説明

車両用ヘッドライト装置

【課題】ポジションバルブを目立ちにくくすることにより、見栄えの悪化を防止できる車両用ヘッドライト装置を提供する。
【解決手段】ポジションガイド54bは、メインリフレクタ(ヘッドリフレクタ)54と上下に並列配置されるとともに、該ポジションガイド54bの上記並列配置の方向と直角方向におけるポジション幅寸法w1が、上記メインリフレクタ54の上記並列配置の方向と直角方向におけるメイン幅寸法w2より小さくなるよう形成されており、上記ポジションガイド54b内の軸線方向におけるメインリフレクタ側寄りにポジションバルブ60が配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メインバルブと該メインバルブの補助光源としてのポジションバルブとを備えた車両用ヘッドライト装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両に搭載されるヘッドライト装置では、例えば、昼間走行時における被視認性を高める観点から、ヘッドバルブとは別に補助光源としてのポジションバルブを備える場合がある。
【0003】
この種のヘッドライト装置として、例えば、特許文献1では、主バルブが配置された主リフレクタと、副バルブが配置された副リフレクタとを上下に並列配置するとともに、主,副リフレクタの幅寸法及び軸方向寸法を略同じとし、該主,副リフレクタを共通のハウジング内に収容するとともに、該ハウジングの開口をレンズで覆った構造のものが提案されている。
【特許文献1】実開昭63−118101号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記従来のヘッドライト装置では、副リフレクタの幅寸法を主リフレクタの幅寸法と略同じとしている。このため特に車両前方から見たとき、幅広の副リフレクタ内に配置された副バルブが目立ち易く、見栄えが悪化するという懸念がある。
【0005】
本発明は、上記従来の状況に鑑みてなされたもので、車両前方からポジションバルブを見えにくくすることにより、見栄えの悪化を防止できる車両用ヘッドライト装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願第1の発明は、ライトボディと、該ライトボディの開口を覆うレンズと、該ライトボディに取り付けられたメインバルブと、該メインバルブからの光を所定方向に反射させるメインリフレクタとを備えた車両用ヘッドライト装置において、車両の前後方向に延びると共に、車両前方側に開口を有する大略筒状をなすポジションガイドが設けられ、該ポジションガイドは、車両正面から見たとき、上記メインリフレクタと所定の方向に並ぶように並列配置されるとともに、該ポジションガイドの上記所定の方向に対する直角方向の第1寸法が、上記メインリフレクタの同じ方向における寸法より小さくなるよう形成されており、上記ポジションガイド内の軸線方向における反開口側にポジションバルブが配置されていることを特徴としている。
【0007】
本願第2の発明は、ライトボディと、該ライトボディの開口を覆うレンズと、該ライトボディに取り付けられたメインバルブと、該メインバルブからの光を所定方向に反射させるメインリフレクタとを備えた車両用ヘッドライト装置において、車両の前後方向に延びると共に、車両前方側に開口を有する大略筒状をなすポジションガイドが設けられ、該ポジションガイドは、上記メインリフレクタと並列配置されるとともに、該ポジションガイドの上記開口を有する先端部は、上記メインリフレクタより前方に突出しており、上記ポジションガイド内の軸線方向における反開口側にポジションバルブが配置されていることを特徴としている。
【0008】
ここで、本発明のポジションガイドには、円筒,角筒が含まれるとともに、断面形状が偏平のもの、あるいは円弧状等の異形状のものも含まれ、要はポジションバルブを囲む筒体であれば何れの形状のものも含まれる。
【発明の効果】
【0009】
本願第1の発明に係るヘッドライト装置によれば、ライトボディ内に筒状のポジションガイドをメインリフレクタと所定方に並ぶように配置し、該ポジションガイド内の反開口側にポジションバルブを配置するとともに、ポジションガイドの並列方向と直角方向における第1寸法を、メインリフレクタの寸法より小さくしたので、ポジションバルブは、メインリフレクタより幅寸法の小さい筒状のポジションガイドにより囲まれることとなる。これにより車両前方からポジションバルブが見えにくくなり、見栄えの悪化を防止できる。
【0010】
本願第2の発明では、ポジションガイドをメインリフレクタと並列配置するとともに、該ポジションガイドの先端部をメインリフレクタより前方に突出させたので、ポジションバルブは、メインリフレクタより前後寸法の長いポジションガイドにより囲まれることとなる。これにより車両前方からポジションバルブが見えにくくなり、見栄えの悪化を防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0012】
図1ないし図11は、本発明の一実施形態による車両用ヘッドライト装置を説明するための図である。本実施形態では、自動二輪車のヘッドライト装置に適用した場合を例に説明する。なお、本実施形態でいう前後,左右とは、シートに着座した状態で見た前後,左右を意味する。
【0013】
図において、1はスクータ型自動二輪車を示しており、これはアンダボーン型の車体フレーム2と、該車体フレーム2の前端に位置するヘッドパイプ3により左右操向可能に枢支されたフロントフォーク4と、上記車体フレーム2の中央部にて上下揺動可能に枢支されたスイング式エンジンユニット5と、上記車体フレーム2のエンジンユニット5の上方に搭載された鞍乗型の2人乗り用シート6とを備えている。
【0014】
上記フロントフォーク4の下端部には前輪7が軸支され、上端には操向ハンドル8が固定されている。このフロントフォーク4には、前輪7の上方を覆うフロントフェンダ22が配置されている。
【0015】
また上記エンジンユニット5の後端部には後輪9が軸支され、該エンジンユニット5と車体フレーム2との間にはリヤクッション10が配置されている。
【0016】
上記シート6の下方には収納ボックス30及び燃料タンク31がそれぞれ前後に並列配置されている。この収納ボックス30により上記シート6の前端部が上下回動可能に支持されている。
【0017】
上記車体フレーム2のヘッドパイプ3の前側はフロントカバー15で覆われており、後側はレッグシールド16で覆われている。また上記シート6の周囲下方は左,右のサイドカバー17,17で覆われており、該左,右のサイドカバー17,17の下面には後輪9の上方を覆うリヤフェンダ18が配置されている。
【0018】
また上記レッグシールド16と左,右のサイドカバー17との間には、乗員の足を支持するフートボード19が配設されており、該フートボード19の下側はアンダカバー20により覆われている。
【0019】
上記操向ハンドル8は、その周囲がハンドルカバー21で覆われている。該ハンドルカバー21にはスピードメータ,燃料残量メータ等を有するメータ装置25が配置されている。
【0020】
また上記左,右のサイドカバー17,17の後端部にはテールライト装置27が配置されている。
【0021】
上記フロントカバー15には後述するヘッドライト装置26が配置されている。このフロントカバー15は、上記ハンドルカバー21とフロントフェンダ22との間にて前方斜め下方に延びる上側カバー部15aと、該上側カバー部15aに続いてフロントフェンダ22の後部を覆うように後方斜め下方に延びる下側カバー部15bとを有し、車両側方から見ると概ねく字形状をなしている。
【0022】
上記下側カバー部15bの車幅方向中央部には、フロントカバー15とは別体の部品が配置されており、この部品に複数の走行風導入口15cが設けられている。この走行風導入口15cは車両前面視でフロントフォーク4及び前輪7により覆われている。走行風は、走行風導入口15cからフートボード19とアンダカバー20とで形成されたトンネル状の通路を通って上記エンジンユニット5に向って流れる。
【0023】
上記フロントカバー15の上側カバー部15aには、該上側カバー部15aの車幅方向略全域に渡る大きさのライト開口15dが形成されている。このライト開口15dは、車両前方から見て大略V字形をなしており、下縁が上側カバー部15aの下端に位置し、左,右上縁が上側カバー部15aの上縁部近傍に位置している。
【0024】
上記上側カバー部15aのライト開口15dを挟んだ左,右下端部には、前方に開口するエアダクト部15e,15eが形成されている。この左,右のエアダクト部15eは内周縁が後方に延びる筒状をなすように形成されている。
【0025】
上記上側カバー部15aのV字内部分にはV字形状をなすホーン開口15fが形成されている。該ホーン開口15fは内周縁が後方に延びる筒状をなすように形成されている。上記ホーン開口15f及び左,右のエアダクト部15eにより上記フロントカバー15のライト開口15d周辺部の剛性を高めている。
【0026】
上記上側カバー部15a内のホーン開口15fに対向する部位にはホーン50が配置されている。該ホーン50は、上記ヘッドパイプ3に前方に突出するように固定されたブラケット(不図示)に取付けられており、該ホーン50からの音が上記ホーン開口15fを通って車両前方に伝わるようになっている。
【0027】
上記ライト開口15dに上記ヘッドライト装置26が装着されている。このヘッドライト装置26は、車両前方に開口するレンズ開口51aを有する樹脂製のライトボディ51と、該ライトボディ51にレンズ開口51aを覆うように配置された無色透明なレンズ52と、上記ライトボディ51に車幅方向中心に位置するように着脱可能に取付けられたヘッドバルブ(メインバルブ)53と、該ヘッドバルブ53からの光を上記レンズ52に向けて反射する樹脂製のヘッドリフレクタ(メインリフレクタ)54とを備えている。
【0028】
上記ヘッドライト装置26は、ライトボディ51内のヘッドバルブ53の左,右外側に配置されたフラッシャライト56,56を備えている。該左,右のフラッシャライト56は、上記ライトボディ51に着脱可能に取付けられたフラッシャバルブ56a,56aと、該フラッシャバルブ56aからの光を上記レンズ52に向けて反射するフラッシャリフレクタ56b,56bとを備えている。このレンズ52はヘッドバルブ53,フラッシャバルブ56a,56aに共通となっている。
【0029】
上記ヘッドリフレクタ54は、内周面にAL蒸着等により反射面を被覆形成した大略碗状のものであり、これの底部に上記ヘッドバルブ53が装着されている(図7参照)。このヘッドリフレクタ54は、ライドボディ51に対して支点54aを介して支持され、光軸調整可能となっている。
【0030】
上記ライトボディ51は、バルブ装着孔51bが形成されたボディ本体51cと、該ボディ本体51cのレンズ開口51aの周縁部に形成された凹溝51dと、該レンズ開口51a縁部に続いて外方に突出するよう形成された複数の取付け片51eと、上記ボディ本体51cの左,右外縁部に後方に突出するよう形成された円筒状の取付けボス部51fとを有している。
【0031】
上記凹溝51d内にレンズ52の外周縁部52aが接着剤により水密に固着されている。該レンズ52の外周縁部52aには、上記レンズ開口51a縁部に当接する位置決め突起52bが形成されている。
【0032】
上記フロントカバー15のライト開口15dの内側縁部には、上記各取付け片51eに対向する円筒状の固定ボス部15gが一体形成されている。上記ライトボディ51は、車両後方から挿入されたねじ57により各取付け片51eを固定ボス部15gに締め付けることによりフロントカバー15に位置決め固定されている。
【0033】
また上記レッグシールド16の内側壁には、上記左,右の取付けボス部51fに対向する取付け座16a,16aが前方に凹設されている。上記ライトボディ51は、車両後方から挿入されたねじ58により上記左,右の取付けボス部15fを左,右取付け座16aに締め付けることによりレッグシールド16に固定されている。
【0034】
上記レンズ52は、車両前方から見ると、ライト開口15dに沿う概ねV字形状をなしている。このレンズ52のV字形の中心に上記ヘッドバルブ53が配置され、該V字形の左,右上端部に上記フラッシャバルブ56a,56aが配置されている。
【0035】
車両側方から見ると、上記レンズ52の上記V字形の左,右上部はフロントカバー15と略面一をなすよう形成され、下部はフロントカバー15から前方斜め下方に大略球状をなすよう膨出形成されている。該膨出形成された膨出部52cの下面はライト開口15dの下縁部15hにより覆われており、該下縁部15hはレンズ52の下縁部52dより後方に位置している。
【0036】
上記レンズ52の膨出部52cは、上記ハンドルカバー21とフロントフェンダ22の前縁部同士を結ぶ直線Dより前方に突出している(図1参照)。これにより、走行風はフロントフェンダ22,レンズ52,フロントカバー15からハンドルカバー21に上記直線Dに概ね沿って上向きに流れ、該ハンドルカバー21から乗員の頭部上方に向って流れることとなる。
【0037】
上記ヘッドライト装置26は、昼間走行時の被視認性を高めるためのポジションバルブ60を備えており、このポジションバルブ60は以下の構造を有している。
【0038】
上記ヘッドリフレクタ54の下部には、該ヘッドリフレクタ側の底部から光の反射方向であるレンズ側に向って略水平に、即ち車両の前後方向に延びる略円筒状のポジションガイド54bが一体形成されている。このポジションガイド54bは車両前方側に開口54eを有する。このポジションガイド54b及びヘッドリフレクタ54は、車両外方からレンズ52を透して見えている。
【0039】
上記ライトボディ51のポジションガイド54bに臨む部位には円筒状のバルブ装着部51gが該ポジションガイド54b内に入り込むように形成されている。上記ポジションバルブ60は、上記ポジションガイド54b内の軸線方向におけるヘッドリフレクタ側寄り端部、つまり上記開口54eの反対側に位置するよう上記バルブ装着部51gに着脱可能に装着されている。
【0040】
上記ポジションガイド54bは、車両正面から見たとき、ヘッドバルブ53の鉛直下方に位置するように配置され、上記ヘッドリフレクタ54と上下方向に並ぶように並列配置されている。またポジションガイド54bは、これの略上半部がヘッドリフレクタ54の輪郭の内方に位置している。
【0041】
上記ヘッドリフレクタ54の開口下縁54dと、上記ポジションガイド54bの前端部とは左,右のリブ54c,54cにより一体的に連結されている。この左,右のリブ54c,54cは、上方から見たとき、開口下縁54dから前側に行くほど車幅方向寸法が小さくなるよう傾斜しており、ポジションガイド54bの左,右側面に結合されている。
【0042】
上記ポジションガイド54bは、側方から見ると、ヘッドリフレクタ54より前方に突出して上記レンズ52の膨出部52c内に延びており、その開口54eはレンズ52の内面近傍に位置している。
【0043】
またポジションガイド54bの先端部54e′は、レンズ52の後端部である外周縁部52aより前方に位置し、かつライトボディ51の前縁であるレンズ開口51aより前方に位置し、さらにフロントカバー15のライト開口15dの下縁部15hより前方に位置している。
【0044】
上記ポジションガイド54bは、ヘッドリフレクタ側から開口54e側に行くほど小径となるようテーパ状に形成されている。
【0045】
上記ポジションガイド54bのヘッドバルブ53との並列方向(上下方向)と直角方向(車幅方向)におけるポジション幅寸法(第1寸法)w1は、ヘッドリフレクタ54の上記並列方向と直角方向におけるメイン幅寸法w2より小さく設定されている。
【0046】
またポジションガイド54bの上下方向におけるポジション縦寸法(第2寸法)h1は、ヘッドリフレクタ54のメイン縦寸法h2より小さく設定されている。
【0047】
さらに上記ポジションガイド54bのポジション幅寸法w1はポジション縦寸法h1より若干大きく設定されており、前方から見ると、幅広の楕円形状となっている。
【0048】
本実施形態によれば、ヘッドリフレクタ54に、該ヘッドリフレクタ54側から光の反射方向であるレンズ52側に向って延びる円筒状のポジションガイド54bを上下に並列配置し、該ポジションガイド54b内の上記開口54eの反対側、つまりメインリフレクタ側寄り端部にポジションバルブ60を配置し、上記ポジションガイド54bのポジション幅寸法w1をヘッドリフレクタ54のメイン幅寸法w2より小さくしたので、ポジションバルブ60は、ヘッドリフレクタ54より幅寸法の小さいポジションガイド54bにより囲まれることとなる。これにより車両前方からポジションバルブ60が見えにくくなり、見栄えの悪化を防止できる。
【0049】
本実施形態では、上記ポジションガイド54bの先端部54e′をヘッドリフレクタ54より前方に突出させたので、ポジションバルブ60は、ヘッドリフレクタ54からさらに前方に延びるポジションガイド54bにより囲まれることとなり、上記同様に車両前方からポジションバルブ60が見えにくく、見栄えの悪化を防止できる。
【0050】
本実施形態では、ヘッドリフレクタ54より小径のポジションガイド54bを該ヘッドリフレクタ54より前方に突出させたので、レンズ52を透して見ると、ポジションガイド54bが銃身,砲身の如く見え、力強い外観が得られる。
【0051】
本実施形態では、上記ポジションガイド54bの先端部54e′を、レンズ52の外周縁部52aより前方に位置させ、かつライトボディ51のレンズ開口51aより前方に位置させ、さらにフロントカバー15のライト開口15dの下縁部15hより前方に位置させたので、ポジションガイド54bが最も車体先端に位置することとなり、従来にはない新規な外観を得ることができる。
【0052】
上記ポジションガイド54bのポジション幅寸法w1をポジション縦寸法h1より大きくしたので、より一層新規な外観が得られる。
【0053】
本実施形態では、上記ポジションガイド54bをヘッドリフレクタ54に一体形成するとともに、該ポジションガイド54bの上半部をヘッドリフレクタ54に対して中心側に入り込むように形成したので、ポジションガイドを別部品により形成する場合に比べて部品点数を低減できるとともに、ヘッドリフレクタ54全体の剛性を高めることができる。またポジションガイド54bとヘッドバルブ53との上下間隔を短くすることができ、ヘッドリフレクタ54の小型化が可能となる。なお、ポジションガイド54bの全体がヘッドリフレクタ54の輪郭の内方に位置するようにしても良い。
【0054】
上記ポジションガイド54bを開口54e側に行くほど小径となるようテーパ状に形成したので、ヘッドリフレクタ54を樹脂成形する際の抜き勾配を確保できるとともに、より一層新規な外観が得られる。
【0055】
本実施形態では、上記ヘッドリフレクタ54の開口下縁54dと、上記ポジションガイド54bの前端部とを、前側に行くほど車幅方向寸法が小さくなるよう傾斜する左,右のリブ54c,54cにより一体的に連結したので、ヘッドリフレクタ54全体の剛性を高めることができる。
【0056】
なお、上記実施形態では、ポジションガイド54bを開口54e側に行くほど小径となるテーパ状をなすように形成したが、本発明では、例えば、図12に示すように、ポジションガイド54bを開口54e側に行くほど小径となるテーパ状とするとともに、先端部54e′をより小径となるように絞った構造としてもよい。このように構成した場合は、抜き勾配を確保できるとともに、より一層ポジションバルブが見え難くなり、見栄えの悪化をより確実に防止できる。
【0057】
上記実施形態では、ヘッドリフレクタ54の下部に円筒状のポジションガイド54bを一体形成した場合を説明したが、本発明のポジションガイドは、これに限られるものではなく、例えば、図13に示すものも採用できる。即ち、ヘッドリフレクタ54の下辺部54′の下方には、該下辺部54′に概ね沿うように円弧状のポジションガイド54b′が一体形成され、該ポジションガイド54b′の後端部にポジションバルブ60が配置されている。そしてポジションガイド54bのポジション幅寸法w1′は、ヘッドリフレクタ54のメイン幅寸法w2より小さく設定されている。また、該ポジションガイド54b′の上半部はヘッドリフレクタ54の輪郭に対してxだけ中心側に入り込んでいる。この場合にも、外方からポジションバルブ60が見えにくく、見栄えの悪化を防止できる。
【0058】
また、上記実施形態ではポジションガイドがヘッドリフレクタの下側に配設されている場合を示したが、このポジションガイド54bは、図14に示すように、ヘッドリフレクタ54の上側に配置してもよく、さらには左,右側部に配置しても良い。
【0059】
上記実施形態では、ヘッドリフレクタ54の開口下縁54dとポジションガイド54bの前端部とを、前側に行くほど幅狭となるよう傾斜する左,右のリブ54c,54cにより一体的に連結したが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、図15(a)に示すように、ヘッドリフレクタ54とポジションガイド54bの上縁部とを平板状のリブ54c′により一体的に連結してもよい。
【0060】
また、図15(b)に示すように、ヘッドリフレクタ54とポジションガイド54bの上縁部とを正面視円弧状のリブ54c′′により一体的に連結してもよい。この場合にも、ヘッドリフレクタ54の剛性を高めることができる。
【0061】
上記実施形態では、本発明を自動二輪車のヘッドライト装置に適用した場合を例に説明したが、本発明は、自動車等の車両のヘッドライト装置にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の一実施形態による車両用ヘッドライト装置が配設された自動二輪車の側面図である。
【図2】上記自動二輪車の正面図である。
【図3】上記ヘッドライト装置が配設されたフロントカバーの側面図である。
【図4】上記ヘッドライト装置が配設されたフロントカバーの正面図である。
【図5】上記ヘッドライト装置の正面図である。
【図6】上記ヘッドライト装置の側面図である。
【図7】上記ヘッドライト装置の断面図(図5のVII-VII 線断面図) である。
【図8】上記ヘッドライト装置の断面図(図5のVIII-VIII 線断面図) である。
【図9】上記ヘッドライト装置の取付け部の断面図(図5のIX-IX 線断面図) である。
【図10】上記ヘッドライト装置の取付け部の断面図(図5のX-X 線断面図) である。
【図11】上記ヘッドライト装置の取付け部の断面図(図5のXI-XI 線断面図) である。
【図12】上記実施形態のポジションガイドの変形例を示す断面図である。
【図13】上記実施形態のポジションガイドの他の変形例を示す正面図である。
【図14】上記実施形態のポジションガイドのさらに他の変形例を示す正面図である。
【図15】上記実施形態のポジションガイドのリブの変形例を示す図である。
【符号の説明】
【0063】
1 自動二輪車
15 フロントカバー
15h 下縁部(前縁)
26 ヘッドライト装置
51 ライトボディ
51a ライト開口(前縁)
52 レンズ
52a 外周縁部(後端部)
53 ヘッドバルブ(メインバルブ)
54 ヘッドリフレクタ(メインリフレクタ)
54b ポジションガイド
54c リブ
54d 前縁部
54e 開口
54e′ 先端部
60 ポジションバルブ
w1 ポジション幅寸法(第1寸法)
w2 メイン幅寸法(寸法)
h1 ポジション縦寸法(第2寸法)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ライトボディと、該ライトボディの開口を覆うレンズと、該ライトボディに取り付けられたメインバルブと、該メインバルブからの光を所定方向に反射させるメインリフレクタとを備えた車両用ヘッドライト装置において、
車両の前後方向に延びると共に、車両前方側に開口を有する大略筒状をなすポジションガイドが設けられ、該ポジションガイドは、車両正面から見たとき、上記メインリフレクタと所定の方向に並ぶように並列配置されるとともに、該ポジションガイドの上記所定の方向に対する直角方向の第1寸法が、上記メインリフレクタの同じ方向における寸法より小さくなるよう形成されており、上記ポジションガイド内の軸線方向における反開口側にポジションバルブが配置されていることを特徴とする車両用ヘッドライト装置。
【請求項2】
請求項1において、上記ポジションガイドは、上記第1寸法に対して、上記所定の方向における第2寸法の方が小さくなるように形成されていることを特徴とする車両用ヘッドライト装置。
【請求項3】
請求項1において、車両正面から見たとき、上記ポジションガイドの少なくとも一部は、上記メインリフレクタの輪郭の内方に位置することを特徴とする車両用ヘッドライト装置。
【請求項4】
請求項1において、上記ポジションガイドは、上記メインバルブの下方に配置されていることを特徴とする車両用ヘッドライト装置。
【請求項5】
請求項1において、上記ポジションガイドは、開口側にいくほど小径となる円筒状に形成されていることを特徴とする車両用ヘッドライト装置。
【請求項6】
請求項1において、上記ポジションガイドは、上記メインリフレクタと一体形成されていることを特徴とする車両用ヘッドライト装置。
【請求項7】
請求項6において、上方から見たとき、上記メインリフレクタの前縁と上記ポジションガイドとは、車両前側ほど車幅方向寸法が小さくなるよう傾斜するリブで一体的に連結されていることを特徴とする車両用ヘッドライト装置。
【請求項8】
ライトボディと、該ライトボディの開口を覆うレンズと、該ライトボディに取り付けられたメインバルブと、該メインバルブからの光を所定方向に反射させるメインリフレクタとを備えた車両用ヘッドライト装置において、
車両の前後方向に延びると共に、車両前方側に開口を有する大略筒状をなすポジションガイドが設けられ、該ポジションガイドは、上記メインリフレクタと並列配置されるとともに、該ポジションガイドの上記開口を有する先端部は、上記メインリフレクタより前方に突出しており、上記ポジションガイド内の軸線方向における反開口側にポジションバルブが配置されていることを特徴とする車両用ヘッドライト装置。
【請求項9】
請求項8において、上記ポジションガイドの先端部は、上記レンズの後縁より前方に突出していることを特徴とする車両用ヘッドライト装置。
【請求項10】
請求項8において、上記ポジションガイドの先端部は、上記ライトボディの前縁より前方に突出していることを特徴とする車両用ヘッドライト装置。
【請求項11】
請求項8において、上記ポジションガイドの先端部は、該ヘッドライト装置の周囲を囲むフロントカバーの前縁より前方に突出していることを特徴とする車両用ヘッドライト装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2007−280760(P2007−280760A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−105419(P2006−105419)
【出願日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【出願人】(000010076)ヤマハ発動機株式会社 (3,045)
【Fターム(参考)】