説明

車両用屋根及びウィンドウのためのグレイジングシステム

本明細書に、車両用屋根及びウィンドウのためのグレイジングシステム及び方法を記載する。このシステムは、頂側及び底側を有するパネルと、上記頂側上に堆積する第1の保護コーティングと、上記底側上に堆積する第2の保護コーティングとを含む。上記保護コーティングは、風雨及び磨耗からの保護を実現する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、車両用屋根及びウィンドウのためのグレイジング組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリカーボネート(PC)及びポリメチルメチルアクリレート(PMMA)などのプラスチック物質は、現在、Bピラー、ヘッドライト、及びサンルーフなどの多くの自動車用部品及び構成要素の製造に使用されている。自動車車両用の屋根モジュール及びウィンドウモジュールは、スタイリング/設計、軽量化、及び安全性の分野における様々な利点に起因するこれらのプラスチック物質の新たな応用例を示している。より具体的には、ブラスチック物質は、自動車の製造において機能部品の成形プラスチックモジュールへの統合により車両用の屋根組立体及びウィンドウ組立体の複雑性を低減することを可能にし、更に、統合的な設計及び形状の複雑性の向上により競合他社の車両と自分たちの車両とを差別化することを可能にする。軽量のプラスチックウィンドウ及び車両用屋根モジュールの使用により、車両のより低い重心(よりよい車両の操縦性及び安全性)及び燃費の向上の両方が容易になる。最後に、強化された安全性は、転倒事故に巻き込まれたときのプラスチックウィンドウ及び車両用屋根モジュールを有する車両内の乗員又は乗客の生存の可能性の増加を通して更に認識される。
【0003】
プラスチックの車両用屋根及びウィンドウの使用に付随する多くの利点が認識されているが、これらのプラスチックモジュールは、ガラスウィンドウに対して制定されている現行の規制(例えば、米国連邦自動車規格(Federal Motor Vehicle Standard)、No.205、タイトル49、第5章、パート571.205;ANSI−Z26.1、米国規格協会(American National Standards Institute−1997年)及び様々な相手先商標製品の製造会社(OEM)の仕様に適合して初めて広範囲の商業用用途に用いられる。これらの要求に応じるために、保護層(例えば、コーティング又はフィルム)がプラスチックウィンドウ又は車両用屋根に対して塗布されなければならず、それによりプラスチック物質により見られるいくつかの限界が克服される。これらの限界には、変色、光の透過の減少、及び、脆化の増大(耐衝撃性の低下)によって実証される紫外線(UV)放射への露出に起因する劣化、更には、不十分な摩擦抵抗と不十分な加水分解安定性との両方が含まれる。層間剥離、即ち粘着性の低下により示されるような保護層の早期劣化は、上記の劣化メカニズムを加速させ、プラスチックウィンドウ又は車両用屋根の寿命が不十分になる。例えば、透明クリア(無着色)<ソーラー(緑色調)<プライバシー(黒色調)といった、プラスチックウィンドウ又は車両用屋根の色又は色調の黒化が、保護層システムの早期劣化を促進する可能性があり、これは、恐らく、環境露出中にプラスチックウィンドウ又は車両用屋根と保護層システムとの境界における温度が上昇するためである。耐候層はプラスチックウィンドウの全体にわたって厚さが異なる(従って、紫外線吸収剤(UVA)の濃度が異なる)ことがあるので、耐候層が薄い(UVA濃度が低い)箇所にも早期劣化が見られる。同様の主張を、様々な色の他の不透明なコーティングプラスチック構成要素(例えば、成形品、Bピラー、テールゲートモジュール、ボディパネルなど)において見られる劣化メカニズムに当てはめることができる。
【0004】
従って、ウィンドウ及び車両用屋根に関する自動車の規制及びOEMの仕様を満たし更に早期劣化の発生に対して耐性のあるグレイジング組立体が求められている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
既知の技術の欠点及び限界の克服における、車両用屋根及びウィンドウのためのグレイジング組立体及び適用方法を開示する。グレイジング組立体は、頂側及び底側を有するパネルと、上記頂側に堆積される第1の保護コーティングシステムと、上記底側に堆積される第2の保護コーティングシステムとを含む。保護コーティングシステムは、風雨又は磨耗、或いはその両方からのパネルの保護を実現する。加えて、装飾用インク層が、透明パネルと第2の保護コーティングとの間に堆積されることができる。
【0006】
適法方法に関しては、この方法は、頂側及び底側を有するパネルを形成するステップと、底側の表面を予熱するステップと、PECVDプロセスで反応性試薬を使用して第1の耐磨耗性層を底側に堆積させるステップとを含む。一実施形態では、パネルの底側の表面が約40〜50℃まで予熱されるアーク−PECVDプロセスが使用される。第1の耐摩耗性層は、反応性試薬、約60amps/arc未満の第1のアーク電流、約170sccm/arc未満の第1の反応性試薬流量、及び、約400sccm/arc未満の酸素流量を使用してパネルの底側に堆積され、更に第2の耐摩耗性層が、約60amps/arc未満の第2のアーク電流、約170sccm/arc未満の第2の反応性試薬流量、及び、約950sccm/arc未満の酸素流量を使用して底側に堆積される。
【0007】
本発明のこれらの及び他の態様及び利点は、添付図面と共に本発明の以下の詳細な説明を読めば明確になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
粘着性で耐候性のプライマを形成するため(例えば、耐摩耗性頂層の次の堆積のため)の真空堆積プロセスでの気体反応性試薬の使用により、下にあるプラスチックパネルのUV放射及び他の環境要因からの有効な保護を実現することができる。プラスチック(又はコーティングされたプラスチック)と耐摩耗性層との間の中間層としてこのプライマを使用することにより、このプライマが真空堆積された耐磨耗性層のための粘着性があり耐候性のあるプライマとして機能することが可能になることが分かっている。
【0009】
このような層の耐候特性は、保護コーティングシステムが、コーティングシステム内に存在する紫外線吸収化学種の寿命及び負荷に依存することを仮定することにより見積ることができ、従って、グレイジング組立体の寿命を予測することができる。当業者によく知られている耐候性コーティングの理論は、コーティングシステムによって遮蔽されないUV放射の総線量が劣化に影響するということである。プラスチックは、330nmを中心として集中する電磁スペクトルのUV光領域内の波長範囲に特に感応性がある。ポリカーボネートなどの、コーティングされていないプラスチックパネルは、325nmでの約3メガジュール(MJ)のUV光への露出後、約5を超える黄色度指数単位だけ黄変する。5の黄色度指数単位における変化は、人間の目に十分に可視であり、天候による劣化として見なされる。従って、325nmでの約3MJのUV光がコーティングシステムを通過して当てられた場合、コーティングパネル内に劣化が発生する。黄色度指数は当業者には既知であり、ASTM E313−73及びASTM D1925−70の両方の規格での試験プロトコルに定義されている。
【0010】
UVAの減衰率が既知であれば、UVAの初期吸光度、及び、+5を超えるYIの変化で表される劣化までの既知の時間は、式1を使用してモデル化されることができる。この式では、Rは減衰率であり、Aは初期吸光度であり、tは、コーティングされていないプラスチックサンプルの劣化を起こすのに必要な露出(メガジュール)である。
【数1】

【0011】
多くの従来のコーティングの減衰率は、325nmにおいてメガジュール当たり約0.1UV吸光度単位(ABS/MJ)である。このような場合、UV吸収化学種(325nmにおいて0.14ABS)を含む1ミクロンの保護コーティングを用いたPCパネルの寿命の増加を計算することができ、これは約30%になる。減衰率が325nmにおいて10倍上昇して約1ABS/MJになる場合、寿命の増加は約8%のみであり、減衰率が325nmにおいて10倍減少して約0.01ABS/MJになる場合、寿命の増加は約40%になる。
【0012】
図1を参照すると、本発明を組み込んだ自動車10が示されている。自動車10は、自動車10に取り付けられるグレイジング組立体12を含む。この実施形態は、自動車10用のサンルーフとして機能するグレイジング組立体12を示す。しかし、グレイジング組立体12は、自動車10用のリアウィンドウ、サイドウィンドウ、ウィンドシールド、又は、ボディパネルとして機能するように適切に配置されてよく、更に、そのように機能するような寸法形状となされてよい。図2を参照すると、自動車用グレイジング組立体12のより詳細な図が示されている。図に示すように、グレイジング組立体12は透明である。しかし、グレイジング組立体12は、ボディパネルとして機能するときの場合として可能性がある所望の場合に、不透明であってよい。
【0013】
図3Aを参照すると、自動車用グレイジング組立体12の一実施形態の断面図が示されている。グレイジング組立体12は、頂側16及び底側18を有するプラスチックパネル14を含む。プラスチックパネル14は、任意の熱可塑性樹脂又は熱硬化性高分子樹脂を含むことができる。プラスチックパネル14は、実質的に透明であるべきだが、不透明枠又は不透明縁部に限定されない不透明部分を含んでよい。高分子樹脂は、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリアリレートポリエステル、ポリスルホン、ポリウレタン、シリコン、エポキシ、ポリアミド、ポリアルキレン、及びアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)、更には、それらの共重合体、混合物及び混和物を含んでよいが、それらに限定されない。好ましい透明の熱可塑性樹脂は、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリアリレート、ポリエステル、及びポリスルホン、更には、それらの共重合体及び混和物を含むが、それらに限定されない。プラスチックパネルは、特に、着色剤、レオロジー制御剤、離型剤、酸化防止剤、UVA分子、及び、IR吸収顔料又は反射顔料などの種々の添加剤を更に含むことができる。プラスチックパネルは、押出、射出成形と吹込成形と圧縮成形とを含む成形、或いは、熱による成形と真空成形と冷間成形とを含む熱成形などの当業者に既知の任意の手法の使用により形成することができる。
【0014】
耐候層20及び耐磨耗性層24、28を含む第1の保護コーティングシステムが、プラスチックパネル14の頂側16に配置される。任意選択のプライマ層22が、耐候層20をプラスチックパネル14の頂側16に接着するのを助ける。耐候層20は、シリコン、ポリウレタン、アクリル樹脂、ポリエステル、エポキシ、及び、それらの混合物又は共重合体を含んでよいが、それらに限定されない。耐候層20は、薄膜として押し出される又は鋳造される、或いは、個別のコーティングとして塗布されてよい。耐候層20は、プラスチックパネルの保護を強化するために、アクリルプライマ、及び、シリコーンハードコート又はポリウレタンコーティングなどの複数のコーティング中間層を含んでよい。耐候層20の1つの具体的な例に、アクリルプライマ(SHP401、GEシリコン(GE Silicon)、米国、ニューヨーク州、ウォーターフォード(Waterford))とシリコーンハードコート(AS4000、GEシリコン(GE Silicon))との組合せを含む複数のコーティング中間層が含まれる。特に、着色剤(色合い付け)、レオロジー制御剤、離型剤、酸化防止剤、紫外線吸収(UVA)分子、及び、IR吸収顔料又は反射顔料などの様々な添加剤が、耐候層20に添加されてよい。耐候層20を含むコーティングは、浸漬コーティング、フローコーティング、スプレーコーティング、カーテンコーティング、又は、当業者に既知の他の手法により塗布されてよい。
【0015】
複数の耐摩耗性層26、30を含む第2の保護コーティングシステムが、プラスチックパネル14の底側18に配置される。耐摩耗性層24、26は、それぞれ、パネルの頂側及び底側16、18の両方に塗布される。耐摩耗性層24、26の一方又は両方は、UV遮断添加剤を含むことができる。次いで、追加の耐摩耗性層28、30が、最初の耐摩耗性層24、26にそれぞれ塗布できる。本発明の別の実施形態は、プラスチックパネルの底側上に、更には、耐摩耗性層の堆積の前にプラスチックパネルの頂側上に耐候層を設ける。
【0016】
耐磨耗性層24、26は、全体の組成が実質的に同一或いは異なることができる。同様に、耐磨耗性28、30は、全体の組成が実施的に同一或いは異なっていてよい。耐摩耗性層24、28、及び、耐摩耗性層26、30の組成が実質的に同一である場合、それらは、好ましくはいかなるUV吸収分子も含まず、単一の(例えば、厚い)耐摩耗性層を形成していると見なされてよい。耐摩耗性層24、26、28、30は、以下に限定されないが、プラズマ促進化学堆積(PECVD)、イオン支援プラズマ堆積、マグネトロンスパッタリング、電子ビーム蒸着、及びイオンビームスパッタリングを含み、PECVDが好適である、当業者に既知の任意の真空堆積手法により塗布することができる。
【0017】
発明者らは、驚くべきことに、組成の異なる耐摩耗性層24、26が、それぞれ同時にパネルの頂側及び底側16、18に塗布されることができることを見出した。別の実施形態では、耐摩耗性層24、26は、順次的な形でパネルに塗布されることもできる。同様に、組成の異なる耐摩耗性層28、30も、同時に或いは順次にのどちらかで耐摩耗性層24、26の表面に塗布されることができる。
【0018】
本発明の一実施形態では、拡張性熱プラズマリアクタを含む特定のタイプのPECVDプロセスが使用される。この特定のプロセス(以下、アーク−PECVDと称す)は、米国特許出願10/881,949(2004年6月28日出願)及び米国特許出願11/075,343(2005年3月8日出願)に記載されており、これらは参照により本明細書に組み込まれる。アーク−PECVDプロセスでは、150Torrを超える、例えば気圧に近い圧力で不活性ガス環境内の対応するアノードプレートにアークをなすカソードに直流電流(DC)電圧を印加することによりプラズマが発生する。その後、大気に近い熱プラズマは、プロセス圧力がプラズマ発生器の圧力未満の例えば約20から約100mTorrであるプラズマ処理チャンバ内に超音波で拡大する。
【0019】
PECVDプロセス用の反応性試薬は、例えば、オクタメチルシクロテトラシロキサン(D4)、テトラメチルジシロキサン(TMDSO)、ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)、又は他の揮発性有機珪素化合物を含み得る。有機珪素化合物は、酸化し、分解され、典型的には酸素、及び、アルゴンなどの不活性キャリアガスの存在下においてアークプラズマ堆積装置内で重合し、耐摩耗性層を形成する。得られる耐摩耗性層の組成は、堆積したコーティングに残る炭素原子及び水素原子の量に依存してSiOxからSiOxCyHzまで変化することができる。耐摩耗性層に適した物質には、特に、一酸化珪素、二酸化珪素、シリコンオキシカーバイド及び水素化シリコンオキシカーバイド、更には、それらの混和物が含まれる。
【0020】
発明者らは、2つのプラズマ手法(A及びB)が、現行の規制(例えば、米国連邦自動車規格(Federal Motor Vehicle Standard)、No.205、タイトル49、第5章、パート571.205;ANSI−Z26.1、米国規格協会(American National Standards Institute−1997年)及び多くのOEM仕様に適合することに関して所望の性能を示すコーティングを沈積することを見出した。より具体的には、2つのプラズマ手法から得られる耐摩耗性層24、26、28、30は、特に、耐摩耗性、水浸接着、内部耐候性(Cira/ソーダ石灰試験)、熱−機械的強度(14サイクルの熱サイクル試験)、接着結合強度(カタプラズマ試験)、及び化学抵抗性に関する試験に合格することを見出した。記載したすべての試験は、自動車用ウィンドウ製造の当業者には既知である。Cira/ソーダ石灰耐候性試験は、米国自動車技術者協会(SAE)の大会議事録文書♯2003−01−1192及び米国コーティング技術協会(Federation of Societies for Coatinas Technology (FSCT))、93−106(2005)にすべて記載されている。プラズマ手法は、アークPECVDプロセス中に存在する反応性化学種を出現させて制御するのに使用される、予熱温度、ガス流量及びアーク電流などの作動条件を基準とする。
【0021】
両方のプラズマ手法は、プラスチックパネル14の頂側16上及び底側18上の両方への少なくとも2つの耐摩耗性層(例えば、第1の層24、26、及び第2の層28、30)の堆積を含む。プラスチックパネル14の底側18の表面は、約40〜50℃まで予熱され、一方、プラスチックパネル14の頂側16の表面は、約50〜60℃まで予熱される。両方のプラズマ手法において、プラスチックパネル14の底側18上及び頂側16上への耐摩耗性層の堆積は、約60amps/arc未満のアーク電流、約170sccm/arc未満の反応性試薬流量、及び、約950sccm/arc未満の酸素流量を使用する。好ましくは、第1及び第2の磨耗層に対しては、アーク電流は約30〜45Amps/arcの範囲内にあり、反応性試薬流量は、約50〜150sccm/arcの範囲内にある。酸素流量は、第1及び第2の耐摩耗性層の堆積に対して、それぞれ0〜400sccm/arc及び700〜950sccm/arcの範囲内にあるのが好ましい。
【0022】
プラズマ手法A−プラスチックパネル14の底側18に対しては、予熱温度の設定値は約250℃であり、プラスチックパネル上の表面温度を約40〜50℃にする。その場合、第1の耐磨耗性層26は、約34Amps/arcのアーク電流、約125sccm/arcの反応性試薬(例えば、D4)流量、及び約ゼロ(例えば、0sccm/arc近く)の第1の酸素流量を使用して堆積するのが特に好ましい。第1の耐摩耗性層26の堆積に続いて、特に好ましくは、約37Amps/arcのアーク電流、約150sccm/arcの反応性試薬流量、及び約800sccm/arcの酸素流量を使用して第2の耐摩耗性層30が堆積される。
【0023】
プラスチックパネル14の頂側16(耐候層20を含む)に対しては、予熱温度の設定値は約400℃であり、プラスチックパネル上の表面温度を約50〜60℃にする。第1の耐磨耗性層24は、特に好ましくは、約34Amps/arcのアーク電流、約125sccm/arcの反応性試薬(例えば、D4)流量、及び約50sccm/arcの酸素流量を使用して堆積される。第1の耐摩耗性層24の堆積に続いて、特に好ましくは、約37Amps/arcのアーク電流、約150sccm/arcの反応性試薬流量、及び約800sccm/arcの酸素流量を使用して第2の耐摩耗性層28が堆積される。
【0024】
プラズマ手法B−プラスチックパネル14の底側18に対しては、予熱温度の設定値は約250℃であり、プラスチックパネル上の表面温度を約40〜50℃にする。第1の耐磨耗性層26は、特に好ましくは、約31Amps/arcのアーク電流、約125sccm/arcの反応性試薬(例えば、D4)流量、及び約50sccm/arcの酸素流量を使用して堆積される。第1の耐摩耗性層26の堆積に続いて、特に好ましくは、約37Amps/arcのアーク電流、約150sccm/arcの反応性試薬流量、及び約800sccm/arcの酸素流量を使用して第2の耐摩耗性層30が堆積される。
【0025】
プラスチックパネルの頂側16(耐候層20を含む)に対しては、予熱温度の設定値は約400℃であり、プラスチックパネル上の表面温度を約50〜60℃にする。第1の耐磨耗性層24は、特に好ましくは、約34Amps/arcのアーク電流、約125sccm/arcの反応性試薬(例えば、D4)流量、及び約50sccm/arcの酸素流量を使用して堆積される。第1の耐摩耗性層24の堆積に続いて、特に好ましくは、約37Amps/arcのアーク電流、約150sccm/arcの反応性試薬流量、及び約800sccm/arcの酸素流量を使用して第2の耐摩耗性層28が堆積される。
【0026】
上述したように、第1の耐摩耗性層24、26は、UV遮断又は吸収化学種を含むことができる。種々のPECVD堆積シロキサン層が米国特許第6,110,544号明細書に示される層などのUV吸収層を形成することが示されている。例えば、テトラメチルジシロキサン(TMDSO)は、マイクロメートルのコーティング厚さ当たりで約0.011ABS/μm(300nmの波長において)、0.008ABS/μm(325nmの波長において)、及び0.0062ABS/μm(350nmの波長において)程度のUV吸収性を有し、オクタメチルシクロテトラシロキサン(D4)は、5μmの厚さで、約0.0024ABS/μm(300nmの波長において)、0.0024ABS/μm(325nmの波長において)、及び0.0014ABS/μm(350nmの波長において)程度のUV吸収性を有する。
【0027】
いくつかのシロキサン物質が比較的高いUV吸収性の層を形成することができることは、予想外で驚くべき結果である。例えば、ビニル−D4(テトラビニルテトラメチルシクロテトラシロキサン)は、マイクロメートルのコーティング厚さ当たり約0.14ABS/μm(325nmの波長において)程度のUV吸収性を有する。また、UV吸収(UVA)分子を用いて作られた多くのPECVDコーティングは、単一層の耐磨耗性層として使用される場合にUV露出に対して安定しない(米国特許第6,110,544号明細書)。
【0028】
発明者らは、単独で或いは低UV吸収性の反応性化学種と混合されてPECVDシステム内でプライマ又は中間層として使用された場合に、これらの高UV吸収性の物質は安定することを見出した。発明者らは、PECVDプロセスでのこれらの反応性試薬の使用により、下にあるパネルのUV放射及び他の環境要因からの有効な保護を実現する粘着性で耐候性のプライマを形成することができることを明らかにした。
【0029】
図3Bを参照すると、本発明の原理を組み込んだグレイジング組立体12の別の実施形態が示されている。この実施形態は、プラスチックパネル16の底側18上に印刷されたブラックアウトインク(black−out ink)32を含む。この応用例で特に良好に機能することが分かっているいくつかのインクは、参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願10/909,880(2004年4月2日出願)に記載されている熱硬化インクである。これらの熱硬化インクは、ポリエステルインク(8452,Nazdar,米国、カンザス州)を含む。詳細には、以下で詳述するアーク−PECVD堆積耐磨耗性層を有するポリカーボネートパネル上のこれらの特定のインクに対しては、65℃での9日間の水浸後に、99〜100%の接着性保持率が観測された。
【0030】
ブラックアウトインク32を有するプラスチックパネル16の底側18に対しては、加熱ユニットの予熱温度の設定値は約250℃であり、プラスチックパネル上の表面温度を約50℃にする。第1の耐摩耗性層26が、プラズマ手法Cに関する以下の記述に従うアーク−PECVDを介して塗布される。次いで、第2の耐摩耗性層30が、プラズマ手法Cに関する以下の記述に従うアーク−PECVDを介して塗布される。発明者らは、プラズマ手法Cが、インク32上に堆積する場合だけでなくプラスチックパネル上に直接堆積する場合にも優れた性能を示すことを見出した。詳細には、プラズマ手法Cを使用してポリカーボネート上に直接堆積した耐摩耗性層に対して、65℃で9日間の水浸後に、99〜100%の接着性保持率が観測された。
【0031】
プラズマ手法c−任意選択の装飾用印刷インク32を有するプラスチックパネル14の底側18に対しては、予熱温度の設定値は約250℃であり、インク32上の表面温度を約40〜50℃にする。第1の耐磨耗性層26は、特に好ましくは、約34〜43Amps/arcのアーク電流、約20sccm/arcのビニル−D4流量、及び約0〜300sccm/arcの酸素流量を使用して堆積される。第1の耐摩耗性層26の堆積に続いて、特に好ましくは、約34Amps/arcのアーク電流、約125sccm/arcの反応性試薬(例えば、D4)流量、及び約800sccm/arcの酸素流量を使用して第2の耐摩耗性層30が堆積される。
【0032】
図3Cを参照すると、別の実施形態が示されている。この実施形態は図3Aに示す実施形態に類似しているが、第2の任意選択のプライマ層22’を有する第2の耐候層20’が、プラスチックパネル14の底側18上に配置される。第2の耐候層20’を覆う第1及び第2の耐摩耗性層26及び30は、塗布された第1及び第2の耐摩耗性層24、28と同様に、耐候層20上に塗布される。
【0033】
両方のプラズマ手法(A及びB)を含む、パネルに対して得られた事前の妥当性試験の結果を表1〜5に示す。より具体的には、表1に、異なるポリカーボネートパネルでの両方のプラズマ手法(A及びB)に対して得られた、接着性保持率に関するデータを示す。この試験は、コーティングされたパネルを65℃の脱イオン水に10日間浸漬し、次いで、クロスハッチテープ引き剥がし試験(ASTM D3359−95、DIN 53151)を介して粘着性を試験する。>99Bの表示は、約99パーセントを超える保護コーティングシステムがクロスハッチ領域内のパネルに接着したままであることを示す。記号Bは、クロスハッチ領域の外側でコーティング層間剥離がやはりほとんど発生しなかった(B=約2%未満)ことを示す。この試験では、5%を超える保護コーティングシステムのいかなる層間剥離も劣化と見なされる。
【0034】
表2に、Cira/ソーダ石灰試験プロトコルを使用した複数の促進耐候性データと共に、テーバー磨耗試験器プロトコル(ASTM D1044、DIN 52347)を使用して測定された耐摩耗性に関するデータを示す。テーバー試験の結果に関しては、コーティングされたグレイジング組立体の底側を代表するサンプルは、500サイクル後にサンプルの表面において測定されたヘーズのパーセンテージの変化(例えば、試験に起因する)が約10%未満である場合に、試験に合格したと見なされる。両方のプラズマ手法が、試験基準に合格する耐摩耗性層を形成することが分かった。コーティングされたグレイジング組立体の頂側を代表するサンプルは、1000サイクル後にサンプルの表面において測定されたヘーズのパーセンテージの変化(例えば、試験に起因する)が約2%以下である場合に、テーバー試験に合格したと見なされる。両方のプラズマ手法が、試験基準に合格する耐摩耗性層を形成することが分かった。
【0035】
Cira/ソーダ石灰耐候性試験を使用した促進耐候性試験に関しては、ここでは耐候層の存在を欠いていてもよい、コーティングされたグレイジング組立体の底側を代表するサンプルは、耐摩耗性層(及び、任意選択の耐候層)の任意の層間剥離が発生するまでに、UV放射への露出が0.20MJ/mに到達する或いはそれを超えていなければならない。両方のプラズマ手法が、いかなる層間剥離の前に0.52MJ/mの露出に耐えたことにより、試験基準を超える摩耗層を形成することが分かった。
【表1】


【表2】

【0036】
表3に、自動車OEM試験条件(PSA プジョー(Peugot)シトロエン(Citroen),D47−1309)を使用した、各サイクルが試験パネルを40℃の温度及び95%の相対湿度で16時間、−20℃の温度で3時間、及び、85℃の温度及び約50〜80%の相対湿度条件で6時間露出することからなる、合計14サイクルからなる熱サイクル後に得られた粘着性のデータを示す。試験の熱サイクル部分が完了した時点で、模様のないサンプルのテープ引き剥がし(非クロスハッチ)を使用して、コーティング層間剥離の発生を判断する。観測されたコーティングの層間剥離が約5%未満である場合、サンプルは試験を合格する。言い換えれば、試験を合格するためには、パネル上でのコーティング保持率が少なくとも約95%でなければならない。
【0037】
表4に、2つのプラズマ手法を含む、コーティングされたパネルに接合されたウレタン接着剤の凝集破壊に関して得られたデータを示す。より具体的には、カタプラズマ試験という名称の使用された試験プロトコルは、自動車用接着剤の当業者にはよく知られている。カタプラズマ試験では、ウレタン接着剤ビードが試験パネルに接合されて、その後、熱、湿気及び熱衝撃に露出される。次いで、ウレタン接着剤の結果として生じる接合性能は、コーティングされたパネルからビードを引き剥がすことにより判断される。また、コーティング性能は、同時実行のクロスハッチ接着試験を介して評価されることができる。次いで、観測された接着劣化がウレタン接着剤の凝集破壊(例えば、接着剤ビードの破断又は分裂)にどの程度まで影響を及ぼしているかを判断する。凝集破壊率(%)が高いほど、システム全体がより適切に機能している。表4では、プラズマ手法Aが、プラズマ手法Bよりも適切に機能していることが分かる。従って、プラズマ手法Aは、プラズマ手法Bより好適である。プラズマ手法Aから得られるグレイジング組立体の性能は、ほとんどの自動車OEM(original equipment manufacturers(相手先商標製品の製造会社))によって規定された基準を超える。
【表3】


【表4】

【0038】
表5は、種々のプラズマ手法を使用して、堆積したコーティングにより示される化学抵抗性に関して得られたデータを示す。この試験での合格評価は、化学物質とコーティングシステムとの間の接触による全体の性能に及ぼす影響が最小であることである。プラズマ手法A及びBの両方とも、表に列挙された種々の化学物質への露出に合格することが分かった。
【表5】

【0039】
前述の開示は、当業者が本発明を実行することを可能にすることを意図していることから、本発明が前述の開示に限定されると解釈するべきではなく、本発明がこの前述の明白な変形形態を含んでおり、特許請求の範囲の精神及び範囲によってのみ限定されると解釈するべきである。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の原理を具体化するグレイジング組立体を有する自動車の概略図である。
【図2】図1に示すグレイジング組立体の上面図である。
【図3A】図2の線3A−3Aに概略的に沿ったグレイジング組立体の一部分の断面図である。
【図3B】図3Aに類似する、装飾用インクを有するグレイジング組立体の一部分の断面図である。
【図3C】図3Aに類似する、組立体の両側上に耐候層を有するグレイジング組立体の一部分の断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の側表面及び第2の側表面を有するプラスチックパネルと、
前記第1の側表面に堆積し更に耐候層及び少なくとも2つの耐摩耗性層を含む第1の保護コーティングシステムと、
前記第2の側表面に堆積し更に少なくとも2つの耐摩耗性層を含む第2の保護コーティングシステムと
を含むグレイジング組立体であって、
前記第1及び第2の保護コーティングシステムが風雨及び磨耗からの保護を実現する
グレイジング組立体。
【請求項2】
前記耐候層が中間層を有する多層コーティングを更に含む、請求項1に記載のグレイジング組立体。
【請求項3】
中間層を有する前記多層コーティングの少なくとも1つが、UV吸収分子を含む、請求項2に記載のグレイジング組立体。
【請求項4】
前記多層コーティングの中間層が、アクリルプライマ及びシリコーンハードコートを含む、請求項2に記載のグレイジング組立体。
【請求項5】
前記耐摩耗性層が真空堆積層である、請求項1に記載のグレイジング組立体。
【請求項6】
前記真空堆積層がPECVD堆積層である、請求項5に記載のグレイジング組立体。
【請求項7】
前記PECVD堆積層がアーク−PECVD堆積層である、請求項6に記載のグレイジング組立体。
【請求項8】
前記耐摩耗性層が、シロキサン、シリコンオキシカーバイド及び水素化シリコンオキシカーバイドの少なくとも1つから作られる、請求項5に記載のグレイジング組立体。
【請求項9】
前記耐摩耗性層のそれぞれが異なる化学組成で作られる、請求項1に記載のグレイジング組立体。
【請求項10】
前記耐摩耗性層のそれぞれが実質的に同じ化学組成で作られる、請求項1に記載のグレイジング組立体。
【請求項11】
前記プラスチックパネルと前記第2の保護コーティングシステムとの間に堆積する装飾用インク層を更に含む、請求項1に記載のグレイジング組立体。
【請求項12】
前記プラスチックパネルと前記第2の保護コーティングシステムとの間に配置される耐候層を更に含む、請求項1に記載のグレイジング組立体。
【請求項13】
前記第1の保護コーティングシステムの前記少なくとも2つの耐摩耗性層の1つが、UV吸収化学種を含む、請求項1に記載のグレイジング組立体。
【請求項14】
前記UV吸収化学種が、ビニル−D4、D4、HMDSO及びTMDSOの1つから得られる、請求項13に記載のグレイジング組立体。
【請求項15】
前記第2の保護コーティングシステムの前記少なくとも2つの耐摩耗性層の1つが、UV吸収化学種を含む、請求項1に記載のグレイジング組立体。
【請求項16】
前記UV吸収化学種が、ビニル−D4、D4、HMDSO及びTMDSOの1つから得られる、請求項15に記載のグレイジング組立体。
【請求項17】
前記プラスチックパネルが熱可塑性樹脂から構成される、請求項1に記載のグレイジング組立体。
【請求項18】
前記熱可塑性樹脂が、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリアリレート、ポリエステル及びポリスルホンの1つである、請求項17に記載のグレイジング組立体。
【請求項19】
前記プラスチックパネルが透明パネルである、請求項1に記載のグレイジング組立体。
【請求項20】
グレイジング組立体を製造する方法であって、前記方法が、
第1の側表面及び第2の側表面を有するプラスチックパネルを用意するステップと、
前記プラスチックパネルの前記第1の側表面を第1の温度まで予熱するステップ、及び、第1の反応性物質を使用して第1の耐摩耗性層を前記第1の側表面に堆積するステップを含む第1の手順を実行するステップと、
前記プラスチックパネルの前記第2の側表面を第2の温度まで予熱するステップ、及び、第2の反応性試薬及び真空堆積プロセスを使用して第2の耐摩耗性層を前記第2の側面に堆積するステップを含む第2の手順を実行するステップと
を含む方法。
【請求項21】
前記第2の温度が約40℃から50℃であり、
前記第2の反応性試薬がD4であり、
前記第2の耐摩耗性層が、約60amps/arc未満の第2のアーク電流、約170sccm/arc未満の第2の反応性試薬流量、及び、約400sccm/arc未満の第2の酸素流量を使用して堆積され、
前記第1の耐摩耗性層が、約60amps/arc未満の第1のアーク電流、約170sccm/arc未満の第1の反応性試薬流量、及び、約950sccm/arc未満の第1の酸素流量を使用して堆積される、
請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記第2のアーク電流が約30から45Amps/arcの間であり、前記第2の反応性試薬流量が約50から150sccm/arcの間であり、前記第2の酸素流量が約400sccm/arc未満であり;並びに、
前記第1のアーク電流が約30から45Amps/arcの間であり、前記第1の反応性試薬流量が約50から150sccm/arcの間であり、前記第1の酸素流量が約700と900sccm/arcとの間である、
請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記第2のアーク電流が約34Amps/arcであり、前記第2の反応性試薬流量が約125sccm/arcであり、前記第2の酸素流量が約ゼロであり;並びに、
前記第1のアーク電流が約37Amps/arcであり、前記第1の反応性試薬流量が約150sccm/arcであり、前記第1の酸素流量が約800sccm/arcである、
請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記第2のアーク電流が約31Amps/arcであり、前記第2の反応性試薬流量が約125sccm/arcであり、前記第2の酸素流量が約50sccm/arcであり;並びに、
前記第1のアーク電流が約37Amps/arcであり、前記第1の反応性試薬流量が約150sccm/arcであり、前記第1の酸素流量が約800sccm/arcである、
請求項21に記載の方法。
【請求項25】
印刷されるインクを前記プラスチックパネルの前記第2の側表面上に堆積するステップを更に含む、請求項20に記載の方法。
【請求項26】
前記第1の温度が約40℃から50℃であり、
前記第1の反応性試薬がD4であり、
前記第2の反応性試薬がビニル−D4であり、
前記第2の耐摩耗性層が、約34から43Amps/arcの間の第1のアーク電流、約20sccm/arcの第2の反応性試薬流量、及び、約300sccm/arc未満の第2の酸素流量を使用して堆積され、
前記第1の耐摩耗性層が、約34Amps/arcの第1のアーク電流、約125sccm/arcの第1の反応性試薬流量、及び、約800sccm/arcの第1の酸素流量を使用して堆積される、
請求項20に記載の方法。
【請求項27】
前記プラスチックパネルの前記第2の側表面と前記第2の耐摩耗性層との間に耐候層を堆積するステップを更に含む、請求項20に記載の方法。
【請求項28】
前記耐候層がアクリルプライマ及びシリコーンハードコートを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記第1の温度が約50℃から60℃であり、
前記第2の反応性試薬がD4であり、
前記第2の耐摩耗性層が、約30から45amps/arcの間の第2のアーク電流、約50から150sccm/arcの間の第2の反応性試薬流量、及び、約400sccm/arc未満の第2の酸素流量を使用して堆積され、
前記第1の耐摩耗性層が、約30から45amps/arcの間の第1のアーク電流、約50から150sccm/arcの間の第1の反応性試薬流量、及び、約700から950sccm/arcの間の第1の酸素流量を使用して堆積される、
請求項20に記載の方法。
【請求項30】
前記第2のアーク電流が約34Amps/arcであり、前記第2の反応性試薬流量が約125sccm/arcであり、前記第2の酸素流量が約50sccm/arcである、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記第1のアーク電流が約37Amps/arcであり、前記第1の反応性試薬流量が約150sccm/arcであり、前記第1の酸素流量が約800sccm/arcである、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
前記第1の側表面と前記第1の耐摩耗性層との間に耐候層を堆積するステップを更に含む、請求項29に記載の方法。
【請求項33】
前記第1の側表面と前記耐候層との間にプライマを堆積するステップを更に含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記第1の手順の間に前記第2の手順の少なくとも一部分を実行するステップを更に含む、請求項20に記載の方法。
【請求項35】
前記第2の手順の前に前記第1の手順を実行するステップを更に含む、請求項20に記載の方法。
【請求項36】
前記第1の手順の前に前記第2の手順を実行するステップを更に含む、請求項20に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図3B】
image rotate

【図3C】
image rotate


【公表番号】特表2009−502569(P2009−502569A)
【公表日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−523882(P2008−523882)
【出願日】平成18年6月21日(2006.6.21)
【国際出願番号】PCT/US2006/024022
【国際公開番号】WO2007/018757
【国際公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【出願人】(505365404)エクスアテック、エル.エル.シー. (51)
【Fターム(参考)】