説明

車両用シートの物入れ構造

【課題】 小物の出し入れを容易に行うことができ、かつ収納した小物の車両走行時の挙動を小さくすることが可能な車両用シートの物入れ構造を提供することにある。
【解決手段】 本発明は、シートクッション2の下方に荷物収納スペースSを備え、シートクッション2を起立させることにより荷物収納スペースSを使用可能とした車両用シート1の物入れ構造において、シートクッション2の下方に上方を開口した凹形状の収納用アンダーボックス9を設け、収納用アンダーボックス9によって荷物収納スペースSを形成すると共に、収納用アンダーボックス9の開口縁部に小型の荷物を収納することが可能なトレイ10を別個に設けている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートクッションの下部空間を利用した車両用シートの物入れ構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両用シートの中には、シートクッションの下方に荷物収納スペースを備え、シートクッションの下部空間を利用するようにしたものがある。例えば、図8および図9に示すような車両用シート51では、シートクッション52の前端部がクッションフレーム(図示せず)に回動可能に取付けられ、シートクッション52の下方に収納容器であるシートアンダーボックス53が設けられている。そして、シートアンダーボックス53の使用時には、前端部を中心にしてシートクッション52を車両前方へ向けて回動させながら起立させ、シートアンダーボックス53を露出させることにより、荷物をシートアンダーボックス53に入れて収納したり、或いはシートアンダーボックス53から取出したりしている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平7−40784号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述した従来の車両用シート51の物入れ構造では、シートアンダーボックス53を使用する際に、シートクッション52を回動させて起立することが必要となるので、使用頻度が高い小物(例えば、ティッシュ、CD等)をシートアンダーボックス53に収納する場合などにおいて手間が掛かり、不便であった。また、小さな物をシートアンダーボックス53内に収納した場合、大きな物の収納などを目的としているシートアンダーボックス53では、収納した小物の車両走行時の挙動が大きくなるという不具合があった。
【0004】
本発明はこのような実状に鑑みてなされたものであって、その目的は、小物の出し入れを容易に行うことができ、かつ収納した小物の車両走行時の挙動を小さくすることが可能な車両用シートの物入れ構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記従来技術の有する課題を解決するために、本発明は、シートクッションの下方に荷物収納スペースを備え、前記シートクッションを起立させることにより前記荷物収納スペースを使用可能とした車両用シートの物入れ構造において、前記シートクッションの下方に上方を開口した凹形状の収納用アンダーボックスを設け、該収納用アンダーボックスによって前記荷物収納スペースを形成すると共に、前記収納用アンダーボックスの開口縁部に小型の荷物を収納することが可能なトレイを別個に設けている。
【0006】
また、本発明において、前記収納用アンダーボックスの車両前方側の開口縁部には、他の開口縁部に対して一段下がった段部が設けられ、該段部の上面には、前記トレイが車両前後方向へ沿ってスライド可能に配置されており、前記トレイを前記シートクッションの下から車両前方側に引き出すことにより、小型の荷物の出し入れが可能となるように構成されている。
【0007】
さらに、本発明において、前記シートクッションのクッションフレームには、前記トレイを案内するガイド部が配設され、該ガイド部は車両後方へ向かってやや下り傾斜に設けられており、前記収納用アンダーボックスの段部の上面に位置する状態では、前記トレイがほぼ水平に配置されている。
【0008】
そして、本発明において、前記収納用アンダーボックスの前後端部は、前記トレイと、前記シートクッションの後端部下面に設けた押え部材とによって、上方から押え付けられている。
また、本発明において、前記シートクッションのクッションフレームの車両前方側は、車幅方向に延設する前部フレームを備え、前記収納用アンダーボックスの車両前方側に位置する縦壁の前記前部フレームと当接する箇所には、弾性変形可能なリブが設けられ、該リブが弾性変形した状態で、前記収納用アンダーボックスの前記縦壁が前記前部フレームに当接するように構成されている。
さらに、本発明において、前記収納用アンダーボックスの前記ガイド部を配置した箇所には穴が設けられ、該穴から前記ガイド部を前記収納用アンダーボックスの内部に露出させることによって、前記トレイが前記ガイド部に取付けられている。
【0009】
また、本発明において、前記トレイの深さは、前記収納用アンダーボックスよりも浅く形成されている。
一方、本発明において、前記トレイの車両後方側の縦壁は、車両前方に前倒し可能に構成されている。
そして、本発明において、前記トレイの車両後方側の縦壁の前倒し機構は、前記トレイの後端部に係止部を設けると共に、前記トレイの車両後方側の縦壁の下端に下方へ開口した爪部を設け、該爪部を前記係止部に係合させることにより、前記トレイの車両後方側の縦壁を回動可能とし、前記爪部の車両前方側の面が前記トレイの後端部に当接するように構成されている。
さらに、本発明において、前記トレイの車両後方側の縦壁が倒れた状態において、前記爪部の下方を向いた面が、前記トレイの後端部の底面よりも下方に膨らむ形状に形成されている。
また、本発明において、前記トレイの車両後方側の縦壁を倒した状態での上面には、上方に向かって凸となるリブ部が設けられている。
しかも、本発明において、前記トレイの車両後方側は開放端となっており、該開放端の側面の縦壁と底面との境界には、前記トレイの内部に突出する凸状部が形成されている。
【発明の効果】
【0010】
上述の如く、本発明に係る車両用シートの物入れ構造は、シートクッションの下方に荷物収納スペースを備え、前記シートクッションを起立させることにより前記荷物収納スペースを使用可能としたものであって、前記シートクッションの下方に上方を開口した凹形状の収納用アンダーボックスを設け、該収納用アンダーボックスによって前記荷物収納スペースを形成すると共に、前記収納用アンダーボックスの開口縁部に小型の荷物を収納することが可能なトレイを別個に設けているので、小物などはトレイに収納すれば、収納用アンダーボックスに収納した場合と比べて小物の車両走行時の挙動を小さく抑えることができる。
【0011】
また、本発明において、前記収納用アンダーボックスの車両前方側の開口縁部には、他の開口縁部に対して一段下がった段部が設けられ、該段部の上面には、前記トレイが車両前後方向へ沿ってスライド可能に配置されており、前記トレイを前記シートクッションの下から車両前方側に引き出すことにより、小型の荷物の出し入れが可能となるように構成されているので、使用頻度の高い小物をトレイに収納することによって、シートクッションを起立させることなく、また、着座した状態のままでも、トレイより小物を簡単に出し入れすることができ、便利である。
【0012】
さらに、本発明において、前記シートクッションのクッションフレームには、前記トレイを案内するガイド部が配設され、該ガイド部は車両後方へ向かってやや下り傾斜に設けられており、前記収納用アンダーボックスの段部の上面に位置する状態では、前記トレイがほぼ水平に配置されているので、小物の収納を損なうことなく、トレイを円滑に引き出したり、押し込めたりすることができる。
【0013】
そして、本発明において、前記収納用アンダーボックスの前後端部は、前記トレイと、前記シートクッションの後端部下面に設けた押え部材とによって、上方から押え付けられているので、車両走行中において、収納用アンダーボックスのガタ付きを確実に防止することができる。
また、本発明において、前記シートクッションのクッションフレームの車両前方側は、車幅方向に延設する前部フレームを備え、前記収納用アンダーボックスの車両前方側に位置する縦壁の前記前部フレームと当接する箇所には、弾性変形可能なリブが設けられ、該リブが弾性変形した状態で、前記収納用アンダーボックスの前記縦壁が前記前部フレームに当接するように構成されているので、リブが変形状態から元に戻ろうとする反力により、収納用アンダーボックスが前部フレーム側に押し付けられ、収納用アンダーボックスのクッションフレームに対する車両前後方向の動きをより一層規制することができる。
さらに、本発明において、前記収納用アンダーボックスの前記ガイド部を配置した箇所には穴が設けられ、該穴から前記ガイド部を前記収納用アンダーボックスの内部に露出させることによって、前記トレイが前記ガイド部に取付けられているので、クッションフレームとトレイとの間に収納用アンダーボックスがガイド部を介して挟まれた状態となり、トレイにより収納用アンダーボックスが上方に移動することを抑制でき、収納用アンダーボックスのクッションフレームへの保持が可能となる。それに加えて、トレイを外さないと収納用アンダーボックスをクッションフレームから取り外せなくなるため、トレイが収納用アンダーボックスのクッションフレームへの固定機構としての役割を果たすことになり、別途収納用アンダーボックスのクッションフレームへの固定機構を設ける必要がなくなる。
なお、本発明において、前記トレイの深さが前記収納用アンダーボックスよりも浅く形成されていれば、トレイに収納した小物の車両走行時の挙動をより一層小さく抑えることができる。
【0014】
一方、本発明において、前記トレイの車両後方側の縦壁は、車両前方に前倒し可能に構成されているので、スーパーなどの食料品店で使用されるバスケット(買い物カゴ)の底面をトレイの上に安定して載せることができる。
また、本発明において、前記トレイの車両後方側の縦壁の前倒し機構は、前記トレイの後端部に係止部を設けると共に、前記トレイの車両後方側の縦壁の下端に下方へ開口した爪部を設け、該爪部を前記係止部に係合させることにより、前記トレイの車両後方側の縦壁を回動可能とし、前記爪部の車両前方側の面が前記トレイの後端部に当接するように構成されているので、トレイの車両後方側の縦壁が車両後方側に倒れないようにすることができる。しかも、トレイの車両後方側の縦壁に対して車両後方への負荷が掛かった場合、爪部の車両前方側には開口を閉じるような荷重が掛かることになり、トレイの車両後方側の縦壁が抜け出るのを防止することができる。
さらに、本発明において、前記トレイの車両後方側の縦壁が倒れた状態において、前記爪部の下方を向いた面が、前記トレイの後端部の底面よりも下方に膨らむ形状に形成されているので、トレイの車両後方側の縦壁に対して車両前方の力が加わっても、下方に膨らむ形状の爪部の面が前記トレイの後端部の底面に引っ掛かり、爪部が係止部から容易に抜けないようにすることができる。
また、本発明において、前記トレイの車両後方側の縦壁を倒した状態での上面には、上方に向かって凸となるリブ部が設けられているので、トレイの上にバスケットを載せた際に、縦壁上面のリブ部でバスケットの底面のリブを受けることになり、当該縦壁の他の平面にバスケットの底面のリブが当接するのを防ぎ、縦壁全体の傷付きを防止することができる。
そしてまた、本発明において、前記トレイの車両後方側は開放端となっており、該開放端の側面の縦壁と底面との境界には、前記トレイの内部に突出する凸状部が形成されているので、車両走行中のバスケットの車幅方向の位置を安定させた状態で、当該バスケットをトレイおよび収納用アンダーボックスの上に載せることができる。しかも、トレイの後端部は開放形状となっているため、トレイの後端部に固定した縦壁がある場合に比べて剛性面で不利になりやすくなっても、左右両側の凸状部の存在によってトレイの後端の角部を補強することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を図示の実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図1〜図7は本発明に係る車両用シートの物入れ構造の実施の形態を示している。本実施形態の車両用シート1は、図1および図2aに示す如く、乗員が着座するシートクッション2と、着座した乗員の背部を受けるべく、シートクッション2の後端部にリクライニング機構(図示せず)を介して設けられるシートバック3とから構成されており、シートクッション2の下方には、荷物収納スペースSを備えている。
【0016】
シートクッション2は、平面視で四角形状のクッションフレーム4(図5a参照)上に配置される構造となっており、左右一対のヒンジ機構5,6を介して前端部を中心にして車両前方へ向けて回動可能に取付けられ、後述の収納用アンダーボックスの使用時にシートクッション2が起立した状態でクッションフレーム4の車両前方側に配置されるように構成されている。そのため、ヒンジ機構5,6は、シートクッション2の前端部を載せて固定する逆L字状配置のヒンジブラケット7をそれぞれ備えており、ヒンジブラケット7の下端部は、ヒンジピン8によってクッションフレーム4のサイドフレーム4aの前端部に回動可能に取付けられている。
また、クッションフレーム4は、図5aおよび図5bに示す如く、左右一対のサイドフレーム4aの前後端部相互間に掛け渡される前部パイプ4bおよび後部パイプ4cを備えている。
【0017】
一方、シートクッション2の下方の空間部分には、図2a、図2b、図2c、図3および図5bに示す如く、上方を開口した凹形状の着脱可能な収納用アンダーボックス9が設けられており、この収納用アンダーボックス9によって上記荷物収納スペースSが形成されている。したがって、収納用アンダーボックス9は、比較的大きな荷物を収納するのに適した大きさおよび深さに形成されている。収納用アンダーボックス9の開口縁部は、外方へ向かってほぼ直角に折り曲げたフランジ状に形成され、クッションフレーム4の上部に載置することが可能となっている。特に、収納用アンダーボックス9の前後に位置する開口縁部の下面は、前部パイプ4bおよび後部パイプ4cと嵌合するような凹形状に形成されており、収納用アンダーボックス9をクッションフレーム4の上部に載置した状態で、前後端部が前部パイプ4bおよび後部パイプ4cに保持されるようになっている。
さらに、図2b、図2cおよび図2dに示す如く、収納用アンダーボックス9の前側の壁の前部パイプ4bに接する箇所には、前部パイプ4bと当接して車両後方側に弾性変形する左右一対のリブ9bが設けられていても良い。これらリブ9bは、収納用アンダーボックス9の前側の壁を、一辺を残して切り欠いた形状とすることにより、容易に形成することが可能である。このようなリブ9bを設けたことにより、図2cおよび図2dに示す如く、収納用アンダーボックス9をクッションフレーム4に配置する際に、前部パイプ4bが収納用アンダーボックス9の凹形状部分に嵌合され、リブ9bが車両後方に撓むため、当該リブ9bが変形状態から元に戻ろうとする反力により、収納用アンダーボックス9が前部パイプ4bに押し付けられることになる。その結果、収納用アンダーボックス9のクッションフレーム4に対する車両前後方向の動きを規制することができる。
一方、弾性変形するリブ9bを収納用アンダーボックス9に一体で設ける代わりに、収納用アンダーボックス9の前側の壁の前部パイプ4bに接する箇所には、ゴムやスポンジなどの別部品を付設したりすることで、同様の機能を持たせることができるが、収納用アンダーボックス9に弾性変形するリブ9bを一体で設けた場合は、部品点数や組付け工数の削減などの面で好ましい。
また、リブ9bとしては、クッションフレーム4の前部パイプ4bに当接した時に容易に塑性変形する、所謂「潰しリブ」を設けても良いが、弾性変形するリブ9bを設けた場合は、リブ9bの撓みにより大きな反力を発生させることが可能となるため、収納用アンダーボックス9の車両前後方向の動きを規制する効果がより高められる。
なお、収納用アンダーボックス9は、クッションフレーム4に対して必ずしも着脱可能である必要はなく、クッションフレーム4に着脱不能に固定されていてもよい。
【0018】
また、収納用アンダーボックス9の開口縁部には、図1〜図4および図5c〜図5fに示す如く、平面視で四角形状に形成され、小型の荷物(例えば、使用頻度の高いティッシュ、CD等の小物)を収納することが可能なトレイ10が当該収納用アンダーボックス9とは別個に設けられている。このため、収納用アンダーボックス9の車両前方側の開口縁部には、他の開口縁部に対して一段下がった段部9aが設けられており、該段部9aは車両前後方向の長さが大きな平坦面形状に形成されている。そして、この段部9aの上方には、トレイ10が車両前後方向へ沿ってスライド可能に配置されている。すなわち、トレイ10は、これをシートクッション2の下から車両前方側に引き出すことにより、小物の出し入れが可能となるように構成されている。
【0019】
トレイ10は、前後左右の4辺が縦壁10a〜10cによって囲まれており、当該トレイ10の深さは、収納用アンダーボックス9の深さよりも浅く形成され、小物の収納に適し、車両走行中の挙動を小さくするような大きさに設定されている。トレイ10の左右両側に位置する縦壁10cの上部には、図4、図5c、図5eおよび図5fに示す如く、車両前後方向に沿って延在するコ字状のガイド溝11がそれぞれ形成されており、これらガイド溝11は、後述のガイド部材と対応する傾斜角度で車両後方へ向かってやや下り傾斜に設けられている。そして、ガイド溝11の前後上壁には、トレイ10の前後の位置決め機能と、引き出しおよび押し込み状態の保持機能を有するストッパ部12が突設されている。なお、トレイ10の前方側の縦壁10aには、当該トレイ10の引き出しに便利な取手孔13が設けられている。
【0020】
一方、クッションフレーム4を構成するサイドフレーム4aの前部で、ヒンジブラケット7の上面下方位置には、図5a、図5b、図5cおよび図5fに示す如く、トレイ10を車両前後方向に案内支持すべく、トレイ10のガイド溝11内に嵌め込むガイド部材(ガイド部)14がそれぞれ配設されている。これらガイド部材14は、車両前後方向の大きさがやや長い平面視でU字状に形成され、開口側をサイドフレーム4aに向けて互いに対向すべく配置されていると共に、車両後方へ向かってやや下り傾斜(例えば、傾斜角度θは約3°)に設けられている。これによって、シートクッション2と収納用アンダーボックス9の段部9aとの間であって、トレイ10を出し入れする車両前方側の開口高さが車両後方側の開口高さよりも大きく形成されることになり、トレイ10を円滑に引き出したり、押し込めたりすることが可能となる。ただし、トレイ10は、収納用アンダーボックス9の段部9aの上面に位置する状態で、小物の収納に支障が生じないように、その底面がほぼ水平に配置されている。つまり、トレイ10のガイド溝11は、トレイ10の底面に対して、車両の前方側が高くなるように設定されている。
収納用アンダーボックス9の段部9aの上面は、車両搭載状態で水平に設定され、トレイ10のガイド部材14が車両後方へ向かってやや下り傾斜に設定されているので、トレイ10の引き出し動作で、トレイ10が収納用アンダーボックス9の段部9aの上面から離れる方向に移動することとなる。これによって、トレイ10と段部9aの上面との摩擦抵抗が回避でき、トレイ10の引き出し操作が容易となる。
また、トレイ10の車両後方側は、その格納状態で、図2aに示すように、収納用アンダーボックス9の開口上に位置している。格納状態では、収納用アンダーボックス9の段部9aがトレイ10の車両後方側の下方に存在しないため、トレイ10の収納空間を犠牲にすることなく、トレイ10の裏面にリブ等の補強部材を配置することが可能となり、トレイ10の強度アップが可能となる。これは、前述したガイド部材14の角度の設定により、トレイ10の引き出し動作で、トレイ10が収納用アンダーボックス9の段部9aの上面から離れる方向に移動するため、トレイ10の裏面にリブ等の補強部材を設けても、段部9aとの干渉が回避できるからである。
【0021】
一方、図5bに示すように、クッションフレーム4側のガイド部材14に対応する収納用アンダーボックス9の左右両側の縦壁には、長方形状の穴9cが設けられており、該穴9cからガイド部材14を収納用アンダーボックス9の内部に露出させることが可能となっている。すなわち、収納用アンダーボックス9をクッションフレーム4に載置すると、収納用アンダーボックス9の穴9cより収納用アンダーボックス9の内部に向けて、ガイド部材14が突出することになる。この状態で、図5cから図5dの状態となるように、ガイド部材14をトレイ10のガイド溝11に嵌め込むことにより、図5eに示す如く、収納用アンダーボックス9がクッションフレーム4とトレイ10との間にガイド部材14を介して挟まれた状態となり、当該トレイ10により収納用アンダーボックス9が上方に移動することを抑制できると共に、収納用アンダーボックス9をクッションフレーム4に保持させることができる。したがって、トレイ10を外さないと、収納用アンダーボックス9をクッションフレーム4から取り外せないため、トレイ10が収納用アンダーボックス9のクッションフレーム4への固定機構の役割を果たすことになり、収納用アンダーボックス9のクッションフレーム4への固定機構を別途に設ける必要がなくなる。
また、収納用アンダーボックス9の前後端部は、図2aに示す如く、トレイ10と押え部材15とによって、上方から押え付けられるようになっている。このため、トレイ10のガイド溝11は、クッションフレーム4側のガイド部材14に嵌合して支持された状態で、底面が収納用アンダーボックス9の段部9aの上面に当接するような高さ位置に設けられている。また、押え部材15は、弾力性を有するゴム材などによって形成され、収納用アンダーボックス9の後方側開口縁部に当接する高さで、シートクッション2の後端部下面の左右両側に突設されている。したがって、収納用アンダーボックス9の前端部は、クッションフレーム4の前部パイプ4b上に載置保持された状態で前部パイプ4bとトレイ10とによって挟持され、収納用アンダーボックス9の後端部は、クッションフレーム4の後部パイプ4c上に載置保持された状態で後部パイプ4cと押え部材15とによって挟持されることになり、収納用アンダーボックス9およびトレイ10は、車両走行中にガタ付くことなく、シートクッション2の下方に配置されることになる。
しかも、トレイ10を押し込んだ格納位置では、トレイ10の裏面に収納用アンダーボックス9の段部9aが当接しトレイ10の底面を支えるため、荷物の重さによるトレイ10の変形を防止でき、トレイ10の強度に特別な配慮をする必要がなくなる。
【0022】
本発明の実施形態に係る車両用シート1の物入れ構造において、収納用アンダーボックス9に荷物を収納したり、或いは収納用アンダーボックス9内の荷物を取出したりする場合は、シートクッション2の後端部を持ち上げ、ヒンジ機構5,6により前端部を中心にして車両前方へ向けて回動させながら起立させ、クッションフレーム4の車両前方側に配置する。すると、収納用アンダーボックス9が露出し、上面が開口することになるから、買い物等をした比較的大きな荷物を収納用アンダーボックス9内に収納したり、或いは収納した荷物を収納用アンダーボックス9から取出すことが可能となる。そして、荷物の出し入れが終わったら、上記と逆の操作でシートクッション2を車両後方へ向けて回動させてほぼ水平に配置すると、収納用アンダーボックス9の上面開口が塞がれ、シートクッション2は元の着座可能な状態になる(図2a参照)。
一方、トレイ10に小型の荷物であるCD等の小物を収納したり、或いはトレイ10内の小物を取出したりする場合は、シートクッション2を持ち上げて起立させることなく、また着座したままでも、トレイ10のみをシートクッション2の下から車両前方側に引き出して配置する(図1参照)。すると、トレイ10の上面が開口することになるから、小物をトレイ10内に収納したり、或いは収納した小物をトレイ10から取出すことが可能となる。そして、小物の出し入れが終わったら、トレイ10を車両後方へ向けてシートクッション2の下方の元の位置まで押し込むと、トレイ10の上面開口がシートクッション2により塞がれることになる(図2a参照)。
【0023】
さらに、本発明の実施形態に係る車両用シート1の物入れ構造では、図6a〜図6kおよび図7a〜図7gに示す如く、シートクッション2を起立した状態で、収納用アンダーボックス9の上にスーパーなどの食料品店で使用される買い物用のバスケット(買い物カゴ)16を載置することが可能となっている。
近頃、大手の食料品スーパーなどでは、店内で使用するバスケットと同形状で、識別のために異なる色や識別マークを施したバスケットを個人で購入可能とし、この個人用のバスケットを買い物客に持参させ、レジで支払いの際、買った物を当該個人用のバスケットに入れ、そのままバスケットごと持ち帰ることができるサービスを行っている店がある。
そこで、このようなシステムを利用するユーザーが、個人用のバスケットを車内に安定した状態で置けるように、本発明では、以下のような構造を備えている。
すなわち、本発明の実施形態に係る車両用シート1の物入れ構造では、図5dに示すように、トレイ10をシートクッション2の内部に収納した状態で、トレイ10の前側の縦壁10aと収納用アンダーボックス9の開口部付近の後側縦壁9dとの距離が、バスケット16の下方の長辺と略等しい長さとなるように設定されている。一方、トレイ10の車両幅方向の左右一対の縦壁10c間の距離は、バスケット16の下方の短辺と略等しい長さとなるように設定されている。したがって、バスケット16の底面の前側はトレイ10の底面に支持され、バスケット16の底面の後側は収納用アンダーボックス9の開口部周辺の後側縦壁9dの手前側に設けた溝部9e(図2a参照)に支持されており、起立したシートクッション2の裏面とシートバック3の前面との間にバスケット16を収納させることが可能となっている(図7a参照)。
ところで、このような状態でバスケットを収納用アンダーボックス9およびトレイ10の上に載せるためには、トレイ10の車両後方側の縦壁10bがバスケットの底面に干渉し、バスケットを安定して載せることができない。そのため、本発明では、図6a〜図6kに示すように、買い物用のバスケットを収納用アンダーボックス9の開口縁部に載せ得るように、トレイ10の車両後方側の縦壁10bを車両前方側へ向かって前倒し可能な構造にしている。当該縦壁10bの前倒し機構の詳細を以下に述べる。
【0024】
図6bおよび図6dは、車両後方側の縦壁10bが起立した状態のトレイ10の単品を示し、図6a、図6cおよび図6eは、車両後方側の縦壁10bを車両前方側に倒した状態を示している。すなわち、本発明の実施形態のトレイ10においては、車両後方側の縦壁10bを前倒し可能にすることにより、後述するバスケット16の底面を安定して載せることができる構造となっている。
縦壁10bの前倒し機構の詳細を述べると、トレイ10の後端部の底面と縦壁10bの下端部との間には複数(本実施形態では2箇所)のヒンジ機構10dが設けられている。このヒンジ機構10dは、図6fに示す如く、トレイ10の後端部の底面に係止部10eを設けると共に、図6gおよび図6hに示す如く、トレイ10の車両後方側の縦壁10bの下端部に下方へ開口した爪部10fを設け、該爪部10fを係止部10eに上方より押し込んで係合させることにより、トレイ10の車両後方側の縦壁10bを回動可能に取付けるように構成されている(図6iおよび図6j参照)。このため、本実施形態の係止部10eは、車幅方向に間隔を置いて配置される左右一対の平行なバー10e1と、該バーの後端部に接続され爪部10fに差し込まれる係止バー10e2とを有する矩形の環状に形成されている。
しかも、爪部10fの車両前方側の面は、図6iに示す如く、トレイ10の車両後方側の縦壁10bを立てた際、トレイ10の後端部に当接するような形状に形成されている。これによって、トレイ10の車両後方側の縦壁10bが車両後方側に倒れないようにすると共に、当該縦壁10bに対して車両後方への負荷が掛かった場合、爪部10fの車両前方側にはその開口を閉じさせるような荷重が掛かることにより、トレイ10の本体から縦壁10bが抜け出るのを防止する効果が得られる。
また、爪部10fは、トレイ10の車両後方側の縦壁10bが前方に倒れた状態において、図6jに示す如く、その下方を向いた表面がトレイ10の後端部の底面よりも下方に膨らむ形状に形成されており、これによって、当該縦壁10bが車両前方側の力を受けても、爪部10fが係止部10eから容易に抜けないようになっている。それに加えて、縦壁10bの下端にも、開口側に回り込むようなフランジ10gが形成されており、該フランジ10gによって、係止部10eから爪部10fが抜けるのを防止している。したがって、図6jの矢印の方向に回動させながら縦壁10bを車両前方側に引かない限りは、縦壁10bがトレイ10の本体から外れないので、バスケット16からの荷重により意図せずに縦壁10bが外れてしまうのをより一層防ぐことが可能となる。
【0025】
さらに、本発明の実施形態に係る車両用シート1の物入れ構造では、トレイ10の車両後方側の縦壁10bを前倒ししてバスケット16を載せた際、該バスケット16により縦壁10bの表面の傷付きを防止する以下の特徴を備えている。
一般に、バスケット16の裏面には、図7dに示す如く、下方へ端面が位置する複数の細いリブ16aが設けられている場合が多い。このため、トレイ10の底面よりも一段高くなっている縦壁10bの後面、つまり車両前方へ倒した際の上面がバスケット10のリブ16aに当接しやすい。したがって、前倒し状態の縦壁10bの上面が均一な平坦面になっている場合には、バスケット10のリブ16aにより、面全体が傷付き、外観を悪化させるおそれがある。
そこで、本発明の実施形態の物入れ構造では、図6a〜図6e、図6k、図7dおよび図7eに示すように、縦壁10bを車両前方へ倒した際に、上方へ向かって凸となるリブ部10hが縦壁10bの後面に設けられている。これにより、トレイ10の上にバスケット16を載せた際に、図7a〜図7eに示す如く、リブ部10hでバスケット16の底面のリブ16aを受けることになり、縦壁10bの他の平面にバスケット16の底面のリブ16aが当接するのを防ぎ、縦壁10bの全体の傷付きを防止することができる。しかも、リブ部10hは、上端の細い面でバスケット16の底面のリブ16aを受けるため、仮に傷が付いても目立ちにくく、外観を損ねるおそれがない。
なお、縦壁10bの傷付き防止のための形状は、リブ形状に限定されものではなく、リブ部10hの代わりに丸ビードを設けても同様の機能を奏することができる。
【0026】
また、本発明の実施形態に係る車両用シート1の物入れ構造では、トレイ10の上に載置したバスケット16が車両走行中の振動やカーブでの加速などにより、車幅方向に移動するのを防止するため、次のような構造を備えている。
図6dおよび図6eに示すように、トレイ10の車両後方側は開放端となっており、該開放端の左右両側面の縦壁10cと底面との境界である後端箇所には、トレイ10の内部に突出する凸状部10iが形成されている。これにより、バスケット16をトレイ10に載せた際、図7fおよび図7gに示す如く、バスケット16の下方の左右両側面に凸状部10iを当接させることが可能となり、車両走行中のバスケット16の車幅方向(左右方向)の位置を安定させた状態で載せることができる。
他方、トレイ10の車両後方側は開放端となっているため、後端部に固定した縦壁がある場合に比べて、剛性面で不利になりやすいが、当該凸状部10iを左右両側に設けることにより、トレイ10の車両後方側に位置する後端の角部を補強する効果を得ることができる。なお、バスケット16の車幅方向(左右方向)の位置決めとして、バスケット16の裏面形状に合わせてトレイ10の車両後方側に設ける凸状部10iの形状は、箱形の形状に限らず、フランジ(縦壁)形状やリブ形状でも同様の機能を奏することができる。
【0027】
以上、本発明の実施の形態につき述べたが、本発明は既述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変形および変更が可能である。
例えば、収納用アンダーボックス9およびトレイ10の形状は、既述の実施形態のものに限られず、荷物収納スペースSの形状および大きさなどに対応して適宜選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施の形態に係る車両用シートの物入れ構造であって、トレイをシートクッションの下から車両前方側に引き出した状態を示す斜視図である。
【図2a】本発明の実施の形態に係る車両用シートの物入れ構造であって、トレイをシートクッションの下に押し込んだ状態を示す断面図である。
【図2b】本発明の実施の形態に係る車両用シートの物入れ構造であって、斜め上方から見た収納用アンダーボックスを示す斜視図である。
【図2c】本発明の実施の形態に係る車両用シートの物入れ構造において、クッションフレームに設置した状態の収納用アンダーボックスを示す平面図である。
【図2d】図2cにおけるA−A線断面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る車両用シートの物入れ構造であって、分離した状態の収納用アンダーボックスおよびトレイを示す斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態の物入れ構造におけるトレイを示す側面図である。
【図5a】本発明の実施の形態の物入れ構造におけるクッションフレームを示す斜視図である。
【図5b】本発明の実施の形態に係る車両用シートの物入れ構造において、クッションフレームに設置する前の状態にある収納用アンダーボックスを示す斜視図である。
【図5c】図5bにおける収納用アンダーボックスにトレイを設置する前の状態を示す斜視図である。
【図5d】図5bにおける収納用アンダーボックスにトレイを設置した状態を示す斜視図である。
【図5e】図5dにおけるB−B線断面図である。
【図5f】本発明の実施の形態に係る車両用シートの物入れ構造において、クッションフレームのガイド部材とトレイとの関係を示す概略図である。
【図6a】本発明の実施の形態の物入れ構造におけるトレイを示す平面図である。
【図6b】図6aにおけるC−C線断面図である。
【図6c】図6aにおけるトレイの車両後方側の縦壁を車両前方側に倒して、トレイ上にバスケットを置いた状態を示す断面図である。
【図6d】本発明の実施の形態の物入れ構造におけるトレイであって、車両後方側の縦壁が起立した状態を示す斜視図である。
【図6e】本発明の実施の形態の物入れ構造におけるトレイであって、車両後方側の縦壁を前倒した状態を示す斜視図である。
【図6f】本発明の実施の形態の物入れ構造におけるトレイであって、トレイ本体と車両後方側の縦壁との係合状態を示す斜視図である。
【図6g】本発明の実施の形態の物入れ構造におけるトレイであって、車両後方側の縦壁を示す斜視図である。
【図6h】図6gにおけるY部拡大斜視図である。
【図6i】本発明の実施の形態の物入れ構造におけるトレイであって、車両後方側の縦壁を起立した状態の係合部付近を示す断面図である。
【図6j】本発明の実施の形態の物入れ構造におけるトレイであって、車両後方側の縦壁を前倒した状態の係合部付近を示す断面図である。
【図6k】図6eにおけるX部拡大斜視図である。
【図7a】本発明の実施の形態に係る車両用シートの物入れ構造において、収納用アンダーボックスおよびトレイ上にバスケットを置いた状態を示す斜視図である。
【図7b】本発明の実施の形態に係る車両用シートの物入れ構造において、トレイ上にバスケットを置いた状態を示す側面図である。
【図7c】図7bにおけるトレイ上にバスケットを置いた状態を示す平面図である。
【図7d】図7bにおけるD−D線断面図である。
【図7e】図7cにおけるE−E線断面図である。
【図7f】本発明の実施の形態に係る車両用シートの物入れ構造において、トレイ上にバスケットを置いた状態を示す斜視図である。
【図7g】本発明の実施の形態に係る車両用シートの物入れ構造において、トレイ上にバスケットを置いた状態を示す断面図である。
【図8】従来の物入れ構造が適用された車両用シートを示す斜視図である。
【図9】従来の物入れ構造が適用された車両用シートにおいて、シートクッションを起立させてシートアンダーボックスを露出させた状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0029】
1 車両用シート
2 シートクッション
4 クッションフレーム
4a サイドフレーム
4b 前部パイプ
4c 後部パイプ
5,6 ヒンジ機構
9 収納用アンダーボックス
9b リブ
10 トレイ
10a〜10c 縦壁
10d ヒンジ機構
10e 係止部
10f 爪部
10h リブ部
10i 凸状部
11 ガイド溝
14 ガイド部材
15 押え部材
16 バスケット
S 荷物収納スペース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートクッションの下方に荷物収納スペースを備え、前記シートクッションを起立させることにより前記荷物収納スペースを使用可能とした車両用シートの物入れ構造において、前記シートクッションの下方に上方を開口した凹形状の収納用アンダーボックスを設け、該収納用アンダーボックスによって前記荷物収納スペースを形成すると共に、前記収納用アンダーボックスの開口縁部に小型の荷物を収納することが可能なトレイを別個に設けたことを特徴とする車両用シートの物入れ構造。
【請求項2】
前記収納用アンダーボックスの車両前方側の開口縁部には、他の開口縁部に対して一段下がった段部が設けられ、該段部の上面には、前記トレイが車両前後方向へ沿ってスライド可能に配置されており、前記トレイを前記シートクッションの下から車両前方側に引き出すことにより、小型の荷物の出し入れが可能となるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用シートの物入れ構造。
【請求項3】
前記シートクッションのクッションフレームには、前記トレイを案内するガイド部が配設され、該ガイド部は車両後方へ向かってやや下り傾斜に設けられており、前記収納用アンダーボックスの段部の上面に位置する状態では、前記トレイがほぼ水平に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の車両用シートの物入れ構造。
【請求項4】
前記収納用アンダーボックスの前後端部は、前記トレイと、前記シートクッションの後端部下面に設けた押え部材とによって、上方から押え付けられていることを特徴とする請求項2または3に記載の車両用シートの物入れ構造。
【請求項5】
前記シートクッションのクッションフレームの車両前方側は、車幅方向に延設する前部フレームを備え、前記収納用アンダーボックスの車両前方側に位置する縦壁の前記前部フレームと当接する箇所には、弾性変形可能なリブが設けられ、該リブが弾性変形した状態で、前記収納用アンダーボックスの前記縦壁が前記前部フレームに当接するように構成されていることを特徴とする請求項2または3に記載の車両用シートの物入れ構造。
【請求項6】
前記収納用アンダーボックスの前記ガイド部を配置した箇所には穴が設けられ、該穴から前記ガイド部を前記収納用アンダーボックスの内部に露出させることによって、前記トレイが前記ガイド部に取付けられていることを特徴とする請求項3に記載の車両用シートの物入れ構造。
【請求項7】
前記トレイの深さは、前記収納用アンダーボックスよりも浅く形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の車両用シートの物入れ構造。
【請求項8】
前記トレイの車両後方側の縦壁は、車両前方に前倒し可能に構成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の車両用シートの物入れ構造。
【請求項9】
前記トレイの車両後方側の縦壁の前倒し機構は、前記トレイの後端部に係止部を設けると共に、前記トレイの車両後方側の縦壁の下端に下方へ開口した爪部を設け、該爪部を前記係止部に係合させることにより、前記トレイの車両後方側の縦壁を回動可能とし、前記爪部の車両前方側の面が前記トレイの後端部に当接するように構成されていることを特徴とする請求項8に記載の車両用シートの物入れ構造。
【請求項10】
前記トレイの車両後方側の縦壁が倒れた状態において、前記爪部の下方を向いた面が、前記トレイの後端部の底面よりも下方に膨らむ形状に形成されていることを特徴とする請求項8または9に記載の車両用シートの物入れ構造。
【請求項11】
前記トレイの車両後方側の縦壁を倒した状態での上面には、上方に向かって凸となるリブ部が設けられていることを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載の車両用シートの物入れ構造。
【請求項12】
前記トレイの車両後方側は開放端となっており、該開放端の側面の縦壁と底面との境界には、前記トレイの内部に突出する凸状部が形成されていることを特徴とする請求項8〜11のいずれかに記載の車両用シートの物入れ構造。

【図1】
image rotate

【図2a】
image rotate

【図2b】
image rotate

【図2c】
image rotate

【図2d】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5a】
image rotate

【図5b】
image rotate

【図5c】
image rotate

【図5d】
image rotate

【図5e】
image rotate

【図5f】
image rotate

【図6a】
image rotate

【図6b】
image rotate

【図6c】
image rotate

【図6d】
image rotate

【図6e】
image rotate

【図6f】
image rotate

【図6g】
image rotate

【図6h】
image rotate

【図6i】
image rotate

【図6j】
image rotate

【図6k】
image rotate

【図7a】
image rotate

【図7b】
image rotate

【図7c】
image rotate

【図7d】
image rotate

【図7e】
image rotate

【図7f】
image rotate

【図7g】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2006−255393(P2006−255393A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−367602(P2005−367602)
【出願日】平成17年12月21日(2005.12.21)
【出願人】(000002082)スズキ株式会社 (3,196)
【Fターム(参考)】