車両用ミラー装置
【課題】露出孔に対する透過部材の配置精度を高くする。
【解決手段】車両用ドアミラー装置10では、ターンランプ50がブラケット12、バイザリム16及びバイザカバー30に組付けられており、ターンランプ50のランプレンズ60の露出部60Aが下バイザカバー34の露出孔44によって露出されている。ここで、ランプレンズ60の係止孔64に下バイザカバー34の係止板46が挿入されると共に、ランプレンズ60の嵌入柱が下バイザカバー34の嵌入孔48に挿入されることで、ランプレンズ60が下バイザカバー34に位置決めされている。このため、露出孔44に対する露出部60Aの配置精度を高くでき、露出部60Aと露出孔44の周縁との間の隙間の見栄えを向上できる。
【解決手段】車両用ドアミラー装置10では、ターンランプ50がブラケット12、バイザリム16及びバイザカバー30に組付けられており、ターンランプ50のランプレンズ60の露出部60Aが下バイザカバー34の露出孔44によって露出されている。ここで、ランプレンズ60の係止孔64に下バイザカバー34の係止板46が挿入されると共に、ランプレンズ60の嵌入柱が下バイザカバー34の嵌入孔48に挿入されることで、ランプレンズ60が下バイザカバー34に位置決めされている。このため、露出孔44に対する露出部60Aの配置精度を高くでき、露出部60Aと露出孔44の周縁との間の隙間の見栄えを向上できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透過部材を光が透過する車両用ミラー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1のアウタミラーでは、ハウジング本体にハウジングカバーが組付けられると共に、ハウジングカバーに開口部が形成されており、開口部にターシグナルランプのレンズカバーが配置されている。
【0003】
しかしながら、このアウタミラーでは、ハウジング本体にレンズカバーが位置決めされている。このため、例えばハウジング本体に対するハウジングカバーの組付誤差によって、開口部に対するレンズカバーの配置精度が悪くなる可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−46037号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記事実を考慮し、露出孔に対する透過部材の配置精度を高くできる車両用ミラー装置を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の車両用ミラー装置は、車両のミラーの鏡面を露出させた状態で前記ミラーを収容する収容体と、前記収容体に組付けられると共に、露出孔が設けられ、前記ミラーの裏面側において前記収容体を被覆する被覆部材と、前記被覆部材に位置決めされ、前記露出孔から露出される透過部材と、前記透過部材の内側に配置され、発光した光が前記透過部材を透過する発光手段と、を備えている。
【0007】
請求項2に記載の車両用ミラー装置は、請求項1に記載の車両用ミラー装置において、前記収容体に前記透過部材が組付けられると共に、前記収容体に対する前記透過部材の組付位置を調整可能にされている。
【0008】
請求項3に記載の車両用ミラー装置は、請求項1又は請求項2に記載の車両用ミラー装置において、前記被覆部材に前記透過部材が組付けられている。
【0009】
請求項4に記載の車両用ミラー装置は、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の車両用ミラー装置において、前記収容体に前記被覆部材を組付ける際に前記収容体に対し前記被覆部材が回動されることで前記被覆部材に前記透過部材が位置決めされる。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の車両用ミラー装置では、収容体に被覆部材が組付けられており、収容体がミラーの鏡面を露出させた状態でミラーを収容すると共に、被覆部材がミラーの裏面側において収容体を被覆する。
【0011】
また、被覆部材に露出孔が設けられており、透過部材が露出孔から露出されている。さらに、透過部材の内側に発光手段が配置されており、発光手段が発光した光が透過部材を透過する。
【0012】
ここで、透過部材が被覆部材に位置決めされている。このため、仮に収容体に対する被覆部材の組付誤差が発生した場合でも、露出孔に対する透過部材の配置精度を高くできる。
【0013】
請求項2に記載の車両用ミラー装置では、収容体に透過部材が組付けられる。
【0014】
ここで、収容体に対する透過部材の組付位置を調整可能にされている。このため、被覆部材に透過部材を適切に位置決めすることができる。
【0015】
請求項3に記載の車両用ミラー装置では、被覆部材に透過部材が組付けられている。このため、被覆部材に対する透過部材のガタ付きを抑制できる。
【0016】
請求項4に記載の車両用ミラー装置では、収容体に被覆部材を組付ける際に、収容体に対し被覆部材が回動されることで、被覆部材に透過部材が位置決めされる。このため、被覆部材に透過部材を容易に位置決めすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態に係る車両用ドアミラー装置を示す車両後斜め上方から見た分解斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る車両用ドアミラー装置を示す車両前斜め上方から見た分解斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る車両用ドアミラー装置の主要部を示す車両前方から見た正面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る車両用ドアミラー装置の主要部を示す上方から見た平面図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る車両用ドアミラー装置を示す下方から見た断面図(図3の5−5線断面図)である。
【図6】本発明の実施の形態に係る車両用ドアミラー装置を示す上方から見た断面図(図3の6−6線断面図)である。
【図7】本発明の実施の形態に係る車両用ドアミラー装置を示す斜め上方から見た断面図(図3の7−7線断面図)である。
【図8】本発明の実施の形態に係る車両用ドアミラー装置を示す車幅方向外方から見た断面図(図3の8−8線断面図)である。
【図9】本発明の実施の形態に係る車両用ドアミラー装置を示す下方から見た断面図(図3の9−9線断面図)である。
【図10】本発明の実施の形態に係る車両用ドアミラー装置を示す車両斜め前方から見た断面図(図4の10−10線断面図)である。
【図11】本発明の実施の形態に係る車両用ドアミラー装置を示す車幅方向外方から見た断面図(図3の11−11線断面図)である。
【図12】本発明の実施の形態に係る車両用ドアミラー装置を示す車幅方向外方から見た断面図(図3の12−12線断面図)である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1には、本発明の車両用ミラー装置が適用された実施の形態に係る車両用ドアミラー装置10が車両後斜め上方から見た分解斜視図にて示されており、図2には、車両用ドアミラー装置10が車両前斜め上方から見た分解斜視図にて示されている。さらに、図3には、車両用ドアミラー装置10の主要部が車両前方から見た正面図にて示されており、図4には、車両用ドアミラー装置10の主要部が上方から見た平面図にて示されている。なお、図面では、車両前方を矢印FRで示し、車幅方向外方(車両右方)を矢印OUTで示し、上方を矢印UPで示す。
【0019】
本実施の形態に係る車両用ドアミラー装置10は、車両のドア(図示省略)の車両前側端部の上下方向中間部における外部に設けられている。
【0020】
図1〜図4に示す如く、車両用ドアミラー装置10は、収容体を構成する支持部材としての樹脂製で略板状のブラケット12を備えており、ブラケット12は、車幅方向内側部分において、格納機構(図示省略)に固定されている。格納機構は、車両のドアに支持されており、これにより、車両用ドアミラー装置10が車両のドアに支持されている。
【0021】
ブラケット12の車両後側には、調整機構(図示省略)が固定されており、調整機構の車両後側には、略矩形板状のミラー14が裏面側部分において着脱可能に組付けられている。ミラー14の鏡面14A(表面)は、車両後側に向けられており、これにより、車両の乗員(運転手等)がミラー14によって車両の後側を視認可能にされている。
【0022】
また、格納機構が作動されることで、ブラケット12と共にミラー14が車幅方向内側部分を中心として車両前後方向へ回動される。このため、ミラー14が車両後側かつ車幅方向内側へ回動されることで、ミラー14が格納される。また、格納されたミラー14が車両前側かつ車幅方向外側へ回動されることで、ミラー14が起立(復帰)される。
【0023】
さらに、調整機構が作動されることで、ブラケット12に対しミラー14が傾動される。このため、ミラー14の鏡面14Aの角度が調整される。
【0024】
ブラケット12の車両後側には、収容体及び意匠部材を構成する収容部材としての樹脂製のバイザリム16が設けられており、バイザリム16は、ブラケット12に比し剛性が低くされている。
【0025】
バイザリム16には、収容部としての略矩形筒状の収容筒18が設けられており、収容筒18の車両前側端には、貫通部としての枠板状の底壁20が一体に設けられている。底壁20は、組付手段としての複数のスクリュー22A、22B、22C、22Dによってブラケット12に締結(固定)されており、これにより、バイザリム16がブラケット12に組付けられている。底壁20内には、調整機構が貫通されており、収容筒18内には、ミラー14が収容されている。
【0026】
収容筒18の外周全体には、嵌合部としての断面略J字形湾曲板状の周壁24が一体に設けられており、周壁24は、収容筒18の車両後側端から車両前側へ延出されている。
【0027】
バイザリム16の車幅方向外側端部には、被係合部としてのU字形板状の被係合板26が一体に設けられており、被係合板26は、周壁24と一体にされると共に、内部が車両前側に開放されている(図6参照)。バイザリム16の車幅方向外側端部には、U字形板状の被引掛板28が一対一体に設けられており、被引掛板28内は、車両前側に開放されている(図6及び図7参照)。上側の被引掛板28は、被係合板26と収容筒18との間に掛渡されており、下側の被引掛板28は、収容筒18と周壁24との間に掛渡されている。
【0028】
ブラケット12の車両前側には、意匠部材を構成する被覆部材としての樹脂製で略板状のバイザカバー30が設けられており、バイザカバー30は、ブラケット12に比し剛性が低くされると共に、車両前側に凸状に湾曲されている。
【0029】
バイザカバー30は、上側の第1被覆部材としての上バイザカバー32と下側の第2被覆部材としての下バイザカバー34とによって構成されている。上バイザカバー32の下端部の内側面には、係合手段を構成する係合爪36が所定数(本実施の形態では2個)一体に設けられており、下バイザカバー34の上端部には、係合手段を構成する係合孔38が所定数(本実施の形態では2個)貫通形成されている。係合爪36は一時的な弾性変形により係合孔38に係合されると共に、上バイザカバー32の下端部と下バイザカバー34の上端部とは重合された状態で嵌合されており、これにより、上バイザカバー32と下バイザカバー34とが組合わされている。
【0030】
バイザカバー30の内側面には、固定部としての円筒状の組付筒40が複数(本実施の形態では上バイザカバー32に3個かつ下バイザカバー34に1個)一体に設けられており、組付筒40は、バイザカバー30の内側面から車両後側へ突出されている。
【0031】
上バイザカバー32は、各組付筒40において、スクリュー22C、22Dによってブラケット12にバイザリム16と共に締結(固定)されると共に、組付手段としてのスクリュー22Eによってバイザリム16の底壁20に締結(固定)されている。さらに、下バイザカバー34は、組付筒40において、スクリュー22Aによってブラケット12に締結(固定)されている。
【0032】
これにより、バイザカバー30がブラケット12及びバイザリム16に組付けられており、バイザカバー30の外周の略全体は、バイザリム16の周壁24に重合された状態で嵌合されている。
【0033】
下バイザカバー34の上端部の車幅方向外側端には、係合部としてのU字形板状の係合板42が一体に設けられており、係合板42内は車両後側に開放されている。係合板42は、バイザリム16の被係合板26に係合されており、係合板42内に被係合板26が挿入されると共に、係合板42が被係合板26内に挿入されている(図6参照)。
【0034】
下バイザカバー34の車幅方向外側部分には、長尺三角形状の露出孔44が貫通形成されており、露出孔44は、車幅方向外側に開放されている。
【0035】
下バイザカバー34の上端部の内側面には、車幅方向外側部分において、位置決め手段を構成する第1位置決め部としての略三角形板状(例えば台形板状)の係止板46が一体に設けられており、係止板46は、下バイザカバー34から車両後側へ突出されている(図6、図8及び図9参照)。さらに、下バイザカバー34の上端部には、車幅方向中間部分において、位置決め手段を構成する第2位置決め部としての円状の嵌入孔48が貫通形成されている(図5及び図10参照)。
【0036】
ブラケット12とバイザカバー30との間には、発光機構としてのターンランプ50が設けられている。
【0037】
ターンランプ50には、車両後側部分において、本体部材としての樹脂製で断面略U字形長尺板状のランプボディ52が設けられており、ランプボディ52は、バイザリム16及びバイザカバー30に比し剛性が高くされている。
【0038】
ランプボディ52の上部及び下部には、それぞれ組付部としての平板状の組付板54が一体に設けられており、組付板54には、調整手段としての円状の調整孔56が貫通形成されている。
【0039】
上側の組付板54の調整孔56には、スクリュー22Eが貫通されており、上側の組付板54は、バイザリム16の底壁20と上バイザカバー32の組付筒40との間に挟持されて、バイザリム16及び上バイザカバー32に組付けられている(図11参照)。下側の組付板54の調整孔56には、スクリュー22Aが貫通されており、下側の組付板54は、ブラケット12と下バイザカバー34の組付筒40との間に挟持されて、ブラケット12、バイザリム16及び下バイザカバー34に組付けられている(図12参照)。これにより、ターンランプ50がブラケット12、バイザリム16及びバイザカバー30に組付けられている。
【0040】
上側の組付板54の調整孔56は、スクリュー22Eの貫通部分の径に比し大きくされており、上側の組付板54のスクリュー22Eに対する位置は調整可能にされている。下側の組付板54の調整孔56は、スクリュー22Aの貫通部分の径に比し大きくされており、下側の組付板54のスクリュー22Aに対する位置は調整可能にされている。これにより、ターンランプ50のブラケット12、バイザリム16及びバイザカバー30に対する位置が調整可能にされている。
【0041】
ランプボディ52の車幅方向外側端部には、上部及び下部において、U字形板状の引掛板58が一体に設けられており、引掛板58内は、車両後側に開放されている。引掛板58は、バイザリム16の被引掛板28に引掛けられており、引掛板58内に被引掛板28が挿入されると共に、引掛板58が被引掛板28内に挿入されている(図6及び図7参照)。
【0042】
ランプボディ52の車両前側には、意匠部材を構成する透過部材としての樹脂製で断面略U字形長尺板状のランプレンズ60が設けられており、ランプレンズ60は、ランプボディ52及びブラケット12に比し、剛性が低くされている。ランプレンズ60の全周は、ランプボディ52の全周に溶着されており、これにより、ランプレンズ60がランプボディ52に固定されている。また、ランプレンズ60は、透明材によって構成されて、光を透過可能にされている。
【0043】
ランプレンズ60の上端部には、車幅方向外側部分において、略矩形板状の被係止板62が一体に設けられており、被係止板62には、位置決め手段を構成する第1被位置決め部としての長尺の係止孔64が貫通形成されている(図6、図8及び図9参照)。さらに、ランプレンズ60の上端部には、車幅方向内側端部において、長尺板状の設置板66が一体に設けられており、設置板66には、位置決め手段を構成する第2被位置決め部としての略円柱状の嵌入柱68が一体に設けられている(図5及び図10参照)。嵌入柱68は、設置板66からバイザリム16の被係合板26を中心とした円の接線方向に突出されており、嵌入柱68の先端面は、半球面状に湾曲されている。
【0044】
被係止板62の係止孔64には、下バイザカバー34の係止板46が挿入されており、係止孔64には、係止板46が上下方向において嵌合されている(図6、図8及び図9参照)。さらに、設置板66の嵌入柱68は、下バイザカバー34の嵌入孔48に挿入されており、嵌入柱68は、嵌入孔48に全周において嵌合されている。このため、嵌入柱68の嵌入孔48への挿入によって下バイザカバー34に対するランプレンズ60の上下方向及び車幅方向両側へのスライドが係止されると共に、係止孔64への係止板46の挿入によって下バイザカバー34に対するランプレンズ60の嵌入柱68を中心とした周方向両側への回転が係止される。これにより、ターンランプ50が、ランプレンズ60において、下バイザカバー34に位置決めされている。
【0045】
ランプレンズ60には、正面視長尺三角形状かつ断面略U字状の露出部60Aが形成されており、露出部60Aは、ランプレンズ60の他の部分に対し、車両前側に突出されている。露出部60Aは、下バイザカバー34の露出孔44内に挿入されて、下バイザカバー34外に露出されており、露出部60Aと露出孔44の周縁全体との間には、隙間が形成されている(図5、図7、図8、図11及び図12参照)。
【0046】
ターンランプ50内には、ランプボディ52とランプレンズ60との間において、発光手段としてのランプ(図示省略)が設けられており、ランプは、ランプボディ52に保持されている。ターンランプ50の配線(ランプの配線)は、ブラケット12を通過されて、車両の制御装置(図示省略)に電気的に接続されており、車両の進行方向を乗員が変更する際等に、乗員が所定の操作を行うことで、制御装置の制御によりランプが光を点滅発光する。このため、ランプが発光した光がランプレンズ60を透過されてランプレンズ60外へ放射されることで、ターンランプ50(ランプレンズ60の露出部60A)が点滅点灯される。
【0047】
次に、本実施の形態の作用を説明する。
【0048】
以上の構成の車両用ドアミラー装置10では、ブラケット12、バイザリム16(底壁20)及びバイザカバー30(上バイザカバー32及び下バイザカバー34の組付筒40)がスクリュー22A、22B、22C、22D、22Eによって組付けられている。
【0049】
また、ターンランプ50(ランプボディ52の一対の組付板54)がスクリュー22A、22Eによってブラケット12、バイザリム16(底壁20)及びバイザカバー30(上バイザカバー32及び下バイザカバー34の組付筒40)に組付けられている。
【0050】
さらに、ターンランプ50のランプレンズ60の露出部60Aが、下バイザカバー34の露出孔44によって露出されており、露出部60Aと露出孔44の周縁全体との間には、隙間が形成されている。
【0051】
ここで、ランプレンズ60(被係止板62)の係止孔64に下バイザカバー34の係止板46が挿入されると共に、ランプレンズ60(設置板66)の嵌入柱68が下バイザカバー34の嵌入孔48に挿入されることで、ランプレンズ60が下バイザカバー34に位置決めされている。
【0052】
このため、仮に、ブラケット12及びバイザリム16に対する下バイザカバー34の組付誤差が発生した場合やランプボディ52に対するランプレンズ60の固定誤差が発生した場合でも、下バイザカバー34の露出孔44に対するランプレンズ60の露出部60Aの配置精度を高くできる。これにより、露出部60Aと露出孔44の周縁全体との間の隙間の幅寸法を当該隙間の長手方向全体において均一にでき、当該隙間の見栄えを向上させることができる。
【0053】
さらに、ランプボディ52の各組付板54の調整孔56は、それぞれスクリュー22A、22Eの貫通部分の径に比し大きくされており、各組付板54のスクリュー22A、22Eに対する位置が調整可能にされて、ターンランプ50(ランプボディ52及びランプレンズ60)のブラケット12及びバイザリム16に対する組付位置が調整可能にされている。
【0054】
このため、仮に、ブラケット12及びバイザリム16に対する下バイザカバー34の組付誤差が発生した場合やランプボディ52に対するランプレンズ60の固定誤差が発生した場合でも、ターンランプ50(ランプボディ52及びランプレンズ60)のブラケット12及びバイザリム16に対する組付位置を調整することで、ランプレンズ60(被係止板62)の係止孔64に下バイザカバー34の係止板46を適切に挿入できると共に、ランプレンズ60(設置板66)の嵌入柱68を下バイザカバー34の嵌入孔48に適切に挿入できる。これにより、ランプレンズ60を下バイザカバー34に適切に位置決めすることができる。
【0055】
しかも、上述の如く、ターンランプ50が比較的剛性が低いバイザカバー30のみならずブラケット12及びバイザリム16にも組付けられている。このため、ターンランプ50がバイザカバー30のみに組付けられる場合と異なり、ターンランプ50のバイザカバー30への組付けによってバイザカバー30が変形することを抑制できると共に、ターンランプ50やバイザカバー30への衝撃等によるターンランプ50のバイザカバー30に対する位置ズレを抑制できる。これにより、ランプレンズ60の下バイザカバー34への位置決め精度を高くでき、下バイザカバー34の露出孔44に対するランプレンズ60の露出部60Aの配置精度を一層高くできる。
【0056】
さらに、上述の如く、ターンランプ50がバイザカバー30に組付けられている。このため、ターンランプ50のバイザカバー30に対するガタ付きを抑制できる。
【0057】
また、下バイザカバー34の係止板46が略三角形板状にされている。さらに、ランプレンズ60(設置板66)の嵌入柱68が、軸方向をバイザリム16の被係合板26を中心とした円の接線方向にされると共に、先端面を半球面状に湾曲されている。このため、組合わせ状態のブラケット12、バイザリム16及びターンランプ50に下バイザカバー34を組合わせる際には、下バイザカバー34の係合板42をバイザリム16の被係合板26に係合させた状態で被係合板26を中心として下バイザカバー34を回動させることで、下バイザカバー34の係止板46がランプレンズ60(被係止板62)の係止孔64に挿入される(図9の2点鎖線参照)と共に、ランプレンズ60(設置板66)の嵌入柱68が下バイザカバー34の嵌入孔48に挿入される(図10の2点鎖線参照)。このため、ランプレンズ60を下バイザカバー34に容易に位置決めすることができる。
【0058】
さらに、上述の如く、ターンランプ50がブラケット12に組付けられている。このため、ターンランプ50が組付けられたバイザカバー30がブラケット12に組付けられる場合と異なり、バイザカバー30をブラケット12に組付ける際に、ターンランプ50をブラケット12に対し移動させる必要がない。これにより、ターンランプ50のブラケット12に対する移動を許容するためにターンランプ50のブラケット12との間における配線の長さを長くする必要をなくすことができる。したがって、ターンランプ50がブラケット12に組付けられた際にターンランプ50のブラケット12との間における配線に弛みが発生することを抑制でき、例えば車両の走行時に当該配線の振動により異音が発生することを抑制できる。
【0059】
なお、本実施の形態では、ターンランプ50をブラケット12及びバイザリム16に組付けた。しかしながら、ターンランプ50をブラケット12及びバイザリム16の一方に組付けてもよい。
【0060】
また、本実施の形態では、バイザカバー30をブラケット12及びバイザリム16に組付けた。しかしながら、バイザカバー30をブラケット12及びバイザリム16の一方に組付けてもよい。
【0061】
さらに、本実施の形態では、バイザカバー30を上バイザカバー32及び下バイザカバー34によって構成した。しかしながら、バイザカバー30を一体部品により構成してもよい。
【0062】
また、本実施の形態では、本発明の車両用ミラー装置を車両用ドアミラー装置10に適用した。しかしながら、本発明の車両用ミラー装置を車両外部の他の車両用アウタミラー装置(例えば車両用フェンダミラー装置)又は車両内部の車両用インナミラー装置に適用してもよい。
【符号の説明】
【0063】
10 車両用ドアミラー装置(車両用ミラー装置)
12 ブラケット(収容体)
16 バイザリム(収容体)
14 ミラー
14A 鏡面
30 バイザカバー(被覆部材)
44 露出孔
60 ランプレンズ(透過部材)
【技術分野】
【0001】
本発明は、透過部材を光が透過する車両用ミラー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1のアウタミラーでは、ハウジング本体にハウジングカバーが組付けられると共に、ハウジングカバーに開口部が形成されており、開口部にターシグナルランプのレンズカバーが配置されている。
【0003】
しかしながら、このアウタミラーでは、ハウジング本体にレンズカバーが位置決めされている。このため、例えばハウジング本体に対するハウジングカバーの組付誤差によって、開口部に対するレンズカバーの配置精度が悪くなる可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−46037号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記事実を考慮し、露出孔に対する透過部材の配置精度を高くできる車両用ミラー装置を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の車両用ミラー装置は、車両のミラーの鏡面を露出させた状態で前記ミラーを収容する収容体と、前記収容体に組付けられると共に、露出孔が設けられ、前記ミラーの裏面側において前記収容体を被覆する被覆部材と、前記被覆部材に位置決めされ、前記露出孔から露出される透過部材と、前記透過部材の内側に配置され、発光した光が前記透過部材を透過する発光手段と、を備えている。
【0007】
請求項2に記載の車両用ミラー装置は、請求項1に記載の車両用ミラー装置において、前記収容体に前記透過部材が組付けられると共に、前記収容体に対する前記透過部材の組付位置を調整可能にされている。
【0008】
請求項3に記載の車両用ミラー装置は、請求項1又は請求項2に記載の車両用ミラー装置において、前記被覆部材に前記透過部材が組付けられている。
【0009】
請求項4に記載の車両用ミラー装置は、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の車両用ミラー装置において、前記収容体に前記被覆部材を組付ける際に前記収容体に対し前記被覆部材が回動されることで前記被覆部材に前記透過部材が位置決めされる。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の車両用ミラー装置では、収容体に被覆部材が組付けられており、収容体がミラーの鏡面を露出させた状態でミラーを収容すると共に、被覆部材がミラーの裏面側において収容体を被覆する。
【0011】
また、被覆部材に露出孔が設けられており、透過部材が露出孔から露出されている。さらに、透過部材の内側に発光手段が配置されており、発光手段が発光した光が透過部材を透過する。
【0012】
ここで、透過部材が被覆部材に位置決めされている。このため、仮に収容体に対する被覆部材の組付誤差が発生した場合でも、露出孔に対する透過部材の配置精度を高くできる。
【0013】
請求項2に記載の車両用ミラー装置では、収容体に透過部材が組付けられる。
【0014】
ここで、収容体に対する透過部材の組付位置を調整可能にされている。このため、被覆部材に透過部材を適切に位置決めすることができる。
【0015】
請求項3に記載の車両用ミラー装置では、被覆部材に透過部材が組付けられている。このため、被覆部材に対する透過部材のガタ付きを抑制できる。
【0016】
請求項4に記載の車両用ミラー装置では、収容体に被覆部材を組付ける際に、収容体に対し被覆部材が回動されることで、被覆部材に透過部材が位置決めされる。このため、被覆部材に透過部材を容易に位置決めすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態に係る車両用ドアミラー装置を示す車両後斜め上方から見た分解斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る車両用ドアミラー装置を示す車両前斜め上方から見た分解斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る車両用ドアミラー装置の主要部を示す車両前方から見た正面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る車両用ドアミラー装置の主要部を示す上方から見た平面図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る車両用ドアミラー装置を示す下方から見た断面図(図3の5−5線断面図)である。
【図6】本発明の実施の形態に係る車両用ドアミラー装置を示す上方から見た断面図(図3の6−6線断面図)である。
【図7】本発明の実施の形態に係る車両用ドアミラー装置を示す斜め上方から見た断面図(図3の7−7線断面図)である。
【図8】本発明の実施の形態に係る車両用ドアミラー装置を示す車幅方向外方から見た断面図(図3の8−8線断面図)である。
【図9】本発明の実施の形態に係る車両用ドアミラー装置を示す下方から見た断面図(図3の9−9線断面図)である。
【図10】本発明の実施の形態に係る車両用ドアミラー装置を示す車両斜め前方から見た断面図(図4の10−10線断面図)である。
【図11】本発明の実施の形態に係る車両用ドアミラー装置を示す車幅方向外方から見た断面図(図3の11−11線断面図)である。
【図12】本発明の実施の形態に係る車両用ドアミラー装置を示す車幅方向外方から見た断面図(図3の12−12線断面図)である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1には、本発明の車両用ミラー装置が適用された実施の形態に係る車両用ドアミラー装置10が車両後斜め上方から見た分解斜視図にて示されており、図2には、車両用ドアミラー装置10が車両前斜め上方から見た分解斜視図にて示されている。さらに、図3には、車両用ドアミラー装置10の主要部が車両前方から見た正面図にて示されており、図4には、車両用ドアミラー装置10の主要部が上方から見た平面図にて示されている。なお、図面では、車両前方を矢印FRで示し、車幅方向外方(車両右方)を矢印OUTで示し、上方を矢印UPで示す。
【0019】
本実施の形態に係る車両用ドアミラー装置10は、車両のドア(図示省略)の車両前側端部の上下方向中間部における外部に設けられている。
【0020】
図1〜図4に示す如く、車両用ドアミラー装置10は、収容体を構成する支持部材としての樹脂製で略板状のブラケット12を備えており、ブラケット12は、車幅方向内側部分において、格納機構(図示省略)に固定されている。格納機構は、車両のドアに支持されており、これにより、車両用ドアミラー装置10が車両のドアに支持されている。
【0021】
ブラケット12の車両後側には、調整機構(図示省略)が固定されており、調整機構の車両後側には、略矩形板状のミラー14が裏面側部分において着脱可能に組付けられている。ミラー14の鏡面14A(表面)は、車両後側に向けられており、これにより、車両の乗員(運転手等)がミラー14によって車両の後側を視認可能にされている。
【0022】
また、格納機構が作動されることで、ブラケット12と共にミラー14が車幅方向内側部分を中心として車両前後方向へ回動される。このため、ミラー14が車両後側かつ車幅方向内側へ回動されることで、ミラー14が格納される。また、格納されたミラー14が車両前側かつ車幅方向外側へ回動されることで、ミラー14が起立(復帰)される。
【0023】
さらに、調整機構が作動されることで、ブラケット12に対しミラー14が傾動される。このため、ミラー14の鏡面14Aの角度が調整される。
【0024】
ブラケット12の車両後側には、収容体及び意匠部材を構成する収容部材としての樹脂製のバイザリム16が設けられており、バイザリム16は、ブラケット12に比し剛性が低くされている。
【0025】
バイザリム16には、収容部としての略矩形筒状の収容筒18が設けられており、収容筒18の車両前側端には、貫通部としての枠板状の底壁20が一体に設けられている。底壁20は、組付手段としての複数のスクリュー22A、22B、22C、22Dによってブラケット12に締結(固定)されており、これにより、バイザリム16がブラケット12に組付けられている。底壁20内には、調整機構が貫通されており、収容筒18内には、ミラー14が収容されている。
【0026】
収容筒18の外周全体には、嵌合部としての断面略J字形湾曲板状の周壁24が一体に設けられており、周壁24は、収容筒18の車両後側端から車両前側へ延出されている。
【0027】
バイザリム16の車幅方向外側端部には、被係合部としてのU字形板状の被係合板26が一体に設けられており、被係合板26は、周壁24と一体にされると共に、内部が車両前側に開放されている(図6参照)。バイザリム16の車幅方向外側端部には、U字形板状の被引掛板28が一対一体に設けられており、被引掛板28内は、車両前側に開放されている(図6及び図7参照)。上側の被引掛板28は、被係合板26と収容筒18との間に掛渡されており、下側の被引掛板28は、収容筒18と周壁24との間に掛渡されている。
【0028】
ブラケット12の車両前側には、意匠部材を構成する被覆部材としての樹脂製で略板状のバイザカバー30が設けられており、バイザカバー30は、ブラケット12に比し剛性が低くされると共に、車両前側に凸状に湾曲されている。
【0029】
バイザカバー30は、上側の第1被覆部材としての上バイザカバー32と下側の第2被覆部材としての下バイザカバー34とによって構成されている。上バイザカバー32の下端部の内側面には、係合手段を構成する係合爪36が所定数(本実施の形態では2個)一体に設けられており、下バイザカバー34の上端部には、係合手段を構成する係合孔38が所定数(本実施の形態では2個)貫通形成されている。係合爪36は一時的な弾性変形により係合孔38に係合されると共に、上バイザカバー32の下端部と下バイザカバー34の上端部とは重合された状態で嵌合されており、これにより、上バイザカバー32と下バイザカバー34とが組合わされている。
【0030】
バイザカバー30の内側面には、固定部としての円筒状の組付筒40が複数(本実施の形態では上バイザカバー32に3個かつ下バイザカバー34に1個)一体に設けられており、組付筒40は、バイザカバー30の内側面から車両後側へ突出されている。
【0031】
上バイザカバー32は、各組付筒40において、スクリュー22C、22Dによってブラケット12にバイザリム16と共に締結(固定)されると共に、組付手段としてのスクリュー22Eによってバイザリム16の底壁20に締結(固定)されている。さらに、下バイザカバー34は、組付筒40において、スクリュー22Aによってブラケット12に締結(固定)されている。
【0032】
これにより、バイザカバー30がブラケット12及びバイザリム16に組付けられており、バイザカバー30の外周の略全体は、バイザリム16の周壁24に重合された状態で嵌合されている。
【0033】
下バイザカバー34の上端部の車幅方向外側端には、係合部としてのU字形板状の係合板42が一体に設けられており、係合板42内は車両後側に開放されている。係合板42は、バイザリム16の被係合板26に係合されており、係合板42内に被係合板26が挿入されると共に、係合板42が被係合板26内に挿入されている(図6参照)。
【0034】
下バイザカバー34の車幅方向外側部分には、長尺三角形状の露出孔44が貫通形成されており、露出孔44は、車幅方向外側に開放されている。
【0035】
下バイザカバー34の上端部の内側面には、車幅方向外側部分において、位置決め手段を構成する第1位置決め部としての略三角形板状(例えば台形板状)の係止板46が一体に設けられており、係止板46は、下バイザカバー34から車両後側へ突出されている(図6、図8及び図9参照)。さらに、下バイザカバー34の上端部には、車幅方向中間部分において、位置決め手段を構成する第2位置決め部としての円状の嵌入孔48が貫通形成されている(図5及び図10参照)。
【0036】
ブラケット12とバイザカバー30との間には、発光機構としてのターンランプ50が設けられている。
【0037】
ターンランプ50には、車両後側部分において、本体部材としての樹脂製で断面略U字形長尺板状のランプボディ52が設けられており、ランプボディ52は、バイザリム16及びバイザカバー30に比し剛性が高くされている。
【0038】
ランプボディ52の上部及び下部には、それぞれ組付部としての平板状の組付板54が一体に設けられており、組付板54には、調整手段としての円状の調整孔56が貫通形成されている。
【0039】
上側の組付板54の調整孔56には、スクリュー22Eが貫通されており、上側の組付板54は、バイザリム16の底壁20と上バイザカバー32の組付筒40との間に挟持されて、バイザリム16及び上バイザカバー32に組付けられている(図11参照)。下側の組付板54の調整孔56には、スクリュー22Aが貫通されており、下側の組付板54は、ブラケット12と下バイザカバー34の組付筒40との間に挟持されて、ブラケット12、バイザリム16及び下バイザカバー34に組付けられている(図12参照)。これにより、ターンランプ50がブラケット12、バイザリム16及びバイザカバー30に組付けられている。
【0040】
上側の組付板54の調整孔56は、スクリュー22Eの貫通部分の径に比し大きくされており、上側の組付板54のスクリュー22Eに対する位置は調整可能にされている。下側の組付板54の調整孔56は、スクリュー22Aの貫通部分の径に比し大きくされており、下側の組付板54のスクリュー22Aに対する位置は調整可能にされている。これにより、ターンランプ50のブラケット12、バイザリム16及びバイザカバー30に対する位置が調整可能にされている。
【0041】
ランプボディ52の車幅方向外側端部には、上部及び下部において、U字形板状の引掛板58が一体に設けられており、引掛板58内は、車両後側に開放されている。引掛板58は、バイザリム16の被引掛板28に引掛けられており、引掛板58内に被引掛板28が挿入されると共に、引掛板58が被引掛板28内に挿入されている(図6及び図7参照)。
【0042】
ランプボディ52の車両前側には、意匠部材を構成する透過部材としての樹脂製で断面略U字形長尺板状のランプレンズ60が設けられており、ランプレンズ60は、ランプボディ52及びブラケット12に比し、剛性が低くされている。ランプレンズ60の全周は、ランプボディ52の全周に溶着されており、これにより、ランプレンズ60がランプボディ52に固定されている。また、ランプレンズ60は、透明材によって構成されて、光を透過可能にされている。
【0043】
ランプレンズ60の上端部には、車幅方向外側部分において、略矩形板状の被係止板62が一体に設けられており、被係止板62には、位置決め手段を構成する第1被位置決め部としての長尺の係止孔64が貫通形成されている(図6、図8及び図9参照)。さらに、ランプレンズ60の上端部には、車幅方向内側端部において、長尺板状の設置板66が一体に設けられており、設置板66には、位置決め手段を構成する第2被位置決め部としての略円柱状の嵌入柱68が一体に設けられている(図5及び図10参照)。嵌入柱68は、設置板66からバイザリム16の被係合板26を中心とした円の接線方向に突出されており、嵌入柱68の先端面は、半球面状に湾曲されている。
【0044】
被係止板62の係止孔64には、下バイザカバー34の係止板46が挿入されており、係止孔64には、係止板46が上下方向において嵌合されている(図6、図8及び図9参照)。さらに、設置板66の嵌入柱68は、下バイザカバー34の嵌入孔48に挿入されており、嵌入柱68は、嵌入孔48に全周において嵌合されている。このため、嵌入柱68の嵌入孔48への挿入によって下バイザカバー34に対するランプレンズ60の上下方向及び車幅方向両側へのスライドが係止されると共に、係止孔64への係止板46の挿入によって下バイザカバー34に対するランプレンズ60の嵌入柱68を中心とした周方向両側への回転が係止される。これにより、ターンランプ50が、ランプレンズ60において、下バイザカバー34に位置決めされている。
【0045】
ランプレンズ60には、正面視長尺三角形状かつ断面略U字状の露出部60Aが形成されており、露出部60Aは、ランプレンズ60の他の部分に対し、車両前側に突出されている。露出部60Aは、下バイザカバー34の露出孔44内に挿入されて、下バイザカバー34外に露出されており、露出部60Aと露出孔44の周縁全体との間には、隙間が形成されている(図5、図7、図8、図11及び図12参照)。
【0046】
ターンランプ50内には、ランプボディ52とランプレンズ60との間において、発光手段としてのランプ(図示省略)が設けられており、ランプは、ランプボディ52に保持されている。ターンランプ50の配線(ランプの配線)は、ブラケット12を通過されて、車両の制御装置(図示省略)に電気的に接続されており、車両の進行方向を乗員が変更する際等に、乗員が所定の操作を行うことで、制御装置の制御によりランプが光を点滅発光する。このため、ランプが発光した光がランプレンズ60を透過されてランプレンズ60外へ放射されることで、ターンランプ50(ランプレンズ60の露出部60A)が点滅点灯される。
【0047】
次に、本実施の形態の作用を説明する。
【0048】
以上の構成の車両用ドアミラー装置10では、ブラケット12、バイザリム16(底壁20)及びバイザカバー30(上バイザカバー32及び下バイザカバー34の組付筒40)がスクリュー22A、22B、22C、22D、22Eによって組付けられている。
【0049】
また、ターンランプ50(ランプボディ52の一対の組付板54)がスクリュー22A、22Eによってブラケット12、バイザリム16(底壁20)及びバイザカバー30(上バイザカバー32及び下バイザカバー34の組付筒40)に組付けられている。
【0050】
さらに、ターンランプ50のランプレンズ60の露出部60Aが、下バイザカバー34の露出孔44によって露出されており、露出部60Aと露出孔44の周縁全体との間には、隙間が形成されている。
【0051】
ここで、ランプレンズ60(被係止板62)の係止孔64に下バイザカバー34の係止板46が挿入されると共に、ランプレンズ60(設置板66)の嵌入柱68が下バイザカバー34の嵌入孔48に挿入されることで、ランプレンズ60が下バイザカバー34に位置決めされている。
【0052】
このため、仮に、ブラケット12及びバイザリム16に対する下バイザカバー34の組付誤差が発生した場合やランプボディ52に対するランプレンズ60の固定誤差が発生した場合でも、下バイザカバー34の露出孔44に対するランプレンズ60の露出部60Aの配置精度を高くできる。これにより、露出部60Aと露出孔44の周縁全体との間の隙間の幅寸法を当該隙間の長手方向全体において均一にでき、当該隙間の見栄えを向上させることができる。
【0053】
さらに、ランプボディ52の各組付板54の調整孔56は、それぞれスクリュー22A、22Eの貫通部分の径に比し大きくされており、各組付板54のスクリュー22A、22Eに対する位置が調整可能にされて、ターンランプ50(ランプボディ52及びランプレンズ60)のブラケット12及びバイザリム16に対する組付位置が調整可能にされている。
【0054】
このため、仮に、ブラケット12及びバイザリム16に対する下バイザカバー34の組付誤差が発生した場合やランプボディ52に対するランプレンズ60の固定誤差が発生した場合でも、ターンランプ50(ランプボディ52及びランプレンズ60)のブラケット12及びバイザリム16に対する組付位置を調整することで、ランプレンズ60(被係止板62)の係止孔64に下バイザカバー34の係止板46を適切に挿入できると共に、ランプレンズ60(設置板66)の嵌入柱68を下バイザカバー34の嵌入孔48に適切に挿入できる。これにより、ランプレンズ60を下バイザカバー34に適切に位置決めすることができる。
【0055】
しかも、上述の如く、ターンランプ50が比較的剛性が低いバイザカバー30のみならずブラケット12及びバイザリム16にも組付けられている。このため、ターンランプ50がバイザカバー30のみに組付けられる場合と異なり、ターンランプ50のバイザカバー30への組付けによってバイザカバー30が変形することを抑制できると共に、ターンランプ50やバイザカバー30への衝撃等によるターンランプ50のバイザカバー30に対する位置ズレを抑制できる。これにより、ランプレンズ60の下バイザカバー34への位置決め精度を高くでき、下バイザカバー34の露出孔44に対するランプレンズ60の露出部60Aの配置精度を一層高くできる。
【0056】
さらに、上述の如く、ターンランプ50がバイザカバー30に組付けられている。このため、ターンランプ50のバイザカバー30に対するガタ付きを抑制できる。
【0057】
また、下バイザカバー34の係止板46が略三角形板状にされている。さらに、ランプレンズ60(設置板66)の嵌入柱68が、軸方向をバイザリム16の被係合板26を中心とした円の接線方向にされると共に、先端面を半球面状に湾曲されている。このため、組合わせ状態のブラケット12、バイザリム16及びターンランプ50に下バイザカバー34を組合わせる際には、下バイザカバー34の係合板42をバイザリム16の被係合板26に係合させた状態で被係合板26を中心として下バイザカバー34を回動させることで、下バイザカバー34の係止板46がランプレンズ60(被係止板62)の係止孔64に挿入される(図9の2点鎖線参照)と共に、ランプレンズ60(設置板66)の嵌入柱68が下バイザカバー34の嵌入孔48に挿入される(図10の2点鎖線参照)。このため、ランプレンズ60を下バイザカバー34に容易に位置決めすることができる。
【0058】
さらに、上述の如く、ターンランプ50がブラケット12に組付けられている。このため、ターンランプ50が組付けられたバイザカバー30がブラケット12に組付けられる場合と異なり、バイザカバー30をブラケット12に組付ける際に、ターンランプ50をブラケット12に対し移動させる必要がない。これにより、ターンランプ50のブラケット12に対する移動を許容するためにターンランプ50のブラケット12との間における配線の長さを長くする必要をなくすことができる。したがって、ターンランプ50がブラケット12に組付けられた際にターンランプ50のブラケット12との間における配線に弛みが発生することを抑制でき、例えば車両の走行時に当該配線の振動により異音が発生することを抑制できる。
【0059】
なお、本実施の形態では、ターンランプ50をブラケット12及びバイザリム16に組付けた。しかしながら、ターンランプ50をブラケット12及びバイザリム16の一方に組付けてもよい。
【0060】
また、本実施の形態では、バイザカバー30をブラケット12及びバイザリム16に組付けた。しかしながら、バイザカバー30をブラケット12及びバイザリム16の一方に組付けてもよい。
【0061】
さらに、本実施の形態では、バイザカバー30を上バイザカバー32及び下バイザカバー34によって構成した。しかしながら、バイザカバー30を一体部品により構成してもよい。
【0062】
また、本実施の形態では、本発明の車両用ミラー装置を車両用ドアミラー装置10に適用した。しかしながら、本発明の車両用ミラー装置を車両外部の他の車両用アウタミラー装置(例えば車両用フェンダミラー装置)又は車両内部の車両用インナミラー装置に適用してもよい。
【符号の説明】
【0063】
10 車両用ドアミラー装置(車両用ミラー装置)
12 ブラケット(収容体)
16 バイザリム(収容体)
14 ミラー
14A 鏡面
30 バイザカバー(被覆部材)
44 露出孔
60 ランプレンズ(透過部材)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のミラーの鏡面を露出させた状態で前記ミラーを収容する収容体と、
前記収容体に組付けられると共に、露出孔が設けられ、前記ミラーの裏面側において前記収容体を被覆する被覆部材と、
前記被覆部材に位置決めされ、前記露出孔から露出される透過部材と、
前記透過部材の内側に配置され、発光した光が前記透過部材を透過する発光手段と、
を備えた車両用ミラー装置。
【請求項2】
前記収容体に前記透過部材が組付けられると共に、前記収容体に対する前記透過部材の組付位置を調整可能にされた請求項1記載の車両用ミラー装置。
【請求項3】
前記被覆部材に前記透過部材が組付けられた請求項1又は請求項2記載の車両用ミラー装置。
【請求項4】
前記収容体に前記被覆部材を組付ける際に前記収容体に対し前記被覆部材が回動されることで前記被覆部材に前記透過部材が位置決めされる請求項1〜請求項3の何れか1項記載の車両用ミラー装置。
【請求項1】
車両のミラーの鏡面を露出させた状態で前記ミラーを収容する収容体と、
前記収容体に組付けられると共に、露出孔が設けられ、前記ミラーの裏面側において前記収容体を被覆する被覆部材と、
前記被覆部材に位置決めされ、前記露出孔から露出される透過部材と、
前記透過部材の内側に配置され、発光した光が前記透過部材を透過する発光手段と、
を備えた車両用ミラー装置。
【請求項2】
前記収容体に前記透過部材が組付けられると共に、前記収容体に対する前記透過部材の組付位置を調整可能にされた請求項1記載の車両用ミラー装置。
【請求項3】
前記被覆部材に前記透過部材が組付けられた請求項1又は請求項2記載の車両用ミラー装置。
【請求項4】
前記収容体に前記被覆部材を組付ける際に前記収容体に対し前記被覆部材が回動されることで前記被覆部材に前記透過部材が位置決めされる請求項1〜請求項3の何れか1項記載の車両用ミラー装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−116225(P2012−116225A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−265250(P2010−265250)
【出願日】平成22年11月29日(2010.11.29)
【出願人】(000003551)株式会社東海理化電機製作所 (3,198)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月29日(2010.11.29)
【出願人】(000003551)株式会社東海理化電機製作所 (3,198)
【Fターム(参考)】
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