説明

車両用モータ駆動系の温調制御装置

【課題】モータ駆動系から吸熱した熱エネルギを有効利用することができ、更に構造の簡素化による軽量化を実現する。
【解決手段】車両用空調装置1の冷媒配管6にモータ駆動系を温調する温調装置21の熱交換器22が取付けられ、空調装置1が運転しているとき、バッテリ25の温度TBがバッテリ高温判定値TBOよりも高い場合、第1開閉弁28を開弁すると共に電動ウォータポンプ27を駆動させて水媒体を、バッテリ配管26dを経て循環させる。そしてバッテリ25から吸熱して昇温された水媒体の熱を、熱交換器22にて空調装置1の冷媒配管6を流れる冷媒に放熱する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータ駆動系を温調する温調媒体が流れる温調配管と空調装置の冷媒配管とを、熱交換器を介して連設し、両配管の温度差を利用して熱交換を行う車両用モータ駆動系の温調制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車やハイブリッド電気自動車では、走行系に駆動用モータを備えている。この駆動用モータは、力行時は、バッテリ(二次電池)からの電力の供給を受けて回転駆動し、又、回生時は駆動用モータを発電機として作動させ、発生した電力をインバータを介してバッテリに充電させる。
【0003】
走行中のバッテリは充放電が繰り返し行われるため発熱して高温化し易い。又、停車中の車両に対して行う外部からの充電(プラグイン充電)の際にバッテリ温度が低いと充電効率が低下し、高いと劣化が促進されてしまう。そのため、バッテリは常に安定した温度に保持する必要がある。特に、真夏の炎天下のような、外気温度の高い状態での走行では、回生ブレーキと力行の繰り返しにより、バッテリに大きな負担が強いられるため、適正な温度管理が必要となる。
【0004】
例えば特許文献1(特開2005−104404号公報)には、モータ駆動系を収容するケースに冷却通路を形成し、この冷却通路を流れる冷却水にてモータ駆動系を冷却する技術が開示されている。すなわち、車両の前部にモータ用ラジエータを配設し、モータ駆動系を収容するケースに形成されている冷却水通路を冷却配管を介してモータ用ラジエータに接続する。そして、モータ駆動系からの熱を吸熱して昇温された冷却水をモータ用ラジエータを通過させて冷却した後、モータ駆動系へ循環させる。
【0005】
上述した文献に開示されている技術では、モータ駆動系を冷却して昇温された冷却水を、車両の前部に配設されているモータ用ラジエータで冷却するようにしたので、このモータ駆動系を確実に冷却することができる。
【特許文献1】特開2005−104404号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上述した文献に開示されている技術では、モータ用ラジエータをエンジン用ラジエータの前に配設しているため、エンジン用ラジエータがモータ用ラジエータからの熱害を受け易く、エンジン用ラジエータの冷却能力が低下してしまう。特に、炎天下での走行等、外気温の高い状態での走行においては、上述したように、モータ駆動系が高温化しているため、エンジン用ラジエータに熱風が送られてしまい、エンジンの冷却が大きく阻害される問題がある。
【0007】
更に、モータ駆動系で発生した熱エネルギがモータ用ラジエータを介して大気に放出されてしまうため、熱エネルギの有効利用が図れないという問題がある。
【0008】
又、1台の車両に、モータ駆動系の冷却装置がエンジンの冷却系とは別系統で配設されているため、構造が複雑で、車両の重量増となり燃費が悪化するばかりでなく、製品コストがアップしてしまう問題がある。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑み、エンジン駆動系が併設されている場合であっても、このエンジン駆動系の冷却能力を低下させることなく、モータ駆動系から吸熱した熱エネルギを有効利用することができ、更に、構造の簡素化による軽量化を実現して、燃費悪化を抑制することができると共に、製品コストの低減を実現することのできる車両用モータ駆動系の温調制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため本発明は、車両を駆動するモータ駆動系に設けられた電力供給用のバッテリに配設されて該バッテリとの間で熱交換を行う温調媒体を循環させる温調配管と、前記温調配管に介装された熱交換手段と、前記温調配管に介装された媒体ポンプと、前記媒体ポンプの駆動を制御する制御手段とを備える車両用モータ駆動系の温調制御装置において、前記熱交換手段が前記車両に搭載されている空調装置の伝熱性を有する冷媒配管に取付けられ、前記制御手段が前記バッテリの温度が予め設定した温度よりも高いと判定した場合前記媒体ポンプを駆動させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、バッテリの温調を行う温調媒体を循環させる温調配管に介装した熱交換手段を、車両に搭載されている空調装置の伝熱性を有する冷媒配管に取付けたので、制御手段が前記バッテリの温度が予め設定した温度よりも高いと判定して媒体ポンプを駆動させると、バッテリを温調した温調冷媒が循環し、この温調媒体が熱交換手段を介して空調装置の冷媒配管を流れる冷媒と熱交換される。
【0012】
その結果、車両にエンジン駆動系が併設されている場合であっても、エンジン用ラジエータの前方にモータ用ラジエータを設ける必要がなく、エンジン駆動系の冷却能力を低下させることがなくなる。又、モータ駆動系のバッテリから吸熱した熱エネルギを有効利用することができる。更に、構造の簡素化による軽量化を実現して、燃費悪化を抑制することができると共に、製品コストの低減を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面に基づいて本発明の一実施形態を説明する。図1に車両用空調装置と車両用モータ駆動系の温調装置との回路構成を示す。尚、本実施形態では、車両として電気自動車(EV:Electric Vehicle)を例示して説明するが、車両はエンジン駆動系が搭載されているハイブリッド電気自動車(HEV:Hybrid Electric Vehicle)であっても良い。
【0014】
同図に示すように、車両用空調装置1は、インストルメントパネルの内部等に配設されて外気或いは内気を車室内へ導く空気ダクト2を有し、この空気ダクト2の上流側にエバポレータ3が配設され、その下流側にサブコンデンサ4が配設されている。このサブコンデンサ4は、後述するメインコンデンサ10よりも容量が小さく、このサブコンデンサ4による加熱不足は、その直下流に配設されている補助発熱源としてのPTC(Positive Temperature Coefficient)ヒータ5の発熱によって補われる。PTCヒータ5は後述するエアコン制御装置(A/C_ECU)31からの制御電圧に基づいて発熱温度が設定される。
【0015】
尚、符号17aは、空気ダクト2に取り込む空気を内気循環と外気導入とに切換える内外気シャッタ、17bはサブコンデンサ4に通風する空気量を調整する温調シャッタであり、これらは、エアコンECU31にて制御動作される。ただし、これらの動作は周知であるため、説明を省略する。
【0016】
このエバポレータ3は冷媒配管6に介装されている。冷媒配管6にはエバポレータ3の下流にアキュムレータ7、エアコンコンプレッサ(以下「A/Cコンプレッサ」と称する)8、クーリングファン9により送風を受けるメインコンデンサ10、レシーバ11、膨張弁12が介装され、この膨張弁12がエバポレータ3の下流に配設されて、冷媒が循環される。
【0017】
更に、A/Cコンプレッサ8とメインコンデンサ10との間の冷媒配管6に第1切換弁14が介装され、又、レシーバ11と膨張弁12との間の冷媒配管6に第2切換弁15が介装されている。又、この各切換弁13,14に第1冷媒分岐管16a、第2冷媒分岐管16bの上流端が、それぞれ分岐接続されている。更に、この第1冷媒分岐管16aの下流端が、レシーバ11と第2切換弁15との間の冷媒配管6に接続されている。更に、この第2冷媒分岐管16bに上述したサブコンデンサ4が介装されている。又、第2切換弁15の下流端が、膨張弁12とエバポレータ3とをバイパスしてアキュムレータ7の上流側に接続されている。
【0018】
両切換弁13,14は三方弁であり、冷房運転時は、各冷媒分岐管15a,15bを遮断して冷媒配管6を循環する冷凍サイクルが形成される。又、暖房運転時は第1切換弁14がメインコンデンサ10側を遮断し、第1冷媒分岐管16aを通り、サブコンデンサ4、エバポレータ3を通過する冷凍サイクルが形成される。尚、第2切換弁15は、外部充電(プラグイン充電)時において、膨張弁12側を遮断し、第2冷媒分岐管16bを経てアキュムレータ7側へバイパスさせる冷凍サイクルが形成される。
【0019】
上述したPTCヒータ5、A/Cコンプレッサ8、第1切換弁14、第2切換弁15は、A/C_ECU31からの信号に基づいて制御動作される。尚、本実施形態では、第1切換弁14は非通電(OFF)状態で、第1冷媒分岐管16aを遮断して、電動A/Cコンプレッサ8をメインコンデンサ10に連通させ、通電(ON)状態でメインコンデンサ10側を遮断し、電動A/Cコンプレッサ8を第1冷媒分岐管16aに接続するように設定されている。一方、第2切換弁15は非通電(OFF)状態で、第2冷媒分岐管16bを遮断して膨張弁12側へ冷媒を導き、通電(ON)状態で膨張弁12側を遮断して第2冷媒分岐管16b側へ冷媒を導くように設定されている。
【0020】
又、第2冷媒分岐管16bの下流端の接続部とアキュムレータ7との間の冷媒配管6に熱交換手段としての熱交換器22が装着されている。この熱交換器22は、例えばキャピラリチューブであり、このキャピラリチューブは冷媒配管6に巻き付けた状態でろう付けされている。尚、冷媒配管6は、少なくとも熱交換器22が装着されている部位が、鉄、銅等の伝熱性を有する材料で形成されている。
【0021】
この熱交換器22は、モータ駆動系に設けられている温調装置21の構成要素をなしている。モータ駆動系は、駆動用モータ23と、この駆動用モータ23を制御するインバータ24と、インバータ24に対して電力を供給するバッテリ25とを備えている。走行時の駆動用モータ23及びインバータ24は、バッテリ25からの駆動力で回転する力行と、降坂路や減速走行時に駆動用モータ23を発電機として作用させる回生ブレーキとが繰り返されて、常時駆動しているため、発熱により高温化し易い。又、バッテリ25も充放電を繰り返すことで発熱して高温化し易く、バッテリ25が高温化すると、劣化が促進されてしまうことになる。従って、走行時は駆動用モータ23、及びインバータ24、及び充放電を繰り返すバッテリ25を、温調装置21にて適正温度に保持する必要がある。
【0022】
一方、外部充電(プラグイン充電)時においてバッテリ25の温度が低いと、充放電率が低下してしまい充分な充電を行うことができなくなる。又、高温化した場合は上述したように劣化が進行してしまう。従って、プラグイン充電時のバッテリ25の温度も温調装置21によって適正に保つ必要がある。
【0023】
温調装置21は、冷熱或いは温熱を伝達する温調媒体として水(以下「水媒体」と称する)を使用しており、この水媒体を循環させる温調配管26がメイン配管26aを有し、このメイン配管26aに、駆動用モータ23を冷却するモータ配管26bとインバータ24を冷却するインバータ配管26cと、バッテリ25を冷却或いは保温するバッテリ配管26dとが並列接続されている。更に、このメイン配管26aの両端が熱交換器22の流入側と流出側とに接続されている。又、この熱交換器22の流入側に接続されているメイン配管26aに、媒体ポンプとしての電動ウォータポンプ27が介装されている。
【0024】
更に、バッテリ配管26dの上流側に第1開閉弁28が介装され、又、メイン配管26aのモータ配管26bとインバータ配管26cとの上流側であって、バッテリ配管26dの下流側のメイン配管26aに第2開閉弁29が介装されている。
【0025】
この電動ウォータポンプ27、第1開閉弁28、及び第2開閉弁29が、制御手段としての電気自動車制御装置(EV_ECU)32からの信号に基づいて制御動作される。EV_ECU32はモータ駆動系の通常の走行制御以外に温調制御機能を備えている。温調制御機能は、電動ウォータポンプ27を駆動させて、循環する水媒体によって、駆動用モータ23、インバータ24、バッテリ25を適温に保持するものである。
【0026】
図2に示すように、両ECU31,32は、マイクロコンピュータを主体に構成され、周知のCPU、ROM、RAM等を有しており、この両ECU31,32がCAN(Controller Area Network)通信等の車内通信回線34を通じて相互通信可能に接続されている。
【0027】
A/C_ECU31の入力側に、エアコンスイッチ36、外気温を検出する外気温センサ37、車室内温度を検出する内気温センサ38等が接続されている。又、出力側に、上述したPTCヒータ5、A/Cコンプレッサ8、第2切換弁15、及び第1切換弁14等が接続されている。尚、本実施形態で採用する車両用空調装置1は、いわゆるマニュアルエアコンであり、エアコンスイッチ36の操作により、冷房と暖房との何れかを選択すると共に目標空調温度を設定するようにしている。但し、車両用空調装置1は、いわゆるオートエアコンであっても良く、オートエアコンの場合、操作者がエアコンスイッチ36をONした場合、セットされている目標空調温度と内気温及び外気温とに応じて冷房、暖房、除湿が自動的に設定される。
【0028】
一方、EV_ECU32の入力側に、電気自動車を起動させるスタートスイッチ41、バッテリ温度を検出するバッテリ温度センサ42、駆動用モータ23の温度を検出するモータ温度センサ43等が接続されている。又、このEV_ECU32の出力側にインバータ24、電動ウォータポンプ27、第1開閉弁28、第2開閉弁29等が接続されている。
【0029】
次に、EV_ECU32で実行される温調制御について、図3〜図5に示すフローチャートに従って説明する。
【0030】
電気自動車が走行中のときは、図3、図4に示す走行モード時温調制御ルーチンが、設定演算周期毎に実行される。走行モードはスタートスイッチ41をONして、システムがREADY−ON(走行可能状態)となった後に起動される。
【0031】
このルーチンでは、先ず、ステップS1でエアコンスイッチ36がONされるまで待機し、エアコンスイッチ36がONされた場合、ステップS2へ進む。ステップS2へ進むと、空調装置1が冷房運転を行っているか、暖房運転を行っているかを調べる。そして、冷房運転が行われている場合は、ステップS3へ進み、暖房運転が行われている場合はステップS11へ分岐する。
【0032】
空調装置1の構成要素であるA/C_ECU31では、冷房運転の場合、第2切換弁15と第1切換弁14とに対して非通電(OFF)として、冷媒分岐管15a,15bを遮断して冷媒配管6を連通状態とする。その結果、図1に黒塗り矢印で示すように、A/Cコンプレッサ8から吐出された高圧冷媒は、メインコンデンサ10を通過する際に冷却されて凝縮液化される。そして、凝縮液化された冷媒がレシーバ11、及びドライヤ(図示せず)を経て、膨張弁12へ送られ、この膨張弁12を通過する際に断熱膨脹されてた後、エバポレータ3へ送られる。このエバポレータ3は空気ダクト2の上流に臨まされており、このエバポレータ3を通過する空気を冷却し、車室内に冷風を送り込む。又、エバポレータ3にて熱交換されて昇温された冷媒は、アキュムレータ7を経てA/Cコンプレッサ8に吸い込まれる。
【0033】
一方、暖房運転時は、第1切換弁14と第2切換弁15とが共にONされる。第1切換弁14がONされると、メインコンデンサ10側が遮断されると共に、A/Cコンプレッサ8からの冷媒が第1冷媒分岐管16a側へ導かれる。又、第2切換弁15がONされると、膨張弁12側が遮断され、レシーバ11から送られた冷媒が第2冷媒分岐管16bを経てアキュムレータ7側へバイパスされる。
【0034】
その結果、図1に白抜きの矢印で示すように、A/Cコンプレッサ8から吐出された高圧冷媒は第1冷媒分岐管16aを経て、空気ダクト2に配設されているサブコンデンサ4を通過する。その際、このサブコンデンサ4を通過する空気を加熱し車室内に温風を送り込む。又、サブコンデンサ4で熱交換されて凝縮液化された冷媒が第2冷媒分岐管16b、アキュムレータ7を経て、A/Cコンプレッサ8に吸い込まれる。尚、外気温が低い等の影響でサブコンデンサ4の熱量では車室内へ送り込む空気を充分に昇温させることができない場合は、PTCヒータ5を発熱させて補助する。
【0035】
又、暖房運転において、図示しない湿度センサなどで検出した車室内の湿度が高いと判定された場合は、第2切換弁15をOFFし、第2冷媒分岐管16bを遮断し、サブコンデンサ4を通過した冷媒を、図1に波線の矢印で示すように、膨張弁12、エバポレータ3を通過させて、エバポレータ3の吸熱により、このエバポレータ3を通過する空気を除湿する。
【0036】
以下においては、先ず、空調装置1が冷房運転を行っている場合の温調制御について説明し、次いで、空調装置1が暖房運転を行っている場合の温調制御について説明する。
【0037】
空調装置1が冷房運転を行っていると判定して、ステップS3へ進むと、バッテリ温度センサ42で検出したバッテリ25の温度(バッテリ温度)TBを読込み、このバッテリ温度TBと、バッテリ高温判定値TBO(例えば50〜60[℃])とを比較する。そして、TB≦TBOのバッテリ25が高温化していないと判定した場合は、ステップS4へ進む。又、TB>TBOのバッテリ25が高温化していると判定した場合は、ステップS5へ分岐する。
【0038】
バッテリ25が高温化していないと判定されてステップS4へ進むと、モータ温度センサ43で検出した駆動用モータ23の温度(モータ温度)TMを読込み、このモータ温度TMとモータ高温判定値TMO(例えば100〜130[℃])とを比較する。そして、TM≦TMOの駆動用モータ23が高温化していないと判定した場合は、ステップS6へ進み、又、TM>TMOの駆動用モータ23が高温化していると判定した場合は、ステップS7へ分岐する。
【0039】
ステップS6へ進むと、電動ウォータポンプ27をOFFさせて、ルーチンを抜ける。従って、駆動用モータ23とバッテリ25とが共に冷えている場合、温調装置21は何もしない待機状態となる。すなわち、空調装置1が冷房運転を行っている場合、基本的に外気温は高いと推定でき、駆動用モータ23とインバータ24、及びバッテリ25は外気温とほぼ同じ温度(例えば25〜30[℃])にあると考えられるため、保温の必要はなく、そのままルーチンを抜ける。
【0040】
一方、ステップS4で駆動用モータ23が高温化している(TM>TMO)と判定されてステップS7へ進むと、駆動用モータ23及びインバータ24を冷却すべく、第1開閉弁28を閉弁させると共に、第2開閉弁29を開弁させる。そして、ステップS10へ進み、電動ウォータポンプ27をONさせて、ルーチンを抜ける。すると、温調配管26内の水媒体が電動ウォータポンプ27の駆動により、熱交換器22を通り、メイン配管26aに並列接続されているモータ配管26bとインバータ配管26cを経て電動ウォータポンプ27に吸い込まれる。
【0041】
その際、水媒体により駆動用モータ23及びインバータ24が冷却され、その吸熱により昇温された水媒体が電動ウォータポンプ27を経て熱交換器22に送り込まれ、この熱交換器22を通過する際に、空調装置1の冷媒配管6を流れる冷媒に放熱される。尚、インバータ24は駆動用モータ23を制御する際に発熱するため、駆動用モータ23と共に冷却する。
【0042】
熱交換器22に挿通されている冷媒配管6を流れる冷媒は、エバポレータ3にて熱交換されてやや昇温されているが、この冷媒温度は駆動用モータ23のモータ高温判定値TMO(例えば100〜130[℃])よりも低いため、その差温により熱交換器22を通過する水媒体が冷却され、相対的に冷媒配管6を流れる冷媒が昇温される。尚、この熱交換器22を通過する際の吸熱により昇温された冷媒の熱は、メインコンデンサ10を通過する際に放熱される。
【0043】
一方、ステップS3でバッテリ25が高温化していると判定されてステップS5へ進むと、モータ温度センサ43で検出したモータ温度TMを読込み、このモータ温度TMとモータ高温判定値TMOとを比較する。そして、TM≦TMOの駆動用モータ23が高温化していないと判定した場合は、ステップS8へ進み、又、TM>TMOの駆動用モータ23が高温化していると判定した場合は、ステップS9へ進む。
【0044】
ステップS8へ進むと、バッテリ25を冷却すべく、第1開閉弁28を開弁させると共に、第2開閉弁29を閉弁させる。そして、ステップS10へ進み、電動ウォータポンプ27をONさせて、ルーチンを抜ける。すると、温調配管26内の水媒体が電動ウォータポンプ27の駆動により、熱交換器22を通り、メイン配管26aに並列接続されているバッテリ配管26dを経て電動ウォータポンプ27に吸い込まれる。その際、水媒体によりバッテリ25が冷却され、その吸熱により昇温された水媒体が電動ウォータポンプ27を経て熱交換器22に送り込まれ、空調装置1の冷媒配管6を流れる冷媒に放熱される。尚、昇温された冷媒の熱はメインコンデンサ10を通過する際に放熱される。
【0045】
又、ステップS5からステップS9へ進むと、駆動用モータ23及びインバータ24とバッテリ25とを冷却すべく、第1開閉弁28と第2開閉弁29とを共に閉弁させる。そして、ステップS10へ進み、電動ウォータポンプ27をONさせて、ルーチンを抜ける。すると、温調配管26内の水媒体が電動ウォータポンプ27の駆動により、熱交換器22を通り、メイン配管26aに並列接続されているモータ配管26b、インバータ配管26c、バッテリ配管26dを、それぞれ通り電動ウォータポンプ27に吸い込まれる。その際、水媒体により駆動用モータ23、インバータ24、バッテリ25が冷却され、その吸熱により昇温された水媒体が電動ウォータポンプ27を経て熱交換器22に送り込まれ、空調装置1の冷媒配管6を流れる冷媒に放熱される。尚、昇温された冷媒の熱はメインコンデンサ10を通過する際に放熱される
一方、ステップS2で空調装置1が暖房運転を行っていると判定されて、ステップS11へ分岐すると、バッテリ温度センサ42で検出したバッテリ温度TBを読込み、このバッテリ温度TBと、バッテリ高温判定値TBOとを比較し、TB≦TBOのバッテリ25が高温化していないと判定した場合は、ステップS12へ進む。又、TB>TBOのバッテリ25が高温化していると判定した場合は、ステップS13へ分岐する。
【0046】
バッテリ25が高温化していないと判定されてステップS12へ進むと、モータ温度センサ43で検出したモータ温度TMを読込み、このモータ温度TMとモータ高温判定値TMOとを比較し、TM≦TMOの駆動用モータ23が高温化していないと判定した場合は、ステップS14へ進み、又、TM>TMOの駆動用モータ23が高温化していると判定した場合は、ステップS15へ分岐する。
【0047】
ステップS14へ進むと、電動ウォータポンプ27をOFFさせて、ルーチンを抜ける。従って、暖房運転時において駆動用モータ23とバッテリ25とが共に冷えている場合、温調装置21は、何もしない待機状態となる。駆動用モータ23とインバータ24、及びバッテリ25は走行により、何れ発熱して昇温されるため、保温する必要がなく、従って、そのままルーチンを抜ける。
【0048】
一方、ステップS12で駆動用モータ23が高温化している(TM>TMO)と判定されてステップS15へ進むと、駆動用モータ23及びインバータ24を冷却すべく、第1開閉弁28を閉弁させると共に、第2開閉弁29を開弁させる。そして、ステップS18へ進み、電動ウォータポンプ27をONさせて、ルーチンを抜ける。すると、温調配管26内の水媒体が電動ウォータポンプ27の駆動により、メイン配管26aからモータ配管26bとインバータ配管26cとを通過して循環される。
【0049】
その際、水媒体により駆動用モータ23及びインバータ24が冷却され、その吸熱により昇温された水媒体が電動ウォータポンプ27を経て熱交換器22に送り込まれ、この熱交換器22を通過する際に、空調装置1の冷媒配管6を流れる冷媒に放熱される。尚、インバータ24は駆動用モータ23を制御する際に発熱するため、駆動用モータ23と共に冷却する。
【0050】
ところで、空調装置1が暖房運転を行っている場合、A/Cコンプレッサ8から吐出された高圧冷媒は、第1冷媒分岐管16aを通り、サブコンデンサ4で空気ダクト2内の空気を加熱して凝縮液化された後、第2冷媒分岐管16bから、温調装置21の熱交換器22を通り、A/Cコンプレッサ8側へ送り込まれる。熱交換器22内を通過する、空調装置1側の冷媒は、サブコンデンサ4で冷却されているため、熱交換器22を流れる温調装置21側の水媒体との差温が大きく、水媒体を効率よく冷却することができる。逆に、空調装置1の冷媒は、この熱交換器22を通過する際に加熱されるため、この加熱された分の熱をサブコンデンサ4で放熱させて、車室内暖房に供することができ、空調装置1の暖房効率が良くなる。
【0051】
又、ステップS11でバッテリ25が高温化していると判定されてステップS13へ進むと、モータ温度センサ43で検出したモータ温度TMを読込み、このモータ温度TMとモータ高温判定値TMOとを比較する。そして、TM≦TMOの駆動用モータ23が高温化していないと判定した場合は、ステップS16へ進み、又、TM>TMOの駆動用モータ23が高温化していると判定した場合は、ステップS17へ進む。
【0052】
ステップS16へ進むと、バッテリ25を冷却すべく、第1開閉弁28を開弁させると共に、第2開閉弁29を閉弁させる。そして、ステップS18へ進み、電動ウォータポンプ27をONさせて、ルーチンを抜ける。すると、温調配管26内の水媒体が電動ウォータポンプ27の駆動により、熱交換器22を通り、メイン配管26aに並列接続されているバッテリ配管26dを経て電動ウォータポンプ27に吸い込まれる。その際、水媒体によりバッテリ25が冷却され、その吸熱により昇温された水媒体が電動ウォータポンプ27を経て熱交換器22に送り込まれ、空調装置1の冷媒配管6を流れる冷媒に放熱される。この冷媒に吸熱された温調装置21からの熱は、サブコンデンサ4で空気ダクト2を流れる空気に放熱されて、車室内暖房に供される。
【0053】
又、ステップS13からステップS17へ進むと、駆動用モータ23及びインバータ24とバッテリ25とを冷却すべく、第1開閉弁28と第2開閉弁29とを共に閉弁させる。そして、ステップS18へ進み、電動ウォータポンプ27をONさせて、ルーチンを抜ける。
【0054】
すると、温調配管26内の水媒体が電動ウォータポンプ27の駆動により、熱交換器22を通り、メイン配管26aに並列接続されているモータ配管26b、インバータ配管26c、バッテリ配管26dを、それぞれ通り、電動ウォータポンプ27に吸い込まれる。その際、水媒体により駆動用モータ23、インバータ24、バッテリ25が冷却され、その吸熱により昇温された水媒体が電動ウォータポンプ27を経て熱交換器22に送り込まれ、空調装置1の冷媒配管6を流れる冷媒に放熱される。そして、この冷媒に吸熱された温調装置21からの熱は、サブコンデンサ4で放熱されて車室内暖房に供される。
【0055】
このように、本実施形態では、モータ駆動系の駆動用モータ23、インバータ24、バッテリ25で発生した熱を、車両に搭載されている空調装置1の冷媒配管6を介して冷媒に放熱するようにしたので、例えば温調装置21に水媒体の熱を放熱するためのモータ用ラジエータを特別に設ける必要が無く、構造の簡素化を実現でき、簡素化による軽量化を実現して、燃費悪化を抑制することができる。更に、構成の簡素化により製品コストの低減を実現することができる。
【0056】
従って、例えばハイブリッド電気自動車(HEV)であっても、エンジン用ラジエータの前にモータ用ラジエータを配設する必要が無く、エンジン用ラジエータの冷却効率を低下させてしまうことがない。
【0057】
又、車室内の空調温度は高くても30[℃]程度であるが、駆動用モータ23、インバータ24は100[℃]以上の高温であるため、その温度差により熱交換器22に挿通されている冷媒配管6を流れる冷媒に熱を与えることができ、従来は排熱していた熱エネルギを室内暖房に有効利用することができる。
【0058】
又、車両が駐車状態にあり、或いはプラグイン充電中にある場合等、車両が走行していない待機モードのときは、図5に示す待機モード時温調制御ルーチンが、設定演算周期毎に実行される。
【0059】
先ず、ステップS21で、バッテリ温調要求があるか否かを調べる。バッテリ温調要求は、プラグイン充電等、停車した状態で充電が行われているか否かで判定される。そして、バッテリ温調要求有りと判定された場合は、ステップS22へ進み、バッテリ温調要求無しと判定された場合は、そのままルーチンを抜ける。
【0060】
ステップS22へ進むと、バッテリ温度TBを読込み、このバッテリ温度TBと、バッテリ高温判定値TBOとを比較し、TB≦TBOのバッテリ25が高温化していないと判定した場合は、ステップS23へ進む。又、TB>TBOのバッテリ25が高温化していると判定した場合は、ステップS25へ分岐する。
【0061】
ステップS23へ進むと、A/C_ECU31に対してA/Cコンプレッサ8をONさせるON信号を出力し、ステップS24へ進み、第1、第2切換弁14,15をONさせるON信号を出力する。すると、A/C_ECU31は暖房運転を行うべく、A/Cコンプレッサ8に駆動信号を出力すると共に、第1、第2切換弁14,15を共にONさせ、冷媒を、図1の白抜き矢印で示すように、サブコンデンサ4を通り循環させる。その際、空気ダクト2内に送風するブロアは停止されており、サブコンデンサ4での熱交換は積極的には行われず、比較的高い温度の冷媒が、アキュムレータ7側へ送り込まれる。
【0062】
一方、ステップS22で、バッテリ25が高温化しているとされてステップS25へ分岐すると、A/C_ECU31に対してA/Cコンプレッサ8をONさせるON信号を出力し、ステップS26へ進み、第1、第2切換弁14,15をOFFさせるOFF信号を出力する。すると、A/C_ECU31は冷房運転を行うべく、A/Cコンプレッサ8に駆動信号を出力すると共に、第1、第2切換弁14,15を共にOFFさせ、冷媒を、図1の黒塗り矢印で示すように、クーリングファン9により送風を受けるメインコンデンサ10を通り、膨張弁12、エバポレータ3を経てアキュムレータ7側へ循環される。
【0063】
その際、冷媒はメインコンデンサ10を通過する際に冷却され、エバポレータ3を通過する際に熱交換されるが、空気ダクト2内は空気が流れていないため積極的な熱交換は行われず、低温状態を保持したまま熱交換器22側へ流れる。
【0064】
その後、ステップS24或いはステップS26からステップS27へ進むと、モータ駆動系の温調装置21に設けられている電動ウォータポンプ27をONさせ、ステップS28で、第1開閉弁28を開弁させ、第2開閉弁29を閉弁させてルーチンを抜ける。
【0065】
その結果、温調配管26はメイン配管26aに対してバッテリ配管26dのみが連通され、このメイン配管26aとバッテリ配管26dとで形成された閉回路内を水媒体が循環される。
【0066】
熱交換器22で行われる熱交換は、空調装置1の冷媒と温調装置21の水媒体との温度差によって行われる。従って、バッテリ温度TBがバッテリ高温判定値TBOよりも低いと判定された場合(TB≦TBO)、熱交換器22に挿通されている空調装置1の冷媒配管6を流れる冷媒は、膨張弁12、エバポレータ3をバイパスして熱交換器22側へ送られるため、温度が比較的高く、熱交換器22を流れる水媒体を素早く昇温させ、その熱でバッテリ25を素早く温度上昇させることができる。又、空調装置1の冷媒は熱交換器22を通過する際に冷却されてA/Cコンプレッサ8側へ送られる。
【0067】
又、バッテリ温度TBがバッテリ高温判定値TBOよりも高いと判定された場合(TB>TBO)、熱交換器22に挿通されている空調装置1の冷媒配管6を流れる冷媒が比較的低温であるため、水媒体は熱交換器22にて、冷媒配管6を流れる冷媒に放熱して降温され、降温された水媒体にてバッテリ25を冷却する。一方、空調装置1の冷媒は熱交換器22を通過する際に昇温され、昇温された熱はメインコンデンサ10にて冷却される。
【0068】
このように、待機モードにおいてバッテリ調温要求があった場合、バッテリ温度TBに基づき、このバッテリ温度TBが低い場合は(TB≦TBO)、バッテリ25を保温し、又、高い場合は(TB>TBO)、バッテリ25を冷却して、バッテリ温度TBを所定の温度範囲に収めるようにしたので、低温による充電効率の低下、及び高温によるバッテリ25の劣化促進を抑制することができる。
【0069】
又、一般にプラグイン充電は、電気自動車を走行状態から車庫入れして停車させた後に行う場合が多い。走行時のバッテリ25は充放電が繰り返されているため、高温化している。スタータスイッチをOFFした場合、上述した走行モード時温調制御ルーチンが停止するため、バッテリ25の冷却も停止する。従って、スタータスイッチをOFFした直後のバッテリ25は自己発熱により昇温されるが、この状態でプラグイン充電を行うと、待機モード時温調制御ルーチンが起動されて、バッテリ25が冷却されるため適温状態で充電を行うことができる。又、プラグイン充電時はバッテリ温度TBが適温状態に維持されているので、充電終了のバッテリ温度TBが急上昇することはなく、従って、充電終了後にスタータスイッチをONして走行した場合であっても、モータ駆動系の温調装置21が稼働してバッテリ25を冷却する必要がなく、その分、バッテリ消費を削減することができ、走行距離を伸ばすことができる。
【0070】
又、温調配管26を流れる水媒体を熱交換器22を介して空調装置1の冷媒と熱交換するようにしたので、モータ用ラジエータ等の冷却装置が不要となり、車両にエンジン駆動系が搭載されている場合であっても、エンジンの冷却能力を低下させてしまうことはない。
【0071】
尚、本発明は、上述した実施形態に限るものではなく、例えば空調装置1の第2冷媒分岐管16bは省略しても良く、この場合、熱交換器22は第1冷媒分岐管16aの接続部とアキュムレータ7との間に配設されていればよい。又、プラグイン充電における空調装置1及び温調装置21は、外部電源により駆動させることで、バッテリ25の消費をより一層削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】車両用空調装置と車両用モータ駆動系の温調制御装置との回路構成図
【図2】エアコン制御装置と電気自動車制御装置との構成図
【図3】走行モード時温調制御ルーチンを示すフローチャート(その1)
【図4】走行モード時温調制御ルーチンを示すフローチャート(その2)
【図5】待機モード時温調制御ルーチン
【符号の説明】
【0073】
1 車両用空調装置
3 エバポレータ
4 サブコンデンサ
6 冷媒配管
21 温調装置
22 熱交換器
23 駆動用モータ
24 インバータ
25 バッテリ
26 温調配管
26a メイン配管
26b モータ配管
26c インバータ配管
26d バッテリ配管
27 電動ウォータポンプ
28 第1開閉弁
29 第2開閉弁
31 電気自動車制御装置
32 エアコン制御装置
42 バッテリ温度センサ
43 モータ温度センサ
TB バッテリ温度
TBO バッテリ高温判定値
TM モータ温度
TMO モータ高温判定値

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両を駆動するモータ駆動系に設けられた電力供給用のバッテリに配設されて該バッテリとの間で熱交換を行う温調媒体を循環させる温調配管と、前記温調配管に介装された熱交換手段と、前記温調配管に介装された媒体ポンプと、前記媒体ポンプの駆動を制御する制御手段とを備える車両用モータ駆動系の温調制御装置において、
前記熱交換手段が前記車両に搭載されている空調装置の伝熱性を有する冷媒配管に取付けられ、
前記制御手段が前記バッテリの温度が予め設定した温度よりも高いと判定した場合前記媒体ポンプを駆動させる
ことを特徴とする車両用モータ駆動系の温調制御装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記車両が停車中における前記バッテリに対して温調要求があった場合、前記バッテリの温度が予め設定した温度よりも低いときは前記空調装置を暖房運転させると共に前記媒体ポンプを駆動させ、又前記バッテリの温度が予め設定した温度よりも高いときは前記空調装置を冷房運転させると共に前記媒体ポンプを駆動させる
ことを特徴とする請求項1記載の車両用モータ駆動系の温調制御装置。
【請求項3】
前記制御手段は、車両が走行している状態で前記空調装置が運転している場合、前記バッテリの温度がバッテリ高温判定値よりも高いと判定した場合、前記媒体ポンプを駆動させる
ことを特徴とする請求項1或いは2記載の車両用モータ駆動系の温調制御装置。
【請求項4】
前記モータ駆動系が駆動用モータを有し、前記温調配管が駆動用モータに分岐配管されていると共に、該温調配管に前記バッテリと該駆動用モータとの少なくとも一方に対して前記温調媒体を導く開閉弁が配設されており、
前記制御手段は、車両が走行している状態で前記空調装置が運転している場合、前記バッテリの温度がバッテリ高温判定値よりも低く且つ前記駆動用モータの温度がモータ高温判定値より高いと判定した場合、前記開閉弁を駆動させて前記バッテリ側への前記温調媒体の流れを遮断し、該温調媒体を前記駆動用モータ側へ導く
ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の車両用モータ駆動系の温調制御装置。
【請求項5】
前記モータ駆動系が駆動用モータを有し、前記温調配管が駆動用モータに分岐配管されていると共に、該温調配管に前記バッテリと該駆動用モータとの少なくとも一方に対して前記温調媒体を導く開閉弁が配設されており、
前記制御手段は、車両が走行している状態で前記空調装置が運転している場合、前記バッテリの温度がバッテリ高温判定値よりも高く且つ前記駆動用モータの温度がモータ高温判定値より低いと判定した場合、前記開閉弁を駆動させて前記駆動用モータ側への前記温調媒体の流れを遮断し、該温調媒体を前記バッテリ側へ導く
ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の車両用モータ駆動系の温調制御装置。
【請求項6】
前記モータ駆動系が駆動用モータを有し、前記温調配管が駆動用モータに分岐配管されていると共に、該温調配管に前記バッテリと該駆動用モータとの少なくとも一方に対して前記温調媒体を導く開閉弁が配設されており、
前記制御手段は、車両が走行している状態で前記空調装置が運転している場合、前記バッテリの温度がバッテリ高温判定値よりも高く且つ前記駆動用モータの温度がモータ高温判定値より高いと判定した場合、前記開閉弁を駆動させて前記駆動用モータ側と前記バッテリ側とに前記温調媒体を導く
ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の車両用モータ駆動系の温調制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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