車両用内装材
【課題】快適空間としての室内の居住性の向上を図ることを可能にするとともに、室内の圧迫感を極力緩和することを可能にする。
【解決手段】車両10の室内12側に配置される車両用内装材17において、車両用内装材17は、所定の基準色M3,Y3を有し、且つ室内12に入射される太陽光線により明るい箇所41及び暗い箇所44とに分かれるときに、基準色M3が無彩色の場合に、明るい箇所41には、基準色M3より明度の低い色M1を塗り、暗い箇所44には、基準色M3より明度の高い色M4を塗り、基準色Y3が有彩色の場合に、明るい箇所41には、基準色Y3より明度の低い色若しくは彩度の低い色Y1を塗り、暗い箇所44には、基準色Y3より明度の高い色若しくは彩度の高い色Y4を塗る。
【解決手段】車両10の室内12側に配置される車両用内装材17において、車両用内装材17は、所定の基準色M3,Y3を有し、且つ室内12に入射される太陽光線により明るい箇所41及び暗い箇所44とに分かれるときに、基準色M3が無彩色の場合に、明るい箇所41には、基準色M3より明度の低い色M1を塗り、暗い箇所44には、基準色M3より明度の高い色M4を塗り、基準色Y3が有彩色の場合に、明るい箇所41には、基準色Y3より明度の低い色若しくは彩度の低い色Y1を塗り、暗い箇所44には、基準色Y3より明度の高い色若しくは彩度の高い色Y4を塗る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の室内側に配置される車両用内装材に関する。
【背景技術】
【0002】
車両用内装材としてのインストルメントパネルには、太陽光線の直射を受けやすい部位に、太陽光線を散乱させるフラット塗料の艶消し塗膜を形成し、この艶消し塗膜部位から太陽光線の直射を受けにくい部位にかけて、フラット塗料に他の内装部品と色調の統一性を有する別異の塗料を漸増的に混合させた混合塗料の塗膜を形成し、インストルメントパネルの表面にグラデーション模様を生じさせるものがある。
【0003】
この車両用内装材によれば、運転者や助手席に乗車した乗員の眼に、太陽光線の反射光が直接当たることを防止することが可能である(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−270393号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、車両用内装材の中には、特許文献1のインストルメントパネルの他に、室内の上部を覆うルーフライニングや、センタピラーなどを室内側から覆うピラーカバーなどがある。
車両用内装材としてのルーフライニングは、単一の表皮(単一の素材)で形成されることが多く、そのため単一色のものが一般的である。ルームランプの周囲には凹凸を有する場合があり、ヘッドクリアランスを取るために、頭上の当該部分のみをあえて凹ませる場合もある。
【0006】
このように、ルーフライニングに凹凸を有する場合には、車外から室内に差し込む光(太陽光線)により、凹凸部分の周囲に明るい箇所及び暗い箇所(影部分)が発生する。ルーフライニングに明るい箇所及び暗い箇所が発生すると、室内が暗く感じたり、狭く感じたりすることがある。すなわち、快適空間を求める室内の居住性が損なわれることになる。
【0007】
また、ルーフライニングの前方に、地図などを見るときに使用するマップランプを装備した車種では、マップランプ設置部分のルーフライニングが突出する場合がある。このような場合にも、上部(ルーフライニング)からの圧迫感を極力緩和したいものである。
【0008】
さらに、車両用内装材としてのセンタピラーカバーが太い場合には、乗員に窮屈な感じを与える場合が有る。この場合には、センタピラーカバーをできるだけ細く(スリムに)感じられるように仕上げたいものである。
車両用内装材としてのフロントピラーカバーと、車両用内装材としてのルーフライニングと、で構成される前窓枠カバー部に暗い箇所(影部分)があると、室内が暗く感じられることもある。
【0009】
本発明は、例えば、車両用内装材がルーフライニングのときは、快適空間としての室内の居住性の向上を図ることができるとともに、室内の圧迫感を極力緩和することができる車両用内装材を提供することを課題とする。
また、車両用内装材がセンタピラーカバーのときは、できるだけ細く(スリムに)感じられるように仕上げて室内の圧迫感を緩和することができる車両用内装材を提供することを課題とする。
さらに、車両用内装材としてのフロントピラーカバーと、車両用内装材としてのルーフライニングとで、構成される前窓枠カバー部の暗い箇所を目立たなくすることができる車両用内装材を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に係る発明は、車両の室内側に配置される車両用内装材において、車両用内装材は、所定の基準色を有し、且つ室内に入射される太陽光線により明るい箇所及び暗い箇所とに分かれるときに、基準色が無彩色の場合に、明るい箇所には、基準色より明度の低い色を塗り、暗い箇所には、基準色より明度の高い色を塗り、基準色が有彩色の場合に、明るい箇所には、基準色より明度の低い色若しくは彩度の低い色を塗り、暗い箇所には、基準色より明度の高い色若しくは彩度の高い色を塗ることを特徴とする。
【0011】
請求項2に係る発明は、明るい箇所は太陽光線の当たる凸部であり、暗い箇所は影部分となる凹部であることを特徴とする。
【0012】
請求項3に係る発明は、基準色が無彩色の場合に、基準色より明度の低い色、基準色、及び基準色より明度の高い色それぞれの境目領域は、隣り合う色の中間の色を連続的に変化させて塗り、基準色が有彩色の場合には、基準色より明度の低い色若しくは彩度の低い色、基準色、及び基準色より明度の高い色若しくは彩度の高い色それぞれの境目領域は、隣り合う色の中間の色を連続的に変化させて塗ることを特徴とする。
【0013】
請求項4に係る発明は、車両用内装材が、室内の上部を覆うルーフライニングであり、ルーフライニングの略中央部分に室内を照明するルームランプを備え、且つ太陽光線が車両の前方から室内に入射され、ルームランプの後方からルーフライニングを見るときに、基準色が無彩色の場合には、明るい箇所となるルームランプの前部に、基準色より明度の低い色を塗り、暗い箇所となるルームランプの後部に、基準色より明度の高い色を塗り、基準色が有彩色の場合には、明るい箇所となるルームランプの前部に、基準色より明度の低い色若しくは彩度の低い色を塗り、暗い箇所となるルームランプの後部に、基準色より明度の高い色若しくは彩度の高い色を塗ることを特徴とする。
【0014】
請求項5に係る発明は、車両の室内側に配置される車両用内装材において、車両用内装材が、室内の上部を覆うルーフライニングであり、ルーフライニングの前方に膨出部が形成され、この膨出部内に地図を見るためのマップランプが設置され、基準色が無彩色の場合には、暗い箇所となるマップランプの後方に車幅方向に渡って基準色より明度の高い色を塗り、基準色が有彩色の場合には、暗い箇所となるマップランプの後方に車幅方向に渡って基準色より明度の高い色若しくは彩度の高い色を塗ることを特徴とする。
【0015】
請求項6に係る発明は、車両の室内側に配置される車両用内装材において、車両用内装材が、室内からセンタピラーを覆うセンタピラーカバーであり、センタピラーカバーが断面視略コ字状を呈し、暗い箇所(影部分)となる断面視略コ字状の室内側後角部に、センタピラーカバーの基準色が無彩色の場合には、基準色より明度の高い色を塗り、基準色が有彩色の場合には、基準色より明度の高い色若しくは彩度の高い色を塗ることを特徴とする。
【0016】
請求項7に係る発明は、車両の室内側に配置される車両用内装材において、車両用内装材が、室内からフロントピラーを覆うフロントピラーカバーと、室内の上部を覆うルーフライニングと、で構成される前窓枠カバー部であり、前窓枠カバー部は同一の基準色で形成され、前窓枠カバー部の暗い箇所(影部分)となる室内側角部に、基準色が無彩色の場合には基準色より明度の高い色を塗り、基準色が有彩色の場合には、基準色より明度の高い色若しくは彩度の高い色を塗ることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明は以下の効果を奏する。
請求項1に係る発明では、車両の室内側に車両用内装材が配置される。車両用内装材は、所定の基準色を有し、且つ室内に入射される太陽光線により明るい箇所及び暗い箇所とに分かれる。
基準色が無彩色の場合に、明るい箇所には、基準色より明度の低い色を塗り、暗い箇所には、基準色より明度の高い色を塗り、基準色が有彩色の場合に、明るい箇所には、基準色より明度の低い色若しくは彩度の低い色を塗り、暗い箇所には、基準色より明度の高い色若しくは彩度の高い色を塗るようにしたので、車両用内装材の太陽光線による陰影を目立ち難くすることができる。これにより、例えば車両用内装材がルーフライニングのときは、快適空間としての室内の居住性の向上を図ることができる。例えば、ルーフライニングにマップランプが装備される場合には、マップランプを収納するために、ルーフライニングが室内の下方に膨出されることが多い。この場合にも、膨出された部分を目立ち難くすることができ、室内への圧迫感を極力緩和することができる。
【0018】
請求項2に係る発明では、明るい箇所は太陽光線の当たる凸部であり、暗い箇所は影部分となる凹部である。例えば、基準色が無彩色の場合に、太陽光線の当たる凸部には、基準色より明度の低い色を塗り、影部分となる凹部には、基準色より明度の高い色を塗り、基準色が有彩色の場合に、太陽光線の当たる凸部には、基準色より明度の低い色若しくは彩度の低い色を塗り、影部分となる凹部には、基準色より明度の高い色若しくは彩度の高い色を塗ることで、凹凸感を緩和することができる。
【0019】
請求項3に係る発明では、基準色が無彩色の場合に、基準色より明度の低い色、基準色、及び基準色より明度の高い色それぞれの境目領域は、隣り合う色の中間の色を連続的に変化させて塗り、基準色が有彩色の場合には、基準色より明度の低い色若しくは彩度の低い色、基準色、及び基準色より明度の高い色若しくは彩度の高い色それぞれの境目領域は、隣り合う色の中間の色を連続的に変化させて塗る。すなわち、基準色より明度の低い色、基準色、及び基準色より明度の高い色の間に、若しくは基準色より明度の低い色若しくは彩度の低い色、基準色、及び基準色より明度の高い色若しくは彩度の高い色の間に、グラデーションを付加することができ、車両用内装材を自然なつながりで仕上げることができる。
【0020】
請求項4に係る発明では、車両用内装材が、室内の上部を覆うルーフライニングである。ルーフライニングの略中央部分に室内を照明するルームランプを備える。太陽光線が車両の前方から室内に入射され、ルームランプの後方からルーフライニングを見る。
このときに、基準色が無彩色の場合には、明るい箇所となるルームランプの前部に、基準色より明度の低い色を塗り、暗い箇所となるルームランプの後部に、基準色より明度の高い色を塗り、基準色が有彩色の場合には、明るい箇所となるルームランプの前部に、基準色より明度の低い色若しくは彩度の低い色を塗り、暗い箇所となるルームランプの後部に、基準色より明度の高い色若しくは彩度の高い色を塗るので、ルームランプの周りの陰影を低減することができる。この結果、快適空間としての室内の居住性の向上を図ることができる。
【0021】
請求項5に係る発明では、車両用内装材が、室内の上部を覆うルーフライニングであり、ルーフライニングの前方に膨出部が形成され、この膨出部内に地図を見るためのマップランプが設置される。
基準色が無彩色の場合には、暗い箇所となるマップランプの後方に車幅方向に渡って基準色より明度の高い色を塗り、基準色が有彩色の場合には、暗い箇所となるマップランプの後方に車幅方向に渡って基準色より明度の高い色若しくは彩度の高い色を塗るので、膨出部による陰影を抑えることができる。これにより、膨出部を目立ち難くすることができ、室内への圧迫感を極力緩和することができる。
【0022】
請求項6に係る発明では、車両用内装材が、室内からセンタピラーを覆うセンタピラーカバーである。
センタピラーカバーが断面視略コ字状を呈し、暗い箇所(影部分)となる断面視略コ字状の室内側後角部に、センタピラーカバーの基準色が無彩色の場合には、基準色より明度の高い色を塗り、基準色が有彩色の場合には、基準色より明度の高い色若しくは彩度の高い色を塗るので、室内側後角部を目立ち難くすることができる。これにより、センタピラーカバーを細く(スリムに)感じられるように仕上げることができる。この結果、室内の圧迫感を緩和することができる。
【0023】
請求項7に係る発明では、車両用内装材が、室内からフロントピラーを覆うフロントピラーカバーと、室内の上部を覆うルーフライニングと、で構成される前窓枠カバー部である。前窓枠カバー部は同一の基準色で形成される。
前窓枠カバー部の暗い箇所(影部分)となる室内側角部に、基準色が無彩色の場合には基準色より明度の高い色を塗り、基準色が有彩色の場合には、基準色より明度の高い色若しくは彩度の高い色を塗るので、前窓枠カバー部の暗い箇所を目立たなくすることができる。この結果、室内を広く感じられるようにすることができ、快適な室内を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明に係る車両用内装材が採用された車両の室内を示す斜視図である。
【図2】本発明に係る車両用内装材が採用される前の室内を示す斜視図である。
【図3】図2に示されるルーフライニングの明るい箇所及び暗い箇所の詳細が示される説明図である。
【図4】本発明に係る車両用内装材としてのルーフライニングの平面図である。
【図5】図4の5−5線断面図である。
【図6】図4の6−6線断面図である。
【図7】図4の7−7線断面図である。
【図8】図4に示される車両用内装材としてのルーフライニングの比較検討図である。
【図9】図4の9−9線断面図である。
【図10】本発明に係る車両用内装材が採用された車両の室内右側を示す斜視図である。
【図11】本発明に係る車両用内装材としてのセンタピラーカバーの断面図である。
【図12】本発明に係る車両用内装材としてのフロントピラーカバーの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
【実施例】
【0026】
図1に示されたように、車両10は、室内(車室)12に、運転席14及び助手席15からなるフロントシート16と、リヤシート(不図示)と、が配置される。
室内12の上部は、ルーフライニング17で覆われる。車体11の側方前部の骨格をなすフロントピラー21は、フロントピラーカバー18で覆われる。車体11の側方中央部の骨格をなすセンタピラー22は、センタピラーカバー19で覆われる。
【0027】
これらのルーフライニング17、フロントピラーカバー18及びセンタピラーカバー19は、車両用内装材である。
【0028】
ルーフライニング17には、ルーフライニング17の前部左右に形成され、車体上方に凹ませた左右の凹部25,25と、ルーフライニング17の前部中央に形成され、車体下方に膨出した膨出部26と、ルーフライニング17の車幅方向に渡って形成され、車体下方に突出させた突出部27と、が形成される。
【0029】
突出部(出っ張り部分)27は、車幅方向に向けて徐々に平面に収束する。突出部27は、前傾面31と、後傾面34(図4参照)と、これらの前傾面31及び後傾面34で車体前後方向に挟まれた左右の挟持部32,32(図4参照)と、ルームランプ38を臨ます開口36と、からなる。
左右の凹部25,25には、それぞれ左右のサンバイザー35,35が設けられる。膨出部26には、地図を見るためのマップランプ37が設置される。突出部27には、室内12を照明するルームランプ38を備える。
【0030】
ルーフライニング17の色調は、基準色M3はグレー色(無彩色)の車両用内装材であり、基準色M3は基準の明るさ箇所43に塗られる。(なお、ベージュ色等の有彩色の場合は基準色Y3が用いられ、基準色Yは基準の明るさ箇所43に塗られる)。
基準の明るさ箇所43に比べ明るい箇所(太陽光線の当たる凸部)41は、基準色M3よりも明度の低い色(暗いグレー色)M1が予め塗られる。基準の明るさ箇所43に比べ暗い箇所(影部分となる凹部)44は、基準色M3よりも明度の高い色(明色)M4が予め塗られる。明るい箇所41及び暗い箇所44間の少し明るい箇所42は、明度の低い色(暗色)M1と明度の高い色(明色)M4と間の色で、且つ基準色M3よりも少し明度の低い色である混合色M2が塗られている。
すなわち、明度の高さは、M1<M2<M3<M4の関係となる。具体的には、明度の低い色(暗色)M1は暗いグレー色、混合色M2は少し暗いグレー色、基準色M3は基準のグレー色、明度の高い色(明色)M4は明るいグレー色である。
これにより、車両用内装材(ルーフライニング)17の太陽光線による陰影を目立ち難くしている。
【0031】
図2及び図3に、図1に示された車両用内装材(ルーフライニング)17の明るい箇所41又は暗い箇所44を塗り分ける前の車両110の室内(車室)112及びルーフライニング117が示される。
車両110は、室内112に、運転席114及び助手席115からなるフロントシート116と、リヤシート123と、が配置される。
【0032】
室内112の上部は、ルーフライニング117で覆われる。フロントピラー121は、フロントピラーカバー118で覆われる。センタピラー122は、センタピラーカバー119で覆われる。
これらのルーフライニング117、フロントピラーカバー118及びセンタピラーカバー119は、車両用内装材である。
【0033】
ルーフライニング117には、左右の凹部125,125と、膨出部126と、突出部127と、が形成される。ルーフライニング117の基準色M3はグレー色(無彩色)である(なお、ベージュ色等の有彩色の場合は基準色Y3が用いられる)。
突出部(出っ張り部分)127は、車幅方向に向けて徐々に平面に収束する。
左右の凹部125,125には、それぞれサンバイザー135,135が設けられる。膨出部126には、マップランプ137が設置される。突出部127には、ルームランプ138を備える。
【0034】
図1に示された車両用内装材(ルーフライニング)17の明るい箇所41又は暗い箇所44を塗り分ける前の車両110の室内112には、ルームランプ138の近くに明るい箇所141及び暗い箇所144(図3参照)の明るさムラが現れる。図2では、明るい箇所141のみを表示した。
【0035】
詳細には図3に示されるように、太陽光線が矢印A1の如く車両110の前方から室内112に入射され、ルームランプ138の後方からリヤシート123の乗員124がルーフライニング117を見るときに、車両用内装材(ルーフライニング)117のサンバイザー135部分及びフロントシート116部分では、ほぼ基準色M3,Y3で認識され、ルームランプ138が取付けられる突出部(出っ張り部分)127では、前方が車幅方向に帯状に最も明るく視認される箇所(明るい箇所141)、後方が車幅方向に帯状に暗く視認される箇所(暗い箇所144)、明るい箇所141及び暗い箇所144の間に車幅方向に帯状に少し明るく視認される箇所(少し明るい箇所142)が現れる。なお、図中143は基準の明るさ箇所を示す。
【0036】
なお、ルーフライニング117は、図1に示されたルーフライニング17に形状同一の部品であり、フロントピラーカバー118は、図1に示されたフロントピラーカバー18に形状同一の部品であり、センタピラーカバー119は、図1に示されたセンタピラーカバー19に形状同一の部品である。
また、図1に示されたルーフライニング17、フロントピラーカバー18及びセンタピラーカバー19は、凹凸を目立ち難くするための補正の色付けをしたものである。
【0037】
すなわち、図1に示されたように、基準色M3が無彩色の場合に、明るい箇所41には、予め基準色(ベース色)M3より明度の低い色M1を塗り、暗い箇所44には、予め基準色M3より明度の高い色M4を塗り、少し明るい箇所42には、混合色M2を塗ることで、太陽光線による陰影を目立ち難くしている。なお、混合色M2は、明度の低い色(暗色)M1と明度の高い色(明色)M4と間の色で、且つ基準色M3よりも少し明度の低い色である。
【0038】
図1、図4〜図7に示されたように、車両用内装材としてのルーフライニング17が車両10の室内12側に配置される。ルーフライニング17の略中央部分に室内12を照明するルームランプ38を備える。
【0039】
車両10では、フロントガラス28が面積が広いので、室内12にフロントガラス28から入光する量が最も多く、ルーフライニング17のルームランプ38を見る機会の多いのはリヤシート(不図示)に着座した乗員であることから、太陽光線が車両10の前方から室内12に入射され、ルームランプ38の後方からルーフライニング17を見る場合を想定してルーフライニング17の太陽光線による陰影を目立ち難くする対策を実施した。
【0040】
先にも説明したように、ルーフライニング17の色調は、基準色M3はグレー色(無彩色)の車両用内装材である。
さらに、基準の明るさ箇所43に比べ明るい箇所(太陽光線の当たる凸部)41は、基準色M3よりも明度の低い色(暗いグレー色)M1が予め塗られる。基準の明るさ箇所43に比べ暗い箇所(影部分となる凹部)44は、基準色M3よりも明度の高い色(明色)M4が予め塗られる。明るい箇所41及び暗い箇所44間の少し明るい箇所42は、明度の低い色(暗色)M1と明度の高い色(明色)M4と間の色で、且つ基準色M3よりも少し明度の低い色である混合色M2が塗られている。
【0041】
基準色M3に比べ明るい箇所(太陽光線の当たる凸部)41は、ルームランプ38の前部としての突出部27の前斜面31及び前斜面前方近傍31aが相当する。これは、前斜面前方近傍31aに前斜面31からの反射があるからである。
基準色M3に比べ暗い箇所(影部分となる凹部)44は、ルームランプ38の後部としての突出部27の後斜面34及び後斜面後方近傍34aが相当する。これは、後斜面後方近傍34aに、後斜面34からの影が影響し、暗くなるからである。
【0042】
明るい箇所41及び暗い箇所44は、前斜面31及び後斜面34が相当する。少し明るい箇所42は、車体前後方向に挟まれた左右の挟持部32,32が相当する。
基準色M3より明度の低い色(暗色)M1、混合色M2、基準色M3、及び基準色M3より明度の高い色(明色)M4それぞれの境目領域51〜54は、隣り合う色の中間の色を連続的に変化させて塗る。
【0043】
詳細には、第1の境目領域51では、車体前方から車体後方に向かい、基準色M3から暗色M1に連続的に変化させて塗られる。
第2の境目領域52では、車体前方から車体後方に向かい、暗色M1から混合色M2に連続的に変化させて塗られる。
【0044】
第3の境目領域53では、車体前方から車体後方に向かい、混合色M2から明色M4に連続的に変化させて塗られる。
第4の境目領域54では、車体前方から車体後方に向かい、明色M4から基準色M3に連続的に変化させて塗られる。
【0045】
さらに、ルーフライニング17の色調が、ベージュ等の有彩色の場合は、基準の明るさ箇所43に比べ明るい箇所(太陽光線の当たる凸部)41は、基準色M3よりも明度の低い色若しくは彩度の低い色Y1が予め塗られる。基準の明るさ箇所43に比べ暗い箇所(影部分となる凹部)44は、基準色M3よりも明度の高い色若しくは彩度の高い色Y4が予め塗られる。明るい箇所41及び暗い箇所44間の少し明るい箇所42は、明度の低い色若しくは彩度の低い色(暗色)Y1と明度の高い色若しくは彩度の高い色(明色)Y4と間の色で、且つ基準色Y3よりも少し明度の低い色若しくは彩度の低い色である混合色Y2が塗られている。
すなわち、明度若しくは彩度高さは、Y1<Y2<Y3<Y4の関係となる。具体的には基準色Y3がベージュの場合に、明度の低い色若しくは彩度の低い色(暗色)Y1は暗いベージュ色、混合色Y2は少し暗いベージュ色、基準色Y3は基準のベージュ色、明度の高い色若しくは彩度の高い色(明色)Y4は明るいベージュ色である。
【0046】
基準色Y3が有彩色の場合には、基準色Y3より明度の低い色若しくは彩度の低い色(暗色)Y1、混合色Y2、基準色Y3、及び基準色Y3より明度の高い色若しくは彩度の高い色(明色)Y4それぞれの境目領域51〜54は、隣り合う色の中間の色を連続的に変化させて塗る。
【0047】
詳細には、第1の境目領域51では、車体前方から車体後方に向かい、基準色Y3から暗色Y1に連続的に変化させて塗られる。
第2の境目領域52では、車体前方から車体後方に向かい、暗色Y1から混合色Y2に連続的に変化させて塗られる。
【0048】
第3の境目領域53では、車体前方から車体後方に向かい、混合色Y2から明色Y4に連続的に変化させて塗られる。
第4の境目領域54では、車体前方から車体後方に向かい、明色Y4から基準色Y3に連続的に変化させて塗られる。
【0049】
図8(a)に、図1に示された車両用内装材(ルーフライニング)17の暗い箇所44又は明るい箇所41を塗り分ける前の車両110の室内112が示される(比較例)。
ルーフライニング117にはルームランプ138を配置するための突出部(出っ張り部分)127があるので、車外から室内112に差し込む光により、凹凸部分(突出部127)の周囲に明るい箇所141及び暗い箇所(影部分)144(図3参照)が発生する。ルーフライニング117に明るい箇所141及び暗い箇所144が発生すると、室内112が暗く感じたり、狭く感じたりすることがある。すなわち、快適空間を求める室内112の居住性が損なわれることになる。
【0050】
図8(b)に、凹凸を目立ち難くするための補正の色付けをしたルーフライニング17を採用した車両10の室内12が示される(実施例)。基準色M3が無彩色の場合に、明るい箇所41には、予め基準色(ベース色)M3より明度の低い色M1を塗り、暗い箇所44には、予め基準色M3より明度の高い色M4を塗り、少し明るい箇所42には、混合色M2を塗ることで、太陽光線による陰影を目立ち難くすることができる。この結果、快適空間としての室内12の居住性の向上を図ることができる。
【0051】
先にも説明したように、ルーフライニング17は、前方に、下方に向けて膨出させた膨出部26が形成され、この膨出部26内に地図を見るためのマップランプ37が設置されている。
図9に示されたように、膨出部26は、車体後方に向けてした上傾斜した傾斜部(平面部)48と、この傾斜部48の車体後方に形成された後壁47と、傾斜部48に開けられ、マップランプ37(図1参照)を臨ます開口部49と、を備える。
【0052】
ルーフライニング17の基準色M3が無彩色(グレー色)なので、暗い箇所64となるマップランプ37(図1参照)の後方に車幅方向に渡って基準色M3より明度の高い色(明色)M4を塗る。なお、暗い箇所64となるマップランプ37の後方は、傾斜部48の後部近傍48a、後壁47及び後壁近傍47aが相当する。
【0053】
第7の境目領域57では、車体前方から車体後方に向かい、基準色M3から明色M4に連続的に変化させて塗られる。
【0054】
第8の境目領域58では、車体前方から車体後方に向かい、明色M4から基準色M3に連続的に変化させて塗られる。
【0055】
基準色Y3が有彩色の場合には、暗い箇所64となるマップランプ37の後方に車幅方向に渡って基準色Y3より明度の高い色若しくは彩度の高い色(明色)Y4を塗る。
【0056】
第7の境目領域57では、車体前方から車体後方に向かい、基準色Y3から明色M4に連続的に変化させて塗られる。
【0057】
第8の境目領域58では、車体前方から車体後方に向かい、明色Y4から基準色Y3に連続的に変化させて塗られる。
【0058】
図10及び図11に示されたように、センタピラーカバー19は、ルーフライニング17と同様、基準色M3はグレー色(無彩色)の車両用内装材である。さらに、センタピラーカバー19は、断面視略コ字状の部材であり、室内側前角部71と、室内側後角部72と、を備える。
【0059】
車両10では、フロントガラス28の面積が広いのでフロントガラス28から室内12に入光する量が最も多く、リヤシート(不図示)に着座した乗員がセンタピラーカバー19を視認するときに、室内側後角部72が、暗く感じることが多い。このため、センタピラーカバー19が太く見え、乗員に窮屈な感じを与える場合が有る。
【0060】
その対策として、暗い箇所(影部分)78となる断面視略コ字状の室内側後角部72に、センタピラーカバー19の基準色M3が無彩色の場合には、基準色M3より明度の高い色(明色)M4を塗る。
第9の境目領域79では、矢印a1,a2に示されたように、明色M4側から基準色M3側に連続的に変化させて塗られる。
【0061】
基準色が有彩色の場合には、基準色より明度の高い色若しくは彩度の高い色(明色)Y4を塗る。
第9の境目領域79では、矢印a1,a2に示されたように、明色Y4から基準色Y3に連続的に変化させて塗られる。
【0062】
図10及び図12に示されたように、フロントピラーカバー18は、ルーフライニング17と同様、基準色M3はグレー色(無彩色)の車両用内装材である。さらに、フロントピラーカバー18は、断面視略コ字状の部材であり、室内側前角部81と、室内側後角部82と、を備える。
【0063】
フロントピラーカバー18の断面視略コ字状の略中央から室内側前角部81側を前部18aと、フロントピラーカバー18の断面視略コ字状の略中央から室内側後角部82側を後部18bと呼ぶときに、室内12からフロントピラー21を覆うフロントピラーカバー18の後部18bと、室内12の上部を覆うルーフライニング17の前部側方17aと、で前窓枠カバー部83が構成される。すなわち、前窓枠カバー部83は同一の基準色M3で(グレー色)形成される。
【0064】
前窓枠カバー部83の暗い箇所(影部分)88となる室内側角部84に、基準色M3が無彩色の場合には基準色M3より明度の高い色(明色)M4を塗られる。なお、室内側角部84は、フロントピラーカバー18の室内側後角部82と、ルーフライニング17の前部側方17aに形成される上部角部85が連続的に形成された部分である。
第10の境目領域89では、矢印a3,a4に示されたように、基準色M3より明色M4側から、基準色M3側に連続的に変化させて塗られる。
【0065】
また、前窓枠カバー部83の暗い箇所(影部分)88となる室内側角部84に、基準色Y3が有彩色の場合には、基準色Y3より明度の高い色若しくは彩度の高い色(明色)Y4を塗られる。
第10の境目領域89では、矢印a3,a4に示されたように、明色Y4から基準色Y3に連続的に変化させて塗られる。
【0066】
図1、図4〜図7に示されたように、車両用内装材(ルーフライニング)17は、車両10の室内12側に配置される。さらに、車両用内装材17は、所定の基準色M3,Y3を有し、且つ室内12に入射される太陽光線により明るい箇所41及び暗い箇所44とに分かれる。
【0067】
基準色M3が無彩色の場合に、明るい箇所41には、基準色M3より明度の低い色(暗色)M1を塗り、暗い箇所44には、基準色M3より明度の高い色(明色)M4を塗り、基準色Y3が有彩色の場合に、明るい箇所41には、基準色Y3より明度の低い色若しくは彩度の低い色(暗色)Y1を塗り、暗い箇所44には、基準色Y3より明度の高い色若しくは彩度の高い色(明色)Y4を塗るようにしたので、車両用内装材17の太陽光線による陰影を目立ち難くすることができる。これにより、例えば車両用内装材がルーフライニング17のときは、快適空間としての室内12の居住性の向上を図ることができる。例えば、ルーフライニング17にマップランプ37が装備される場合には、マップランプ37を収納するために、ルーフライニング17が室内12の下方に膨出されることが多い。この場合にも、膨出された部分を目立ち難くすることができ、室内12への圧迫感を極力緩和することができる。
【0068】
図1、図4及び図5に示されたように、車両用内装材(ルーフライニング)17では、明るい箇所41は太陽光線の当たる凸部であり、暗い箇所44は影部分となる凹部である。例えば、基準色M3が無彩色の場合に、太陽光線の当たる凸部(明るい箇所41)には、基準色M3より明度の低い色(暗色)M1を塗り、影部分となる凹部(暗い箇所44)には、基準色M3より明度の高い色(明色)M4を塗り、基準色Y3が有彩色の場合に、太陽光線の当たる凸部(明るい箇所41)には、基準色Y3より明度の低い色若しくは彩度の低い色(暗色)Y1を塗り、影部分となる凹部(暗い箇所44)には、基準色Y3より明度の高い色若しくは彩度の高い色(明色)Y4を塗ることで、凹凸感を緩和することができる。
【0069】
図1及び図4に示されたように、車両用内装材(ルーフライニング)17では、基準色M3が無彩色の場合に、基準色M3より明度の低い色(暗色)M1、混合色M2、基準色M3、及び基準色M3より明度の高い色(明色)M4それぞれの境目領域51〜54は、隣り合う色の中間の色を連続的に変化させて塗り、基準色Y3が有彩色の場合には、基準色Y3より明度の低い色若しくは彩度の低い色(暗色)Y1、混合色Y2、基準色Y3、及び基準色Y3より明度の高い色若しくは彩度の高い色(明色)Y4それぞれの境目領域51〜54は、隣り合う色の中間の色を連続的に変化させて塗る。すなわち、基準色M3より明度の低い色M1、基準色M3、及び基準色M3より明度の高い色M4の間に、若しくは基準色Y3より明度の低い色若しくは彩度の低い色Y1、基準色Y3、及び基準色Y3より明度の高い色若しくは彩度の高い色Y4の間に、グラデーションを付加することができ、車両用内装材17を自然なつながりで仕上げることができる。
【0070】
車両用内装材は、室内12の上部を覆うルーフライニング17である。ルーフライニング17の略中央部分に室内12を照明するルームランプ38を備える。太陽光線が車両10の前方から室内12に入射され、ルームランプ38の後方からルーフライニング17を見る。
【0071】
このときに、基準色M3が無彩色の場合には、明るい箇所41となるルームランプ38の前部に、基準色M3より明度の低い色M1を塗り、暗い箇所44となるルームランプ38の後部に、基準色M3より明度の高い色M4を塗り、基準色Y3が有彩色の場合には、明るい箇所41となるルームランプ38の前部に、基準色Y3より明度の低い色若しくは彩度の低い色Y1を塗り、暗い箇所44となるルームランプ38の後部に、基準色Y3より明度の高い色若しくは彩度の高い色Y4を塗るので、ルームランプ38の周りの陰影を低減することができる。この結果、快適空間としての室内12の居住性の向上を図ることができる。
【0072】
図1及び図9に示されたように、車両用内装材が、室内12の上部を覆うルーフライニング17である。ルーフライニング17の前方に膨出部26が形成され、この膨出部26内に地図を見るためのマップランプ37が設置される。
【0073】
基準色M3が無彩色の場合には、暗い箇所64となるマップランプ37の後方に車幅方向に渡って基準色M3より明度の高い色M4を塗り、基準色Y3が有彩色の場合には、暗い箇所64となるマップランプ37の後方に車幅方向に渡って基準色Y3より明度の高い色若しくは彩度の高い色Y4を塗るので、膨出部26による陰影を抑えることができる。これにより、膨出部26を目立ち難くすることができ、室内12への圧迫感を極力緩和することができる。
【0074】
図10及び図11に示されたように、車両用内装材は、室内12からセンタピラー22を覆うセンタピラーカバー19である。
センタピラーカバー19が断面視略コ字状を呈し、暗い箇所(影部分)78となる断面視略コ字状の室内側後角部72に、センタピラーカバー19の基準色M3が無彩色の場合には、基準色M3より明度の高い色M4を塗り、基準色Y3が有彩色の場合には、基準色Y3より明度の高い色若しくは彩度の高い色Y4を塗るので、室内側後角部72を目立ち難くすることができる。これにより、センタピラーカバー19を細く(スリムに)感じられるように仕上げることができる。この結果、室内12の圧迫感を緩和することができる。
【0075】
図10及び図12に示されたように、車両用内装材は、室内12からフロントピラー21を覆うフロントピラーカバー18と、室内12の上部を覆うルーフライニング17と、で構成される前窓枠カバー部83である。前窓枠カバー部83は同一の基準色M3,Y3で形成される。
前窓枠カバー部83の暗い箇所(影部分)88となる室内側角部84に、基準色M3が無彩色の場合には基準色M3より明度の高い色M4を塗り、基準色Y3が有彩色の場合には、基準色Y3より明度の高い色若しくは彩度の高い色Y4を塗るので、前窓枠カバー部83の暗い箇所を目立たなくすることができる。この結果、室内12を広く感じられるようにすることができ、快適な室内12を実現することができる。
【0076】
尚、本発明に係る車両用内装材は、図5に示すように、無彩色の場合に、基準色M3より明度の低い色(暗色)M1、混合色M2、基準色M3、及び基準色M3より明度の高い色(明色)M4の4色で塗り分け、有彩色の場合に、基準色Y3より明度の低い色若しくは彩度の低い色(暗色)Y1、混合色M2、基準色Y3、及び基準色Y3より明度の高い色若しくは彩度の高い色(明色)Y4の3色で塗り分けたが、4色に限るものではなく、用いる色は5色以上であってもよい。
【0077】
本発明に係る車両用内装材は、図4に示すように、明るい箇所41及び暗い箇所44間の少し明るい箇所42は、明度の低い色(暗色)M1と明度の高い色(明色)M4と間の色で、且つ基準色M3よりも少し明度の低い色である混合色M2を用いたが、これに限るものではなく、基準色M3を用いるものであってもよい。また有彩色の場合にも基準色Y3を用いるものであってもよい。
【0078】
本発明に係る車両用内装材は、図1に示すように、ルーフライニング17、フロントピラーカバー18及びセンタピラーカバー19であったが、これに限るものではなく、他の車両用内装材に適用することを妨げるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明に係る車両用内装材は、セダンやワゴンなどの乗用車に採用するのに好適である。
【符号の説明】
【0080】
10…車両、12…室内、17…車両用内装材(ルーフライニング)、18…車両用内装材(フロントピラーカバー)、19…車両用内装材(センタピラーカバー)、21…フロントピラー、22…センタピラー、26…膨出部、37…マップランプ、38…ルームランプ、41…明るい箇所、44…暗い箇所、72…室内側後角部、83…前窓枠カバー部、84…室内側角部、M1…明度の低い色(暗色)、M3…無彩色の基準色、M4…明度の高い色(明色)、Y1…明度の低い色若しくは彩度の低い色(暗色)、Y3…有彩色の基準色、Y4…明度の高い色若しくは彩度の高い色(明色)。
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の室内側に配置される車両用内装材に関する。
【背景技術】
【0002】
車両用内装材としてのインストルメントパネルには、太陽光線の直射を受けやすい部位に、太陽光線を散乱させるフラット塗料の艶消し塗膜を形成し、この艶消し塗膜部位から太陽光線の直射を受けにくい部位にかけて、フラット塗料に他の内装部品と色調の統一性を有する別異の塗料を漸増的に混合させた混合塗料の塗膜を形成し、インストルメントパネルの表面にグラデーション模様を生じさせるものがある。
【0003】
この車両用内装材によれば、運転者や助手席に乗車した乗員の眼に、太陽光線の反射光が直接当たることを防止することが可能である(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−270393号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、車両用内装材の中には、特許文献1のインストルメントパネルの他に、室内の上部を覆うルーフライニングや、センタピラーなどを室内側から覆うピラーカバーなどがある。
車両用内装材としてのルーフライニングは、単一の表皮(単一の素材)で形成されることが多く、そのため単一色のものが一般的である。ルームランプの周囲には凹凸を有する場合があり、ヘッドクリアランスを取るために、頭上の当該部分のみをあえて凹ませる場合もある。
【0006】
このように、ルーフライニングに凹凸を有する場合には、車外から室内に差し込む光(太陽光線)により、凹凸部分の周囲に明るい箇所及び暗い箇所(影部分)が発生する。ルーフライニングに明るい箇所及び暗い箇所が発生すると、室内が暗く感じたり、狭く感じたりすることがある。すなわち、快適空間を求める室内の居住性が損なわれることになる。
【0007】
また、ルーフライニングの前方に、地図などを見るときに使用するマップランプを装備した車種では、マップランプ設置部分のルーフライニングが突出する場合がある。このような場合にも、上部(ルーフライニング)からの圧迫感を極力緩和したいものである。
【0008】
さらに、車両用内装材としてのセンタピラーカバーが太い場合には、乗員に窮屈な感じを与える場合が有る。この場合には、センタピラーカバーをできるだけ細く(スリムに)感じられるように仕上げたいものである。
車両用内装材としてのフロントピラーカバーと、車両用内装材としてのルーフライニングと、で構成される前窓枠カバー部に暗い箇所(影部分)があると、室内が暗く感じられることもある。
【0009】
本発明は、例えば、車両用内装材がルーフライニングのときは、快適空間としての室内の居住性の向上を図ることができるとともに、室内の圧迫感を極力緩和することができる車両用内装材を提供することを課題とする。
また、車両用内装材がセンタピラーカバーのときは、できるだけ細く(スリムに)感じられるように仕上げて室内の圧迫感を緩和することができる車両用内装材を提供することを課題とする。
さらに、車両用内装材としてのフロントピラーカバーと、車両用内装材としてのルーフライニングとで、構成される前窓枠カバー部の暗い箇所を目立たなくすることができる車両用内装材を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に係る発明は、車両の室内側に配置される車両用内装材において、車両用内装材は、所定の基準色を有し、且つ室内に入射される太陽光線により明るい箇所及び暗い箇所とに分かれるときに、基準色が無彩色の場合に、明るい箇所には、基準色より明度の低い色を塗り、暗い箇所には、基準色より明度の高い色を塗り、基準色が有彩色の場合に、明るい箇所には、基準色より明度の低い色若しくは彩度の低い色を塗り、暗い箇所には、基準色より明度の高い色若しくは彩度の高い色を塗ることを特徴とする。
【0011】
請求項2に係る発明は、明るい箇所は太陽光線の当たる凸部であり、暗い箇所は影部分となる凹部であることを特徴とする。
【0012】
請求項3に係る発明は、基準色が無彩色の場合に、基準色より明度の低い色、基準色、及び基準色より明度の高い色それぞれの境目領域は、隣り合う色の中間の色を連続的に変化させて塗り、基準色が有彩色の場合には、基準色より明度の低い色若しくは彩度の低い色、基準色、及び基準色より明度の高い色若しくは彩度の高い色それぞれの境目領域は、隣り合う色の中間の色を連続的に変化させて塗ることを特徴とする。
【0013】
請求項4に係る発明は、車両用内装材が、室内の上部を覆うルーフライニングであり、ルーフライニングの略中央部分に室内を照明するルームランプを備え、且つ太陽光線が車両の前方から室内に入射され、ルームランプの後方からルーフライニングを見るときに、基準色が無彩色の場合には、明るい箇所となるルームランプの前部に、基準色より明度の低い色を塗り、暗い箇所となるルームランプの後部に、基準色より明度の高い色を塗り、基準色が有彩色の場合には、明るい箇所となるルームランプの前部に、基準色より明度の低い色若しくは彩度の低い色を塗り、暗い箇所となるルームランプの後部に、基準色より明度の高い色若しくは彩度の高い色を塗ることを特徴とする。
【0014】
請求項5に係る発明は、車両の室内側に配置される車両用内装材において、車両用内装材が、室内の上部を覆うルーフライニングであり、ルーフライニングの前方に膨出部が形成され、この膨出部内に地図を見るためのマップランプが設置され、基準色が無彩色の場合には、暗い箇所となるマップランプの後方に車幅方向に渡って基準色より明度の高い色を塗り、基準色が有彩色の場合には、暗い箇所となるマップランプの後方に車幅方向に渡って基準色より明度の高い色若しくは彩度の高い色を塗ることを特徴とする。
【0015】
請求項6に係る発明は、車両の室内側に配置される車両用内装材において、車両用内装材が、室内からセンタピラーを覆うセンタピラーカバーであり、センタピラーカバーが断面視略コ字状を呈し、暗い箇所(影部分)となる断面視略コ字状の室内側後角部に、センタピラーカバーの基準色が無彩色の場合には、基準色より明度の高い色を塗り、基準色が有彩色の場合には、基準色より明度の高い色若しくは彩度の高い色を塗ることを特徴とする。
【0016】
請求項7に係る発明は、車両の室内側に配置される車両用内装材において、車両用内装材が、室内からフロントピラーを覆うフロントピラーカバーと、室内の上部を覆うルーフライニングと、で構成される前窓枠カバー部であり、前窓枠カバー部は同一の基準色で形成され、前窓枠カバー部の暗い箇所(影部分)となる室内側角部に、基準色が無彩色の場合には基準色より明度の高い色を塗り、基準色が有彩色の場合には、基準色より明度の高い色若しくは彩度の高い色を塗ることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明は以下の効果を奏する。
請求項1に係る発明では、車両の室内側に車両用内装材が配置される。車両用内装材は、所定の基準色を有し、且つ室内に入射される太陽光線により明るい箇所及び暗い箇所とに分かれる。
基準色が無彩色の場合に、明るい箇所には、基準色より明度の低い色を塗り、暗い箇所には、基準色より明度の高い色を塗り、基準色が有彩色の場合に、明るい箇所には、基準色より明度の低い色若しくは彩度の低い色を塗り、暗い箇所には、基準色より明度の高い色若しくは彩度の高い色を塗るようにしたので、車両用内装材の太陽光線による陰影を目立ち難くすることができる。これにより、例えば車両用内装材がルーフライニングのときは、快適空間としての室内の居住性の向上を図ることができる。例えば、ルーフライニングにマップランプが装備される場合には、マップランプを収納するために、ルーフライニングが室内の下方に膨出されることが多い。この場合にも、膨出された部分を目立ち難くすることができ、室内への圧迫感を極力緩和することができる。
【0018】
請求項2に係る発明では、明るい箇所は太陽光線の当たる凸部であり、暗い箇所は影部分となる凹部である。例えば、基準色が無彩色の場合に、太陽光線の当たる凸部には、基準色より明度の低い色を塗り、影部分となる凹部には、基準色より明度の高い色を塗り、基準色が有彩色の場合に、太陽光線の当たる凸部には、基準色より明度の低い色若しくは彩度の低い色を塗り、影部分となる凹部には、基準色より明度の高い色若しくは彩度の高い色を塗ることで、凹凸感を緩和することができる。
【0019】
請求項3に係る発明では、基準色が無彩色の場合に、基準色より明度の低い色、基準色、及び基準色より明度の高い色それぞれの境目領域は、隣り合う色の中間の色を連続的に変化させて塗り、基準色が有彩色の場合には、基準色より明度の低い色若しくは彩度の低い色、基準色、及び基準色より明度の高い色若しくは彩度の高い色それぞれの境目領域は、隣り合う色の中間の色を連続的に変化させて塗る。すなわち、基準色より明度の低い色、基準色、及び基準色より明度の高い色の間に、若しくは基準色より明度の低い色若しくは彩度の低い色、基準色、及び基準色より明度の高い色若しくは彩度の高い色の間に、グラデーションを付加することができ、車両用内装材を自然なつながりで仕上げることができる。
【0020】
請求項4に係る発明では、車両用内装材が、室内の上部を覆うルーフライニングである。ルーフライニングの略中央部分に室内を照明するルームランプを備える。太陽光線が車両の前方から室内に入射され、ルームランプの後方からルーフライニングを見る。
このときに、基準色が無彩色の場合には、明るい箇所となるルームランプの前部に、基準色より明度の低い色を塗り、暗い箇所となるルームランプの後部に、基準色より明度の高い色を塗り、基準色が有彩色の場合には、明るい箇所となるルームランプの前部に、基準色より明度の低い色若しくは彩度の低い色を塗り、暗い箇所となるルームランプの後部に、基準色より明度の高い色若しくは彩度の高い色を塗るので、ルームランプの周りの陰影を低減することができる。この結果、快適空間としての室内の居住性の向上を図ることができる。
【0021】
請求項5に係る発明では、車両用内装材が、室内の上部を覆うルーフライニングであり、ルーフライニングの前方に膨出部が形成され、この膨出部内に地図を見るためのマップランプが設置される。
基準色が無彩色の場合には、暗い箇所となるマップランプの後方に車幅方向に渡って基準色より明度の高い色を塗り、基準色が有彩色の場合には、暗い箇所となるマップランプの後方に車幅方向に渡って基準色より明度の高い色若しくは彩度の高い色を塗るので、膨出部による陰影を抑えることができる。これにより、膨出部を目立ち難くすることができ、室内への圧迫感を極力緩和することができる。
【0022】
請求項6に係る発明では、車両用内装材が、室内からセンタピラーを覆うセンタピラーカバーである。
センタピラーカバーが断面視略コ字状を呈し、暗い箇所(影部分)となる断面視略コ字状の室内側後角部に、センタピラーカバーの基準色が無彩色の場合には、基準色より明度の高い色を塗り、基準色が有彩色の場合には、基準色より明度の高い色若しくは彩度の高い色を塗るので、室内側後角部を目立ち難くすることができる。これにより、センタピラーカバーを細く(スリムに)感じられるように仕上げることができる。この結果、室内の圧迫感を緩和することができる。
【0023】
請求項7に係る発明では、車両用内装材が、室内からフロントピラーを覆うフロントピラーカバーと、室内の上部を覆うルーフライニングと、で構成される前窓枠カバー部である。前窓枠カバー部は同一の基準色で形成される。
前窓枠カバー部の暗い箇所(影部分)となる室内側角部に、基準色が無彩色の場合には基準色より明度の高い色を塗り、基準色が有彩色の場合には、基準色より明度の高い色若しくは彩度の高い色を塗るので、前窓枠カバー部の暗い箇所を目立たなくすることができる。この結果、室内を広く感じられるようにすることができ、快適な室内を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明に係る車両用内装材が採用された車両の室内を示す斜視図である。
【図2】本発明に係る車両用内装材が採用される前の室内を示す斜視図である。
【図3】図2に示されるルーフライニングの明るい箇所及び暗い箇所の詳細が示される説明図である。
【図4】本発明に係る車両用内装材としてのルーフライニングの平面図である。
【図5】図4の5−5線断面図である。
【図6】図4の6−6線断面図である。
【図7】図4の7−7線断面図である。
【図8】図4に示される車両用内装材としてのルーフライニングの比較検討図である。
【図9】図4の9−9線断面図である。
【図10】本発明に係る車両用内装材が採用された車両の室内右側を示す斜視図である。
【図11】本発明に係る車両用内装材としてのセンタピラーカバーの断面図である。
【図12】本発明に係る車両用内装材としてのフロントピラーカバーの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
【実施例】
【0026】
図1に示されたように、車両10は、室内(車室)12に、運転席14及び助手席15からなるフロントシート16と、リヤシート(不図示)と、が配置される。
室内12の上部は、ルーフライニング17で覆われる。車体11の側方前部の骨格をなすフロントピラー21は、フロントピラーカバー18で覆われる。車体11の側方中央部の骨格をなすセンタピラー22は、センタピラーカバー19で覆われる。
【0027】
これらのルーフライニング17、フロントピラーカバー18及びセンタピラーカバー19は、車両用内装材である。
【0028】
ルーフライニング17には、ルーフライニング17の前部左右に形成され、車体上方に凹ませた左右の凹部25,25と、ルーフライニング17の前部中央に形成され、車体下方に膨出した膨出部26と、ルーフライニング17の車幅方向に渡って形成され、車体下方に突出させた突出部27と、が形成される。
【0029】
突出部(出っ張り部分)27は、車幅方向に向けて徐々に平面に収束する。突出部27は、前傾面31と、後傾面34(図4参照)と、これらの前傾面31及び後傾面34で車体前後方向に挟まれた左右の挟持部32,32(図4参照)と、ルームランプ38を臨ます開口36と、からなる。
左右の凹部25,25には、それぞれ左右のサンバイザー35,35が設けられる。膨出部26には、地図を見るためのマップランプ37が設置される。突出部27には、室内12を照明するルームランプ38を備える。
【0030】
ルーフライニング17の色調は、基準色M3はグレー色(無彩色)の車両用内装材であり、基準色M3は基準の明るさ箇所43に塗られる。(なお、ベージュ色等の有彩色の場合は基準色Y3が用いられ、基準色Yは基準の明るさ箇所43に塗られる)。
基準の明るさ箇所43に比べ明るい箇所(太陽光線の当たる凸部)41は、基準色M3よりも明度の低い色(暗いグレー色)M1が予め塗られる。基準の明るさ箇所43に比べ暗い箇所(影部分となる凹部)44は、基準色M3よりも明度の高い色(明色)M4が予め塗られる。明るい箇所41及び暗い箇所44間の少し明るい箇所42は、明度の低い色(暗色)M1と明度の高い色(明色)M4と間の色で、且つ基準色M3よりも少し明度の低い色である混合色M2が塗られている。
すなわち、明度の高さは、M1<M2<M3<M4の関係となる。具体的には、明度の低い色(暗色)M1は暗いグレー色、混合色M2は少し暗いグレー色、基準色M3は基準のグレー色、明度の高い色(明色)M4は明るいグレー色である。
これにより、車両用内装材(ルーフライニング)17の太陽光線による陰影を目立ち難くしている。
【0031】
図2及び図3に、図1に示された車両用内装材(ルーフライニング)17の明るい箇所41又は暗い箇所44を塗り分ける前の車両110の室内(車室)112及びルーフライニング117が示される。
車両110は、室内112に、運転席114及び助手席115からなるフロントシート116と、リヤシート123と、が配置される。
【0032】
室内112の上部は、ルーフライニング117で覆われる。フロントピラー121は、フロントピラーカバー118で覆われる。センタピラー122は、センタピラーカバー119で覆われる。
これらのルーフライニング117、フロントピラーカバー118及びセンタピラーカバー119は、車両用内装材である。
【0033】
ルーフライニング117には、左右の凹部125,125と、膨出部126と、突出部127と、が形成される。ルーフライニング117の基準色M3はグレー色(無彩色)である(なお、ベージュ色等の有彩色の場合は基準色Y3が用いられる)。
突出部(出っ張り部分)127は、車幅方向に向けて徐々に平面に収束する。
左右の凹部125,125には、それぞれサンバイザー135,135が設けられる。膨出部126には、マップランプ137が設置される。突出部127には、ルームランプ138を備える。
【0034】
図1に示された車両用内装材(ルーフライニング)17の明るい箇所41又は暗い箇所44を塗り分ける前の車両110の室内112には、ルームランプ138の近くに明るい箇所141及び暗い箇所144(図3参照)の明るさムラが現れる。図2では、明るい箇所141のみを表示した。
【0035】
詳細には図3に示されるように、太陽光線が矢印A1の如く車両110の前方から室内112に入射され、ルームランプ138の後方からリヤシート123の乗員124がルーフライニング117を見るときに、車両用内装材(ルーフライニング)117のサンバイザー135部分及びフロントシート116部分では、ほぼ基準色M3,Y3で認識され、ルームランプ138が取付けられる突出部(出っ張り部分)127では、前方が車幅方向に帯状に最も明るく視認される箇所(明るい箇所141)、後方が車幅方向に帯状に暗く視認される箇所(暗い箇所144)、明るい箇所141及び暗い箇所144の間に車幅方向に帯状に少し明るく視認される箇所(少し明るい箇所142)が現れる。なお、図中143は基準の明るさ箇所を示す。
【0036】
なお、ルーフライニング117は、図1に示されたルーフライニング17に形状同一の部品であり、フロントピラーカバー118は、図1に示されたフロントピラーカバー18に形状同一の部品であり、センタピラーカバー119は、図1に示されたセンタピラーカバー19に形状同一の部品である。
また、図1に示されたルーフライニング17、フロントピラーカバー18及びセンタピラーカバー19は、凹凸を目立ち難くするための補正の色付けをしたものである。
【0037】
すなわち、図1に示されたように、基準色M3が無彩色の場合に、明るい箇所41には、予め基準色(ベース色)M3より明度の低い色M1を塗り、暗い箇所44には、予め基準色M3より明度の高い色M4を塗り、少し明るい箇所42には、混合色M2を塗ることで、太陽光線による陰影を目立ち難くしている。なお、混合色M2は、明度の低い色(暗色)M1と明度の高い色(明色)M4と間の色で、且つ基準色M3よりも少し明度の低い色である。
【0038】
図1、図4〜図7に示されたように、車両用内装材としてのルーフライニング17が車両10の室内12側に配置される。ルーフライニング17の略中央部分に室内12を照明するルームランプ38を備える。
【0039】
車両10では、フロントガラス28が面積が広いので、室内12にフロントガラス28から入光する量が最も多く、ルーフライニング17のルームランプ38を見る機会の多いのはリヤシート(不図示)に着座した乗員であることから、太陽光線が車両10の前方から室内12に入射され、ルームランプ38の後方からルーフライニング17を見る場合を想定してルーフライニング17の太陽光線による陰影を目立ち難くする対策を実施した。
【0040】
先にも説明したように、ルーフライニング17の色調は、基準色M3はグレー色(無彩色)の車両用内装材である。
さらに、基準の明るさ箇所43に比べ明るい箇所(太陽光線の当たる凸部)41は、基準色M3よりも明度の低い色(暗いグレー色)M1が予め塗られる。基準の明るさ箇所43に比べ暗い箇所(影部分となる凹部)44は、基準色M3よりも明度の高い色(明色)M4が予め塗られる。明るい箇所41及び暗い箇所44間の少し明るい箇所42は、明度の低い色(暗色)M1と明度の高い色(明色)M4と間の色で、且つ基準色M3よりも少し明度の低い色である混合色M2が塗られている。
【0041】
基準色M3に比べ明るい箇所(太陽光線の当たる凸部)41は、ルームランプ38の前部としての突出部27の前斜面31及び前斜面前方近傍31aが相当する。これは、前斜面前方近傍31aに前斜面31からの反射があるからである。
基準色M3に比べ暗い箇所(影部分となる凹部)44は、ルームランプ38の後部としての突出部27の後斜面34及び後斜面後方近傍34aが相当する。これは、後斜面後方近傍34aに、後斜面34からの影が影響し、暗くなるからである。
【0042】
明るい箇所41及び暗い箇所44は、前斜面31及び後斜面34が相当する。少し明るい箇所42は、車体前後方向に挟まれた左右の挟持部32,32が相当する。
基準色M3より明度の低い色(暗色)M1、混合色M2、基準色M3、及び基準色M3より明度の高い色(明色)M4それぞれの境目領域51〜54は、隣り合う色の中間の色を連続的に変化させて塗る。
【0043】
詳細には、第1の境目領域51では、車体前方から車体後方に向かい、基準色M3から暗色M1に連続的に変化させて塗られる。
第2の境目領域52では、車体前方から車体後方に向かい、暗色M1から混合色M2に連続的に変化させて塗られる。
【0044】
第3の境目領域53では、車体前方から車体後方に向かい、混合色M2から明色M4に連続的に変化させて塗られる。
第4の境目領域54では、車体前方から車体後方に向かい、明色M4から基準色M3に連続的に変化させて塗られる。
【0045】
さらに、ルーフライニング17の色調が、ベージュ等の有彩色の場合は、基準の明るさ箇所43に比べ明るい箇所(太陽光線の当たる凸部)41は、基準色M3よりも明度の低い色若しくは彩度の低い色Y1が予め塗られる。基準の明るさ箇所43に比べ暗い箇所(影部分となる凹部)44は、基準色M3よりも明度の高い色若しくは彩度の高い色Y4が予め塗られる。明るい箇所41及び暗い箇所44間の少し明るい箇所42は、明度の低い色若しくは彩度の低い色(暗色)Y1と明度の高い色若しくは彩度の高い色(明色)Y4と間の色で、且つ基準色Y3よりも少し明度の低い色若しくは彩度の低い色である混合色Y2が塗られている。
すなわち、明度若しくは彩度高さは、Y1<Y2<Y3<Y4の関係となる。具体的には基準色Y3がベージュの場合に、明度の低い色若しくは彩度の低い色(暗色)Y1は暗いベージュ色、混合色Y2は少し暗いベージュ色、基準色Y3は基準のベージュ色、明度の高い色若しくは彩度の高い色(明色)Y4は明るいベージュ色である。
【0046】
基準色Y3が有彩色の場合には、基準色Y3より明度の低い色若しくは彩度の低い色(暗色)Y1、混合色Y2、基準色Y3、及び基準色Y3より明度の高い色若しくは彩度の高い色(明色)Y4それぞれの境目領域51〜54は、隣り合う色の中間の色を連続的に変化させて塗る。
【0047】
詳細には、第1の境目領域51では、車体前方から車体後方に向かい、基準色Y3から暗色Y1に連続的に変化させて塗られる。
第2の境目領域52では、車体前方から車体後方に向かい、暗色Y1から混合色Y2に連続的に変化させて塗られる。
【0048】
第3の境目領域53では、車体前方から車体後方に向かい、混合色Y2から明色Y4に連続的に変化させて塗られる。
第4の境目領域54では、車体前方から車体後方に向かい、明色Y4から基準色Y3に連続的に変化させて塗られる。
【0049】
図8(a)に、図1に示された車両用内装材(ルーフライニング)17の暗い箇所44又は明るい箇所41を塗り分ける前の車両110の室内112が示される(比較例)。
ルーフライニング117にはルームランプ138を配置するための突出部(出っ張り部分)127があるので、車外から室内112に差し込む光により、凹凸部分(突出部127)の周囲に明るい箇所141及び暗い箇所(影部分)144(図3参照)が発生する。ルーフライニング117に明るい箇所141及び暗い箇所144が発生すると、室内112が暗く感じたり、狭く感じたりすることがある。すなわち、快適空間を求める室内112の居住性が損なわれることになる。
【0050】
図8(b)に、凹凸を目立ち難くするための補正の色付けをしたルーフライニング17を採用した車両10の室内12が示される(実施例)。基準色M3が無彩色の場合に、明るい箇所41には、予め基準色(ベース色)M3より明度の低い色M1を塗り、暗い箇所44には、予め基準色M3より明度の高い色M4を塗り、少し明るい箇所42には、混合色M2を塗ることで、太陽光線による陰影を目立ち難くすることができる。この結果、快適空間としての室内12の居住性の向上を図ることができる。
【0051】
先にも説明したように、ルーフライニング17は、前方に、下方に向けて膨出させた膨出部26が形成され、この膨出部26内に地図を見るためのマップランプ37が設置されている。
図9に示されたように、膨出部26は、車体後方に向けてした上傾斜した傾斜部(平面部)48と、この傾斜部48の車体後方に形成された後壁47と、傾斜部48に開けられ、マップランプ37(図1参照)を臨ます開口部49と、を備える。
【0052】
ルーフライニング17の基準色M3が無彩色(グレー色)なので、暗い箇所64となるマップランプ37(図1参照)の後方に車幅方向に渡って基準色M3より明度の高い色(明色)M4を塗る。なお、暗い箇所64となるマップランプ37の後方は、傾斜部48の後部近傍48a、後壁47及び後壁近傍47aが相当する。
【0053】
第7の境目領域57では、車体前方から車体後方に向かい、基準色M3から明色M4に連続的に変化させて塗られる。
【0054】
第8の境目領域58では、車体前方から車体後方に向かい、明色M4から基準色M3に連続的に変化させて塗られる。
【0055】
基準色Y3が有彩色の場合には、暗い箇所64となるマップランプ37の後方に車幅方向に渡って基準色Y3より明度の高い色若しくは彩度の高い色(明色)Y4を塗る。
【0056】
第7の境目領域57では、車体前方から車体後方に向かい、基準色Y3から明色M4に連続的に変化させて塗られる。
【0057】
第8の境目領域58では、車体前方から車体後方に向かい、明色Y4から基準色Y3に連続的に変化させて塗られる。
【0058】
図10及び図11に示されたように、センタピラーカバー19は、ルーフライニング17と同様、基準色M3はグレー色(無彩色)の車両用内装材である。さらに、センタピラーカバー19は、断面視略コ字状の部材であり、室内側前角部71と、室内側後角部72と、を備える。
【0059】
車両10では、フロントガラス28の面積が広いのでフロントガラス28から室内12に入光する量が最も多く、リヤシート(不図示)に着座した乗員がセンタピラーカバー19を視認するときに、室内側後角部72が、暗く感じることが多い。このため、センタピラーカバー19が太く見え、乗員に窮屈な感じを与える場合が有る。
【0060】
その対策として、暗い箇所(影部分)78となる断面視略コ字状の室内側後角部72に、センタピラーカバー19の基準色M3が無彩色の場合には、基準色M3より明度の高い色(明色)M4を塗る。
第9の境目領域79では、矢印a1,a2に示されたように、明色M4側から基準色M3側に連続的に変化させて塗られる。
【0061】
基準色が有彩色の場合には、基準色より明度の高い色若しくは彩度の高い色(明色)Y4を塗る。
第9の境目領域79では、矢印a1,a2に示されたように、明色Y4から基準色Y3に連続的に変化させて塗られる。
【0062】
図10及び図12に示されたように、フロントピラーカバー18は、ルーフライニング17と同様、基準色M3はグレー色(無彩色)の車両用内装材である。さらに、フロントピラーカバー18は、断面視略コ字状の部材であり、室内側前角部81と、室内側後角部82と、を備える。
【0063】
フロントピラーカバー18の断面視略コ字状の略中央から室内側前角部81側を前部18aと、フロントピラーカバー18の断面視略コ字状の略中央から室内側後角部82側を後部18bと呼ぶときに、室内12からフロントピラー21を覆うフロントピラーカバー18の後部18bと、室内12の上部を覆うルーフライニング17の前部側方17aと、で前窓枠カバー部83が構成される。すなわち、前窓枠カバー部83は同一の基準色M3で(グレー色)形成される。
【0064】
前窓枠カバー部83の暗い箇所(影部分)88となる室内側角部84に、基準色M3が無彩色の場合には基準色M3より明度の高い色(明色)M4を塗られる。なお、室内側角部84は、フロントピラーカバー18の室内側後角部82と、ルーフライニング17の前部側方17aに形成される上部角部85が連続的に形成された部分である。
第10の境目領域89では、矢印a3,a4に示されたように、基準色M3より明色M4側から、基準色M3側に連続的に変化させて塗られる。
【0065】
また、前窓枠カバー部83の暗い箇所(影部分)88となる室内側角部84に、基準色Y3が有彩色の場合には、基準色Y3より明度の高い色若しくは彩度の高い色(明色)Y4を塗られる。
第10の境目領域89では、矢印a3,a4に示されたように、明色Y4から基準色Y3に連続的に変化させて塗られる。
【0066】
図1、図4〜図7に示されたように、車両用内装材(ルーフライニング)17は、車両10の室内12側に配置される。さらに、車両用内装材17は、所定の基準色M3,Y3を有し、且つ室内12に入射される太陽光線により明るい箇所41及び暗い箇所44とに分かれる。
【0067】
基準色M3が無彩色の場合に、明るい箇所41には、基準色M3より明度の低い色(暗色)M1を塗り、暗い箇所44には、基準色M3より明度の高い色(明色)M4を塗り、基準色Y3が有彩色の場合に、明るい箇所41には、基準色Y3より明度の低い色若しくは彩度の低い色(暗色)Y1を塗り、暗い箇所44には、基準色Y3より明度の高い色若しくは彩度の高い色(明色)Y4を塗るようにしたので、車両用内装材17の太陽光線による陰影を目立ち難くすることができる。これにより、例えば車両用内装材がルーフライニング17のときは、快適空間としての室内12の居住性の向上を図ることができる。例えば、ルーフライニング17にマップランプ37が装備される場合には、マップランプ37を収納するために、ルーフライニング17が室内12の下方に膨出されることが多い。この場合にも、膨出された部分を目立ち難くすることができ、室内12への圧迫感を極力緩和することができる。
【0068】
図1、図4及び図5に示されたように、車両用内装材(ルーフライニング)17では、明るい箇所41は太陽光線の当たる凸部であり、暗い箇所44は影部分となる凹部である。例えば、基準色M3が無彩色の場合に、太陽光線の当たる凸部(明るい箇所41)には、基準色M3より明度の低い色(暗色)M1を塗り、影部分となる凹部(暗い箇所44)には、基準色M3より明度の高い色(明色)M4を塗り、基準色Y3が有彩色の場合に、太陽光線の当たる凸部(明るい箇所41)には、基準色Y3より明度の低い色若しくは彩度の低い色(暗色)Y1を塗り、影部分となる凹部(暗い箇所44)には、基準色Y3より明度の高い色若しくは彩度の高い色(明色)Y4を塗ることで、凹凸感を緩和することができる。
【0069】
図1及び図4に示されたように、車両用内装材(ルーフライニング)17では、基準色M3が無彩色の場合に、基準色M3より明度の低い色(暗色)M1、混合色M2、基準色M3、及び基準色M3より明度の高い色(明色)M4それぞれの境目領域51〜54は、隣り合う色の中間の色を連続的に変化させて塗り、基準色Y3が有彩色の場合には、基準色Y3より明度の低い色若しくは彩度の低い色(暗色)Y1、混合色Y2、基準色Y3、及び基準色Y3より明度の高い色若しくは彩度の高い色(明色)Y4それぞれの境目領域51〜54は、隣り合う色の中間の色を連続的に変化させて塗る。すなわち、基準色M3より明度の低い色M1、基準色M3、及び基準色M3より明度の高い色M4の間に、若しくは基準色Y3より明度の低い色若しくは彩度の低い色Y1、基準色Y3、及び基準色Y3より明度の高い色若しくは彩度の高い色Y4の間に、グラデーションを付加することができ、車両用内装材17を自然なつながりで仕上げることができる。
【0070】
車両用内装材は、室内12の上部を覆うルーフライニング17である。ルーフライニング17の略中央部分に室内12を照明するルームランプ38を備える。太陽光線が車両10の前方から室内12に入射され、ルームランプ38の後方からルーフライニング17を見る。
【0071】
このときに、基準色M3が無彩色の場合には、明るい箇所41となるルームランプ38の前部に、基準色M3より明度の低い色M1を塗り、暗い箇所44となるルームランプ38の後部に、基準色M3より明度の高い色M4を塗り、基準色Y3が有彩色の場合には、明るい箇所41となるルームランプ38の前部に、基準色Y3より明度の低い色若しくは彩度の低い色Y1を塗り、暗い箇所44となるルームランプ38の後部に、基準色Y3より明度の高い色若しくは彩度の高い色Y4を塗るので、ルームランプ38の周りの陰影を低減することができる。この結果、快適空間としての室内12の居住性の向上を図ることができる。
【0072】
図1及び図9に示されたように、車両用内装材が、室内12の上部を覆うルーフライニング17である。ルーフライニング17の前方に膨出部26が形成され、この膨出部26内に地図を見るためのマップランプ37が設置される。
【0073】
基準色M3が無彩色の場合には、暗い箇所64となるマップランプ37の後方に車幅方向に渡って基準色M3より明度の高い色M4を塗り、基準色Y3が有彩色の場合には、暗い箇所64となるマップランプ37の後方に車幅方向に渡って基準色Y3より明度の高い色若しくは彩度の高い色Y4を塗るので、膨出部26による陰影を抑えることができる。これにより、膨出部26を目立ち難くすることができ、室内12への圧迫感を極力緩和することができる。
【0074】
図10及び図11に示されたように、車両用内装材は、室内12からセンタピラー22を覆うセンタピラーカバー19である。
センタピラーカバー19が断面視略コ字状を呈し、暗い箇所(影部分)78となる断面視略コ字状の室内側後角部72に、センタピラーカバー19の基準色M3が無彩色の場合には、基準色M3より明度の高い色M4を塗り、基準色Y3が有彩色の場合には、基準色Y3より明度の高い色若しくは彩度の高い色Y4を塗るので、室内側後角部72を目立ち難くすることができる。これにより、センタピラーカバー19を細く(スリムに)感じられるように仕上げることができる。この結果、室内12の圧迫感を緩和することができる。
【0075】
図10及び図12に示されたように、車両用内装材は、室内12からフロントピラー21を覆うフロントピラーカバー18と、室内12の上部を覆うルーフライニング17と、で構成される前窓枠カバー部83である。前窓枠カバー部83は同一の基準色M3,Y3で形成される。
前窓枠カバー部83の暗い箇所(影部分)88となる室内側角部84に、基準色M3が無彩色の場合には基準色M3より明度の高い色M4を塗り、基準色Y3が有彩色の場合には、基準色Y3より明度の高い色若しくは彩度の高い色Y4を塗るので、前窓枠カバー部83の暗い箇所を目立たなくすることができる。この結果、室内12を広く感じられるようにすることができ、快適な室内12を実現することができる。
【0076】
尚、本発明に係る車両用内装材は、図5に示すように、無彩色の場合に、基準色M3より明度の低い色(暗色)M1、混合色M2、基準色M3、及び基準色M3より明度の高い色(明色)M4の4色で塗り分け、有彩色の場合に、基準色Y3より明度の低い色若しくは彩度の低い色(暗色)Y1、混合色M2、基準色Y3、及び基準色Y3より明度の高い色若しくは彩度の高い色(明色)Y4の3色で塗り分けたが、4色に限るものではなく、用いる色は5色以上であってもよい。
【0077】
本発明に係る車両用内装材は、図4に示すように、明るい箇所41及び暗い箇所44間の少し明るい箇所42は、明度の低い色(暗色)M1と明度の高い色(明色)M4と間の色で、且つ基準色M3よりも少し明度の低い色である混合色M2を用いたが、これに限るものではなく、基準色M3を用いるものであってもよい。また有彩色の場合にも基準色Y3を用いるものであってもよい。
【0078】
本発明に係る車両用内装材は、図1に示すように、ルーフライニング17、フロントピラーカバー18及びセンタピラーカバー19であったが、これに限るものではなく、他の車両用内装材に適用することを妨げるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明に係る車両用内装材は、セダンやワゴンなどの乗用車に採用するのに好適である。
【符号の説明】
【0080】
10…車両、12…室内、17…車両用内装材(ルーフライニング)、18…車両用内装材(フロントピラーカバー)、19…車両用内装材(センタピラーカバー)、21…フロントピラー、22…センタピラー、26…膨出部、37…マップランプ、38…ルームランプ、41…明るい箇所、44…暗い箇所、72…室内側後角部、83…前窓枠カバー部、84…室内側角部、M1…明度の低い色(暗色)、M3…無彩色の基準色、M4…明度の高い色(明色)、Y1…明度の低い色若しくは彩度の低い色(暗色)、Y3…有彩色の基準色、Y4…明度の高い色若しくは彩度の高い色(明色)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の室内側に配置される車両用内装材において、
前記車両用内装材は、所定の基準色を有し、且つ前記室内に入射される太陽光線により明るい箇所及び暗い箇所とに分かれるときに、
前記基準色が無彩色の場合に、明るい箇所には、前記基準色より明度の低い色を塗り、暗い箇所には、前記基準色より明度の高い色を塗り、
前記基準色が有彩色の場合に、明るい箇所には、前記基準色より明度の低い色若しくは彩度の低い色を塗り、暗い箇所には、前記基準色より明度の高い色若しくは彩度の高い色を塗ることを特徴とする車両用内装材。
【請求項2】
前記明るい箇所は太陽光線の当たる凸部であり、前記暗い箇所は影部分となる凹部であることを特徴とする請求項1に記載の車両用内装材。
【請求項3】
前記基準色が無彩色の場合に、前記基準色より明度の低い色、前記基準色、及び前記基準色より明度の高い色それぞれの境目領域は、隣り合う色の中間の色を連続的に変化させて塗り、
前記基準色が有彩色の場合には、前記基準色より明度の低い色若しくは彩度の低い色、前記基準色、及び前記基準色より明度の高い色若しくは彩度の高い色それぞれの境目領域は、隣り合う色の中間の色を連続的に変化させて塗ることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車両用内装材。
【請求項4】
前記車両用内装材は、前記室内の上部を覆うルーフライニングであり、該ルーフライニングの略中央部分に前記室内を照明するルームランプを備え、且つ前記太陽光線が前記車両の前方から前記室内に入射され、前記ルームランプの後方から前記ルーフライニングを見るときに、
前記基準色が無彩色の場合には、前記明るい箇所となる前記ルームランプの前部に、前記基準色より明度の低い色を塗り、前記暗い箇所となる前記ルームランプの後部に、前記基準色より明度の高い色を塗り、
前記基準色が有彩色の場合には、前記明るい箇所となる前記ルームランプの前部に、前記基準色より明度の低い色若しくは彩度の低い色を塗り、前記暗い箇所となる前記ルームランプの後部に、前記基準色より明度の高い色若しくは彩度の高い色を塗ることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の車両用内装材。
【請求項5】
車両の室内側に配置される車両用内装材において、
前記車両用内装材は、前記室内の上部を覆うルーフライニングであり、該ルーフライニングの前方に膨出部が形成され、この膨出部内に前記地図を見るためのマップランプが設置され、
前記基準色が無彩色の場合には、前記暗い箇所となる前記マップランプの後方に車幅方向に渡って前記基準色より明度の高い色を塗り、前記基準色が有彩色の場合には、前記暗い箇所となる前記マップランプの後方に車幅方向に渡って前記基準色より明度の高い色若しくは彩度の高い色を塗ることを特徴とする車両用内装材。
【請求項6】
車両の室内側に配置される車両用内装材において、
前記車両用内装材は、前記室内からセンタピラーを覆うセンタピラーカバーであり、該センタピラーカバーは断面視略コ字状を呈し、暗い箇所となる該断面視略コ字状の室内側後角部に、前記センタピラーカバーの基準色が無彩色の場合には、該基準色より明度の高い色を塗り、前記基準色が有彩色の場合には、該基準色より明度の高い色若しくは彩度の高い色を塗ることを特徴とする車両用内装材。
【請求項7】
車両の室内側に配置される車両用内装材において、
前記車両用内装材は、前記室内からフロントピラーを覆うフロントピラーカバーと、前記室内の上部を覆うルーフライニングと、で構成される前窓枠カバー部であり、該前窓枠カバー部は同一の基準色で形成され、
前記前窓枠カバー部の暗い箇所となる前記室内側角部に、前記基準色が無彩色の場合には該基準色より明度の高い色を塗り、前記基準色が有彩色の場合には、該基準色より明度の高い色若しくは彩度の高い色を塗ることを特徴とする車両用内装材。
【請求項1】
車両の室内側に配置される車両用内装材において、
前記車両用内装材は、所定の基準色を有し、且つ前記室内に入射される太陽光線により明るい箇所及び暗い箇所とに分かれるときに、
前記基準色が無彩色の場合に、明るい箇所には、前記基準色より明度の低い色を塗り、暗い箇所には、前記基準色より明度の高い色を塗り、
前記基準色が有彩色の場合に、明るい箇所には、前記基準色より明度の低い色若しくは彩度の低い色を塗り、暗い箇所には、前記基準色より明度の高い色若しくは彩度の高い色を塗ることを特徴とする車両用内装材。
【請求項2】
前記明るい箇所は太陽光線の当たる凸部であり、前記暗い箇所は影部分となる凹部であることを特徴とする請求項1に記載の車両用内装材。
【請求項3】
前記基準色が無彩色の場合に、前記基準色より明度の低い色、前記基準色、及び前記基準色より明度の高い色それぞれの境目領域は、隣り合う色の中間の色を連続的に変化させて塗り、
前記基準色が有彩色の場合には、前記基準色より明度の低い色若しくは彩度の低い色、前記基準色、及び前記基準色より明度の高い色若しくは彩度の高い色それぞれの境目領域は、隣り合う色の中間の色を連続的に変化させて塗ることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車両用内装材。
【請求項4】
前記車両用内装材は、前記室内の上部を覆うルーフライニングであり、該ルーフライニングの略中央部分に前記室内を照明するルームランプを備え、且つ前記太陽光線が前記車両の前方から前記室内に入射され、前記ルームランプの後方から前記ルーフライニングを見るときに、
前記基準色が無彩色の場合には、前記明るい箇所となる前記ルームランプの前部に、前記基準色より明度の低い色を塗り、前記暗い箇所となる前記ルームランプの後部に、前記基準色より明度の高い色を塗り、
前記基準色が有彩色の場合には、前記明るい箇所となる前記ルームランプの前部に、前記基準色より明度の低い色若しくは彩度の低い色を塗り、前記暗い箇所となる前記ルームランプの後部に、前記基準色より明度の高い色若しくは彩度の高い色を塗ることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の車両用内装材。
【請求項5】
車両の室内側に配置される車両用内装材において、
前記車両用内装材は、前記室内の上部を覆うルーフライニングであり、該ルーフライニングの前方に膨出部が形成され、この膨出部内に前記地図を見るためのマップランプが設置され、
前記基準色が無彩色の場合には、前記暗い箇所となる前記マップランプの後方に車幅方向に渡って前記基準色より明度の高い色を塗り、前記基準色が有彩色の場合には、前記暗い箇所となる前記マップランプの後方に車幅方向に渡って前記基準色より明度の高い色若しくは彩度の高い色を塗ることを特徴とする車両用内装材。
【請求項6】
車両の室内側に配置される車両用内装材において、
前記車両用内装材は、前記室内からセンタピラーを覆うセンタピラーカバーであり、該センタピラーカバーは断面視略コ字状を呈し、暗い箇所となる該断面視略コ字状の室内側後角部に、前記センタピラーカバーの基準色が無彩色の場合には、該基準色より明度の高い色を塗り、前記基準色が有彩色の場合には、該基準色より明度の高い色若しくは彩度の高い色を塗ることを特徴とする車両用内装材。
【請求項7】
車両の室内側に配置される車両用内装材において、
前記車両用内装材は、前記室内からフロントピラーを覆うフロントピラーカバーと、前記室内の上部を覆うルーフライニングと、で構成される前窓枠カバー部であり、該前窓枠カバー部は同一の基準色で形成され、
前記前窓枠カバー部の暗い箇所となる前記室内側角部に、前記基準色が無彩色の場合には該基準色より明度の高い色を塗り、前記基準色が有彩色の場合には、該基準色より明度の高い色若しくは彩度の高い色を塗ることを特徴とする車両用内装材。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−67225(P2013−67225A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−205733(P2011−205733)
【出願日】平成23年9月21日(2011.9.21)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月21日(2011.9.21)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
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