説明

車両用ドアラッチシステム

【課題】ドアの開状態でロックレバーが解錠位置から施錠位置に切り替えられても、クローザ機構のクローズ作動を操作ハンドルの操作により中断可能にする。
【解決手段】ドアが開状態にあって、ロックレバー20が解錠位置から施錠位置へ切り替わったことを契機に、施解錠アクチュエータ19でロックレバー20を施錠位置から解錠位置へ切り替え可能とし、クローザ機構71のクローズ作動中、アウトサイドハンドル10の操作またはインサイドハンドル11の操作をもって全閉リリースレバー18をリリース作動させてラッチ機構70のオープンレバー703を解除作動させると共に、フェールセーフレバー72を切断作動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドアを電気的駆動源の動力によりハーフラッチ位置からフルラッチ位置に移動させるクローザ機構を備えた車両用ドアラッチシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
上述のような車両用ドアラッチシステムは、ドアをハーフラッチ位置からフルラッチ位置へ閉め込む際のクローザ機構のクローズ作動中にドアと車体との間に物が挟み込まれた場合、ドアに設けられたドア開扉用の操作ハンドルを開操作することによって、クローザ機構とラッチ機構とを繋ぐ操作力伝達経路を切断して、クローザ機構のモータの動力をラッチ機構に伝達不能とすると共に、ラッチ機構をラッチ解除作動させてドアを開くことができるようにしている(例えば、特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−328621号公報
【特許文献2】特許第4150655号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載された車両用ドアラッチシステムにおいては、ドアが開状態にあるとき、施錠操作によってロックレバーを解錠位置から施錠位置に切り替えたままの施錠状態でドアが閉じられると、施錠状態では操作ハンドルの開操作がラッチ機構の解除レバーに伝達されないため、クローズ作動が一旦開始すると、操作ハンドルを開操作してもクローザ機構のクローズ作動を中断させることができないという問題点を有する。
【0005】
また、上記特許文献2に記載された車両用ドアラッチシステムにおいては、コントロールユニットにフェールセーフレバーを設けることによって、ロックレバーが施錠位置にあっても操作ハンドルの開操作でクローズ作動を途中で遮断可能にするが、コントロールユニットに設けたフェールセーフレバーの作動をラッチ機構に伝達可能にするため、操作ハンドルの開操作をラッチ機構の解除レバーに伝達するための操作力伝達部材と、フェールセーフレバーの作動をクローザ機構のクラッチ機構に伝達するための操作力伝達部材とを必要として操作力伝達部材の本数が多くなり構成が複雑になるという問題点を有する。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑み、ドアの開状態でロックレバーが解錠位置から施錠位置に切り替えられても、クローザ機構のクローズ作動を操作ハンドルの操作により中断可能にした車両用ドアラッチシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によると、上記課題は、次のようにして解決される。
(1)ドアをハーフラッチ位置からフルラッチ位置に移動させるクローザ機構と、前記ドアをフルラッチ位置に保持するラッチ機構と、前記ドアの車外側に設けられるアウトサイドハンドルの操作でリリース作動するアウトサイドレバーと、前記ドアの車内側に設けられるインサイドハンドルの操作でリリース作動するインサイドレバーと、前記ラッチ機構のオープンレバー及び前記クローザ機構のクローズ作動の連係を切断するフェールセーフレバーに連結手段により連係される全閉リリースレバーと、前記アウトサイドレバーのリリース作動を前記全閉リリースレバーに伝達可能とする解錠位置及び伝達不能とする施錠位置に切り替え可能なロックレバーと、前記ロックレバーを施錠位置から解錠位置へ電気的駆動源によりに切り替え可能な施解錠アクチュエータとを備え、前記ドアが開状態にあって、前記ロックレバーが解錠位置から施錠位置へ切り替わったことを契機に、前記施解錠アクチュエータで前記ロックレバーを施錠位置から解錠位置へ切り替え可能とし、前記クローザ機構のクローズ作動中、前記アウトサイドハンドルの操作または前記インサイドハンドルの操作をもって前記全閉リリースレバーをリリース作動させて前記ラッチ機構の前記オープンレバーを解除作動させると共に、前記フェールセーフレバーを切断作動させる。
【0008】
(2)上記(1)において、さらに、前記インサイドレバーのリリース作動を前記アウトサイドレバーに伝達可能なチャイルド解錠位置と伝達不能なチャイルド施錠位置に切り替え可能なチャイルドロックレバーを備え、前記ロックレバーが解錠位置で、前記チャイルドロックレバーがチャイルド解錠位置にあるとき、前記インサイドハンドルの操作で前記インサイドレバーをリリース作動させることにより前記全閉リリースレバーをリリース作動させて前記ラッチ機構の前記オープンレバーを解除作動させると共に、前記フェールセーフレバーを切断作動させることができ、また、前記ロックレバーが解錠位置にあるときには、前記チャイルドロックレバーの位置に関係無く前記アウトサイドハンドルの操作で前記アウトサイドレバーをリリース作動させることにより前記全閉リリースレバーをリリース作動させて前記ラッチ機構の前記オープンレバーを解除作動させると共に、前記フェールセーフレバーを切断作動させる。
【0009】
(3)上記(1)または(2)において、さらに、前記ドアを全開位置に保持する全開ドアラッチ装置に連係され前記アウトサイドハンドルの操作及び前記インサイドハンドルの操作に連動してリリース作動する全開リリースレバーを備え、前記全開ドアラッチ装置により前記ドアが前記全開位置に保持されている場合、前記ロックレバーが解錠位置から施錠位置へ切り替わったとき前記施解錠アクチュエータで前記ロックレバーを施錠位置から解錠位置へ切り替える。
【0010】
(4)上記(1)〜(3)のいずれかにおいて、さらに、前記ドアを自動開閉可能なドア開閉装置と、電気的駆動源により前記アウトサイドレバーをリリース作動させるリリースアクチュエータとを備え、前記ドアが開状態で、前記ロックレバーが解錠位置から施錠位置へ切り替えられた状態において、前記ドア開閉装置の駆動による前記ドアの閉速度が所定以上検出されたとき、前記施解錠アクチュエータを駆動して前記ロックレバーを施錠位置から解錠位置へ切り替える。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、ドアが開状態にあって、ロックレバーが解錠位置から施錠位置へ切り替わったことを契機に、施解錠アクチュエータでロックレバーを施錠位置から解錠位置へ切り替え可能としたことにより、ドアが開いているときロックレバーが施錠位置に切り替えられても、クローザ機構がクローズ作動する以前にロックレバーが解錠位置に切り替えられるため、クローザ機構のクローズ作動をアウトサイドハンドルまたはインサイドハンドルの操作によってクローザ機構のクローズ作動を中断させることができると共に、構成の簡素化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態を適用した車両の側面図である。
【図2】後部全閉ドアラッチ装置の正面図である。
【図3】後部全閉ドアラッチ装置のラッチがオープン位置にあるときの要部の正面図である。
【図4】後部全閉ドアラッチ装置のラッチがハーフラッチ位置にあるときの要部の正面図である。
【図5】後部全閉ドアラッチ装置がクローズ作動したときの要部の正面図である。
【図6】後部全閉ドアラッチ装置のクローズ作動中、フェールセーフレバーが切断位置に移動したときの要部の正面図である。
【図7】中継操作装置の車外側から見た側面図である。
【図8】中継操作装置の車内側から見た側面図である。
【図9】ロックレバーが解錠位置、チャイルドロックレバーが解錠位置にあるときの中継操作装置の車外側から見た要部の側面図である。
【図10】ロックレバーが施錠位置、チャイルドロックレバーが解錠位置にあるときの中継操作装置の車外側から見た要部の側面図である。
【図11】ロックレバーが解錠位置、チャイルドロックレバーがチャイルド施錠位置にあるときの中継操作装置の車外側から見た要部の側面図である。
【図12】制御回路のブロック図である。
【図13】実施形態に係わるタイムチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る一実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1に示すように、ドア1は、車体2の側面に設けられた前後方向を向く上、中、下のガイドレール3、4、5により車体2の側面に設けられた乗降口を閉鎖した全閉位置から車体2の外側面より若干外方に移動しつつ車体2の側面に沿って後方へ移動した全開位置、及びその逆へ開閉可能に支持される。
【0014】
ドア1の内部には、ドア1を全閉位置に保持するための前、後部全閉ドアラッチ装置6、7と、ドア1を全開位置に保持するための全開ドアラッチ装置8と、各操作を中継制御するための中継操作装置9が設けられている。また、ドア1のアウタパネルには、車外からドア1を開閉する際に操作されるアウトサイドハンドル10が設けられ、また、ドア1の車内側には、車内からドア1を開閉する際に操作されるインサイドハンドル11が設けられる。
【0015】
車体2の後部パネル内には、ドア1を電気的駆動源の動力で自動開閉移動させるドア開閉装置12が設けられる。
【0016】
アウトサイドハンドル10及びインサイドハンドル11の各操作は、中継操作装置9の後述のロックレバー20が解錠位置にあるとき、中継操作装置9を経由して操作力を伝達可能なケーブル16、17を介して前、後部全閉ドアラッチ装置6、7の解除レバー61、705にそれぞれ伝達される。
【0017】
アウトサイドハンドル10の操作方向は、ドア1を開ける場合の操作方向とドア1を閉じる場合の操作方向とが同一方向である。インサイドハンドル11の操作方向は、ドア1を開けるときは開扉方向であり、ドア1を閉じるときは閉扉方向である。
【0018】
前、後部全閉ドアラッチ装置6、7は、ドア1が全閉位置にあるとき、車体2側に固着されたそれぞれのストライカと係合することによりドア1を全閉位置に保持するラッチ機構をそれぞれ有している。
【0019】
図2〜6に示すように、後部全閉ドアラッチ装置7は、ドア1を全閉位置に保持するためのラッチ機構70と、ドア1がハーフラッチ位置(半ドア位置)まで閉じたとき、電気的駆動源であるクローザモータ711の動力をもって、ラッチ機構70をクローズ作動させてドア1をハーフラッチ位置からフルラッチ位置(全閉位置)に閉め込むためのクローザ機構71を有している。
【0020】
ラッチ機構70は、ドア1に固定されるベース701内に枢着され車体2に固着されたストライカ2aに係脱可能なラッチ707と、ベース701内に枢軸702により枢着されラッチ707に係脱可能なポール708と、ベース701に枢軸702により枢支されポール708と一体的に回動可能なオープンレバー703と、ベース701に枢軸704により枢支される解除レバー705とを備える。
【0021】
ラッチ707は、ドア1の閉動作に伴って、ストライカ2aから離脱したオープン位置(図3に示す位置)から反時計方向へ所定角度回動してストライカ2aに辛うじて係合するハーフラッチ位置(図4に示す位置)、及びハーフラッチ位置からさらに反時計方向へ所定角度回動してストライカ2aと完全に係合するフルラッチ位置(図5に示す位置)に回動可能である。ポール708は、ラッチ707がハーフラッチ位置またはフルラッチ位置にあるとき、ラッチ707に係合することによってラッチ707のオープン方向(時計方向)への回動を阻止してドア1の開方向への移動を阻止する。
【0022】
解除レバー705は、ケーブル17を介して中継操作装置9の後述の全閉リリースレバー18に連結され、中継操作装置9のロックレバー20が解錠位置にあるとき、アウトサイドハンドル10またはインサイドハンドル11の操作にしたがって、図2に示す待機位置から解除作動(図2において反時計方向への回動)することによって、オープンレバー703を図2〜5に示す待機位置から解除作動(図2〜5において時計方向への回動)させてポール708をラッチ707から離脱させると共に、フェールセーフレバー72を後述の伝達位置から切断位置に移動させる。なお、本発明に係わる連結手段は、本実施形態においてはケーブル17及び解除レバー705により構成させる。
【0023】
クローザ機構71は、クローザモータ711と、枢軸712により枢支されクローザモータ711の回転により上下方向へ揺動可能な駆動レバー713と、枢軸714により枢支され上下方向へ揺動可能な第1クローザレバー715と、上端部が第1クローザレバー715に連結軸716により枢着されて上下方向へ移動可能な第2クローザレバー717と、ラッチ軸718に枢支されラッチ707と一体的に回動可能なラッチレバー719と、枢軸73により枢支され解除レバー705の解除作動に連動するフェールセーフレバー72とを含んで構成される。
【0024】
フェールセーフレバー72は、解除レバー705が待機位置にあるときには伝達位置(図2〜5に示す位置)に保持され、また解除レバー705が解除作動したときには伝達位置から反時計方向へ揺動して切断位置(図6に示す位置)に移動する。
【0025】
第2クローザレバー717は、下部に設けた連結ピン717bがフェールセーフレバー72の長孔721に対して上下方向へ摺動可能に連結され、フェールセーフレバー72の作動に連動して、下端部の爪部717aがラッチレバー719の段部719aに係合する待機位置(図2〜5に示す位置)から段部719aから離脱する切断位置(図6に示す位置)に移動する。
【0026】
フェールセーフレバー72及び第2クローザレバー717が伝達位置にある場合には、クローザモータ711の動力を駆動レバー713、第1、2クローザレバー715、717及びラッチレバー719を介してラッチ707に伝達可能であり、フェールセーフレバー72及び第2クローザレバー717が切断位置にある場合には、第2クローザレバー717とラッチレバー719との間の伝達経路を切断して、クローザモータ711の動力をラッチ707に伝達不能とする。
【0027】
クローザモータ711は、ドア1の閉動作時に、ラッチ707が図3に示すオープン位置から図4に示すハーフラッチ位置に回動しハーフラッチ検出スイッチ40(図12参照)がラッチ707のハーフラッチ位置を検出したことを契機に正転方向へ回転し、駆動レバー713を図2〜4に示す待機位置からクローズ方向(時計方向)へ回動させる。
【0028】
駆動レバー713がクローズ方向へ回動すると、駆動レバー713の押部713aが第1クローザレバー715の折曲部715aを下方へ押し、第1クローザレバー715を図2〜4に示す待機位置からクローズ方向(反時計方向)へ回動させると共に、第2クローザレバー717を下方へ移動させる。
【0029】
第2クローザレバー717が下方へ移動すると、第2クローザレバー717の爪部717aがラッチレバー719の段部719aに係合して、ラッチレバー719を反時計方向へ回動させることにより、ラッチ707をハーフラッチ位置からフルラッチ位置に回動させて、ドア1をハーフラッチ位置からフルラッチ位置に強制的に移動させる。
【0030】
クローザモータ711の駆動でドア1をハーフラッチ位置からフルラッチ位置へ移動させているクローズ作動中、ドア1と車体2との間に体の一部が挟み込まれる等した場合には、中継操作装置9のロックレバー20が解錠位置にあるとき、アウトサイドハンドル10またはインサイドハンドル11を操作して解除レバー705を解除作動させることによって、オープンレバー703を介してポール708を解除作動させると共に、フェールセーフレバー72を伝達位置から切断位置に移動させて第2クローザレバー717の爪部717aをラッチレバー719の段部719aから離脱させることができる。これにより、クローズ作動中であっても、アウトサイドハンドル10またはインサイドハンドル11を操作することによって、クローズ作動を中断させてドア1を開けることができる。
【0031】
ドア開閉装置12は、電気的駆動源である正逆回転可能な開閉モータ121と、開閉モータ121の動力により回転する回転ドラムに巻き取り及び送り出し可能に巻回されると共にドア1の後端部に連結される動力伝達用ケーブル122と、開閉モータ121と回転ドラム間の動力伝達経路を断続可能な電磁クラッチ123と、回転ドラムの回転を検出する回転センサ124を有し、電磁クラッチ123を接続状態(開閉モータ121と回転ドラム間の動力伝達経路を接続する状態)にして開閉モータ121を駆動させることにより、回転ドラムが所定の方向へ回転してドア1を開閉モータ121の動力により自動開閉することができる。また、電磁クラッチ123を切断状態(開閉モータ121と回転ドラム間の動力伝達経路を切断する状態)にした場合には、ドア1を手動で開閉することができる。
【0032】
図7〜11に示すように、中継操作装置9は、ドア1に固定されるベースプレート13と、アウトサイドハンドル10の操作に連動するアウトサイドレバー14と、インサイドハンドル11の操作に連動するインサイドレバー15と、前、後部全閉ドアラッチ装置6、7の解除レバー61、705にケーブル16、17を介して連係される全閉リリースレバー18と、モータを駆動源とする施解錠アクチュエータ19と、施解錠アクチュエータ19の駆動により施錠位置及び解錠位置に回動可能なロックレバー20と、手動操作によりチャイルド解錠位置及びチャイルド施錠位置に移動可能なチャイルドロックレバー21と、全開ドアラッチ装置8に操作力を伝達可能なケーブル22を介して連係される全開リリースレバー23と、アウトサイドレバー14、インサイドレバー15、及びチャイルドロックレバー21の位置をそれぞれ検出可能なアウトサイドハンドル検出スイッチ24、インサイドハンドル開扉検出スイッチ25、インサイドハンドル閉扉検出スイッチ26及びチャイルドロック検出スイッチ27とを含んで構成される。
【0033】
アウトサイドハンドル検出スイッチ24、インサイドハンドル開扉検出スイッチ25、インサイドハンドル閉扉検出スイッチ26及びチャイルドロック検出スイッチ27の検出信号は、車両の適所に配置される制御回路装置100に送信される。
【0034】
アウトサイドレバー14は、枢軸28によりベースプレート13の車内側の面に枢支され、上部に設けた枢軸28を中心とする円弧状の第1連結孔141には、操作力を伝達可能なケーブル29を介してモータを動力源とするリリースアクチュエータ30が連結され、第1連結孔141の下方に設けた円弧状の第2連結孔142には、操作力を伝達可能なケーブル31を介してアウトサイドハンドル10が連結される。
【0035】
リリースアクチュエータ30は、ドア1内に配置され、運転席に設けられる操作スイッチ41(図12参照)の操作、または予め定められた条件が成立した場合にリリース作動する。
【0036】
リリースアクチュエータ30がリリース作動するか、または、アウトサイドハンドル10が操作されると、これらの操作力は、ケーブル29または31を介してアウトサイドレバー14に伝達され、アウトサイドレバー14は、バネの付勢力に抗して、待機位置(図8参照)からリリース作動(図8において反時計方向、図9において時計方向への回動)する。
【0037】
アウトサイドレバー14がリリース作動すると、アウトサイドハンドル検出スイッチ24によりアウトサイドハンドル10の操作が検出されると共に、アウトサイドレバー14の下部に設けられた係合片143が全開リリースレバー23の上部に当接し、これにより、全開リリースレバー23は、バネの付勢力に抗して枢軸32を中心として待機位置(図7、9、10、11参照)からリリース作動(図7、9、10、11において反時計方向への回動)する。
【0038】
全閉リリースレバー18は、枢軸28によりベースプレート13にアウトサイドレバー14及びインサイドレバー15と別々に回動可能に枢支されると共に、下方に延出するアームにはケーブル16、17を介して前、後部全閉ドアラッチ装置6、7の解除レバー61、705が連結され、待機位置(図8〜11参照)からリリース作動(図8において反時計方向、図9〜11において時計方向への回動)することにより前、後部全閉ドアラッチ装置6、7を解除作動させてドア1の開動作を可能にする。
【0039】
インサイドレバー15は、ベースプレート13に枢軸28と一体的に回動し得るように枢支されると共に、リンク33を介して全開リリースレバー23に連結され、枢軸28の車内側端部に固定されたインサイドハンドル11の開操作(図7、9〜11において時計方向、図8において反時計方向への回動)に基づいて、スプリングの付勢力に抗して、待機位置(図8、9〜11参照)から開リリース作動(図7、9〜11において時計方向への回動)し、同じく閉操作(図7、9〜11において反時計方向、図8において時計方向への回動)に基づいて、スプリングの付勢力に抗して、待機位置から閉リリース作動(図7、9〜11において反時計方向への回動)する。リンク33は、上端部が連結軸35によりインサイドレバー15に連結され、下端部が連結軸34により全開リリースレバー23に連結される。
【0040】
インサイドレバー15の開リリース作動は、インサイドハンドル開扉検出スイッチ25により検出されると共に、チャイルドロックレバー21がチャイルド解錠位置(図7〜10参照)にあるときのみ、インサイドレバー15の当接部151がアウトサイドレバー14の長孔145に前後方向へ摺動自在に設けられた係脱ピン211に当接することによってアウトサイドレバー14に伝達される。これにより、インサイドレバー15が待機位置から開リリース作動すると、アウトサイドレバー14も待機位置からリリース作動する。
【0041】
インサイドレバー15の閉リリース作動は、インサイドハンドル閉扉検出スイッチ26によって検出されると共に、チャイルドロックレバー21の位置に無関係にリンク33を介して全開リリースレバー23に伝達される。これにより、全開リリースレバー23は、枢軸32を中心に待機位置からリリース作動する。全開リリースレバー23のリリース作動は、ケーブル22を介して全開ドアラッチ装置8に伝達されて全開位置に保持されているドア1の閉方向への移動を可能にする。
【0042】
ロックレバー20は、ベースプレート13に枢軸36により枢支されると共に、施解錠アクチュエータ19の出力レバー191及びドア1の車内側に配置される手動操作用のロックノブ(図示略)に連結され、施解錠アクチュエータ19の電動操作またはロックノブの手動操作によって、解錠位置(図7、9、11参照)及び施錠位置(図10参照)に回動する。
【0043】
全閉リリースレバー18は、その長孔181、アウトサイドレバー14のL型の長孔144及びロックレバー20の長孔201にそれぞれ摺動自在に係合した係脱ピン37を介してアウトサイドレバー14に連結される。
【0044】
ロックレバー20が解錠位置にあるときには、全閉リリースレバー18がアウトサイドレバー14のリリース作動に連動して係脱ピン37と共に待機位置からリリース作動(図8において反時計方向、図9、11において時計方向への回動)することにより、アウトサイドハンドル10の操作をケーブル16、17を介して前、後部全閉ドアラッチ装置6、7に伝達する。また、ロックレバー20が施錠位置にあるときには、アウトサイドレバー14がリリース作動しても、係脱ピン29が長孔144内を相対的に摺動して全閉リリースレバー18は待機位置に止まって、アウトサイドハンドル10の操作は前、後部全閉ドアラッチ装置6、7に伝達されない。
【0045】
チャイルドロックレバー21は、枢軸38によりベースプレート13に枢支され、ドア1を開けたときに操作可能な操作部21aが手動操作されることにより、インサイドレバー15の開リリース作動を全閉リリースレバー18に伝達可能とするチャイルド解錠位置(図7、9、10参照)及び伝達不能とするチャイルド施錠位置(図11参照)に移動することができる。チャイルドロックレバー21の各位置は、チャイルドロック検出スイッチ27により検出される。
【0046】
チャイルドロックレバー21がチャイルド解錠位置にあるときには、係脱ピン211がインサイドレバー15の当接部151の移動軌跡内にあって、インサイドレバー15の開リリース作動をアウトサイドレバー14に伝達して、インサイドハンドル11の開操作をケーブル16、17を介して前、後部全閉ドアラッチ装置6、7に伝達可能とする。また、チャイルドロックレバー21がチャイルド施錠位置にあるときには、係脱ピン211が当接部151の移動軌跡外に移動して、インサイドレバー15の開リリース作動をアウトサイドレバー14に伝達不能として、インサイドハンドル11の開操作を前、後部全閉ドアラッチ装置6、7に伝達しない。
【0047】
上述により、中継操作装置9のロックレバー20が解錠位置、チャイルドロックレバー21がチャイルド解錠位置にある状態においては、クローザ機構71のクローズ作動中、アウトサイドハンドル10の操作またはインサイドハンドル11の開操作をもって、前、後部全閉ドアラッチ装置6、7の解除レバー61、705を解除作動させてフェールセーフレバー72及び第2クローザレバー717を伝達位置から切断位置に移動させてクローズ作動を中断させてドア1を開けることができる。また、中継操作装置9のロックレバー20が解錠位置、チャイルドロックレバー21がチャイルド施錠位置にある状態においては、クローザ機構71のクローズ作動中、アウトサイドハンドル10の操作をもって、前、後部全閉ドアラッチ装置6、7の解除レバー61、705を解除作動させてフェールセーフレバー72及び第2クローザレバー717を伝達位置から切断位置に移動させてクローズ作動を中断させてドア1を開けることができる。
【0048】
次に、クローザモータ711、開閉モータ121、施解錠アクチュエータ19、リリースアクチュエータ30を制御するための制御回路装置100について説明する。
【0049】
制御回路装置100は、予め記憶されたプログラムにしたがって一連の制御処理を実行するマイクロプロセッサを含んで構成され、図12に示すように、その入力インターフェイスには、ドア開閉装置12の回転センサ124、ロックレバー21の各位置を検出する施解錠検出スイッチ39、後部全閉ドアラッチ装置7のラッチ707のハーフラッチ位置を検出するためのハーフラッチ検出スイッチ40及びフルラッチ位置を検出するためのフルラッチ検出スイッチ42、ドア1を自動開閉するとき操作される操作スイッチ41、アウトサイドハンドル検出スイッチ24、インサイドハンドル開扉検出スイッチ25、インサイドハンドル閉扉検出スイッチ26、チャイルドロック検出スイッチ27がそれぞれ電気的に接続されると共に、ドア1の開閉移動に伴う回転ドラムの回転による回転センサ124から出力される検出信号に基づいて、ドア1の移動方向を検出する移動方向検出回路、開閉速度を検出する速度検出回路、ドア1の位置を検出する位置検出回路を内蔵する。制御回路装置100の出力インタフェイスには、出力デバイスであるクローザモータ711、開閉モータ121及び電磁クラッチ123、リリースアクチュエータ30、施解錠アクチュエータ19がそれぞれ電気的に接続される。
【0050】
制御回路装置100は、各スイッチの信号を入力することにより次のように各出力デバイスを制御する。
【0051】
フルラッチ検出スイッチ42がラッチ707のフルラッチ位置を検出し、施解錠検出スイッチ39がロックレバー20の解錠位置を検出し、チャイルドロック検出スイッチ27がチャイルドロックレバー21のチャイルド解錠位置を検出している場合には、アウトサイドハンドル検出スイッチ24がアウトサイドハンドル10の操作に伴うアウトサイドレバー14のリリース作動を検出するか、インサイドハンドル開扉検出スイッチ25がインサイドハンドル11の開操作に伴うインサイドレバー15の開リリース作動を検出するか、または操作スイッチ41が操作されてリリースアクチュエータ30がリリース作動して、前、後部全閉ドアラッチ装置6、7がラッチ解除作動すると、ドア開閉装置12の電磁クラッチ123を接続制御、開閉モータ121を正転制御して、ドア1を開閉モータ121の動力により全開位置まで開移動させる。
【0052】
フルラッチ検出スイッチ42がラッチ707のフルラッチ位置を検出し、施解錠検出スイッチ39がロックレバー20の施錠位置を検出し、チャイルドロック検出スイッチ27がチャイルドロックレバー21のチャイルド解錠位置を検出している場合には、アウトサイドハンドル10及びインサイドハンドル11が開操作されても、アウトサイドレバー14のリリース作動は全閉リリースレバー18に伝達されないため、前、後部全閉ドアラッチ装置6、7をラッチ解除作動させることはできない。したがって、ドア1を開けることはできない。また、この状態においては、アウトサイドハンドル検出スイッチ24がアウトサイドレバー14のリリース作動、インサイドハンドル開扉検出スイッチ25がインサイドレバー15の開リリース作動を検出しても、施解錠検出スイッチ39の施錠状態検出信号を入力しているため、ドア開閉装置12の開駆動制御を行わない。
【0053】
制御回路装置100の位置検出回路がドア1の全開位置を検出し、施解錠検出スイッチ39がロックレバー12の解錠位置を検出し、チャイルドロック検出スイッチ27がチャイルドロックレバー21のチャイルド解錠位置を検出している際、アウトサイドハンドル10が操作されるか、インサイドハンドル11が閉操作されると、全開リリースレバー23がリリース作動することで全開ドアラッチ装置8がラッチ解除作動し、ドア開閉装置12の電磁クラッチ123を接続制御、開閉モータ121を逆転制御して、ドア1を開閉モータ121の動力によりハーフラッチ位置まで閉移動させる。続いて、ハーフラッチ検出スイッチ40がラッチのハーフラッチ位置を検出すると、クローザ機構71のクローザモータ711を駆動させ、ドア1をハーフラッチ位置からフルラッチ位置に閉め込む。
【0054】
次に、本発明の特徴部分について図13を参照して説明する。
制御回路装置100の位置検出回路がドア1の全開位置を検出し、施解錠検出スイッチ39がロックレバー20の解錠位置を検出し、チャイルドロック検出スイッチ27がチャイルドロックレバー21のチャイルド解錠位置を検出している場合、ロックレバー20がロックノブの手動施錠操作または施解錠アクチュエータ19の電動施錠操作により施錠位置に切り替わり施解錠検出スイッチ39がロックレバー20の施錠位置を検出(図13に示すA時点)すると、これを契機に施解錠アクチュエータ19を解錠作動(図13に示すB時点)させ、ロックレバー20を解錠位置に強制的に戻す。これにより、ドア1をクローザ機構71によりハーフラッチ位置からフルラッチ位置へ閉め込む際、ロックレバー20は必ず解錠位置にあるため、アウトサイドハンドル10の操作またはインサイドハンドル11の開操作によって、後部全閉ドアラッチ装置7のポール708を解除作動させると共に、クローザ機構71のフェールセーフレバー72を切断位置に移動させて、クローズ作動を中断させることができる。
【0055】
制御回路装置100の位置検出回路がドア1の全開位置を検出し、施解錠検出スイッチ39がロックレバー20の解錠位置を検出し、チャイルドロック検出スイッチ27がチャイルドロックレバー21のチャイルド施錠位置を検出している場合には、ロックレバー20がロックノブの手動施錠操作または施解錠アクチュエータ19の電動施錠操作により施錠位置に切り替わり施解錠検出スイッチ39がロックレバー20の施錠位置を検出(図13に示すC時点)すると、これを契機に施解錠アクチュエータ19を解錠作動(図13に示すD時点)させ、ロックレバー20を解錠位置に強制的に戻す。これにより、ドア1をクローザ機構71によりハーフラッチ位置からフルラッチ位置へ閉め込む際、ロックレバー20は必ず解錠位置にあるため、アウトサイドハンドル10の操作によって、後部全閉ドアラッチ装置7のポール708を解除作動させると共に、クローザ機構71のフェールセーフレバー72を切断位置に移動させて、クローズ作動を中断させることができる。
【0056】
制御回路装置100の位置検出回路がドア1の半開位置を検出し、施解錠検出スイッチ39がロックレバー20の解錠位置を検出し、チャイルドロック検出スイッチ27がチャイルドロックレバー21のチャイルド解錠位置を検出している場合には、ロックレバー20がロックノブの手動施錠操作または施解錠アクチュエータ19の電動施錠操作により解錠位置から施錠位置に切り替わり施解錠検出スイッチ39がロックレバー20の施錠位置を検出(図13に示すE時点)し、この状態でドア1がドア開閉装置12の駆動により閉方向へ移動し速度検出回路が所定以上の閉速度を検出(図13に示すF時点)すると、その時点で施解錠アクチュエータ19を解錠作動させ、ロックレバー20を解錠位置に強制的に戻す。また、これに代えて、施解錠検出スイッチ39がロックレバー20の施錠位置を検出している状態で、ドア1の閉速度に関係なく、移動方向検出回路がドア1の閉方向を検出した時点で、施解錠アクチュエータ19を解錠作動させるようにしても良い。これにより、ドア1をクローザ機構71によりハーフラッチ位置からフルラッチ位置へ閉め込む際、ロックレバー20は必ず解錠位置にあるため、アウトサイドハンドル10またはインサイドハンドル11の操作によって、後部全閉ドアラッチ装置7のポール708を解除作動させると共に、クローザ機構71のフェールセーフレバー72を切断位置に移動させて、クローズ作動を中断させることができる。
【0057】
クローザ機構71がクローズ作動中にあって、施解錠検出スイッチ39がロックレバー20の解錠位置を検出し、チャイルドロック検出スイッチ27がチャイルドロックレバー21のチャイルド施錠位置を検出している場合、インサイドハンドル開検出スイッチ25がインサイドハンドル11の開操作に基づくインサイドレバー15のリリース作動を検出(図13に示すG時点)したことを契機に、リリースアクチュエータ30を駆動制御する。これにより、アウトサイドレバー14がリリース方向へ回動し、当該回動は、ケーブル17を介して解除レバー705に伝達され、クローザ機構71のフェールセーフレバー72及び第2クローザレバー717を切断位置に移動させると共に、オープンレバー703を解除方向へ回動させる。これにより、ロックレバー20が解錠位置にあれば、チャイルドロックレバー21がチャイルド施錠位置にあっても、アウトサイドハンドル10の操作はもとより、インサイドハンドル11の開操作をもって、クローズ作動を中断させると共に、前、後部全閉ドアラッチ装置6、7を解除作動させてドア1を開けることができる。
【0058】
さらに、本実施形態に加えて、ドア1の開状態で施解錠用アクチュエータ19を強制的に解除作動させた後、クローザ機構71のクローズ作動が完了し、ドア1の全閉位置が検出(フルラッチ検出スイッチ42のフルラッチ位置検出等)された場合には、施解錠用アクチュエータ19を施錠作動させてロックレバー20を施錠位置に変位させるようにしても良い。
【符号の説明】
【0059】
1 ドア
2 車体
2a ストライカ
3、4、5 ガイドレール
6 前部全閉ドアラッチ装置
7 後部全閉ドアラッチ装置
8 全開ドアラッチ装置
9 中継操作装置
10 アウトサイドハンドル
11 インサイドハンドル
12 ドア開閉装置
13 ベースプレート
14 アウトサイドレバー
15 インサイドレバー
16 ケーブル
17 ケーブル(連結手段)
18 全閉リリースレバー
19 施解錠アクチュエータ
20 ロックレバー
21 チャイルドロックレバー
21a 操作部
22 ケーブル
23 全開リリースレバー
24 アウトサイドハンドル検出スイッチ
25 インサイドハンドル開扉検出スイッチ
26 インサイドハンドル閉扉検出スイッチ
27 チャイルドロック検出スイッチ
28 枢軸
29 ケーブル
30 リリースアクチュエータ
31 ケーブル
32 枢軸
33 リンク
34 連結軸
35 連結軸
36 枢軸
37 係脱ピン
38 枢軸
39 施解錠検出スイッチ
40 ハーフラッチ検出スイッチ
41 操作スイッチ
42 フルラッチ検出スイッチ
61 解除レバー
70 ラッチ機構
71 クローザ機構
72 フェールセーフレバー
73 枢軸
100 制御回路装置
121 開閉モータ
122 動力伝達用ケーブル
123 電磁クラッチ
124 回転センサ
141 第1連結孔
142 第2連結孔
143 係合片
144 長孔
145 長孔
151 当接部
181 長孔
191 出力レバー
201 長孔
211 係脱ピン
701 ベース
702 枢軸
703 オープンレバー
704 枢軸
705 解除レバー(連結手段)
707 ラッチ
708 ポール
711 クローザモータ
712 枢軸
713 駆動レバー
713a 押部
714 枢軸
715 第1クローザレバー
715a 折曲部
716 連結軸
717 第2クローザレバー
717a 爪部
717b 連結ピン
718 ラッチ軸
719 ラッチレバー
719a 段部
721 長孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドアをハーフラッチ位置からフルラッチ位置に移動させるクローザ機構と、前記ドアをフルラッチ位置に保持するラッチ機構と、前記ドアの車外側に設けられるアウトサイドハンドルの操作でリリース作動するアウトサイドレバーと、前記ドアの車内側に設けられるインサイドハンドルの操作でリリース作動するインサイドレバーと、前記ラッチ機構のオープンレバー及び前記クローザ機構のクローズ作動の連係を切断するフェールセーフレバーに連結手段により連係される全閉リリースレバーと、前記アウトサイドレバーのリリース作動を前記全閉リリースレバーに伝達可能とする解錠位置及び伝達不能とする施錠位置に切り替え可能なロックレバーと、前記ロックレバーを施錠位置から解錠位置へ電気的駆動源によりに切り替え可能な施解錠アクチュエータとを備え、
前記ドアが開状態にあって、前記ロックレバーが解錠位置から施錠位置へ切り替わったことを契機に、前記施解錠アクチュエータで前記ロックレバーを施錠位置から解錠位置へ切り替え可能とし、前記クローザ機構のクローズ作動中、前記アウトサイドハンドルの操作または前記インサイドハンドルの操作をもって前記全閉リリースレバーをリリース作動させて前記ラッチ機構の前記オープンレバーを解除作動させると共に、前記フェールセーフレバーを切断作動させることを特徴とする車両用ドアラッチシステム。
【請求項2】
さらに、前記インサイドレバーのリリース作動を前記アウトサイドレバーに伝達可能なチャイルド解錠位置と伝達不能なチャイルド施錠位置に切り替え可能なチャイルドロックレバーを備え、
前記ロックレバーが解錠位置で、前記チャイルドロックレバーがチャイルド解錠位置にあるとき、前記インサイドハンドルの操作で前記インサイドレバーをリリース作動させることにより前記全閉リリースレバーをリリース作動させて前記ラッチ機構の前記オープンレバーを解除作動させると共に、前記フェールセーフレバーを切断作動させることができ、
また、前記ロックレバーが解錠位置にあるときには、前記チャイルドロックレバーの位置に関係無く前記アウトサイドハンドルの操作で前記アウトサイドレバーをリリース作動させることにより前記全閉リリースレバーをリリース作動させて前記ラッチ機構の前記オープンレバーを解除作動させると共に、前記フェールセーフレバーを切断作動させることを特徴とする請求項1記載の車両用ドアラッチシステム。
【請求項3】
さらに、前記ドアを全開位置に保持する全開ドアラッチ装置に連係され前記アウトサイドハンドルの操作及び前記インサイドハンドルの操作に連動してリリース作動する全開リリースレバーを備え、
前記全開ドアラッチ装置により前記ドアが前記全開位置に保持されている場合、前記ロックレバーが解錠位置から施錠位置へ切り替わったとき前記施解錠アクチュエータで前記ロックレバーを施錠位置から解錠位置へ切り替えることを特徴とする請求項1または2記載の車両用ドアラッチシステム。
【請求項4】
さらに、前記ドアを自動開閉可能なドア開閉装置と、電気的駆動源により前記アウトサイドレバーをリリース作動させるリリースアクチュエータとを備え、
前記ドアが開状態で、前記ロックレバーが解錠位置から施錠位置へ切り替えられた状態において、前記ドア開閉装置の駆動による前記ドアの閉速度が所定以上検出されたとき、前記施解錠アクチュエータを駆動して前記ロックレバーを施錠位置から解錠位置へ切り替えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の車両用ドアラッチシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−241346(P2012−241346A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−109831(P2011−109831)
【出願日】平成23年5月16日(2011.5.16)
【出願人】(000006183)三井金属鉱業株式会社 (1,121)
【出願人】(000148896)三井金属アクト株式会社 (127)
【Fターム(参考)】