説明

車両用ドアロック装置

【課題】車両用ドアロック装置にて、インサイド側からの解錠操作の信頼性を向上させること。
【解決手段】車両用ドアロック装置100は、ラッチ機構10、インサイドオープンレバー21、アウトサイドオープンレバー22を備えるとともに、インサイド解錠経路A、アウトサイド解錠経路B、チャイルドプロテクタレバー23を備えている。インサイド解錠経路Aは、アンロック位置とロック位置とに切り替え可能なアクティブレバー24と、これの回転に伴って変位する部位(ボス部24b)に相対回転可能に組付けられたインサイドオープンリンク25と、これを初期位置(第1初期位置)に向けて付勢するスプリング27を備えている。アウトサイド解錠経路Bは、アクティブレバー24と、これのボス部24aに相対回転可能に組付けられたアウトサイドオープンリンク26と、これを初期位置(第2初期位置)に向けて付勢するスプリング27を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用ドアロック装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両用ドアロック装置の一つとして、車両のドアをボデーに対して閉じた状態で保持可能なラッチ機構と、前記ドアの内側に設けたインサイドドアハンドルの操作に伴って駆動されるインサイドオープンレバーと、前記ドアの外側に設けたアウトサイドドアハンドルの操作に伴って駆動されるアウトサイドオープンレバーと、前記インサイドオープンレバーと前記ラッチ機構が備えるリフトレバーとの間に介装されるインサイド解錠経路と、前記アウトサイドオープンレバーと前記リフトレバーとの間に介装されるアウトサイド解錠経路と、前記インサイド解錠経路に対して係合・離脱可能なチャイルドプロテクタレバーを備えているもの(本発明が対象とする車両用ドアロック装置)があり、例えば、下記特許文献1に示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−328623号公報
【0004】
上記した特許文献1に記載されている車両用ドアロック装置においては、インサイドオープンレバーが、インサイドドアハンドルに連係した第1レバーと、オープンリンクを押動可能な第2レバーと、これらを連結・分離可能な連結軸を備える構成であり、このインサイドオープンレバーの連結軸にチャイルドプロテクタレバーを連結する構成が採用されている。一方、アウトサイドオープンレバーは、単一部材で構成されていて、オープンリンクを押動可能に構成されている。なお、オープンリンクは、アクティブレバーによってアンロック位置とロック位置に切り替え可能に構成されていて、アンロック位置ではリフトレバーを開操作可能(アンラッチ方向に回転可能)であり、ロック位置ではリフトレバーを開操作不能(アンラッチ方向に回転不能)である。
【発明の概要】
【0005】
(発明が解決しようとする課題)
上記した特許文献1に記載されている車両用ドアロック装置においては、アウトサイドオープンレバーが単一部材で構成されているため、アウトサイドドアハンドルの操作時にはアウトサイドドアハンドルの動作がアウトサイドオープンレバーとオープンリンクを介してリフトレバーに伝達可能である。これに対して、インサイドオープンレバーが上述したように第1レバーと第2レバーと連結軸を備える構成であるため、インサイドドアハンドルの操作時にはインサイドドアハンドルの動作が第1レバーと連結軸と第2レバーとオープンリンクを介してリフトレバーに伝達可能である。このため、解錠操作の信頼性向上の観点から、インサイドオープンレバー側の構成に改善の余地がある。
【0006】
(課題を解決するための手段)
本発明は、上記した課題を解決すべくなされたものであり、上記した本発明が対象とする車両用ドアロック装置において、
前記インサイド解錠経路が、アンロック位置とロック位置とに切り替え可能なアクティブレバーと、このアクティブレバーの回転に伴って変位する部位に、第1初期位置から第1作動位置および前記第1初期位置から移動位置に前記アクティブレバーに対して相対回転可能に組付けられたインサイドオープンリンクと、このインサイドオープンリンクを前記第1初期位置に向けて付勢する第1付勢部材を備えていて、前記アクティブレバーがアンロック位置にあり前記インサイドオープンリンクが前記第1初期位置にあるとき、前記インサイドオープンレバーのドア開方向作動を前記リフトレバーに伝達可能に、かつ、前記アクティブレバーがロック位置にあり前記インサイドオープンリンクが前記第1初期位置にあるとき、前記インサイドオープンレバーのドア開方向作動を前記リフトレバーに伝達不能に設定され、
前記アウトサイド解錠経路が、前記アクティブレバーと、このアクティブレバーの回転に伴って変位する部位に、第2初期位置から第2作動位置に前記アクティブレバーに対して相対回転可能に組付けられたアウトサイドオープンリンクと、このアウトサイドオープンリンクを前記第2初期位置に向けて付勢する第2付勢部材を備えていて、前記アクティブレバーがアンロック位置にあり前記アウトサイドオープンリンクが前記第2初期位置にあるとき、前記アウトサイドオープンレバーのドア開方向作動を前記リフトレバーに伝達可能に、かつ、前記アクティブレバーがロック位置にあり前記アウトサイドオープンリンクが前記第2初期位置にあるとき、前記アウトサイドオープンレバーのドア開方向作動を前記リフトレバーに伝達不能に設定され、
前記チャイルドプロテクタレバーがアンセット位置とセット位置とに切り替え可能であって、前記アクティブレバーがアンロック位置にあり前記チャイルドプロテクタレバーがアンセット位置にあるとき、前記チャイルドプロテクタレバーが前記インサイドオープンリンクから離脱していて前記インサイドオープンリンクが前記第1初期位置に保持され、かつ、前記アクティブレバーがアンロック位置にあり前記チャイルドプロテクタレバーがセット位置にあるとき、前記チャイルドプロテクタレバーが前記インサイドオープンリンクと係合して前記インサイドオープンリンクが前記移動位置に保持され、前記インサイドオープンレバーのドア開方向作動を前記リフトレバーに伝達不能に設定されていることに特徴がある。
【0007】
(発明の作用効果)
本発明による車両用ドアロック装置においては、インサイド解錠経路が、上述したように、アクティブレバーと、インサイドオープンリンクと、第1付勢部材を備える構成であり、また、アウトサイド解錠経路が、アクティブレバーと、アウトサイドオープンリンクと、第2付勢部材を備える構成であって、これらとインサイドオープンレバー、アウトサイドオープンレバー、リフトレバー、チャイルドプロテクタレバー等との連係が上述したように設定されているため、インサイドオープンレバーとアウトサイドオープンレバーを共に単一部材で構成することが可能である。
【0008】
このため、アウトサイドドアハンドルの操作時にはアウトサイドドアハンドルの動作がアウトサイドオープンレバーとアウトサイドオープンリンクを介してリフトレバーに伝達可能であり、また、インサイドドアハンドルの操作時にはインサイドドアハンドルの動作がインサイドオープンレバーとインサイドオープンリンクを介してリフトレバーに伝達可能である。したがって、インサイドオープンレバー側の構成をアウトサイドオープンレバー側の構成と同等にシンプルに構成することが可能であり、インサイド側からの解錠操作の信頼性を向上させることが可能である。
【0009】
上記した本発明の実施に際して、前記インサイドオープンリンクと前記アウトサイドオープンリンクが同軸的に配置されていて、前記第1付勢部材と前記第2付勢部材が単一の付勢部材で共用されていること、或いは、前記インサイドオープンレバーと前記アウトサイドオープンレバーが同軸的に配置されていることも可能である。これらの場合には、当該車両用ドアロック装置の構成部品数を減ずることができて、当該車両用ドアロック装置の小型化およびコスト低減を図ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明による車両用ドアロック装置の一実施形態をアンロック状態かつアンセット状態で車両室内側からみた側面図である。
【図2】図1に示した車両用ドアロック装置における主要構成部材の車幅方向での関係を概略的に示した縦断断面図である。
【図3】図1に示したリフトレバーを含むラッチ機構の分解斜視図である。
【図4】図1〜図3に示した車両用ドアロック装置においてインサイドオープンレバーがドア開方向作動した状態の作動説明図である。
【図5】図1〜図3に示した車両用ドアロック装置においてアウトサイドオープンレバーがドア開方向作動した状態の作動説明図である。
【図6】図1〜図3に示した車両用ドアロック装置においてチャイルドプロテクタレバーがセット位置に操作された状態(アンロック状態かつセット状態)の作動説明図である。
【図7】図6に示した車両用ドアロック装置においてインサイドオープンレバーがドア開方向作動した状態の作動説明図である。
【図8】図6に示した車両用ドアロック装置においてアウトサイドオープンレバーがドア開方向作動した状態の作動説明図である。
【図9】図1〜図3に示した車両用ドアロック装置においてアクティブレバーがロック位置に移動した状態(ロック状態かつアンセット状態)の作動説明図である。
【図10】図9に示した車両用ドアロック装置においてインサイドオープンレバーがドア開方向作動した状態(初期状態)の作動説明図である。
【図11】図9に示した車両用ドアロック装置においてインサイドオープンレバーがドア開方向作動した状態(中期状態)の作動説明図である。
【図12】図9に示した車両用ドアロック装置においてインサイドオープンレバーがドア開方向作動した状態(後期状態)の作動説明図である。
【図13】図9に示した車両用ドアロック装置においてアウトサイドオープンレバーがドア開方向作動した状態の作動説明図である。
【図14】図9に示した車両用ドアロック装置においてチャイルドプロテクタレバーがセット位置に操作された状態(ロック状態かつセット状態)の作動説明図である。
【図15】図14に示した車両用ドアロック装置においてインサイドオープンレバーがドア開方向作動した状態(初期状態)の作動説明図である。
【図16】図14に示した車両用ドアロック装置においてインサイドオープンレバーがドア開方向作動した状態(中期状態)の作動説明図である。
【図17】図14に示した車両用ドアロック装置においてインサイドオープンレバーがドア開方向作動した状態(後期状態)の作動説明図である。
【図18】図14に示した車両用ドアロック装置においてアウトサイドオープンレバーがドア開方向作動した状態の作動説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1〜図3は本発明による車両用ドアロック装置100を示していて、この車両用ドアロック装置100は、車両の後方右側に装備されるドア(図示省略)に装着されるものであり、ラッチ機構10と、インサイドオープンレバー21と、アウトサイドオープンレバー22を備えるとともに、インサイド解錠経路Aと、アウトサイド解錠経路Bと、チャイルドプロテクタレバー23を備えている。なお、インサイドオープンレバー21、アウトサイドオープンレバー22、インサイド解錠経路A、アウトサイド解錠経路B、チャイルドプロテクタレバー23等は、ドアに設けたハウジング30(ドア内に組付けるためのベース部材となるもの)内に組付けられている。
【0012】
ラッチ機構10は、周知のように、ドアをボデー(図示省略の車体)に対して閉状態(ドアが閉じられた状態)で保持するためのもので、ボデーに固定されたストライカ(図示省略)と係脱可能なラッチ11を備えている。なお、ラッチ機構10は、図1にてリフトレバー13以外が図示省略されているが、図3にて分解した状態で図示されていて、ハウジング30に組付けられた状態でドアに組付けられている。
【0013】
ラッチ機構10は、ストライカに係合することで、ドアを閉状態に保持する(ラッチ状態)。ドアの閉状態において、ラッチ機構10は、ストライカから離脱することで、ドアを閉状態から開状態(ドアがボデーに対して開放可能な状態)に移行させる(アンラッチ状態)。ラッチ機構10は、図3に示したように、ラッチ11、ポール12、リフトレバー13、ストッパ14を備えるとともに、クッションC1,C2、ラッチ用トーションスプリングS1、ポール用トーションスプリングS2を備えていて、これらの構成部品は、ベースプレート15、ケース16、サブベースプレート17に、スクリュー18、ピン19を用いて組付けられている。なお、ベースプレート15は、図3に示したシール部材91(図1では図示省略)を介してドアに組付けられる。
【0014】
インサイドオープンレバー21は、ドアの内側に設けたインサイドドアハンドル(図示省略)の操作に伴って駆動されるものであり、支持孔21aにてハウジング30に支持軸31を介して回転可能に組付けられている。このインサイドオープンレバー21は、インサイドドアハンドルに連結される操作アーム部21bと、インサイド解錠経路Aのインサイドオープンリンク25に係合・離脱可能な押動アーム部21cと、インサイド解錠経路Aのアクティブレバー24に係合・離脱可能な押動アーム部21dを備えている。
【0015】
アウトサイドオープンレバー22は、ドアの外側に設けたアウトサイドドアハンドル(図示省略)の操作に伴って駆動されるものであり、インサイドオープンレバー21の支持孔21aに対して同軸的に配置された支持孔22aにてハウジング30に支持軸31を介して回転可能に組付けられている。このアウトサイドオープンレバー22は、アウトサイドドアハンドルに連結される操作部22bと、アウトサイド解錠経路Bのアウトサイドオープンリンク26に係合・離脱可能な押動アーム部22c(図1では、インサイドオープンレバー21の押動アーム部21cと重なっている)を備えている。
【0016】
インサイド解錠経路Aは、ハウジング30に回転可能に組付けられてアンロック位置(図1に示した位置)とロック位置(図9に示した位置)とに切り替え可能なアクティブレバー24と、このアクティブレバー24の回転に伴って変位する部位(ボス部24b)に相対回転可能に組付けられたインサイドオープンリンク25と、このインサイドオープンリンク25をその初期位置(図1に示した第1初期位置)に向けて付勢するスプリング27を備えている。
【0017】
このインサイド解錠経路Aでは、アクティブレバー24がアンロック位置にありインサイドオープンリンク25が初期位置にあるとき(図1に示した状態にあるとき)、インサイドオープンレバー21のドア開方向作動(図1の時計回転方向作動)がインサイドオープンリンク25を介してリフトレバー13に伝達可能に、かつ、アクティブレバー24がロック位置にありインサイドオープンリンク25が初期位置にあるとき(図9に示した状態にあるとき)、インサイドオープンレバー21のドア開方向作動がリフトレバー13に伝達不能に設定されている。
【0018】
アウトサイド解錠経路Bは、上記したアクティブレバー24と、このアクティブレバー24の回転に伴って変位する部位(ボス部24b)に相対回転可能に組付けられたアウトサイドオープンリンク26と、このアウトサイドオープンリンク26をその初期位置(図1に示した第2初期位置)に向けて付勢するスプリング27を備えている。
【0019】
このアウトサイド解錠経路Bでは、アクティブレバー24がアンロック位置にありアウトサイドオープンリンク26が初期位置にあるとき(図1に示した状態にあるとき)、アウトサイドオープンレバー22のドア開方向作動(図1の時計回転方向作動)がアウトサイドオープンリンク26を介してリフトレバー13に伝達可能に、かつ、アクティブレバー24がロック位置にありアウトサイドオープンリンク26が初期位置にあるとき(図9に示した状態にあるとき)、アウトサイドオープンレバー22のドア開方向作動がリフトレバー13に伝達不能に設定されている。
【0020】
チャイルドプロテクタレバー23は、ハウジング30に回転可能に組付けられる支持軸23aと、ドアから車室内側に向けて突出する操作ノブ23b1を有する操作部23bと、インサイドオープンリンク25に対して係合・離脱可能な係合部23cを備えていて、アンセット位置(例えば、図1参照)とセット位置(例えば、図6参照)とに手動で切り替え可能である。
【0021】
この実施形態では、アクティブレバー24がアンロック位置にありチャイルドプロテクタレバー23がアンセット位置にあるとき(図1に示した状態にあるとき)、チャイルドプロテクタレバー23がインサイドオープンリンク25から離脱(離間)していて、インサイドオープンリンク25が初期位置に保持されており、インサイドオープンレバー21のドア開方向作動をリフトレバー13に伝達可能に設定されている。また、アクティブレバー24がアンロック位置にありチャイルドプロテクタレバー23がセット位置にあるとき(図6に示した状態にあるとき)、チャイルドプロテクタレバー23がインサイドオープンリンク25と係合していて、インサイドオープンリンク25が移動位置(図6に示した位置)に保持されており、インサイドオープンレバー21のドア開方向作動をリフトレバー13に伝達不能に設定されている(図7参照)。
【0022】
アクティブレバー24は、ハウジング30に設けた支持軸32に回転可能に組付けられる支持孔24aと、回転に伴って変位する部位に設けられてインサイドオープンリンク25とアウトサイドオープンリンク26を回転可能に支持するボス部24bと、ドアの車室内側に設けたロックノブ(図示省略)に連結される操作部24cと、電動式アクチュエータ40と連係する駆動部24dと、スプリング27と連係する係止突部24eと、インサイドオープンレバー21の押動アーム部21dと連係する係合ピン部24fを備えている。
【0023】
このアクティブレバー24は、ロックノブ(図示省略)を手動で操作すること、或いは、電動式アクチュエータ40の電気モータ41をリモコン等で作動させることによって、アンロック位置からロック位置、または、ロック位置からアンロック位置に移動させることが可能である。なお、アクティブレバー24は、ハウジング30内に組付けられてアクティブレバー24に設けた係合ピン部24gに係合するスプリングS3によって、アンロック位置またはロック位置にて保持されるように構成されている。
【0024】
電動式アクチュエータ40は、アクティブレバー24をロック位置またはアンロック位置に駆動するものであり、電気モータ41とウォーム42とウォームホイール43を備えている。電気モータ41は、リモコン等によるロック操作とアンロック操作に応じて駆動される公知のものである。ウォーム42は、電気モータ41の出力軸41aに一体的に設けられていて、電気モータ41により回転駆動される。ウォームホイール43は、ウォーム42によって回転駆動されるものであり、ハウジング30に回転可能に組付けられていて、アクティブレバー24の駆動部24dと連係する一対のカム43a、43bを有している。
【0025】
インサイドオープンリンク25は、インサイドオープンレバー21とラッチ機構10が備えるリフトレバー13との間に介装されていて、インサイドドアハンドルのドア開操作に伴うインサイドオープンレバー21のドア開方向作動をリフトレバー13に伝えるアンロック位置(例えば、図1の位置)とリフトレバー13に伝えないロック位置(例えば、図9の位置)とに切り替え可能である。また、インサイドオープンリンク25は、アクティブレバー24のボス部24bに組付けるための支持孔25aと、インサイドオープンレバー21に係合・離脱可能な入力アーム部25bと、リフトレバー13に係合・離脱可能な出力アーム部25cを備えるとともに、スプリング(付勢部材)27と係合する係合アーム部25dと、アクティブレバー24の係止突部24eが相対移動可能に嵌合する円弧状長孔25eを備えている。なお、入力アーム部25bと出力アーム部25cの各先端部分は車両内側に向けて突出し、係合アーム部25dの先端部分は車両外側に向けて突出している。
【0026】
このインサイドオープンリンク25は、アクティブレバー24の回転に伴って変位する部位に設けたボス部24bに支持孔25aにて相対回転可能に組付けられていて、アクティブレバー24間に介装したスプリング27によって、初期位置(図1の第1初期位置)に向けて付勢されている。このため、図1に示したように、アクティブレバー24がアンロック位置にありチャイルドプロテクタレバー23がアンセット位置にあるときには、インサイドオープンリンク25もアンロック位置で初期位置にあって、インサイドオープンリンク25とインサイドオープンレバー21が係合可能である。
【0027】
一方、図9に示したように、アクティブレバー24がロック位置にありチャイルドプロテクタレバー23がアンセット位置にあるときには、インサイドオープンリンク25もロック位置で初期位置にあって、インサイドオープンリンク25とインサイドオープンレバー21が係合不能である。また、図6に示したように、アクティブレバー24がアンロック位置にありチャイルドプロテクタレバー23がセット位置にあるときには、インサイドオープンリンク25はアンロック位置で初期位置より時計回転方向に所定量回転していて図6の移動位置に保持されており、インサイドオープンリンク25とインサイドオープンレバー21が係合不能である。
【0028】
アウトサイドオープンリンク26は、アウトサイドオープンレバー22とラッチ機構10が備えるリフトレバー13との間に介装されていて、アウトサイドドアハンドルのドア開操作に伴うアウトサイドオープンレバー22のドア開方向作動をリフトレバー13に伝えるアンロック位置(例えば、図1の位置)とリフトレバー13に伝えないロック位置(例えば、図9の位置)とに切り替え可能である。また、アウトサイドオープンリンク26は、アクティブレバー24のボス部24bに組付けるための支持孔26aと、アウトサイドオープンレバー22に係合・離脱可能な入力アーム部26bと、リフトレバー13に係合・離脱可能な出力アーム部26cを備えるとともに、スプリング(付勢部材)27と係合する係合アーム部26dと、アクティブレバー24の係止突部24eが相対移動可能に嵌合する円弧状長孔26eを備えている。なお、入力アーム部26bの先端部分は車両外側に向けて突出し、出力アーム部26cと係合アーム部26dの各先端部分は車両内側に向けて突出している。
【0029】
このアウトサイドオープンリンク26は、インサイドオープンリンク25と同様に、アクティブレバー24の回転に伴って変位する部位に設けたボス部24bに支持孔26aにて相対回転可能に組付けられていて、アクティブレバー24間に介装したスプリング27によって、初期位置(図1の第2初期位置)に向けて付勢されている。このため、図1に示したように、アクティブレバー24がアンロック位置にあるときには、アウトサイドオープンリンク26もアンロック位置で初期位置にあって、アウトサイドオープンリンク26とアウトサイドオープンレバー21が係合可能である。
【0030】
一方、図9に示したように、アクティブレバー24がロック位置にあるときには、アウトサイドオープンリンク26もロック位置で初期位置にあって、アウトサイドオープンリンク26とアウトサイドオープンレバー22が係合不能となる。なお、アウトサイドオープンリンク26は、チャイルドプロテクタレバー23が如何なる位置にあっても係合しないため、チャイルドプロテクタレバー23の位置に拘わらず、アウトサイドオープンリンク26とアウトサイドオープンレバー22の係合関係は変わることがない。
【0031】
スプリング27は、図2にて示したように、車幅方向にてインサイドオープンリンク25とアウトサイドオープンリンク26間に設けられていて、アクティブレバー24のボス部24bの外周に組付けられるコイル部27aと、このコイル部27aの各端部から径外方に延びる一対のアーム部27b、27cを備えていて、コイル部27aにてアクティブレバー24のボス部24bに相対回転可能に組付けられている。一方のアーム部27bは、図1の状態にて各オープンリンク25,26の係合アーム部25d,26dの一側(図1の上側)に係合しており、両オープンリンク25,26が初期位置にあるときのみアクティブレバー24の係止突部24eの一側(図1の上側)とも係合可能である。他方のアーム部27cは、図1の状態にて各オープンリンク25,26の係合アーム部25d,26dの他側(図1の下側)に係合しており、両オープンリンク25,26が初期位置にあるときのみアクティブレバー24の係止突部24eの他側(図1の下側)とも係合可能である。
【0032】
また、上記した車両用ドアロック装置100においては、図9に示したロック位置にあるアクティブレバー24のインサイドオープンレバー21によるアンロック位置に向けた駆動開始タイミング(押動アーム部21dの係合ピン部24fとの係合開始タイミング)が、インサイドオープンレバー21の開作動開始タイミングに比して、所定量遅くするように設定(ロック位置にあるアクティブレバー24をアンロック位置に移動させるタイミングを遅くするように設定)されていて、ダブルプル機能(インサイドドアハンドルのダブルプル操作によってロック解除する機能)が成立させてある。
【0033】
なお、上記した車両用ドアロック装置100においては、図1および図2から明らかなように、アクティブレバー24の本体部分(平面部分)がハウジング30内にて車両外側に配置され、チャイルドプロテクタレバー23の本体部分(平面部分)がハウジング30内にて車両内側に配置されている。また、チャイルドプロテクタレバー23の本体部分(平面部分)とアクティブレバー24の本体部分(平面部分)間に、インサイドオープンレバー21とアウトサイドオープンレバー22が配置されるとともに、インサイドオープンリンク25とアウトサイドオープンリンク26が配置されている。
【0034】
上記にように構成したこの実施形態の車両用ドアロック装置100においては、(a)アンロック状態かつアンセット状態でインサイドドアハンドルをドア開操作したとき、(b)アンロック状態かつアンセット状態でアウトサイドドアハンドルをドア開操作したとき、(c)アンロック状態かつセット状態でインサイドドアハンドルをドア開操作したとき、(d)アンロック状態かつセット状態でアウトサイドドアハンドルをドア開操作したとき、(e)ロック状態かつアンセット状態でインサイドドアハンドルをダブルプル操作したとき、(f)ロック状態かつアンセット状態でアウトサイドドアハンドルをドア開操作したとき、(g)ロック状態かつセット状態でインサイドドアハンドルをドア開操作したとき、(h)ロック状態かつセット状態でアウトサイドドアハンドルをドア開操作したときに、各構成部材が以下のように作動する。
【0035】
「(a)アンロック状態かつアンセット状態でインサイドドアハンドルをドア開操作したときの作動」
車両用ドアロック装置100が図1に示したようにアンロック状態かつアンセット状態であるとき、インサイドドアハンドル(図示省略)のドア開操作に伴ってインサイドオープンレバー21がドア開方向に作動すると、アンロック位置で初期位置にあるインサイドオープンリンク25がインサイドオープンレバー21によって原位置(図1の第1初期位置)から図4に示したように反時計回転方向に回転されてリフトレバー13に係合する位置(第1作動位置)まで移動する。このため、インサイドオープンレバー21のドア開方向作動がインサイドオープンリンク25を介してリフトレバー13に伝えられて、リフトレバー13がアンラッチ方向に回転し、ラッチ機構10がラッチ状態からアンラッチ状態となり、ドアを開くことが可能である。
【0036】
「(b)アンロック状態かつアンセット状態でアウトサイドドアハンドルをドア開操作したときの作動」
また、車両用ドアロック装置100が図1に示したようにアンロック状態かつアンセット状態であるとき、アウトサイドドアハンドル(図示省略)のドア開操作に伴ってアウトサイドオープンレバー22がドア開方向に作動すると、アンロック位置で初期位置にあるアウトサイドオープンリンク26がアウトサイドオープンレバー22によって原位置(図1の第2初期位置)から図5に示したように反時計回転方向に回転されてリフトレバー13に係合する位置(第2作動位置)まで移動する。このため、アウトサイドオープンレバー22のドア開方向作動がアウトサイドオープンリンク26を介してリフトレバー13に伝えられて、リフトレバー13がアンラッチ方向に回転し、ラッチ機構10がラッチ状態からアンラッチ状態となり、ドアを開くことが可能である。
【0037】
「(c)アンロック状態かつセット状態でインサイドドアハンドルをドア開操作したときの作動」
また、図1に示したようにアンロック状態かつアンセット状態である車両用ドアロック装置100にて、チャイルドプロテクタレバー23がアンセット位置からセット位置に操作されると、図6に示したように、インサイドオープンリンク25が初期位置(図1の第1初期位置)から図6の移動位置にまで時計回転方向に所定量回転されて保持される。このため、かかる状態にて、インサイドドアハンドル(図示省略)のドア開操作に伴ってインサイドオープンレバー21がドア開方向に作動すると、図7に示したように、インサイドオープンレバー21はインサイドオープンリンク25に係合することなく空振りする。したがって、このときには、インサイドオープンレバー21のドア開方向作動がインサイドオープンリンク25に伝わらなくて、リフトレバー13は回転せず、ラッチ機構10がラッチ状態に維持されて、ドアを開くことができない。
【0038】
「(d)アンロック状態かつセット状態でアウトサイドドアハンドルをドア開操作したときの作動」
一方、図6に示した状態(アンロック状態かつセット状態)にて、アウトサイドドアハンドル(図示省略)のドア開操作に伴ってアウトサイドオープンレバー22がドア開方向に作動すると、アンロック位置で初期位置にあるアウトサイドオープンリンク26がアウトサイドオープンレバー22によって原位置(図1の第2初期位置)から図8に示したように反時計回転方向に回転されてリフトレバー13に係合する位置(第2作動位置)まで移動する。このため、アウトサイドオープンレバー22のドア開方向作動がアウトサイドオープンリンク26を介してリフトレバー13に伝えられて、リフトレバー13がアンラッチ方向に回転し、ラッチ機構10がラッチ状態からアンラッチ状態となり、ドアを開くことが可能である。
【0039】
「(e)ロック状態かつアンセット状態でインサイドドアハンドルをダブルプル操作したときの作動」
また、車両用ドアロック装置100が図9に示したようにロック状態かつアンセット状態であるとき、インサイドドアハンドル(図示省略)のドア開操作に伴ってインサイドオープンレバー21がドア開方向に作動すると、ロック位置にあるアクティブレバー24のインサイドオープンレバー21によるアンロック位置に向けた駆動開始タイミング(すなわち、押動アーム部21dの係合ピン部24fとの係合開始タイミング)が、インサイドオープンレバー21の開作動開始タイミングに比して、所定量遅れる(図9および図10参照)。
【0040】
したがって、このときには、インサイドオープンレバー21が所定量開作動した後に、インサイドオープンレバー21によってロック位置にあるアクティブレバー24と両オープンリンク25,26がアンロック位置に向けて移動することとなり、インサイドオープンリンク25がインサイドオープンレバー21のドア開方向作動をリフトレバー13に伝えることができない状態(図11および図12に示したように、インサイドオープンリンク25の入力アーム部25bがインサイドオープンレバー21の押動アーム部21cに係合した、所謂、パニック状態)で、インサイドオープンリンク25がインサイドオープンレバー21によって保持される。
【0041】
このため、この実施形態では、一度ドア開操作したインサイドドアハンドル(図示省略)を一旦戻して再度ドア開操作(二度プル操作)することで、上記したパニック状態を解消して、ドアを開くことが可能である。なお、一度ドア開操作したインサイドドアハンドル(図示省略)を戻す際には、インサイドドアハンドル(図示省略)の戻し操作に伴うインサイドオープンレバー21の初期位置(図1、図9の位置)への移動に伴って、インサイドオープンレバー21とインサイドオープンリンク25の係合(保持)が解かれる。
【0042】
これにより、アクティブレバー24がスプリングS3によってアンロック位置まで回転されるとともに、インサイドオープンリンク25がスプリング(付勢部材)27によって初期位置(一方のアーム部27bがインサイドオープンリンク25の係合アーム部25dとアクティブレバー24の係止突部24eの一側に係合するとともに、他方のアーム部27cがインサイドオープンリンク25の係合アーム部25dとアクティブレバー24の係止突部24eの他側に係合する原位置)に移動されて、図1のアンロック状態となる。
【0043】
このため、インサイドドアハンドル(図示省略)を再度ドア開操作する際には、インサイドオープンレバー21によって初期位置にあるインサイドオープンリンク25が図4に示したように駆動される。したがって、インサイドオープンレバー21のドア開方向作動がインサイドオープンリンク25を介してリフトレバー13に伝えられて、リフトレバー13がアンラッチ方向に回転し、ラッチ機構10がラッチ状態からアンラッチ状態となり、ドアを開くことが可能である。
【0044】
「(f)ロック状態かつアンセット状態でアウトサイドドアハンドルをドア開操作したときの作動」
一方、車両用ドアロック装置100が図9に示したようにロック状態であるとき、アウトサイドドアハンドル(図示省略)のドア開操作に伴ってアウトサイドオープンレバー22がドア開方向に作動すると、ロック位置にあるアウトサイドオープンリンク26に対してアウトサイドオープンレバー22が係合することなく空振りする。このため、アウトサイドオープンレバー22のドア開方向作動がアウトサイドオープンリンク26に伝わらなくて、リフトレバー13は回転せず、ラッチ機構10がラッチ状態に維持されて、ドアを開くことができない。
【0045】
「(g)ロック状態かつセット状態でインサイドドアハンドルをドア開操作したときの作動」
また、車両用ドアロック装置100が図14に示したようにロック状態かつセット状態であるとき、インサイドドアハンドル(図示省略)のドア開操作に伴ってインサイドオープンレバー21がドア開方向作動すると、図14〜図17に示したように、ロック位置にあるアクティブレバー24がインサイドオープンレバー21によってアンロック位置に向けて駆動される。このときには、インサイドオープンリンク25の入力アーム部25bがセット位置にあるチャイルドプロテクタレバー23の係合部23cに係合して、インサイドオープンリンク25がアウトサイドオープンリンク26に対してスプリング27に抗し時計回転方向に回転し、図7にて示した状態と同じとなる。これにより、図6および図7を用いて説明した作動「(c)の作動」と同様の作動が得られるようになり、インサイドオープンレバー21のドア開方向作動がインサイドオープンリンク25に伝わらなくて、リフトレバー13は回転せず、ラッチ機構10がラッチ状態に維持されて、ドアを開くことができない。
【0046】
「(h)ロック状態かつセット状態でアウトサイドドアハンドルをドア開操作したときの作動」
一方、車両用ドアロック装置100が図14に示したようにロック状態かつセット状態であるとき、アウトサイドドアハンドル(図示省略)のドア開操作に伴ってアウトサイドオープンレバー22がドア開方向に作動すると、図18に示したように、アウトサイドオープンレバー22はアクティブレバー24やアウトサイドオープンリンク26に係合することなく空振りする。このため、このときには、アウトサイドオープンレバー22のドア開方向作動がアウトサイドオープンリンク26に伝わらなくて、リフトレバー13は回転せず、ラッチ機構10がラッチ状態に維持されて、ドアを開くことができない。
【0047】
ところで、上記した実施形態の車両用ドアロック装置100においては、上述したように、インサイド解錠経路Aが、アクティブレバー24と、インサイドオープンリンク25と、スプリング27を備える構成であり、また、アウトサイド解錠経路Bが、アクティブレバー24と、アウトサイドオープンリンク26と、スプリング27を備える構成であって、これらとインサイドオープンレバー21、アウトサイドオープンレバー22、リフトレバー13、チャイルドプロテクタレバー23等との連係が上述したように設定されているため、インサイドオープンレバー21とアウトサイドオープンレバー22を共に単一部材で構成することが可能である。
【0048】
このため、アウトサイドドアハンドルの操作時にはアウトサイドドアハンドルの動作がアウトサイドオープンレバー22とアウトサイドオープンリンク26を介してリフトレバー13に伝達可能であり、また、インサイドドアハンドルの操作時にはインサイドドアハンドルの動作がインサイドオープンレバー21とインサイドオープンリンク25を介してリフトレバー13に伝達可能である。したがって、インサイドオープンレバー21側の構成をアウトサイドオープンレバー22側の構成と同等にシンプルに構成することが可能であり、インサイド側からの解錠操作の信頼性を向上させることが可能である。
【0049】
また、車両用ドアロック装置100においては、アクティブレバー24の一側(車両内側)にてインサイドオープンリンク25とアウトサイドオープンリンク26が同軸的に配置されていて、インサイドオープンリンク25とアウトサイドオープンリンク26をそれぞれ初期位置に向けて付勢する各付勢部材(第1付勢部材と第2付勢部材)が単一のスプリング27で共用されている。また、インサイドオープンレバー21とアウトサイドオープンレバー22が同軸的に配置されている。このため、当該車両用ドアロック装置100の構成部品数を減ずることができて、当該車両用ドアロック装置100の小型化およびコスト低減を図ることが可能である。
【0050】
上記した実施形態においては、アクティブレバー24の一側(車両内側)にインサイドオープンリンク25とアウトサイドオープンリンク26を同軸的に配置して実施したが、アクティブレバー24の一側(車両内側)にインサイドオープンリンク25を設けるとともに、アクティブレバー24の他側(車両外側)にアウトサイドオープンリンク26を設けて、これらを同軸的に配置して実施すること(または、これらを同軸的に配置しないで実施すること)も可能である。
【0051】
また、上記した実施形態においては、インサイドオープンリンク25とアウトサイドオープンリンク26をそれぞれ初期位置に向けて付勢する各付勢部材(第1付勢部材と第2付勢部材)を単一のスプリング27にて共用して実施したが、各付勢部材を別個に設けて実施することも可能である。また、上記した実施形態においては、インサイドオープンレバー21とアウトサイドオープンレバー22を同軸的に配置して実施したが、これらを別個に配置して実施することも可能である。
【符号の説明】
【0052】
100…車両用ドアロック装置、10…ラッチ機構、13…リフトレバー、21…インサイドオープンレバー、22…アウトサイドオープンレバー、23…チャイルドプロテクタレバー、24…アクティブレバー、25…インサイドオープンリンク、26…アウトサイドオープンリンク、27…スプリング(付勢部材)、30…ハウジング、40…電動式アクチュエータ、A…インサイド解錠経路、B…アウトサイド解錠経路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のドアをボデーに対して閉じた状態で保持可能なラッチ機構と、前記ドアの内側に設けたインサイドドアハンドルの操作に伴って駆動されるインサイドオープンレバーと、前記ドアの外側に設けたアウトサイドドアハンドルの操作に伴って駆動されるアウトサイドオープンレバーと、前記インサイドオープンレバーと前記ラッチ機構が備えるリフトレバーとの間に介装されるインサイド解錠経路と、前記アウトサイドオープンレバーと前記リフトレバーとの間に介装されるアウトサイド解錠経路と、前記インサイド解錠経路に対して係合・離脱可能なチャイルドプロテクタレバーを備えている車両用ドアロック装置において、
前記インサイド解錠経路が、アンロック位置とロック位置とに切り替え可能なアクティブレバーと、このアクティブレバーの回転に伴って変位する部位に、第1初期位置から第1作動位置および前記第1初期位置から移動位置に前記アクティブレバーに対して相対回転可能に組付けられたインサイドオープンリンクと、このインサイドオープンリンクを前記第1初期位置に向けて付勢する第1付勢部材を備えていて、前記アクティブレバーがアンロック位置にあり前記インサイドオープンリンクが前記第1初期位置にあるとき、前記インサイドオープンレバーのドア開方向作動を前記リフトレバーに伝達可能に、かつ、前記アクティブレバーがロック位置にあり前記インサイドオープンリンクが前記第1初期位置にあるとき、前記インサイドオープンレバーのドア開方向作動を前記リフトレバーに伝達不能に設定され、
前記アウトサイド解錠経路が、前記アクティブレバーと、このアクティブレバーの回転に伴って変位する部位に、第2初期位置から第2作動位置に前記アクティブレバーに対して相対回転可能に組付けられたアウトサイドオープンリンクと、このアウトサイドオープンリンクを前記第2初期位置に向けて付勢する第2付勢部材を備えていて、前記アクティブレバーがアンロック位置にあり前記アウトサイドオープンリンクが前記第2初期位置にあるとき、前記アウトサイドオープンレバーのドア開方向作動を前記リフトレバーに伝達可能に、かつ、前記アクティブレバーがロック位置にあり前記アウトサイドオープンリンクが前記第2初期位置にあるとき、前記アウトサイドオープンレバーのドア開方向作動を前記リフトレバーに伝達不能に設定され、
前記チャイルドプロテクタレバーがアンセット位置とセット位置とに切り替え可能であって、前記アクティブレバーがアンロック位置にあり前記チャイルドプロテクタレバーがアンセット位置にあるとき、前記チャイルドプロテクタレバーが前記インサイドオープンリンクから離脱していて前記インサイドオープンリンクが前記第1初期位置に保持され、かつ、前記アクティブレバーがアンロック位置にあり前記チャイルドプロテクタレバーがセット位置にあるとき、前記チャイルドプロテクタレバーが前記インサイドオープンリンクと係合して前記インサイドオープンリンクが前記移動位置に保持され、前記インサイドオープンレバーのドア開方向作動を前記リフトレバーに伝達不能に設定されていることを特徴とする車両用ドアロック装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用ドアロック装置において、前記インサイドオープンリンクと前記アウトサイドオープンリンクが同軸的に配置されていて、前記第1付勢部材と前記第2付勢部材が単一の付勢部材で共用されていることを特徴とする車両用ドアロック装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の車両用ドアロック装置において、前記インサイドオープンレバーと前記アウトサイドオープンレバーが同軸的に配置されていることを特徴とする車両用ドアロック装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2011−132713(P2011−132713A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−291986(P2009−291986)
【出願日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【Fターム(参考)】