説明

車両用内装具

【課題】本発明は、光透過性立体構造編地からなる編地シート体を用いて遮蔽効果を有するとともに視認性を確保した車両用内装具を提供することを目的とするものである。
【解決手段】車両用内装具であるトノカバー1は、格子状に形成された一対の地組織及び当該地組織の編目列の間に交互に連結糸を経方向に編み込んで面状に形成され緯方向に所定間隔空けて配列された複数の遮光層を有する編地シート体10と、編地シート体10の少なくとも編目列に沿う全幅にわたって保持するように固定された支持体11及び12とを備え、支持体11及び12を車両内部に取り付けて編地シート体10が張設された状態において編地シート体10の編目列が直線状に配列されるとともに遮光層が所定の傾斜角度に設定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等の車内に設置されるトノカバーやサンシェード等の内装具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、自動車等の車内に取り付けられる内装具としてトノカバーやサンシェード等が用いられている。例えば、特許文献1では、自動車のリヤーシート後方の荷物室を遮蔽するために巻取り式のトノカバーを着脱可能に取り付ける点が記載されており、巻取り式トノカバーは上方に引き出して車内空間の間仕切り用スクリーン又は遮光用サンシェードとして使用可能とした点についても記載されている。また、特許文献2では、トノボードを伸縮自在なシート体で形成し、シートバックの被係止部材に着脱可能に係止して張設した点が記載されている。また、特許文献3では、メッシュ状の素材を用いたシート状のメインカバーの周囲に外周ワイヤ及びレザーを一体形成して、トノカバー又はサンシェードとして使用する点が記載されている。
【0003】
なお、本発明者は、ブラインド等に用いる遮光用素材として、表地、裏地及び遮光層からなり、全体の構成糸を樹脂加工により固着させて表地と裏地との間が所定間隔空けて保持されるように成形された光透過性シート材を開発している(特許文献4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−85390号公報
【特許文献2】特開平11−59277号公報
【特許文献3】特開平11−129816号公報
【特許文献4】特許第4074884号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1から3では、トノカバーやサンシェードとして伸縮性のある素材やメッシュ状の素材が用いられているが、メッシュ状の素材を用いた場合素材を通して荷物室内部を視認することができるものの遮蔽効果が低くなる課題がある。また、目の細かい伸縮性を有する編地等を用いた場合には、遮蔽効果が高くなるものの荷物室内部を確認したい場合にいちいちトノカバーを開く必要があり、自動車を運転中には確認しにくいといった課題がある。
【0006】
そこで、本発明は、光透過性立体構造編地からなる編地シート体を用いて遮蔽効果を有するとともに視認性を確保した車両用内装具を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る車両用内装具は、経方向に鎖編により編成される複数の編目列を緯方向に所定間隔空けて配列し隣接する編目列の間に一対の挿入糸を互いに交差するように緯方向に振りながら掛け渡して経方向の編目列及び緯方向の挿入糸により格子状に形成された一対の地組織及び当該地組織の編目列の間に交互に連結糸を経方向に編み込んで面状に形成され緯方向に所定間隔空けて配列された複数の遮光層を有する編地シート体と、前記編地シート体の少なくとも前記編目列に沿う全幅にわたって保持するように固定された支持体とを備え、前記支持体を車両内部に取り付けて前記編地シート体が張設された状態において前記編地シート体の前記編目列が直線状に配列されて前記遮光層が所定の傾斜角度に設定されることで所定方向の入射光に対する遮光性及び通気性を有することを特徴とする。さらに、前記支持体は、前記編地シート体の前記編目列と直交する方向の両側に前記編目列に沿って固定されるとともに車両内部の後部座席の後方スペースを前記編地シート体で覆うように車両内部に取り付けられることを特徴とする。さらに、前記支持体は、前記編地シート体の周囲を保持するように枠状に形成されるとともに車両内部の窓部に対向する位置に取り付けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
上記のような構成を有することで、編地シート体を、経方向に鎖編により編成される複数の編目列を緯方向に所定間隔空けて配列し隣接する編目列の間に一対の挿入糸を互いに交差するように緯方向に振りながら掛け渡して経方向の編目列及び緯方向の挿入糸により格子状に形成された一対の地組織と、当該地組織の編目列の間に交互に連結糸を経方向に編み込んで面状に形成され緯方向に所定間隔空けて配列された複数の遮光層とを有するように編成し、編地シート体が張設された状態において編地シート体の編目列が直線状に配列されるとともに遮光層が所定の傾斜角度に設定されるようにしているので、遮光層に直交する方向から入射する光に対しては遮蔽効果があり、遮光層に沿う方向からは光が透過して視認性を有するようになる。そのため、車両外部の後方から入射する光の方向が編地シート体の遮光層に直交する方向となるように取り付けることで、光の遮蔽効果とともに車両内部を編地シート体を通して覗くことができなくなる視認遮断効果が得られる。一方、車両内部の後部座席から編地シート体を見る場合には、遮光層に沿う方向となるため、光が透過するとともに視認性を有し、編地シート体を通して車両内部に積載した荷物等を容易に確認することができるようになる。
【0009】
また、一対の地組織を格子状に形成するとともに地組織の編目列の間に遮光層を所定間隔空けて配列しているので、十分な通気性を備えており、遮光層による遮光性を有しながら空気の流通を妨げることがない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る車両用内装具に関する平面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】編地シート体に関する部分拡大斜視図である。
【図4】編地シート体に関する部分拡大平面図である。
【図5】トノカバーを車両の内部に取り付けた状態を示す説明図である。
【図6】トノカバーを取り付けた状態での遮蔽性及び視認性に関する説明図である。
【図7】編地シート体の地組織の編組織を示す模式図である。
【図8】編地シート体を編成するための光透過性立体構造編地に関する編組織図である。
【図9】図8で示すように編成された光透過性立体構造編地Fを形態安定させるための工程に関する説明図である。
【図10】トノカバーの変形例に関する平面図である。
【図11】別の車両用内装具に関する平面図である。
【図12】サンシェードを車両内部に取り付けた状態を示す説明図である。
【図13】取り付けた状態のサンシェードに関する拡大断面図である。
【図14】サンシェードを取り付けた状態を示す説明図である。
【図15】図14に示すサンシェードを操作した状態に関する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る実施形態について詳しく説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明を実施するにあたって好ましい具体例であるから、技術的に種々の限定がなされているが、本発明は、以下の説明において特に本発明を限定する旨明記されていない限り、これらの形態に限定されるものではない。
【0012】
図1は、車両内部の荷物室等を覆うための車両用内装具に関する平面図である。この例では、車両用内装具は、自動車等の車両において後部座席の後方に配置される荷物室を上方から覆うもので、一般にトノカバーと称されているものである。トノカバー1は、編地シート体10の両側に板状の支持体11及び12が固定されて構成されている。
【0013】
図2は、図1のA−A断面図である。編地シート体10は、地組織101及び104並びに遮光層107からなり、全体の構成糸は、熱セット加工、樹脂加工等の形態安定加工が施されて地組織101及び104の間が所定間隔空けて保持されるようになっている。
【0014】
図3は、編地シート体10に関する部分拡大斜視図であり、図4は、編地シート体10に関する部分拡大平面図である。一方の面側の地組織101は、経方向に鎖編により編成された編目列102が緯方向に所定間隔空けて配列されて隣接する編目列102に交互に所定長さずつ挿入糸103を編み込んで平面状に形成されている。したがって、地組織101は、経方向に直線状に延びる編目列102と、隣接する編目列102の間に緯方向に振られて掛け渡すように配列された挿入糸103とにより格子状に形成されている。
【0015】
同様に、他方の面側の地組織104は、経方向に鎖編により編成された編目列105が緯方向に所定間隔空けて配列されて隣接する編目列105に交互に所定長さずつ挿入糸106を編み込んで平面状に形成されている。したがって、地組織104は、経方向に直線状に延びる編目列105と、隣接する編目列105の間に緯方向に振られて掛け渡すように配列された挿入糸106とにより格子状に形成されている。
【0016】
そして、地組織101の編目列102は地組織104の編目列105に対向配置されており、正面から見て地組織101及び104は重なるように配置される。
【0017】
遮光層107は、地組織101の編目列102と地組織104の編目列105との間に交互に連結糸を編み込んで経方向に面状に形成されており、複数の遮光層107が緯方向に互いに平行となるように配列されている。遮光層107を形成する連結糸は密に配列されて遮光性を持たせており、連結糸に捲縮糸等の嵩高性の糸を使用することで遮光性をより向上させることができる。
【0018】
そして、遮光層107は、対向配置された地組織101の編目列102及び地組織104の編目列105から1つずれた位置の編目列の間を連結するようにされている。隣接する遮光層107の一方が対向配置された地組織101の編目列102に連結され、他方が対向配置された地組織104の編目列105に連結されている。そのため、図1に示す平面視(視線方向S1で示す)及び遮光層107に直交する角度(視線方向S2で示す)では遮光層107が全面に表出し、編地シート体10の全面が遮光された状態になり、目隠しとしての遮蔽効果を有する。そして、遮光層107の面方向に沿った角度から見ると(視線方向S3で示す)、遮光層107の間から光が透過するようになり、遮光層107を通して荷物室内部を視認することができる。
【0019】
支持体11及び12は、地組織101の編目列102及び地組織104の編目列105に沿うように編地シート体10の両側に配置されて縫製及び接着等により固定されている。支持体11及び12は、編目列102及び105に沿って編地シート体10の全幅にわたって取り付けられており、編地シート体10とほぼ同じ厚さの板状に形成されている。支持体11及び12としては、例えば、板状の芯材を合成皮革又は合成樹脂シートで被覆したものを用いればよい。
【0020】
支持体11には、編地シート体10との境目に一対のフック部材13が取り付けられており、車両内部の係止部にフック部材13を引っ掛けることで支持体11を車両内部に取り付けることができる。また、支持体12には、端部に二対のフック部材14が取り付けられており、一対のフック部材14をそれぞれ後部座席に引っ掛けることで支持体12を取り付けることができる。
【0021】
図5は、トノカバー1を車両Mの内部に取り付けた状態を示す説明図である。まず、後部座席Rに設けられたヘッドレストHの下部に突出する一対の支持棒にフック部材14を引っ掛けて支持体12を取り付ける。そして、支持体11を手で把持しながら後方に引張り、フック部材13を車両Mの後部に設けられた係止金具に引っ掛けて、編地シート体10をほぼ水平方向に張設した状態にしてトノカバー1を取り付ける。トノカバー1の後部座席の後方は荷物室Bとなっており、取り付けたトノカバー1は荷物室Bの上方を覆うように設定される。編地シート体10は張設した状態に設定されるので、上面に傘、帽子、ボールといった軽量物を載置することができ、荷物室を2段に分けて収容スペースを増加させることができ、また壊れやすい物や頻繁に使用する物を分けて収容することが可能となる。
【0022】
図6は、トノカバー1を取り付けた状態での遮蔽性及び視認性に関する説明図である。編地シート体10の遮光層を、図4に示すように、前方側に向かって上方に傾斜するように取り付けることで、後方の窓部M1から入射する光(点線の矢印で表示)は、遮光層に直交する方向に入射するようになるため遮光されて荷物室内部に入射することはなくなる。また、車両Mの外部から荷物室内部を覗こうとする場合、遮光層により視線が遮られるため内部に収容された荷物を視認することは難しく防犯上好ましい。一方、後部座席側から編地シート体10を見ると、視線方向が遮光層にほぼ沿うようになるので、光が透過するようになり、荷物室内部を容易に視認することができるようになる。
【0023】
また、編地シート体10は、遮光層の間に空隙が形成されているので、空気の流通を妨げることがなく良好な通気性を備えている。
【0024】
以上のとおり、本発明によれば、遮蔽効果及び良好な視認性並びに通気性を兼備した車両用内装具を得ることができる。
【0025】
図7は、編地シート体10の地組織101の編組織を示す模式図である。隣接する編目列102の間には、一対の挿入糸103a及び103bが緯方向に振られながら所定の長さずつ交互に編目列102に編み込まれており、経方向の編目列102及び緯方向の挿入糸103により格子状に編成されている。一対の挿入糸103a及び103bは、緯方向に互いに逆方向に振られて編目列102の間で互いに交差するようにされているため、経方向の編目列102には挿入糸103a及び103bが二重に編み込まれるとともに緯方向に挿入糸103が交差するように二重に掛け渡されるので、編地全体の強度を向上させて保形性を高め、地組織101の光透過性が確保されるようになっている。地組織104についても、地組織101と同様の編組織を備えている。
【0026】
図8は、編地シート体10を編成するための光透過性立体構造編地に関する編組織図である。L1及びL2は地組織101の挿入糸103であり、L3は鎖編により編成される地組織101の編目列102である。図示されるように、一対の挿入糸103であるL1及びL2が隣接する編目列102に所定長さずつ交互に編み込まれ、隣接する編目列102の間で交差するように掛け渡される。
【0027】
L4及びL5は両端の耳部を編成するための編成糸であり、後述するように、形態安定工程で編成された編地の両端を搬送ピンに固定して張設するために用いられる。L6は連結糸であり、編目列102及び105の編目に交互に編み込まれる。
【0028】
L7は鎖編により編成される地組織104の編目列105であり、L8及びL9は地組織104の挿入糸106である。地組織101と同様に一対の挿入糸106であるL8及びL9は隣接する編目列105に所定長さずつ交互に編み込まれ、隣接する編目列105の間で交差するように掛け渡されている。
【0029】
地組織101及び104の編成糸としては、レーヨンに代表される再生繊維、綿に代表される天然繊維、アセテート等の半合成繊維、ポリエチレンテレフタレートに代表されるポリエステル系合成繊維、ナイロンに代表される脂肪族ポリアミド系合成繊維あるいはこれらの混合繊維を用いることができ、長繊維糸又は紡績糸のいずれであってもよく、特に限定されない。
【0030】
連結糸としては、ポリエチレンテレフタレートに代表されるポリエステル系合成繊維、ナイロンに代表される脂肪族ポリアミド系合成繊維等の合成繊維を用いた捲縮糸といった嵩高性の糸が好ましい。こうした糸を用いることで、遮光層として面状に編成した場合に糸の間の隙間がなくなって遮光性を向上させることができる。
【0031】
図9は、図8で示すように編成された光透過性立体構造編地Fを形態安定させるための工程に関する説明図である。編地は必要に応じて染色及び精錬しておく。そして、編成された編地をローラにより搬送して、樹脂液を貯留する液槽200内に搬入し編地に樹脂材料を含浸させる。含浸させる樹脂材料としては、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、シリコン系樹脂、メラミン系樹脂等が好ましい。
【0032】
含浸された編地を絞りローラ201により挟圧して余分な樹脂液を絞り取り、乾燥機202内に搬入する。乾燥機202では編地の両側端の耳部をピンに掛けて張設した状態で乾燥させる。乾燥工程では、150℃で2〜3分乾燥させるのがよい。編地の両側端を引張して張設状態で乾燥させるので、隣接する編目列の間に交差するように掛け渡された挿入糸が緊張状態となって地組織の編目列が経方向に直線状に延び緯方向に挿入糸が直線状に延びて格子状に形成されるとともに一対の地組織が所定間隔を空けて保持された状態で形態安定加工される。
【0033】
形態安定加工としては、上述した樹脂加工の他に熱セット加工を用いてもよい。熱セット加工の場合には、編地を張設した状態で編地全体を加熱して公知の熱セット処理を行えばよい。
【0034】
図10は、上述したトノカバー1の変形例に関する平面図である。この例では、編地シート体10及び支持体11の境界部分に沿ってファスナー15が取り付けられており、編地シート体10及び支持体12の境界部分にも同様にファスナー16が取り付けられている。そして、トノカバー1を張設した状態でファスナー15又は16を開閉することで、トノカバー1を張設した状態のままで荷物室内部に手を挿し込んで物品の出し入れをすることができる。
【0035】
図11は、別の車両用内装具に関する平面図である。この例では、車両用内装具は、車両Mの上部開口に設けられたサンルーフM2に対向配置されるサンシェード17である。サンシェード17は、矩形状の枠体19の内側に編地シート体10と同様の編地シート体18が張設されている。図12は、サンシェード17を車両内部に取り付けた状態を示す説明図である。枠体19は、車両内部の天井部分に着脱可能に取り付けられており、編地シート体18がサンルーフM2に対向配置されるように設定されている。
【0036】
図13は、取り付けた状態のサンシェード17に関する拡大断面図である。サンシェード17は、編地シート体18の遮光層が車両前方側にいくに従い上方に傾斜するように取り付けられており、運転中に発生する前方からの風がスムーズに編地シート体18を通過して車両内部に導入される。また、車両後方からサンルーフM2に入射する直射日光に対しては遮光層により遮蔽されるようになる。したがって、通気性及び遮光性が良好なサンシェードを得ることができる。また、サンシェードを二重に配置してそれぞれの編地シート体の遮光層の傾斜方向を反対方向とすることで通気性を維持したまま遮光効果を高めることもできる。
【0037】
こうしたサンシェード17は、車両側面部の窓部に着脱可能に取り付けてもよい。その場合には、編地シート体18の遮光層が車両前方側にいくに従い外方に傾斜するように取り付ければ、窓を開いた場合に前方からの風をスムーズに車両内部に導入することができる。また、遮光層を上方にいくに従い内側に傾斜するように取り付ければ、高い遮光効果を得ることができる。
【0038】
図14は、車両のフロントガラスM3の内側において運転席の上部にサンシェード20を回動可能に取り付けた場合を示す説明図である。サンシェード20は、サンシェード17と同様に編地シート体21を枠体22に張設して構成されており、従来のサンシェードと同様に上端部が回動軸体に軸支されて上下に回動可能に取り付けられている。
【0039】
図15は、サンシェード20を操作した状態に関する説明図である。図15(a)に示すように、サンシェード20を車両内部の天井に沿うように収納した状態で前方から直射日光が入射する場合には、図15(b)に示すように、フロントガラス側にサンシェード20を回動させて設置すると、直射日光は遮光層により遮られるようになる。また、上方から直射日光が入射する場合には、図15(c)に示すように、フロントガラスに沿うようにサンシェード20を回動させて設置すれば、編地シート体21により直射日光を遮光するとともに遮光層の間から運転者は外部の状況を視認することができ、直射日光を避けながら良好な視界を得ることが可能となる。
【符号の説明】
【0040】
F 光透過性立体構造編地
M 車両
1 トノカバー
10 編地シート体
11 支持体
12 支持体
13 フック部材
14 フック部材
15 ファスナー
16 ファスナー
17 サンシェード
18 編地シート体
19 枠体
20 サンシェード
21 編地シート体
22 枠体
101 地組織
102 編目列
103 挿入糸
104 地組織
105 編目列
106 挿入糸
107 遮光層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
経方向に鎖編により編成される複数の編目列を緯方向に所定間隔空けて配列し隣接する編目列の間に一対の挿入糸を互いに交差するように緯方向に振りながら掛け渡して経方向の編目列及び緯方向の挿入糸により格子状に形成された一対の地組織及び当該地組織の編目列の間に交互に連結糸を経方向に編み込んで面状に形成され緯方向に所定間隔空けて配列された複数の遮光層を有する編地シート体と、前記編地シート体の少なくとも前記編目列に沿う全幅にわたって保持するように固定された支持体とを備え、前記支持体を車両内部に取り付けて前記編地シート体が張設された状態において前記編地シート体の前記編目列が直線状に配列されて前記遮光層が所定の傾斜角度に設定されることで所定方向の入射光に対する遮光性及び通気性を有することを特徴とする車両用内装具。
【請求項2】
前記支持体は、前記編地シート体の前記編目列と直交する方向の両側に前記編目列に沿って固定されるとともに車両内部の後部座席の後方スペースを前記編地シート体で覆うように車両内部に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の車両用内装具。
【請求項3】
前記支持体は、前記編地シート体の周囲を保持するように枠状に形成されるとともに車両内部の窓部に対向する位置に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の車両用内装具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−231598(P2011−231598A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−105850(P2010−105850)
【出願日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【出願人】(395003648)株式会社カズマ (5)
【Fターム(参考)】