説明

車両用指針計器

【課題】視認性と見栄えを確保する。
【解決手段】指標14,16を表示する表示板10と、回転位置により指標14,16を指示する指針20であって、回転中心Oを形成する基端部21から先端部22へ向かって延伸し、回転方向の両側面290が表示方向に対して傾斜して表示方向後側へ向かうほど互いに接近する断面台形状の指針20と、指針20の基端部21へ入射させる光を発する光源40とを備え、指針20内部において基端部21への入射光が先端部22へ向かって導光されることで指針20が発光する車両用指針計器1において、指針20は、各側面290上にそれぞれ形成され、基端部21から先端部22へ導光される光を反射する一対の高反射層26と、各高反射層26上にそれぞれ形成され、各側面290へ向かう外光を各高反射層26よりも低い反射率にて反射する一対の低反射層27とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用指針計器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車速やエンジン回転数等の車両状態値に応じた指標を、表示板に表示させて指針の回転位置により指示するようにした車両用指針計器が、知られている。
【0003】
このような車両用指針計器の一種として特許文献1に開示の計器では、回転中心を形成する基端部から先端部へ向かって延伸する指針内部において、光源により発せられて基端部へ入射された光が先端部へ向かって導光されることにより、当該指針が発光するようになっている。また特に、特許文献1に開示の計器では、回転方向の両側面が表示方向に対して傾斜して表示方向後側へ向かうほど互いに接近する断面台形状に指針が形成されることにより、それら各側面による表示方向前側への反射光量が指針にて高められるようになっている。
【0004】
さて、特許文献1に開示の計器の如き断面台形状の指針では、各側面から外部へ光が漏れると、その漏れた淡い光により表示板が部分照明されて、表示板の見栄えを低下させる事態が懸念される。そこで、特許文献1に開示の計器では、銀色系の印刷層が指針の各側面上に形成されている。これにより、指針内部にて各側面に入射した光は、それら側面上の印刷層によりそれぞれ反射されて外部への漏れを規制されるので、見栄えの低下の抑制が可能となるのである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4698187号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に開示の計器では、指針において比較的高い反射率となる銀色系の各印刷層が外部に露出しているので、各印刷層により外光が反射されて、その強い反射光が車両乗員の眼に入射することにより、指針の視認性を低下させるおそれがある。また、各印刷層による強い反射光が表示板を部分照明する場合、指標の視認性や表示板の見栄えを低下させるおそれがある。
【0007】
そこで、各印刷層を比較的反射率の低い暗色系のものに変更することが考えられるが、その場合、各印刷層による反射光量が減少するため、指針先端部まで光を導光し難くなり、指針について発光輝度の低下、ひいては視認性の低下を招いてしまうのである。
【0008】
本発明は、以上説明した問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、視認性と見栄えを確保する車両用指針計器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明は、車両状態値に応じた指標を表示する表示板と、表示板よりも表示方向の前側において回転位置により指標を指示する指針であって、回転中心を形成する基端部から先端部へ向かって延伸し、回転方向の両側面が表示方向に対して傾斜して表示方向の後側へ向かうほど互いに接近する断面台形状の指針と、指針の基端部へ入射させる光を発する光源と、を備え、指針内部において基端部への入射光が先端部へ向かって導光されることにより指針が発光する車両用指針計器において、
指針は、各側面上にそれぞれ形成され、基端部から先端部へ導光される光を反射する一対の高反射層と、各高反射層上にそれぞれ形成され、各側面へ向かう外光を、それら高反射層よりも低い反射率にて反射する一対の低反射層と、を有する。
【0010】
この発明による断面台形状の指針において、表示方向に対して傾斜して表示方向後側へ向かうほど互いに接近する回転方向の各側面上には、それぞれ高反射層が形成される。故に、光源光が基端部に入射されて先端部へと向かって導光される指針内部では、各側面に到達した光が比較的高反射率の各高反射層により反射されることになる。これによれば、指針の各側面から外部の表示板へと向かう漏光を規制して、指標の視認性を確保するだけでなく、各高反射層による反射光量を増大させた高い発光輝度により、指針の視認性を確保可能である。
【0011】
しかも、断面台形状の指針において各側面を覆う各高反射層上には、それら高反射層よりも低反射率の低反射層がそれぞれ形成される。故に、指針において外部に露出することとなる各低反射層により外光が反射されても、車両乗員の眼に入射する当該反射光又は表示板を部分照明する当該反射光の強度を抑えて、指針及び指標の視認性と表示板の見栄えとを確保可能となるのである。
【0012】
請求項2に記載の発明によると、指針は、表示方向の後側を向く背面上に形成され、内部を導光される光を反射することにより所定色にて発光する着色層を、有し、各高反射層は、着色層よりも高い反射率にて光を反射する。このように、表示方向後側を向く背面上に着色層が形成される指針内部では、導光される光のうち各側面に到達した光が、当該着色層よりも高反射率の各高反射層により反射されることになる。その結果、各高反射層による反射光量が増大するのみならず、それら各高反射層による反射光が着色層によりさらに反射されて所定色の発光が実現されるので、指針の視認性を高めることが可能となる。
【0013】
請求項3に記載の発明によると、各高反射層において表示方向の前側端部は、それら高反射層上の各低反射層により表示方向の前側から覆われる。これによれば、表示方向において各低反射層により前側から覆われる各高反射層の前側端部は、外部のうち当該前側への露出を制限されることになる。故に、各高反射層の前側端部が表示方向前側へと外光を反射することで、その強い反射光が車両乗員の眼に入射する事態を抑制できるので、それら各高反射層の外部露出に起因した指針視認性の低下を回避可能となる。
【0014】
請求項4に記載の発明によると、それぞれ各側面上に積層形成される各高反射層において表示方向の前側端部は、指針において表示方向の前側を向く前面の縁部上に張り出し、それら高反射層上の各低反射層により当該張り出し部分の全体を覆われる。この発明の各側面上において各高反射層の積層形成時には、表示方向前側を向く指針前面の縁部上に、それら各高反射層の表示方向前側端部が張り出し易くなる。しかし、こうした各高反射層の張り出し部分は、それら高反射層上の各低反射層により全体を覆われて、外部への露出を制限される。故に、各高反射層の外部露出に起因した指針視認性の低下につき、確実に回避可能である。
【0015】
請求項5に記載の発明によると、各高反射層において表示方向の後側端部は、それら高反射層上の各低反射層により表示方向の後側から覆われる。これによれば、表示方向において各低反射層により後側から覆われる各高反射層の後側端部は、外部のうち当該後側への露出を制限されることになる。故に、表示板により表示方向前側へ反射された外光等の光が各高反射層の後側端部により表示方向後側へと再反射されることで、その再反射された淡い光が表示板を部分照明する事態を抑制できる。したがって、各高反射層の外部露出に起因した指標視認性及び表示板見栄えの低下につき、回避可能となるのである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第一実施形態による車両用指針計器を示す正面図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】図1の指針を示す斜視図である。
【図4】図3のIV−IV線断面図である。
【図5】図1の車両用指針計器の作用効果を説明するための模式図である。
【図6】本発明の第二実施形態による車両用指針計器の指針を示す図であって、図4に対応する断面図である。
【図7】図6の変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。また、各実施形態の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施形態の構成同士を部分的に組み合せることができる。
【0018】
(第一実施形態)
図1は、本発明の第一実施形態による車両用指針計器1を示している。計器1は、車両の車室内においてインストルメントパネルに設置されるコンビネーションメータである。
【0019】
(基本構成)
まず、計器1の基本構成を説明する。図1,2に示すように計器1は、表示板10、指針20、駆動源30、第一光源40、第二光源42及び制御回路50を備えている。
【0020】
表示板10は、黒色等の暗色に着色された樹脂により形成され、平板状を呈している。表示板10は、車室内においてインストルメントパネルから運転席側へ向かう方向を表示方向として、配置されている。表示板10において表示方向前側を向く表示面100には、光沢性をもって円環状に形成された加飾リング12が設けられている。また、表示板10の表示面100には、それぞれ複数ずつの目盛14及び数字16が、加飾リング12の内周面に沿って円周方向に並ぶ形態で表示されている。ここで目盛14及び数字16は、本実施形態では、車両状態値としての車速を指針20により指示するための指標14,16であり、第二光源42からの光が表示方向の後側から前側へと透過可能に形成されている。
【0021】
指針20は、その大半部分がポリカーボネイト等の無色透明な樹脂により形成され、基端部21から先端部22へ向かって延伸する細長針状を呈している。指針20は、表示板10の表示方向前側のうち加飾リング12の内周側に配置され、当該表示板10の表示面100と間隔をあけて向き合っている。指針20の基端部21は、駆動源30の回転軸31と連結されることにより、指標14,16が並ぶ円周方向を回転方向とした指針20の回転中心Oを形成している。指針20は、回転中心Oまわりの回転位置に応じて、先端部22により指標14,16を指示する。
【0022】
図2に示すように駆動源30は、ステップモータに減速歯車機構を組み合わせてなり、回転軸31を除いて表示板10の表示方向後側に配置されている。駆動源30の回転軸31は、表示板10に設けられた通孔18を表示方向の後側から前側に貫通して、指針20の基端部21と連結されている。駆動源30は、通電により回転軸31を指針20と共に回転駆動する。
【0023】
第一光源40及び第二光源42は、チップタイプの発光ダイオードからなり、それぞれ複数ずつ表示板10の表示方向後側に配置されている。ここで各第一光源40は、表示板10の通孔18を通じて指針20の基端部21と向き合っており、通電により白色に発光することで当該基端部21に光を入射する。その結果、基端部21への入射光が指針20の内部を先端部22へ向かって導光されることで、指針20が発光することになる。また一方、各第二光源42は、表示板10のうち指標14,16が並ぶ円周部分と向き合っており、通電により白色に発光することで当該指標14,16に光を入射する。その結果、入射光の透過により指標14,16が発光表示されることになる。
【0024】
制御回路50は、マイクロコンピュータ等の電子回路からなり、表示板10の表示方向後側に配置されている。制御回路50は、各第一光源40及び各第二光源42と駆動源30とに電気接続され、それら電気接続要素40,42,30への通電を制御する。
【0025】
(指針の詳細構成)
次に、第一実施形態の特徴である指針20の詳細構成を説明する。図2〜4に示すように指針20は、導光本体24、着色層25、高反射層26及び低反射層27を有している。
【0026】
指針20の大半部分をなす無色透明な導光本体24は、遮光性のキャップ28により基端部21を表示方向前側から覆われている。導光本体24の基端部21は、表示方向に対して傾斜する反射面210を、同表示方向の前側に形成している。導光本体24のうちキャップ28から露出している露出導光部29は、回転方向の両側面290が表示方向後側へ向かうほど互いに接近する横断面形状を、保有している。ここで特に、平坦面状の各側面290が表示方向に対して傾斜することで、基端部21から先端部22へと向かって回転方向の幅が狭くなる露出導光部29の横断面状は、長手方向の任意の箇所にて台形状となっている。また、こうした断面台形状の露出導光部29について本実施形態では、表示方向後側を向く平坦面状の背面291が表示板10の表示面100と略平行に設けられ、表示方向前側を向く平坦面状の前面292が当該背面291に対して傾斜して設けられている。
【0027】
導光本体24の背面291上に積層形成される着色層25は、ホットスタンプ又はスクリーン印刷等により薄膜状に形成され、不透光性をもって赤色等の明色に着色されている。図4に示すように本実施形態の着色層25は、背面291の全体を覆っていると共に、各側面290のうち表示方向後側の縁部290a上まで張り出している。
【0028】
導光本体24の各側面290上に積層形成される一対の高反射層26は、ホットスタンプ又は金属蒸着等により薄膜状に形成されている。各高反射層26は、不透光性をもった銀色又は白色等の反射層として、着色層25よりも高い光反射率を付与されている。本実施形態において各高反射層26は、それぞれ積層対象の側面290のうち後側縁部290aを除く部分と、着色層25のうち当該積層対象側面290側にて後側縁部290a上への張り出し部分25bを含む側端部25aとを、覆っている。それと共に各高反射層26は、前面292のうち積層対象側面290側の縁部292a上に張り出して、張り出し部分26cを形成している。さらに各高反射層26は、背面291のうち積層対象側面290側の縁部291a上まで着色層25を介して張り出して、張り出し部分26dを形成している。
【0029】
各高反射層26上に積層形成される一対の低反射層27は、ホットスタンプ又はスクリーン印刷等により薄膜状に形成されている。各低反射層27は、不透光性をもった黒色等の暗色の反射層として、各高反射層26及び着色層25よりも低い光反射率を付与されている。本実施形態において各低反射層27は、それぞれ積層対象の高反射層26のうち表示方向前側の端部26aと表示方向後側の端部26bとを除く部分を、覆っている。
【0030】
以上の構成により、第一光源40から指針20の導光本体24に入射された光は、基端部21の反射面210により反射された後、露出導光部29の内部を先端部22へ向かって導光される。このとき光は、着色層25や各高反射層26による反射を経て又は経ないで、前面292から出射する若しくは先端部22へと到達する。そして特に、着色層25による反射光が前面292から出射して、運転席上の車両乗員の眼へと入射することにより、露出導光部29の明色での発光状態が当該車両乗員により認識されることとなる。
【0031】
(作用効果)
以下、ここまで説明した第一実施形態の作用効果を説明する。第一実施形態による指針20の導光本体24のうち断面台形状の露出導光部29において、表示方向に対して傾斜して表示方向後側へ向かうほど互いに接近する回転方向の各側面290上には、それぞれ高反射層26が形成されている。故に、夜間時等に第一光源40から導光本体24の基端部21に入射された光が先端部22へと向かって導光される露出導光部29の内部では、各側面290に到達した光が比較的高反射率の各高反射層26により反射されることになる。これによれば、各側面290から外部の表示面100へ向かう漏光を規制して、表示板10における指標14,16の視認性を確保するだけでなく、各高反射層26による反射光量を増大させた高い発光輝度により、露出導光部29の視認性を確保可能である。
【0032】
しかも第一実施形態では、断面台形状の露出導光部29にて各側面290を覆う各高反射層26上には、それら高反射層26よりも低反射率の低反射層27がそれぞれ形成されて外部に露出している。故に、外部露出した各低反射層27により昼間時等の強い外光が反射されても、車両乗員の眼に入射する当該反射光の強度を抑えて、露出導光部29の視認性を確保可能である。また、外部露出した各低反射層27により昼間時等の強い外光が反射されても、図5に斜めハッチングにより示す如く表示面100や加飾リング12を部分照明する当該反射光の強度を抑えて、指標14,16の視認性と表示板10の見栄えとを確保可能でもある。
【0033】
加えて第一実施形態では、表示方向後側を向く背面291上に着色層25が形成されてなる露出導光部29の内部を導光されることにより、上述の如く各側面290に到達した光は、当該着色層25よりも高反射率の各高反射層26により反射されることになる。その結果、各高反射層26による反射光量が増大するのみならず、それら各高反射層26による反射光が着色層25によりさらに反射されて明色発光を実現することになるので、これによっても露出導光部29の視認性を高めることが可能である。
【0034】
(第二実施形態)
図6に示すように、本発明の第二実施形態は第一実施形態の変形例である。第二実施形態による指針2020において各高反射層26よりも低反射率の各低反射層2027は、それぞれ積層対象の高反射層26の全体上に積層形成されている。これにより各低反射層2027は、積層対象高反射層26のうち前面292の縁部292a上に張り出した部分26cの全体を含む前側端部26aを、表示方向前側から覆っている。それと共に各低反射層2027は、積層対象高反射層26のうち着色層25を介して背面291の縁部291a上まで張り出した部分26dの全体を含む後側端部26bを、表示方向後側から覆っている。
【0035】
このように第二実施形態では、表示方向において各低反射層2027により前側から覆われている各高反射層26の前側端部26aは、外部のうち当該前側への露出を制限されることになる。これによれば、昼間時等の強い外光を各高反射層26の前側端部26aが表示方向前側へと反射することで、その強い反射光が車両乗員の眼に入射する事態を抑制できるので、それら各高反射層26の外部露出に起因した露出導光部29の視認性低下を回避可能となる。
【0036】
ここで特に、ホットスタンプにより印刷層として又は金属蒸着により蒸着層として積層形成される各高反射層26の場合、当該積層形成時において前面292の縁部292a上は、それら各高反射層26の前側端部26aが張り出し易くなる。しかし、こうした各高反射層26の張り出し部分26cは、前側端部26aの一部として各低反射層2027により完全に覆われて、外部への露出を制限されることになる。したがって、各高反射層26の外部露出に起因した露出導光部29の視認性低下につき、確実に回避可能となるのである。
【0037】
さらに第二実施形態では、表示方向において各低反射層2027により後側から覆われている各高反射層26の後側端部26bは、外部のうち当該後側への露出を制限されることになる。故に、表示面100により表示方向前側へ反射された外光等の光が各高反射層26の後側端部26bにより表示方向後側へと再反射されることで、その再反射された淡い光が表示面100を部分照明する事態を抑制できる。したがって、各高反射層26の外部露出に起因して指標14,16の視認性と表示板10の見栄えとが低下する不具合につき、回避可能となるのである。
【0038】
(他の実施形態)
以上、本発明の複数の実施形態について説明したが、本発明は、それらの実施形態に限定して解釈されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態及び組み合わせに適用することができる。
【0039】
具体的に着色層25については、蛍光色に着色されていてもよいし、設けられていなくてもよい。また、着色層25については、側面290の縁部290a上への張り出し部分25bが形成されていなくてもよい。
【0040】
高反射層26については、側面290のミラー処理により形成されていてもよい。また、高反射層26については、図7に変形例(同図は第二実施形態の変形例)を示すように、前面292の縁部292a上への張り出し部分26cと背面291の縁部291a上への張り出し部分26dとのうち少なくとも一方が、形成されていなくてもよい(同図は、張り出し部分26c,26dの双方が形成されていない変形例)。さらに、かかる変形例の場合に第二実施形態では、図7に示すように張り出し部分26c,26dのない高反射層26の両端部26a,26bのうち少なくとも一方が、低反射層2027により表示方向の前側又は後側から覆われていてもよいし(同図は、端部26a,26bの双方が覆われている変形例)、端部26a,26bの双方が低反射層2027により覆われていなくてもよい。
【0041】
指針20,2020については、例えばエンジン回転数や燃料残量等、車速以外の車両状態値に応じた指標を指示するものであってもよい。また、駆動源30については、例えばコイル式アクチュエータ等、ステッピングモータ以外であってもよい。
【符号の説明】
【0042】
1 車両用指針計器、10 表示板、12 加飾リング、14 目盛・指標、16 数字・指標、18 通孔、20,2020 指針、21 基端部、22 先端部、24 導光本体、25 着色層、25a 側端部、25b,26c,26d 張り出し部分、26 高反射層、26a 前側端部、26b 後側端部、27,2027 低反射層、28 キャップ、29 露出導光部、30 駆動源、31 回転軸、40 第一光源、42 第二光源、50 制御回路、100 表示面、210 反射面、290 側面、290a 縁部、291 背面、291a,292a 縁部、292 前面、O 回転中心

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両状態値に応じた指標を表示する表示板と、
前記表示板よりも表示方向の前側において回転位置により前記指標を指示する指針であって、回転中心を形成する基端部から先端部へ向かって延伸し、回転方向の両側面が表示方向に対して傾斜して表示方向の後側へ向かうほど互いに接近する断面台形状の指針と、
前記指針の前記基端部へ入射させる光を発する光源と、
を備え、前記指針内部において前記基端部への入射光が前記先端部へ向かって導光されることにより前記指針が発光する車両用指針計器において、
前記指針は、
各前記側面上にそれぞれ形成され、前記基端部から前記先端部へ導光される光を反射する一対の高反射層と、
各前記高反射層上にそれぞれ形成され、各前記側面へ向かう外光を、それら高反射層よりも低い反射率にて反射する一対の低反射層と、
を有することを特徴とする車両用指針計器。
【請求項2】
前記指針は、表示方向の後側を向く背面上に形成され、内部を導光される光を反射することにより所定色にて発光する着色層を、有し、
各前記高反射層は、前記着色層よりも高い反射率にて光を反射することを特徴とする請求項1に記載の車両用指針計器。
【請求項3】
各前記高反射層において表示方向の前側端部は、それら高反射層上の各前記低反射層により表示方向の前側から覆われることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用指針計器。
【請求項4】
それぞれ各前記側面上に積層形成される各前記高反射層において表示方向の前側端部は、前記指針において表示方向の前側を向く前面の縁部上に張り出し、それら高反射層上の各前記低反射層により当該張り出し部分の全体を覆われることを特徴とする請求項3に記載の車両用指針計器。
【請求項5】
各前記高反射層において表示方向の後側端部は、それら高反射層上の各前記低反射層により表示方向の後側から覆われることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の車両用指針計器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−83608(P2013−83608A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−225167(P2011−225167)
【出願日】平成23年10月12日(2011.10.12)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【出願人】(000002967)ダイハツ工業株式会社 (2,560)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】