説明

車両用モニター装置

【課題】インストルメントパネルのモニターにおいて、その画面に運転席側および助手席側で個別に要求される画像を表示可能とし、かつ助手席側の乗員によるカーナビゲーションの各種操作を容易にする。
【解決手段】インストルメントパネル10のモニター14が、運転席側DSおよび助手席側NSに配列された少なくとも二つの画面14A,14Bを備えている。これらの画面に個別の画像を表示することが可能であるとともに、それぞれの表示内容を相互に切替えることが可能に設定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のインストルメントパネルにカーナビゲーション画像やテレビ画像を表示するモニターが設けられた車両用モニター装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インストルメントパネルのモニターは、その画面に例えばカーナビゲーションの画像とテレビ画像といった異なる種類の画像を選択的に表示できるようになっている。また、インストルメントパネルのモニターにおいては、走行中の安全対策上からテレビ画像等の表示を自動的に消すように設定されている。
なお、インストルメントパネルのモニターに関する一般的な技術は、例えば特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−210193号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のインストルメントパネルのモニターは、車両の停止中においても例えばカーナビゲーション画像とテレビ画像とのいずれかを選択して表示することしかできない。このため、モニターの画面にカーナビゲーションを表示して目的地検索などの操作を行っている間は、助手席側の乗員が例えテレビ画像を視たくても我慢しなければならない。また、走行中のカーナビゲーションの操作を、運転者に代って助手席側の乗員が行うことは法規上可能であるが、助手席側からでは操作しにくいなどの問題がある。
【0005】
本発明は、このような課題を解決しようとするもので、その目的は、インストルメントパネルのモニターにおいて、その画面に運転席側および助手席側で個別に要求される画像を表示可能とし、かつ助手席側の乗員によるカーナビゲーションの各種操作を容易にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の目的を達成するためのもので、以下のように構成されている。
インストルメントパネルのモニターが、運転席側および助手席側に配列された少なくとも二つの画面を備えている。これらの画面に個別の画像を表示することが可能であるとともに、それぞれの表示内容を相互に切替えることが可能に設定されている。
【発明の効果】
【0007】
本発明においては、車両の走行中は運転席側の画面に例えばカーナビゲーションの画像を表示し、助手席側の画面にテレビ画像を表示しておき、停車中は運転席側の画面にテレビ画像を表示するといった切替えが可能になる。また、助手席側の画面をカーナビゲーションの画像に切替えることにより、走行中でも助手席側の乗員によってカーナビゲーションの各種操作を行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】インストルメントパネルのモニターを含む全体構造を表した構成図。
【図2】図1においてモニターの一部を非表示に切替えた状態を表した構成図。
【図3】図1においてモニターの表示内容を切替えた状態を表した構成図。
【図4】図2においてモニターの表示内容を切替えた状態を表した構成図。
【図5】モニターの表示システムを表した概略図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態を、図面を用いて説明する。
図1〜図4に示されているインストルメントパネル10には、ステアリングホイール12の前面においてスピードメータ、距離計、燃料計等の計器類(図示省略)が配置されている。同じくインストルメントパネル10には、ステアリングホイール12の左側スペースにおいてモニター14が設けられている。このモニター14は、運転席側DSと助手席側NSとに分けて配列された二つの画面14A,14Bを備えている。これらの画面14A,14Bには、例えばカーナビゲーション(以下「カーナビ」と略称する)の画像と、テレビ画像(以下「TV画像」と略称する)といった個別の画像を表示することが可能である。
【0010】
モニター14の二つの画面14A,14Bは、図5で示す表示ユニット16のコンピュータ制御に基づく信号により、それぞれの表示のオン・オフはもちろんのこと、個々の表示内容を相互に切替えることが可能である。そして、表示のオン・オフおよび表示内容の切替えは、スイッチ操作でも画面14A,14Bのタッチパネル操作でもよい。
特に二つの画面14A,14Bの表示内容を切替える操作については、画面14A,14Bのスクロール操作に基づく表示ユニット16の制御によって実行することも可能である。
【0011】
図1で示すモニター14においては、運転席側DSの画面14Aにカーナビの画像が表示され、助手席側NSの画面14BにTV画像が表示されている。この表示状態は車両が走行しているときに適しており、運転者はカーナビを利用でき、同時に助手席側NSの乗員はTV画像を視ることができる。
また、車両の走行中において、助手席側NSに乗員がいない場合には図2で示すように助手席側NSの画面14BをオフにしてTV画像の表示を消してもよい。
【0012】
図3で示すモニター14では、画面14A,14Bの表示内容が図1の状態から相互に切替えられ、運転席側DSの画面14AにTV画像が表示され、助手席側NSの画面14Bにカーナビの画像が表示されている。この状態は車両が停止している場合であって、運転者も助手席側NSの乗員と共にTV画像を視ることができる。なお、助手席側NSの画面14Bに表示されているカーナビの画像が不要であれば、画面14Bをオフにして表示を消してもよい。
【0013】
図3で示すモニター14の表示は車両が停止している場合にのみ可能であり、車両が走行し始めれば、二つの画面14A,14Bを図1あるいは図2の表示に切替える必要がある。この切替えについては、図5で示す表示ユニット16に送り込まれる車速信号などに基づき、この表示ユニット16の制御によって自動的に行うことが好ましい。
また、車両の走行中において、モニター14の表示を図2から図4で示すように切替えること、つまりカーナビの画像を運転席側DSの画面14Aから助手席側NSの画面14Bに切替える。これにより、助手席側NSの乗員によってカーナビにおける目的地検索などの操作を行うことが可能になる。
【0014】
以上は本発明を実施するための最良の形態を図面に関連して説明したが、この実施の形態は本発明の趣旨から逸脱しない範囲で容易に変更または変形できるものである。
例えばモニター14の画面14A,14Bに表示する内容は、カーナビ画像とTV画像との組み合わせに限らず、カーナビ画像とDVD画像、またはTV画像とDVD画像といった任意の組み合わせに変えることができる。なお、インストルメントパネル10のスペースによっては、モニター14の画面14A,14Bを二つ以上に増やすことも可能である。
【符号の説明】
【0015】
10 インストルメントパネル
14 モニター
14A,14B 画面
DS 運転席側
NS 助手席側


【特許請求の範囲】
【請求項1】
インストルメントパネルのモニターが、運転席側および助手席側に配列された少なくとも二つの画面を備え、これらの画面に個別の画像を表示することが可能であるとともに、それぞれの表示内容を相互に切替えることが可能に設定されている車両用モニター装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−180080(P2012−180080A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−46027(P2011−46027)
【出願日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(308013436)小島プレス工業株式会社 (386)
【Fターム(参考)】