方法について>
本発明のアンテナは、デフォッガ4を形成するのと同じ導電性セラミックペーストを用いることができ、デフォッガ4と同じ方法で印刷し、加熱炉によって焼付けることができるため、デフォッガ4の形成と同時に形成することができる。または、本発明のアンテナは、透明フィルム上に導電性塗料によってプリントしたものを、リアガラス1のデフォッガ4の上部余白部に貼り付けて使用することもできる。
【0052】
<本発明のアンテナを搭載した自動車について>
本発明のアンテナは、FM放送波用のアンテナであるため、例えばAM放送波や地上デジタルテレビ放送波など異なる帯域も自動車で受信したい場合には、その用途に則したアンテナを前記自動車に設置する必要がある。
【0053】
例えば、AM放送波も受信したい場合には、図27に示したようにサイドガラス63にサイドガラス用のAM放送波用アンテナ7を配設したり、前記自動車のバンパーや図28に示したようなリアスポイラー65の中にAM放送波用アンテナを内蔵させたりすることができる。
【0054】
また、地上デジタル放送波を受信したい場合には、フロントガラスやサイドガラス63に地上デジタル放送用のガラスアンテナやフィルムアンテナを配設することができる。
【実施例】
【0055】
以下に本発明の各実施例について説明する。
【0056】
<実施例1>
図1は本発明の実施例1に係るアンテナパターンの車外側から見た正面図である。実施例1のアンテナは、リアガラス1の左右端部に配設された1対のバスバ41と、前記1対のバスバの間に配設され、その両端が前記バスバと接続されている複数本の加熱線条42とからなるデフォッガ4の上部余白部に配設されている。
【0057】
本実施例のアンテナは、第1のアンテナ2と第2のアンテナ3とから構成されている。そして、第1のアンテナの給電部21と第2のアンテナの給電部31とはリアガラス1の上辺部にそれぞれ横方向に離れた位置に配設されている。
【0058】
第1のアンテナ2は、第1のアンテナの給電部21と、第1のアンテナの垂直線条22と、第1のアンテナの水平線条23とから構成されている。第1のアンテナの垂直線条22は、その上端が第1のアンテナの給電部21に接続されており、その下端が第1のアンテナの水平線条23の途中部に接続されている。
【0059】
第1のアンテナの水平線条23は、デフォッガ4の最上部の加熱水平線条42に近接するように配設されており、前記最上部の加熱水平線条42と容量結合している。
【0060】
第2のアンテナ3は、第2のアンテナの給電部31と、第2のアンテナの垂直線条32と、第2のアンテナの水平線条33と、第2のアンテナの第1の補助線条34とから構成されている。第2のアンテナの垂直線条32は、その上端が第2のアンテナの給電部31に接続されており、その下端は、第2のアンテナの水平線条33の右端に接続されている。そして、第2のアンテナの第1の補助線条34は、その一端が第2のアンテナの垂直線条32の途中部に接続され、右方向に水平に延伸されている。
【0061】
第2のアンテナの水平線条33は、デフォッガ4の最上部の加熱水平線条42に近接するように配設されており、前記最上部の加熱水平線条42と容量結合している。
【0062】
<実施例1を日本国外のFM帯域に合わせて構成を調整したときの測定結果>
本実施例のアンテナの構成を日本国外のFM帯域(88MHz〜108MHz)の受信に好適になるように合わせたところ以下の通りの寸法となった。
【0063】
リアガラス1の縦方向の幅f=500mm
リアガラス1の横方向の幅g=1300mm
リアガラス1の中心線aから第1のアンテナの給電部21までの横方向の距離b=140mm
リアガラス1の中心線aから第2のアンテナの給電部31までの横方向の距離c=140mm
フランジ5の上縁端と第1のアンテナの給電部21との間隔=10mm
フランジ5の上縁端と第2のアンテナの給電部31との間隔=10mm
第1のアンテナの給電部21の大きさ:横X縦=22mm X 10mm
第1のアンテナの垂直線条22の長さ=60mm
第1のアンテナの水平線条23の長さ=240mm
第1のアンテナの水平線条23の第1のアンテナの垂直線条22との接続部分から右側23aの長さ=90mm
第1のアンテナの水平線条23の第1のアンテナの垂直線条22との接続部分から左側23bの長さ=150mm
デフォッガ4の最上部の加熱水平線条42と第1のアンテナの水平線条23との間隔d=10mm
第2のアンテナの給電部31の大きさ:横X縦=22mm X 10mm
第2のアンテナの垂直線条32の長さ=60mm
第2のアンテナの第1の補助線条34の長さ=200mm
第2のアンテナの垂直線条32の第2のアンテナの第1の補助線条34との接続部よりも下側32aの長さ=20mm
第2のアンテナの垂直線条32の第2のアンテナの第1の補助線条34との接続部よりも上側32bの長さ=40mm
第2のアンテナの水平線条33の長さ=170mm
デフォッガ4の最上部の加熱水平線条42と第2のアンテナの水平線条23との間隔d’=10mm
第2のアンテナの第1の補助線条34と第1のアンテナの水平線条23との間隔e=20mm
本実施例のアンテナを、リアガラス1に導電性セラミックペーストによって、各線条の幅を0.7mmとなるように印刷し、乾燥後、加熱炉によって焼付けして、第1のアンテナの給電部21及び第2のアンテナの給電部31のそれぞれにAV線を取り付けた上で、車体に取り付ける。そして、図示しないチューナーから延ばした同軸ケーブルを前記各給電点近傍の車体に設けた接地点において、前記同軸ケーブルの外皮導体を接地し、前記同軸ケーブルの芯線側を前記AV線と接続した。
【0064】
このようにして作成した本実施例のアンテナで日本国内外のFM帯域の周波数76〜108MHzにおける放送波を受信したところ、図15〜図16に示される結果が得られた。
【0065】
図15は、本実施例のアンテナの76MHz〜108MHzの各周波数における受信感度の全方位での平均値を示すものであり、実線は第1のアンテナ2の測定結果、破線は第2のアンテナ3の測定結果である。
【0066】
図16は、本実施例のアンテナの90MHzにおける受信感度についての指向特性図を示したものであり、実線は第1のアンテナ2の測定結果、破線は第2のアンテナ3の測定結果である。
【0067】
また、図23、図24は、後述の図13に示される比較例1のアンテナ(第2のアンテナの第1の補助線条34を備えていない点で、実施例1のアンテナとは異なる構成であるアンテナ)の実施例1と同じ測定条件での測定結果である。
【0068】
図23は、本実施例の比較例である比較例1のアンテナの76MHz〜108MHzの各周波数における受信感度の全方位での平均値を示すものであり、実線は第1のアンテナ2の測定結果、破線は第2のアンテナ3の測定結果である。
【0069】
図24は、本実施例の比較例である比較例1のアンテナの90MHzにおける受信感度についての指向特性図を示したものであり、実線は第1のアンテナ2の測定結果、破線は第2のアンテナ3の測定結果である。
【0070】
図24より、第2のアンテナ3に補助線条が接続されていない場合に、第1のアンテナ2の受信感度についての指向特性と第2のアンテナ3の受信感度についての指向性とは、その指向特性が相似形となっていることがわかる。
【0071】
ところが、図16の本実施例の指向特性図と図24に示される本実施例の比較例の比較を行ったところ、矢印で示した方向において、第2のアンテナ3の指向特性が大きく変化しており、その結果、第1のアンテナ2と第2のアンテナ3の指向特性が異なるものとなっていることがわかる。
【0072】
さらに、図15の本実施例のアンテナの各周波数における受信感度の全方位での平均値と、図16の本実施例の比較例である比較例1のアンテナの各周波数における受信感度の全方位での平均値とを比較したところ、第2のアンテナ3に補助線条を接続したことによって第2のアンテナ3の入力インピーダンスが第2のアンテナの給電部31に接続されている給電線の特性インピーダンスと整合が取れ、受信感度が大幅に改善するという結果も得られた。
【0073】
このように補助線条を接続することによって、本実施例のアンテナは、日本国外の周波数帯域において、良好にダイバーシティー受信をおこなうことができた。
【0074】
<実施例1を日本国内のFM帯域に合わせて構成を調整したときの測定結果>
本実施例のアンテナの構成を日本国内のFM帯域(76MHz〜90MHz)の受信に好適になるように合わせたところ以下の通りの寸法となった。
【0075】
リアガラス1の縦方向の幅f=500mm
リアガラス1の横方向の幅g=1300mm
リアガラス1の中心線aから第1のアンテナの給電部21までの横方向の距離b=140mm
リアガラス1の中心線aから第2のアンテナの給電部31までの横方向の距離c=140mm
フランジ5の上縁端と第1のアンテナの給電部21との間隔=10mm
フランジ5の上縁端と第2のアンテナの給電部31との間隔=10mm
第1のアンテナの給電部21の大きさ:横X縦=22mm X 10mm
第1のアンテナの垂直線条22の長さ=60mm
第1のアンテナの水平線条23の長さ=390mm
第1のアンテナの水平線条23の第1のアンテナの垂直線条22との接続部分から右側23aの長さ=240mm
第1のアンテナの水平線条23の第1のアンテナの垂直線条22との接続部分から左側23bの長さ=150mm
デフォッガ4の最上部の加熱水平線条42と第1のアンテナの水平線条23との間隔d=10mm
第2のアンテナの給電部31の大きさ、横X縦=22mm X 10mm
第2のアンテナの垂直線条32の長さ=60mm
第2のアンテナの第1の補助線条34の長さ=200mm
第2のアンテナの垂直線条32の第2のアンテナの第1の補助線条34との接続部よりも下側32aの長さ=20mm
第2のアンテナの垂直線条32の第2のアンテナの第1の補助線条34との接続部よりも上側32bの長さ=40mm
第2のアンテナの水平線条33の長さ=270mm
デフォッガ4の最上部の加熱水平線条42と第2のアンテナの水平線条23との間隔d’=10mm
第2のアンテナの第1の補助線条34と第1のアンテナの水平線条23との間隔e=20mm
本実施例のアンテナを、リアガラス1に導電性セラミックペーストによって、各線条の幅を0.7mmとなるように印刷し、乾燥後、加熱炉によって焼付けして、第1のアンテナの給電部21及び第2のアンテナの給電部31のそれぞれにAV線を取り付けた上で、車体に取り付ける。そして、図示しないチューナーから延ばした同軸ケーブルを前記各給電点近傍の車体に設けた接地点において、前記同軸ケーブルの外皮導体を接地し、前記同軸ケーブルの芯線側を前記AV線と接続した。
【0076】
このようにして作成した本実施例のアンテナで日本国内外のFM帯域の周波数76〜108MHzにおける放送波を受信したところ、図17〜図18に示される結果が得られた。
【0077】
図17は、本実施例のアンテナの76MHz〜108MHzの各周波数における受信感度の全方位での平均値を示すものであり、実線は第1のアンテナ2の測定結果、破線は第2のアンテナ3の測定結果である。
【0078】
図18は、本実施例のアンテナの78MHzにおける受信感度についての指向特性図を示したものであり、実線は第1のアンテナ2の測定結果、破線は第2のアンテナ3の測定結果である。
【0079】
図17を見ると、日本国内帯の76MHz〜90MHzで受信感度の全方位での平均値として大きな値が得られているのがわかる。
【0080】
また図18を見ると、第1のアンテナ2の指向特性は、左側に大きな感度が得られており、第2のアンテナ3の指向特性は右側に大きな感度が得られており、二つのアンテナの指向特性が大きく異なっていることがわかる。
【0081】
このように、本実施例のアンテナは、日本国内帯域において、良好にダイバーシティー受信をおこなうことができた。
【0082】
<実施例2>
図2は本発明の実施例2に係るアンテナパターンの車外側から見た正面図である。実施例2のアンテナは、第2のアンテナの水平線条33の途中部に第2のアンテナの垂直線条32の下端を接続し、第1のアンテナ2及び第2のアンテナ3のそれぞれを構成する線条の長さ及び線条同士の接続位置を調整して、第1のアンテナ2と第2のアンテナ3の入力インピーダンスを給電線と日本国外の周波数帯で整合が取れるようにしたこと以外は、実施例1のアンテナと同じ構成である。
【0083】
本実施例のアンテナを、リアガラス1に導電性セラミックペーストによって、各線条の幅を0.7mmとなるように印刷し、乾燥後、加熱炉によって焼付けして、第1のアンテナの給電部21及び第2のアンテナの給電部31のそれぞれにAV線を取り付けた上で、車体に取り付ける。そして、図示しないチューナーから延ばした同軸ケーブルを前記各給電点近傍の車体に設けた接地点において、前記同軸ケーブルの外皮導体を接地し、前記同軸ケーブルの芯線側を前記AV線と接続した。
【0084】
このようにして作成した本実施例のアンテナで日本国外のFM帯域の周波数88〜108MHzにおける放送波を受信したところ、実施例1と同様に第1のアンテナ2と第2のアンテナ3とで異なる指向特性が得られ、十分実用レベルにあることがわかった。
【0085】
もちろん、本実施例の第1のアンテナ2及び第2のアンテナ3のそれぞれを構成する線条の長さ及び線条同士の接続位置を調整して、第1のアンテナ2と第2のアンテナ3の入力インピーダンスを給電線の特性インピーダンスに日本国内の周波数帯で整合が取れるようにすれば、日本国外の周波数帯に合わせて本実施例を調整した場合と同様に、日本国内の周波数帯域において、本実施例のアンテナで、ダイバーシティー受信の効果が得られる。
【0086】
<実施例3>
図3は本発明の実施例3に係るアンテナパターンの車外側から見た正面図である。実施例3のアンテナは、第1のアンテナの水平線条23が、その左端で第1のアンテナの垂直線条22の下端に接続され、右方向に延伸されており、第1のアンテナの垂直線条22の途中部に第1のアンテナの第1の補助線条24が接続され、左方向に延伸されている点で、実施例1と構成が異なっており、本実施例のアンテナの構成を日本国外のFM帯域(88MHz〜108MHz)の受信に好適になるように合わせたところ以下の通りの寸法となった。
【0087】
リアガラス1の縦方向の幅f=500mm
リアガラス1の横方向の幅g=1300mm
リアガラス1の中心線aから第1のアンテナの給電部21までの横方向の距離b=140mm
リアガラス1の中心線aから第2のアンテナの給電部31までの横方向の距離c=140mm
フランジ5の上縁端と第1のアンテナの給電部21との間隔=10mm
フランジ5の上縁端と第2のアンテナの給電部31との間隔=10mm
第1のアンテナの給電部21の大きさ:横X縦=22mm X 10mm
第1のアンテナの垂直線条22の長さ=60mm
第1のアンテナの第1の補助線条24の長さ=200mm
第1のアンテナの垂直線条22の第1のアンテナの第1の補助線条24との接続部よりも下側22aの長さ=10mm
第1のアンテナの垂直線条22の第1のアンテナの第1の補助線条24との接続部よりも上側22bの長さ=50mm
第1のアンテナの水平線条23の長さ=90mm
デフォッガ4の最上部の加熱水平線条42と第1のアンテナの水平線条23との間隔d=10mm
第2のアンテナの給電部31の大きさ:横X縦=22mm X 10mm
第2のアンテナの垂直線条32の長さ=60mm
第2のアンテナの第1の補助線条34の長さ=200mm
第2のアンテナの垂直線条32の第2のアンテナの第1の補助線条34との接続部よりも下側32aの長さ=20mm
第2のアンテナの垂直線条32の第2のアンテナの第1の補助線条34との接続部よりも上側32bの長さ=40mm
第2のアンテナの水平線条33の長さ=170mm
デフォッガ4の最上部の加熱水平線条42と第2のアンテナの水平線条23との間隔d’=10mm
第2のアンテナの第1の補助線条34と第1のアンテナの第1の補助線条24との間隔e=10mm
本実施例のアンテナを、リアガラス1に導電性セラミックペーストによって、各線条の幅を0.7mmとなるように印刷し、乾燥後、加熱炉によって焼付けして、第1のアンテナの給電部21及び第2のアンテナの給電部31のそれぞれにAV線を取り付けた上で、車体に取り付ける。そして、図示しないチューナーから延ばした同軸ケーブルを前記各給電点近傍の車体に設けた接地点において、前記同軸ケーブルの外皮導体を接地し、前記同軸ケーブルの芯線側を前記AV線と接続した。
【0088】
このようにして作成した本実施例のアンテナで日本国内外のFM帯域の周波数76〜108MHzにおける放送波を受信したところ、図19〜図20に示される結果が得られた。
【0089】
図19は、本実施例のアンテナの76MHz〜108MHzの各周波数における受信感度の全方位での平均値を示すものであり、実線は第1のアンテナ2の測定結果、破線は第2のアンテナ3の測定結果である。
【0090】
図20は、本実施例のアンテナの90MHzにおける受信感度についての指向特性図を示したものであり、実線は第1のアンテナ2の測定結果、破線は第2のアンテナ3の測定結果である。
【0091】
また、図25、図26は、後述の図14に示される比較例2のアンテナ(第1のアンテナの第1の補助線条24及び第2のアンテナの第1の補助線条34を備えていない点で、実施例3のアンテナとは異なる構成のアンテナ)の実施例3と同じ測定条件での測定結果である。
【0092】
図25は、本実施例の比較例である比較例2のアンテナの76MHz〜108MHzの各周波数における受信感度の全方位での平均値を示すものであり、実線は第1のアンテナ2の測定結果、破線は第2のアンテナ3の測定結果である。
【0093】
図26は、本実施例の比較例である比較例2のアンテナの90MHzにおける受信感度についての指向特性図を示したものであり、実線は第1のアンテナ2の測定結果、破線は第2のアンテナ3の測定結果である。
【0094】
図26より、第1のアンテナ2及び第2のアンテナ3にそれぞれ補助線条が接続されていない場合に、第1のアンテナ2と第2のアンテナ3とは、その受信感度についての指向特性が相似形となっていることがわかる。
【0095】
ところが、図20の本実施例の指向特性図と図26に示される本実施例の比較例の比較を行ったところ、矢印で示した方向において、第2のアンテナ3の指向特性が大きく変化しており、その結果、第1のアンテナ2と第2のアンテナ3の指向特性が異なるものとなっていることがわかる。
【0096】
さらに、図19の本実施例のアンテナの各周波数における受信感度の全方位での平均値と、図25の本実施例の比較例である比較例2のアンテナの各周波数における受信感度の全方位での平均値とを比較したところ、第1のアンテナ2に第1のアンテナの補助線条24を接続したことによって第1のアンテナ2の入力インピーダンスが給電線の特性インピーダンスと整合が取れ、受信感度が大幅に改善するという結果も得られた。
【0097】
このように補助線条を接続することによって、本実施例のアンテナは、日本国外の周波数帯域において、良好にダイバーシティー受信をおこなうことができた。
【0098】
また、本実施例においては、第1のアンテナの第1の補助線条24と第2のアンテナの第1の補助線条34との間隔eを10mmとしている。間隔eを10mmよりも小さくしていくに従って、第1のアンテナ2と第2のアンテナ3のそれぞれの受信感度についての指向特性は相似形となっていくため、間隔eは10mm以上になるように本発明のアンテナを構成することが好ましい。
【0099】
もちろん、本実施例の第1のアンテナ2及び第2のアンテナ3のそれぞれを構成する線条の長さ及び線条同士の接続位置を調整して、第1のアンテナ2と第2のアンテナ3の入力インピーダンスを給電線の特性インピーダンスに日本国内の周波数帯で整合が取れるようにすれば、日本国外の周波数帯に合わせて本実施例を調整した場合と同様に、日本国内の周波数帯域において、本実施例のアンテナで、ダイバーシティー受信の効果が得られる。
【0100】
<実施例4>
図4は本発明の実施例4に係るアンテナパターンの車外側から見た正面図である。実施例4のアンテナは、実施例1におけて第1のアンテナ2及び第2のアンテナをそれぞれ構成する線条の構成を調整し、日本国外のFM周波数帯域で前記給電線の特性インピーダンスに前記2本のアンテナの入力インピーダンスを整合させた場合のアンテナパターンにおいて、第1のアンテナ2を中心線aに対して線対称となる位置に移動させ、新たに第2のアンテナ3とし、実施例1における第2のアンテナ3を中心線aに対して線対称となる位置に移動させ、新たに第1のアンテナ2としている。
【0101】
本実施例のアンテナを、リアガラス1に導電性セラミックペーストによって、各線条の幅を0.7mmとなるように印刷し、乾燥後、加熱炉によって焼付けして、第1のアンテナの給電部21及び第2のアンテナの給電部31のそれぞれにAV線を取り付けた上で、車体に取り付ける。そして、図示しないチューナーから延ばした同軸ケーブルを前記各給電点近傍の車体に設けた接地点において、前記同軸ケーブルの外皮導体を接地し、前記同軸ケーブルの芯線側を前記AV線と接続した。
【0102】
このようにして作成した本実施例のアンテナで日本国内外のFM帯域の周波数88〜108MHzにおける放送波を受信したところ、実施例1と同様に第1のアンテナ2と第2のアンテナ3とで異なる指向特性が得られ、十分実用レベルにあることがわかった。
【0103】
このとき、本実施例の第1のアンテナ2の指向特性は、実施例1の第2のアンテナ3の受信感度についての指向特性を左右に反転させたものとなり、本実施例の第2のアンテナ3の指向特性は、実施例1の第1のアンテナ2の受信感度についての指向特性を左右に反転させたものとなった。
【0104】
もちろん、実施例1のアンテナにおいて、実施例1において日本国内のFM周波数帯域に第1のアンテナ2と第2のアンテナ3をそれぞれ構成する線条の構成を調整し、前記2本のアンテナの入力インピーダンスと前記給電線条の特性インピーダンスを整合させた場合であっても、本実施例のように前記2本のアンテナのそれぞれを中心線aに対して線対称となる位置に移動させた際に、日本国外の周波数帯に合わせて本実施例を調整した場合と同様に、日本国内の周波数帯域において、本実施例のアンテナで、ダイバーシティー受信の効果が得られる。
【0105】
<実施例5>
図5は本発明の実施例5に係るアンテナパターンの車外側から見た正面図である。実施例5のアンテナは、第2のアンテナの水平線条33が、その左端を第2のアンテナの垂直線条32の下端に接続され、右方向に延伸されており、第2のアンテナの垂直線条32の途中部に接続された第2のアンテナの第1の補助線条34が左方向に延伸されており、第1のアンテナの垂直線条22の途中部に第1のアンテナの第1の補助線条24が接続され右方向に延伸され、第1のアンテナ2及び第2のアンテナ3のそれぞれを構成する各線条の長さ及び各線条同士の接続位置を調整して、第1のアンテナ2と第2のアンテナ3の入力インピーダンスを給電線の特性インピーダンスと日本国外のFM周波数帯で整合が取れるようにしたこと以外は、実施例1のアンテナと同じ構成である。
【0106】
本実施例のアンテナを、リアガラス1に導電性セラミックペーストによって、各線条の幅を0.7mmとなるように印刷し、乾燥後、加熱炉によって焼付けして、第1のアンテナの給電部21及び第2のアンテナの給電部31のそれぞれにAV線を取り付けた上で、車体に取り付ける。そして、図示しないチューナーから延ばした同軸ケーブルを前記各給電点近傍の車体に設けた接地点において、前記同軸ケーブルの外皮導体を接地し、前記同軸ケーブルの芯線側を前記AV線と接続した。
【0107】
このようにして作成した本実施例のアンテナで日本国外のFM帯域の周波数88〜108MHzにおける放送波を受信したところ、実施例1と同様に第1のアンテナ2と第2のアンテナ3とで異なる指向特性が得られ、十分実用レベルにあることがわかった。
【0108】
もちろん、本実施例の第1のアンテナ2及び第2のアンテナ3のそれぞれを構成する線条の長さ及び線条同士の接続位置を調整して、第1のアンテナ2と第2のアンテナ3の入力インピーダンスを給電線の特性インピーダンスに日本国内の周波数帯で整合させるようにすれば、日本国外の周波数帯に合わせて本実施例を調整した場合と同様に、日本国内の周波数帯域において、本実施例のアンテナで、ダイバーシティー受信の効果が得られる。
【0109】
<実施例6>
図6は本発明の実施例6に係るアンテナパターンの車外側から見た正面図である。実施例6のアンテナは、第2のアンテナの垂直線条32の途中部の第2のアンテナの第1の補助線条34と同じ接続位置にの第2のアンテナの第2の補助線条34’を追加し左側に延伸し、第1のアンテナ2及び第2のアンテナ3のそれぞれを構成する線条の長さ及び線条同士の接続位置を調整して、第1のアンテナ2と第2のアンテナ3の入力インピーダンスを給電線の特性インピーダンスに日本国外のFM周波数帯で整合が取れるようにしたこと以外は、実施例1のアンテナと同じ構成である。
【0110】
本実施例のアンテナを、リアガラス1に導電性セラミックペーストによって、各線条の幅を0.7mmとなるように印刷し、乾燥後、加熱炉によって焼付けして、第1のアンテナの給電部21及び第2のアンテナの給電部31のそれぞれにAV線を取り付けた上で、車体に取り付ける。そして、図示しないチューナーから延ばした同軸ケーブルを前記各給電点近傍の車体に設けた接地点において、前記同軸ケーブルの外皮導体を接地し、前記同軸ケーブルの芯線側を前記AV線と接続した。
【0111】
このようにして作成した本実施例のアンテナで日本国外のFM帯域の周波数88〜108MHzにおける放送波を受信したところ、実施例1と同様に第1のアンテナ2と第2のアンテナ3とで異なる指向特性が得られ、十分実用レベルにあることがわかった。
【0112】
もちろん、本実施例の第1のアンテナ2及び第2のアンテナ3のそれぞれを構成する線条の長さ及び線条同士の接続位置を調整して、第1のアンテナ2と第2のアンテナ3の入力インピーダンスを給電線の特性インピーダンスに日本国内の周波数帯で整合させるようにすれば、日本国外の周波数帯に合わせて本実施例を調整した場合と同様に、日本国内の周波数帯域において、本実施例のアンテナで、ダイバーシティー受信の効果が得られる。
【0113】
<実施例7>
図7は、本発明の実施例7に係るアンテナパターンの車外側から見た正面図である。実施例7のアンテナは、第2のアンテナの垂直線条32の途中部に接続された第2のアンテナの第2の補助線条34’の接続位置と第2のアンテナの垂直線条32に接続された第2のアンテナの第1の補助線条34の接続位置とを同じ場所ではなく、それぞれ異なる場所にして、第1のアンテナ2及び第2のアンテナ3のそれぞれを構成する線条の長さ及び線条同士の接続位置を調整して、第1のアンテナ2と第2のアンテナ3の入力インピーダンスを第1のアンテナの給電部21及び第2のアンテナの給電部31に接続される給電線の特性インピーダンスと日本国外のFM周波数帯で整合が取れるようにしたこと以外は、実施例6のアンテナと同じ構成である。
【0114】
本実施例のアンテナを、リアガラス1に導電性セラミックペーストによって、各線条の幅を0.7mmとなるように印刷し、乾燥後、加熱炉によって焼付けして、第1のアンテナの給電部21及び第2のアンテナの給電部31のそれぞれにAV線を取り付けた上で、車体に取り付ける。そして、図示しないチューナーから延ばした同軸ケーブルを前記各給電点近傍の車体に設けた接地点において、前記同軸ケーブルの外皮導体を接地し、前記同軸ケーブルの芯線側を前記AV線と接続した。
【0115】
このようにして作成した本実施例のアンテナで日本国外のFM帯域の周波数88〜108MHzにおける放送波を受信したところ、実施例1と同様に第1のアンテナ2と第2のアンテナ3とで異なる指向特性が得られ、十分実用レベルにあることがわかった。
【0116】
もちろん、本実施例の第1のアンテナ2及び第2のアンテナ3のそれぞれを構成する線条の長さ及び線条同士の接続位置を調整して、第1のアンテナ2と第2のアンテナ3の入力インピーダンスを給電線の特性インピーダンスに日本国内の周波数帯で整合が取れるようにすれば、日本国外の周波数帯に合わせて本実施例を調整した場合と同様に、日本国内の周波数帯域において、本実施例のアンテナで、ダイバーシティー受信の効果が得られる。
【0117】
<実施例8>
図8は本発明の実施例8に係るアンテナパターンの車外側から見た正面図である。実施例8のアンテナは、第2のアンテナの水平線条33の左端に、第2のアンテナの第2の補助線条34’を接続し、第2のアンテナの第2の補助線条34’を途中で折り曲げて第2のアンテナの第2の補助線条の折曲部34’aを形成しており、第1のアンテナ2及び第2のアンテナ3のそれぞれを構成する線条の長さ及び線条同士の接続位置を調整して、第1のアンテナ2と第2のアンテナ3の入力インピーダンスを第1のアンテナの給電部21及び第2のアンテナの給電部31に接続される給電線の特性インピーダンスと日本国外のFM周波数帯で整合が取れるようにしたこと以外は、実施例1のアンテナと同じ構成である。
【0118】
本実施例のアンテナを、リアガラス1に導電性セラミックペーストによって、各線条の幅を0.7mmとなるように印刷し、乾燥後、加熱炉によって焼付けして、第1のアンテナの給電部21及び第2のアンテナの給電部31のそれぞれにAV線を取り付けた上で、車体に取り付ける。そして、図示しないチューナーから延ばした同軸ケーブルを前記各給電点近傍の車体に設けた接地点において、前記同軸ケーブルの外皮導体を接地し、前記同軸ケーブルの芯線側を前記AV線と接続した。
【0119】
このようにして作成した本実施例のアンテナで日本国外のFM帯域の周波数88〜108MHzにおける放送波を受信したところ、実施例1と同様に第1のアンテナ2と第2のアンテナ3とで異なる指向特性が得られ、十分実用レベルにあることがわかった。
【0120】
もちろん、本実施例の第1のアンテナ2及び第2のアンテナ3のそれぞれを構成する線条の長さ及び線条同士の接続位置を調整して、第1のアンテナ2と第2のアンテナ3の入力インピーダンスを給電線の特性インピーダンスに日本国内の周波数帯で整合が取れるようにすれば、日本国外の周波数帯に合わせて本実施例を調整した場合と同様に、日本国内の周波数帯域において、本実施例のアンテナで、ダイバーシティー受信の効果が得られる。
【0121】
<実施例9>
図9は本発明の実施例9に係るアンテナパターンの車外側から見た正面図である。実施例9のアンテナは、第2のアンテナの給電部31に、第2のアンテナの第2の補助線条34’の右端を接続し、左側へ延伸し、その途中で折り曲げて第2のアンテナの第2の補助線条の折曲部34’aを形成しており、第1のアンテナ2及び第2のアンテナ3のそれぞれを構成する線条の長さ及び線条同士の接続位置を調整して、第1のアンテナ2と第2のアンテナ3の入力インピーダンスを第1のアンテナの給電部21及び第2のアンテナの給電部31に接続される給電線の特性インピーダンスと日本国外のFM周波数帯で整合が取れるようにしたこと以外は、実施例1のアンテナと同じ構成である。
【0122】
本実施例のアンテナを、リアガラス1に導電性セラミックペーストによって、各線条の幅を0.7mmとなるように印刷し、乾燥後、加熱炉によって焼付けして、第1のアンテナの給電部21及び第2のアンテナの給電部31のそれぞれにAV線を取り付けた上で、車体に取り付ける。そして、図示しないチューナーから延ばした同軸ケーブルを前記各給電点近傍の車体に設けた接地点において、前記同軸ケーブルの外皮導体を接地し、前記同軸ケーブルの芯線側を前記AV線と接続した。
【0123】
このようにして作成した本実施例のアンテナで日本国外のFM帯域の周波数88〜108MHzにおける放送波を受信したところ、実施例1と同様に第1のアンテナ2と第2のアンテナ3とで異なる指向特性が得られ、十分実用レベルにあることがわかった。
【0124】
もちろん、本実施例の第1のアンテナ2及び第2のアンテナ3のそれぞれを構成する線条の長さ及び線条同士の接続位置を調整して、第1のアンテナ2と第2のアンテナ3の入力インピーダンスを給電線の特性インピーダンスに日本国内の周波数帯で整合が取れるようにすれば、日本国外の周波数帯に合わせて本実施例を調整した場合と同様に、日本国内の周波数帯域において、本実施例のアンテナで、ダイバーシティー受信の効果が得られる。
【0125】
<実施例10>
図10は本発明の実施例10に係るアンテナパターンの車外側から見た正面図である。実施例10のアンテナは、第1のアンテナの垂直線条22及び第2のアンテナの垂直線条32の各上端に、それぞれ第1のアンテナの給電線条211の左端及び第2のアンテナの給電線条311の右端を接続し、それぞれ右側及び左側に延伸し、第1のアンテナの給電線条211の右端に給電部21を接続し、第2のアンテナの給電線条311の左端に第2のアンテナの給電部31接続し、第1のアンテナ2及び第2のアンテナ3のそれぞれを構成する線条の長さ及び線条同士の接続位置を調整して、第1のアンテナ2と第2のアンテナ3の入力インピーダンスを第1のアンテナの給電部21及び第2のアンテナの給電部31と接続される給電線の特性インピーダンスと日本国外のFM周波数帯で整合が取れるようにしたこと以外は、実施例1のアンテナと同じ構成である。
【0126】
本実施例のアンテナを、リアガラス1に導電性セラミックペーストによって、各線条の幅を0.7mmとなるように印刷し、乾燥後、加熱炉によって焼付けして、第1のアンテナの給電部21及び第2のアンテナの給電部31のそれぞれにAV線を取り付けた上で、車体に取り付ける。そして、図示しないチューナーから延ばした同軸ケーブルを前記各給電点近傍の車体に設けた接地点において、前記同軸ケーブルの外皮導体を接地し、前記同軸ケーブルの芯線側を前記AV線と接続した。
【0127】
このようにして作成した本実施例のアンテナで日本国外のFM帯域の周波数88〜108MHzにおける放送波を受信したところ、実施例1と同様に第1のアンテナ2と第2のアンテナ3とで異なる指向特性が得られ、十分実用レベルにあることがわかった。
【0128】
もちろん、本実施例の第1のアンテナ2及び第2のアンテナ3のそれぞれを構成する線条の長さ及び線条同士の接続位置を調整して、第1のアンテナ2と第2のアンテナ3の入力インピーダンスを給電線の特性インピーダンスに日本国内の周波数帯で整合が取れるようにすれば、日本国外の周波数帯に合わせて本実施例を調整した場合と同様に、日本国内の周波数帯域において、本実施例のアンテナで、ダイバーシティー受信の効果が得られる。
【0129】
<実施例11>
図11は本発明の実施例11に係るアンテナパターンの車外側から見た正面図である。実施例11のアンテナは、第1のアンテナの垂直線条22及び第2のアンテナの垂直線条32の各上端に、それぞれ第1のアンテナの給電線条211の右端及び第2のアンテナの給電線条311の左端を接続し、それぞれ左側及び右側に延伸し、第1のアンテナの給電線条211の左端に給電部21を接続し、第2のアンテナの給電線条311の右端に第2のアンテナの給電部31接続し、第1のアンテナ2及び第2のアンテナ3のそれぞれを構成する線条の長さ及び線条同士の接続位置を調整して、第1のアンテナ2と第2のアンテナ3の入力インピーダンスを第1のアンテナの給電部21及び第2のアンテナの給電部31に接続される給電線の特性インピーダンスと日本国外のFM周波数帯で整合が取れるようにしたこと以外は、実施例1のアンテナと同じ構成である。
【0130】
本実施例のアンテナを、リアガラス1に導電性セラミックペーストによって、各線条の幅を0.7mmとなるように印刷し、乾燥後、加熱炉によって焼付けして、第1のアンテナの給電部21及び第2のアンテナの給電部31のそれぞれにAV線を取り付けた上で、車体に取り付ける。そして、図示しないチューナーから延ばした同軸ケーブルを前記各給電点近傍の車体に設けた接地点において、前記同軸ケーブルの外皮導体を接地し、前記同軸ケーブルの芯線側を前記AV線と接続した。
【0131】
このようにして作成した本実施例のアンテナで日本国外のFM帯域の周波数88〜108MHzにおける放送波を受信したところ、実施例1と同様に第1のアンテナ2と第2のアンテナ3とで異なる指向特性が得られ、十分実用レベルにあることがわかった。
【0132】
もちろん、本実施例の第1のアンテナ2及び第2のアンテナ3のそれぞれを構成する線条の長さ及び線条同士の接続位置を調整して、第1のアンテナ2と第2のアンテナ3の入力インピーダンスを給電線の特性インピーダンスに日本国内の周波数帯で整合が取れるようにすれば、日本国外の周波数帯に合わせて本実施例を調整した場合と同様に、日本国内の周波数帯域において、本実施例のアンテナで、ダイバーシティー受信の効果が得られる。
【0133】
<実施例12>
図27は、ワゴンタイプの自動車6のリアゲート64に本発明の実施例1に係るアンテナパターンを配設されたリアガラス1を取付けられときの、自動車6の側面図及び後面図を示したものである。
【0134】
図27においては、本発明の実施例1に係るアンテナである第1のアンテナ2及び第2のアンテナ3でFM放送波をダイバーシティー受信し、サイドガラス63にプリントされているサイドガラス用のAM放送波用ガラスアンテナ7で、AM放送波を受信している。本発明の実施例1に係るアンテナである第1のアンテナ2及び第2のアンテナ3並びにサイドガラス用のAM放送波用ガラスアンテナ7とは、それぞれ別々の給電線が接続され、各給電線は自動車6に備えられた図示されていない受信機に接続されている。
【0135】
サイドガラス用のAM放送波用ガラスアンテナ7は、サイドガラス63の周縁部に配設されたサイドガラス用のAM放送波用ガラスアンテナの給電点71及びサイドガラス用のAM放送波用ガラスアンテナの給電点71に接続されたサイドガラス用のAM放送波用ガラスアンテナの線条部分72とから構成されている。
【0136】
サイドガラス用のAM放送波用ガラスアンテナ7としては、現在、一般的に自動車のサイドガラスで使用されているサイドガラス用のAM放送波用ガラスアンテナを用いることができる。
【0137】
このような構成にすることによって、AM放送波用アンテナとFM放送波用アンテナとを全てガラスアンテナで構成することができ、自動車の意匠性を向上させることができる。
【0138】
<実施例13>
図28も、ワゴンタイプの自動車6のリアゲート64に本発明の実施例1に係るアンテナパターンを配設されたリアガラス1を取付けられときの、自動車6の側面図及び後面図を示したものである。
【0139】
ただし図28においては、AM放送波は、リアスポイラー65に内蔵された図示されていないAM放送波用アンテナで受信させている点で、実施例12と異なっている。本発明の実施例1に係るアンテナである第1のアンテナ2及び第2のアンテナ3並びにリアスポイラー65に内蔵された図示されていないAM放送波用アンテナとは、それぞれ別々の給電線が接続され、各給電線は自動車6に備えられた図示されていない受信機に接続されている。
【0140】
リアスポイラー65に内蔵された図示されていないAM放送波用アンテナとしては、一般的に自動車で現在使用されているものを用いることができる。
【0141】
このような構成にすることによって、FM放送波用だけではなく、AM放送波も受信できるようになる。
【0142】
実施例13においては、AM放送波用アンテナとして、リアスポイラー65に内蔵したアンテナを用いたが、AM放送波用アンテナは、リアスポイラー65に内蔵する必要はなく、自動車のバンパーに内蔵したり、自動車の底部に配設したり、自動車のルーフに配設したりと、様々な場所に配設することが可能である。
【0143】
以上好適な実施の形態について述べたが、本発明はこれに限定されるものではなく種々の応用が考えられるものである。
【0144】
<参考例>
図12は本発明の参考例に係るアンテナパターンの車外側から見た正面図である。本参考例のアンテナは、実施例1のアンテナのうちの第2のアンテナ3を取り除き、第1のアンテナ2のみを残したものであり、本参考例の第1のアンテナ2の寸法は、実施例1の日本国外のFM周波数帯域に合わせたときの第1のアンテナ2の寸法及び比較例1における第1のアンテナ2の寸法と同様である。すなわち、以下の通りの寸法となっている。
【0145】
リアガラス1の縦方向の幅f=500mm
リアガラス1の横方向の幅g=1300mm
リアガラス1の中心線aから第1のアンテナの給電部21までの横方向の距離b=140mm
フランジ5の上縁端と第1のアンテナの給電部21との間隔=10mm
第1のアンテナの給電部21の大きさ:横X縦=22mm X 10mm
第1のアンテナの垂直線条22の長さ=60mm
第1のアンテナの水平線条23の長さ=240mm
第1のアンテナの水平線条23の第1のアンテナの垂直線条22との接続部分から右側23aの長さ=90mm
第1のアンテナの水平線条23の第1のアンテナの垂直線条22との接続部分から左側23bの長さ=150mm
デフォッガ4の最上部の加熱水平線条42と第1のアンテナの水平線条23との間隔d=10mm
本参考例のアンテナを、リアガラス1に導電性セラミックペーストによって、各線条の幅を0.7mmとなるように印刷し、乾燥後、加熱炉によって焼付けして、第1のアンテナの給電部21にAV線を取り付けた上で、車体に取り付ける。そして、図示しないチューナーから延ばした同軸ケーブルを前記各給電点近傍の車体に設けた接地点において、前記同軸ケーブルの外皮導体を接地し、前記同軸ケーブルの芯線側を前記AV線と接続した。
【0146】
このようにして作成した本実施例のアンテナで日本国内外のFM帯域の周波数76〜108MHzにおける放送波を受信したところ、図21〜図22に示される結果が得られた。
【0147】
図21は、本参考例のアンテナの76MHz〜108MHzの各周波数における受信感度の全方位での平均値を示すものであり、実線が第1のアンテナ2の測定結果である。
【0148】
図22は、本参考例のアンテナの90MHzにおける受信感度についての指向特性図を示したものであり、実線が第1のアンテナ2の測定結果である。
【0149】
図21の本参考例の日本国外帯の88MHz〜108MHzでの受信感度の全方位での平均値は、図15の実施例1の日本国外帯に寸法を合わしたときの実線で示される第1のアンテナ2に関する測定結果や図23の比較例1の実線で示される第1のアンテナ2に関する測定結果に対して、値が大きいことがわかる。
【0150】
しかしながら、図22の本参考例の90MHzでの指向特性を見ると、矢印で指し示した2箇所で指向特性が窪んでおり、図16の実施例1の日本国外帯にアンテナ寸法を合わしたときの実線で示される第1のアンテナ2に関する測定結果や図24の比較例1の実線で示される第1のアンテナ2に関する測定結果と同様な傾向を示しており、本参考例の第1のアンテナ2の受信感度についての指向特性は、図13に示される後述する比較例1の第1のアンテナ2の受信感度についての指向特性とほぼ同様であることがわかる。
【0151】
そのため、図13の比較例1のように、本参考例の第1のアンテナ2にさらに、第2のアンテナの給電部31、第2のアンテナの垂直線条32及び第2のアンテナの水平線条33とのみから構成される第2のアンテナ3を追加するのみでは、2本のアンテナでFM放送波をダイバーシティー受信する際に、本参考例のように1本のアンテナで受信する場合に比べて受信性能が下がってしまうことが懸念される。
【0152】
<比較例1>
図13は本発明の実施例1に係る比較例である比較例1のアンテナパターンの車外側から見た正面図である。本比較例のアンテナは、実施例1の日本国外帯域に寸法を合わせたアンテナのうちの第2のアンテナ3から第2のアンテナの第1の補助線条34を取り除いたものであり、そのほかの点では実施例1のアンテナと同じである。すなわち、以下の通りの寸法となっている。
【0153】
リアガラス1の縦方向の幅f=500mm
リアガラス1の横方向の幅g=1300mm
リアガラス1の中心線aから第1のアンテナの給電部21までの横方向の距離b=140mm
リアガラス1の中心線bから第2のアンテナの給電部31までの横方向の距離c=140mm
フランジ5の上縁端と第1のアンテナの給電部21との間隔=10mm
フランジ5の上縁端と第2のアンテナの給電部31との間隔=10mm
第1のアンテナの給電部21の大きさ:横X縦=22mm X 10mm
第1のアンテナの垂直線条22の長さ=60mm
第1のアンテナの水平線条23の長さ=240mm
第1のアンテナの水平線条23の第1のアンテナの垂直線条22との接続部分から右側23aの長さ=90mm
第1のアンテナの水平線条23の第1のアンテナの垂直線条22との接続部分から左側23bの長さ=150mm
デフォッガ4の最上部の加熱水平線条42と第1のアンテナの水平線条23との間隔d=10mm
第2のアンテナの給電部31の大きさ:横X縦=22mm X 10mm
第2のアンテナの垂直線条32の長さ=60mm
第2のアンテナの水平線条33の長さ=170mm
デフォッガ4の最上部の加熱水平線条42と第2のアンテナの水平線条23との間隔d’=10mm
本比較例のアンテナを、リアガラス1に導電性セラミックペーストによって、各線条の幅を0.7mmとなるように印刷し、乾燥後、加熱炉によって焼付けして、第1のアンテナの給電部21にAV線を取り付けた上で、車体に取り付ける。そして、図示しないチューナーから延ばした同軸ケーブルを前記各給電点近傍の車体に設けた接地点において、前記同軸ケーブルの外皮導体を接地し、前記同軸ケーブルの芯線側を前記AV線と接続した。
【0154】
このようにして作成した本比較例のアンテナで日本国内外のFM帯域の周波数76〜108MHzにおける放送波を受信したところ、図23〜図24に示される結果が得られた。
【0155】
図23は、本実施例のアンテナの76MHz〜108MHzの各周波数における受信感度の全方位での平均値を示すものであり、実線は第1のアンテナ2の測定結果、破線は第2のアンテナ3の測定結果である。
【0156】
図24は、本実施例のアンテナの90MHzにおける受信感度についての指向特性図を示したものであり、実線は第1のアンテナ2の測定結果、破線は第2のアンテナ3の測定結果である。
【0157】
図24より、第1のアンテナ2の受信感度についての指向特性と第2のアンテナ3の受信感度における指向特性とが相似形となっていることがわかり、比較例1のように第1のアンテナ2にも第2のアンテナ3にも前記補助線条が存在しない場合、FM放送波に対して良好なダイバーシティー受信ができないことが理解できる。
【0158】
<比較例2>
図14は本発明の実施例3に係る比較例である比較例2のアンテナパターンの車外側から見た正面図である。本比較例のアンテナは、実施例3のアンテナのうちの第1のアンテナ2から第1のアンテナの第1の補助線条24を取り除き、さらに第2のアンテナ3から第2のアンテナの第1の補助線条34を取り除いたものであり、そのほかの点では実施例3のアンテナと同じである。すなわち、以下の通りの寸法となっている。
【0159】
リアガラス1の縦方向の幅f=500mm
リアガラス1の横方向の幅g=1300mm
リアガラス1の中心線aから第1のアンテナの給電部21までの横方向の距離b=140mm
リアガラス1の中心線bから第2のアンテナの給電部31までの横方向の距離c=140mm
フランジ5の上縁端と第1のアンテナの給電部21との間隔=10mm
フランジ5の上縁端と第2のアンテナの給電部31との間隔=10mm
第1のアンテナの給電部21の大きさ:横X縦=22mm X 10mm
第1のアンテナの垂直線条22の長さ=60mm
第1のアンテナの水平線条23の長さ=90mm
デフォッガ4の最上部の加熱水平線条42と第1のアンテナの水平線条23との間隔d=10mm
第2のアンテナの給電部31の大きさ:横X縦=22mm X 10mm
第2のアンテナの垂直線条32の長さ=60mm
第2のアンテナの水平線条33の長さ=170mm
デフォッガ4の最上部の加熱水平線条42と第2のアンテナの水平線条23との間隔d’=10mm
本比較例のアンテナを、リアガラス1に導電性セラミックペーストによって、各線条の幅を0.7mmとなるように印刷し、乾燥後、加熱炉によって焼付けして、第1のアンテナの給電部21にAV線を取り付けた上で、車体に取り付ける。そして、図示しないチューナーから延ばした同軸ケーブルを前記各給電点近傍の車体に設けた接地点において、前記同軸ケーブルの外皮導体を接地し、前記同軸ケーブルの芯線側を前記AV線と接続した。
【0160】
このようにして作成した本比較例のアンテナで日本国内外のFM帯域の周波数76〜108MHzにおける放送波を受信したところ、図25〜図26に示される結果が得られた。
【0161】
図25は、本実施例のアンテナの76MHz〜108MHzの各周波数における受信感度の全方位での平均値を示すものであり、実線は第1のアンテナ2の測定結果、破線は第2のアンテナ3の測定結果である。
【0162】
図26は、本実施例のアンテナの90MHzにおける受信感度についての指向特性図を示したものであり、実線は第1のアンテナ2の測定結果、破線は第2のアンテナ3の測定結果である。
【0163】
図26より、第1のアンテナ2の受信感度についての指向特性と第2のアンテナ3の受信感度における指向特性とが相似形となっていることがわかり、比較例1のように第1のアンテナ2にも第2のアンテナ3にも前記補助線条が存在しない場合、FM放送波に対して良好なダイバーシティー受信ができないことが理解できる。
【符号の説明】
【0164】
1 リアガラス
2 第1のアンテナ
21 第1のアンテナの給電部
211 第1のアンテナの給電線条
22 第1のアンテナの垂直線条
22a 第1のアンテナの垂直線条における第1のアンテナの第1の補助線条との接続点から上側部分
22b 第1のアンテナの垂直線条における第1のアンテナの第1の補助線条との接続点から下側部分
23 第1のアンテナの水平線条
23a 第1のアンテナの水平線条における、第1のアンテナの垂直線条下端から右側部分
23b 第1のアンテナの水平線条における、第1のアンテナの垂直線条下端から左側部分
24 第1のアンテナの第1の補助線条
3 第2のアンテナ
31 第2のアンテナの給電部
311 第2のアンテナの給電線条
32 第2のアンテナの垂直線条
32a 第2のアンテナの垂直線条における第2のアンテナの第1の補助線条との接続点から上側部分
32b 第2のアンテナの垂直線条における第2のアンテナの第1の補助線条との接続点から下側部分
32a’ 第2のアンテナの垂直線条の第2の補助線条との接続点から上側部分
32b’ 第2のアンテナの垂直線条の第2の補助線条との接続点から下側部分
33 第2のアンテナの水平線条
33a 第2のアンテナの水平線条における、第2のアンテナの垂直線条下端から左側部分
33b 第2のアンテナの水平線条における、第2のアンテナの垂直線条下端から右側部分
34 第2のアンテナの第1の補助線条
34’ 第2のアンテナの第2の補助線条
34’a 第2のアンテナの第2の補助線条の折曲部
4 デフォッガ
41 バスバ
42 加熱水平線条
43 デフォッガの垂直線条
5 フランジ上縁端
6 ワゴンタイプの自動車
61 フロントドアガラス
62 リアドアガラス
63 サイドガラス
64 リアゲート
65 リアスポイラー
7 サイドガラス用のAM放送波用ガラスアンテナ
71 サイドガラス用のAM放送波用ガラスアンテナの給電点
72 サイドガラス用のAM放送波用ガラスアンテナの線条部分
a リアガラスの中心線
b リアガラスの中心線と第1のアンテナの給電部との間隔
c リアガラスの中心線と第2のアンテナの給電部との間隔
d デフォッガの最上部の加熱線条と第1のアンテナの水平線条の間隔
d’ デフォッガの最上部の加熱線条と第2のアンテナの水平線条の間隔
e 補助線条同士又は補助線条と水平線条との間隔
f リアガラスの縦方向の幅
g リアガラスの横方向の幅
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バスバ(41)と前記バスバ(41)に接続された複数の加熱線条(42)からなるデフォッガ(4)を備えたリアガラス(1)の前記デフォッガ(4)上部余白部に配設されたFM放送波をダイバーシティー受信するための車両用ガラスアンテナにおいて、
FM放送波用の第1のアンテナ(2)とFM放送波用の第2のアンテナ(3)との2本のアンテナ(2、3)からなり、
前記第1のアンテナ(2)と前記第2のアンテナ(3)とは、
それぞれ前記リアガラス(1)の上端部に左右に離隔されて配設された給電部(21、31)と、
前記給電部(21、31)に接続され下垂される垂直線条(22、32)と、
前記垂直線条(22、32)の下端に接続される水平線条(23、33)とを備えており、
前記2本のアンテナ(2、3)が有している前記水平線条(22、32)はそれぞれ、前記デフォッガ(4)の最上部の加熱水平線条(42)に近接して配設され、前記最上部の加熱水平線条(42)と容量結合しており、
前記2本のアンテナ(2、3)のうちの少なくとも一方の前記垂直線条(22、32)又は前記給電部(21、31)に、指向特性調整用の補助線条(24、34、34’)を少なくとも一本接続していることを特徴とする車両用ガラスアンテナ。
【請求項2】
前記2本のアンテナ(2、3)に備えられる補助線条(24、34、34’)の全部又は一部が、前記2本のアンテナ(2、3)のうちのいずれかのアンテナに接続されている前記水平線条(23、33)と縦方向に間隔(e)を置いて重なり合っているときに、前記間隔(e)が10mm以上であることを特徴とする請求項1に記載の車両用ガラスアンテナ。
【請求項3】
前記2本のアンテナ(2,3)の両方にそれぞれ少なくとも一本の補助線条(24,34,34’)が接続されており、それぞれのアンテナに接続された補助線条(24,34,34’)のうち、リアガラスの中心線方向(a)に延伸されている補助線条(24,34,34’)同士が縦方向に間隔(e)を置いて重なり合っているときに、前記間隔(e)が10mm以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用ガラスアンテナ。
【請求項4】
前記2本のアンテナ(2、3)に備えられている水平線条(23、33)のうちの少なくとも一本の一端部に指向性調整用の補助線条(24、34、34’)を接続したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載の車両用ガラスアンテナ。
【請求項5】
前記2つのアンテナ(2、3)のうちの少なくとも一方のアンテナに備えられた給電部(21、31)が水平方向に伸びる給電線条(211、311)を備えており、前記給電線条(211、311)の先端が、前記アンテナの前記垂直線条(22、32)の上端部に接続されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載の車両用ガラスアンテナ。
【請求項6】
請求項1乃至5に記載のいずれかの車両用ガラスアンテナと、前記車両用ガラスアンテナが取付られた車両(6)に、AM放送波用アンテナを備えたことを特徴とするアンテナシステム。
【請求項7】
前記AM放送波用アンテナは、前記車両(6)のサイドウィンドーに配設されたガラスアンテナ(7)であることを特徴とする請求項6に記載のアンテナシステム。
【請求項8】
前記AM放送波用アンテナは、前記車両のルーフ又は、リアスポイラー(65)若しくはバンパーに備えられたことを特徴とする請求項6に記載のアンテナシステム。
【請求項1】
バスバ(41)と前記バスバ(41)に接続された複数の加熱線条(42)からなるデフォッガ(4)を備えたリアガラス(1)の前記デフォッガ(4)上部余白部に配設されたFM放送波をダイバーシティー受信するための車両用ガラスアンテナにおいて、
FM放送波用の第1のアンテナ(2)とFM放送波用の第2のアンテナ(3)との2本のアンテナ(2、3)からなり、
前記第1のアンテナ(2)と前記第2のアンテナ(3)とは、
それぞれ前記リアガラス(1)の上端部に左右に離隔されて配設された給電部(21、31)と、
前記給電部(21、31)に接続され下垂される垂直線条(22、32)と、
前記垂直線条(22、32)の下端に接続される水平線条(23、33)とを備えており、
前記2本のアンテナ(2、3)が有している前記水平線条(22、32)はそれぞれ、前記デフォッガ(4)の最上部の加熱水平線条(42)に近接して配設され、前記最上部の加熱水平線条(42)と容量結合しており、
前記2本のアンテナ(2、3)のうちの少なくとも一方の前記垂直線条(22、32)又は前記給電部(21、31)に、指向特性調整用の補助線条(24、34、34’)を少なくとも一本接続していることを特徴とする車両用ガラスアンテナ。
【請求項2】
前記2本のアンテナ(2、3)に備えられる補助線条(24、34、34’)の全部又は一部が、前記2本のアンテナ(2、3)のうちのいずれかのアンテナに接続されている前記水平線条(23、33)と縦方向に間隔(e)を置いて重なり合っているときに、前記間隔(e)が10mm以上であることを特徴とする請求項1に記載の車両用ガラスアンテナ。
【請求項3】
前記2本のアンテナ(2,3)の両方にそれぞれ少なくとも一本の補助線条(24,34,34’)が接続されており、それぞれのアンテナに接続された補助線条(24,34,34’)のうち、リアガラスの中心線方向(a)に延伸されている補助線条(24,34,34’)同士が縦方向に間隔(e)を置いて重なり合っているときに、前記間隔(e)が10mm以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用ガラスアンテナ。
【請求項4】
前記2本のアンテナ(2、3)に備えられている水平線条(23、33)のうちの少なくとも一本の一端部に指向性調整用の補助線条(24、34、34’)を接続したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載の車両用ガラスアンテナ。
【請求項5】
前記2つのアンテナ(2、3)のうちの少なくとも一方のアンテナに備えられた給電部(21、31)が水平方向に伸びる給電線条(211、311)を備えており、前記給電線条(211、311)の先端が、前記アンテナの前記垂直線条(22、32)の上端部に接続されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載の車両用ガラスアンテナ。
【請求項6】
請求項1乃至5に記載のいずれかの車両用ガラスアンテナと、前記車両用ガラスアンテナが取付られた車両(6)に、AM放送波用アンテナを備えたことを特徴とするアンテナシステム。
【請求項7】
前記AM放送波用アンテナは、前記車両(6)のサイドウィンドーに配設されたガラスアンテナ(7)であることを特徴とする請求項6に記載のアンテナシステム。
【請求項8】
前記AM放送波用アンテナは、前記車両のルーフ又は、リアスポイラー(65)若しくはバンパーに備えられたことを特徴とする請求項6に記載のアンテナシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【公開番号】特開2012−248981(P2012−248981A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−117670(P2011−117670)
【出願日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【出願人】(000002200)セントラル硝子株式会社 (1,198)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【出願人】(000002200)セントラル硝子株式会社 (1,198)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]