車両用シート
【課題】比較的簡素な構成によって、個人体形差に応じて、シートの支持剛性を部分的に変化させることにある。
【解決手段】支持部材20を、第一状態又は第二状態のいずれか一方の状態とすることで、変化部位24f(24s)が、着座側からの押圧によって基本部位22よりも撓みやすくなるとともに、一方とは異なる他方の状態に変位させることで、変化部位24f(24sが、着座側からの押圧によって基本部位22と同等の撓み度合いを有する又は基本部位22よりも撓みにくくなる構成である。
【解決手段】支持部材20を、第一状態又は第二状態のいずれか一方の状態とすることで、変化部位24f(24s)が、着座側からの押圧によって基本部位22よりも撓みやすくなるとともに、一方とは異なる他方の状態に変位させることで、変化部位24f(24sが、着座側からの押圧によって基本部位22と同等の撓み度合いを有する又は基本部位22よりも撓みにくくなる構成である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレーム部材と、棒状の支持部材(フレーム部材に取付けられて乗員を支持可能な部材)を備えた車両用シートに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の車両用シートとして、シートクッションと、シートバックを備えた車両用シートが公知である(特許文献1を参照)。シートクッションは、シート骨格をなすフレーム部材と、支持部材を有する。支持部材は、略S字状に屈曲した線状部材(Sバネ)であり、その後端が略横J字状に湾曲する。
またフレーム部材は、略横U形の基本骨格(前部フレーム,一対の側部フレーム)と、板バネと、ブラケットを有する。板バネ(平板状の部材)は、断面形状が略長方形状である。そしてブラケットは、円筒形状の部材であり、板バネの途中に装着される。
【0003】
公知技術では、上述の板バネを、各側部フレームに回転可能に取付けつつ、一対の側部フレーム間に橋渡す。つぎに支持部材の前端を前部フレームに取付けるとともに、支持部材の後端を、ブラケットを介して板バネに掛け止める。支持部材は、フレーム部材に単数取付けることもでき、複数取付けることもできる。
そして板バネ上に、クッション材などを配置して、乗員の荷重を受け止める。このとき板バネを縦向きとする(撓みにくい姿勢とする)ことで、支持部材の支持強度を高めることができる。また板バネを回転させて横向きとする(撓みやすい姿勢とする)ことで、支持部材の支持弾性を高めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−21063号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで上述のシート構成では、個人体形差(乗員の姿勢、大小や細太)に応じたフィット感を考慮して、シートの支持剛性を部分的に変化できることが好ましい。
換言すると、支持部材の支持剛性を部分的に変えることで、シートバック形状が、乗員の体形に応じた曲線状(カーブ)となることが好ましい。また複数の支持部材を使用する場合、一部の支持部材の支持剛性を変えることで、シートバック形状が、乗員の体形に応じた曲線状(カーブ)となることが好ましい。
例えば猫背(背中が丸く内側へ反る姿勢)の乗員は、そうではない乗員と比較して腰部付近がシートに強く当接する。このため猫背の乗員では、シートバック形状を変化させるなどして、腰部をゆったりと支持できることが望ましい。
【0006】
しかし公知技術の構成は、板バネの向きにより支持部材全体の支持剛性が一様に(一律に)変化するため、支持剛性の部分的変化には不向きな構成であった。もっともランバーサポート(乗員腰部を支持する機構)や背上部の中折れ機構(フレーム部材を途中で屈曲させる機構)を設けることもできる。これら機構により、個人体形差に応じてシートバック形状を変更することもできるが、そうするとシート構成が複雑化しがちである。
本発明は上述の点に鑑みて創案されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、比較的簡素な構成によって、個人体形差に応じて、シートの支持剛性を部分的に変化させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための手段として、第1発明の車両用シートは、シートクッションやシートバックなどのシート構成部材を有する。そしてシート構成部材が、シート骨格をなすフレーム部材と、フレーム部材に取付けられて乗員を支持可能な棒状の支持部材を有する。
この種のシート構成では、比較的簡素な構成によって、個人体形差に応じて、シートの支持剛性を部分的に変化できることが望ましい。
【0008】
そこで本発明では、上述の支持部材が、フレーム部材に対して軸周りに回転可能に取付けられて、フレーム部材に対する回転動作により第一状態と第二状態の間を変位可能である。そして支持部材が、基本部位と変化部位を、支持部材の長さ方向に並列して有する。変化部位は、支持部材の回転によって、着座側からの押圧による撓み変形度合いが変化する断面形状を有する。
そして本発明では、上述の支持部材を、第一状態又は第二状態のいずれか一方の状態とすることで、変化部位が、着座側からの押圧によって基本部位よりも撓みやすくなる。
また支持部材を、一方とは異なる他方の状態に変位させることで、変化部位が、着座側からの押圧によって基本部位と同等の撓み度合いを有する又は基本部位よりも撓みにくくなる。
本発明によれば、支持部材の回転動作により(比較的簡素な構成により)、支持部材一部(変化部位)の撓み度合いを変化させることで、シートの支持剛性を部分的に変化させることができる。
【0009】
また第2発明の車両用シートは、シートクッションやシートバックなどのシート構成部材を有する。そしてシート構成部材が、シート骨格をなすフレーム部材と、フレーム部材に取付けられて乗員を支持可能な棒状の支持部材を有する。
そして本発明の車両用シートは、支持部材として、第一支持部材と、第二支持部材を有する。
そこで本発明では、第一支持部材と第二支持部材の少なくとも一方の支持部材が、フレーム部材に対して軸周りに回転可能に取付けられて、フレーム部材に対する回転動作により第一状態と第二状態の間を変位可能である。そして一方の支持部材が、軸周りの回転によって、着座側からの押圧による撓み変形度合いが変化する断面形状を有する。
この一方の支持部材を、第一状態又は第二状態のいずれか一方の状態とすることで、着座側からの押圧によって一方とは異なる他方の支持部材よりも撓みやすくなる。
また一方の支持部材を、一方とは異なる他方の状態に変位させることで、着座側からの押圧によって他方の支持部材と同等の撓み度合いを有する又は他方の支持部材よりも撓みにくくなる。
本発明によれば、一方の支持部材の回転動作により(比較的簡素な構成により)、他方の支持部材に対して一方の支持部材の撓み度合いを変化させることで、シートの支持剛性を部分的に変化させることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、比較的簡素な構成によって、個人体形差に応じて、シートの支持剛性を部分的に変化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】車両用シートの斜視図である。
【図2】フレーム部材の斜視図である。
【図3】保持部材と支持部材一部の斜視図である。
【図4】シートバック一部の横断面図である。
【図5】シートバック一部と調節ユニットの横断面図である。
【図6】支持部材の概略斜視図である。
【図7】(a)は、乗員が着座した際の車両用シートの概略側面図であり、(b)は、別の乗員が着座した際の車両用シートの概略側面図である。
【図8】(a)は、図7(a)のVIIIa−VIIIa線概略断面図であり、(b)は、図7(b)のVIIIb−VIIIb線概略断面図である。
【図9】実施例2に係る支持部材の正面図である。
【図10】(a)〜(i)は、図9におけるそれぞれの符号に対応する線で切断したときの支持部材の概略断面図である。
【図11】実施例2に係る支持部材の裏面図である。
【図12】実施例3に係るフレーム部材の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための形態を、図1〜図12を参照して説明する。各図には、適宜、車両用シート前方に符号F、車両用シート後方に符号B、車両用シート上方に符号UP、車両用シート下方に符号DWを付す。なお図5では、便宜上、各部位の位置を実際よりも近接させて図示する。
図1の車両用シート2は、シートクッション4と、シートバック6と、ヘッドレスト8(いずれもシート構成部材)を有する。シートバック6は、シートクッション4に対して起倒可能に連結する部材である。またヘッドレスト8は、シートバック6の上部に取付けられる部材である。
【0013】
<実施例1>
シートバック6は、フレーム部材6Fと、保持部材10と、支持部材20を有する(図1及び図2を参照、各部材の詳細は後述)。
本実施例では、フレーム部材6Fに、保持部材10を介して支持部材20を取付ける。そして支持部材20上に、クッション材(図示省略)などを適宜配置して、乗員の荷重を受け止める。
この種のシート構成では、シートバック形状が、乗員の体形に応じた曲線状(カーブ)となることが好ましい。より詳しくは、個人体形差(乗員の姿勢や大小)に応じたフィット感を考慮して、支持部材20のたわみ曲線を部分的に変化できることが望ましい。
そこで本実施例では、後述の簡素な構成によって、支持部材20のたわみ曲線を部分的に変化させることとした。以下、各構成について詳述する。
【0014】
[フレーム部材]
フレーム部材6F(略矩形)は、上部フレーム6aと、一対の側部フレーム6bと、リクライニング軸Rと、連結フレーム5を有する(図2を参照)。
上部フレーム6aは、シート上部をなす棒状部材(正面視で略逆U字状)である。また一対の側部フレーム6bは、ともにシート側部をなす平板部材であり、それぞれ上部フレーム6aの下端(自由端)側に固定される。本実施例では、各側部フレーム6bの途中に複数の孔部H(貫通孔)を設けて、後述の保持部材10を取付け可能とする。
またリクライニング軸Rは、一対の側部フレーム6bの下端付近に橋渡し状に取付けられる。リクライニング軸Rは、シートクッション4に対してシートバック6が起倒(回転運動)する際の回転中心であり、シールド部材Srにて被覆される(図1を参照)。
そして連結フレーム5は、シートクッション4とシートバック6を連結する平板部材であり、側部フレーム6bの下部に取付けることができる。
【0015】
[保持部材]
保持部材10は、フレーム部材6F中央に配置可能な面状部材であり、収納部12と、取付け部14(後述)を有する(図2〜図4を参照)。
ここで保持部材10(本体)の材質は特に限定しないが、布帛(織物,編物,不織布)、ネット体(繊維を網目状に編成した部材)、コンターマット、皮革を例示できる。
そして収納部12は、両端が開口状の袋状部位であり、後述の支持部材20を回転可能に保持できる。本実施例では、複数の収納部12を保持部材10に並列して設ける。このとき各収納部12を、上部フレーム6aからリクライニング軸Rに向かって(起立時のシートバック6では上下方向に向けて)配置することができる。
【0016】
また取付け部14は、フレーム部材6Fに保持部材10を取付けるための部位であり、ロッド材16と、弾性材18を有する(図2〜図4を参照)。
ロッド材16は、棒状の部材(断面視で略円形)であり、支持部材20と同等の長さ寸法を有する。また弾性材18は、コイルバネ状の部材であり、両端がフック状(略J字状)である。
本実施例では、一対のロッド材16を、保持部材10の両側に取付けて、それぞれ側部フレーム6bに対面配置する。つぎに複数の弾性材18によって、側部フレーム6bに保持部材10を取付ける。このとき弾性材18の一端をロッド材16に係止するとともに、弾性材18の他端を側部フレーム6b(孔部H)に係止することで、フレーム部材6F内に保持部材10を取付ける。そして複数の支持部材20(後述)を、それぞれ収納部12に収納して、フレーム部材6Fに回転可能に取付ける。
【0017】
[支持部材]
支持部材20は、乗員を支持可能な棒状部材であり、フレーム部材6Fに回転可能に取付けることができる(図2、図5及び図6を参照)。そして支持部材20は、フレーム部材6Fに対する回転により、複数の状態(第一状態、第二状態)に変位可能である。
ここで支持部材20の材質は特に限定しないが、金属(バネ鋼等)や、天然樹脂や合成樹脂(繊維入り樹脂等)を例示できる。
そして本実施例の支持部材20は、軸長さ方向に断面形状が連続的に変化する部材であり、断面形状の異なる複数部位(基本部位22,第一変化部位24f,第二変化部位24s)と、操作部位26を有する。
本実施例では、保持部材10によって、一対の支持部材20を二組保持する。各支持部材20は、それぞれ収納部12内に保持されて、上部フレーム6aからリクライニング軸Rに向かって(起立時のシートバック6では上下方向に)配置する。
【0018】
(操作部位)
操作部位26は、平板状の部位(短尺な略長方形状)であり、支持部材20の端部に固定することができる(図2〜図4を参照)。
本実施例では、操作部位26一端を支持部材20に固定したのち、操作部位26の他端側(自由端側)を支持部材周りに角度θで回転させることで、支持部材20を軸周りに回転させる(図3、図6の矢線R1を参照)。
【0019】
そして本実施例では、操作部位26(26a〜26d)の操作により、複数の支持部材20全てを同時に回転可能(角度θの調節が可能)である(図3及び図4を参照)。
例えば隣り合う支持部材20において、それぞれの操作部位26a,26b(他端側)を、棒状の連結部材27aにて連結する。また別の隣り合う支持部材20において、それぞれの操作部位26c,26d(他端側)を、棒状の連結部材27bにて連結する。そして連結部材27a(27b)を平行移動させて、各操作部位26a,26b(26c,26d)を回転させることにより、隣り合う支持部材20を同期して回転可能とする。
つぎに一組の一対の支持部材20を連結する連結部材27aと、他組の一対の支持部材20を連結する連結部材27bを、調節ユニット(後述)を介して互いに近接・離間(平行移動)可能とする。こうすることで複数の支持部材20全て(一組の一対の支持部材20、他組の一対の支持部材20)を同時に回転させることができる。
【0020】
本実施例の調節ユニット40は、略長方形状の箱体であり、駆動部30と、第一連結部41と、第二連結部42を有する(図5を参照)。
駆動部30は、モータ32と、複数のギア部材(第一ギア34、第二ギア36)と、ボールネジ38を有する。第一ギア34は、モータ32の軸に固定された歯車であり、第二ギア36は、ボールネジ38に固定された歯車である。本実施例では、ボールネジ38を、連結部材27a(27b)の平行移動方向に向けつつ、調節ユニット40内に回転可能に配置する。そして第一ギア34と第二ギア36を噛合わせて、モータ32軸の回転をボールネジ38に伝達することで、ボールネジ38を軸周りに回転させる。
【0021】
第一連結部41は、調節ユニット40(ボールネジ38の一端近傍)に設けた突出部位であり、操作部位26bに回転可能に連結する。
また第二連結部42は、略矩形の部材であり、その一側に、ボールネジ38に螺合可能なネジ孔Hを有する。
本実施例では、第二連結部42の他側を、操作部位26cに回転可能に連結する。つぎに第二連結部42(ネジ孔H)をボールネジ38に螺合することにより、ボールネジ38の軸線方向に(一端と他端の間を)進退可能とする。そしてボールネジ38の軸回転により、第二連結部42(操作部位26c)を、操作部位26bと近接・離間させることで、連結部材27aと連結部材27bを互いに近接・離間(平行移動)させることができる。
【0022】
(基本部位)
本実施例の基本部位22は、支持部材20を回転させたとしても、着座側からの押圧による撓み変形度合いが実質的に変化しない部位である(図5及び図6を参照)。基本部位22の断面形状は特に限定しないが、本実施例では、略円形状の断面形状を有する。
そして基本部位22の形成位置は特に限定しないが、起立状態のシートバック6上端、中間、下端に形成できる。
【0023】
(変化部位)
第一変化部位24fと第二変化部位24sは、支持部材20の回転によって、着座側からの押圧による撓み変形度合い(曲げモーメント)が変化する部位である(図5及び図6を参照)。
本実施例の変化部位24f,24sはともに平板状であり、略長方形の断面形状(比較的幅広)を有する。そして変化部位24f,24sは、断面視で長尺な面を着座側に向ける(横向きにする)ことで、着座側からの押圧による撓み変形度合いが基本部位22よりも大きくなる。また変化部位24f,24sは、断面視で短尺な面を着座側に向ける(縦向きにする)ことで、同押圧による撓み変形度合いが基本部位22よりも小さくなる。
そこで本実施例では、第一変化部位24fに対して第二変化部位24sを、支持部材20の軸周りに略90°回転させた状態で形成する。そして第一変化部位24fを、シートバック6下部(リクライニング軸側)に形成して乗員腰部に対面可能とする。また第二変化部位24sを、シートバック6上部(上部フレーム側)に形成して乗員の肩甲骨に対面可能とする。
【0024】
ここで支持部材20は、フレーム部材6Fに対する回転動作により(軸周りに角度θ回転させることにより)、第一状態と第二状態の間を変位可能である(図3、図5及び図7を参照)。
そして第一状態の支持部材20では、第一変化部位24fが長尺な面を着座側に向ける(撓みやすくなる)。また同状態において、第二変化部位24sが短尺な面を着座側に向ける(撓みにくくなる)。
また支持部材20を第二状態に変位させることで(本実施例ではθ=90°回転させることで)、第二変化部位24sが長尺な面を着座側に向ける(撓みやすくなる)。また同状態において、第一変化部位24fが短尺な面を着座側に向ける(撓みにくくなる)。
【0025】
[乗員(姿勢)に応じた支持剛性調節]
猫背の乗員CR1では、腰部付近がシートに強く当接するため、腰部をゆったりと支持できることが望ましい(図7(a)及び図8(a)を参照)。
そこで本実施例では、支持部材20を第一状態とすることで、第一変化部位24f(乗員腰部に対面する部位)にて、着座側からの押圧による撓み変形度合いを基本部位22よりも大きくする。また同状態時の第二変化部位24sにて、同押圧による撓み変形度合いを基本部位22よりも小さくする。
このように第一変化部位24fの支持剛性を小さく(弱く)することで、猫背の乗員CR1において、その腰部をゆったりと支持できる。また第二変化部位24sの支持剛性を大きく(強く)することで、乗員肩甲骨をしっかりと支持できる。このため猫背の乗員CR1が着座することにより(着座側からの押圧により)、各支持部材20が、乗員CR1の背中形状にあったカーブ(曲線S1)となり、乗員CR1に対するフィット感が高まることとなる。
【0026】
また猫背ではない乗員CR2では、肩甲骨BB付近がシートに強く当接するため、肩甲骨BBをゆったり支持できることが望ましい(図7(b)及び図8(b)を参照)。
そこで本実施例では、操作部位26を操作して支持部材20を第二状態とする。このとき第二変化部位24s(肩甲骨に対面する部位)にて、着座側からの押圧による撓み変形度合いを基本部位22よりも大きくする。また同状態時の第一変化部位24fにて、同押圧による撓み変形度合いを基本部位22よりも小さくする。
このように第二変化部位24sの支持剛性を小さくすることで、猫背ではない乗員CR2において、その肩甲骨BBをゆったりと支持できる。また第一変化部位24fの支持剛性を大きくすることで、乗員腰部をしっかりと支持できる。このため猫背ではない乗員CR2が着座することにより、各支持部材20が、乗員CR2の背中形状にあったカーブ(曲線S2)となり、乗員CR2に対するフィット感が高まることとなる。
【0027】
以上説明したとおり本実施例では、支持部材20の回転動作により、各変化部位24f,24sの撓み度合い(テンション)が変化することにより、シートの支持剛性を部分的に変化させることができる。
このため本実施例によれば、比較的簡素な構成によって、支持部材20のたわみ曲線を変化させ支持剛性を部分的に変化させることができる。これにより個人体形差(乗員の姿勢、大小、細太)に応じて、支持部材20が乗員の背中形状にあったカーブとなり、乗員に対するフィット感が高まることとなる。
また本実施例では、各支持部材20が、乗員の背中形状にあったスムーズなカーブとなる(凹凸の変化ではない)。このためシートバック6と乗員の位置関係が極端に変化せず、ホールド性を好適に維持することができる。また支持部材20は、乗員非着座時において、外形的変化が生じない構成である(見栄えよくコンパクトなシート構成である)。なおランバーサポートは、シート全体幅が変化して、周辺部材とのスペースにマージンが必要となる場合がある。また支持部材20は一点折り曲げではないため、外形的に、変位吸収代(蛇腹、目隠しカバーなど)を必要としない。
よって本実施例によれば、比較的簡素な構成によって、個人体形差に応じて、シートの支持剛性を部分的に変化させることができる。
【0028】
<実施例2>
本実施例の車両用シートは、実施例1の車両用シート2とほぼ同一の基本構成を備えるため、共通の構造は対応する符号を付す等して詳細な説明を省略する。
本実施例の支持部材20Aでは、基本部位22が、略円形状の断面形状(直径D1)であり、起立状態のシートバック6上端、中間、下端に形成される(図9〜図11を参照)。また第一変化部位24fと第二変化部位24sはともに平板状であり、略長方形の断面形状を有する。
そして本実施例では、第一変化部位24fの長尺方向の長さ寸法T1を、基本部位22の直径D1と同一に設定する。また第二変化部位24sの長尺方向の長さ寸法T2を、基本部位22の直径D1と同一に設定する。こうすることで支持部材20Aがスマートとなり、比較的スムーズに回転させることができる(図9の矢線R1を参照)。
【0029】
<実施例3>
本実施例の車両用シートは、実施例1の車両用シート2とほぼ同一の基本構成を備えるため、共通の構造は対応する符号を付す等して詳細な説明を省略する。
本実施例では、第一支持部材21Aと、第二支持部材21Bを使用する(図12を参照)。第一支持部材21Aとして、軸線方向に同一の断面形状(長方形状)を有する平板部材を使用できる。また第二支持部材21Bとして、軸線方向に同一の断面形状(円形状)を有する棒状部材を使用できる。
第一支持部材21Aは、フレーム部材6Fに回転可能に取付けることができる(図12の矢線R2を参照)。そして第一支持部材21Aは、フレーム部材6Fに対する回転により、複数の状態(第一状態、第二状態)に変位可能である。
第一状態の第一支持部材21Aは、断面視で長尺な面を着座側に向けて(縦向きとなり)、着座側からの押圧による撓み変形度合いが第二支持部材21Bよりも大きくなる。また第二状態の第一支持部材21Aは、断面視で短尺な面を着座側に向けて(横向きとなり)、同押圧による撓み変形度合いが第二支持部材21Bよりも小さくなる。
なお第二支持部材として、線状のワイヤや、軸線方向に同一の断面形状(長方形状)を有する平板部材を使用できる。これら第二支持部材(ワイヤや平板状など)を、フレーム部材に回転不能に取付けることができる。
【0030】
そこで本実施例では、起立状態のシートバックにおいて、第一支持部材21Aと第二支持部材21Bをシート幅方向に向けつつ配設する。このとき第一支持部材21Aを、乗員腰部に対面する位置に配置するとともに、第二支持部材21Bを、乗員肩甲骨に対面する位置に配置する。
そして猫背の乗員が着座する場合、第一支持部材21Aを第一状態とすることで、乗員腰部に対面する部位にて、着座側からの押圧による撓み変形度合いを第二支持部材21Bよりも大きくする。こうすることで猫背の乗員が着座することにより(着座側からの押圧により)、乗員腰部に対面する部位(第一支持部材21A)が、乗員の背中形状にあったカーブとなり、乗員に対するフィット感が高まることとなる。
また猫背ではない乗員が着座する場合、第一支持部材21Aを第二状態とすることで、乗員腰部に対面する部位にて、着座側からの押圧による撓み変形度合いを小さくする。こうすることで猫背ではない乗員が着座することにより、乗員腰部に対面する部位(第一支持部材21A)にて、乗員腰部をしっかりと支持できる。
本実施例によれば、第一支持部材21Aの回転動作により(比較的簡素な構成により)、第二支持部材21Bに対して第一支持部材21Aの撓み度合いを変化させることで、シートの支持剛性を部分的に変化させることができる。このため本実施例によれば、比較的簡素な構成によって、個人体形差に応じて、シートの支持剛性を部分的に変化させることができる。
【0031】
本実施形態の車両用シートは、上述した実施形態に限定されるものではなく、その他各種の実施形態を取り得る。
(1)本実施形態では、支持部材20を、起立状態のシートバック6において、シート上下に向けて取付ける構成を説明した。支持部材20は、起立状態のシートバック6において、シート幅方向に向けて取付けてもよく、また斜めに取付けることもできる。
(2)また本実施形態では、支持部材20に対して、基本部位22と変化部位24f,24sを、それぞれ複数又は単数設けることができる。また複数の支持部材20では、それぞれ異なる位置に、基本部位と変化部位を形成することもできる。
また基本部位22と変化部位24f,24sの断面形状は、シート構成に応じて適宜変更可能である。
(3)保持部材10は、複数又は単数の支持部材20を保持することができる。また複数の支持部材20は、同期して(同時に)回転させることができ、個別に回転させることもできる。
【0032】
(4)また本実施形態の変化部位は、第一状態又は第二状態において、着座側からの押圧による撓み変形度合いが基本部位22と同等となることができる。
(5)また本実施形態では、基本部位として、着座側からの押圧による撓み変形度合いが実質的に変化しない部位を例示した。これとは異なり基本部位として、支持部材の回転によって、着座側からの押圧による撓み変形度合い(たわみ曲線)が変化する部位を用いることもできる。
【0033】
(6)また実施例3において、第二支持部材を、フレーム部材に回転可能に取付けることで、着座側からの押圧による撓み変形度合い(たわみ曲線)が変化する構成とすることができる。
そして同実施例において、第一支持部材と第二支持部材の状態を適宜入れ替えることができる。第一状態の第一支持部材は、第二状態の第二支持部材よりも撓み変形度合いが大きくなる。また第二状態の第一支持部材は、第一状態の第二支持部材よりも撓み変形度合いが小さくなる。そして第一支持部材と第二支持部材を同状態とすることで撓み変形度合いが同等となる。
さらに実施例3において、第一支持部材と第二支持部材を、起立状態のシートバック6において、シート上下方向に向けて取付けてもよく、また斜めに取付けることもできる。
【0034】
(7)また本実施形態では、保持部材10(収納部、取付け部)の構成を例示したが、保持部材10の構成を限定する趣旨ではない。また支持部材をフレーム部材に直接取付けることもできる(保持部材を省略することもできる)。
(8)また本実施形態では、シートバック6を一例として説明した。本実施例の構成は、シートクッション4等の各種シート構成部材に適用可能である。
【符号の説明】
【0035】
2 車両用シート
4 シートクッション
6 シートバック
6F フレーム部材
6a 上部フレーム
6b 側部フレーム
10 保持部材
12 収納部
14 取付け部
16 ロッド材
18 弾性材
20 支持部材
22 基本部位
24f 第一変化部位
24s 第二変化部位
26 操作部位
27 連結部材
R リクライニング軸
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレーム部材と、棒状の支持部材(フレーム部材に取付けられて乗員を支持可能な部材)を備えた車両用シートに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の車両用シートとして、シートクッションと、シートバックを備えた車両用シートが公知である(特許文献1を参照)。シートクッションは、シート骨格をなすフレーム部材と、支持部材を有する。支持部材は、略S字状に屈曲した線状部材(Sバネ)であり、その後端が略横J字状に湾曲する。
またフレーム部材は、略横U形の基本骨格(前部フレーム,一対の側部フレーム)と、板バネと、ブラケットを有する。板バネ(平板状の部材)は、断面形状が略長方形状である。そしてブラケットは、円筒形状の部材であり、板バネの途中に装着される。
【0003】
公知技術では、上述の板バネを、各側部フレームに回転可能に取付けつつ、一対の側部フレーム間に橋渡す。つぎに支持部材の前端を前部フレームに取付けるとともに、支持部材の後端を、ブラケットを介して板バネに掛け止める。支持部材は、フレーム部材に単数取付けることもでき、複数取付けることもできる。
そして板バネ上に、クッション材などを配置して、乗員の荷重を受け止める。このとき板バネを縦向きとする(撓みにくい姿勢とする)ことで、支持部材の支持強度を高めることができる。また板バネを回転させて横向きとする(撓みやすい姿勢とする)ことで、支持部材の支持弾性を高めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−21063号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで上述のシート構成では、個人体形差(乗員の姿勢、大小や細太)に応じたフィット感を考慮して、シートの支持剛性を部分的に変化できることが好ましい。
換言すると、支持部材の支持剛性を部分的に変えることで、シートバック形状が、乗員の体形に応じた曲線状(カーブ)となることが好ましい。また複数の支持部材を使用する場合、一部の支持部材の支持剛性を変えることで、シートバック形状が、乗員の体形に応じた曲線状(カーブ)となることが好ましい。
例えば猫背(背中が丸く内側へ反る姿勢)の乗員は、そうではない乗員と比較して腰部付近がシートに強く当接する。このため猫背の乗員では、シートバック形状を変化させるなどして、腰部をゆったりと支持できることが望ましい。
【0006】
しかし公知技術の構成は、板バネの向きにより支持部材全体の支持剛性が一様に(一律に)変化するため、支持剛性の部分的変化には不向きな構成であった。もっともランバーサポート(乗員腰部を支持する機構)や背上部の中折れ機構(フレーム部材を途中で屈曲させる機構)を設けることもできる。これら機構により、個人体形差に応じてシートバック形状を変更することもできるが、そうするとシート構成が複雑化しがちである。
本発明は上述の点に鑑みて創案されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、比較的簡素な構成によって、個人体形差に応じて、シートの支持剛性を部分的に変化させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための手段として、第1発明の車両用シートは、シートクッションやシートバックなどのシート構成部材を有する。そしてシート構成部材が、シート骨格をなすフレーム部材と、フレーム部材に取付けられて乗員を支持可能な棒状の支持部材を有する。
この種のシート構成では、比較的簡素な構成によって、個人体形差に応じて、シートの支持剛性を部分的に変化できることが望ましい。
【0008】
そこで本発明では、上述の支持部材が、フレーム部材に対して軸周りに回転可能に取付けられて、フレーム部材に対する回転動作により第一状態と第二状態の間を変位可能である。そして支持部材が、基本部位と変化部位を、支持部材の長さ方向に並列して有する。変化部位は、支持部材の回転によって、着座側からの押圧による撓み変形度合いが変化する断面形状を有する。
そして本発明では、上述の支持部材を、第一状態又は第二状態のいずれか一方の状態とすることで、変化部位が、着座側からの押圧によって基本部位よりも撓みやすくなる。
また支持部材を、一方とは異なる他方の状態に変位させることで、変化部位が、着座側からの押圧によって基本部位と同等の撓み度合いを有する又は基本部位よりも撓みにくくなる。
本発明によれば、支持部材の回転動作により(比較的簡素な構成により)、支持部材一部(変化部位)の撓み度合いを変化させることで、シートの支持剛性を部分的に変化させることができる。
【0009】
また第2発明の車両用シートは、シートクッションやシートバックなどのシート構成部材を有する。そしてシート構成部材が、シート骨格をなすフレーム部材と、フレーム部材に取付けられて乗員を支持可能な棒状の支持部材を有する。
そして本発明の車両用シートは、支持部材として、第一支持部材と、第二支持部材を有する。
そこで本発明では、第一支持部材と第二支持部材の少なくとも一方の支持部材が、フレーム部材に対して軸周りに回転可能に取付けられて、フレーム部材に対する回転動作により第一状態と第二状態の間を変位可能である。そして一方の支持部材が、軸周りの回転によって、着座側からの押圧による撓み変形度合いが変化する断面形状を有する。
この一方の支持部材を、第一状態又は第二状態のいずれか一方の状態とすることで、着座側からの押圧によって一方とは異なる他方の支持部材よりも撓みやすくなる。
また一方の支持部材を、一方とは異なる他方の状態に変位させることで、着座側からの押圧によって他方の支持部材と同等の撓み度合いを有する又は他方の支持部材よりも撓みにくくなる。
本発明によれば、一方の支持部材の回転動作により(比較的簡素な構成により)、他方の支持部材に対して一方の支持部材の撓み度合いを変化させることで、シートの支持剛性を部分的に変化させることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、比較的簡素な構成によって、個人体形差に応じて、シートの支持剛性を部分的に変化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】車両用シートの斜視図である。
【図2】フレーム部材の斜視図である。
【図3】保持部材と支持部材一部の斜視図である。
【図4】シートバック一部の横断面図である。
【図5】シートバック一部と調節ユニットの横断面図である。
【図6】支持部材の概略斜視図である。
【図7】(a)は、乗員が着座した際の車両用シートの概略側面図であり、(b)は、別の乗員が着座した際の車両用シートの概略側面図である。
【図8】(a)は、図7(a)のVIIIa−VIIIa線概略断面図であり、(b)は、図7(b)のVIIIb−VIIIb線概略断面図である。
【図9】実施例2に係る支持部材の正面図である。
【図10】(a)〜(i)は、図9におけるそれぞれの符号に対応する線で切断したときの支持部材の概略断面図である。
【図11】実施例2に係る支持部材の裏面図である。
【図12】実施例3に係るフレーム部材の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための形態を、図1〜図12を参照して説明する。各図には、適宜、車両用シート前方に符号F、車両用シート後方に符号B、車両用シート上方に符号UP、車両用シート下方に符号DWを付す。なお図5では、便宜上、各部位の位置を実際よりも近接させて図示する。
図1の車両用シート2は、シートクッション4と、シートバック6と、ヘッドレスト8(いずれもシート構成部材)を有する。シートバック6は、シートクッション4に対して起倒可能に連結する部材である。またヘッドレスト8は、シートバック6の上部に取付けられる部材である。
【0013】
<実施例1>
シートバック6は、フレーム部材6Fと、保持部材10と、支持部材20を有する(図1及び図2を参照、各部材の詳細は後述)。
本実施例では、フレーム部材6Fに、保持部材10を介して支持部材20を取付ける。そして支持部材20上に、クッション材(図示省略)などを適宜配置して、乗員の荷重を受け止める。
この種のシート構成では、シートバック形状が、乗員の体形に応じた曲線状(カーブ)となることが好ましい。より詳しくは、個人体形差(乗員の姿勢や大小)に応じたフィット感を考慮して、支持部材20のたわみ曲線を部分的に変化できることが望ましい。
そこで本実施例では、後述の簡素な構成によって、支持部材20のたわみ曲線を部分的に変化させることとした。以下、各構成について詳述する。
【0014】
[フレーム部材]
フレーム部材6F(略矩形)は、上部フレーム6aと、一対の側部フレーム6bと、リクライニング軸Rと、連結フレーム5を有する(図2を参照)。
上部フレーム6aは、シート上部をなす棒状部材(正面視で略逆U字状)である。また一対の側部フレーム6bは、ともにシート側部をなす平板部材であり、それぞれ上部フレーム6aの下端(自由端)側に固定される。本実施例では、各側部フレーム6bの途中に複数の孔部H(貫通孔)を設けて、後述の保持部材10を取付け可能とする。
またリクライニング軸Rは、一対の側部フレーム6bの下端付近に橋渡し状に取付けられる。リクライニング軸Rは、シートクッション4に対してシートバック6が起倒(回転運動)する際の回転中心であり、シールド部材Srにて被覆される(図1を参照)。
そして連結フレーム5は、シートクッション4とシートバック6を連結する平板部材であり、側部フレーム6bの下部に取付けることができる。
【0015】
[保持部材]
保持部材10は、フレーム部材6F中央に配置可能な面状部材であり、収納部12と、取付け部14(後述)を有する(図2〜図4を参照)。
ここで保持部材10(本体)の材質は特に限定しないが、布帛(織物,編物,不織布)、ネット体(繊維を網目状に編成した部材)、コンターマット、皮革を例示できる。
そして収納部12は、両端が開口状の袋状部位であり、後述の支持部材20を回転可能に保持できる。本実施例では、複数の収納部12を保持部材10に並列して設ける。このとき各収納部12を、上部フレーム6aからリクライニング軸Rに向かって(起立時のシートバック6では上下方向に向けて)配置することができる。
【0016】
また取付け部14は、フレーム部材6Fに保持部材10を取付けるための部位であり、ロッド材16と、弾性材18を有する(図2〜図4を参照)。
ロッド材16は、棒状の部材(断面視で略円形)であり、支持部材20と同等の長さ寸法を有する。また弾性材18は、コイルバネ状の部材であり、両端がフック状(略J字状)である。
本実施例では、一対のロッド材16を、保持部材10の両側に取付けて、それぞれ側部フレーム6bに対面配置する。つぎに複数の弾性材18によって、側部フレーム6bに保持部材10を取付ける。このとき弾性材18の一端をロッド材16に係止するとともに、弾性材18の他端を側部フレーム6b(孔部H)に係止することで、フレーム部材6F内に保持部材10を取付ける。そして複数の支持部材20(後述)を、それぞれ収納部12に収納して、フレーム部材6Fに回転可能に取付ける。
【0017】
[支持部材]
支持部材20は、乗員を支持可能な棒状部材であり、フレーム部材6Fに回転可能に取付けることができる(図2、図5及び図6を参照)。そして支持部材20は、フレーム部材6Fに対する回転により、複数の状態(第一状態、第二状態)に変位可能である。
ここで支持部材20の材質は特に限定しないが、金属(バネ鋼等)や、天然樹脂や合成樹脂(繊維入り樹脂等)を例示できる。
そして本実施例の支持部材20は、軸長さ方向に断面形状が連続的に変化する部材であり、断面形状の異なる複数部位(基本部位22,第一変化部位24f,第二変化部位24s)と、操作部位26を有する。
本実施例では、保持部材10によって、一対の支持部材20を二組保持する。各支持部材20は、それぞれ収納部12内に保持されて、上部フレーム6aからリクライニング軸Rに向かって(起立時のシートバック6では上下方向に)配置する。
【0018】
(操作部位)
操作部位26は、平板状の部位(短尺な略長方形状)であり、支持部材20の端部に固定することができる(図2〜図4を参照)。
本実施例では、操作部位26一端を支持部材20に固定したのち、操作部位26の他端側(自由端側)を支持部材周りに角度θで回転させることで、支持部材20を軸周りに回転させる(図3、図6の矢線R1を参照)。
【0019】
そして本実施例では、操作部位26(26a〜26d)の操作により、複数の支持部材20全てを同時に回転可能(角度θの調節が可能)である(図3及び図4を参照)。
例えば隣り合う支持部材20において、それぞれの操作部位26a,26b(他端側)を、棒状の連結部材27aにて連結する。また別の隣り合う支持部材20において、それぞれの操作部位26c,26d(他端側)を、棒状の連結部材27bにて連結する。そして連結部材27a(27b)を平行移動させて、各操作部位26a,26b(26c,26d)を回転させることにより、隣り合う支持部材20を同期して回転可能とする。
つぎに一組の一対の支持部材20を連結する連結部材27aと、他組の一対の支持部材20を連結する連結部材27bを、調節ユニット(後述)を介して互いに近接・離間(平行移動)可能とする。こうすることで複数の支持部材20全て(一組の一対の支持部材20、他組の一対の支持部材20)を同時に回転させることができる。
【0020】
本実施例の調節ユニット40は、略長方形状の箱体であり、駆動部30と、第一連結部41と、第二連結部42を有する(図5を参照)。
駆動部30は、モータ32と、複数のギア部材(第一ギア34、第二ギア36)と、ボールネジ38を有する。第一ギア34は、モータ32の軸に固定された歯車であり、第二ギア36は、ボールネジ38に固定された歯車である。本実施例では、ボールネジ38を、連結部材27a(27b)の平行移動方向に向けつつ、調節ユニット40内に回転可能に配置する。そして第一ギア34と第二ギア36を噛合わせて、モータ32軸の回転をボールネジ38に伝達することで、ボールネジ38を軸周りに回転させる。
【0021】
第一連結部41は、調節ユニット40(ボールネジ38の一端近傍)に設けた突出部位であり、操作部位26bに回転可能に連結する。
また第二連結部42は、略矩形の部材であり、その一側に、ボールネジ38に螺合可能なネジ孔Hを有する。
本実施例では、第二連結部42の他側を、操作部位26cに回転可能に連結する。つぎに第二連結部42(ネジ孔H)をボールネジ38に螺合することにより、ボールネジ38の軸線方向に(一端と他端の間を)進退可能とする。そしてボールネジ38の軸回転により、第二連結部42(操作部位26c)を、操作部位26bと近接・離間させることで、連結部材27aと連結部材27bを互いに近接・離間(平行移動)させることができる。
【0022】
(基本部位)
本実施例の基本部位22は、支持部材20を回転させたとしても、着座側からの押圧による撓み変形度合いが実質的に変化しない部位である(図5及び図6を参照)。基本部位22の断面形状は特に限定しないが、本実施例では、略円形状の断面形状を有する。
そして基本部位22の形成位置は特に限定しないが、起立状態のシートバック6上端、中間、下端に形成できる。
【0023】
(変化部位)
第一変化部位24fと第二変化部位24sは、支持部材20の回転によって、着座側からの押圧による撓み変形度合い(曲げモーメント)が変化する部位である(図5及び図6を参照)。
本実施例の変化部位24f,24sはともに平板状であり、略長方形の断面形状(比較的幅広)を有する。そして変化部位24f,24sは、断面視で長尺な面を着座側に向ける(横向きにする)ことで、着座側からの押圧による撓み変形度合いが基本部位22よりも大きくなる。また変化部位24f,24sは、断面視で短尺な面を着座側に向ける(縦向きにする)ことで、同押圧による撓み変形度合いが基本部位22よりも小さくなる。
そこで本実施例では、第一変化部位24fに対して第二変化部位24sを、支持部材20の軸周りに略90°回転させた状態で形成する。そして第一変化部位24fを、シートバック6下部(リクライニング軸側)に形成して乗員腰部に対面可能とする。また第二変化部位24sを、シートバック6上部(上部フレーム側)に形成して乗員の肩甲骨に対面可能とする。
【0024】
ここで支持部材20は、フレーム部材6Fに対する回転動作により(軸周りに角度θ回転させることにより)、第一状態と第二状態の間を変位可能である(図3、図5及び図7を参照)。
そして第一状態の支持部材20では、第一変化部位24fが長尺な面を着座側に向ける(撓みやすくなる)。また同状態において、第二変化部位24sが短尺な面を着座側に向ける(撓みにくくなる)。
また支持部材20を第二状態に変位させることで(本実施例ではθ=90°回転させることで)、第二変化部位24sが長尺な面を着座側に向ける(撓みやすくなる)。また同状態において、第一変化部位24fが短尺な面を着座側に向ける(撓みにくくなる)。
【0025】
[乗員(姿勢)に応じた支持剛性調節]
猫背の乗員CR1では、腰部付近がシートに強く当接するため、腰部をゆったりと支持できることが望ましい(図7(a)及び図8(a)を参照)。
そこで本実施例では、支持部材20を第一状態とすることで、第一変化部位24f(乗員腰部に対面する部位)にて、着座側からの押圧による撓み変形度合いを基本部位22よりも大きくする。また同状態時の第二変化部位24sにて、同押圧による撓み変形度合いを基本部位22よりも小さくする。
このように第一変化部位24fの支持剛性を小さく(弱く)することで、猫背の乗員CR1において、その腰部をゆったりと支持できる。また第二変化部位24sの支持剛性を大きく(強く)することで、乗員肩甲骨をしっかりと支持できる。このため猫背の乗員CR1が着座することにより(着座側からの押圧により)、各支持部材20が、乗員CR1の背中形状にあったカーブ(曲線S1)となり、乗員CR1に対するフィット感が高まることとなる。
【0026】
また猫背ではない乗員CR2では、肩甲骨BB付近がシートに強く当接するため、肩甲骨BBをゆったり支持できることが望ましい(図7(b)及び図8(b)を参照)。
そこで本実施例では、操作部位26を操作して支持部材20を第二状態とする。このとき第二変化部位24s(肩甲骨に対面する部位)にて、着座側からの押圧による撓み変形度合いを基本部位22よりも大きくする。また同状態時の第一変化部位24fにて、同押圧による撓み変形度合いを基本部位22よりも小さくする。
このように第二変化部位24sの支持剛性を小さくすることで、猫背ではない乗員CR2において、その肩甲骨BBをゆったりと支持できる。また第一変化部位24fの支持剛性を大きくすることで、乗員腰部をしっかりと支持できる。このため猫背ではない乗員CR2が着座することにより、各支持部材20が、乗員CR2の背中形状にあったカーブ(曲線S2)となり、乗員CR2に対するフィット感が高まることとなる。
【0027】
以上説明したとおり本実施例では、支持部材20の回転動作により、各変化部位24f,24sの撓み度合い(テンション)が変化することにより、シートの支持剛性を部分的に変化させることができる。
このため本実施例によれば、比較的簡素な構成によって、支持部材20のたわみ曲線を変化させ支持剛性を部分的に変化させることができる。これにより個人体形差(乗員の姿勢、大小、細太)に応じて、支持部材20が乗員の背中形状にあったカーブとなり、乗員に対するフィット感が高まることとなる。
また本実施例では、各支持部材20が、乗員の背中形状にあったスムーズなカーブとなる(凹凸の変化ではない)。このためシートバック6と乗員の位置関係が極端に変化せず、ホールド性を好適に維持することができる。また支持部材20は、乗員非着座時において、外形的変化が生じない構成である(見栄えよくコンパクトなシート構成である)。なおランバーサポートは、シート全体幅が変化して、周辺部材とのスペースにマージンが必要となる場合がある。また支持部材20は一点折り曲げではないため、外形的に、変位吸収代(蛇腹、目隠しカバーなど)を必要としない。
よって本実施例によれば、比較的簡素な構成によって、個人体形差に応じて、シートの支持剛性を部分的に変化させることができる。
【0028】
<実施例2>
本実施例の車両用シートは、実施例1の車両用シート2とほぼ同一の基本構成を備えるため、共通の構造は対応する符号を付す等して詳細な説明を省略する。
本実施例の支持部材20Aでは、基本部位22が、略円形状の断面形状(直径D1)であり、起立状態のシートバック6上端、中間、下端に形成される(図9〜図11を参照)。また第一変化部位24fと第二変化部位24sはともに平板状であり、略長方形の断面形状を有する。
そして本実施例では、第一変化部位24fの長尺方向の長さ寸法T1を、基本部位22の直径D1と同一に設定する。また第二変化部位24sの長尺方向の長さ寸法T2を、基本部位22の直径D1と同一に設定する。こうすることで支持部材20Aがスマートとなり、比較的スムーズに回転させることができる(図9の矢線R1を参照)。
【0029】
<実施例3>
本実施例の車両用シートは、実施例1の車両用シート2とほぼ同一の基本構成を備えるため、共通の構造は対応する符号を付す等して詳細な説明を省略する。
本実施例では、第一支持部材21Aと、第二支持部材21Bを使用する(図12を参照)。第一支持部材21Aとして、軸線方向に同一の断面形状(長方形状)を有する平板部材を使用できる。また第二支持部材21Bとして、軸線方向に同一の断面形状(円形状)を有する棒状部材を使用できる。
第一支持部材21Aは、フレーム部材6Fに回転可能に取付けることができる(図12の矢線R2を参照)。そして第一支持部材21Aは、フレーム部材6Fに対する回転により、複数の状態(第一状態、第二状態)に変位可能である。
第一状態の第一支持部材21Aは、断面視で長尺な面を着座側に向けて(縦向きとなり)、着座側からの押圧による撓み変形度合いが第二支持部材21Bよりも大きくなる。また第二状態の第一支持部材21Aは、断面視で短尺な面を着座側に向けて(横向きとなり)、同押圧による撓み変形度合いが第二支持部材21Bよりも小さくなる。
なお第二支持部材として、線状のワイヤや、軸線方向に同一の断面形状(長方形状)を有する平板部材を使用できる。これら第二支持部材(ワイヤや平板状など)を、フレーム部材に回転不能に取付けることができる。
【0030】
そこで本実施例では、起立状態のシートバックにおいて、第一支持部材21Aと第二支持部材21Bをシート幅方向に向けつつ配設する。このとき第一支持部材21Aを、乗員腰部に対面する位置に配置するとともに、第二支持部材21Bを、乗員肩甲骨に対面する位置に配置する。
そして猫背の乗員が着座する場合、第一支持部材21Aを第一状態とすることで、乗員腰部に対面する部位にて、着座側からの押圧による撓み変形度合いを第二支持部材21Bよりも大きくする。こうすることで猫背の乗員が着座することにより(着座側からの押圧により)、乗員腰部に対面する部位(第一支持部材21A)が、乗員の背中形状にあったカーブとなり、乗員に対するフィット感が高まることとなる。
また猫背ではない乗員が着座する場合、第一支持部材21Aを第二状態とすることで、乗員腰部に対面する部位にて、着座側からの押圧による撓み変形度合いを小さくする。こうすることで猫背ではない乗員が着座することにより、乗員腰部に対面する部位(第一支持部材21A)にて、乗員腰部をしっかりと支持できる。
本実施例によれば、第一支持部材21Aの回転動作により(比較的簡素な構成により)、第二支持部材21Bに対して第一支持部材21Aの撓み度合いを変化させることで、シートの支持剛性を部分的に変化させることができる。このため本実施例によれば、比較的簡素な構成によって、個人体形差に応じて、シートの支持剛性を部分的に変化させることができる。
【0031】
本実施形態の車両用シートは、上述した実施形態に限定されるものではなく、その他各種の実施形態を取り得る。
(1)本実施形態では、支持部材20を、起立状態のシートバック6において、シート上下に向けて取付ける構成を説明した。支持部材20は、起立状態のシートバック6において、シート幅方向に向けて取付けてもよく、また斜めに取付けることもできる。
(2)また本実施形態では、支持部材20に対して、基本部位22と変化部位24f,24sを、それぞれ複数又は単数設けることができる。また複数の支持部材20では、それぞれ異なる位置に、基本部位と変化部位を形成することもできる。
また基本部位22と変化部位24f,24sの断面形状は、シート構成に応じて適宜変更可能である。
(3)保持部材10は、複数又は単数の支持部材20を保持することができる。また複数の支持部材20は、同期して(同時に)回転させることができ、個別に回転させることもできる。
【0032】
(4)また本実施形態の変化部位は、第一状態又は第二状態において、着座側からの押圧による撓み変形度合いが基本部位22と同等となることができる。
(5)また本実施形態では、基本部位として、着座側からの押圧による撓み変形度合いが実質的に変化しない部位を例示した。これとは異なり基本部位として、支持部材の回転によって、着座側からの押圧による撓み変形度合い(たわみ曲線)が変化する部位を用いることもできる。
【0033】
(6)また実施例3において、第二支持部材を、フレーム部材に回転可能に取付けることで、着座側からの押圧による撓み変形度合い(たわみ曲線)が変化する構成とすることができる。
そして同実施例において、第一支持部材と第二支持部材の状態を適宜入れ替えることができる。第一状態の第一支持部材は、第二状態の第二支持部材よりも撓み変形度合いが大きくなる。また第二状態の第一支持部材は、第一状態の第二支持部材よりも撓み変形度合いが小さくなる。そして第一支持部材と第二支持部材を同状態とすることで撓み変形度合いが同等となる。
さらに実施例3において、第一支持部材と第二支持部材を、起立状態のシートバック6において、シート上下方向に向けて取付けてもよく、また斜めに取付けることもできる。
【0034】
(7)また本実施形態では、保持部材10(収納部、取付け部)の構成を例示したが、保持部材10の構成を限定する趣旨ではない。また支持部材をフレーム部材に直接取付けることもできる(保持部材を省略することもできる)。
(8)また本実施形態では、シートバック6を一例として説明した。本実施例の構成は、シートクッション4等の各種シート構成部材に適用可能である。
【符号の説明】
【0035】
2 車両用シート
4 シートクッション
6 シートバック
6F フレーム部材
6a 上部フレーム
6b 側部フレーム
10 保持部材
12 収納部
14 取付け部
16 ロッド材
18 弾性材
20 支持部材
22 基本部位
24f 第一変化部位
24s 第二変化部位
26 操作部位
27 連結部材
R リクライニング軸
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートクッションやシートバックなどのシート構成部材を有するとともに、前記シート構成部材が、シート骨格をなすフレーム部材と、前記フレーム部材に取付けられて乗員を支持可能な棒状の支持部材を有する車両用シートにおいて、
前記支持部材が、前記フレーム部材に対して軸周りに回転可能に取付けられて、前記フレーム部材に対する回転動作により第一状態と第二状態の間を変位可能であり、
前記支持部材が、基本部位と変化部位を、前記支持部材の長さ方向に並列して有し、前記変化部位が、前記支持部材の回転によって、着座側からの押圧による撓み変形度合いが変化する断面形状を有し、
前記支持部材を、前記第一状態又は第二状態のいずれか一方の状態とすることで、前記変化部位が、着座側からの押圧によって前記基本部位よりも撓みやすくなるとともに、前記一方とは異なる他方の状態に変位させることで、前記変化部位が、着座側からの押圧によって前記基本部位と同等の撓み度合いを有する又は前記基本部位よりも撓みにくくなる構成の車両用シート。
【請求項2】
シートクッションやシートバックなどのシート構成部材を有するとともに、前記シート構成部材が、シート骨格をなすフレーム部材と、前記フレーム部材に取付けられて乗員を支持可能な棒状の支持部材を有する車両用シートにおいて、
前記支持部材として、第一支持部材と、第二支持部材を有し、
前記第一支持部材と前記第二支持部材の少なくとも一方の支持部材が、前記フレーム部材に対して軸周りに回転可能に取付けられて、前記フレーム部材に対する回転動作により第一状態と第二状態の間を変位可能であるとともに、前記一方の支持部材が、軸周りの回転によって、着座側からの押圧による撓み変形度合いが変化する断面形状を有し、
前記一方の支持部材を、前記第一状態又は第二状態のいずれか一方の状態とすることで、着座側からの押圧によって前記一方とは異なる他方の支持部材よりも撓みやすくなるとともに、前記一方とは異なる他方の状態に変位させることで、着座側からの押圧によって前記他方の支持部材と同等の撓み度合いを有する又は前記他方の支持部材よりも撓みにくくなる構成の車両用シート。
【請求項1】
シートクッションやシートバックなどのシート構成部材を有するとともに、前記シート構成部材が、シート骨格をなすフレーム部材と、前記フレーム部材に取付けられて乗員を支持可能な棒状の支持部材を有する車両用シートにおいて、
前記支持部材が、前記フレーム部材に対して軸周りに回転可能に取付けられて、前記フレーム部材に対する回転動作により第一状態と第二状態の間を変位可能であり、
前記支持部材が、基本部位と変化部位を、前記支持部材の長さ方向に並列して有し、前記変化部位が、前記支持部材の回転によって、着座側からの押圧による撓み変形度合いが変化する断面形状を有し、
前記支持部材を、前記第一状態又は第二状態のいずれか一方の状態とすることで、前記変化部位が、着座側からの押圧によって前記基本部位よりも撓みやすくなるとともに、前記一方とは異なる他方の状態に変位させることで、前記変化部位が、着座側からの押圧によって前記基本部位と同等の撓み度合いを有する又は前記基本部位よりも撓みにくくなる構成の車両用シート。
【請求項2】
シートクッションやシートバックなどのシート構成部材を有するとともに、前記シート構成部材が、シート骨格をなすフレーム部材と、前記フレーム部材に取付けられて乗員を支持可能な棒状の支持部材を有する車両用シートにおいて、
前記支持部材として、第一支持部材と、第二支持部材を有し、
前記第一支持部材と前記第二支持部材の少なくとも一方の支持部材が、前記フレーム部材に対して軸周りに回転可能に取付けられて、前記フレーム部材に対する回転動作により第一状態と第二状態の間を変位可能であるとともに、前記一方の支持部材が、軸周りの回転によって、着座側からの押圧による撓み変形度合いが変化する断面形状を有し、
前記一方の支持部材を、前記第一状態又は第二状態のいずれか一方の状態とすることで、着座側からの押圧によって前記一方とは異なる他方の支持部材よりも撓みやすくなるとともに、前記一方とは異なる他方の状態に変位させることで、着座側からの押圧によって前記他方の支持部材と同等の撓み度合いを有する又は前記他方の支持部材よりも撓みにくくなる構成の車両用シート。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−223391(P2012−223391A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−94011(P2011−94011)
【出願日】平成23年4月20日(2011.4.20)
【出願人】(000241500)トヨタ紡織株式会社 (2,945)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月20日(2011.4.20)
【出願人】(000241500)トヨタ紡織株式会社 (2,945)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]