説明

車両用ローラブラインド装置、車両用ローラブラインド装置を備えたサブアセンブリ、及びルーフ装置

本発明は、伸展方向(R)において巻き取り又は送り出し可能なローラブラインドウェブ(22)と、伸展方向(R)に沿って延在するとともに、ローラブラインドウェブ(22)に対して平行に延在するように、車両に固定して結合されることが可能であるガイドレール(18)において案内可能な帯状ガイド要素(32)と、伸展方向(R)に沿って延在するとともに、ローラブラインドウェブ(22)とガイド要素(32)との間に配置され、第1長手方向側部(38)においてローラブラインド(22)に固定して結合され、第2の長手方向側部(40)においてガイド要素(32)に固定して結合される、帯状要素(36)を備える車両用ローラブラインド装置(20)に関する。前記車両用ローラブラインド装置は、本発明によれば、帯状要素(36)が、T字型又はY字型断面を有し、ローラブラインドウェブ(22)とは異なる材料からなり、ローラブラインドウェブより材料厚さが薄いことを特徴とする。さらに、本発明は、対応して構成されたサブアセンブリ及びルーフ装置に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1、請求項12及び請求項16の前文で述べられているように、車両用ローラブラインド装置、車両用ローラブラインド装置を備えたサブアセンブリ、及びルーフ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術による車両用ローラブラインド装置では、ローラブラインドウェブを、車両に変位可能に配置されているガイド要素とともに巻き取ることにより、車両の所定領域に配置されるローラブラインド巻回体を形成することができる。この場合、ローラブラインド巻回体の直径は、特に、ローラブラインドウェブの厚さによって決まる。ローラブラインドウェブの対応する厚さを考慮すると、ローラブラインド巻回体の直径は非常に大きくなる可能性がある。ローラブラインドウェブと車両の部品との間に摩擦接触が発生する可能性がある。プロセスにおいて発生する摩擦力は、特に、ローラブラインドウェブの材料に大きく依存し、したがって比較的大きくなる可能性がある。したがって、車両用ローラブラインド装置を作動させるために必要な力が比較的大きくなる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、冒頭で述べたタイプの車両用ローラブラインド装置、車両用ローラブラインド装置を備えたサブアセンブリ、及びルーフ装置であって、単純な構成及び低コストを可能にするが、それでもなお車両用ローラブラインド装置の信頼性の高い動作を可能にする、車両用ローラブラインド装置、サブアセンブリ及びルーフ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この目的は、本発明の第1態様によれば、冒頭で述べたタイプの車両用ローラブラインド装置によって達成され、そこでは、帯状要素が、T字型断面又はY字型断面を有し、ローラブラインドウェブとは異なる材料からなり、ローラブラインドウェブより材料厚さが薄い。
【0005】
帯状要素の使用には、帯状要素の材料がローラブラインドウェブの材料とは独立(無関係)であり得るという利点がある。さらに、帯状要素の厚さが、ローラブラインドウェブの厚さと独立であり得る。したがって、帯状要素及びガイド要素からなる巻回体の直径は、単にローラブラインドの伸展長さによって決まる。帯状要素の厚さが薄ければ、帯状要素及びガイド要素からなる巻回体の直径を小さく維持することができる。
【0006】
本発明による実施形態では、帯状要素はT字型断面又はY字型断面を有する。帯状要素のT字型設計又はY字型設計により、帯状要素を、ローラブラインドウェブの上面又は下面に簡単に配置することができ、たとえば縫合によりローラブラインドウェブに接続することができる。
【0007】
第1代替実施形態では、帯状要素はY字型断面を有し、ガイド要素は第1面と第1面から離れる方向に面している第2面とを備える帯状に設計される。帯状要素の第1部は、ガイド要素の第1面に固定して結合され、帯状要素の第2部は、ガイド要素の第2面に固定して結合される。これには、帯状要素とガイド要素との間の確実な結合を可能にするという利点がある。さらに、帯状要素の第1部及び第2部の特に薄い設計が可能であり、したがって、帯状要素及びガイド要素が共に非常に薄い厚さを有することができる。
【0008】
第2代替実施形態では、帯状要素は、T字型断面を有し、ガイド要素は、第1面と第1面から離れる方向に面している第2面とを備える帯状に設計される。帯状要素の第1部及び前記帯状要素の第2部は、ガイド要素の第1面に固定して結合される。これには、帯状要素とガイド要素との間の確実な結合を可能にするという利点がある。さらに、帯状要素及びガイド要素の特に薄い設計が可能である。したがって、帯状要素及びガイド要素からなる巻回体の特に小さい直径が可能である。
【0009】
有利に展開された実施形態では、帯状要素の第1長手方向側部はタブを有し、タブは、ローラブラインドウェブの上面又は下面のいずれかに固定して結合される。これには、帯状要素の厚さが薄ければ、帯状要素及びローラブラインドウェブからなる巻回体の直径を小さく維持することができるという利点がある。帯状要素を、たとえば縫合により、簡単にローラブラインドウェブに接続することができる。
【0010】
さらなる有利な展開では、帯状要素は、接着接続によってガイド要素に結合される。これには、帯状要素とガイド要素との間の非常に単純且つ確実な結合が可能になり、帯状要素とガイド要素との間の縫合した縫目を省略することができるという利点がある。
【0011】
本発明の第2態様によれば、サブアセンブリは、本発明の第1態様による車両用ローラブラインド装置と、車両に固定して結合されることが可能であるとともに、伸展方向に沿って延在するガイドレールとを備える。ガイドレールは、少なくとも一つのガイド部を有し、それによりガイド要素が案内され、ガイド要素は、少なくとも一つのガイド部に面している表面を有し、帯状要素の部分が、少なくとも一つのガイド部に面しているガイド要素の表面において、少なくとも一つのガイド部とガイド要素との間に配置される。これには、帯状要素及びガイド要素が合わせて、ガイドレールに対して調整可能な摺動特性を有することができるという利点がある。帯状要素及びガイド要素の摩擦特性を一度調整するだけで十分である可能性があり、それにより、前記摩擦特性を、車両用ローラブラインド装置を有するすべてのサブアセンブリに対して同一とすることができる。
【0012】
本発明の第2態様による有利な実施形態では、ガイドレールは二つの横方向に間隔を空けて配置されたガイド部を有し、それらは、ガイド要素の各側方部がガイド部のうちの一方によって案内されるように配置され、帯状要素の各部分は、ガイド部に面しているガイド要素の表面において、ガイド部のうちの一方とガイド要素の側方部のうちの一方との間に配置される。これには、ガイドレール及びガイド要素が一つの平面にある二つの接触領域を有するため、車両用ローラブラインド装置に対する小さい作動力が可能であるという利点がある。簡単にガイド要素の傾きを回避することが可能である。さらに、ガイド要素の横方向移動中の確実な案内が可能である。
【0013】
本発明の第3態様によれば、車両用ローラブラインド装置は、伸展方向において巻き取り又は送り出し可能なローラブラインドウェブと、伸展方向に沿って延在するとともに、車両に固定して結合されることが可能なガイドレールにおいて案内可能であり、第1面と第1面から離れる方向に面している第2面とを備えた帯状に設計されるガイド要素とを有する。ローラブラインドウェブは、ガイド要素の第1面および第2面のうちの一方のみに固定して結合され、ガイド要素の第1面および第2面のうちの他方は、プラスチック及び/又はワニスを有する摺動層を有する。これには、ローラブラインドウェブ及びガイド要素からなる結合物の優れた摺動特性が可能になるという利点がある。一方の面にローラブラインドウェブを取り付けることにより、ローラブラインドウェブのための材料を軽減することが可能である。ローラブラインドウェブ及びガイド要素からなる巻回体の直径を、小さく維持することができる。したがって、構造的空間に関する利点が可能である。ガイド要素を、たとえば縫合により、簡単にローラブラインドウェブに接続することができる。
【0014】
本発明の第4態様によれば、サブアセンブリは、本発明の第3態様による車両用ローラブラインド装置と、車両に固定して結合されることが可能であるとともに、伸展方向に沿って延在するガイドレールとを備える。ガイドレールは、少なくとも一つのガイド部を有し、それによりガイド要素が案内され、摺動層を有するガイド要素の面は、少なくとも一つのガイド部に面する。これには、ガイドレールとガイド要素との間の非常に優れた摺動特性が可能になるという利点がある。
【0015】
本発明の第5態様によれば、車両用ローラブラインド装置は、伸展方向において巻き取り又は送り出し可能なローラブラインドウェブと、伸展方向に沿って延在するとともに、車両に固定して結合されることが可能なガイドレールにおいて案内可能であり、第1面と第1面から離れる方向に面している第2面とを備えた帯状に設計されるガイド要素とを有する。ローラブラインドウェブは、第1表面部においてガイド要素の第1面および第2面のうちの一方に固定して結合される。ガイド要素の第1面および第2面のうちの一方は、第2表面部において、プラスチック及び/又はワニスを含む摺動層を有する。これには、ローラブラインドウェブ及びガイド要素からなる結合物の優れた摺動特性が可能になるという利点がある。ローラブラインドウェブを一方の面に取り付けることにより、ローラブラインドウェブに対する材料を軽減することができる。ローラブラインドウェブ及びガイド要素からなる巻回体の直径を小さく維持することができる。したがって、構造空間に関する利点が可能である。ガイド要素を、たとえば縫合により簡単にローラブラインドウェブに接続することができる。
【0016】
本発明の第6態様によれば、サブアセンブリは、本発明の第5態様による車両用ローラブラインド装置と、車両に固定して結合されることが可能であるとともに、伸展方向に沿って延在するガイドレールとを備え、ガイドレールは、二つの横方向に間隔を空けて配置されたガイド部を有し、それによりガイド要素が案内され、第1部においてローラブラインドウェブが固定して結合されるとともに、第2表面部において摺動層を有する、ガイド要素の面は、二つの横方向に間隔を空けて配置されたガイド部に面する。これには、ガイドレール及びガイド要素が、実質的に一つの平面にある二つの接触領域を有するため、車両用ローラブラインド装置に対する作動力を小さくすることができるという利点がある。別法として、二つの接触領域はまた、互いに対してわずかにずれた二つの面にあることも可能であり、それにより、ローラブラインドウェブと摺動層との間の厚さの差を補償することができる。ガイド要素の傾きを回避することができる。さらに、ガイド要素の横方向移動中の確実な案内が可能である。
【0017】
車両用ローラブラインド装置の別の有利な実施形態では、ガイド要素は金属を含む。これには、金属が、ガイド要素の機械的に安定するがそれでもなお弾性である設計を可能にするという利点がある。ガイド要素を、全体的に金属から構成することも可能である。
【0018】
車両用ローラブラインド装置の別の有利な実施形態では、ガイド要素は渦巻きばねである。
【0019】
車両用ローラブラインド装置の別の有利な実施形態では、摺動層はポリテトラフルオロエチレンを含む。これには、摺動層が特に優れた摺動特性を有するという利点がある。摺動層を、全体的にポリテトラフルオロエチレンから構成することも可能である。
【0020】
本発明の第7態様によれば、ルーフ装置は、ルーフ開口部と、ルーフ開口部の境界を画するルーフ開口部枠と、本発明の第2態様、第4態様又は第6態様によるサブアセンブリとを有する。サブアセンブリは、ルーフ開口部に配置され、ルーフ開口部枠に機械的に結合される。
【0021】
本発明のさらなる有利な洗練形態は、従属請求項において明記されている。
【0022】
本発明を、例示的な実施形態を参照して以下により詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】車両のルーフ装置の概略図を示す。
【図2】車両用ローラブラインド装置を備えたサブアセンブリの概略図を示す。
【図3】車両用ローラブラインド装置を備えたさらなるサブアセンブリの概略図を示す。
【図4】車両用ローラブラインド装置を備えたさらなるサブアセンブリの概略図を示す。
【図5】車両用ローラブラインド装置を備えたさらなるサブアセンブリの概略図を示す。
【図6】車両用ローラブラインド装置を備えたさらなるサブアセンブリの概略図を示す。
【図7】車両用ローラブラインド装置を備えたさらなるサブアセンブリの概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
構成又は機能が同一の要素は、図を通して同様の参照番号で識別されている。
【0025】
図1は、車両ルーフ12を備えた車両10を示し、車両ルーフ12にはルーフ開口部14が設けられ、ルーフ開口部14は、変位可能摺動ルーフカバーを用いて閉鎖されるか、又は少なくとも部分的に開放されることが可能である。
【0026】
ルーフ開口部14は、車両ルーフ12に形成されたルーフ開口部枠16によって境界が画されている。ルーフ開口部枠16は、好ましくは両側に配置されるガイドレール18を有し、ガイドレール18において、変位可能な摺動ルーフカバーの下方に、図2〜図7に詳細に示す車両用ローラブラインド装置20が配置される。ガイドレール18に対して好適な材料には、金属、特に好ましくはアルミニウムが挙げられる。別法として、ガイドレール18にはプラスチックが好適な材料である。
【0027】
車両用ローラブラインド装置20は、少なくとも一つのローラブラインドウェブ22を有し、それを、車両10に対して、伸展方向Rに前方に、且つ伸展方向Rとは反対方向に後方に変位させることができる。ローラブラインドウェブ22が後部に完全に押された場合、ルーフ開口部14は完全に開放される。そして、太陽光及び周囲空気が、妨げ無しに車内に入ることができる。対照的に、ローラブラインドウェブ22が前方に完全に押されると、ルーフ開口部14はローラブラインドウェブ22に覆われ、それにより、直射日光及び周囲空気は車内に部分的にしか入ることができない。さらなる実施形態では、車両用ローラブラインド装置20は二つ以上のローラブラインドウェブを有し、それらを、ルーフ開口部14を開放するか又は覆うために、車両に対して前方及び後方に同じ方向か又は反対方向に変位させることができる。
【0028】
車両の長手方向に対してローラブラインドウェブ22の後端である、ローラブラインドウェブ22の一端において、後に詳細に示すように、ローラブラインドウェブ22を完全に巻き上げることができる。車両の長手方向に対してローラブラインドウェブ22の前端である、ローラブラインドウェブ22のさらなる端部24において、車両の乗員が特に手動で作動させることができ、それによりローラブラインドウェブ22を前方又は後方に押すことができる引張幌枠(tension bow)26がある。ローラブラインドウェブ22の長手方向縁、すなわちローラブラインドウェブ22の右縁及び左縁は、ガイドレール18に配置され、ガイドレール18は、ルーフ開口部14の両側に配置されている。別法として、ローラブラインドウェブを電気装置で作動させることも可能である。
【0029】
ガイドレール18及び車両用ローラブラインド装置20は合わせて、後に詳細に説明するサブアセンブリ28を形成する。
【0030】
ローラブラインドウェブ22を巻き取ってローラブラインド巻回体を形成するために用いることができる巻取装置30が、ルーフ開口部14の後端の領域に配置されている。
【0031】
図2は、ガイドレール18及び車両用ローラブラインド装置20を備えたサブアセンブリ28の実施形態を示す。車両用ローラブラインド装置20は、ガイドレール18のポケット34に配置されているガイド要素32を備えている。ガイド要素32は、ガイドレール18内を伸展方向Rに沿って延在し、ガイドレール18内で案内可能である。この場合、ガイド要素32が延在している平面とローラブラインドウェブ22が延在している平面とは、実質的に互いに平行に伸びている。
【0032】
車両用ローラブラインド装置20は、帯状要素36をさらに備え、それも同様に伸展方向Rに沿って延在する。帯状要素36は、好ましくは、布地の帯状要素である。帯状要素36は、ローラブラインドウェブ22とガイド要素32との間に配置されている。帯状要素36は、第1長手方向側部38及び第2長手方向側部40を有している。第1長手方向側部38は、ローラブラインドウェブ22に固定して結合される。帯状要素36は、好ましくは、縫合された縫目42によってローラブラインドウェブ22に接続されている。帯状要素36は、第2長手方向側部40では管状設計である。ガイド要素32は、管状の帯状要素36の空洞内に配置されている。帯状要素36は、好ましくは、接着接続によってガイド要素32に結合されている。帯状要素36は、好ましくは、ガイド要素32と共通の押出成形プロセスにおいて共に製造される。
【0033】
帯状要素36の厚さを、ローラブラインドウェブ22の厚さとは独立的に選択することができるため、帯状要素36及びガイド要素32の巻回体の直径は、ローラブラインドウェブ22の厚さとは独立であり、単に、ローラブラインドウェブ22の伸展長さのみによって決まる。帯状要素36が薄い厚さで形成される場合、帯状要素36及びガイド要素32からなる巻回体直径を非常に小さく維持することができる。
【0034】
ガイドレール18はガイド部44を有しており、それによりガイド要素32を案内することができる。帯状要素36の部分46が、ガイド部44とガイド要素32との間に配置されている。ガイドレール18に対する帯状要素36及びガイド要素32の摺動特性が、一度だけ定義されればよく、ローラブラインドウェブ22に異なる材料が用いられる場合であってもそれ以上まったく変更されないように、前記二つのガイド要素32及び帯状要素36を選択することができる。
【0035】
図3に示すサブアセンブリ28の実施形態では、ガイドレール18は、二つの横方向に間隔が空けられたガイド部44a、ガイド部44bを有している。ガイド要素32は二つの側方部48a、側方部48bを有し、それらの各々が、ガイド部44a、ガイド部44bのうちの一方によってそれぞれ案内される。帯状要素36の各部分46a、46bは、ガイド部44a、ガイド部44bのうちの一方と、ガイド要素32の側方部48a、側方部48bのうちの一方との間に配置されている。ガイドレール18のガイド部44a、ガイド部44bが一つの平面にあるため、車両用ローラブラインド装置20に対する作動力を小さく維持することができる。ガイド要素32の側方部48a、側方部48bは、帯状要素36の対応する部分46a、部分46bを介して、ガイドレール18のガイド部44a、ガイド部44bに容易にもたれることができ、したがって、ガイドレール18のポケット34内でガイド要素32が傾くことを回避することができる。全体として、ガイド要素32の横方向移動中であっても、ポケット34内のガイド要素32の確実な案内が可能である。さらに、帯状要素36とガイド要素32との間のこうした結合物は、高度な弾力性を有する。
【0036】
図4に示すサブアセンブリ28のさらなる実施形態では、帯状要素36は、Y字型断面を有している。ガイド要素32は、第1面50及び第2面52を備えた帯状に設計されている。第2面52は、第1面50から離れる方向に面している。帯状要素36の第1部54が、ガイド要素32の第1面50に固定して結合されている。帯状要素36の第2部56が、ガイド要素32の第2面52に固定して結合されている。帯状要素36の第1部54、第2部56は、好ましくは、接着接続によりガイド要素32に結合されている。これにより、帯状要素36とガイド要素32との間に確実な結合が提供される。さらに、帯状要素36の第1部54及び第2部56の特に薄い設計を達成することができ、それにより、ガイド要素32と帯状要素36との間の結合物の巻回径を小さくすることができる。帯状要素36は、好ましくは、ガイド要素32と共通の押出成形プロセスで共に製造される。この例示的な実施形態においても、ガイド要素32が延在する平面と、ローラブラインドウェブ22が延在する平面とは、互いに実質的に平行に伸びている。
【0037】
図5に示すサブアセンブリ28のさらなる実施形態では、帯状要素36は、二つの部、第1部54及び第2部56を有するT字型設計される。ガイド要素32は、第1面50及び第2面52を備えた帯状に設計されている。帯状要素36の第1部54と帯状要素36の第2部56とは、ガイド要素32の第1面50に固定して結合されている。帯状要素36とガイド要素32との間の結合は、好ましくは、接着接続によって行われ、したがって、帯状要素36とガイド要素32との間の確実な結合が可能になる。帯状要素36とガイド要素32との間のこうした結合物は、高度な弾力性を有している。帯状要素36がガイド要素32の一方の面のみに配置されるため、帯状要素36とガイド要素32との間の結合物の特に薄い設計が可能である。したがって、帯状要素36とガイド要素32との間の角が特に小さい径が可能である。ガイド要素32の側方部48a、側方部48bが、各々、ガイドレール18の横方向に間隔が空けられたガイド部44a、ガイド部44bのうちの一方によってそれぞれ案内されるため、ガイドレール18におけるガイド要素32の特に優れた案内が可能である。したがって、ガイドレール18のポケット34においてガイド要素32が傾くことを、特に容易に防止することができる。さらに、ガイド要素32の横方向移動中のポケット34内でのガイド要素32の確実な案内が可能である。ガイドレール18の二つの横方向に間隔が空けられたガイド部44a、ガイド部44bにより、車両の長手方向に対して横切る方向のサブアセンブリ28の短い全長を達成することができる。したがって、全体として、サブアセンブリ28の幅及び直径の両方に対する構造空間に関する利点が提供される。この例示的な実施形態でもまた、ガイド要素32が延在する平面と、ローラブラインドウェブ22が延在する平面とは、互いに実質的に平行に伸びている。
【0038】
図2〜図5に示すサブアセンブリ28の実施形態では、帯状要素36の第1長手方向側部38は、いずれの場合もタブ58を有している。ローラブラインドウェブ22は、上面60及び下面62を有している。タブ58は、ローラブラインドウェブ22の下面62に配置され、それに固定して結合されている。代替実施形態では、タブ58を、ローラブラインドウェブ22の上面60に固定して結合することも可能である。タブ58が上面60又は下面62のいずれかに接続されていることにより、帯状要素36及びローラブラインドウェブ22からなる巻回体の直径を小さく維持することができる。さらに、帯状要素36を、たとえば縫合された縫目42により、簡単にローラブラインドウェブ22に接続することができる。
【0039】
図6に示すサブアセンブリ28のさらなる実施形態では、ローラブラインドウェブ22は、ガイド要素32の第2面52に直接結合されている。ガイド要素32の第1面50は、摺動層を有している。摺動層は、プラスチック及び/又はワニスを含み、摺動層が完全にプラスチック及び/又はワニスから構成されることも可能である。摺動層は、好ましくは、ポリテトラフルオロエチレンを含み、摺動層が完全にポリテトラフルオロエチレンから構成されることも可能である。したがって、ローラブラインドウェブ22とガイド要素32との間の結合物の特に優れた摺動特性が可能である。ガイド要素32の一方の面にローラブラインドウェブ22を取り付けることにより、ローラブラインドウェブ22のための材料を軽減することができる。ガイド要素32の一方の面にローラブラインドウェブ22を配置することにより、ローラブラインドウェブ22及びガイド要素32からなる巻回体の直径を小さく維持することができる。したがって、構造空間に関する多大な利点が可能である。ガイド要素32を、たとえば縫合された縫目42により、簡単にローラブラインドウェブ22に接続することができる。ガイド部44により、ガイド要素32の案内が可能になる。ガイドレール18のガイド部44に面し、摺動層が設けられる、ガイド要素32の第1面50により、ガイドレール18とガイド要素32との間の非常に優れた摺動特性が可能になる。この例示的な実施形態でもまた、ガイド要素32が延在する平面とローラブラインドウェブ22が延在する平面とは、互いに実質的に平行に伸びている。
【0040】
図7に示すサブアセンブリ28のさらなる実施形態では、ローラブラインドウェブ22は、第1表面部64においてガイド要素32の第1面50に結合されている。ガイド要素32の第1面50は、第2表面部66において摺動層を有している。摺動層は、プラスチック及び/又はワニスを含み、摺動層が完全にプラスチック及び/又はワニスで構成されることも可能である。摺動層は、好ましくは、ポリテトラフルオロエチレンを含み、摺動層が完全にポリテトラフルオロエチレンで構成されることも可能である。ローラブラインドウェブ22が第1表面部64において固定して結合され、且つ第2表面部66において摺動層を有する、ガイド要素32の第1面50は、ガイドレール18の二つの横方向に間隔が空けられたガイド部44a、ガイド部44bに面している。したがって、ローラブラインドウェブ22とガイド要素32との間の結合物の間の摺動摩擦力を非常に小さくすることができる。したがって、車両用ローラブラインド装置20に対する作動力を小さくすることができ、それは、ガイドレール18及びガイド要素32が、一つの平面にある二つの接触領域を有することができ、又は別法として、二つのわずかにずれた平面に位置することができ、それによりローラブラインドウェブ22と摺動層との間の厚さの差を補うことができるためである。したがって、ガイドレール18のポケット34においてガイド要素32が傾くことを回避することができ、ガイド要素32の信頼性の高い案内が可能である。ガイド要素32の一方の面にローラブラインドウェブ22を取り付けることにより、ローラブラインドウェブ22のための材料を軽減することができる。さらに、ローラブラインドウェブ22及びガイド要素32からなる巻回体の直径を小さく維持することができる。ガイドレール18の二つの横方向に間隔が空けられたガイド部44a、ガイド部44bにより、車両の長手方向に対して横切る方向のサブアセンブリ28の短い全長を達成することが可能である。したがって、全体として、サブアセンブリ28の幅及び直径の両方に対する構造空間に関する利点が提供される。ガイド要素32は、縫合された縫目42により、簡単にローラブラインドウェブ22に接続される。この例示的な実施形態においてもまた、ガイド要素32が延在する平面と、ローラブラインドウェブ22が延在する平面とは、互いに実質的に平行に伸びる。
【0041】
車両用ローラブラインド装置20及びガイドレール18からなるサブアセンブリ28の図示する実施形態により、ガイドレール18が金属で構成されることが可能になる。帯状要素36とガイド要素32との間、及びローラブラインドウェブ22とガイド要素32との間の結合物が高度な弾力性を有することができるため、ガイドレール18に対するプラスチックの使用を不要にすることができる。
【0042】
本発明の説明した実施形態のすべては、特に、開放可能な車両ルーフにおける車両用ローラブラインド装置の配置を含む。本発明による車両用ローラブラインド装置を、車両のドア、或いは正面領域、側面領域又は背面領域の開口部にも使用することができる。ローラブラインドウェブは、必ずしも日光から保護する役割を果たすとは限らない。たとえば、有利に、説明した配置により、蚊に対する保護グリルを作動させることも可能である。
【0043】
本発明は、示した例示的な実施形態に限定されない。特に、さまざまな例示的な実施形態の特徴を互いに結合することができ、したがって、このタイプの配置もまた本発明によって保護される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用ローラブラインド装置(20)であって、伸展方向(R)において巻き取り又は送り出し可能なローラブラインドウェブ(22と、前記伸展方向(R)に沿って延在するとともに、前記ローラブラインドウェブ(22)に対して平行に延在するように、車両に固定して結合されることが可能であるガイドレール(18)において案内可能な帯状ガイド要素(32)と、前記伸展方向(R)に沿って延在するとともに、前記ローラブラインドウェブ(22)と前記ガイド要素(32)との間に配置され、第1長手方向側部(38)において前記ローラブラインドウェブ(22)に固定して結合され、第2長手方向側部(40)において前記ガイド要素(32)に固定して結合される、帯状要素(36)と、を具備し、前記帯状要素(36)が、T字型又はY字型断面を有し、前記ローラブラインドウェブ(22)とは異なる材料からなり、前記ローラブラインドウェブより材料厚さが薄いことを特徴とする車両用ローラブラインド装置(20)。
【請求項2】
前記帯状要素(36)がY字型断面を有し、前記ガイド要素(32)が、第1面(50)と前記第1面から離れる方向に面している第2面(52)とを備える帯状に設計され、前記帯状要素(36)の第1部(54)が、前記ガイド要素(32)の前記第1面(50)に固定して結合され、前記帯状要素(36)の第2部(56)が、前記ガイド要素(32)の前記第2面(52)に固定して結合されることを特徴とする、請求項1に記載の車両用ローラブラインド装置(20)。
【請求項3】
前記ローラブラインドウェブ(22)が、第1表面部(64)において前記ガイド要素(32)の第1面および第2面(50、52)のうちの一方に固定して結合され、前記ガイド要素(32)の前記第1面および第2面(50、52)のうちの前記一方が、第2表面部(66)において、プラスチック及び/又はワニスを含む摺動層を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の車両用ローラブラインド装置(20)。
【請求項4】
前記帯状要素(36)が、T字型断面を有し、前記ガイド要素(32)が、第1面(50)と前記第1面(50)から離れる方向に面している第2面(52)とを備える帯状に設計され、前記帯状要素(36)の第1部(46a)及び前記帯状要素(36)の第2部(46b)が、前記ガイド要素(32)の前記第1面(50)に固定して結合されることを特徴とする、請求項1に記載の車両用ローラブラインド装置(20)。
【請求項5】
前記ローラブラインドウェブが、前記帯状要素(36)によって前記ガイド要素(32)の前記第1面および第2面(50、52)のうちの一方のみに固定して結合され、前記ガイド要素(32)の前記第1面および第2面(50、52)のうちの他方が、プラスチック及び/又はワニスを含む摺動層を有することを特徴とする、請求項4に記載の車両用ローラブラインド装置(20)。
【請求項6】
前記帯状要素(36)が、接着接続によって前記ガイド要素(32)に結合されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の車両用ローラブラインド装置(20)。
【請求項7】
前記帯状要素(36)が布地の帯状要素であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の車両用ローラブラインド装置(20)。
【請求項8】
前記帯状要素(36)の前記第1の長手方向側部(38)がタブ(58)を有し、前記タブ(58)が、前記ローラブラインドウェブ(22)の上面(60)又は下面(62)のいずれかに固定して結合されることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の車両用ローラブラインド装置(20)。
【請求項9】
前記ガイド要素(32)が金属を含むことを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の車両用ローラブラインド装置(20)。
【請求項10】
前記ガイド要素(32)が渦巻きばねであることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の車両用ローラブラインド装置(20)。
【請求項11】
前記摺動層がポリテトラフルオロエチレンを含むことを特徴とする、請求項3又は5に記載の車両用ローラブラインド装置(20)。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか一項に記載の車両用ローラブラインド装置(20)と、前記車両(10)に固定して結合されることが可能であるとともに、前記伸展方向(R)に沿って延在するガイドレール(18)とを具備し、前記ガイドレール(18)が少なくとも一つのガイド部(44、44a、44b)を有し、それにより前記ガイド要素(32)が案内され、前記ガイド要素(32)が、前記少なくとも一つのガイド部(44、44a、44b)に面している表面を有し、前記帯状要素(36)の部分(46a、46b)が、前記少なくとも一つのガイド部(44、44a、44b)に面している前記ガイド要素(32)の表面において、前記少なくとも一つのガイド部(44、44a、44b)と前記ガイド要素(32)との間に配置される、サブアセンブリ。
【請求項13】
前記ガイドレール(18)が二つのガイド部(44a、44b)を有し、それらが、互いから横方向に間隔を空けて配置されるとともに、前記ガイド要素(32)の各側方部(48a、48b)が、前記ガイド部(44a、44b)のうちの一方によってそれぞれ案内されるように配置され、前記帯状要素(36)の各部分(46a、46b)が、前記ガイド部(44a、44b)に面している前記ガイド要素(32)の表面において、前記ガイド部(44a、44b)のうちの一方と前記ガイド要素(32)の前記側方部(48a、48b)のうちの一方との間に配置されることを特徴とする、請求項12に記載のサブアセンブリ。
【請求項14】
請求項3又は5に記載の車両用ローラブラインド装置(20)と、車両に固定して結合されることが可能であるとともに、前記伸展方向(R)に沿って延在するガイドレール(18)とを具備し、前記ガイドレール(18)が、少なくとも一つのガイド部(44、44a、44b)を有し、それにより前記ガイド要素(32)が案内され、前記摺動層を有する前記ガイド要素(32)の面(50、52)が、前記少なくとも一つのガイド部(44、44a、44b)に面する、サブアセンブリ。
【請求項15】
前記車両用ローラブラインド装置(20)が、請求項11にしたがって構成され、前記ガイドレール(18)が、二つの横方向に間隔を空けて配置されたガイド部(44a、44b)を有し、それにより前記ガイド要素(32)が案内され、前記ローラブラインドウェブ(22)が前記第1表面部(64)において固定して結合されるとともに、前記第2表面部(66)に摺動層を有する、前記ガイド要素(32)の面(50、52)が、前記二つの横方向に間隔を空けて配置されたガイド部(44a、44b)に面することを特徴とする、請求項12に記載のサブアセンブリ。
【請求項16】
ルーフ開口部(14)と、前記ルーフ開口部(14)の境界を画するルーフ開口部枠(16)と、請求項12〜15のいずれか一項に記載のサブアセンブリ(20)であって、前記ルーフ開口部(14)内に配置されるとともに、前記ルーフ開口部枠(16)に機械的に結合されるサブアセンブリ(20)と、を具備するルーフ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2013−506592(P2013−506592A)
【公表日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−531460(P2012−531460)
【出願日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際出願番号】PCT/EP2011/056439
【国際公開番号】WO2011/134894
【国際公開日】平成23年11月3日(2011.11.3)
【出願人】(591018763)ベバスト・アクチィエンゲゼルシャフト (102)
【Fターム(参考)】