説明

車両用収納部の開閉構造

【課題】意匠上の制約を抑えつつ、開口部を開放した蓋体が車室内に設けられた装備品と干渉しないようする。
【解決手段】蓋体150が閉塞位置から開放位置へと回転すると、回転に伴い車両幅方向内側方向に蓋体150が移動する。ここで、蓋体150が車両幅方向内側方向移動しない場合は、一点破線で示す軌道K2となり、アームレスト34に干渉する。これに対して、本実施形態では、前述したように、軌道K1に示すように、蓋体150が回転するに従って車両幅方向内側方向に移動するので、アームレスト34との干渉が回避される。したがって、アームレスト34の形状を修正したりする等の意匠上の制約が少ない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
車両用収納部の開閉構造に関する。
【背景技術】
【0002】
車室のインストルメントパネルの助手席側に設けられたグローブボックスの開口部の開閉構造として、蓋体を上方から下方に移動させて開口部を開放させる開閉構造が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、蓋体を下端に設けられた支軸回りに回転させて開いた後、下方の収容空間に押し込む構造が提案されている(特許文献1を参照)。
【0004】
或いは、特許文献2には、蓋体を2つの軸部材で支持し、開放時における蓋体の後方(車室内側)への移動量を低減させる構造が提案されている(特許文献2を参照)。
【特許文献1】実開昭62−30953号公報
【特許文献2】特開平04−258482号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、蓋体の回転(開閉)軌道上に装備品があると、蓋体と装備品との干渉を避けるため、装備品や蓋体の形状を修正したりする等の必要が生じる場合がある。換言すると、装備品や蓋体に対して意匠上の制約が生じる場合がある。
【0006】
本発明は、上記問題を解決すべく成されたもので、意匠上の制約を抑えつつ、開口部を開放した蓋体が装備品と干渉しないようした車両用収納部の開閉構造を提供することが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の車両用収納部の開閉構造は、車室に設けられた車両用収納部の開口部を閉塞する閉塞位置と前記開口部を開放する開放位置との間を回転可能に支持された蓋体と、前記蓋体の前記閉塞位置から前記開放位置への回転に伴い、前記蓋体を回転軸方向に移動させる移動手段と、を備えることを特徴としている。
【0008】
請求項1に記載の車両用収納部の開閉構造では、蓋体の閉塞位置から開放位置への回転に伴い、回転軸方向に蓋体が移動する。よって、蓋体が回転軸方向に移動しない場合における蓋体の回転軌道上に装備品が設けられていても、このように蓋体が回転軸方向に移動することで、装備品との干渉が回避される。
【0009】
したがって、蓋体と装備品とが干渉しないように、蓋体の形状を修正、例えば、回転軸方向に蓋体を幅狭にしたり装備品の形状を修正したりする等の意匠上の制約を抑えつつ、開口部を開放した蓋体と装備品との干渉が回避される。
【0010】
請求項2に記載の車両用収納部の開閉構造は、請求項1に記載の構造において、前記蓋体は、前記車両用収納部側と前記蓋体側とのいずれか一方に設けられた軸部材と、前記車両用収納部側と前記蓋体側とのいずれか他方に設けられ、前記軸部材が挿通された軸受孔と、によって軸支されており、前記蓋体の回転量に拘わらず軸支位置は、前記蓋体の側面視で同一位置に保持されていることを特徴としている。
【0011】
請求項2に記載の車両用収納部の開閉構造では、蓋体は、軸部材と軸部材が挿通された軸受孔とによって、閉塞位置と開放位置との間を回転可能に軸支されており、蓋体の回転量に拘わらず軸支位置は、蓋体の側面視で同一位置に保持されている。よって、例えば、蓋体が回転後に下方にスライドする構造と比較して構造の簡略化及び省スペース化が図られる。
【0012】
請求項3に記載の車両用収納部の開閉構造は、請求項2に記載の構造において、前記移動手段は、前記軸部材の外周面と前記軸受孔の内周面とのいずれか一方に形成されたらせん溝と、前記軸部材の外周面と前記軸受孔の内周面とのいずれか他方に形成され、前記らせん溝に係合する係合部と、を有し、前記蓋体が前記閉塞位置から前記開放位置へと回転するに従って、前記蓋体側に設けられた前記軸部材又は前記軸受孔が回転軸方向に移動し、前記蓋体が回転軸方向に移動することを特徴としている。
【0013】
請求項3に記載の車両用収納部の開閉構造では、蓋体の閉塞位置から開放位置への回転に伴い、係合部がらせん溝に沿って移動することで、回転軸方向に蓋体が移動する。
【0014】
このように、軸部材と軸受孔とにらせん溝と係合部とを設ける構成とすることとで、部品点数が増加することなく蓋体を回転軸方向に移動させることができる。
【0015】
また、らせん溝のピッチによって、蓋体の開閉角度に応じた回転軸方向の移動量を容易に変更することができる。つまり、らせん溝のピッチを変えることで、蓋体の開閉軌道を容易に制御することが可能である。
【0016】
請求項4に記載の車両用収納部の開閉構造は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の構造において、前記車両用収納部は車室内のインストルメントパネルのサイドドア寄りに前記開口部が形成され、前記蓋体は車両幅方向内側方向に移動することを特徴としている。
【0017】
請求項4に記載の車両用収納部の開閉構造では、車室内のインストルメントパネルのサイドドア寄りに形成された開口部を開閉する蓋体は、車両幅方向内側方向に移動する。よって、蓋体と車室内の車両幅方向外側部分に設けられた装備品、例えば、サイドドアに設けられた車両幅方向内側に膨出されたアームレストとの干渉が回避される。
【0018】
よって、蓋体の車両幅方向外側端部(見切り線)を、インストルメントパネルの車両幅方向外側端部近傍に設けることがきると共に、車室内の車両幅方向外側部分に設けられた装備品(例えば、アームレスト)の意匠上の制約が抑えられる(装備品の造形自由度が大きい)。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように請求項1に記載の車両用収納部の開閉構造によれば、意匠上の制約を抑えつつ、開口部を開放した蓋体と車室内に設けられた装備品との干渉を回避することができる、という優れた効果を有する。
【0020】
請求項2に記載の車両用収納部の開閉構造によれば、例えば、蓋体が回転後に下方にスライドする構造と比較して構造を簡略化及び省スペース化することができる、という優れた効果を有する。
【0021】
請求項3に記載の車両用収納部の開閉構造によれば、部品点数を増加させることなく蓋体を回転軸方向に移動させることがきる、という優れた効果を有する。
【0022】
請求項4に記載の車両用収納部の開閉構造によれば、蓋体の車両幅方向外側端部(見切り線)を、インストルメントパネルの両幅方向側端部近傍に設けることがきる、という優れた効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、図1から図5を用いて、本発明における車両用収納部の開閉構造の実施形態の一例を詳細に説明する。なお、図中の矢印UPは車両上方向を示し、矢印FRは車両前方向を示し、矢印INは車両幅方向内側方向を示す。
【0024】
図1に示すように、車両10の車室12の前方にはインストルメントアッパパネル14が配設されている。インストルメントアッパパネル14の下には、インストルメントロアパネル16が配設されている。また、インストルメントアッパパネル14の車両幅方向左側(運転席側)の中央部にはステアリングホイール18が設けられている。
【0025】
車両幅方向左側の運転席と車両幅方向右側の助手席と間のセンターコンソール20には、コンソールボックス500が設けられている。コンソールボックス500は、略直方体の箱状に形成されたコンソールボックス本体502を有している。コンソールボックス本体502の上部は開口されており、この開口部分をコンソールリッド504が開閉する。なお、コンソールボックス本体502の内部には、物品(車室内の小物等)を収納可能とされている。
【0026】
助手席側のサイドドア30の内装部材であるドアトリム32にはアームレスト34が設けられている。アームレスト34は、ドアトリム32の一部が車内側(車両幅方向内側)に膨出されると共に車両前後方向に延ばされることによって形成されている。そして、このアームレスト34の上部34Aに乗員が腕(図示略)を載せることができるようになっている。また、アームレスト34の上部34Aには、パワーウインド等の操作スイッチ類が設けられた操作部36が備えられている。
【0027】
インストルメントロアパネル16の車両幅方向右側(助手席側)には、本発明の実施形態の車両用収納部の開閉構造が適用されたグローブボックス100が設けられている。
【0028】
図2に示すように、グローブボックス100には、車両後方側面が開口された略箱形状の収納部104と、収納部104の開口部102を開閉するドア150と、を有している。そして、グローブボックス100のドア150の開閉構造に本発明の開閉構造が適用されている。
【0029】
図2と図3とに示すように、ドア150の下端部150Aの車両幅方向両端部には、一対のヒンジアーム160、170が取り付けられている。図1〜図3に示すように、ヒンジアーム160、170の先端部162、172には、車両幅方向を軸方向とする軸受孔164、174が形成されている。
【0030】
また、図4に示すように、収納部104の側壁110、120には、車両幅方向を軸方向とする軸部材112、122が設けられている。そして、軸部材112、122がヒンジアーム160、170の軸受孔164、174に挿通されている。
【0031】
図5に示すように、一方側(車両幅方向内側)の軸部材112の外周面には雄ネジ部112Aが形成され、一方側の軸受孔164の内周面には、雄ネジ部112Aが螺合する雌ネジ部164Aが形成されている。なお、図5では図示されていないが、他方側(車両幅方向外側)の軸部材122の外周面及び軸受孔174の内周面にも同様に雄ネジ部と雌ネジ部とが形成されている。また、ネジ(ネジ山)のピッチは一方側と他方側とで同じピッチとされている。
【0032】
よって、図2に示すように、ドア150は軸部材122、122の軸受孔164、174の軸心Gを中心に回転することにより、開口部102が開閉されると共に、回転に伴い、螺合している雄ネジ部と雌ネジ部とによって、回転軸(軸心G)方向(車両幅方向)にドア150が移動する。つまり、ドア150は車両幅方向外側に移動(スライド)しながら開く。なお、蓋体150の回転量に拘わらず軸支位置は、蓋体150の側面視で同一位置に保持されている。
【0033】
そして、図2の及び図4の実線で図示した状態が、ドア150が全閉した閉塞位置とされ、図2及び図4の二点破線(想像線)で図示した状態が、ドア150が全閉した閉塞位置とされている。また、図3の二点破線で図示する軌跡がドア150の軌道K1とされている。なお、図3の一点破線で図示する軌道K2は、ドアが回転に伴い回転軸(軸心G)方向(車両幅方向内側)に移動しない場合を図示している(詳細は後述する)。
【0034】
なお、ドア150が全閉した閉塞位置では、図1と図4とに示すように、正面視において、ドア150とアームレスト34とが重なる(オーバーラップする)。
【0035】
また、ドア150が全閉した閉塞位置では、ドア150の上端部150Bが開口部102の上端部(インストルメントアッパパネル14の下端部14A)に設けられたストッパー106に当接する。なお、ストッパー106は、ゴム等の弾性体からなる。また、ドア150は開口部150に設けられたロック機構180でロックされ、閉塞位置に維持される(閉塞状態が維持される)。なお、図1に示すドア150に設けられた操作ノブ154の下縁側から背面側に指を入れ、操作ノブ154を手前側(車両後方側)に引くことで、ロックが解除される。
【0036】
具体的には、図2に示すように、ロック機構180は、ドア150が全閉した閉塞位置においては、ドア150の上端に設けられたロックピン152がインストルメントアッパパネル14の下端部14Aに設けられたロック孔108に挿入されることでロックされ、操作ノブ154を手前側に引くことでロックピン152がロック孔108から抜け出ることでロックが解除される機構とされている(閂(かんぬき)タイプのロック機構)。また、ロックピン152は上方に常に付勢されており、ドア152の閉塞動作時にロックピン152の傾斜面152Aがインストルメントアッパパネル14の下端部14Aに当接することで下方に移動し、ロック孔108に挿入される。
【0037】
つぎに、本実施形態の作用及び効果について説明する。
【0038】
図3と図4とに示すように、蓋体150が閉塞位置から開放位置へと回転すると(蓋体150を開くと)、蓋体150の回転に伴い、螺合している雄ネジ部と雌ネジ部とによって、車両幅方向内側方向に蓋体150が移動する(図2参照)。
【0039】
ここで、蓋体150が車両幅方向内側方向に移動しない場合は、図3の一点破線で示す軌道K2となり、アームレスト34に干渉する。よって、蓋体150の車両幅方向外側を幅狭にして図1の二点破線で示す位置に見切り線Mを形成したりアームレスト34の形状を修正する等の必要が生じる。つまり、意匠上の制約が大きい。
【0040】
これに対して、本実施形態では、前述したように、図3の軌道K1に示すように、蓋体150の回転に伴い、車両幅方向内側方向に移動するので、アームレスト34との干渉が回避される。
【0041】
したがって、図1の二点破線で示す位置に見切り線Mを形成したりアームレスト34の形状を修正したりする等の意匠上の制約が少ない(アームレスト34の造形自由度が大きい)。
【0042】
また、蓋体150の車両幅方向外側端部をインストルメントロアパネル16(車室12)の車両幅方向外側端部近傍に位置させることができるので、インストルメントロアパネル16やドアトリム32の部品見切り部分の簡素化が可能である。これにより、見栄えが向上する。
【0043】
また、蓋体150は、軸部材112、122と軸受孔164、174とによって、閉塞位置と開放位置との間を回転可能に軸支され、軸部材112、122と軸受孔164、174の軸心Gを中心に蓋体150が回転する。そして、蓋体150の回転量に拘わらず軸支位置は、蓋体150の側面視で同一位置に保持されている。よって、例えば、蓋体150が回転後に下方にスライドする構造と比較して構造が簡略化及び省スペース化を図ることができる。
【0044】
また、軸部材112、122と軸受孔164、174とに雄ネジ部と雌ネジ部(螺合部)を設ける構成とすることで、部品点数を増加させることなく蓋体150を車両幅方向内側方向(回転軸方向)に移動させることができる。
【0045】
また、ネジ(ネジ山)のピッチによって、蓋体150の開閉角度に応じた車両幅方向内側方向への移動量を容易に変更することができる。つまり、ネジ(ネジ山)のピッチを変えることで、蓋体150の軌道K1を容易に制御することができる。
【0046】
なお、蓋体150が開放位置から閉塞位置へと回転すると(蓋体150を閉じると)、蓋体150の回転に伴い、蓋体150は車両幅方向外側方向に移動し、開口部150を閉塞する。
【0047】
なお、本発明は上記実施形態に限定されない。
【0048】
例えば、上記実施形態では、一方側(車両幅方向内側)と他方側(車両幅方向外側)の軸部材112、122と軸受孔164、174の両方に雄ネジ部と雌ネジ部(螺合部)が形成されていたが、一方側(車両幅方向内側)と他方側(車両幅方向外側)の少なくも一方の軸部材と軸受孔に雄ネジ部と雌ネジ部(螺合部)が形成されていればよい。
【0049】
また、例えば、上記本実施形態では、ドア150のヒンジアーム160、170に軸受孔164、174が形成され、収納部104の側壁110、120に軸部材112、122が設けられている構造であった。しかし、ドア150のヒンジアーム160、170に軸部材が設けられ、収納部104の側壁110、120に軸受孔が設けられている構造であってもよい。
【0050】
また、例えば、上記実施形態では、クローブボックス100に本発明の開閉構造を適用したが、これに限定されない。例えば、図1に示されているコンソールボックス500のコンソールリッド504の開閉に本発明の開閉構造を適用してもよい。或いは、図示は省略するがオーバヘッドコーンソールやコインケースなど、車室に設けられた車両用収納部の開口部を開閉する蓋体全般に本発明を適用することができる。
【0051】
また、例えば、上記実施形態では、蓋体150の閉塞位置から開放位置への回転に伴い、蓋体150を車両幅方向内側方向(回転軸(軸心G)方向)に移動させる移動手段は、軸部材112、122と軸受孔164、174に設けられた雄ネジ部と雌ネジ部(螺合部)であったが、これに限定されない。らせん溝と、らせん溝に係合する係合部(例えば、ピン状の突起部)と、で構成されていてもよい。或いは、他の構造の移動手段であってもよい。
【0052】
よって、つぎに、他の移動手段の例を、図6と図7とを用いて説明する。なお、図は一方側(車両幅方向内側)のみを図示している。なお、図7は車両後方側から車両前方側に正面視した図である。また、図示されていない他方側(車両幅方向外側)も左右対称である以外は同様の構造とされている。
【0053】
図6に示すように、蓋体150(図1参照)のアーム348(図7参照)の先端部には、軸部材364が設けられていると共に、収納部104の側壁110には軸受孔364が設けられている。そして、軸受孔364に軸部材312が挿通されている。また、軸部材312の先端部には、軸受孔364よりも大きな外径の円板状の頭部313が設けられている。なお、この軸部材312と軸受孔364の軸心Gを中心に蓋体が回転する。
【0054】
収納部104の側壁110における軸受孔364の車両後方側には、車両幅方向内側に膨出した膨出部350が形成されている。膨出部350は、車両下方側に向かうに従って車両幅方向外側に広がると共に、車両後方側に向かうに従って車両幅方向外側に広がる傾斜面350Aを有している(全体が三角錐形状とされている)。そして、膨出部350の傾斜面350Aに車両上下方向を長手方向とする長孔352が形成されている。なお、この長孔352は、軸心Gを中心とする円弧状をなしている。
【0055】
蓋体150のアーム348(図7参照)における軸部材364よりも車両後方側に、移動軸354が設けられていると共に、この移動軸354は膨出部350の傾斜面350Aの長孔352に挿通されている。また、移動軸354の先端部には、長孔352より大きな外径の円板状の頭部355が設けられている。
【0056】
また、軸部材312には付勢手段としてのコイルスプリング314が挿通されており、これにより蓋体150(図1参照)が車両幅方向外側に付勢されている。
【0057】
よって、蓋体150(図1参照)が閉塞位置から開放位置へと回転するに従って、図7(A)から図7(B)へと示すように、傾斜面350A(長孔352)に沿って移動軸354(頭部355)が移動し、これに伴い軸部材354を含む蓋体150全体が車両幅方向外側方向に移動する。なお、蓋体150が開放位置から閉塞位置へと回転すると(蓋体150を閉じると)、コイルスプリング314の付勢力によって車両幅方向外側方向に蓋体150が移動する。
【0058】
また、図示は省略するが、平面視において斜めに配設されたレールに沿って移動する機構やリンク機構などによって、蓋体が開放位置に回転しながら移動するに従って、回転軸方向に蓋体が移動する構造であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の実施形態に係る開閉構造が適用されたグローブボックスを備える車室を示す斜視図である。
【図2】図1に示すグローブボックスのヒンジアーム部分における車両前後方向に沿った縦断面を示す断面図である。
【図3】図1に示すグローブボックスの蓋体を示す斜視図である。
【図4】図1に示すグローブボックスのヒンジアーム部分における車両幅方向に沿った水平断面を模式的に示す模式図である。
【図5】軸部材と軸受孔とを示す拡大図である。
【図6】他の移動手段の備える開閉構造が適用されたグローブボックスの車両幅方向内側部分を示す斜視図である。
【図7】他の移動手段の備える開閉構造が適用されたグローブボックスの車両幅方向内側部分を車両後方側から車両前方側に正面視した、(A)は蓋体が閉塞位置にある状態を示し、(B)は蓋体が開放位置にある状態を示す模式図である。
【符号の説明】
【0060】
10 車両
12 車室
16 インストルメントロアパネル(インストルメントパネル)
100 グローブボックス(車両用収納部)
102 開口部
104 収納部
112 軸部材
112A 雄ネジ部(らせん溝)
122 軸部材
150 ドア(蓋体)
164 軸受孔
164A 雌ネジ部(係合部)
174 軸受孔
312 軸部材
364 軸受孔
G 軸心(回転軸)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車室に設けられた車両用収納部の開口部を閉塞する閉塞位置と前記開口部を開放する開放位置との間を回転可能に支持された蓋体と、
前記蓋体の前記閉塞位置から前記開放位置への回転に伴って、前記蓋体を回転軸方向に移動させる移動手段と、
を備えることを特徴とする車両用収納部の開閉構造。
【請求項2】
前記蓋体は、
前記車両用収納部側と前記蓋体側とのいずれか一方に設けられた軸部材と、
前記車両用収納部側と前記蓋体側とのいずれか他方に設けられ、前記軸部材が挿通された軸受孔と、
によって軸支されており、
前記蓋体の回転量に拘わらず軸支位置は、前記蓋体の側面視で同一位置に保持されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用収納部の開閉構造。
【請求項3】
前記移動手段は、
前記軸部材の外周面と前記軸受孔の内周面とのいずれか一方に形成されたらせん溝と、
前記軸部材の外周面と前記軸受孔の内周面とのいずれか他方に形成され、前記らせん溝に係合する係合部と、
を有し、
前記蓋体が前記閉塞位置から前記開放位置へと回転するに従って、前記蓋体側に設けられた前記軸部材又は前記軸受孔が回転軸方向に移動し、前記蓋体が回転軸方向に移動することを特徴とする請求項2に記載の車両用収納部の開閉構造。
【請求項4】
前記車両用収納部は車室内のインストルメントパネルのサイドドア寄りに前記開口部が形成され、
前記蓋体は車両幅方向内側方向に移動することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の車両用収納部の開閉構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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