車両用フレーム構造
【課題】軽量化を図りつつ曲げ抗力を効率的に確保することができる車両用フレーム構造を提供する。
【解決手段】金属製の閉断面部材10の内部に樹脂製の補強部材20が該閉断面部材の長手方向に沿って取り付けられてなる車両用フレーム構造において、前記閉断面部材10は、外部から曲げ荷重が入力される際に、圧縮方向の力が作用する第1面部と、引張方向の力が作用する第2面部と、該第1面部と該第2面部との間の第3面部とを有し、前記補強部材20は、前記第1面部に沿って配設されて該第1面部に接着結合された平板部と、該平板部から前記第2面部に向かって延び格子状に配設されたリブからなるリブ部と、を有していることを特徴とする。
【解決手段】金属製の閉断面部材10の内部に樹脂製の補強部材20が該閉断面部材の長手方向に沿って取り付けられてなる車両用フレーム構造において、前記閉断面部材10は、外部から曲げ荷重が入力される際に、圧縮方向の力が作用する第1面部と、引張方向の力が作用する第2面部と、該第1面部と該第2面部との間の第3面部とを有し、前記補強部材20は、前記第1面部に沿って配設されて該第1面部に接着結合された平板部と、該平板部から前記第2面部に向かって延び格子状に配設されたリブからなるリブ部と、を有していることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、自動車等の車両における車体の一部を構成する車両用フレームの構造に関し、より詳しく言えば、金属製の閉断面部材の内部に、該閉断面部材を補強するための樹脂製の補強部材が取り付けられてなる車両用フレーム構造に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、自動車等の車両における車体の一部を構成するサイドピラーやサイドシルなどの車両用フレーム(車体フレーム)には、車両衝突時における乗員の安全性を確保するため高強度及び高剛性が求められるとともに、燃費性能の向上を図るため軽量化が求められている。このため、車体フレームは、多くの場合、金属製の板状素材を閉断面状に形成した閉断面部材として構成されている。
【0003】
また、金属製の閉断面部材の内部に補強部材を取り付けて該閉断面部材を補強するようにした車体フレームも知られている。例えば特許文献1には、閉断面構造を有するBピラー内に金属製の補強部材を曲げの圧縮側に配置して補強するようにしたものが開示されている。また、例えば特許文献2には、ピラーなどの中空構造物の中空部に、該中空部を横断面において複数の分割室に仕切る仕切り壁を有する樹脂製の補強部材を配設し、その少なくとも1つの分割室を発泡体で遮断するようにしたものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−279904号公報
【特許文献2】特開2001−191949号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記特許文献1及び前記特許文献2に開示されるように、閉断面部材の内部に補強部材を取り付けて補強する場合には重量の増加を招くこととなる。前記特許文献2に記載のものは、特許文献1に記載のものに比べて樹脂製の補強部材を用いることで重量の増加を抑えて補強することができるが、サイドピラーやサイドシルなどの車体フレームにおいては更なる軽量化に対する改善が望まれている。その一方、車体フレームは、前述したように、例えば車体側方からの衝突(所謂側突)を受けた際に乗員の安全性を確保するため、車体フレームに外部から曲げ荷重が入力される際に曲げ変形しないよう十分な曲げ抗力を確保することが求められている。このため、車体フレームにおいては、軽量化を図りつつ曲げ抗力を如何に効率的に確保するかが重要な課題となる。
【0006】
本願発明者等は、種々の試験研究を重ねた結果、具体的には後述するが、略矩形閉断面状に形成された閉断面部材に外部から曲げ荷重が入力されて曲げ変形される場合、先ず、曲げ荷重が入力される際に圧縮方向の力が作用する第1面部が荷重の入力方向に沿って閉断面部材の内方側へ変形し、この変形に伴って該第1面部に隣接する側面部が閉断面部材の外方側に膨らんで面外変形を生じるとともに、荷重が入力される際に引張方向の力が作用する第2面部が閉断面部材の内方側へ変形し、閉断面部材が曲げ変形されて座屈することを見出した。
【0007】
かかる知見に基づいて、閉断面部材の曲げ変形初期に生じ得る閉断面部材の内方側への第1面部の曲げ変形を抑制することができれば、閉断面部材が曲げ変形されることを有効に抑制することができ、軽量化を図りつつ閉断面部材の曲げ抗力を効率的に確保することができると考えられる。
【0008】
そこで、この発明は、金属製の閉断面部材の内部に樹脂製の補強部材が取り付けられてなる車両用フレーム構造において、閉断面部材の曲げ変形初期に生じ得る閉断面部材の内方側への第1面部の曲げ変形を有効に抑制し、軽量化を図りつつ曲げ抗力を効率的に確保することができる車両用フレーム構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このため、本願の請求項1に係る車両用フレーム構造は、金属製の閉断面部材の内部に、樹脂製の補強部材が該閉断面部材の長手方向に沿って取り付けられてなる車両用フレーム構造であって、前記閉断面部材は、外部から曲げ荷重が入力される際に、圧縮方向の力が作用する第1面部と、引張方向の力が作用する第2面部と、該第1面部と該第2面部との間の第3面部とを有し、前記補強部材は、前記第1面部に沿って配設されて該第1面部に接着結合された平板部と、該平板部から前記第2面部に向かって延び格子状に配設されたリブからなるリブ部と、を有している、ことを特徴としたものである。
【0010】
また、本願の請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記リブ部は、前記平板部に近づくにつれて強度が増加するように構成されている、ことを特徴としたものである。
【0011】
更に、本願の請求項3に係る発明は、請求項2に係る発明において、前記格子状のリブによって形成される開口部の大きさが前記平板部に近づくにつれて小さく形成されている、あるいは前記リブの肉厚が前記平板部に近づくにつれて厚く形成されている、ことを特徴としたものである。
【0012】
また更に、本願の請求項4に係る発明は、請求項1から請求項3の何れか一項に係る発明において、前記リブ部は、前記閉断面部材の長手方向端部側から前記閉断面部材の長手方向中央側に近づくにつれて強度が増加するように構成されている、ことを特徴としたものである。
【0013】
また更に、本願の請求項5に係る発明は、請求項4に係る発明において、前記格子状のリブによって形成される開口部の大きさが前記閉断面部材の長手方向端部側から前記閉断面部材の長手方向中央側に近づくにつれて小さく形成されている、あるいは前記リブの肉厚が前記閉断面部材の長手方向端部側から前記閉断面部材の長手方向中央側に近づくにつれて厚く形成されている、ことを特徴としたものである。
【0014】
また更に、本願の請求項6に係る発明は、請求項1から請求項5の何れか一項に係る発明において、前記リブは、前記第2面部まで延びている、ことを特徴としたものである。
【発明の効果】
【0015】
本願の請求項1に係る車両用フレーム構造によれば、外部から曲げ荷重が入力される際に、圧縮方向の力が作用する第1面部に接着結合された補強部材の平板部によって直接第1面部の剛性を高めて第1面部の曲げ変形を抑制することができるとともに、該平板部から延び格子状に配設されたリブによって第1面部を圧縮に対して強くすることができるので、閉断面部材の曲げ変形初期に生じ得る閉断面部材の内方側への第1面部の曲げ変形を有効に抑制することができ、軽量化を図りつつ曲げ抗力を効率的に確保することができる。
【0016】
また、本願の請求項2に係る発明によれば、リブ部は、平板部に近づくにつれて強度が増加するように構成されていることにより、第1面部の曲げ変形に対する抑制効果を高めることができ、前記効果をより有効に奏することができる。
【0017】
更に、本願の請求項3に係る発明によれば、格子状のリブによって形成される開口部の大きさが平板部に近づくにつれて小さく形成されている、あるいはリブの肉厚が平板部に近づくにつれて厚く形成されているので、比較的簡単な構造によって、前記効果をより具体的に実現することができる。
【0018】
また更に、本願の請求項4に係る発明によれば、リブ部は、閉断面部材の長手方向端部側から閉断面部材の長手方向中央側に近づくにつれて強度が増加するように構成されていることにより、閉断面部材が曲げ変形されるときに曲げ変形が生じやすい閉断面部材の長手方向中央側において、第1面部の曲げ変形に対する抑制効果を高めることができ、前記効果をより有効に奏することができる。
【0019】
また更に、本願の請求項5に係る発明によれば、格子状のリブによって形成される開口部の大きさが閉断面部材の長手方向端部側から閉断面部材の長手方向中央側に近づくにつれて小さく形成されている、あるいはリブの肉厚が閉断面部材の長手方向端部側から閉断面部材の長手方向中央側に近づくにつれて厚く形成されているので、比較的簡単な構造によって、前記効果をより具体的に実現することができる。
【0020】
また更に、本願の請求項6に係る発明によれば、リブは、第2面部まで延びていることにより、閉断面部材の内方側への第1面部の曲げ変形を抑制することができるとともに閉断面部材の内方側への第2面部の曲げ変形を抑制することができ、前記効果をより有効に奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る車両用フレーム構造を適用した車体フレームを示す斜視図である。
【図2】図1におけるY2a−Y2a線及びY2b−Y2b線に沿った車体フレームの断面図である。
【図3】本発明の第2の実施形態に係る車両用フレーム構造を適用した車体フレームを示す図である。
【図4】本発明の第3の実施形態に係る車両用フレーム構造を適用した車体フレームの要部を示す斜視図である。
【図5】図4におけるY5a−Y5a線及びY5b−Y5b線に沿った車体フレームの断面図である。
【図6】本発明の第4の実施形態に係る車両用フレーム構造を適用した車体フレームを示す斜視図である。
【図7】本発明の第5の実施形態に係る車両用フレーム構造を適用した車体フレームを示す斜視図である。
【図8】図7におけるY8a−Y8a線及びY8b−Y8b線に沿った車体フレームの断面図である。
【図9】閉断面状に形成された車体フレームの曲げ変形挙動を解析するためのシミュレーションについて説明するための説明図である。
【図10】車体フレームの曲げ変形挙動をシミュレーション解析した結果を示す斜視図である。
【図11】図10における車体フレームの屈曲部の断面を示す断面図である。
【図12】車体フレームに荷重を付加する圧子の下降ストロークと該荷重に対する反力との関係、及び圧子の下降ストロークとエネルギー吸収量との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明では、「上」、「下」、「右」、「左」およびそれらの用語を含む別の用語など特定の方向を意味する用語を使用するが、それらの使用は図面を参照した発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本発明の技術的範囲が限定されるものではない。
【0023】
本願発明者等は、金属製の閉断面部材の内部に樹脂製の補強部材が取り付けられてなる車両用フレーム構造において、軽量化を図りつつ該閉断面部材の曲げ抗力を効率的に確保することができる車両用フレーム構造の開発にあたり、先ず、閉断面状に形成された車体フレームに外部から曲げ荷重が入力されて曲げ変形される際の変形挙動について、CAE(Computer Aided Enginnering)によるシミュレーション解析を行った。
【0024】
図9は、閉断面状に形成された車体フレームの曲げ変形挙動を解析するためのシミュレーションについて説明するための説明図であり、図9(a)は、車体フレームの曲げ変形挙動を解析するのに用いたモデルを示す図、図9(b)は、車体フレームに荷重が付加されて車体フレームが湾曲した状態を示す図、図10は、車体フレームの曲げ変形挙動をシミュレーション解析した結果を示す斜視図、図11は、図10における車体フレームの屈曲部の断面を示す断面図である。なお、図10では、車体フレームの各部の変形量の大小を色の濃淡で表し、変形量が大きいほど濃い色で表している。また、図10及び図11では、車体フレームの曲げ変形の進行状態を(a)、(b)、(c)、(d)の順に表しており、後述する図12に示す圧子の下降ストロークがS0、S1、S2、S3の場合を順に示している。
【0025】
このシミュレーションでは、金属製の閉断面状に形成した車体フレーム200として、図10及び図11に示すように、上面部200aと、上面部200aと離間した状態で上面部200aと平行に設けられる下面部200bと、上面部200aと下面部200bとの間の側面部200c、すなわち図10及び図11において上面部200aの右側端部と下面部200bの右側端部との間の右側面部200c及び上面部200aの左側端部と下面部200bの左側端部との間の左側面部200cとを有し、略矩形閉断面状に形成したモデルを用いて、この車体フレーム200に外部から曲げ荷重を付加して車体フレーム200が曲げ変形される際の変形挙動をシミュレーション解析した。
【0026】
具体的には、図9(a)に示すように、所定長さX1を有する車体フレーム200を、この長さX1より短い所定距離X2だけ離間させた2つの固定点201で支持させ、2つの固定点201の中間位置に対応する車体フレーム200の上面部200aの長手方向における中央部P1に上方から圧子202を一定速度で下降させ、圧子202を介して、車両衝突時に外部から入力される荷重を模擬した荷重Fを車体フレーム200に付加し、車体フレーム200の曲げ変形挙動を調べた。
【0027】
このようにして車体フレーム200に外部から曲げ荷重Fが付加される場合、図9(b)に示すように、車体フレーム200は下側に凸状に湾曲して変形し、車体フレーム200は、上面部200aでは長手方向両端から圧縮方向の力が作用して圧縮応力が生じ、下面部200bでは長手方向両端から引張方向の力が作用して引張応力が生じることとなる。また、側面部200cには、中立軸210より上面部200a側では圧縮応力が生じ、中立軸210より下面部200b側では引張応力が生じることとなる。
【0028】
図12は、車体フレームに荷重を付加する圧子の下降ストロークと該荷重に対する反力との関係、及び圧子の下降ストロークとエネルギー吸収量との関係を示すグラフであり、図12では、圧子202が車体フレーム200の上面部200aに接触した位置から車体フレーム200の曲げ変形とともに下降する圧子202の下降ストロークを横軸にとり、荷重Fに対する反力F’を左側縦軸にとって表示し、エネルギー吸収量EAを右側縦軸にとって表示している。エネルギー吸収量EAは、車体フレーム200が曲げ変形されることにより吸収できるエネルギーであり、荷重Fに対する反力F’と圧子202の下降ストロークとの積で表されるものである。
【0029】
図10から図12を参照して、シミュレーション解析による車体フレーム200の曲げ変形挙動について説明する。
【0030】
図10及び図11の(a)に示すように、圧子202が車体フレーム200の上方から下降し、圧子202が上面部200aに接触した位置である圧子の下降ストロークがS0である場合、車体フレーム200において、上面部200aと側面部200cとのコーナー部200dの頂点P2は、下面部200bと側面部200cとのコーナー部200eの頂点P3の略垂直方向上方側に位置している。なお、これら頂点P2、P3は、車体フレーム200が曲げ変形される際の屈曲部、すなわち中央部P1を有する断面におけるコーナー部200d、200eの頂点を表している。
【0031】
この状態から圧子202を下方へ移動し、車体フレーム200に荷重Fを付加すると、図12に示すように、圧子200の下降ストロークが大きくなるにつれて荷重Fに対する反力F’が大きくなり、車体フレーム200が下側に凸状に湾曲して変形され、車体フレーム200は、上面部200aで圧縮方向の力が作用し、下面部200bで引張方向の力が作用し、荷重Fが付加される中央部P1から曲げ変形される。
【0032】
そして、圧子202の下降ストロークがS1の場合に荷重Fに対する反力F’が最大となり、図10及び図11の(b)に示すように、車体フレーム200は下側に凸状に湾曲して変形されるとともに閉断面状に形成される車体フレーム200の内方側へ変形され、この変形に伴って上面部200aに隣接する側面部200cが断面方向における外方側に膨らんで面外変形を生じ、コーナー部200eの頂点P3に対してコーナー部200dの頂点P2が略垂直方向から外方側に傾斜し、図10における変形箇所αで示すように、コーナー部200dに変形量の大きい部分が生じる。また、この変形に伴って下面部200bが車体フレーム200の内方側に変位している。なお、荷重Fに対する反力F’が最大となる最大荷重F’maxが曲げ抗力の程度を表すものである。
【0033】
さらに圧子202の下降ストロークが大きくなると、図12に示すように、圧子202の下降ストロークに伴って荷重Fに対する反力F’が小さくなり、図10及び図11の(c)及び(d)に示すように、車体フレーム200はさらに曲げ変形され、上面部200aが車体フレーム200の内方側へさらに変形され、この変形に伴って側面部200cが断面方向における外方側へさらに膨らんで面外変形を生じるとともに、下面部200dが車体フレーム200の内方側へさらに変位し、車体フレーム200が曲げ変形され座屈している。
【0034】
このシミュレーション解析結果から、本願発明者等は、略矩形閉断面状に形成された閉断面部材に外部から曲げ荷重が入力されて曲げ変形される場合、先ず、曲げ荷重が入力される際に圧縮方向の力が作用する第1面部が荷重の入力方向に沿って閉断面部材の内方側へ変形し、この変形に伴って該第1面部に隣接する側面部が閉断面部材の外方側に膨らんで面外変形を生じるとともに、荷重が入力される際に引張方向の力が作用する第2面部が閉断面部材の内方側へ変形し、閉断面部材が曲げ変形されて座屈していることを見出した。
【0035】
なお、本願発明者等は、前述したシミュレーション解析に加えて、閉断面状に形成した実際の車体フレームについても同様に、車体フレームに外部から曲げ荷重を入力して曲げ変形する際の変形挙動を調べる実験を行ったが、かかる実験においても、前述したシミュレーション解析結果と略同様の結果が得られた。
【0036】
そこで、これらシミュレーション解析結果及び実験結果に基づいて、閉断面部材の曲げ変形初期に生じ得る閉断面部材の内方側への第1面部の変形を抑制することができれば、閉断面部材が曲げ変形されることを有効に抑制することができ、軽量化を図りつつ曲げ抗力を効率的に確保することができると考えられる。
【0037】
以下、本発明の実施形態に係る車両用フレーム構造について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る車両用フレーム構造を適用した車体フレームを示す斜視図、図2は、図1におけるY2a−Y2a線及びY2b−Y2b線に沿った車体フレームの断面図であり、図2(a)は、Y2a−Y2a線に沿った車体フレームの断面図、図2(b)は、Y2b−Y2b線に沿った車体フレームの断面図である。なお、図1、並びに後述する図3、図4、図6及び図7では、フレーム本体内の補強部材を明瞭に図示するため、フレーム本体を一点鎖線で示し、これを透過状態で示している。
【0038】
図1及び図2に示すように、本発明の第1の実施形態に係る車両用フレーム構造を適用した車体フレーム1は、閉断面部材としてのフレーム本体10と、フレーム本体10の長手方向に沿ってフレーム本体10の内部に取り付けられる補強部材20と、を有している。
【0039】
フレーム本体10は、鋼板などの金属製の板状素材を断面ハット状にプレス加工して得られる第1の板状部材11と、鋼板などの金属製の板状素材でなる第2の板状部材12とから構成されている。第1の板状部材11は、略平面状に形成される底面部11aと、底面部11aの両側において略垂直方向に延びる側面部11bと、側面部11bから略直角方向に外側に延びるフランジ部11cとを備え、第2の板状部材12は、略平面状に形成される平面部12aを備えており、第1の板状部材11のフランジ部11cを第2の板状部材12の平面部12aに当接させてスポット溶接で接合することにより、フレーム本体10が略矩形閉断面状に形成されている。
【0040】
補強部材20は、樹脂材料を射出成形等によって成形して得られるものであり、フレーム本体10を補強するためにフレーム本体10の内部に取り付けられている。この補強部材20は、第1の板状部材11の底面部11aの形状に応じて略矩形状に形成される平板状の平板部21と、平板部21から略直角方向に延び格子状に配設されたリブ22からなるリブ部23とを有している。補強部材20は、平板部21が第1の板状部材11の底面部11aに沿って配設されて底面部11aに発泡性接着剤27によって接着結合され、フレーム本体10を横切る方向であるフレーム本体10の短手方向におけるリブ部23の両側面が第1の板状部材11の側面部11bに沿って配設されて側面部11bに発泡性接着剤27によって接着結合されている。
【0041】
これにより、格子状に配設されたリブ22は、図2(a)に示すように、フレーム本体10内において補強部材20の平板部21から第2の板状部材12の平面部12aに向かって延びるように形成されているが、リブ22の先端部は、第1の板状部材11の底面部11aと第2の板状部材12の平面部12aとの間の中間位置よりも短く形成されている。なお、リブ22は、フレーム本体10の第1の板状部材11の底面部11aに外部から曲げ荷重が入力される際の中立軸L1より圧縮応力が生じる側に配置されることが好ましい。
【0042】
また、車体フレーム1においては、格子状のリブ22は、図2(b)に示すように、該リブ22によって形成される開口部24が四角形状に形成されている。しかしながら、リブ22によって形成される開口部24を、三角形状、六角形状又は八角形状などその他の形状に形成することも可能である。
【0043】
このようにして構成される車体フレーム1は、曲げ荷重が入力されることが想定される方向に第1の板状部材11の底面部11aが対向するように配置される。これにより、外部から曲げ荷重が入力される際には、第1の板状部材11の底面部11aに圧縮方向の力が作用して圧縮応力が生じ、第2の板状部材12の平面部12aに引張方向の力が作用して引張応力が生じることとなる。
【0044】
このように、本発明の第1の実施形態に係る車両用フレーム構造では、金属製の閉断面状に形成されたフレーム本体10の内部に、樹脂製の補強部材20がフレーム本体10の長手方向に沿って取り付けられ、フレーム本体10は、外部から曲げ荷重が入力される際に、圧縮方向の力が作用する第1の板状部材11の底面部11aと、引張方向の力が作用する第2の板状部材12の平面部12aと、該底面部11aと該平面部12aとの間の第1の板状部材11の側面部11bとを有し、補強部材20は、第1の板状部材11の底面部11aに沿って配設されて該底面部11aに接着結合された平板部21と、該平板部21から第2の板状部材12の平面部12aに向かって延び格子状に配設されたリブ22からなるリブ部23とを有している。
【0045】
これにより、外部から曲げ荷重が入力される際に、圧縮方向の力が作用する第1の板状部材11の底面部11aに接着結合された補強部材20の平板部21によって直接底面部11aの剛性を高めて底面部11aの曲げ変形を抑制することができるとともに、平板部21から延び格子状に配設されたリブ22によって底面部11aを圧縮に対して強くすることができるので、フレーム本体10の曲げ変形初期に生じ得るフレーム本体10の内方側への第1の板状部材11の底面部11aの曲げ変形を有効に抑制することができ、軽量化を図りつつ曲げ抗力を効率的に確保することができる。
【0046】
この車両用フレーム構造を適用した車体フレーム1を製造する場合には、先ず、断面ハット状に形成した第1の板状部材11を第2の板状部材12と溶接し、第1の板状部材11と第2の板状部材12とからなるフレーム本体10の内部に、補強部材20の平板部21とリブ部23の両側面とに発泡性接着剤27を塗布した状態で補強部材20を挿入し、図2(a)に示す所定位置に保持する。そして、電着塗装工程におけるベーキング時に発泡性接着剤27を発泡させて、発泡性接着剤27によって補強部材20をフレーム本体10に接着結合して製造する。これにより、電着塗装工程において、電着液がフレーム本体10の内部に入り込むことができ、耐食性向上の効果を得ることができる。
【0047】
図3は、本発明の第2の実施形態に係る車両用フレーム構造を適用した車体フレームを示す図であり、図3(a)は、本発明の第2の実施形態に係る車両用フレーム構造を適用した車体フレームの斜視図、図3(b)は、図3(a)におけるY3b−Y3b線に沿った車体フレームの断面図である。なお、第2の実施形態において、第1の実施形態と同様の構成を備え、同様の作用をなすものについては同一符号を付して説明を省略する。
【0048】
図3に示すように、本発明の第2の実施形態に係る車両用フレーム構造を適用した車体フレーム31は、車体フレーム1と同様に、金属製の閉断面状に形成されるフレーム本体10の内部に樹脂製の補強部材40が配置され、補強部材40は、第1の板状部材11の底面部11aに沿って配設されて底面部11aに接着結合された平板部41と、平板部41から第2の板状部材12の平面部12aに向かって延び格子状に配設されるリブ42からなるリブ部43とを有し、格子状に配設されたリブ42によって四角形状の開口部44が形成されているが、リブ42が、第2の板状部材12の平面部12aまで延び、平面部12aに当接するように形成されている。
【0049】
このように構成される車両用フレーム構造においても、フレーム本体10の第1の板状部材11の底面部11aに外部から曲げ荷重が入力される際に、フレーム本体10の曲げ変形初期に生じ得るフレーム本体10の内方側への第1の板状部材11の底面部11aの曲げ変形を有効に抑制することができ、軽量化を図りつつ曲げ抗力を効率的に確保することができる。
【0050】
また、車体フレーム31では、リブ42は、平板部41から第2の板状部材12の平面部12aまで延びていることにより、フレーム本体10の内方側への第1の板状部材11の底面部11aの曲げ変形を抑制することができるとともにフレーム本体10の内方側への第2の板状部材12の平面部12aの曲げ変形を抑制することができ、前記効果をより有効に奏することができる。
【0051】
図4は、本発明の第3の実施形態に係る車両用フレーム構造を適用した車体フレームの要部を示す斜視図である。また、図5は、図4におけるY5a−Y5a線及びY5b−Y5b線に沿った車体フレームの断面図であり、図5(a)は、Y5a−Y5a線に沿った車体フレームの断面図、図5(b)は、Y5b−Y5b線に沿った車体フレームの断面図であり、図4及び図5(b)では、車体フレームの長手方向における一部のみを示している。なお、第3の実施形態において、第2の実施形態と同様の構成を備え、同様の作用をなすものについては同一符号を付して説明を省略する。
【0052】
図4及び図5に示すように、本発明の第3の実施形態に係る車両用フレーム構造を適用した車体フレーム51は、車体フレーム31と同様に、金属製の閉断面状に形成されるフレーム本体10の内部に樹脂製の補強部材60が配置され、補強部材60は、第1の板状部材11の底面部11aに沿って配設されて底面部11aに接着結合された平板部61と、平板部61から第2の板状部材12の平面部12aに向かって延び格子状に配設されたリブ62からなるリブ部63とを有しているが、格子状に配設されたリブ62が、第2の板状部材12の平面部12aまで延び格子状に配設される第1リブ62aと、第1の板状部材11の底面部11aと第2の板状部材12の平面部12aとの間の略中間位置まで延びる第2リブ62bとを有している。
【0053】
図5に示すように、車体フレーム51の補強部材60では、格子状に配設されたリブ62の第1リブ62aによって、補強部材40のリブ42と同様に、四角形状の開口部64aが形成されているが、第2リブ62bが、第1リブ62aによって形成される開口部64aを4つの四角形状の開口部64bに分割するように該開口部64a内に十字形状に配置されている。
【0054】
このように、車体フレーム51においては、補強部材60のリブ部63における格子状に形成されるリブ62は、平板部61側では第1リブ62aによって形成される開口部64aが第2リブ62bによって分割され、平板部61に近づくにつれて開口部64の大きさが小さく形成され、リブ部63は、底面部61に近づくにつれて強度が増加するように構成されている。
【0055】
このように構成される車両用フレーム構造においても、フレーム本体10の第1の板状部材11の底面部11aに外部から曲げ荷重が入力される際に、フレーム本体10の曲げ変形初期に生じ得るフレーム本体10の内方側への第1の板状部材11の底面部11aの曲げ変形を有効に抑制することができ、軽量化を図りつつ曲げ抗力を効率的に確保することができる。また、車体フレーム51では、リブ部63は、平板部61に近づくにつれて強度が増加するように構成されていることにより、第1の板状部材11の底面部11aの曲げ変形に対する抑制効果を高めることができる。
【0056】
この第3の実施形態に係る車体フレーム51では、格子状に配設されたリブ62が、平板部61に近づくにつれて開口部64の大きさが小さく形成され、リブ部63は、平板部61に近づくにつれて強度が増加するように構成されているが、格子状に配設されたリブ62において平板部61に近づくにつれてリブの肉厚を厚く形成することにより、リブ部63を平板部61に近づくにつれて強度が増加するように構成することも可能である。
【0057】
図6は、本発明の第4の実施形態に係る車両用フレーム構造を適用した車体フレームを示す斜視図である。なお、第4の実施形態において、第2の実施形態における場合と同様の構成を備え、同様の作用をなすものについては同一符号を付して説明を省略する。
【0058】
図6に示すように、本発明の第4の実施形態に係る車両用フレーム構造を適用した車体フレーム71は、車体フレーム31と同様に、金属製の閉断面状に形成されるフレーム本体10の内部に樹脂製の補強部材80が配置され、補強部材80は、第1の板状部材11の底面部11aに沿って配設されて底面部11aに接着結合された平板部81と、平板部81から第2の板状部材12の平面部12aまで延び格子状に配設されたリブ82からなるリブ部83とを有しているが、リブ82によって形成される四角形状の開口部84の大きさがフレーム本体10の長手方向端部側からフレーム本体10の長手方向中央側に向かって小さくなるように形成されている。
【0059】
図6に示すように、車体フレーム71の補強部材80では、リブ82によって形成される開口部84は、フレーム本体10の長手方向端部側からその中央側に近づくにつれて開口部84a、84b、84cの順に開口部の大きさが小さく形成されている。このように、車体フレーム71においては、格子状のリブ82によって形成される開口部84の大きさは、フレーム本体10の長手方向端部側からその中央側に近づくにつれて小さく形成され、リブ部83は、フレーム本体10の長手方向端部側からその中央側に近づくにつれて強度が増加するように構成されている。
【0060】
このように構成される車両用フレーム構造においても、フレーム本体10の第1の板状部材11の底面部11aに外部から曲げ荷重が入力される際に、フレーム本体10の曲げ変形初期に生じ得るフレーム本体10の内方側への第1の板状部材11の底面部11aの曲げ変形を有効に抑制することができ、軽量化を図りつつ曲げ抗力を効率的に確保することができる。
【0061】
また、車体フレーム71では、リブ部83は、フレーム本体10の長手方向端部側からフレーム本体10の長手方向中央側に近づくにつれて強度が増加するように構成されていることにより、フレーム本体10が曲げ変形されるときに曲げ変形が生じやすいフレーム本体10の長手方向中央側において、第1の板状部材10の底面部11aの曲げ変形に対する抑制効果を高めることができる。
【0062】
この第4の実施形態に係る車体フレーム71では、格子状に配設されたリブ82が、フレーム本体10の長手方向端部側からその中央側に近づくにつれて開口部84の大きさが小さく形成され、リブ部83は、フレーム本体10の長手方向端部側からその中央側に近づくにつれて強度が増加するように構成されているが、格子状に配設されたリブ82において、フレーム本体10の長手方向端部側からその中央側に近づくにつれてリブの肉厚を厚く形成することにより、リブ部83をフレーム本体10の長手方向端部側からその中央側に近づくにつれて強度が増加するように構成することも可能である。
【0063】
図7は、本発明の第5の実施形態に係る車両用フレーム構造を適用した車体フレームを示す斜視図、図8は、図7におけるY8a−Y8a線及びY8b−Y8b線に沿った車体フレームの断面図であり、図8(a)は、Y8a−Y8a線に沿った車体フレームの断面図、図8(b)は、Y8b−Y8b線に沿った車体フレームの断面図である。なお、第5の実施形態において、第1の実施形態における場合と同様の構成を備え、同様の作用をなすものについては同一符号を付して説明を省略する。
【0064】
図7及び図8に示すように、本発明の第5の実施形態に係る車両用フレーム構造を適用した車体フレーム91は、車体フレーム1と同様に、金属製の閉断面状に形成される車体フレーム91の内部に樹脂製の補強部材100が配置され、補強部材100は、第1の板状部材11の底面部11aに沿って配設されて底面部11aに接着結合された平板部101と、平板部101から第2の板状部材12の平面部12aに向かって延び格子状に配設されたリブ102からなるリブ部103とを有し、リブ102によって四角形状の開口部104が形成されているが、リブ102は、フレーム本体10の短手方向端部側からフレーム本体10の短手方向中央側に向かってリブの高さが低くなるように形成されている。なお、リブ102は、フレーム本体10の第1の板状部材11の底面部11aに外部から曲げ荷重が入力される際の中立軸L1より圧縮応力が生じる側に配置されることが好ましい。
【0065】
図8(a)に示すように、車体フレーム91の補強部材100では、リブ102は、その先端部が、フレーム本体10の短手方向端部側で第1の板状部材11の底面部11aと第2の板状部材12の平面部12aとの間の略中間位置よりも短く形成されるとともに、フレーム本体10の短手方向中央側に向かうにつれて低く形成され、フレーム本体10の短手方向において凹状に湾曲して形成されている。
【0066】
このように構成される車両用フレーム構造においても、フレーム本体10の第1の板状部材11の底面部11aに外部から曲げ荷重が入力される際に、フレーム本体10の曲げ変形初期に生じ得るフレーム本体10の内方側への第1の板状部材11の底面部11aの曲げ変形を有効に抑制することができ、軽量化を図りつつ曲げ抗力を効率的に確保することができる。
【0067】
この第5の実施形態に係る車体フレーム91では、リブ102の先端部が、フレーム本体10の短手方向端部側で第1の板状部材11の底面部11aと第2の板状部材12の平面部12aとの間の略中間位置よりも短く形成されているが、第2の板状部材12の平面部12aまで延びるように形成することも可能である。
【0068】
前述した本発明の実施形態に係る車両用フレーム構造を適用した車体フレームにおいては、フレーム本体10の内部に配置される補強部材20、40、60、80、100は、フレーム本体10の短手方向におけるリブ部23、43、63、83、103の両側面が第1の板状部材11の側面部11bに接着結合されているので、外部から曲げ荷重が入力される際に、第1の板状部材11の底面部11aがフレーム本体10の内方側へ変形することに伴って第1の板状部材11の側面部11bが外方側へ膨らんで面外変形することを抑制することができ、第1の板状部材11の底面部11aがフレーム本体10の内方側へ変形されることをさらに抑制することができる。
【0069】
なお、車体フレーム1、31、51、71、91に外部から曲げ荷重が入力される際に、圧縮方向の力が作用する第1の板状部材11の底面部11aが本願請求項に記載される第1面部に相当し、引張方向の力が作用する第2の板状部材12の平面部12aが本願請求項に記載される第2面部に相当し、該底面部11aと該平面部12aとの間の第1の板状部材11の側面部11bが本願請求項に記載される第1面部と第2面部との間の第3面部に相当する。
【0070】
本発明は、例示された実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計上の変更が可能であることは言うまでもない。例えば、前述した第4の実施形態に係る車両用フレーム構造と第5の実施形態に係る車両用フレーム構造とを組み合わせ、第5の実施形態に係る車体フレーム構造を適用した車体フレーム91において格子状に配設されたリブ102によって形成される開口部104をフレーム本体10の長手方向端部側からその中央側に向けて小さくするなど、第1から第5の実施形態に係る車両用フレーム構造をそれぞれ適宜組み合わせて構成するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明は、金属製の閉断面部材の内部に樹脂製の補強部材が取り付けられてなる車両用フレーム構造において、軽量化を図りつつ曲げ抗力を効率的に確保することができる車両用フレーム構造を提供することができ、例えばサイドピラーやサイドシルなどの車体の一部を構成する車体フレームに広く利用される可能性がある。
【符号の説明】
【0072】
1、31、51、71、91 車体フレーム
10 フレーム本体
11 第1の板状部材
11a 第1の板状部材の底面部(第1面部)
11b 第1の板状部材の側面部(第3面部)
12 第2の板状部材
12a 第2の板状部材の平面部(第2面部)
20、40、60、80、100 補強部材
21、41、61、81、101 補強部材の平板部
22、42、62、82、102 補強部材のリブ
23、43、63、83、103 補強部材のリブ部
24、44、64、84、104 リブによって形成される開口部
【技術分野】
【0001】
この発明は、自動車等の車両における車体の一部を構成する車両用フレームの構造に関し、より詳しく言えば、金属製の閉断面部材の内部に、該閉断面部材を補強するための樹脂製の補強部材が取り付けられてなる車両用フレーム構造に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、自動車等の車両における車体の一部を構成するサイドピラーやサイドシルなどの車両用フレーム(車体フレーム)には、車両衝突時における乗員の安全性を確保するため高強度及び高剛性が求められるとともに、燃費性能の向上を図るため軽量化が求められている。このため、車体フレームは、多くの場合、金属製の板状素材を閉断面状に形成した閉断面部材として構成されている。
【0003】
また、金属製の閉断面部材の内部に補強部材を取り付けて該閉断面部材を補強するようにした車体フレームも知られている。例えば特許文献1には、閉断面構造を有するBピラー内に金属製の補強部材を曲げの圧縮側に配置して補強するようにしたものが開示されている。また、例えば特許文献2には、ピラーなどの中空構造物の中空部に、該中空部を横断面において複数の分割室に仕切る仕切り壁を有する樹脂製の補強部材を配設し、その少なくとも1つの分割室を発泡体で遮断するようにしたものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−279904号公報
【特許文献2】特開2001−191949号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記特許文献1及び前記特許文献2に開示されるように、閉断面部材の内部に補強部材を取り付けて補強する場合には重量の増加を招くこととなる。前記特許文献2に記載のものは、特許文献1に記載のものに比べて樹脂製の補強部材を用いることで重量の増加を抑えて補強することができるが、サイドピラーやサイドシルなどの車体フレームにおいては更なる軽量化に対する改善が望まれている。その一方、車体フレームは、前述したように、例えば車体側方からの衝突(所謂側突)を受けた際に乗員の安全性を確保するため、車体フレームに外部から曲げ荷重が入力される際に曲げ変形しないよう十分な曲げ抗力を確保することが求められている。このため、車体フレームにおいては、軽量化を図りつつ曲げ抗力を如何に効率的に確保するかが重要な課題となる。
【0006】
本願発明者等は、種々の試験研究を重ねた結果、具体的には後述するが、略矩形閉断面状に形成された閉断面部材に外部から曲げ荷重が入力されて曲げ変形される場合、先ず、曲げ荷重が入力される際に圧縮方向の力が作用する第1面部が荷重の入力方向に沿って閉断面部材の内方側へ変形し、この変形に伴って該第1面部に隣接する側面部が閉断面部材の外方側に膨らんで面外変形を生じるとともに、荷重が入力される際に引張方向の力が作用する第2面部が閉断面部材の内方側へ変形し、閉断面部材が曲げ変形されて座屈することを見出した。
【0007】
かかる知見に基づいて、閉断面部材の曲げ変形初期に生じ得る閉断面部材の内方側への第1面部の曲げ変形を抑制することができれば、閉断面部材が曲げ変形されることを有効に抑制することができ、軽量化を図りつつ閉断面部材の曲げ抗力を効率的に確保することができると考えられる。
【0008】
そこで、この発明は、金属製の閉断面部材の内部に樹脂製の補強部材が取り付けられてなる車両用フレーム構造において、閉断面部材の曲げ変形初期に生じ得る閉断面部材の内方側への第1面部の曲げ変形を有効に抑制し、軽量化を図りつつ曲げ抗力を効率的に確保することができる車両用フレーム構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このため、本願の請求項1に係る車両用フレーム構造は、金属製の閉断面部材の内部に、樹脂製の補強部材が該閉断面部材の長手方向に沿って取り付けられてなる車両用フレーム構造であって、前記閉断面部材は、外部から曲げ荷重が入力される際に、圧縮方向の力が作用する第1面部と、引張方向の力が作用する第2面部と、該第1面部と該第2面部との間の第3面部とを有し、前記補強部材は、前記第1面部に沿って配設されて該第1面部に接着結合された平板部と、該平板部から前記第2面部に向かって延び格子状に配設されたリブからなるリブ部と、を有している、ことを特徴としたものである。
【0010】
また、本願の請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記リブ部は、前記平板部に近づくにつれて強度が増加するように構成されている、ことを特徴としたものである。
【0011】
更に、本願の請求項3に係る発明は、請求項2に係る発明において、前記格子状のリブによって形成される開口部の大きさが前記平板部に近づくにつれて小さく形成されている、あるいは前記リブの肉厚が前記平板部に近づくにつれて厚く形成されている、ことを特徴としたものである。
【0012】
また更に、本願の請求項4に係る発明は、請求項1から請求項3の何れか一項に係る発明において、前記リブ部は、前記閉断面部材の長手方向端部側から前記閉断面部材の長手方向中央側に近づくにつれて強度が増加するように構成されている、ことを特徴としたものである。
【0013】
また更に、本願の請求項5に係る発明は、請求項4に係る発明において、前記格子状のリブによって形成される開口部の大きさが前記閉断面部材の長手方向端部側から前記閉断面部材の長手方向中央側に近づくにつれて小さく形成されている、あるいは前記リブの肉厚が前記閉断面部材の長手方向端部側から前記閉断面部材の長手方向中央側に近づくにつれて厚く形成されている、ことを特徴としたものである。
【0014】
また更に、本願の請求項6に係る発明は、請求項1から請求項5の何れか一項に係る発明において、前記リブは、前記第2面部まで延びている、ことを特徴としたものである。
【発明の効果】
【0015】
本願の請求項1に係る車両用フレーム構造によれば、外部から曲げ荷重が入力される際に、圧縮方向の力が作用する第1面部に接着結合された補強部材の平板部によって直接第1面部の剛性を高めて第1面部の曲げ変形を抑制することができるとともに、該平板部から延び格子状に配設されたリブによって第1面部を圧縮に対して強くすることができるので、閉断面部材の曲げ変形初期に生じ得る閉断面部材の内方側への第1面部の曲げ変形を有効に抑制することができ、軽量化を図りつつ曲げ抗力を効率的に確保することができる。
【0016】
また、本願の請求項2に係る発明によれば、リブ部は、平板部に近づくにつれて強度が増加するように構成されていることにより、第1面部の曲げ変形に対する抑制効果を高めることができ、前記効果をより有効に奏することができる。
【0017】
更に、本願の請求項3に係る発明によれば、格子状のリブによって形成される開口部の大きさが平板部に近づくにつれて小さく形成されている、あるいはリブの肉厚が平板部に近づくにつれて厚く形成されているので、比較的簡単な構造によって、前記効果をより具体的に実現することができる。
【0018】
また更に、本願の請求項4に係る発明によれば、リブ部は、閉断面部材の長手方向端部側から閉断面部材の長手方向中央側に近づくにつれて強度が増加するように構成されていることにより、閉断面部材が曲げ変形されるときに曲げ変形が生じやすい閉断面部材の長手方向中央側において、第1面部の曲げ変形に対する抑制効果を高めることができ、前記効果をより有効に奏することができる。
【0019】
また更に、本願の請求項5に係る発明によれば、格子状のリブによって形成される開口部の大きさが閉断面部材の長手方向端部側から閉断面部材の長手方向中央側に近づくにつれて小さく形成されている、あるいはリブの肉厚が閉断面部材の長手方向端部側から閉断面部材の長手方向中央側に近づくにつれて厚く形成されているので、比較的簡単な構造によって、前記効果をより具体的に実現することができる。
【0020】
また更に、本願の請求項6に係る発明によれば、リブは、第2面部まで延びていることにより、閉断面部材の内方側への第1面部の曲げ変形を抑制することができるとともに閉断面部材の内方側への第2面部の曲げ変形を抑制することができ、前記効果をより有効に奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る車両用フレーム構造を適用した車体フレームを示す斜視図である。
【図2】図1におけるY2a−Y2a線及びY2b−Y2b線に沿った車体フレームの断面図である。
【図3】本発明の第2の実施形態に係る車両用フレーム構造を適用した車体フレームを示す図である。
【図4】本発明の第3の実施形態に係る車両用フレーム構造を適用した車体フレームの要部を示す斜視図である。
【図5】図4におけるY5a−Y5a線及びY5b−Y5b線に沿った車体フレームの断面図である。
【図6】本発明の第4の実施形態に係る車両用フレーム構造を適用した車体フレームを示す斜視図である。
【図7】本発明の第5の実施形態に係る車両用フレーム構造を適用した車体フレームを示す斜視図である。
【図8】図7におけるY8a−Y8a線及びY8b−Y8b線に沿った車体フレームの断面図である。
【図9】閉断面状に形成された車体フレームの曲げ変形挙動を解析するためのシミュレーションについて説明するための説明図である。
【図10】車体フレームの曲げ変形挙動をシミュレーション解析した結果を示す斜視図である。
【図11】図10における車体フレームの屈曲部の断面を示す断面図である。
【図12】車体フレームに荷重を付加する圧子の下降ストロークと該荷重に対する反力との関係、及び圧子の下降ストロークとエネルギー吸収量との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明では、「上」、「下」、「右」、「左」およびそれらの用語を含む別の用語など特定の方向を意味する用語を使用するが、それらの使用は図面を参照した発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本発明の技術的範囲が限定されるものではない。
【0023】
本願発明者等は、金属製の閉断面部材の内部に樹脂製の補強部材が取り付けられてなる車両用フレーム構造において、軽量化を図りつつ該閉断面部材の曲げ抗力を効率的に確保することができる車両用フレーム構造の開発にあたり、先ず、閉断面状に形成された車体フレームに外部から曲げ荷重が入力されて曲げ変形される際の変形挙動について、CAE(Computer Aided Enginnering)によるシミュレーション解析を行った。
【0024】
図9は、閉断面状に形成された車体フレームの曲げ変形挙動を解析するためのシミュレーションについて説明するための説明図であり、図9(a)は、車体フレームの曲げ変形挙動を解析するのに用いたモデルを示す図、図9(b)は、車体フレームに荷重が付加されて車体フレームが湾曲した状態を示す図、図10は、車体フレームの曲げ変形挙動をシミュレーション解析した結果を示す斜視図、図11は、図10における車体フレームの屈曲部の断面を示す断面図である。なお、図10では、車体フレームの各部の変形量の大小を色の濃淡で表し、変形量が大きいほど濃い色で表している。また、図10及び図11では、車体フレームの曲げ変形の進行状態を(a)、(b)、(c)、(d)の順に表しており、後述する図12に示す圧子の下降ストロークがS0、S1、S2、S3の場合を順に示している。
【0025】
このシミュレーションでは、金属製の閉断面状に形成した車体フレーム200として、図10及び図11に示すように、上面部200aと、上面部200aと離間した状態で上面部200aと平行に設けられる下面部200bと、上面部200aと下面部200bとの間の側面部200c、すなわち図10及び図11において上面部200aの右側端部と下面部200bの右側端部との間の右側面部200c及び上面部200aの左側端部と下面部200bの左側端部との間の左側面部200cとを有し、略矩形閉断面状に形成したモデルを用いて、この車体フレーム200に外部から曲げ荷重を付加して車体フレーム200が曲げ変形される際の変形挙動をシミュレーション解析した。
【0026】
具体的には、図9(a)に示すように、所定長さX1を有する車体フレーム200を、この長さX1より短い所定距離X2だけ離間させた2つの固定点201で支持させ、2つの固定点201の中間位置に対応する車体フレーム200の上面部200aの長手方向における中央部P1に上方から圧子202を一定速度で下降させ、圧子202を介して、車両衝突時に外部から入力される荷重を模擬した荷重Fを車体フレーム200に付加し、車体フレーム200の曲げ変形挙動を調べた。
【0027】
このようにして車体フレーム200に外部から曲げ荷重Fが付加される場合、図9(b)に示すように、車体フレーム200は下側に凸状に湾曲して変形し、車体フレーム200は、上面部200aでは長手方向両端から圧縮方向の力が作用して圧縮応力が生じ、下面部200bでは長手方向両端から引張方向の力が作用して引張応力が生じることとなる。また、側面部200cには、中立軸210より上面部200a側では圧縮応力が生じ、中立軸210より下面部200b側では引張応力が生じることとなる。
【0028】
図12は、車体フレームに荷重を付加する圧子の下降ストロークと該荷重に対する反力との関係、及び圧子の下降ストロークとエネルギー吸収量との関係を示すグラフであり、図12では、圧子202が車体フレーム200の上面部200aに接触した位置から車体フレーム200の曲げ変形とともに下降する圧子202の下降ストロークを横軸にとり、荷重Fに対する反力F’を左側縦軸にとって表示し、エネルギー吸収量EAを右側縦軸にとって表示している。エネルギー吸収量EAは、車体フレーム200が曲げ変形されることにより吸収できるエネルギーであり、荷重Fに対する反力F’と圧子202の下降ストロークとの積で表されるものである。
【0029】
図10から図12を参照して、シミュレーション解析による車体フレーム200の曲げ変形挙動について説明する。
【0030】
図10及び図11の(a)に示すように、圧子202が車体フレーム200の上方から下降し、圧子202が上面部200aに接触した位置である圧子の下降ストロークがS0である場合、車体フレーム200において、上面部200aと側面部200cとのコーナー部200dの頂点P2は、下面部200bと側面部200cとのコーナー部200eの頂点P3の略垂直方向上方側に位置している。なお、これら頂点P2、P3は、車体フレーム200が曲げ変形される際の屈曲部、すなわち中央部P1を有する断面におけるコーナー部200d、200eの頂点を表している。
【0031】
この状態から圧子202を下方へ移動し、車体フレーム200に荷重Fを付加すると、図12に示すように、圧子200の下降ストロークが大きくなるにつれて荷重Fに対する反力F’が大きくなり、車体フレーム200が下側に凸状に湾曲して変形され、車体フレーム200は、上面部200aで圧縮方向の力が作用し、下面部200bで引張方向の力が作用し、荷重Fが付加される中央部P1から曲げ変形される。
【0032】
そして、圧子202の下降ストロークがS1の場合に荷重Fに対する反力F’が最大となり、図10及び図11の(b)に示すように、車体フレーム200は下側に凸状に湾曲して変形されるとともに閉断面状に形成される車体フレーム200の内方側へ変形され、この変形に伴って上面部200aに隣接する側面部200cが断面方向における外方側に膨らんで面外変形を生じ、コーナー部200eの頂点P3に対してコーナー部200dの頂点P2が略垂直方向から外方側に傾斜し、図10における変形箇所αで示すように、コーナー部200dに変形量の大きい部分が生じる。また、この変形に伴って下面部200bが車体フレーム200の内方側に変位している。なお、荷重Fに対する反力F’が最大となる最大荷重F’maxが曲げ抗力の程度を表すものである。
【0033】
さらに圧子202の下降ストロークが大きくなると、図12に示すように、圧子202の下降ストロークに伴って荷重Fに対する反力F’が小さくなり、図10及び図11の(c)及び(d)に示すように、車体フレーム200はさらに曲げ変形され、上面部200aが車体フレーム200の内方側へさらに変形され、この変形に伴って側面部200cが断面方向における外方側へさらに膨らんで面外変形を生じるとともに、下面部200dが車体フレーム200の内方側へさらに変位し、車体フレーム200が曲げ変形され座屈している。
【0034】
このシミュレーション解析結果から、本願発明者等は、略矩形閉断面状に形成された閉断面部材に外部から曲げ荷重が入力されて曲げ変形される場合、先ず、曲げ荷重が入力される際に圧縮方向の力が作用する第1面部が荷重の入力方向に沿って閉断面部材の内方側へ変形し、この変形に伴って該第1面部に隣接する側面部が閉断面部材の外方側に膨らんで面外変形を生じるとともに、荷重が入力される際に引張方向の力が作用する第2面部が閉断面部材の内方側へ変形し、閉断面部材が曲げ変形されて座屈していることを見出した。
【0035】
なお、本願発明者等は、前述したシミュレーション解析に加えて、閉断面状に形成した実際の車体フレームについても同様に、車体フレームに外部から曲げ荷重を入力して曲げ変形する際の変形挙動を調べる実験を行ったが、かかる実験においても、前述したシミュレーション解析結果と略同様の結果が得られた。
【0036】
そこで、これらシミュレーション解析結果及び実験結果に基づいて、閉断面部材の曲げ変形初期に生じ得る閉断面部材の内方側への第1面部の変形を抑制することができれば、閉断面部材が曲げ変形されることを有効に抑制することができ、軽量化を図りつつ曲げ抗力を効率的に確保することができると考えられる。
【0037】
以下、本発明の実施形態に係る車両用フレーム構造について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る車両用フレーム構造を適用した車体フレームを示す斜視図、図2は、図1におけるY2a−Y2a線及びY2b−Y2b線に沿った車体フレームの断面図であり、図2(a)は、Y2a−Y2a線に沿った車体フレームの断面図、図2(b)は、Y2b−Y2b線に沿った車体フレームの断面図である。なお、図1、並びに後述する図3、図4、図6及び図7では、フレーム本体内の補強部材を明瞭に図示するため、フレーム本体を一点鎖線で示し、これを透過状態で示している。
【0038】
図1及び図2に示すように、本発明の第1の実施形態に係る車両用フレーム構造を適用した車体フレーム1は、閉断面部材としてのフレーム本体10と、フレーム本体10の長手方向に沿ってフレーム本体10の内部に取り付けられる補強部材20と、を有している。
【0039】
フレーム本体10は、鋼板などの金属製の板状素材を断面ハット状にプレス加工して得られる第1の板状部材11と、鋼板などの金属製の板状素材でなる第2の板状部材12とから構成されている。第1の板状部材11は、略平面状に形成される底面部11aと、底面部11aの両側において略垂直方向に延びる側面部11bと、側面部11bから略直角方向に外側に延びるフランジ部11cとを備え、第2の板状部材12は、略平面状に形成される平面部12aを備えており、第1の板状部材11のフランジ部11cを第2の板状部材12の平面部12aに当接させてスポット溶接で接合することにより、フレーム本体10が略矩形閉断面状に形成されている。
【0040】
補強部材20は、樹脂材料を射出成形等によって成形して得られるものであり、フレーム本体10を補強するためにフレーム本体10の内部に取り付けられている。この補強部材20は、第1の板状部材11の底面部11aの形状に応じて略矩形状に形成される平板状の平板部21と、平板部21から略直角方向に延び格子状に配設されたリブ22からなるリブ部23とを有している。補強部材20は、平板部21が第1の板状部材11の底面部11aに沿って配設されて底面部11aに発泡性接着剤27によって接着結合され、フレーム本体10を横切る方向であるフレーム本体10の短手方向におけるリブ部23の両側面が第1の板状部材11の側面部11bに沿って配設されて側面部11bに発泡性接着剤27によって接着結合されている。
【0041】
これにより、格子状に配設されたリブ22は、図2(a)に示すように、フレーム本体10内において補強部材20の平板部21から第2の板状部材12の平面部12aに向かって延びるように形成されているが、リブ22の先端部は、第1の板状部材11の底面部11aと第2の板状部材12の平面部12aとの間の中間位置よりも短く形成されている。なお、リブ22は、フレーム本体10の第1の板状部材11の底面部11aに外部から曲げ荷重が入力される際の中立軸L1より圧縮応力が生じる側に配置されることが好ましい。
【0042】
また、車体フレーム1においては、格子状のリブ22は、図2(b)に示すように、該リブ22によって形成される開口部24が四角形状に形成されている。しかしながら、リブ22によって形成される開口部24を、三角形状、六角形状又は八角形状などその他の形状に形成することも可能である。
【0043】
このようにして構成される車体フレーム1は、曲げ荷重が入力されることが想定される方向に第1の板状部材11の底面部11aが対向するように配置される。これにより、外部から曲げ荷重が入力される際には、第1の板状部材11の底面部11aに圧縮方向の力が作用して圧縮応力が生じ、第2の板状部材12の平面部12aに引張方向の力が作用して引張応力が生じることとなる。
【0044】
このように、本発明の第1の実施形態に係る車両用フレーム構造では、金属製の閉断面状に形成されたフレーム本体10の内部に、樹脂製の補強部材20がフレーム本体10の長手方向に沿って取り付けられ、フレーム本体10は、外部から曲げ荷重が入力される際に、圧縮方向の力が作用する第1の板状部材11の底面部11aと、引張方向の力が作用する第2の板状部材12の平面部12aと、該底面部11aと該平面部12aとの間の第1の板状部材11の側面部11bとを有し、補強部材20は、第1の板状部材11の底面部11aに沿って配設されて該底面部11aに接着結合された平板部21と、該平板部21から第2の板状部材12の平面部12aに向かって延び格子状に配設されたリブ22からなるリブ部23とを有している。
【0045】
これにより、外部から曲げ荷重が入力される際に、圧縮方向の力が作用する第1の板状部材11の底面部11aに接着結合された補強部材20の平板部21によって直接底面部11aの剛性を高めて底面部11aの曲げ変形を抑制することができるとともに、平板部21から延び格子状に配設されたリブ22によって底面部11aを圧縮に対して強くすることができるので、フレーム本体10の曲げ変形初期に生じ得るフレーム本体10の内方側への第1の板状部材11の底面部11aの曲げ変形を有効に抑制することができ、軽量化を図りつつ曲げ抗力を効率的に確保することができる。
【0046】
この車両用フレーム構造を適用した車体フレーム1を製造する場合には、先ず、断面ハット状に形成した第1の板状部材11を第2の板状部材12と溶接し、第1の板状部材11と第2の板状部材12とからなるフレーム本体10の内部に、補強部材20の平板部21とリブ部23の両側面とに発泡性接着剤27を塗布した状態で補強部材20を挿入し、図2(a)に示す所定位置に保持する。そして、電着塗装工程におけるベーキング時に発泡性接着剤27を発泡させて、発泡性接着剤27によって補強部材20をフレーム本体10に接着結合して製造する。これにより、電着塗装工程において、電着液がフレーム本体10の内部に入り込むことができ、耐食性向上の効果を得ることができる。
【0047】
図3は、本発明の第2の実施形態に係る車両用フレーム構造を適用した車体フレームを示す図であり、図3(a)は、本発明の第2の実施形態に係る車両用フレーム構造を適用した車体フレームの斜視図、図3(b)は、図3(a)におけるY3b−Y3b線に沿った車体フレームの断面図である。なお、第2の実施形態において、第1の実施形態と同様の構成を備え、同様の作用をなすものについては同一符号を付して説明を省略する。
【0048】
図3に示すように、本発明の第2の実施形態に係る車両用フレーム構造を適用した車体フレーム31は、車体フレーム1と同様に、金属製の閉断面状に形成されるフレーム本体10の内部に樹脂製の補強部材40が配置され、補強部材40は、第1の板状部材11の底面部11aに沿って配設されて底面部11aに接着結合された平板部41と、平板部41から第2の板状部材12の平面部12aに向かって延び格子状に配設されるリブ42からなるリブ部43とを有し、格子状に配設されたリブ42によって四角形状の開口部44が形成されているが、リブ42が、第2の板状部材12の平面部12aまで延び、平面部12aに当接するように形成されている。
【0049】
このように構成される車両用フレーム構造においても、フレーム本体10の第1の板状部材11の底面部11aに外部から曲げ荷重が入力される際に、フレーム本体10の曲げ変形初期に生じ得るフレーム本体10の内方側への第1の板状部材11の底面部11aの曲げ変形を有効に抑制することができ、軽量化を図りつつ曲げ抗力を効率的に確保することができる。
【0050】
また、車体フレーム31では、リブ42は、平板部41から第2の板状部材12の平面部12aまで延びていることにより、フレーム本体10の内方側への第1の板状部材11の底面部11aの曲げ変形を抑制することができるとともにフレーム本体10の内方側への第2の板状部材12の平面部12aの曲げ変形を抑制することができ、前記効果をより有効に奏することができる。
【0051】
図4は、本発明の第3の実施形態に係る車両用フレーム構造を適用した車体フレームの要部を示す斜視図である。また、図5は、図4におけるY5a−Y5a線及びY5b−Y5b線に沿った車体フレームの断面図であり、図5(a)は、Y5a−Y5a線に沿った車体フレームの断面図、図5(b)は、Y5b−Y5b線に沿った車体フレームの断面図であり、図4及び図5(b)では、車体フレームの長手方向における一部のみを示している。なお、第3の実施形態において、第2の実施形態と同様の構成を備え、同様の作用をなすものについては同一符号を付して説明を省略する。
【0052】
図4及び図5に示すように、本発明の第3の実施形態に係る車両用フレーム構造を適用した車体フレーム51は、車体フレーム31と同様に、金属製の閉断面状に形成されるフレーム本体10の内部に樹脂製の補強部材60が配置され、補強部材60は、第1の板状部材11の底面部11aに沿って配設されて底面部11aに接着結合された平板部61と、平板部61から第2の板状部材12の平面部12aに向かって延び格子状に配設されたリブ62からなるリブ部63とを有しているが、格子状に配設されたリブ62が、第2の板状部材12の平面部12aまで延び格子状に配設される第1リブ62aと、第1の板状部材11の底面部11aと第2の板状部材12の平面部12aとの間の略中間位置まで延びる第2リブ62bとを有している。
【0053】
図5に示すように、車体フレーム51の補強部材60では、格子状に配設されたリブ62の第1リブ62aによって、補強部材40のリブ42と同様に、四角形状の開口部64aが形成されているが、第2リブ62bが、第1リブ62aによって形成される開口部64aを4つの四角形状の開口部64bに分割するように該開口部64a内に十字形状に配置されている。
【0054】
このように、車体フレーム51においては、補強部材60のリブ部63における格子状に形成されるリブ62は、平板部61側では第1リブ62aによって形成される開口部64aが第2リブ62bによって分割され、平板部61に近づくにつれて開口部64の大きさが小さく形成され、リブ部63は、底面部61に近づくにつれて強度が増加するように構成されている。
【0055】
このように構成される車両用フレーム構造においても、フレーム本体10の第1の板状部材11の底面部11aに外部から曲げ荷重が入力される際に、フレーム本体10の曲げ変形初期に生じ得るフレーム本体10の内方側への第1の板状部材11の底面部11aの曲げ変形を有効に抑制することができ、軽量化を図りつつ曲げ抗力を効率的に確保することができる。また、車体フレーム51では、リブ部63は、平板部61に近づくにつれて強度が増加するように構成されていることにより、第1の板状部材11の底面部11aの曲げ変形に対する抑制効果を高めることができる。
【0056】
この第3の実施形態に係る車体フレーム51では、格子状に配設されたリブ62が、平板部61に近づくにつれて開口部64の大きさが小さく形成され、リブ部63は、平板部61に近づくにつれて強度が増加するように構成されているが、格子状に配設されたリブ62において平板部61に近づくにつれてリブの肉厚を厚く形成することにより、リブ部63を平板部61に近づくにつれて強度が増加するように構成することも可能である。
【0057】
図6は、本発明の第4の実施形態に係る車両用フレーム構造を適用した車体フレームを示す斜視図である。なお、第4の実施形態において、第2の実施形態における場合と同様の構成を備え、同様の作用をなすものについては同一符号を付して説明を省略する。
【0058】
図6に示すように、本発明の第4の実施形態に係る車両用フレーム構造を適用した車体フレーム71は、車体フレーム31と同様に、金属製の閉断面状に形成されるフレーム本体10の内部に樹脂製の補強部材80が配置され、補強部材80は、第1の板状部材11の底面部11aに沿って配設されて底面部11aに接着結合された平板部81と、平板部81から第2の板状部材12の平面部12aまで延び格子状に配設されたリブ82からなるリブ部83とを有しているが、リブ82によって形成される四角形状の開口部84の大きさがフレーム本体10の長手方向端部側からフレーム本体10の長手方向中央側に向かって小さくなるように形成されている。
【0059】
図6に示すように、車体フレーム71の補強部材80では、リブ82によって形成される開口部84は、フレーム本体10の長手方向端部側からその中央側に近づくにつれて開口部84a、84b、84cの順に開口部の大きさが小さく形成されている。このように、車体フレーム71においては、格子状のリブ82によって形成される開口部84の大きさは、フレーム本体10の長手方向端部側からその中央側に近づくにつれて小さく形成され、リブ部83は、フレーム本体10の長手方向端部側からその中央側に近づくにつれて強度が増加するように構成されている。
【0060】
このように構成される車両用フレーム構造においても、フレーム本体10の第1の板状部材11の底面部11aに外部から曲げ荷重が入力される際に、フレーム本体10の曲げ変形初期に生じ得るフレーム本体10の内方側への第1の板状部材11の底面部11aの曲げ変形を有効に抑制することができ、軽量化を図りつつ曲げ抗力を効率的に確保することができる。
【0061】
また、車体フレーム71では、リブ部83は、フレーム本体10の長手方向端部側からフレーム本体10の長手方向中央側に近づくにつれて強度が増加するように構成されていることにより、フレーム本体10が曲げ変形されるときに曲げ変形が生じやすいフレーム本体10の長手方向中央側において、第1の板状部材10の底面部11aの曲げ変形に対する抑制効果を高めることができる。
【0062】
この第4の実施形態に係る車体フレーム71では、格子状に配設されたリブ82が、フレーム本体10の長手方向端部側からその中央側に近づくにつれて開口部84の大きさが小さく形成され、リブ部83は、フレーム本体10の長手方向端部側からその中央側に近づくにつれて強度が増加するように構成されているが、格子状に配設されたリブ82において、フレーム本体10の長手方向端部側からその中央側に近づくにつれてリブの肉厚を厚く形成することにより、リブ部83をフレーム本体10の長手方向端部側からその中央側に近づくにつれて強度が増加するように構成することも可能である。
【0063】
図7は、本発明の第5の実施形態に係る車両用フレーム構造を適用した車体フレームを示す斜視図、図8は、図7におけるY8a−Y8a線及びY8b−Y8b線に沿った車体フレームの断面図であり、図8(a)は、Y8a−Y8a線に沿った車体フレームの断面図、図8(b)は、Y8b−Y8b線に沿った車体フレームの断面図である。なお、第5の実施形態において、第1の実施形態における場合と同様の構成を備え、同様の作用をなすものについては同一符号を付して説明を省略する。
【0064】
図7及び図8に示すように、本発明の第5の実施形態に係る車両用フレーム構造を適用した車体フレーム91は、車体フレーム1と同様に、金属製の閉断面状に形成される車体フレーム91の内部に樹脂製の補強部材100が配置され、補強部材100は、第1の板状部材11の底面部11aに沿って配設されて底面部11aに接着結合された平板部101と、平板部101から第2の板状部材12の平面部12aに向かって延び格子状に配設されたリブ102からなるリブ部103とを有し、リブ102によって四角形状の開口部104が形成されているが、リブ102は、フレーム本体10の短手方向端部側からフレーム本体10の短手方向中央側に向かってリブの高さが低くなるように形成されている。なお、リブ102は、フレーム本体10の第1の板状部材11の底面部11aに外部から曲げ荷重が入力される際の中立軸L1より圧縮応力が生じる側に配置されることが好ましい。
【0065】
図8(a)に示すように、車体フレーム91の補強部材100では、リブ102は、その先端部が、フレーム本体10の短手方向端部側で第1の板状部材11の底面部11aと第2の板状部材12の平面部12aとの間の略中間位置よりも短く形成されるとともに、フレーム本体10の短手方向中央側に向かうにつれて低く形成され、フレーム本体10の短手方向において凹状に湾曲して形成されている。
【0066】
このように構成される車両用フレーム構造においても、フレーム本体10の第1の板状部材11の底面部11aに外部から曲げ荷重が入力される際に、フレーム本体10の曲げ変形初期に生じ得るフレーム本体10の内方側への第1の板状部材11の底面部11aの曲げ変形を有効に抑制することができ、軽量化を図りつつ曲げ抗力を効率的に確保することができる。
【0067】
この第5の実施形態に係る車体フレーム91では、リブ102の先端部が、フレーム本体10の短手方向端部側で第1の板状部材11の底面部11aと第2の板状部材12の平面部12aとの間の略中間位置よりも短く形成されているが、第2の板状部材12の平面部12aまで延びるように形成することも可能である。
【0068】
前述した本発明の実施形態に係る車両用フレーム構造を適用した車体フレームにおいては、フレーム本体10の内部に配置される補強部材20、40、60、80、100は、フレーム本体10の短手方向におけるリブ部23、43、63、83、103の両側面が第1の板状部材11の側面部11bに接着結合されているので、外部から曲げ荷重が入力される際に、第1の板状部材11の底面部11aがフレーム本体10の内方側へ変形することに伴って第1の板状部材11の側面部11bが外方側へ膨らんで面外変形することを抑制することができ、第1の板状部材11の底面部11aがフレーム本体10の内方側へ変形されることをさらに抑制することができる。
【0069】
なお、車体フレーム1、31、51、71、91に外部から曲げ荷重が入力される際に、圧縮方向の力が作用する第1の板状部材11の底面部11aが本願請求項に記載される第1面部に相当し、引張方向の力が作用する第2の板状部材12の平面部12aが本願請求項に記載される第2面部に相当し、該底面部11aと該平面部12aとの間の第1の板状部材11の側面部11bが本願請求項に記載される第1面部と第2面部との間の第3面部に相当する。
【0070】
本発明は、例示された実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計上の変更が可能であることは言うまでもない。例えば、前述した第4の実施形態に係る車両用フレーム構造と第5の実施形態に係る車両用フレーム構造とを組み合わせ、第5の実施形態に係る車体フレーム構造を適用した車体フレーム91において格子状に配設されたリブ102によって形成される開口部104をフレーム本体10の長手方向端部側からその中央側に向けて小さくするなど、第1から第5の実施形態に係る車両用フレーム構造をそれぞれ適宜組み合わせて構成するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明は、金属製の閉断面部材の内部に樹脂製の補強部材が取り付けられてなる車両用フレーム構造において、軽量化を図りつつ曲げ抗力を効率的に確保することができる車両用フレーム構造を提供することができ、例えばサイドピラーやサイドシルなどの車体の一部を構成する車体フレームに広く利用される可能性がある。
【符号の説明】
【0072】
1、31、51、71、91 車体フレーム
10 フレーム本体
11 第1の板状部材
11a 第1の板状部材の底面部(第1面部)
11b 第1の板状部材の側面部(第3面部)
12 第2の板状部材
12a 第2の板状部材の平面部(第2面部)
20、40、60、80、100 補強部材
21、41、61、81、101 補強部材の平板部
22、42、62、82、102 補強部材のリブ
23、43、63、83、103 補強部材のリブ部
24、44、64、84、104 リブによって形成される開口部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属製の閉断面部材の内部に、樹脂製の補強部材が該閉断面部材の長手方向に沿って取り付けられてなる車両用フレーム構造であって、
前記閉断面部材は、外部から曲げ荷重が入力される際に、圧縮方向の力が作用する第1面部と、引張方向の力が作用する第2面部と、該第1面部と該第2面部との間の第3面部とを有し、
前記補強部材は、前記第1面部に沿って配設されて該第1面部に接着結合された平板部と、該平板部から前記第2面部に向かって延び格子状に配設されたリブからなるリブ部と、を有している、
ことを特徴とする車両用フレーム構造。
【請求項2】
前記リブ部は、前記平板部に近づくにつれて強度が増加するように構成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用フレーム構造。
【請求項3】
前記格子状のリブによって形成される開口部の大きさが前記平板部に近づくにつれて小さく形成されている、あるいは前記リブの肉厚が前記平板部に近づくにつれて厚く形成されている、
ことを特徴とする請求項2に記載の車両用フレーム構造。
【請求項4】
前記リブ部は、前記閉断面部材の長手方向端部側から前記閉断面部材の長手方向中央側に近づくにつれて強度が増加するように構成されている、
ことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の車両用フレーム構造。
【請求項5】
前記格子状のリブによって形成される開口部の大きさが前記閉断面部材の長手方向端部側から前記閉断面部材の長手方向中央側に近づくにつれて小さく形成されている、あるいは前記リブの肉厚が前記閉断面部材の長手方向端部側から前記閉断面部材の長手方向中央側に近づくにつれて厚く形成されている、
ことを特徴とする請求項4に記載の車両用フレーム構造。
【請求項6】
前記リブは、前記第2面部まで延びている、
ことを特徴とする請求項1から請求項5の何れか一項に記載の車両用フレーム構造。
【請求項1】
金属製の閉断面部材の内部に、樹脂製の補強部材が該閉断面部材の長手方向に沿って取り付けられてなる車両用フレーム構造であって、
前記閉断面部材は、外部から曲げ荷重が入力される際に、圧縮方向の力が作用する第1面部と、引張方向の力が作用する第2面部と、該第1面部と該第2面部との間の第3面部とを有し、
前記補強部材は、前記第1面部に沿って配設されて該第1面部に接着結合された平板部と、該平板部から前記第2面部に向かって延び格子状に配設されたリブからなるリブ部と、を有している、
ことを特徴とする車両用フレーム構造。
【請求項2】
前記リブ部は、前記平板部に近づくにつれて強度が増加するように構成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用フレーム構造。
【請求項3】
前記格子状のリブによって形成される開口部の大きさが前記平板部に近づくにつれて小さく形成されている、あるいは前記リブの肉厚が前記平板部に近づくにつれて厚く形成されている、
ことを特徴とする請求項2に記載の車両用フレーム構造。
【請求項4】
前記リブ部は、前記閉断面部材の長手方向端部側から前記閉断面部材の長手方向中央側に近づくにつれて強度が増加するように構成されている、
ことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の車両用フレーム構造。
【請求項5】
前記格子状のリブによって形成される開口部の大きさが前記閉断面部材の長手方向端部側から前記閉断面部材の長手方向中央側に近づくにつれて小さく形成されている、あるいは前記リブの肉厚が前記閉断面部材の長手方向端部側から前記閉断面部材の長手方向中央側に近づくにつれて厚く形成されている、
ことを特徴とする請求項4に記載の車両用フレーム構造。
【請求項6】
前記リブは、前記第2面部まで延びている、
ことを特徴とする請求項1から請求項5の何れか一項に記載の車両用フレーム構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図11】
【図12】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図11】
【図12】
【図10】
【公開番号】特開2011−110969(P2011−110969A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−266540(P2009−266540)
【出願日】平成21年11月24日(2009.11.24)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月24日(2009.11.24)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】
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