説明

車両用バックドアの開閉装置

【課題】大きな操作力を必要としないでバックドアを開閉操作できるように、操作者のバックドアの開閉操作をアシストするバックドアの開閉装置を提供する。
【解決手段】バックドア1の開閉操作を全て電動で行うのではなく、操作者の開閉操作をアシストするものであって、操作者がバックドア1を操作するときに、閉用ハンドル4の引き量を検出して、その引き量に応じてモータにより閉操作に必要な操作力の一部をアシストするものであり、大きな操作力を必要としないで閉操作を行える車両用バックドアの開閉装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両本体の後部に装着された跳ね上げ式のバックドアの開閉装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車両のバックドアの開閉を容易に行えるようするために、例えば実開昭59−96275号に記載されている開閉装置のように、バックドアに対してモータの駆動力を伝達して自動的に開閉できるようにしたものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭59−96275号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した開閉装置は、バックドアの開閉に人の操作力を不要とすることができるが、開閉動作を全て電動で行うため、開閉操作に時間がかかり使い勝手が良くなかった。また、大型であるバックドアをモータの駆動力によって開閉させるため、大出力のモータが必要となり、装置が大型化するという問題があった。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、バックドアの開閉操作を全て電動で行うのではなく、操作者の開閉操作をアシストするバックドアの開閉装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の車両用バックドアの開閉装置は、車両本体の後面に設置され開閉可能なバックドアと、前記バックドアに対し開閉方向に駆動力を伝達可能なモータと、前記モータの駆動を制御する制御手段と、前記バックドアの閉操作を行う閉用ハンドルに組み込まれ操作者の操作力を検出するスイッチを備え、前記バックドアの閉操作を開始してから半開状態になるまでの範囲において、前記スイッチで検出した操作者の操作力に応じて、前記モータを駆動させて操作者の閉操作をアシストするようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の車両用バックドアの開閉装置は、閉用ハンドル4の引き量(操作力)を検出して、モータ6により閉操作に必要な操作力の一部をアシストするものであり、またモータ6が閉操作をアシストするのがバックドアの半開状態まであるため、閉操作を全て電動で行うものよりも操作にかかる時間を短くすることができる。さらに、大出力のモータを必要とせず小出力のモータを設ければよいため、装置を小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】バックドアが閉状態の車両斜視図
【図2】バックドアが開状態の車両斜視図
【図3】モータ駆動のタイムミングチャート
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の一実施形態である車両用バックドアの開閉装置について図1から図3を参照して説明する。
【0010】
車両用バックドア1の外側面には、図1に示すように、開操作を行うための開用ハンドル2が設けられ、この開用ハンドル2にはリニアスイッチ3が組み込まれている。バックドア1の内側面には、図2に示すように、閉操作を行うための閉用ハンドル4が設けられ、この閉用ハンドル4にはリニアスイッチ5が組み込まれている。また、バックドア1には、バックドア1に対し開閉方向に駆動力を伝達可能なモータ6(図示なし)が設けられている。
【0011】
リニアスイッチ3は、操作者が開用ハンドル2を引きバックドア1を開操作するとき、開用ハンドル2を引く量(操作力)を検出する。リニアスイッチ3が検出した開用ハンドル2の引き量に応じて、モータ6の駆動を制御する制御装置7(図示なし)がモータ6を駆動させ、バックドア1に対し開方向に駆動力を伝達させて、操作者の開操作をアシストすることとなる。
【0012】
モータ6は、図3に示すように、操作者がバックドア1を開操作して開用ハンドル2の引き量が所定の閾値を超えたとき、駆動が開始されて開操作をアシストし、一定時間が経過するとPWM駆動して開操作をアシストする。その後、バックドア1が半開状態まで開かれたとき、モータ6の駆動が停止される。
【0013】
リニアスイッチ5も同様に、操作者が閉用ハンドル4を引きバックドア1を閉操作するとき、閉用ハンドル4の引く量を検出する。リニアスイッチ5が検出した引き量に応じて、モータ6の駆動を制御する制御装置7がモータ6を駆動させ、バックドア1に対して閉方向に駆動力を伝達させて、操作者の閉操作をアシストする。
【0014】
操作者がバックドア1を閉操作して、閉用ハンドル2の引き量が所定の閾値を超えたとき、駆動が開始されて閉操作をアシストし、一定時間が経過するとPWM駆動して閉操作をアシストし、その後バックドア1が半開状態まで閉められたとき、モータ6の駆動が停止される。
【0015】
以上のように、本発明の車両用バックドアの開閉装置は、開用ハンドル2及び閉用ハンドル4の引き量を検出して、モータ6により開閉操作に必要な操作力の一部をアシストするものであり、またモータ6が開閉操作をアシストするのがバックドアの半開状態まであるため、閉操作を全て電動で行うものよりも操作にかかる時間を短くすることができる。さらに、大出力のモータを必要とせず小出力のモータを設ければよいため、装置を小型化することができる。
【符号の説明】
【0016】
1 バックドア
2 開用ハンドル
3 リニアスイッチ
4 閉用ハンドル
5 リニアスイッチ
6 モータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両本体の後面に設置され開閉可能なバックドアと、前記バックドアに対し開閉方向に駆動力を伝達可能なモータと、前記モータの駆動を制御する制御手段と、前記バックドアの閉操作を行う閉用ハンドルに組み込まれ操作者の操作力を検出するスイッチを備え、
前記バックドアの閉操作を開始してから半開状態になるまでの範囲において、前記スイッチで検出した操作者の操作力に応じて、前記モータを駆動させて操作者の閉操作をアシストすることを特徴とする車両用バックドアの開閉装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−26941(P2011−26941A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−200377(P2009−200377)
【出願日】平成21年8月31日(2009.8.31)
【出願人】(000143639)株式会社今仙電機製作所 (258)
【Fターム(参考)】