説明

車両用クリープ走行制御装置および車両用クリープ走行制御方法

【課題】路面の勾配を検出するためのセンサを用いずに、路面の勾配に応じて発進クラッチの締結を制御する。
【解決手段】エンジン1と変速機4との間に設けられる発進クラッチC1,C2を備えた車両のクリープ走行を制御する装置において、回転センサ6は、車輪8a,8bの回転方向および回転角速度を検出する。コントローラ10は、車輪8a,8bの回転方向および回転角速度に基づいて、車輪の回転角加速度を算出し、算出した回転角加速度に基づいて、発進クラッチC1,C2の締結容量、および発進クラッチC1,C2の締結を開始してから完了するまでの締結時間を算出する。そして、算出したクラッチ締結容量およびクラッチ締結時間に基づいて、発進クラッチC1,C2の締結を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンと駆動輪との間に設けられる発進クラッチの締結を制御することによって、車両のクリープ走行を制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、勾配検出センサによって路面の勾配を検出し、検出した勾配に応じて、発進クラッチの締結容量を制御する技術が知られている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−17147号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の技術では、勾配検出センサが高価なため、コストが高くなるという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明による車両用クリープ走行制御装置は、エンジンと変速機との間に設けられる発進クラッチを備えた車両のクリープ走行を制御する装置であって、車輪の回転方向を検出する回転方向検出手段と、車輪の回転角速度を検出する回転角速度検出手段と、回転方向および回転角速度に基づいて、車輪の回転角加速度を算出する回転角加速度算出手段と、回転角加速度に基づいて、発進クラッチの締結容量を算出するクラッチ締結容量算出手段と、回転角加速度に基づいて、発進クラッチの締結を開始してから完了するまでの締結時間を算出するクラッチ締結時間算出手段と、クラッチ締結容量およびクラッチ締結時間に基づいて、発進クラッチの締結を制御するクラッチ締結制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0005】
本発明による車両用クリープ走行制御方法は、エンジンと変速機との間に設けられる発進クラッチを備えた車両のクリープ走行を制御する方法であって、車輪の回転方向を検出し、車輪の回転角速度を検出し、回転方向および回転角速度に基づいて、車輪の回転角加速度を算出し、回転角加速度に基づいて、発進クラッチの締結容量を算出し、回転角加速度に基づいて、発進クラッチの締結を開始してから完了するまでの締結時間を算出し、クラッチ締結容量およびクラッチ締結時間に基づいて、発進クラッチの締結を制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、路面の勾配を検出するためのセンサを用いることなく、路面の勾配に応じて、発進クラッチの締結を制御することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【0008】
図1は、一実施の形態における車両用クリープ走行制御装置の構成を示すブロック図である。エンジン1の駆動力は、第1クラッチC1または第2クラッチC2を介して、変速機4に伝達される。変速機4で変速された駆動力は、減速機5、車軸7a、7bを介して、左右の駆動輪8a、8bに伝達される。変速機4は、クラッチC1、C2を含めて、デュアルクラッチ式(ツインクラッチ式)自動マニュアルトランスミッションとも呼ばれる。
【0009】
第1クラッチC1は、奇数変速段(1速、3速、5速、後退速)用であり、第2クラッチC2は、偶数変速段(2速、4速、6速)用である。変速ギアとして、奇数変速段のギアが選択される場合には、第1クラッチC1が締結され、偶数変速段のギアが選択される場合には、第2クラッチC2が締結される。このデュアルクラッチ式自動マニュアルトランスミッションでは、例えば、第1クラッチC1を締結している奇数変速段選択状態での走行時、奇数変速段から偶数変速段へのシフト指令が出されると、次に選択する偶数変速段のギア選択を先行し、第1クラッチC1を開放して第2クラッチC2を締結するというクラッチ掛け替えにより、奇数変速段から偶数変速段への変速が実行される。
【0010】
回転センサ6は、減速機5を介して車輪8aに駆動力を伝達する車軸7aの回転方向および回転角速度を検出する。車軸7aと車輪8aとは一体的に回転するため、回転センサ6は、車輪7aの回転方向および回転角速度を検出するものであると換言できる。回転センサ6は、車両の前進方向の回転角速度を正の値として検出し、車両の後退方向の回転角速度を負の値として検出する。検出した信号は、コントローラ10に出力する。
【0011】
コントローラ10は、エンジン1の制御、クラッチC1,C2の締結制御、変速機4の制御を行う。特に、コントローラ10は、車両が停止した状態から、いわゆるクリープ走行を行うために、エンジン1、クラッチC1,C2、および、変速機4の制御を行う。
【0012】
図2は、コントローラ10によって行われるクリープ走行制御の処理内容を示すフローチャートである。車両が停止した状態で、コントローラ10は、ステップS10の処理を開始する。
【0013】
ステップS10では、回転センサ6によって検出された回転角速度ωの絶対値が0より大きいか否か、すなわち、車両が停止した状態から動き始めたか否かを判定する。回転角速度ωの絶対値が0であると判定すると、フローチャートの処理を終了し、0より大きいと判定すると、ステップS20に進む。
【0014】
ステップS20では、回転センサ6によって検出された回転角速度ωの絶対値が所定のクラッチ締結判定角速度W以上であるか否かを判定する。所定のクラッチ締結判定角速度Wは、回転角速度ωの大きさに基づいて、クラッチC1,C2を締結するか否かを判定するためのしきい値であり、実験等により適切な値を予め設定しておく。回転角速度ωの絶対値が所定のクラッチ締結判定角速度W未満であると判定するとステップS10に戻り、所定のクラッチ締結判定角速度W以上であると判定すると、ステップS30に進む。
【0015】
ステップS30では、回転センサ6によって検出された回転角速度ωに基づいて、次式(1)より、回転角加速度αを算出する。
【0016】
α=Δω/Δt (1)
【0017】
例えば、回転角速度ωの絶対値が0より大きくなり始めた時刻をt0、回転角速度ωの絶対値が所定のクラッチ締結判定角速度W以上となった時刻をt1とした場合に、時刻t1の回転角速度ωを用いて、ω/(t1−t0)を回転角加速度αとして算出することができる。
【0018】
ステップS40では、算出した回転角加速度αが0より大きいか否かを判定する。回転角加速度αが0より大きいと判定すると、ステップS50に進む。ステップS50からステップS70は、例えば、下り坂の途中で車両が停車しており、ドライバがブレーキを解除することにより、車両が前進し始めるような状況下で行われる処理である。
【0019】
ステップS50では、回転角加速度αに基づいて、締結するクラッチを決定する。
【0020】
図3は、回転角加速度αと、選択するクラッチとの関係を示す図である。図3に示すように、回転角加速度αが所定の加速度α1以下の場合には、第1クラッチC1を選択し、回転角加速度αが所定の加速度α1より大きい場合には、第2クラッチC2を選択する。これは、回転角加速度αが所定の加速度α1以下の通常発進時には、第1クラッチC1を締結して、変速機4の変速ギアとして1速ギアを選択するようにし、回転角加速度αが所定の加速度α1より大きい場合には、第2クラッチC2を締結して、2速ギアを選択するためである。すなわち、回転角加速度αが所定の加速度α1より大きい場合というのは、例えば、下り坂の勾配が大きい場合であるため、1速ギアを接続すると、接続時のショックが大きくなる。従って、1速ギアに比べてギア比の小さい2速ギアを接続して、接続時のショックを軽減する。
【0021】
ステップS60では、回転角加速度αに基づいて、ステップS50で決定したクラッチの締結容量を算出する。図4は、回転角加速度αと、クラッチ締結容量との関係を示す図である。図4に示すように、回転角加速度αが大きくなるほど、クラッチ締結容量を小さくする。すなわち、下り坂の勾配が大きいほど、クリープトルクを必要とせずに車両が動くので、クラッチ締結容量を小さくして、クリープトルクを小さくする。コントローラ10は、図4に示すような、回転角加速度αとクラッチ締結容量との関係を定めたデータを保有しており、ステップS30で算出した回転角加速度αに基づいて、上記データを参照することにより、クラッチ締結容量を算出する。
【0022】
ステップS70では、回転角加速度αに基づいて、クラッチ締結開始から、クラッチ締結完了までに要するクラッチ締結時間を決定する。図5は、回転角加速度αと、クラッチ締結時間との関係を示す図である。図5に示すように、回転角加速度αが大きくなるほど、クラッチ締結時間を短くする。すなわち、下り坂の勾配が大きいほど、クリープトルクを必要とせずに車両が動くので、時間をかけてクリープトルクを大きくしていく。コントローラ10は、図5に示すような、回転角加速度αとクラッチ締結時間との関係を定めたデータを保有しており、ステップS30で算出した回転角加速度αに基づいて、上記データを参照することにより、クラッチ締結時間を算出する。
【0023】
コントローラ10は、ステップS60で算出したクラッチ締結容量、および、ステップS70で算出したクラッチ締結時間に基づいて、ステップS50で決定したクラッチを締結するための指令を出す。この指令に基づいて、ステップS50で決定したクラッチの締結が制御される。
【0024】
ステップS40で回転角加速度αが0以下であると判定すると、ステップS80に進む。ステップS80からステップS110は、例えば、上り坂の途中で車両が停車しており、ドライバがブレーキを解除することにより、車両が後退し始めるような状況下で行われる処理である。この場合、クリープ走行のために締結されるクラッチとしては、第1クラッチC1が選択される。
【0025】
ステップS80では、回転角加速度αの絶対値に基づいて、第1クラッチC1の締結容量を算出する。図6は、回転角加速度αと、クラッチ締結容量との関係を示す図である。図6に示すように、回転角加速度αの絶対値|α|が大きくなるほど、クラッチ締結容量を大きくする。すなわち、上り坂の勾配が大きいほど、クリープトルクを大きくして、車両のロールバックを抑制する。コントローラ10は、図6に示すような、回転角加速度αとクラッチ締結容量との関係を定めたデータを保有しており、ステップS30で算出した回転角加速度αの絶対値に基づいて、上記データを参照することにより、クラッチ締結容量を算出する。
【0026】
ステップS90では、ステップS80で算出したクラッチ締結容量に基づいて、必要なエンジントルクを算出する。図7は、クラッチ締結容量と必要エンジントルクとの関係を示す図である。図7に示すように、クラッチ締結容量が大きくなるほど、必要エンジントルクは大きくなる。コントローラ10は、図7に示すような、クラッチ締結容量とエンジントルクとの関係を定めたデータを保有しており、ステップS80で算出したクラッチ締結容量に基づいて、上記データを参照することにより、必要エンジントルクを算出する。
【0027】
なお、上述したように、クラッチ締結容量は、回転角加速度αの絶対値に基づいて算出している。従って、回転角加速度αの絶対値と必要エンジントルクとの関係を定めたデータを予め用意しておき、ステップS30で算出した回転角加速度αの絶対値に基づいて、上記データを参照することにより、必要エンジントルクを算出するようにしてもよい。この場合、必要エンジントルクは、回転角加速度αの絶対値が大きくなるほど大きい値となる。
【0028】
ステップS100では、ステップS90で算出した必要エンジントルクから、現在のエンジントルクを減算することにより、エンジントルクのトルクアップ量ΔT_engを求める。現在のエンジントルクとは、アイドリング状態でのエンジントルクである。
【0029】
ステップS110では、回転角加速度αの絶対値に基づいて、クラッチ締結時間を決定する。図8は、回転角加速度αの絶対値|α|と、クラッチ締結時間との関係を示す図である。図8に示すように、回転角加速度αの絶対値が大きくなるほど、クラッチ締結時間を短くする。すなわち、上り坂の勾配が大きいほど、迅速にクラッチ締結を完了させて、車両のロールバックを効果的に抑制する。コントローラ10は、図8に示すような、回転角加速度αの絶対値とクラッチ締結時間との関係を定めたデータを保有しており、ステップS30で算出した回転角加速度αの絶対値に基づいて、上記データを参照することにより、クラッチ締結時間を算出する。
【0030】
コントローラ10は、ステップS100で求めたエンジントルクのトルクアップ量ΔT_engに基づいて、エンジントルクを増大させるための指令をエンジン1に出す。この指令に基づいて、エンジン1は、出力エンジントルクを増大させる。また、エンジントルクの増大指令を出した後、コントローラ10は、ステップS80で算出したクラッチ締結容量、および、ステップS110で算出したクラッチ締結時間に基づいて、第1クラッチC1を締結するための指令を出す。この指令に基づいて、第1クラッチC1の締結が制御される。
【0031】
図9は、ステップS80からステップS110までの処理を行う場合に、コントローラ10からの指令に基づいて締結される第1クラッチC1の締結容量、エンジントルク指令、および、変速機4に伝達される実エンジントルクの時間変化をそれぞれ示す図である。上述したように、トルクアップ量ΔT_engに基づいて、エンジントルク指令値が増大する。また、第1クラッチC1の締結容量は徐々に増加していき、ステップS110で求めたクラッチ締結時間後に、ステップS80で求めたクラッチ締結容量となる。このクラッチ締結容量の増加に応じて、変速機4に伝達される実エンジントルクも増大していく。
【0032】
一実施の形態における車両用クリープ走行制御装置によれば、エンジン1と変速機4との間に設けられる発進クラッチC1,C2を備えた車両のクリープ走行を制御する装置であって、車輪の回転方向および回転角速度を検出し、検出した回転方向および回転角速度に基づいて、車輪の回転角加速度を算出する。そして、算出した回転角加速度に基づいて、発進クラッチC1,C2の締結容量および締結時間を算出し、クラッチ締結容量およびクラッチ締結時間に基づいて、発進クラッチC1,C2の締結を制御する。これにより、路面の勾配を検出するための専用のセンサを設けることなく、路面の勾配に応じて、発進クラッチC1,C2を締結して、クリープ走行を制御することができる。また、坂道で車両が停車した状態から、ブレーキスイッチがオフ(ブレーキ力が0)になると、発進クラッチの締結を開始する従来の技術では、ブレーキ力が弱くなって、車両が動き始めても、ブレーキスイッチがオフにならない限り、発進クラッチの締結が開始されないが、一実施の形態における車両用クリープ走行制御装置によれば、車両挙動に応じて、発進クラッチの締結を開始することができる。
【0033】
また、車両の後退検出時のエンジントルクを、車両の前進検出時のエンジントルクよりも増大させるので、上り坂での発進時に車両が後退するロールバックを抑制することができる。さらに、車両の後退検出時の回転角加速度の絶対値が大きくなるほど、エンジントルクを増大させるので、例えば、上り坂の勾配が大きいほど、クリープトルクを増大させて、ロールバックをさらに効果的に抑制することができる。
【0034】
一実施の形態における車両用クリープ走行制御装置によれば、発進クラッチは、変速機4の奇数変速段の選択時に締結される第1クラッチC1と、偶数変速段の選択時に締結される第2クラッチC2とから構成されており、回転方向が車両の前進方向である場合に、回転角加速度に基づいて、第1クラッチC1および第2クラッチC2のうち、どちらのクラッチを締結するかを決定する。特に、回転角加速度が所定の角加速度以下の場合に、第1クラッチC1を締結クラッチとして決定し、回転角加速度が所定の角加速度より大きい場合に、第2クラッチC2を締結クラッチとして決定する。これにより、例えば、下り坂の勾配が大きい場合に、第2クラッチC2を介して2速ギアを接続して、クリープ走行を行うので、1速ギアを接続する場合に比べて、ギア接続時のショックを軽減することができる。
【0035】
本発明は、上述した一実施の形態に限定されることはない。例えば、発進クラッチとして、第1クラッチC1および第2クラッチC2の2つ備えているものとして説明したが、発進クラッチは1つだけ備えていてもよい。この場合、図2に示すフローチャートのステップS50の処理は省略されることになる。
【0036】
車輪の回転方向および回転角速度を1つの回転センサ6によって検出したが、回転方向検出用のセンサと、回転角速度検出用のセンサをそれぞれ設けるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】一実施の形態における車両用クリープ走行制御装置の構成を示すブロック図である。
【図2】コントローラ10によって行われる処理内容を示すフローチャートである。
【図3】下り坂発進時の回転角加速度と、選択するクラッチとの関係を示す図である。
【図4】下り坂発進時の回転角加速度と、クラッチ締結容量との関係を示す図である。
【図5】下り坂発進時の回転角加速度と、クラッチ締結時間との関係を示す図である。
【図6】上り坂発進時の回転角加速度と、クラッチ締結容量との関係を示す図である。
【図7】上り坂発進時のクラッチ締結容量と必要エンジントルクとの関係を示す図である。
【図8】上り坂発進時の回転角加速度と、クラッチ締結時間との関係を示す図である。
【図9】上り坂発進時に、コントローラからの指令に基づいて締結される第1クラッチの締結容量、エンジントルク指令、および、変速機に伝達される実エンジントルクの時間変化をそれぞれ示す図である。
【符号の説明】
【0038】
1…エンジン
4…変速機
6…回転センサ
8a,8b…車輪
C1,C2…クラッチ
10…コントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンと変速機との間に設けられた発進クラッチの締結を制御することにより、車両のクリープ走行を制御する車両用クリープ走行制御装置であって、
車輪の回転方向を検出する回転方向検出手段と、
車輪の回転角速度を検出する回転角速度検出手段と、
前記回転方向および前記回転角速度に基づいて、車輪の回転角加速度を算出する回転角加速度算出手段と、
前記回転角加速度に基づいて、前記発進クラッチの締結容量を算出するクラッチ締結容量算出手段と、
前記回転角加速度に基づいて、前記発進クラッチの締結を開始してから完了するまでの締結時間を算出するクラッチ締結時間算出手段と、
前記クラッチ締結容量および前記クラッチ締結時間に基づいて、前記発進クラッチの締結を制御するクラッチ締結制御手段と、
を備えることを特徴とする車両用クリープ走行制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用クリープ走行制御装置において、
前記回転方向が車両の後退方向である場合のエンジントルクを、前記回転方向が車両の前進方向である場合のエンジントルクよりも増大させるエンジントルク制御手段をさらに備えることを特徴とする車両用クリープ走行制御装置。
【請求項3】
請求項2に記載の車両用クリープ走行制御装置において、
前記エンジントルク制御手段は、前記クラッチ締結容量が大きくなるほど、エンジントルクを増大させることを特徴とする車両用クリープ走行制御装置。
【請求項4】
請求項2に記載の車両用クリープ走行制御装置において、
前記エンジントルク制御手段は、前記回転角加速度の絶対値が大きくなるほど、エンジントルクを増大させることを特徴とする車両用クリープ走行制御装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の車両用クリープ走行制御装置において、
前記発進クラッチは、前記変速機の奇数変速段の選択時に締結される第1クラッチと、偶数変速段の選択時に締結される第2クラッチとから構成されており、
前記回転方向が車両の前進方向である場合に、前記回転角加速度に基づいて、前記第1クラッチおよび前記第2クラッチのうち、どちらのクラッチを締結するかを決定する締結クラッチ決定手段をさらに備えることを特徴とする車両用クリープ走行制御装置。
【請求項6】
請求項5に記載の車両用クリープ走行制御装置において、
前記締結クラッチ決定手段は、前記回転角加速度が所定の角加速度以下の場合に、前記第1クラッチを締結クラッチとして決定し、前記回転角加速度が前記所定の角加速度より大きい場合に、前記第2クラッチを締結クラッチとして決定することを特徴とする車両用クリープ走行制御装置。
【請求項7】
エンジンと変速機との間に設けられる発進クラッチを備えた車両のクリープ走行を制御する車両用クリープ走行制御方法であって、
車輪の回転方向を検出し、
車輪の回転角速度を検出し、
前記回転方向および前記回転角速度に基づいて、車輪の回転角加速度を算出し、
前記回転角加速度に基づいて、前記発進クラッチの締結容量を算出し、
前記回転角加速度に基づいて、前記発進クラッチの締結を開始してから完了するまでの締結時間を算出し、
前記クラッチ締結容量および前記クラッチ締結時間に基づいて、前記発進クラッチの締結を制御することを特徴とする車両用クリープ走行制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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