説明

車両用外装部品

【課題】趣向性の高い車両用外装部品を提供する。
【解決手段】フロントバンパー12裏面にビレット固定ブラケット21を設け、ビレット固定ブラケット21の切り欠き22にバンパービレット1を差し込んで固定する。ビレット本体31を合成樹脂で長板状に形成し、ビレット本体31の入力面47を除いた総ての面41〜46,48に、外側からの光は反射し内部からの光は透過する反射膜50を形成する。ビレット本体31の屈曲部33の端部側に、ビレット本体31内部に光りを供給する光源51を設け、光源51の発光ダイオード52からの光Lをビレット本体31全域に導く。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に取り付けられる車両用外装部品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両を装飾する際には、車両用外装部品が用いられていた。
【0003】
この車両用外装部品としては、樹脂製の部品本体にメッキを施したものが知られており、外装部品の表面を金属色にすることでデザイン性の向上が図られている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような従来の車両用外装部品にあっては、表面色が金属色に限られてしまい、面白味に欠けるものであった。
【0005】
本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、趣向性の高い車両用外装部品を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために本発明の請求項1の車両用外装部品にあっては、車両に取り付けられる車両用外装部品において、樹脂製の部品本体の表面に、外側からの光を反射し内側からの光は透過する反射膜を設けるとともに、前記部品本体内に光りを供給する光源を備えている。
【0007】
すなわち、部品本体の表面には、反射膜を設けられており、この反射膜によって外側からの光を反射することができる。このため、明るい場所においては、当該部品本体の表面を、照らされた光を反射する金属色とすることができる。
【0008】
また、前記反射膜は、内側からの光を透過するように構成されており、当該車両用外装部品は、前記部品本体内に光りを供給する光源を備えている。このため、暗い場所にあっては、前記光源からの光を透過することによって、当該部品本体を発光させることができる。
【0009】
また、請求項2の車両用外装部品においては、前記部品本体を長尺状に形成し、当該部品本体の一端側に前記光源を設けた。
【0010】
すなわち、長尺状の部品本体の一端側から供給された光源からの光は、樹脂製の部品本体に沿って導かれることにより、当該部品本体全体に供給される。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したように本発明の請求項1の車両用外装部品にあっては、明るい場所において表面を金属色にすることができる。これにより、車両とのデザインの調和を図ることができる。
【0012】
一方、暗い場所にあっては、目立たなくなりがちの車両用外装部品を、発光させることができる。これにより、暗い場所において、当該車両用外装部品が取り付けられた車両の一部を光らせることができ、装飾効果を高めることができる。
【0013】
このように、明るい場所と暗い場所とにおいて表面の状態を変化させることができるので、表面が常に金属色の車両用外装部品と比較して、趣向性を高めることができる。
【0014】
また、請求項2の車両用外装部品においては、長尺状の部品本体の一端側から供給された光を、樹脂製の部品本体に沿って導くことにより、当該部品本体の全長に行き渡らせることができる。
【0015】
このため、長尺状の部品本体の長さ方向の複数箇所に光源を配置する場合と比較して、部品点数を抑えることができるとともに、構成の簡素化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の一実施の形態を図に従って説明する。図1は、本実施の形態にかかる車両用外装部品を示す図であり、車両用外装部品の一例としてバンパービレット1が示されている。
【0017】
すなわち、車両11の前端部には、フロントバンパー12が設けられており、該フロントバンパー12の中央部には、通気穴13が設けられている。該通気穴13の中央部には、ナンバープレートホルダー14が設けられており、該ナンバープレートホルダー14にナンバープレートを固定できるように構成されている。前記通気穴13は、このナンバープレートホルダー14によって左右に分割されており、前記ナンバープレートホルダー14の両脇には、車幅方向に延在する横長の開口部15,15が形成されている。
【0018】
前記フロントバンパー12の裏面には、上下に延在するビレット固定ブラケット21,21が前記各開口部15,15の車両後方R側に一対設けられており、前記ビレット固定ブラケット21は、車両前方Fへ向けて開口した断面コ字状の金属板あるいは樹脂成型品で構成されている。このビレット固定ブラケット21の前縁には、複数の切り欠き22,・・・が上下に間隔をおいて設けられており、当該ビレット固定ブラケット21には、前記各切り欠き22,・・・に前記バンパービレット1が差し込まれた状態で取り付けられている。
【0019】
これにより、前記ナンバープレートホルダー14の両脇に開口した前記各開口部15,15には、複数の前記バンパービレット1,・・・が上下に間隔をおいて設けられており、各バンパービレット1は、各開口部15,15の横幅方向全域に渡って延設されている。
【0020】
各バンパービレット1のビレット本体31は、透明性を有した合成樹脂によって長板状に形成されており、取付状態において車幅方向に延在する直線状の直線部32と、該直線部32の車両中心側の端部に設けられた車両後方Rへ屈曲した屈曲部33とによって構成されている。前記直線部32は、各開口部15,15の横幅に適合した長さ寸法に設定されており、当該直線部32は、前記開口部15の横幅方向全域に延設されるように構成されている。また、前記屈曲部33は、前記ナンバープレートホルダー14の後部に配置されるように構成されており、該ナンバープレートホルダー14によって隠蔽されるように構成されている。
【0021】
前記ビレット本体31の上面41と下面42と前面43と外側面44とは、平坦に形成されており、前記前面43は、前記屈曲部33に沿って傾斜した傾斜面45を介して内側面46に連設されている。前記傾斜面45及び前記内側面46並びに前記屈曲部33の端面も平坦に形成されており、該端面は、光が入力される入力面47を構成している。また、前記直線部32の後面48は、ジグザグのノコギリ形状に形成されており、前記前面43に対して傾斜した複数の斜面によって構成されている。これにより、当該ビレット本体31は、前記ビレット固定ブラケット21に対する横ズレ防止機能を有している。
【0022】
このビレット本体31の前記入力面47を除いた総ての面41〜46,48には、外側からの光は反射する一方、当該ビレット本体31内部からの光は透過する反射膜50が形成されている。ここで、この反射膜50は、例えば鏡面効果を有するハーフミラーを形成する際にコーティングされるコーティング層によって構成することもできるが、これに限定されるものではない。
【0023】
前記ビレット本体31の一端側である前記屈曲部33の端部側には、当該ビレット本体31内部に光りを供給する光源51が設けられている。この光源51は、前記屈曲部33の前記入力面47へ向けて光りを投光する複数の発光ダイオード52,・・・によって構成されており、各発光ダイオード52,・・・は、前記入力面47の長手方向に並設されている。
【0024】
各発光ダイオード52,・・・は、車室内に設けられたスイッチ又はヘッドライトスイッチを介して電源に接続されており、車室内のスイッチをオン操作あるいはライトスイッチをオン操作した際に、点灯するように構成されている。
【0025】
これにより、前記各発光ダイオード52,・・・から投光された光Lは、前記入力面47から前記ビレット本体31内部に入力されるとともに、該ビレット本体31と外部の空気との光の屈折率の違いによって、当該ビレット本体31に沿って、その全域に渡り導けるように構成されている。また、前記入力面47から入力され直進した光Lは、前記傾斜面45の内側面で反射することによって、前記直線部32の全域に供給できるように構成されており、全域に供給された光Lを、当該ビレット本体31の前記上面41と前記下面42と前記前面43から前記反射膜50を介して外部へ放出できる構成されている。
【0026】
そして、前記直線部32の前記後面48に導かれた光Lは、当該後面48の斜面によって前記前面43側へ反射できるように構成されており、この反射光を、当該前面43から放射できるように構成されている。
【0027】
以上の構成にかかる本実施の形態において、車両用外装部品であるバンパービレット1のビレット本体31の表面には、反射膜50が設けられており、この反射膜50によって外側からの光を反射することができる。
【0028】
このため、明るい場所においては、当該ビレット本体31の表面を、照らされた光を反射する金属色にすることができる。これにより、金属色が多様される車両11とデザインの調和を図ることができるとともに、質感を高めることもできる。
【0029】
一方、前記反射膜50は、内側からの光Lを透過するように構成されており、当該バンパービレット1は、前記ビレット本体31内に光Lを供給する光源51を備えている。
【0030】
このため、暗い場所にあっては、目立たなくなりがちのバンパービレット1表面より前記光源51からの光Lを透過することによって、ビレット本体31自体を発光させることができる。これにより、暗い場所において、当該バンパービレット1が取り付けられた車両1前部のフロントバンパー12前面を光らせることができ、装飾効果を高めることができる。
【0031】
このように、明るい場所と暗い場所とにおいてバンパービレット1表面の状態を変化させることができるため、表面が常に金属色の車両用外装部品と比較して、趣向性を高めることができる。
【0032】
そして、前記バンパービレット1は、長尺状のビレット本体31で構成されており、当該ビレット本体31の一端側から供給された光Lを、樹脂製のビレット本体31に沿って導くことにより、当該ビレット本体31の全長に行き渡らせることができる。
【0033】
このため、長尺状のビレット本体31の後面48に、その長さ方向の複数箇所に光源を配置する場合と比較して、部品点数を抑えることができるとともに、構成の簡素化を図ることができる。
【0034】
なお、本実施の形態にあっては、車両用外装部品の一例としてバンパービレット1に応用した場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものでは無い。例えば、フロントバンパー13やリアバンパー自体に採用することによって、バンパー自体を発光させることができる。さらに、サイドステップやエアスポイラー等にも応用することができる。
【0035】
また、本実施の形態では、前記光源51を発光ダイオード52で構成した場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、電球等で構成しても良い。
【0036】
そして、前記発光ダイオード52は、色付きであっても無色であっても良く、色付きの場合には、前記ビレット本体31を無色透明な樹脂で構成しても、当該発光ダイオード52の発光色で前記バンパービレッ1を光らせることができる。
【0037】
そして、前記発光ダイオード52が白色、又は前記光源51が電球で構成された場合には、前記ビレット本体31を構成する樹脂を有色透明にすることによって、当該ビレット本体31の色によって前記バンパービレット1を発光することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の一実施の形態を示す説明図である。
【符号の説明】
【0039】
1 バンパービレット
11 車両
31 ビレット本体
50 反射膜
51 光源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に取り付けられる車両用外装部品において、
樹脂製の部品本体の表面に、外側からの光を反射し内側からの光は透過する反射膜を設けるとともに、前記部品本体内に光りを供給する光源を備えたことを特徴とする車両用外装部品。
【請求項2】
前記部品本体を長尺状に形成し、当該部品本体の一端側に前記光源を設けたことを特徴とする請求項1記載の車両用外装部品。

【図1】
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【公開番号】特開2007−131066(P2007−131066A)
【公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−324240(P2005−324240)
【出願日】平成17年11月9日(2005.11.9)
【出願人】(000128544)株式会社オーテックジャパン (183)
【Fターム(参考)】