説明

車両用室内照明装置

【課題】車室内の照明の演出効果を格段に向上させることのできる車両用室内照明装置を提供する。
【解決手段】本発明に係わる車両用室内照明装置は、アシストグリップ8、9、10に設置の燭光発現箇所24と後部座席2の足元部分のフロアー1に設置の複数個の燭光発現箇所20、21、31と、後部座席2に設置の燭光発現箇所25、26と、複数個の各燭光発現箇所の燭光の発現をそれぞれ制御する燭光制御部37と、スライドドア4が開成されたときにオンされかつ閉成されたときにオフされる検出スイッチと、検出スイッチがオンされたときに後部座席2に人が乗り込む直前であるとみなして後部座席2に設置の各燭光発現箇所とフロア1に設置の各燭光発現箇所とに燭光を発現させるために燭光制御部37へ燭光制御信号を送信する車両状態検出部36とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車室内の照明の演出効果を格段に向上させることのできる車両用室内照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車室パネルにに光の模様を形成するための光透過部を形成し、複数個のLEDを点灯させて、車室内に光の模様を形成する車両用室内照明装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
この車両用室内照明装置によれば、夜間等の車室内が暗いときに、意匠性、見栄えを向上させることができる。また、このものは、予め記憶されている照明光のゆらぎパターンに基づいて照明光にゆらぎを生じさせる構成であるので、車室内にこれまでにはない幻想的な癒しの空間を乗員に提供できる。
【特許文献1】特開2007−99109号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この従来の車両用室内照明装置では、車室内の照明演出効果という観点からは、室内の全体の雰囲気を変えるにはいまだもの足りない構造のものである。
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑みて為されたもので、その目的は、車室内の照明の演出効果を格段に向上させることのできる車両用室内照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の車両用室内照明装置は、サイドピラーのアシストグリップに設置の燭光発現箇所と後部座席の足元部分のフロアーに設置の複数個の燭光発現箇所と、前記後部座席に設置の燭光発現箇所と、該複数個の各燭光発現箇所の燭光の発現をそれぞれ制御する燭光制御部と、スライドドアが開成されたときにオンされかつ閉成されたときにオフされる検出スイッチと、該検出スイッチがオンされたときに後部座席に人が乗り込む直前であるとみなして前記後部座席に設置の各燭光発現箇所と前記フロアに設置の各燭光発現箇所とに燭光を発現させるために前記燭光制御部へ燭光制御信号を送信する車両状態検出部とを備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の車両用室内照明装置は、前記車両状態検出部は、前記アシストグリップに設置の燭光発現箇所に燭光を発現させる燭光制御信号に遅れて前記フロアーに設置の燭光発現箇所に燭光を発現させる燭光制御信号を前記燭光制御部へ送信することを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の車両用室内照明装置は、後部座席上方の天井に複数個の燭光発現箇所が設けられると共に後部座席近傍のスライドドアのドアトリムに複数個の燭光発現箇所が設けられ、前記車両状態検出部に車速を検出する車速センサの検出信号とエンジンスイッチの検出信号とが入力され、前記車両状態検出部は、前記検出スイッチがオフされかつ車速がゼロでしかもエンジンスイッチがオンのときに後部座席に乗員が着座したとみなして、前記後部座席に設置の燭光発現箇所の燭光の発現を停止する燭光制御信号を前記燭光制御部に出力すると共に、前記天井に設けられた複数個の燭光発現箇所と前記トリムに設けられた燭光発現箇所とに燭光を発現させる燭光制御信号を前記燭光制御部へ送信することを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の車両用室内照明装置は、前記天井に設けられた複数個の燭光発現箇所が星空を表現する燭光発現箇所と雲間を表現する燭光発現箇所と天井の奥行きを表現する燭光発現箇所とを含み、前記車両状態検出部は、星空を表現する燭光発現箇所の燭光を発現させるための燭光制御信号に遅れて雲間を表現する燭光発現箇所の燭光を発現させるための燭光制御信号と天井の奥行きを表現する燭光発現箇所の燭光を発現させるための燭光制御信号とを前記燭光制御部に送信することを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の車両用室内照明装置は、前記車両用状態検出部は、車速センサの検出による車速がゼロでないときには車両が走行中であるとみなして、天井に設けられた複数個の燭光発現箇所の一部の燭光の発現を停止する燭光制御信号を前記燭光制御部に送信することを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の車両用室内照明装置は、前記複数個の燭光発現箇所による室内燭光を仮眠に適した燭光発現状態に変化させるための仮眠スイッチが設けられ、前記車両状態検出部は仮眠スイッチがオンすると、仮眠状態に対応する燭光発現箇所の燭光を発現させるための燭光制御信号を前記燭光制御部に出力することを特徴とする。
【0012】
請求項7に記載の車両用室内照明装置は、車室内に設置の複数個の燭光発現箇所と、該複数個の各燭光発現箇所の燭光の発現をそれぞれ制御する燭光制御部と、スライドドアが開成されたときにオンされかつ閉成されたときにオフされる検出スイッチと、該検出スイッチがオンされたときに後部座席に人が乗り込む直前であるとみなして後部座席への乗車出迎え用の燭光発現箇所の燭光を発現させるための燭光制御信号を前記燭光制御部に送信し、エンジンスイッチがオンでかつ前記検出スイッチがオフでしかも車速がゼロのときに後部座席に人が着座した着座状態であるとみなして燭光発現状態にある後部座席への乗車出迎え用の燭光発現箇所の一部の燭光の発現を停止させるための燭光制御信号を前記燭光制御部に送信すると共に前記検出スイッチのオンにより燭光発現状態とされた乗車出迎え用の燭光発現箇所以外の燭光発現箇所の燭光を発現させる燭光制御信号を前記燭光制御部に送信することを特徴とする車両状態検出部とを備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項8に記載の車両用室内照明装置は、前記車両状態検出部は、エンジンスイッチがオンでかつ前記検出スイッチがオフでしかも車速がゼロでないときに車両が走行状態であるとみなして前記着座状態にあるときに燭光が発現された複数個の燭光発現箇所のうちの一部の燭光発現箇所の燭光の発現を停止させる燭光制御信号を前記燭光制御部に送信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の発明によれば、後部座席に乗員が乗り込む際の照明演出効果を格段に向上させることができる。
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、後部座席に乗員が乗り込む際から着座するまでの照明に変化を与えることができるので、より一層照明演出効果を向上させることができる。
【0016】
請求項3、請求項4に記載の発明によれば、後部座席に乗員が着座してから車両が発進するまでの間に照明に変化を与えることができるので、請求項2に記載の発明よりも更に一層照明演出効果を高めることができ、サプライズ感を後部乗員にもたせることができる。
【0017】
請求項5に記載の発明によれば、車両走行中は一部の燭光の発現を停止するので、後部座席の照明演出効果を維持しつつ、ドライバーの運転の邪魔にならないようにすることができる。
【0018】
請求項6に記載の発明によれば、車室内を仮眠に適した燭光発現状態とすることができる。
【0019】
請求項7、請求項8に記載の発明によれば、乗員のスライドドアの開成から後部座席への着座までの間、後部座席への着座から車両発進までの間の各場面に応じて燭光発現箇所に変化を与えることができるので、後部座席の乗員に対する照明演出効果を格段に向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に、本発明に係わる発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【実施例】
【0021】
図1は本発明に係わる車両の室内の概要を示す説明図である。
【0022】
この図1において、1はフロアー、2は後部座席、3は天井、4はスライドドア、5はステアリングハンドル、6、6’はサイドピラー、7はスライドドア4のドアトリム、8、9、10はアシストグリップ、11は絨毯、12、13はウインドウガラスである。
【0023】
後部座席2は背もたれ部2aと着座部2bと、ヘッドレスト2cと、アームレスト2dからなる。ドアトリム7はロワートリム7aとアッパートリム7bとからなる。
【0024】
この室内1には、複数個の燭光発現箇所が設けられている。ここでは、複数個の燭光発現箇所は、フロア1の絨毯11の近傍を間接的に照らすことにより発現される燭光発現箇所20と、絨毯11に埋め込まれた複数個の発光ダイオードからなりかつ蛍をイメージさせる燭光発現箇所21と、ロワートリム7aの内部に設けられた発光体を含む燭光発現箇所22と、アッパートリム7bの内部に設けられた発光体からなる燭光発現箇所23と、アシストグリップ8、9、10に埋設された導光棒と発光ダイオードを含む燭光発現箇所24と、背もたれ部2aの周縁から着座部2bの周縁に沿ってかつその周縁部に埋設された導光棒と発光ダイオードとからなる燭光発現箇所25と、ヘッドレスト2cに設けられた燭光発現箇所26と、天井の内部に設けられた発光体を含みかつ雲をイメージさせる燭光発現箇所27と、天井の奥行き感をイメージさせる燭光発現箇所28と、後部座席2のヘッドレスト2cの天井部分に設けられて1個の発光ダイオードと複数本の光ファイバーとからなりかつ星空をイメージさせる燭光発現箇所29と、曲線かつ長尺の導光棒と発光ダイオードとからなり室内を幻想的に彩る長尺形状の燭光発現箇所30と、フロアー1の絨毯11部分に設けられて川をイメージさせる燭光発現箇所31と、トリムスイッチ燭光発現箇所31’とからなる。
【0025】
燭光発現箇所20の提示色は青白色である。燭光発現箇所22の提示色はアンバーである。燭光発現箇所23〜27の提示色は青白色である。燭光発現箇所28、29の提示色は白色である。燭光発現箇所30、トリムスイッチ31’の燭光発現箇所31”の提示色は青白色である。
【0026】
燭光発現箇所22、23のロワートリム7a、アッパートリム7bは薄皮とされていると共に模様が形成され、内部の光が薄皮を通して外部に漏れ出るようにされている。天井に設けられた燭光発現箇所27も薄皮とされていると共に模様が形成され、内部の光が薄皮を通じて外部に漏れ出るようにされている。
【0027】
燭光発現箇所20は図2に示すようにフロア1の段部に設けられた発光ダイオード21aによって発現される。燭光発現箇所21は絨毯11に埋め込まれた発光ダイオード21aを点滅させることにより発現される。燭光発現箇所31は図3、図4に示す照明箱体32により構成される。この照明箱体32は絨毯11の車幅方向中央位置に配設されかつ車両前後方向に長く延びる構成とされている。
【0028】
この照明箱体32には、その車両前後方向一端壁32aに発光ダイオード32a’が設けられている。その照明箱32の底壁32bと側壁32cと車両前後方向他端壁32dとはその内部が反射面とされている。この照明箱体32の上壁32eは光が漏れ出る薄壁とされている。その一対の側壁32cには交互に適宜間隔を開けて発光ダイオード32c’が設けられている。この発光ダイオード32a’、32c’の点滅順序を適宜制御することによりあたかも川が一定方向に流れているかのようなイメージを後部座席の乗員に抱かせることができる。
【0029】
ここでは、燭光発現箇所31の両側に燭光発現箇所21が設けられているので、川のそばにあたかも蛍が棲息しているかのような印象を乗員に抱かせることができることになる。
【0030】
燭光発現箇所28は図5に示す照明箱体33から構成されている。この照明箱体33は上下方向に対向する反射板33a、33bと、導光棒33cと、図示を略す発光ダイオードとから構成される。反射板33aは室内に臨んでおり、この反射板33aは半透過部材により構成される。反射板33bは全面反射部材により構成されている。導光棒33cが発光すると、この導光棒33cが反射板33a、33bに映り、反射板33a、33bによる無限回数の反射により、あたかも多数の導光棒33cに基づく燭光が乗員の目に入ることになり、天井3に奥行きがあるかのような錯覚を乗員にもたせることができる。これらの燭光発現箇所20ないし31、31”は、図6に示す車両用室内照明制御回路35によって制御される。
【0031】
この車両用室内照明制御回路35は、車両状態検出部36と、燭光制御部37とから大略構成されている。
【0032】
車両状態検出部36には、検出スイッチ38の検出信号とエンジンスイッチ39の検出信号と仮眠スイッチ40の検出信号と、車速センサ41からの検出信号とが入力される。検出スイッチ38はスライドドア4が開成されたときにオンされかつ閉成されたときにオフされることによりスライドドア4の開閉を検出する。エンジンスイッチ39はエンジンスイッチ39のオンオフを検出する。燭光制御部37は各燭光発現箇所20ないし31、31”の燭光の発現をそれぞれ制御する。
【0033】
車両状態検出部36は、検出スイッチ38がオンされたときに後部座席2に人が乗り込む直前であるとみなして、アシストグリップ8、9、10に設置の燭光発現箇所24、後部座席2に設置の各燭光発現箇所25、アームレスト2cに設置の各燭光発現箇所26、フロア1に設置の各燭光発現箇所20、21とに燭光を発現させるために燭光制御部37へ燭光制御信号を送信する。
【0034】
ここでは、車両状態検出部36は、アシストグリップ8、9、10に設置の燭光発現箇所24に燭光を発現させる燭光制御信号に数秒遅れてフロアー1に設置の燭光発現箇所20に燭光を発現させる燭光制御信号、絨毯11に設置の燭光発現箇所21に燭光を発現させるための燭光制御信号、フロア1に設置の燭光発現箇所31に燭光を発現させるための燭光制御信号を図7のタイミングチャートに示すように燭光制御部37へ送信する。その際、燭光発現箇所20は徐々に燭光を発現する。燭光発現箇所31はあたかも川が流れるようなイメージを抱かせるように発光ダイオード32a’、32c’が点灯制御される。また、燭光発現箇所21は燭光制御部37によって点滅制御される。
【0035】
また、車両状態検出部36は、燭光発現箇所20、21に燭光を発現させるための燭光制御信号の出力から数秒遅れて、燭光発現箇所25、26に燭光を発現させるための燭光制御信号を燭光制御部37へ送信する。
【0036】
従って、後部座席2への乗車の際には、まず、アシストグリップ8、9、10に設置の燭光発現箇所24が青白く光り出し、ついで、絨毯11に設置の燭光発現箇所21とフロア1に設置の燭光発現箇所20と、フロア1に設置の燭光発現箇所31とが青白く光り出すことになる。ついで、数秒遅れて後部座席2に設置の燭光発現箇所25、26が青白く光り出す。
【0037】
車両状態検出部36は、検出スイッチ38がオフされかつ車速がゼロでしかもエンジンスイッチ39がオンのときに後部座席2に乗員が着座したとみなして、後部座席2に設置の燭光発現箇所25の燭光の発現を停止する燭光制御信号を燭光制御部37に出力すると共に、天井に設けられた複数個の燭光発現箇所27とドアトリム7に設けられた燭光発現箇所22、23と燭光発現箇所29、30とトリムスイッチ31’の燭光発現箇所31”とに燭光を発現させる燭光制御信号を燭光制御部37へ送信する。
【0038】
その際、車両状態検出部36は、図7のタイミングチャートに示すように、燭光発現箇所29と燭光発現箇所30とが燭光を発現するように燭光制御信号を燭光制御部37へ送信する。車両状態検出部36は、これらの燭光制御信号に数秒遅れて、ロワートリム7aの燭光発現箇所22の燭光を発現させるための燭光制御信号を燭光制御部37に送信する。車両状態検出部36は、この燭光制御信号に数秒遅れて、アッパートリム7bの燭光発現箇所23、トリムスイッチ31’の燭光発現箇所31”の燭光を発現させるための燭光制御信号を燭光制御部37に送信する。
【0039】
ついで、車両状態検出部36は、これらの燭光制御信号に数秒遅れて、燭光発現箇所27、28の燭光を発現させる燭光制御信号を燭光制御部37に向けて送信する。
【0040】
従って、車両発進前には、まず、後部座席2に設置の燭光発現箇所25、26の発光が停止されると同時に、燭光発現箇所29が白く光り出すと共に、燭光発現箇所30が青白く光り出す。これにより、天井3にあたかも星空のような空間が現出される。これと共に、優美な曲線状のラインが現出される。
【0041】
ついで、ロワートリム7aに設置の燭光発現箇所22がアンバー色で光出す。この燭光発現箇所22の燭光に数秒遅れて、アッパートリム7bに設置の燭光発現箇所23とトリムスイッチ31’に設置の燭光発現箇所31”とが青白く光り出す。その後、これらの燭光の発現に数秒遅れて、天井1に設置の燭光発現箇所27と燭光発現箇所28とが青白く光り出す。
【0042】
これにより、車室内の照明演出効果に変化が与えられる。
【0043】
車両状態検出部36は、車速センサ41の検出による車速がゼロでないときには車両が走行中であるとみなして、ドライバーの運転の邪魔とならないように、天井3に設けられた複数個の燭光発現箇所27、28、29の一部の燭光の発現を停止する燭光制御信号を燭光制御部37に送信する。
【0044】
ここでは、アシストグリップ8に設置の燭光発現箇所24、天井3に設置の燭光発現箇所27、28、アッパートリム7bに設置の燭光発現箇所23、トリムスイッチ31’に設置の燭光発現箇所31”の燭光の発現が停止される。また、アシストグリップ9、10に設置の燭光発現箇所24の燭光の発現が弱められる。
【0045】
従って、車両走行中は、燭光発現箇所20、21、22、29、31、アシストグリップ9、10に設置の燭光発現箇所24が燭光を発現している状態となる。
【0046】
仮眠スイッチ40には、ここではトリムスイッチ31’が用いられている。この仮眠スイッチ40がオンすると、車両状態検出部36は、仮眠状態に対応する燭光発現箇所の燭光を発現させるための燭光制御信号を燭光制御部37に出力する。ここでは、この仮眠スイッチ40がオンすると、燭光発現箇所22と燭光発現箇所29以外の燭光発現箇所の燭光の発現は停止される。
【0047】
このように、この車両用室内照明装置は、車室内に設置の複数個の燭光発現箇所と、この複数個の各燭光発現箇所の燭光の発現をそれぞれ制御する燭光制御部37と、スライドドア4が開成されたときにオンされかつ閉成されたときにオフされる検出スイッチ38と、この検出スイッチ38がオンされたときに後部座席2に人が乗り込む直前であるとみなして後部座席2への乗車出迎え用の燭光発現箇所20、21、24、25、26の燭光を発現させるための燭光制御信号を燭光制御部37に送信し、エンジンスイッチ39がオンでかつ検出スイッチ38がオフでしかも車速がゼロのときに後部座席2に人が着座した着座状態であるとみなして燭光発現状態にある後部座席2への乗車出迎え用の燭光発現箇所20、21、24、25、26の一部の燭光発現箇所25、26燭光の発現を停止させるための燭光制御信号を燭光制御部37に送信すると共に検出スイッチ38のオンにより燭光発現状態とされた乗車出迎え用の燭光発現箇所20、21、24、25、26以外の燭光発現箇所22、23、27、28、29、30、31”の燭光を発現させる燭光制御信号を燭光制御部37に送信する。
【0048】
また、両状態検出部36は、エンジンスイッチ39がオンでかつ検出スイッチ38がオフでしかも車速がゼロでないときに車両が走行状態であるとみなして着座状態にあるときに燭光が発現された複数個の燭光発現箇所22、23、27、28、29、31”のうちの一部の燭光発現箇所23、27、28、30の燭光の発現を停止させる燭光制御信号を燭光制御部37に送信する。
【0049】
このようにこの発明の実施例によれば、乗員のスライドドア4の開成から後部座席2への着座までの間、後部座席2への着座から車両発進までの間の各場面に応じて各燭光発現箇所に変化を与えることができるので、後部座席2の乗員に対する照明演出効果を格段に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明に係わる車両の室内の概要を示す説明図である。
【図2】本発明に係わるフロア部分の燭光発現箇所の概要を説明するための図である。
【図3】本発明に係わるフロア部分に設置の他の燭光発現箇所の内部構造を説明するための平断面図である。
【図4】図3に示す燭光発現箇所の構造を説明するための横断面図である。
【図5】天井部分に設置の燭光発現箇所の構造を部分的に説明するための斜視図である。
【図6】本発明に係わる車両用室内照明制御回路の概略構成を説明するためのブロック回路図である。
【図7】本発明に係わる車両用室内照明装置による燭光発現状態を説明するためのタイミングチャートである。
【符号の説明】
【0051】
1…フロアー
2…後部座席
8、9、10…アシストグリップ
20、21、25、26、31…燭光発現箇所
36…車両状態検知部
37…燭光制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アシストグリップに設置の燭光発現箇所と後部座席の足元部分のフロアーに設置の複数個の燭光発現箇所と、前記後部座席に設置の燭光発現箇所と、該複数個の各燭光発現箇所の燭光の発現をそれぞれ制御する燭光制御部と、スライドドアが開成されたときにオンされかつ閉成されたときにオフされる検出スイッチと、該検出スイッチがオンされたときに後部座席に人が乗り込む直前であるとみなして前記後部座席に設置の各燭光発現箇所と前記フロアに設置の各燭光発現箇所とに燭光を発現させるために前記燭光制御部へ燭光制御信号を送信する車両状態検出部とを備えた車両用室内照明装置。
【請求項2】
前記車両状態検出部は、前記アシストグリップに設置の燭光発現箇所に燭光を発現させる燭光制御信号に遅れて前記フロアーに設置の燭光発現箇所に燭光を発現させる燭光制御信号を前記燭光制御部へ送信することを特徴とする請求項1に記載の車両用室内照明装置。
【請求項3】
後部座席上方の天井に複数個の燭光発現箇所が設けられると共に後部座席近傍のスライドドアのドアトリムに複数個の燭光発現箇所が設けられ、前記車両状態検出部に車速を検出する車速センサの検出信号とエンジンスイッチの検出信号とが入力され、前記車両状態検出部は、前記検出スイッチがオフされかつ車速がゼロでしかもエンジンスイッチがオンのときに後部座席に乗員が着座したとみなして、前記後部座席に設置の燭光発現箇所の燭光の発現を停止する燭光制御信号を前記燭光制御部に出力すると共に、前記天井に設けられた複数個の燭光発現箇所と前記ドアトリムに設けられた燭光発現箇所とに燭光を発現させる燭光制御信号を前記燭光制御部へ送信することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用室内照明装置。
【請求項4】
前記天井に設けられた複数個の燭光発現箇所が星空を表現する燭光発現箇所と雲間を表現する燭光発現箇所と天井の奥行きを表現する燭光発現箇所とを含み、前記車両状態検出部は、星空を表現する燭光発現箇所の燭光を発現させるための燭光制御信号に遅れて雲間を表現する燭光発現箇所の燭光を発現させるための燭光制御信号と天井の奥行きを表現する燭光発現箇所の燭光を発現させるための燭光制御信号とを前記燭光制御部に送信することを特徴とする請求項3に記載の車両用室内照明装置。
【請求項5】
前記車両用状態検出部は、車速センサの検出による車速がゼロでないときには車両が走行中であるとみなして、天井に設けられた複数個の燭光発現箇所の一部の燭光の発現を停止する燭光制御信号を前記燭光制御部に送信することを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の車両用室内照明装置。
【請求項6】
前記複数個の燭光発現箇所による室内燭光を仮眠に適した燭光発現状態に変化させるための仮眠スイッチが設けられ、前記車両状態検出部は仮眠スイッチがオンすると、仮眠状態に対応する燭光発現箇所の燭光を発現させるための燭光制御信号を前記燭光制御部に出力することを特徴とする請求項2ないし請求項5のいずれか1項に記載の車両室内照明装置。
【請求項7】
車室内に設置の複数個の燭光発現箇所と、該複数個の各燭光発現箇所の燭光の発現をそれぞれ制御する燭光制御部と、スライドドアが開成されたときにオンされかつ閉成されたときにオフされる検出スイッチと、該検出スイッチがオンされたときに後部座席に人が乗り込む直前であるとみなして後部座席への乗車出迎え用の燭光発現箇所の燭光を発現させるための燭光制御信号を前記燭光制御部に送信し、エンジンスイッチがオンでかつ前記検出スイッチがオフでしかも車速がゼロのときに後部座席に人が着座した着座状態であるとみなして燭光発現状態にある後部座席への乗車出迎え用の燭光発現箇所の一部の燭光の発現を停止させるための燭光制御信号を前記燭光制御部に送信すると共に前記検出スイッチのオンにより燭光発現状態とされた乗車出迎え用の燭光発現箇所以外の燭光発現箇所の燭光を発現させる燭光制御信号を前記燭光制御部に送信することを特徴とする車両状態検出部とを備えた車両用室内照明装置。
【請求項8】
前記車両状態検出部は、エンジンスイッチがオンでかつ前記検出スイッチがオフでしかも車速がゼロでないときに車両が走行状態であるとみなして前記着座状態にあるときに燭光が発現された複数個の燭光発現箇所のうちの一部の燭光発現箇所の燭光の発現を停止させる燭光制御信号を前記燭光制御部に送信することを特徴とする請求項7に記載の車両用室内照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−101831(P2009−101831A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−275015(P2007−275015)
【出願日】平成19年10月23日(2007.10.23)
【出願人】(000000136)市光工業株式会社 (774)
【出願人】(000124454)河西工業株式会社 (593)
【Fターム(参考)】