説明

車両用ライト洗浄装置

車両の外側に位置するライトを洗浄するためのライト洗浄装置。装置は、加圧液体源に接続可能な入口ポートが形成された長形のハウジングと少なくとも1つのジェットノズルが取り付けられたリンスヘッドを有する。ジェットノズルは、通常は収縮されている、入れ子式の伸縮自在な中空管の遠心端に設置されている。ハウジングから、管がハウジングから突出された場合にジェットスプレーを噴出可能なリンスヘッドまで液体流路が存在する。ノズルは、ジェットスプレー液を乱流とするために取り付けられるジェット形成部材をその中に有することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用のライト洗浄装置に関し、より詳細には、車両の外側部分に位置するライトを洗浄する噴流を用いた洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
視認性は全てのドライバーにとって重要な安全指標の一つである。それ故、車やトラック等の車両は、通常、暗闇や視界の悪い状況においてドライバーを援助するヘッドライトやヘッドランプ等の外部ライトを備えている。
【0003】
視認性を更に向上させ、燃料消費及び維持費用を減少させるために、キセノンシステム等の高輝度放電(HID)ライトが現在車両に導入されている。近年、ドライバーの視認性及びキセノンシステムの使用に関する安全性への問題が注目され、その結果、欧州等の特定の地域においてはキセノンシステム用のヘッドランプ洗浄装置が強制的なものとなっている(Euro Standard ECE R45)。しかしながら、常にヘッドライトが洗浄されていることを確実にする必要性は特定のタイプのライトに限定されるものではない。
【0004】
そのような規制を導入する国の数が増え、車両に対する安全性への意識が高まるにつれ、新車及び中古車に備えられるライト洗浄装置に対する要求が出てきている。
【0005】
洗浄装置は、一般的には車両のフロント部分に設置され、ヘッドランプの汚れを取り除いてドライバーの視認性を高めるため、更には(光の断片化を解消するランプシールド上の汚れによって)対向車のドライバーを眩しくさせることを減少させる又は解消するために、ヘッドランプの外表面に洗浄液のジェットスプレーを噴射する。
【0006】
ここで車両が操作される高速度と装置に必要なくぼみとを組み合わせると、ジェットスプレーの使用に関して、洗浄装置自体が汚れに晒される可能性があることには注意が必要である。
【0007】
関連するタイプのライト洗浄装置の例は、以下の参考文献に開示されている。
【0008】
特許文献1は、伸縮自在なジェットキャリヤに搭載され、圧力下で洗浄液源から選択的に供給されるジェットノズルを含む自動車のヘッドランプガラス洗浄装置を開示している。このジェットキャリヤは、固定部材と固定部材上をスライドしてジェットノズルを支持する可動部材とによって画成される可変容積チャンバを含む。バネが固定部材と可動部材との間で作用して可動部材を収縮位置に付勢する。加圧下の液を可変容積チャンバに供給することによって、まず可動部材がバネの作用に反して展開位置に移動し、次に、液がジェットノズルに供給される。固定部材は自由端が開放され、他端が液源に接続する管であり、可動部材は、ジェットノズルと連通する内部空間を有する密閉体を含む。この空間は管の外側に封止するように摺動する第一部分と、管を貫通して後者を閉鎖し、管の内部を可動部材の内部空間と連通するように加圧された液の作用下において管内を外側に移動可能な第二部分とによって画成される。
【0009】
特許文献2は、洗浄液を移動させることにより、バルブと、引戻し静止位置から作動展開位置に移動可能なジェットキャリヤに連動するジェットノズルとを作動させる、圧力源を含む自動車用のガラス洗浄装置を開示している。一旦バルブが開放されると、ジェットノズルキャリヤがジェットノズルを展開位置に移動させる。バルブは、ジェットノズルキャリヤ内のジェットノズルへ続く通路開口をゆるく覆い、その周辺領域が固定ストッパに接触するまでジェットノズルキャリヤに追従することによってジェットノズルがその展開位置に達する直前に通路開口のおおいを取る、キャップを備える。キャップは、洗浄液圧、バネ又は永久磁石によってジェットノズルキャリヤに対して押し付けられている。
【0010】
特許文献3は、外部シリンダと外部シリンダ内の入れ子内部シリンダとを有するフロントガラス洗浄装置用のノズルキャリヤに関するものである。内部シリンダはその末端部分に外部シリンダから突き出ることのできるジェットノズルを有する。第一プランジャはその外面で外部シリンダに封止されており、洗浄液の圧力によって第二プランジャから離れることができる。内部シリンダはこのような仕様で外部シリンダから突き出る。両方のシリンダが互いに最も離れたときに、それらが外部シリンダと共に、洗浄液の特定量を受け入れる空間を画成する。その後、洗浄液の圧力によって第二プランジャが第一プランジャに向けて付勢される。これにより、バルブがジェットノズルと直列に開いた後に、洗浄液がジェットノズルに向けて第一プランジャの通路を流れる。
【0011】
特許文献4は、ジェットノズルを洗浄液に加えられる圧力によって内部静止位置から外部作動位置に移動させる自動車のフロントガラス洗浄システムを開示している。バルブのバルブカバーは洗浄液の圧力によってノズルサポートと共に移動されて、バルブカバーが固定ストッパと係合するまでノズルサポートの通路を閉鎖し、次いでバルブカバーが開放される。ストッパは固定されたシャフト状の担持部材上にあり、当該部材は、ジェットノズルが静止位置にある場合には受入部材に延伸している。受入部材はノズルサポートの通路に挿入され、バルブカバーの内壁によって封止される。ジェットノズルが作動位置にある場合に、受入部材とノズルサポートとの間の通路空間を通って洗浄液がジェットノズルまで流れる。
【特許文献1】米国特許第5242114号
【特許文献2】米国特許第4955543号
【特許文献3】米国特許第5605286号
【特許文献4】米国特許第5762271号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
車両のライト洗浄装置においては、装置内にほこり又は他の所望されない物質が入ることを防ぐことによって装置が故障しないようにすることが望ましい。また、異なるヘッドランプのジオメトリに適応可能であり、車両/バンパーの形状に合わせて使用することが可能な洗浄装置が有益的である。更に、洗浄装置が迅速かつ効率的に作動することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0013】
従って、本発明の一つの目的は、ほこりに対する抵抗性を有し、多種多様な車両に設置することができ、急速な液体噴射が可能なライト洗浄装置を提供することである。本発明の更なる目的は、フルセクションの液体噴流を放出するのに適したジェットノズルを提供することである。
【0014】
本発明によれば、フレーム内に受け入れられる収縮位置とライトの前方に延伸して洗浄液をジェット放出する突出操作位置との間を移動可能なリンスヘッドを有する、例えばバンパーといった車両のフレームに装着されるハウジングと共に形成される車両の洗浄装置(ヘッドライト、その他)が提供される。発明の構成は、一旦駆動されると、装置のハウジングが液体で満たされ、即座に突出して洗浄液を放出するというものである。一般的に、1つ又はそれ以上のジェットノズルが提供され、それらの角度をリンスヘッドに対して調節することが可能である。
【0015】
本発明の第一実施態様によれば、加圧洗浄液源に接続可能な入口ポートが形成された伸長ハウジングと、少なくとも1つのジェットノズルに装着され、入れ子式に伸縮可能な中空管(当該管は通常収縮されている)の先端に設置されたリンスヘッドと、リンスヘッドとハウジングの内部空間との間を延伸する液体流路と、ハウジングから管がフルに突出したことのみに応答して液体流路を開放する通常は閉鎖されたシール・アッセンブリとを備えた車両用ライト洗浄装置、が提供される。
【0016】
軸方向のピッチ、偏揺れ角、回転の自由度の少なくとも1つについてフレーム部材に対するハウジングの配置を調節するジョイントによって、ハウジングを車両のフレーム部材に取り付けることが可能であることが有益的である。特定の設計において、ジョイントは、ハウジングに対して軸固定可能な球面と、車両のフレーム部分に固定することができ、球面にクランプ固定される対応するブラケットとを有する。
【0017】
更に、リンスヘッドは、装置が収縮位置にある場合に、装置を支持する車両のフレーム部材の表面と実質的に同面に延伸するカバー部材と共に形成されることができる。カバーは、装置の収縮位置においてカバーがフレーム部材の表面と同面に延伸するように、フレーム部材に形成された孔に対する位置合わせを容易する調節様式でリンスヘッドに固定されることができる。
【0018】
本発明の第一の特定の実施形態によれば、流路は、管の管状部分とリンスヘッドとの間を延伸する円柱状流路であり、シール・アセンブリが、円柱状流路をシールするのに適応されたプランジャの先端に形成されたプラグ状部分を含む。
【0019】
第一実施形態によれば、シール・アセンブリは、管内で同軸に移動可能であり、流路をシール係合するためのシール部分がその遠心端に形成され、ハウジングの遠心端に隣接して延伸するストッパによって軸方向の動きを阻止する側面突出部が基部端に設けられたプランジャを含み、管がフルに突出した場合にのみシール部分が離れて流路を開放する。
【0020】
また、管がその基部端に設けられた付勢ばねによって通常収縮するように付勢されており、反対端においてはハウジングの一部に対して付勢される。
【0021】
更に、プランジャは、管の基部端とプランジャの基部端との間を延伸するばね部材によって流路をシール係合するように付勢される。加えて、管は軸方向に移動可能であり、シールパッキングによってハウジング内にシール保持される。
【0022】
本発明の第二実施形態によれば、管はハウジングから入れ子式に突出可能なスリーブ内に同軸に受け入れられ、その基部端に液体シールアセンブリが形成されており、当該液体シールアセンブリは、スリーブの基部端に形成され、通常の閉位置においては放射状に移動可能なシールブラグによってシール可能な孔を含み、開位置においては、ハウジングから管への液体の流れを促進するように、スリーブ及び付随する管のフル突出に対応してそれが孔から放射状に分離する。
【0023】
構成は、シールプラグが、スリーブの外面と実質的に同面にあるシール位置とそれが放射状に突出する開位置との間で傾斜面を移動可能な保持部材によって閉位置に保持され、更に、シールアセンブリがハウジングの一端から延伸するストッパ部材を含み、管がフルに突出した際に、当該ストッパ部材がスリーブの軸移動を停止させて、シールプラグを当該傾斜面に沿って開位置に放射状に移動させるものであることができる。
【0024】
保持部材は、シールプラグとスリーブの一部とを包囲する弾性バンドであることができる。
【0025】
本発明の第三実施形態によれば、管は、開放基部端を有する円筒体を収容し、その先端に流路をシールするためのシール部材が形成され、当該円筒体は軸方向に延伸するばね支持体とそれらの間の軸方向の移動が制限されるように協働するものであり、第1のコイルばねがその近接端においてハウジングと連結しその遠心端においてばね支持体の遠心端に連結し、ストッパ部材が円筒体の側面突出部を制止するためにハウジングの遠心端に提供され、ハウジングからの管の突出が完了した際に、流路からシール部材を乖離させてそれを開放するように円筒体が制止される。
【0026】
円筒体は第2のばね部材によってばね支持体から離れるように軸方向に付勢される。
【0027】
本発明の他の実施形態によれば、ハウジングとそれに設置されるジェット形成部材とを含み、当該ハウジングには洗浄装置の対応するリンスヘッド内に回転して受け入れられる球状部とジェット放出部とが形成され、当該ジェット形成部材はハウジングの球状部を液体入口室と液体スワール室とに分割し、当該液体スワール室はハウジングに形成された軸方向の孔を経由してジェット放出部と流体連通しており、液体流路が液体入口室と液体スワール室との間を延伸し、当該液体流路は液体をスワール室に向けて放射状に内向きに導入する少なくとも1つの接線管を含む、車両用ライト洗浄装置に用いられる液体ジェットノズルが提供される。少なくとも1つの接線管は、ジェット形成部材と球状部との間に形成された実質的に軸方向の溝から延伸する。
【0028】
ハウジングは球状部とジェット放出部との間を延伸する壁部を含むことができる。その場合、壁部はその中に形成される実質的に軸方向のジェット孔を備えることができる。
【0029】
任意に、ジェット形成部材は1つ又はそれ以上の軸孔を有することができる。そのような場合、液体スワール室は、ジェット形成部材に形成された1つ又はそれ以上の軸孔によっても液体入口室とも流体連通することができる。ジェット形成部材はハウジングと一体形成又はそれに装着することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
まず、図1及び図4は、符号10で全体的に示される本発明の第一実施形体の基づくライト洗浄装置を説明する図である。洗浄装置10は、円形ブラケット14と円形ブラケット14内に搭載されたジェットキャリヤ12とを含む縦軸X−Xを有する。
【0031】
ジェットキャリヤ12は、更に、開放上端17と、リブ22に固定された留め金状のリップ28によって液密の形態でスリーブ16にスナップ嵌めされたボトムキャップ26に嵌合する下端18とを有する柱状のスリーブ16を含む。キャップ26は、柱状のスリーブ16の内部空間と流体連通する液体入口ポート30を備える。入口ポート30の外部はリブとなっており、例えば、液体流入用の水管(図示せず)を経由してポンプ(図示せず)に接続することが可能である。
【0032】
ジェットキャリヤ12は、更に、ジェットキャリヤ12から入れ子式に延伸可能(図7及び8)で初期位置(図1及び4)に収縮可能なスリーブ16内に摺動可能に係合する、符号32で全体的に示される液体排出機構を有する。液体排出機構32は、スリーブ16と液体連通しており、その上に液体を急速に放出するためのノズルシステム36を搭載した概してコの字型のヘッド34と、様々なバンパー形態に適合調節するために液体排出機構を延伸する高さ調節カバー38を有する。
【0033】
一般的に、洗浄装置10は以下のように作動する。
初期位置において、液体ポンプ(図示せず)が駆動すると、液体が加圧され、液体タンクから適切なパイプ(図示せず)を経由して入口ポート30及びスリーブ16に入り、その全容積を満たす。スリーブ16内の液体は、バンパーを通して液体排出機構32を入れ子式に上向きに突出させ、次に、液体をノズルシステム36を経由してスリーブ16からヘッドランプ(図示せず)等の所望される目的物にジェット噴霧する。
【0034】
手動又は自動のコマンドによってポンプによる加圧液体の送り出しが停止すると、ジェット噴霧も停止し、この後に詳細に説明する液体排出機構32がスリーブ16内に後退する。
【0035】
それに対応するようにカバー38がバンパーと実質的に同面位置に戻る。ここで、液体は「加圧された」とは記載されていないが、システム内の液体の圧力は常に空気よりも高く、それによって大気中の空気及び埃がジェットキャリヤ12内に入らないようになっていることは重要である。装置の詳細についてはこの後に説明する。
【0036】
洗浄装置10は、適切な空所に十分に受け入れられ、車両の外形を実質的に害することのないように、車両のバンパー又はその他の部材に設置することが可能である。しかしながら、装置は、調節可能なカバー38が装置を設置した対応する車両部分と実質的に同面になるように搭載される。この後に(図2を参照して)より詳細に説明されるように、装置は、対応する空所内の適切な位置にそれを固定するためのブラケットシステムを備える。
【0037】
本発明の洗浄装置10は、本実施例において、車両のバンパー・バー(図示せず)に円形ブラケット14をねじ(図示せず)を用いて固定することによって設置される。バンパー(図示せず)の上部は、第一の液体排出機構32のノズル部分の断面における通路を収容するように十分な大きさの切欠き部分を有している。第一の液体排出機構32が後退位置にあるときに、カバー38は、バンパー内への所望されない物質の進入を妨げ、洗浄装置10をカモフラージュする、後述の高さ調節デザインに補佐されて、切欠き部分(図示せず)と同面にある。
【0038】
更に、円形外表面43によって形成される内輪43とスリーブ16に摺動可能に係合する柱状の内表面とを有する円形ブラケットを示す図2を参照する。複数のリブ41がスリーブ16上に放射状に形成され、対応する係合リブ44が、装置の縦軸方向の回転が除去され、装置の縦軸方向の軸変位が調節可能なように内輪40の内表面に形成される。
【0039】
外輪46はその一箇所に不連続部48があり、不連続部48の端には2つの側面フランジ50が形成されている。外輪46は、内輪40に外輪46を締め付ける締め具58によって内輪40にクランプ固定することができ、装置の縦軸に対するピッチ、偏揺れ角、回転に関するそれらの間の相対的配置を固定することができる。外輪46が一旦クランプ固定されると、スリーブ16をブレースブラケット14に対して変位させることはできず、車両のボディ部分に確実に固定される。
【0040】
外輪46は、そのそれぞれに車両のボディ部分に確実に固定するためのネジ、リベット、ボルト等の固定器具を収容するのに適合された孔56が形成された、幾つかの側面突出部52を更に有する。本実施例において、ブラケット14は、側面突出部52を通して配置されるネジ(図示せず)を用いてバンパー(図示せず)上部の内面に固定されるように適合される。本実施例において、バンパー上部に円形ブラケット14を固定することによって、ジェットキャリヤ12が縦軸に対して実質的に直立位置に配置される。従って、ジェットキャリヤ12は、第一の液体排出機構32の伸縮機能によって縦軸に沿って延伸可能であり、かつ、縦軸を中心として回転可能である。しかしながら、車両のボディ/バンパ及びヘッドライトの形状寸法によって、垂直以外のジェットクリーナーのポジショニングも可能であることは理解される。
【0041】
また、図3を更に参照すると、液体排出機構32のU字型ヘッド34が示されている。U字型ヘッド34は、本実施例においてはU字型ヘッド34上に形成された縦方向に延伸する2つの柱状レセプタクル60を備え、それらはそれぞれ第一ノズル66及び第二ノズル68を有する。第一及び第二ノズルは、ジェットの方向が調整できるように、レセプタクル60内に設置される球状部70を有する。
【0042】
U字型ヘッド34の2つの垂直上部部材62は中空であり、高さ調節カバー38の対応する部材を摺動的に受け入れるのに適合されている。2つの垂直上部部材62の間には、歯状のラック面64が存在する。
【0043】
高さ調節カバー38は、実質的に平らなトップ74と、そこから下向きに延伸して上述のようにU字型ヘッド34内で摺動的に受け入れられる2つの剛体の支持部材76とを備える。カバー38は、更に、U字型ヘッド34の2つの支持部材76の間に配置され、ヘッド34の歯状のラック面64の溝に付勢されることによってカバー38を所望の高さに固定する、フック78の形状の締め具がその中に形成される。
【0044】
カバー38の高さは、付勢方向とは反対向きの力をフック78に加え、カバー38に下向きの力を加えることによって調節することができる。
【0045】
図4及び5を更に参照して、スリーブ16は、その内部表面82の少なくとも一部に沿って軸方向に延伸する複数の軸突出部80(その目的については後述する)と、スリーブ16の上部端内において伸縮式の柱状体88の上端に設置された第1のシールリング86を保持する、開放上部端24に隣接して内側に突出するリップ84(図4)とを更に有する。第1のシールリング86は、その軸方向の動きを制限することなく、柱状体88の一部を密着包囲する。第1のシールリング86は、更に、所望されない物質がスリーブ16に出入りする通路を制限する機能を有する。
【0046】
柱状体88は、その末端に形成された軸方向に延伸する2つのスロット90(図4及び5)を有し、スリーブ16に摺動的に受け入れられる、符号92で全体的に示されるベースに取り付けられている。ベース92は、環状の床94とその中に形成された同心の孔96とを有する。環状床94はスリーブ16の軸突出部80に対応する複数の軸凹部98を有する。
【0047】
環状床94から上方に向けて延伸するのは、その中に形成された管状部100である。管状部100と環状床94はその中に設置される柱状体88の下端用のシートを形成する。柱状体88の下端は更にそこに設けられる第1のコイルばね102を含む。第1のコイルばね102は柱状体88内に配置され、同じく柱状体88内に軸方向に配置されるプランジャ104に係合する。
【0048】
プランジャ104は柱状体88に摺動可能に係合する。プランジャ104の上端はその肩部108から円錐形プラグ110にかけて狭くなる(図7及び8も参照のこと)。プラグ110の中間部111は、シールO−リング112(図4、7、8)を収容するために直径が短くされている。プラグ110の外周は、この後に説明されるように、柱状体88とU字ヘッド34の間の分岐点において第1の液体排出機構32の内部の直径と対応し、それを密封するようになっている。
【0049】
図5に戻って、プランジャ104の下端部の断面はt字型に似ており、tの横棒が2つの両極端116とそこから下向きに配向するリップ118により形成される。tの中心の下向きリブ120と上向きリブ106は、柱状体88を4つの溝122に分割する。リップ118は、柱状体88内のスロットから外向きに突出してプランジャ104が非軸方向に動かないようにする。リップ118は柱状体88から十分に延伸して、同じく柱状体88の外周縁に位置するL字型の機械ストッパ122(図6)を固定する。
【0050】
機械ストッパ122は柱状体88とスリーブ16との間に配置されたリング形状のものであり、更に、スリーブ16の開放上部端24に隣接している。機械ストッパ122は、第1のシールリング86によってスリーブ16から出ないようにされている。特に、ストッパ122は柱状体88の摺動的な動きを制限することはない。ストッパ122の上部に形成された環状の側面突出部124は、第2のコイルばね126のシートとして機能する。
【0051】
第2のコイルばね126は、ストッパ122の側面突出部124に対して支える上端126Aを有し、末端126Bはベース92に対して支えるものとなっている。第2のコイルばねはベース92を付勢し、従って、柱状体88はそれらをスリーブ16の下端で通常休止するようにする。
【0052】
洗浄装置10の詳細な操作:
一旦操作を開始すると加圧された液体はジェットキャリヤ12中に入り、ポンプ(図示せず)が停止されると装置内に残留する。ジェットキャリヤ12に液体を供給する際に、液体はスリーブ16内の全ての空間を満たす。第1のコイルばね102はプランジャ104を上向きに付勢することによってプラグ110を接合部114に押し込む。O−リング112は、不必要な液体が接合部114を通って流れないようにそれを密封するように機能する。また、液体は接合部114に到達するまで4つの溝122を含む柱状体88を満たし、接合部114においてはU字型ヘッド34への液体の流れをプラグ110が妨げる。
【0053】
加圧された液体が(図示されないポンプによって)ジェットキャリヤ12に供給されると、既に水で満たされた装置が加圧されて、液体排出機構32をスリーブ16から入れ子式に上向きに延伸させ(図7)、第2のコイルばね126を圧縮する。柱状体88の上向きの移動はプランジャ104が機械ストッパ122に当たって停止した後も継続する(図6)。相対的に静止しているプランジャ104と前進する柱状体88の総合的結果として、結合部104の栓が外れ(図8)、(矢印によって示される)液体がU字型の排出機構(ヘッド)34及びライト・シールド(図示せず)をジェット噴霧するノズルに入る。
【0054】
加圧された液体がジェットキャリヤ12に供給されなくなると、第1のコイルばね102がプランジャ104を開始位置に戻して結合部114に栓をし、第2のコイルばね126が第1の液体排出機構32をその開始低/収縮位置(図1及び4)に戻す。しかし、既に上述したように、収縮位置において装置10の全ての構成部分は水で満たされており、次の操作に迅速に移れるように維持される。
【0055】
本発明の第二実施形態によるライト洗浄装置を図9〜15を参照して説明する。
まず、符号130で全体的に示される本発明の第二実施形態によるライト洗浄装置を説明する図9及び12を参照して、洗浄装置130は、前述の実施形態に関連して開示されたものと類似の設計である円形ブラケット14を含む縦軸Y−Yを有する。しかしながら、円形ブラケット14中に設置されるジェットキャリヤ132は六角形の断面を有する。図10において、第二実施形態130の底面図が示されている。円形ブラケット14は上述のものと同様であり、六角形のスリーブ134に摺動可能に係合されている。
【0056】
六角形のジェットキャリヤ132は、更に、開放上端142と、六角形キャップ144によって密封された(例えば、六角形スリーブ134の円形凹部140に圧力装着された六角形キャップ144中の環状凸部146によってそこに連結された)開放下端138とを有する六角形スリーブ134を包含する。キャップ144は、更に、リブ付きの垂直入口を有し、それは、例えば、液体流入のために水圧式パイプを経由してポンプ(共に図示せず)に接続可能である。六角形のジェットキャリヤ132は、更に、ジェットキャリヤ132から入れ子式に延伸可能であって(図13)開始位置に収縮可能な(図9、11、12)スリーブ134に摺動的に係合可能な符号150で示される液体排出機構を備える。液体排出機構150は六角形スリーブ134の内部と流体連通しており、液体の迅速な放出のためのジェットノズルシステム154がその上に設置された逆T字型ヘッド152と液体排出機構150の上を延伸する高さ調節可能な回動可能カバー156を備える。
【0057】
第二実施形態によるジェットランプ洗浄装置130は、車両のバンパー(図示せず)内に取り付けることができ、一般的な操作に関しては上述の第一実施形態の装置10のものと類似した手法で操作可能であるが、内部構造には相違があるため、第二実施形態130の詳細について以下に説明する。
【0058】
T字型ヘッド152は、ジェットクリーナの縦軸を横切り、実質的に水平方向に延伸するシリンダ158を備える。シリンダ158はその両端が開放されており、液体排出機構150の残留液と、歯状のラック表面161を有しその上に回動可能カバー156を設置するために上端が開放されている縦軸方向に延伸するシリンダ160とに流体連通している。
【0059】
図11に示されるように、水平シリンダ158はジェットノズルシステム154の操作に必要であり、本実施例においては水平シリンダ158のそれぞれの側面に設置されてそれと流体連通する2つの回転ノズル162を備える。それぞれの回転ノズル162は、水平シリンダ158の開放端に回転可能に装着されてそれと流体連通する第1回転部164を有する。第1回転部164は、垂直軸に対して回転可能であり、その上に設置され第1回転部164と流体連通する第2回転部166を有し、ジェット噴霧を放出する出口168を備える。
【0060】
上述のように、垂直シリンダ160は、その中にフランジ172を有する実質的に平らなカバー部170を含む、回転カバーがその上に設置されている。フランジ172は、カバー部170を設置ユニット174に回動可能に接合させるように機能する。設置ユニットは、垂直シリンダ160に挿入される内部アーム(図示せず)及び垂直シリンダ160の歯状ラック表面に対して付勢される外部アーム176を有する。外部アームの両極端には、歯状ラック表面161に対して付勢されてその中に入る歯状突出物178が存在する。
【0061】
回動可能カバー156の高さは、上述の付勢とは逆方向の力を外部アーム176に加え、回動可能カバー156に上向き又は下向きの力を加えることによって調節することが可能である。カバー部170及び/又は回転ノズル162の傾きは、その表面に小さな力を加えることによっても調節することが可能である。
【0062】
加えて、六角形スリーブ134は、その肩部184に第1内向き突出部182を有し、スラント188の中間部に第2内向き突出部186を有する、内向き傾斜上端部180を備える(図12及び13)。
【0063】
第1内向き突出部182は、内向き傾斜上端部180内に設置されたシールリング190が六角形スリーブ134から出ないようにする。シールリング190は、第2液体排出機構150の一部に密接に装着するように包囲するが、その軸方向の動きを制限することはない。シールリング190は、更に、六角形スリーブ134に所望されない物質が出入りする通路を制限する機能を有する。
【0064】
図において、T型ヘッド152は、シリンダ・ハウジング194内に入れ子式に受け入れられるシリンダ192の上に形成される。シリンダ192は、その下端部に隣接する円形溝196を有し、その上には第2シールリング198が設置される(図13)。第2シールリング198は、下からの液体がシリンダ192とシリンダ・ハウジング194との間のスペースに入ることを妨げる。
【0065】
更に、図13において、シリンダ・ハウジング194は、その上にシリンダ192が設置される内部ショルダ200と共に形成される。内部ショルダ200の低位置には入口孔202が形成される。入口孔202は、通常、ラジアルバルブ機構204によって係合されている。
【0066】
図13及び14において、ラジアルバルブ204は、(図12及び13には示されていないが、図14には示されている)弾性バンド206によって、シリンダ・ハウジング194に対して放射状に内向きに付勢され、入口孔202をシールしている。更に、ラジアルバルブ204は、円筒カム208を摺動的に係合する。
【0067】
カム208は第2内向き突出部186に設置され、更に第2シールリング190によって固定されるように適合される。カム208は、更に、第2内向き突出部186から離れるにつれて拡張する拡張スロット210を備える。拡張スロットは、その上でラジアルバルブ204が摺動的にカム208を係合することができる傾斜リム212を有する。カム208は、更に、その上に設置される第3の圧縮コイルばね214のシートとして機能する。コイルばねは、その下部216を係合することによってシリンダ・ハウジング194を下向きに付勢する。
【0068】
下部216の中には複数の四辺形孔218が形成されている。四辺形孔218は下部216の下の六角形スリーブ134の内部から六角形スリーブ134の内周とシリンダ・ハウジング194との間の領域までの流体連通を促進する。下部216の周囲は、六角形スリーブ134内の非軸方向の動きを阻止する六角形体220中に形成されていることには注意すべきである。
【0069】
洗浄装置130の詳細な操作:
ジェットクリーナを作動させると、液体が入口ポート148を通って六角形ジェットキャリヤ132に入り、ポンプ(図示せず)が停止されると装置内に残留する。ジェットキャリヤに液体を供給する際に、液体は六角形スリーブ内の全ての空間を満たすが、ラジアルバルブ204の位置によって入口孔202を経由した流体連通が制限されるシリンダ192は除かれる。
【0070】
図15を参照して、加圧された液体が六角形ジェットキャリヤ132に供給されると、既に水で満たされた六角形スリーブ134が第2の液体排出機構150を六角形スリーブ134から入れ子式に上向きに延伸させ、第3のコイルばね214を圧縮する。シリンダ・ハウジング194の上向きの移動によって、ラジアルバルブ204がカム208の傾斜リム212上に押し出される(図14参照)。従って、カム208はラジアルバルブ204の上向き及び外向きの動きを誘発し、弾性バンド206を伸長させて、(矢印で示される)液体が入口孔202を経由してシリンダ192及び標的(図示せず)にジェット噴霧を放出する第2のジェットノズルシステム154に達する。
【0071】
加圧された液体が六角形ジェットキャリヤ132に供給されなくなると、第3のコイルばね214が第2の液体排出機構150を開始位置に戻す。下向きの移動によってバルブ204が傾斜リム212から分離し、弾性ばねがそれを内側に放射状に動かして入口孔202に栓をし、ジェット噴霧用の液体の供給を停止する。
【0072】
更に、符号240で全体的に示される本発明の第三実施形態による洗浄装置を図16〜18Cを参照して説明する。装置240は、主に前述の実施形態に関連して開示されたものと類似の構成要素、即ち、入口ポート246及び円形ブラケット支持アセンブリ250が装着されたスリーブ244の形態のハウジングを有する。
【0073】
第一実施形態との関連で開示されたものと実質的に同様(例えば図1、3、4参照)に、スリーブ244内にそれと同軸になるように、開放基部端254を有する円筒体252が配置され、その端部に符号258で全体的に示される液体排出機構が存在する。円筒体252の先端は幅狭のショルダ部260と共に形成される(第一実施形態に関連して開示された配置と類似する)。円筒体252は円筒スリーブ244に対して軸方向に移動させることができ、一対の固定用シールリング264、266が、シールした状態でそのような軸方向の移動を促進するように提供され、そのような軸方向の移動を制限することなく密着装着される。
【0074】
この後に説明するように、スリーブ管244が、その内側の先端近辺に内部分節シリンダの軸方向の移動を阻止するための内向きに突出したスットパ部分247(図17C)を有して形成される。
【0075】
円筒体252と同軸に配置されその中に摺動的に受け入れられる内部シリンダ270が存在し、図17C、18C、19A、19Cに示されるように軸方向に分節されている。内部分節シリンダ270は、交互分節ばね支持体275と、2つの分節シリンダの組み合わせにより図17C、18C、及び最良には19Cに示されるシリンダを形成するように、協働する。ばね支持体275は、通常は、(スリーブ244に固定された)ばね支持ピン274に固定されたフックアーム271によってスリーブ管244の底部端に固定された主収縮コイルばね268によってスリーブ管244内に収縮されており、コイルばね268の先端276はばね支持体275の先端において一体ピン279に固定されている。
【0076】
更に、図17B及び18Bに最も良く示されるように、ばね支持体275の先端278と内部シリンダ270の先端280との中間に、その間に同軸に受け入れられる延伸コイルばね284が存在し、ばね支持体275から突出する軸方向突出部286と内部シリンダ270の先端280から突出するテーバー支持部288とによって支持される。延伸コイルばね284は内部シリンダ270とばね支持体275との間にそれらが分かれるように軸方向の力を加える。
【0077】
更に示されるように、内部シリンダ270の先端280には、幅狭ショルダ部260とのシール係合に適合したO−リング292が装着されたシール突出部290が設置されている(図18B)。
【0078】
内部シリンダ270は、ばね支持体275の基部端に形成された対応する溝283内に固定された内部シリンダ270の側面突出部281によって促進されるスナップ形態の係合によってばね支持体250に結合する。
【0079】
更に、図17C、18C、19A〜19Cを参照して、内部シリンダ270の底端には、ばね支持体275の底端に形成された対応するウィンドウ298内に収容された2つの側面突出部296が形成されている。また、側面突出部296は切欠きウィンドウ298の制限部分しか占有しておらず、従って、図17C及び18Cに示される位置に見られるようにばね支持体275に対して内部シリンダ270の相対的な軸方向の移動を許容するものとなっており、図18Cにおいては内部シリンダ270はばね支持体275に対して部分的に収縮している。更に、図17C及び18Cに示されるように、突出部296は放射状に十分に延伸してスリーブ管244のストッパ部分247によって固定される。
【0080】
ばね支持体275の底端には軸方向に溝を有するリム部分306が形成され、スリーブ管244内でのばね支持体275及び結合した内部シリンダ270の回転を妨げるように、スリーブ管244から放射状に突出する内部リブ308に沿って摺動可能である(図17C及び18C)。
【0081】
この構成は、洗浄装置が一旦駆動されると、液体が入口ポート246と通って装置内に入り、ポンプ(図示せず)が停止されると装置内に液体が残るというものである。
【0082】
装置の開始位置において、円筒体252はスリーブ管244内に収縮している(図16)。ジェットクリーナ240に加圧液体を供給すると、液体がスリーブ管244内の全ての空間を満たす。非加圧状態において、図16及び18Bに示されるように、シールO−リング292が幅狭ショルダ部260とシール係合し、液体排出機構258を経由した出水、及び塵の進入を防ぐ。
【0083】
装置内の圧力が増加すると、柱状体252がスリーブ管244から図17Aに示される位置に入れ子式に突出するが、その時点でネック260は未だO−リング292によってシールされている。柱状体252の突出が最大に達すると、内部シリンダ270の側面突出部296がスリーブ管244のストッパ部分247に接触し(図17C)、内部シリンダ270を捕捉してそれが更に軸方向に移動することを妨げる。しかしながら、装置内の圧力が、内部シリンダ270のシール突出体290が幅狭ショルダ部260から分離して液体が液体排出機構258に流れるように、柱状体252を更に移動させるように付勢する(図17B)。加圧液体の供給を停止すると、コイルばね284の延伸によって内部シリンダ270が幅狭ショルダ部260のシール係合に向けて軸方向に移動し、更に、主収縮ばね268が、内部シリンダ270をばね支持体275とそれに結合した柱状体252と共に図16に示される収縮非動作状態に入れ子式に収縮させる。
【0084】
図20A及び20Bは、符号320で示される本発明によるヘッドランプ洗浄装置が符号322で概要が示される車両のバンパー内にどのように支持されるのかを示す図であり、カバー326が収縮位置において、どのように見栄えよくバンパー322の上側328と実質的に同面に延伸してバンパーの空間に塵が侵入するのを防ぐようにシールするのかを説明し(図20A)、更に、操作位置において液体噴霧330がヘッドランプのガラス332を洗浄するために如何に用いられるのかを説明する図20Bに示すように、どのようにヘッドライト前方の装置の干渉を最小限にするかを説明するものである。
【0085】
更に、例えば図1、4、16、その他に示されるタイプの全体的に符号340で示されるジェットノズルを指向する図21A〜21E及び図22を参照すると、ジェットノズル340は球状部342とジェット放出部346とから形成されるハウジング341を備え、球状部はそれが回転可能な形態で連結され放出される液体ジェットの調節ができるように、装置のヘッドに形成された適切な受口孔中に受け入れられる。
【0086】
ジェット放出部346には、液体ジェットを形成し、空気が流れることが可能な複数の凹部348が設けられる。
【0087】
ジェットのハウジング341は受口と共に形成され、受口は、それを液体入口室354と液体スワール室356とに分割するジェット形成部材350を固定的に受け入れる。液体入口室354はジェットヘッドを経由して液体供給源と連通しており、加圧ポンプの作動により加圧液によって充填される。
【0088】
液体入口室354は、中心軸孔358を経由して液体スワール室356と連通しており、液体スワール室356に入る液体が撹拌され、球状部342とジェット放出部346との間のハウジング341の壁部343に形成されたジェット放出孔368から図22に符号372で示される実質的に完全な円錐形の液体ジェットの形態で放出されるように、複数の接線方向に延伸する液管360が実質的に接線方向の孔364を経て液体スワール室356に延伸する。ジェット形成部材350を、例えば、液体供給を増加するための他の軸孔と共に形成することが可能である。
【0089】
図23A〜23Cを参照して、符号378で全体的に示されるジェットノズルが図示されており、それはハウジング377とジェット形成部材380とを含む。ハウジングはジェット放出部395と球状部379と共に形成される。球状部379の中には代替ジェット形成部材380が装着される。代替ジェット形成部材380は、前述のジェット形成部材350に類似するが、代替部材380には中心軸孔が無い点で相違する。従って、ジェットノズル378の入口室381は、ジェット形成部材380と(ジェット形成部材380上に形成された軸方向の周辺溝の形態の)球状部379との間に形成された実質的に軸方向の水路に源を発する(実施例においては4つの)接線方向の孔384のみを経由して液体スワール室382と液体連通している。
【0090】
入口室381からスワール室382へ流れる液体(室(381、382)間の流れは全体的に矢印386により示される)は、軸方向の水路を経由して接線方向の孔384を通ってスワール室382に流れるように配置がなされ、符号389で示される拡張した円錐形状を有する渦を巻いた撹拌ジェット流388が生じる結果となる。ジェット渦389は、次に、ハウジング377の壁部393に形成されたジェット放出孔391から放出され、かかる壁部393はスワール室382とジェット放出部395との間を延伸することによって、ノズル378から渦巻きジェット流が放出されることとなる。
【0091】
ジェット形成部材の接線方向の孔の数を増加させる又は減少させることによって、放出されるジェット流の拡張した円錐形状の周辺の拡散を変化させること、及び軸方向の孔の直径及び/又は数を増加させることによって放出されるジェット流への液体供給が増加することが観察されている。更に、放出されるジェット流の拡張した円錐形状の拡散を増加させ、ジェット部材中の軸方向の孔の直径及び/又は数を減少させることによって、放出されるジェット流における液滴のサイズが減少することが示されている。対照的に、放出されるジェット流の拡張した円錐形状の拡散を減少させ、ジェット部材中の軸方向の孔の直径及び/又は数を増加させることによって、放出されるジェット流における液滴のサイズが増加することも示されている。従って、本発明によるジェットノズルは、相違した直径を有するゼロ又はそれ以上の軸方向の孔と、その数とサイズが液体の用法及び表面の洗浄効果を最適化するために選択された1つ又はそれ以上の接線方向の孔とを有するジェット形成部材を包含することができる。
【0092】
上に開示された配置は、ジェットノズルから放出される液体が撹拌され、ヘッドランプのガラスに放出された際にはそれを洗浄するために実質的に有効な領域をカバーすることを確実にするものである。しかしながら、放出される液体は拡張した円錐形状である必要はなく、例えば、拡張せずに角形のような断面等を有していても良く、その理由は放出される液体ジェットの形状は、本発明によるジェットノズルの幾多の相違する可変構造の特性の結果によるものだからである。従って、上述のハウジングの壁部に形成されるジェット放出孔は異なる形状及びサイズであることができることにも注意すべきである。
【0093】
幾つかの実施形態を示して説明した一方で、本発明の開示をそれらに限定することは意図されておらず、むしろ添付された請求の範囲に定義される本発明の趣旨及び範囲内の全ての実施形態、改良、配置を、変更すべき点を変更して、包含することを意図するものである。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】本発明の第一実施形態による洗浄装置の斜視図である。
【図2】図1に示すブラケットアセンブリの下面図である。
【図3】図1に示す液体排出機構の後部斜視図である。
【図4】図1のA−A線に沿った断面図である。
【図5】図1のA−A線に沿った洗浄装置の部分断面図である。
【図6】ピストンバルブがストッパに当たるとき及びその後の液体流路を説明するための図1のA−A線に沿った断面図である。
【図7】ピストンバルブがストッパに当たる直前の液体の位置を説明するための図1のA−A線に沿った断面図である。
【図8】ピストンバルブがストッパに当たるとき及びその後の液体流路を説明するための図1のA−A線に沿った断面図である。
【図9】本発明の第二実施形態による洗浄装置の斜視図である。
【図10】図9に示す洗浄装置の下面図である。
【図11】図9に示す液体排出機構の斜視図である。
【図12】図9のB−B線に沿った断面図である。
【図13】放射状に外向きに展開するバルブを説明するための図9のB−B線に沿った洗浄装置の上部斜視図である。
【図14】ピストンバルブによるカム機構の開放を示す第二実施形態の主要部の概略図である。
【図15】外部放射位置に配置されたバルブを説明するための洗浄装置の上部の図9のB−B線に沿った断面図である。
【図16】フルに収縮した位置にある、本発明の第三実施形態による洗浄装置の断面図である。
【図17A】シール状態からフルに延伸した位置にある装置を説明するための断面図である。
【図17B】図17AでBで示された部分を、装置を90°回転して拡大して示す図である。
【図17C】図17AでCで示された部分を示す拡大図である。
【図18A】フルに延伸し操作位置にある装置を説明する図である。
【図18B】図18AでBで示される部分を90°回転して示す拡大図である。
【図18C】図18AでCで示される部分の拡大図である。
【図19A】本発明の実施例による内部分節シリンダの等角図である。
【図19B】内部分節シリンダに連結して協働する分節ばね支持体の等角図である。
【図19C】内部分節シリンダとばね支持体とを含むアセンブリの等角図である。
【図20A】車両のバンパに搭載された、フルに収縮した位置にある、本発明の実施形態による洗浄装置を説明する断面図である。
【図20B】車両のヘッドライトにリンス液をかける延伸された操作位置にある図20Aに示す装置を説明する図である。
【図21A】本発明の実施形態によるジェットノズルを説明する、図1に示すジェットノズルの前方等角図である。
【図21B】本発明の実施形態によるジェットノズルを説明する、ジェットノズルの後方前方等角図である。
【図21C】本発明の実施形態によるジェットノズルを説明する、図21AのJ−J断面図である。
【図21D】本発明の実施形態によるジェットノズルを説明する、図21AのP−P断面図である。
【図21E】本発明の実施形態によるジェットノズルを説明する、ジェットノズルの展開等角図である。
【図22】液体ジェットの液体分布パターンを説明する、ジェットノズルの断面等角図である。
【図23A】本発明によるジェット形成ノズルの更なる実施形態を説明する、その構成を可視化するために透明とされたノズルの等角図である。
【図23B】本発明によるジェット形成ノズルの更なる実施形態を説明する、図23Aにおけるノズルのジェット形成部材の前方等角図である。
【図23C】本発明によるジェット形成ノズルの更なる実施形態を説明する、ノズルの縦断面等角図である。
【符号の説明】
【0095】
10 ライト洗浄装置
12 ジェットキャリヤ
14 円形ブラケット
16 スリーブ
17 開放上端
22 リブ
26 ボトムキャップ
28 リップ
30 液体入口ポート
32 液体排出機構
34 ヘッド
36 ノズルシステム
38 高さ調節カバー
41 リブ
50 側面フランジ
56 孔
60 レセプタクル
64 ラック面
70 球状部
80 軸突出部
84 リップ
86 シールリング
88 柱状体
90 スロット
92 ベース
96 孔
100 管状部
102 コイルばね
104 プランジャ
110 円錐形プラグ
112 シールO−リング
114 接合部
118 リップ
122 ストッパ
124 側面突出部
126 コイルばね
130 ライト洗浄装置
132 ジェットキャリヤ
134 スリーブ
144 キャップ
150 液体排出機構
152 ヘッド
154 ジェットノズルシステム
156 カバー
158 シリンダ
162 回転ノズル
170 カバー部
172 フランジ
176 外部アーム
186 突出部
190 シールリング
194 シリンダ・ハウジング
198 第2シールリング
202 入口孔
204 ラジアルバルブ
206 弾性バンド
208 円筒カム
212 傾斜リム
214 圧縮コイルばね
240 ヘッドランプ洗浄装置
244 スリーブ
246 入口ポート
247 ストッパ
250 ブラケット支持アセンブリ
252 円筒体
258 液体排出機構
264 シールリング
266 シールリング
268 コイルばね
270 シリンダ
275 ばね支持体
284 コイルばね
286 突出部
292 O−リング
296 側面突出部
320 ヘッドランプ洗浄装置
326 カバー
340 ジェットノズル
341 ハウジング
346 ジェット放出部
350 ジェット形成部材
354 液体入口室
356 液体スワール室
358 中心軸孔
360 液管
368 ジェット放出孔
380 ジェット形成部材
381 液体入口室
382 液体スワール室
384 孔
391 ジェット放出孔
395 ジェット放出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加圧洗浄液源に接続可能な入口ポートが形成された伸長ハウジングと、少なくとも1つのジェットノズルに装着され、入れ子式に伸縮可能な中空管(当該管は通常収縮されている)の先端に設置されたリンスヘッドと、リンスヘッドとハウジングの内部空間との間を延伸する液体流路と、ハウジングから管がフルに突出したことのみに応答して液体流路を開放する通常は閉鎖されたシール・アッセンブリとを備えた車両用ライト洗浄装置。
【請求項2】
前記流路が管の管状部分とリンスヘッドとの間を延伸する円柱状流路であり、シール・アセンブリが、円柱状流路をシールするのに適応されたプランジャの先端に形成されたプラグ状部分を含む、請求項1に記載の車両用ライト洗浄装置。
【請求項3】
シール・アセンブリが、管内で同軸に移動可能であり、流路をシール係合するためのシール部分がその先端に形成され、ハウジングの先端に隣接して延伸するストッパによって軸方向の動きを阻止する側面突出部が基部端に設けられたプランジャを含み、管がフルに突出した場合にのみシール部分が離れて流路を開放する、請求項2に記載の車両用ライト洗浄装置。
【請求項4】
管がその基部端に設けられた付勢ばねによって通常収縮するように付勢されており、反対端においてはハウジングの一部に対して付勢される、請求項1に記載の車両用ライト洗浄装置。
【請求項5】
プランジャが、管の基部端とプランジャの基部端との間を延伸するばね部材によって流路をシール係合するように付勢される、請求項2に記載の車両用ライト洗浄装置。
【請求項6】
管が軸方向に移動可能であり、シールパッキングによってハウジング内にシール保持される、請求項1に記載の車両用ライト洗浄装置。
【請求項7】
ジェットノズルの角度をリンスヘッドに対して調節可能である、請求項1に記載の車両用ライト洗浄装置。
【請求項8】
軸方向のピッチ、偏揺れ角、回転の自由度の少なくとも1つについてフレーム部材に対するハウジングの配置を調節するジョイントによって、ハウジングを車両のフレーム部材に取り付けることが可能である、請求項1に記載の車両用ライト洗浄装置。
【請求項9】
ジョイントが、ハウジングに軸固定可能な球面と、車両のフレーム部分に固定することができ、球面にクランプ固定される対応するブラケットとを有する、請求項8に記載の車両用ライト洗浄装置。
【請求項10】
リンスヘッドが、装置が収縮位置にある場合に、装置を支持する車両のフレーム部材の表面と実質的に同面に延伸するカバー部材と共に形成される、請求項1に記載の車両用ライト洗浄装置。
【請求項11】
カバーが、装置の収縮位置においてカバーがフレーム部材の表面と同面に延伸するように、フレーム部材に形成された孔に対する位置合わせを容易する調節様式でリンスヘッドに固定される、請求項10に記載の車両用ライト洗浄装置。
【請求項12】
一旦始動されると液体が装置のハウジング内の全ての空間を満たす、請求項1に記載の車両用ライト洗浄装置。
【請求項13】
管が、ハウジングから入れ子式に突出可能なスリーブ内に同軸に受け入れられ、その基部端に液体シールアセンブリが形成されており、当該液体シールアセンブリは、スリーブの基部端に形成され、通常の閉位置においては放射状に移動可能なシールブラグによってシール可能な孔を含み、開位置においては、ハウジングから管への液体の流れを促進するように、スリーブ及び付随する管のフル突出に対応してそれが孔から放射状に分離する、請求項1に記載の車両用ライト洗浄装置。
【請求項14】
シールプラグが、スリーブの外面と実質的に同面にあるシール位置とそれが放射状に突出する開位置との間で傾斜面を移動可能な保持部材によって閉位置に保持され、更に、シールアセンブリがハウジングの一端から延伸するストッパ部材を含み、管がフルに突出した際に、当該ストッパ部材がスリーブの軸移動を停止させて、シールプラグを当該傾斜面に沿って開位置に放射状に移動させる、請求項13に記載の車両用ライト洗浄装置。
【請求項15】
保持部材が、シールプラグとスリーブの一部とを包囲する弾性バンドである、請求項14に記載の車両用ライト洗浄装置。
【請求項16】
管が、開放基部端を有する円筒体を収容し、その先端に流路をシールするためのシール部材が形成され、当該円筒体は軸方向に延伸するばね支持体とそれらの間の軸方向の移動が制限されるように協働するものであり、第1のコイルばねがその近接端においてハウジングと連結しその遠心端においてばね支持体の遠心端に連結し、ストッパ部材が円筒体の側面突出部を制止するためにハウジングの遠心端に提供され、ハウジングからの管の突出が完了した際に、流路からシール部材を乖離させてそれを開放するように円筒体が制止される、請求項1に記載の車両用ライト洗浄装置。
【請求項17】
円筒体が、第2のばね部材によってばね支持体から離れるように軸方向に付勢される、請求項16に記載の車両用ライト洗浄装置。
【請求項18】
ハウジングとそれに設置されるジェット形成部材とを含み、当該ハウジングには洗浄装置の対応するリンスヘッド内に回転して受け入れられる球状部とジェット放出部とが形成され、当該ジェット形成部材はハウジングの球状部を液体入口室と液体スワール室とに分割し、当該液体スワール室はハウジングに形成された軸方向の孔を経由してジェット放出部と流体連通しており、液体流路が液体入口室と液体スワール室との間を延伸し、当該液体流路は液体をスワール室に向けて放射状に内向きに導入する少なくとも1つの接線管を含む、車両用ライト洗浄装置に用いられる液体ジェットノズル。
【請求項19】
少なくとも1つの接線管が、ジェット形成部材と球状部との間に形成された実質的に軸方向の溝から延伸する、請求項18に記載の液体ジェットノズル。
【請求項20】
ジェット形成部材が更に1つ又はそれ以上の軸方向の孔を有する、請求項18に記載の液体ジェットノズル。
【請求項21】
ハウジングとその中に設置されるジェット形成部材とを含み、当該ハウジングには洗浄装置の対応するリンスヘッド内に回転可能に受け入れられる球状部とジェット放出部とが形成され、当該ジェット形成部材はハウジングの球状部を液体入口室と液体スワール室とに分割し、当該液体スワール室は、ハウジングに形成された少なくとも1つの軸方向の孔によってジェット放出部と流体連通し、ジェット形成部材と共に形成されスワール室に向けて接線方向に延伸する少なくとも1つの管によって液体入口室と流体連通する、車両用ライト洗浄装置に用いられる液体ジェットノズル。
【請求項22】
液体スワール室は、ジェット形成部材と共に形成された少なくとも1つの軸方向の孔によっても液体入口室と流体連通する、請求項21に記載の液体ジェットノズル。
【請求項23】
ジェット放出部には、当該少なくとも1つの管の間を当該液体入口室に向けて延伸する軸方向延伸凹部が形成される、請求項21に記載の液体ジェットノズル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17A】
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【図17B】
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【図17C】
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【図18A】
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【図18B】
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【図18C】
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【図19A】
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【図19B】
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【図19C】
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【図20A】
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【図20B】
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【図21A】
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【図21B】
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【図21C】
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【図21D】
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【図21E】
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【図22】
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【図23A】
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【図23B】
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【図23C】
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【公表番号】特表2009−525904(P2009−525904A)
【公表日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−552958(P2008−552958)
【出願日】平成19年2月6日(2007.2.6)
【国際出願番号】PCT/IL2007/000151
【国際公開番号】WO2007/091249
【国際公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【出願人】(508202393)ラヴィヴ−アグリカルチャー・コーペラティヴ・ソサエティーズ・リミテッド (1)
【Fターム(参考)】