車両用照明装置
【課題】乗員が車両に乗り降りする際、足元を効率よく、且つ適切に照明することができる車両用照明装置を提供する。
【解決手段】車両側部でドアの開口部の周辺下部を照らす車両用照明装置において、ドア開口部の下方にサイドシルガーニッシュ5を設け、このサイドシルガーニッシュ5の下面5Aに、灯体12及びこの灯体12を保持する灯体ガーニッシュ13を配置する。灯体ガーニッシュ13によって灯体12を保持することにより、乗員が車両に乗り降りする際、灯体12により足元を効率よく、且つ適切に照明することができる。また、灯体ガーニッシュ13は凹部15とこの凹部15の開口部16に設けた縁体17とを備え、凹部15内に灯体12を配置したから、縁部の外側から灯体12が直接視認されることがなく、後続車が後退灯と錯覚することを防止できる。
【解決手段】車両側部でドアの開口部の周辺下部を照らす車両用照明装置において、ドア開口部の下方にサイドシルガーニッシュ5を設け、このサイドシルガーニッシュ5の下面5Aに、灯体12及びこの灯体12を保持する灯体ガーニッシュ13を配置する。灯体ガーニッシュ13によって灯体12を保持することにより、乗員が車両に乗り降りする際、灯体12により足元を効率よく、且つ適切に照明することができる。また、灯体ガーニッシュ13は凹部15とこの凹部15の開口部16に設けた縁体17とを備え、凹部15内に灯体12を配置したから、縁部の外側から灯体12が直接視認されることがなく、後続車が後退灯と錯覚することを防止できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両側部でドア開口部の周辺下部を照らす車両用照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車両側部に設ける車両用照明装置として、サイドパネルの下端部にランプユニットを下向きに配置せしめて、自動車のサイド側下部を照明し得るように構成した自動車用灯具(例えば特許文献1)や、弾性体で係止フランジと係止爪とを有する本体とLEDからなり、前記本体をその底面側から既存孔に圧入し、表面側の係止フランジと係止爪とで全体を係止する自動車用足元照明装置(例えば特許文献2)などがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平3−15753号公報
【特許文献2】特開昭64−65297号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記自動車用灯体は、ランプユニットのレンズが突出して設けられているから、発する光が広範囲に広がり、足元を効率よく照らすことができず、さらに、サイドパネルの内側からブラケットを取り付けているため、サイドパネルの取付孔が露出し、外観意匠性を損ねるという問題があり、また、上記自動車用足元照明装置も、足元照明ランプの本体が露出するという問題があった。
【0005】
また、両者の従来技術とも、照明時に光が周囲に漏れて対向車や後続車に視認され、後続車の場合、後退灯と錯覚を起こすことが懸念される。
【0006】
そこで、本発明は上記した問題点に鑑み、乗員が車両に乗り降りする際、足元を効率よく、且つ適切に照明することができる車両用照明装置を提供することを目的とし、加えて後続車が後退灯と錯覚することを防止できる照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、車両側部でドア開口部の周辺下部を照らす車両用照明装置において、前記ドア開口部の下方にアウトサイド部品を設け、このアウトサイド部品の下面に、灯体及びこの灯体を保持する灯体ガーニッシュを配置したことを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に係る発明は、前記灯体ガーニッシュは凹部とこの凹部の開口部に設けた縁部とを備え、前記凹部内に前記灯体を配置すると共に前記灯体の発光面を前記縁部間に対して内方に配置してなることを特徴とする。
【0009】
また、請求項3に係る発明は、前記アウトサイド部品の下面に保持した状態で、車両外側の前記縁部の位置が車両内側の縁部の位置より高いことを特徴とする。
【0010】
また、請求項4に係る発明は、前記灯体の発光部を車両外向きに傾斜配置してなることを特徴とする。
【0011】
また、請求項5に係る発明は、前記灯体の発光部は前記灯体ガーニッシュに対して傾斜角度を調整可能としたことを特徴とする。
【0012】
また、請求項6に係る発明は、前記発光部は前記縁部間との間隔を調整可能としたことを特徴とする。
【0013】
また、請求項7に係る発明は、前記縁部に遮蔽部を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の請求項1に記載の車両用照明装置によれば、アウトサイド部品の下面に、灯体ガーニッシュを配置し、この灯体ガーニッシュによって灯体を保持することにより、乗員が車両に乗り降りする際、灯体により足元を効率よく、且つ適切に照明することができる。
【0015】
また、請求項2記載の車両用照明装置によれば、灯体を挟む縁部により灯体が隠れるから、縁部の外側から灯体が直接視認されることがなく、後続車が後退灯と錯覚することを防止できる。
【0016】
また、請求項3記載の車両用照明装置によれば、車両外側への照明範囲を拡大することができる。
【0017】
また、請求項4記載の車両用照明装置によれば、車両外側を広く照明することができる。
【0018】
また、請求項5記載の車両用照明装置によれば、車高などの仕様の異なる車両に対して、発光部の傾斜角度を調整することにより汎用性を確保することができる。
【0019】
また、請求項6記載の車両用照明装置によれば、車高などの仕様の異なる車両に対して、縁部間と発光部との間隔を調整することにより汎用性を確保することができる。
【0020】
また、請求項7記載の車両用照明装置によれば、遮蔽部により灯体の汚れや損傷などを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本実施例の実施例1を示す取付状態の断面図である。
【図2】同上、正面図である。
【図3】同上、断面図である。
【図4】同上、取付状態の斜視図である。
【図5】同上、分解斜視図である。
【図6】同上、斜視図である。
【図7】同上、取付方法を説明する分解斜視図である。
【図8】本実施例の実施例2を示す取付状態の要部の断面図である。
【図9】本実施例の実施例3を示す取付状態の断面図である。
【図10】同上、分解斜視図である。
【図11】本実施例の実施例4を示す取付状態の斜視図である。
【図12】本実施例の実施例5を示す取付状態の斜視図である。
【図13】同上、車両の平面説明図である。
【図14】本実施例の実施例6を示す断面図である。
【図15】本実施例の実施例7を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施例について説明する。
【実施例1】
【0023】
以下、図面を参照して、本発明の実施例1について説明する。図1〜図7に示すように、車両1は、側部のドア2の開口部3を備え、この開口部3の下方の車体部分4に、アウトサイド部品たるサイドシルガーニッシュ5が設けられている。尚、前記開口部3は乗車口である。
【0024】
前記サイドシルガーニッシュ5の下面5Aには車両用照明装置11が設けられ、この車両用照明装置11は、灯体12とこの灯体12を保持する合成樹脂製の灯体ガーニッシュ13とからなる。尚、本発明の車両用照明装置11はパドルライトである。
【0025】
図1などに示すように、前記灯体ガーニッシュ13は、下部が開口した箱状をなす本体14と、この本体14の内面により形成され垂直軸に対して下部が車両1の外側に向くように略30度斜設された凹部15と、この凹部15の開口部16に周設され前記本体14に一体に設けた縁体17とを備える。前記凹部15は車両1の前後方向に長く形成されると共に、車両1の幅方向の長さは短く形成され、前記開口部16は略長方形形状をなす。前記本体14は、それぞれ板状をなす前,後側壁部14A,14Aと、底壁部14Bと、車両外側壁部14Sと、車両内側壁部14Uとを有し、これら側壁部14A,14A,14S,14Uにより前記凹部15を形成している。尚、図中、Sは水平を表す線である。
【0026】
また、前記灯体ガーニッシュ13の前記縁体17は、車両前,後の前側,後側縁部17A,17Aと車両外側,内側の外側縁部17S,17Uとからなり、図2及び図4などに示すように、縁体17の前面(取付状態の下面)には、前,後縁部17A,17Aの車両外側に段部18,18をそれぞれ形成し、前記縁体17の周囲には後側に突設した当接部19が形成されている。
【0027】
前記灯体ガーニッシュ13は、前記サイドシルガーニッシュ5の下面5Aに形成した取付孔20に取り付けられる。具体的には、図1及び図4などに示す取付状態で、図7に示すように前記取付孔20に下から本体14を挿入すると共に、前記当接部19を前記下面5Aに当接して取付けられ、この取付状態で外側縁部17Sの高さ位置が内側縁部17Uの高さ位置より高く形成され、この高さの差は前記段部18によるものである。尚、図6に示すように、サイドシルガーニッシュ5の取付状態で、サイドシルガーニッシュ5の内面と車体部分4との間には、前記本体14を収納する収納空間6が設けられている。
【0028】
前記灯体12は、合成樹脂製のケース21と、このケース21の上部に取り付ける合成樹脂製の透光性カバー22と、前記ケース21内に取り付ける発光部たるLED23とを備え、図5などに示すように、複数のLED23,23・・・が車両前後方向に並んで基板24に取り付けられている。尚、透光性カバー22の前部には、発光面たるレンズ面22Aが形成されている。また、前記LED23は基板24に電気的に接続されている。さらに、前記ケース21の開口縁部25に嵌合受部26を設け、この嵌合受部26に嵌合する嵌合縁部27が前記透光性カバー22に設けられ、前記開口縁部25は外側に膨出している。そして、前記嵌合受部26に嵌合縁部27が嵌合し、また、必要に応じて接着等により固定される。尚、前記LED23の向きは、前記凹部15の向きと略同一であり、レンズ面22AはLED23の向きと略直交する。
【0029】
また、図1などに示すように、前記ケース21の底部には、車両前後方向に間隔をおいて複数(2箇所)の取付座28,28を突設し、これら取付座28,28にビス29を螺合する螺合孔28A,28Aを設け、これら螺合孔28A,28Aに対応して、前記本体14の底壁部14Bに透孔30,30を穿設し、この透孔30に挿通したビス29を螺合孔28Aに螺合することにより、前記本体14に前記灯体12を固定している。尚、前記螺合孔28Aは、ビス29を螺合することにより螺子部が形成されるが、予め螺子部を形成しておいてもよい。また、図1及び図5に示すように、前記車両外側壁部14S及び車両内側壁部14Uの内面に、前後方向に間隔を置いて上下方向のリブ部31,31を複数形成し、前記前側壁部14A及び後側壁部14Aの内面に上下方向のリブ部31,31を形成し、それらリブ部31,31…間に前記開口縁部25が圧入されることにより、灯体ガーニッシュ13に灯体12が位置決めされる。
【0030】
図1及び図2から分かるように、前記段部18の少なくとも一部は前記灯体12の透光性カバー22のレンズ面22Aより車両外側に位置し、前記前後縁部17A,17A間に対して前記レンズ面22Aが凹部15の内側に位置し、即ち、取付状態で、前記前後縁部17A,17Aの下面より、前記前記レンズ面22Aが上方に位置し、灯体12は凹部15に収納されている。
【0031】
したがって、少なくとも車両1の前後からレンズ面22Aが直接視認されることがなく、後続車が灯体12を後退灯と錯覚することを防止できる。
【0032】
図5などに示すように、前記前側縁部17Aと後側縁部17Aには、それぞれ透孔32,32が穿設され、この透孔32の外面側には、ビス33の頭部33Aを収納する凹部32Aが形成されている。また、図7に示すように、前記サイドシルガーニッシュ5の前記取付孔20の縁部20Fには、車両前後にビス挿通孔34,34が穿設され、このビス挿通孔34箇所の前記縁部20Fを、金属製板材を略コ字型に屈曲したワッシャ35により挟み、このワッシャ35は、外側板部に透孔36が穿設されると共に、内側板部に孔37が穿設され、この孔37に前記ビス33が螺合される。尚、孔37をビス33より小さく形成しておけば、ビス33が孔37に螺入する際に食い込み、良好に固定することができる。
【0033】
したがって、前記ワッシャ35により前記取付孔20の縁部20Fを挟むと共に、縁部20Fの透孔32とワッシャ35の透孔36とを位置合わせし、前記ビス33を透孔32,透孔36,ビス挿通孔34に遊挿し、そのビス33を孔37に螺合して縁部20Fをワッシャ35により挟み付けることにより、灯体ガーニッシュ13を取付孔20に固定することができる。この状態で、取付孔20が縁体17により隠され、外部から視認されることがない。
【0034】
尚、図7中、38はサイドシルガーニッシュ5を車体部分4に固定するための固定部材であり、車両前後方向に間隔を置いて設けた前記固定部材38,38の間に前記照明装置11が配置されている。
【0035】
また、図6に示すように、前記基板24にはケーブル41が電気的に接続され、車載電源などによりケーブル41を介して前記LED23の点灯制御がなされる。尚、前記本体14の底壁部14B側には、前記ケーブル41を挿通する挿通孔42が開口している。
【0036】
このように本実施例では、請求項1に対応して、車両側部でドア2の開口部3の周辺下部を照らす車両用照明装置において、ドア開口部3の下方にアウトサイド部品たるサイドシルガーニッシュ5を設け、このサイドシルガーニッシュ5の下面5Aに、灯体12及びこの灯体12を保持する灯体ガーニッシュ13を配置したから、灯体ガーニッシュ13によって灯体12を保持することにより、乗員が車両1に乗り降りする際、灯体12により足元を効率よく、且つ適切に照明することができる。
【0037】
また、このように本実施例では、請求項2に対応して、灯体ガーニッシュ13は凹部15とこの凹部15の開口部16に設けた縁部17A,17A,17S,17Uとを備え、凹部15内に灯体12を配置すると共に灯体12の発光面たるレンズ22Aを縁部17A,17A間に対して内方に配置してなるから、灯体12を挟む縁部17A,17Aにより灯体12が隠れ、縁部17A,17Aの外側から灯体12が直接視認されることがなく、後続車が後退灯と錯覚することを防止できる。
【0038】
また、このように本実施例では、請求項3に対応して、アウトサイド部品たるサイドシルガーニッシュ5の下面5Aに保持した状態で、車両外側の縁部17Sの位置が車両内側の縁部17Uの位置より高いから、車両外側への照明範囲を拡大することができる。
【0039】
また、このように本実施例では、請求項4に対応して、灯体12の発光部たるLED23を車両1外向きに傾斜配置してなるから、車両外側を広く照明することができる。前記灯体の発光部を車両外向きに傾斜配置してなる。
【0040】
また、実施例上の効果として、縁体17に複数の透孔32,32を穿設し、サイドシルガーニッシュ5の取付箇所たる取付孔20には、ビス挿通孔34,34を穿設し、このビス挿通孔34箇所の縁部20Fを、金属製板材を略コ字型に屈曲したワッシャ35により挟み、ワッシャ35及び縁部20Fにビス33を用いて灯体ガーニッシュ13を簡便に取り付けることができる。さらに、サイドシルガーニッシュ5の下面5Aが略水平で且つ平坦であり、凹部15を有する灯体ガーニッシュ13を用いることにより、下面5Aに凹凸を設けるなどの必要がない。
【実施例2】
【0041】
図8は、本発明の実施例2を示し、上記実施例1と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例では、前記灯体ガーニッシュ13の底壁部14Bの内面を円弧状に形成し、これに対応して前記灯体12の取付座28の先端面を車両内外方法で円弧状に形成し、前記底壁部14Bの透孔30Aを長孔状に形成し、前記取付座28の螺合孔28Aにビス29を螺合した状態で、ビス29を透孔30A内で移動することにより、灯体12の垂直軸に対する角度を調整できるように構成している。
【0042】
また、灯体ガーニッシュ13の凹部15も、収納する灯体12が傾動可能なように外側縁部17Sと内側縁部17Uとの間隔を前記本体14よりも大きく形成している。
【0043】
さらに、前記ケース21には、前記透孔30Aから離れた位置で前記底壁部14Bに位置決めネジ51を螺合し、この位置決めネジ51の先端を前記ケース21に当接し、位置決めネジ51を回して前記ケース21に対する位置決めネジ51の当接先端位置を調整することにより、位置決めネジ51が基準となって灯体12の傾斜角度を調整できる。
【0044】
このように本実施例でも上記実施例1と同様な作用・効果を奏し、また、請求項5に対応して、前記灯体12の発光部たるLED23は灯体ガーニッシュ13に対して傾斜角度を調整可能としたから、車高などの仕様の異なる車両に対して、LED23の傾斜角度を調整することにより汎用性を確保することができる。
【実施例3】
【0045】
図9及び図10は、本発明の実施例3を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例では、前記取付座28と底壁部14Bとの間に、高さ調整用のスペーサ52を設けることにより、凹部15の深さ方向における灯体12の位置を調整し、これにより灯体12内のLED23の前記縁体17との間隔を調整可能としている。
【0046】
このように本実施例でも上記各実施例と同様な作用・効果を奏し、また、請求項6に対応して、発光部たるLED23は縁部17A,17A間との間隔を調整可能としたから、車高などの仕様の異なる車両に対して、縁部17A,17A間とLED23との間隔を調整することにより汎用性を確保することができる。
【実施例4】
【0047】
図11は、本発明の実施例4を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例では、前記灯体ガーニッシュ13の前側縁部17Aと後側縁部17Aに板状の遮蔽部53,53をそれぞれ一体に設け、この遮蔽部53は凹部15の左右幅よりも左右方向の寸法を大きく形成している。
【0048】
このように前輪からの泥の跳ね上げで灯体12が汚れることを防ぐため、灯体ガーニッシュ13に泥除けのために壁形状の遮蔽部53を設けており、前輪の泥除けなどのためには、取付状態における前側縁部17Aのみに遮蔽部53を設ければよいが、前後に遮蔽部53,53を設ければ、車両1の左右で共通の照明装置11を用いることができる。
【0049】
このように本実施例でも上記各実施例と同様な作用・効果を奏し、また、請求項7に対応して、縁体17に遮蔽部53を設けたから、灯体12の汚れや損傷などを防止できる。
【実施例5】
【0050】
図12及び図13は、本発明の実施例5を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例では、前記灯体ガーニッシュ13の開口部16に、部分的に遮光部54を設けている。この遮光部54は、開口部16の車両前側と外側の角部に設けられ、全開状態のドア2の開閉範囲に対応した足元範囲Hを照明するように構成している。
【0051】
このように灯体ガーニッシュ13を車両1のドア2の開閉状態に合わせた形状に設定し、ドア内面などへの光の照射を遮断してドア2の開く範囲を分かり易く照明することができる。
【実施例6】
【0052】
図14は、本発明の実施例6を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例では、前記灯体ガーニッシュ13の開口部16にレンズ55を設けている。また、光を拡散するレンズ55により開口部16を塞ぐことにより、透光性カバー22を用いる必要がない。尚、レンズ55の下面を車両外側縁部17Sの下面に合わせている。
【0053】
このように灯体ガーニッシ13の縁体17の表面(取付状態で下面)と略同一もしくは表面に近い位置にレンズ55を配置することにより、開口部16が狭くても、広い配光が得られ、車両用照明装置11を小型化でき、汎用性が上がる。
【実施例7】
【0054】
図15は、本発明の実施例7を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例では、前記灯体ガーニッシュ13の本体14の内面に光反射面56を設けている。この場合、合成樹脂製の灯体ガーニッシュ13の本体14の内面に鏡面処理を施して光反射面56を構成したり、ステンレスなどから灯体ガーニッシュ13を形成し、鏡面仕上げして光反射面56を構成したりできる。
【0055】
このように灯体ガーニッシュ13の内面に鏡面処理を施し、もしくはステンレスなどの反射を見込める金属で灯体ガーニッシュ13を形成することにより、開口部16が狭くても広い配光が得られる。
【0056】
本発明は、本実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、発光部はLED以外でも各種のものを用いることができる。また、アウトサイド部品も実施例に限定されず、サイドアンダースポイラーなどでも良いことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0057】
1 車両
2 ドア
3 開口部
5 サイドシルガーニッシュ(アウトサイド部品)
5A 下面
11 車両用照明装置
12 灯体
13 灯体ガーニッシュ
15 凹部
16 開口部
17A 前側縁部
17A 後側縁部
17S 外側縁部
17U 内側縁部
22A レンズ面(発光面)
23 LED(発光部)
53 遮蔽部
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両側部でドア開口部の周辺下部を照らす車両用照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車両側部に設ける車両用照明装置として、サイドパネルの下端部にランプユニットを下向きに配置せしめて、自動車のサイド側下部を照明し得るように構成した自動車用灯具(例えば特許文献1)や、弾性体で係止フランジと係止爪とを有する本体とLEDからなり、前記本体をその底面側から既存孔に圧入し、表面側の係止フランジと係止爪とで全体を係止する自動車用足元照明装置(例えば特許文献2)などがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平3−15753号公報
【特許文献2】特開昭64−65297号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記自動車用灯体は、ランプユニットのレンズが突出して設けられているから、発する光が広範囲に広がり、足元を効率よく照らすことができず、さらに、サイドパネルの内側からブラケットを取り付けているため、サイドパネルの取付孔が露出し、外観意匠性を損ねるという問題があり、また、上記自動車用足元照明装置も、足元照明ランプの本体が露出するという問題があった。
【0005】
また、両者の従来技術とも、照明時に光が周囲に漏れて対向車や後続車に視認され、後続車の場合、後退灯と錯覚を起こすことが懸念される。
【0006】
そこで、本発明は上記した問題点に鑑み、乗員が車両に乗り降りする際、足元を効率よく、且つ適切に照明することができる車両用照明装置を提供することを目的とし、加えて後続車が後退灯と錯覚することを防止できる照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、車両側部でドア開口部の周辺下部を照らす車両用照明装置において、前記ドア開口部の下方にアウトサイド部品を設け、このアウトサイド部品の下面に、灯体及びこの灯体を保持する灯体ガーニッシュを配置したことを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に係る発明は、前記灯体ガーニッシュは凹部とこの凹部の開口部に設けた縁部とを備え、前記凹部内に前記灯体を配置すると共に前記灯体の発光面を前記縁部間に対して内方に配置してなることを特徴とする。
【0009】
また、請求項3に係る発明は、前記アウトサイド部品の下面に保持した状態で、車両外側の前記縁部の位置が車両内側の縁部の位置より高いことを特徴とする。
【0010】
また、請求項4に係る発明は、前記灯体の発光部を車両外向きに傾斜配置してなることを特徴とする。
【0011】
また、請求項5に係る発明は、前記灯体の発光部は前記灯体ガーニッシュに対して傾斜角度を調整可能としたことを特徴とする。
【0012】
また、請求項6に係る発明は、前記発光部は前記縁部間との間隔を調整可能としたことを特徴とする。
【0013】
また、請求項7に係る発明は、前記縁部に遮蔽部を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の請求項1に記載の車両用照明装置によれば、アウトサイド部品の下面に、灯体ガーニッシュを配置し、この灯体ガーニッシュによって灯体を保持することにより、乗員が車両に乗り降りする際、灯体により足元を効率よく、且つ適切に照明することができる。
【0015】
また、請求項2記載の車両用照明装置によれば、灯体を挟む縁部により灯体が隠れるから、縁部の外側から灯体が直接視認されることがなく、後続車が後退灯と錯覚することを防止できる。
【0016】
また、請求項3記載の車両用照明装置によれば、車両外側への照明範囲を拡大することができる。
【0017】
また、請求項4記載の車両用照明装置によれば、車両外側を広く照明することができる。
【0018】
また、請求項5記載の車両用照明装置によれば、車高などの仕様の異なる車両に対して、発光部の傾斜角度を調整することにより汎用性を確保することができる。
【0019】
また、請求項6記載の車両用照明装置によれば、車高などの仕様の異なる車両に対して、縁部間と発光部との間隔を調整することにより汎用性を確保することができる。
【0020】
また、請求項7記載の車両用照明装置によれば、遮蔽部により灯体の汚れや損傷などを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本実施例の実施例1を示す取付状態の断面図である。
【図2】同上、正面図である。
【図3】同上、断面図である。
【図4】同上、取付状態の斜視図である。
【図5】同上、分解斜視図である。
【図6】同上、斜視図である。
【図7】同上、取付方法を説明する分解斜視図である。
【図8】本実施例の実施例2を示す取付状態の要部の断面図である。
【図9】本実施例の実施例3を示す取付状態の断面図である。
【図10】同上、分解斜視図である。
【図11】本実施例の実施例4を示す取付状態の斜視図である。
【図12】本実施例の実施例5を示す取付状態の斜視図である。
【図13】同上、車両の平面説明図である。
【図14】本実施例の実施例6を示す断面図である。
【図15】本実施例の実施例7を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施例について説明する。
【実施例1】
【0023】
以下、図面を参照して、本発明の実施例1について説明する。図1〜図7に示すように、車両1は、側部のドア2の開口部3を備え、この開口部3の下方の車体部分4に、アウトサイド部品たるサイドシルガーニッシュ5が設けられている。尚、前記開口部3は乗車口である。
【0024】
前記サイドシルガーニッシュ5の下面5Aには車両用照明装置11が設けられ、この車両用照明装置11は、灯体12とこの灯体12を保持する合成樹脂製の灯体ガーニッシュ13とからなる。尚、本発明の車両用照明装置11はパドルライトである。
【0025】
図1などに示すように、前記灯体ガーニッシュ13は、下部が開口した箱状をなす本体14と、この本体14の内面により形成され垂直軸に対して下部が車両1の外側に向くように略30度斜設された凹部15と、この凹部15の開口部16に周設され前記本体14に一体に設けた縁体17とを備える。前記凹部15は車両1の前後方向に長く形成されると共に、車両1の幅方向の長さは短く形成され、前記開口部16は略長方形形状をなす。前記本体14は、それぞれ板状をなす前,後側壁部14A,14Aと、底壁部14Bと、車両外側壁部14Sと、車両内側壁部14Uとを有し、これら側壁部14A,14A,14S,14Uにより前記凹部15を形成している。尚、図中、Sは水平を表す線である。
【0026】
また、前記灯体ガーニッシュ13の前記縁体17は、車両前,後の前側,後側縁部17A,17Aと車両外側,内側の外側縁部17S,17Uとからなり、図2及び図4などに示すように、縁体17の前面(取付状態の下面)には、前,後縁部17A,17Aの車両外側に段部18,18をそれぞれ形成し、前記縁体17の周囲には後側に突設した当接部19が形成されている。
【0027】
前記灯体ガーニッシュ13は、前記サイドシルガーニッシュ5の下面5Aに形成した取付孔20に取り付けられる。具体的には、図1及び図4などに示す取付状態で、図7に示すように前記取付孔20に下から本体14を挿入すると共に、前記当接部19を前記下面5Aに当接して取付けられ、この取付状態で外側縁部17Sの高さ位置が内側縁部17Uの高さ位置より高く形成され、この高さの差は前記段部18によるものである。尚、図6に示すように、サイドシルガーニッシュ5の取付状態で、サイドシルガーニッシュ5の内面と車体部分4との間には、前記本体14を収納する収納空間6が設けられている。
【0028】
前記灯体12は、合成樹脂製のケース21と、このケース21の上部に取り付ける合成樹脂製の透光性カバー22と、前記ケース21内に取り付ける発光部たるLED23とを備え、図5などに示すように、複数のLED23,23・・・が車両前後方向に並んで基板24に取り付けられている。尚、透光性カバー22の前部には、発光面たるレンズ面22Aが形成されている。また、前記LED23は基板24に電気的に接続されている。さらに、前記ケース21の開口縁部25に嵌合受部26を設け、この嵌合受部26に嵌合する嵌合縁部27が前記透光性カバー22に設けられ、前記開口縁部25は外側に膨出している。そして、前記嵌合受部26に嵌合縁部27が嵌合し、また、必要に応じて接着等により固定される。尚、前記LED23の向きは、前記凹部15の向きと略同一であり、レンズ面22AはLED23の向きと略直交する。
【0029】
また、図1などに示すように、前記ケース21の底部には、車両前後方向に間隔をおいて複数(2箇所)の取付座28,28を突設し、これら取付座28,28にビス29を螺合する螺合孔28A,28Aを設け、これら螺合孔28A,28Aに対応して、前記本体14の底壁部14Bに透孔30,30を穿設し、この透孔30に挿通したビス29を螺合孔28Aに螺合することにより、前記本体14に前記灯体12を固定している。尚、前記螺合孔28Aは、ビス29を螺合することにより螺子部が形成されるが、予め螺子部を形成しておいてもよい。また、図1及び図5に示すように、前記車両外側壁部14S及び車両内側壁部14Uの内面に、前後方向に間隔を置いて上下方向のリブ部31,31を複数形成し、前記前側壁部14A及び後側壁部14Aの内面に上下方向のリブ部31,31を形成し、それらリブ部31,31…間に前記開口縁部25が圧入されることにより、灯体ガーニッシュ13に灯体12が位置決めされる。
【0030】
図1及び図2から分かるように、前記段部18の少なくとも一部は前記灯体12の透光性カバー22のレンズ面22Aより車両外側に位置し、前記前後縁部17A,17A間に対して前記レンズ面22Aが凹部15の内側に位置し、即ち、取付状態で、前記前後縁部17A,17Aの下面より、前記前記レンズ面22Aが上方に位置し、灯体12は凹部15に収納されている。
【0031】
したがって、少なくとも車両1の前後からレンズ面22Aが直接視認されることがなく、後続車が灯体12を後退灯と錯覚することを防止できる。
【0032】
図5などに示すように、前記前側縁部17Aと後側縁部17Aには、それぞれ透孔32,32が穿設され、この透孔32の外面側には、ビス33の頭部33Aを収納する凹部32Aが形成されている。また、図7に示すように、前記サイドシルガーニッシュ5の前記取付孔20の縁部20Fには、車両前後にビス挿通孔34,34が穿設され、このビス挿通孔34箇所の前記縁部20Fを、金属製板材を略コ字型に屈曲したワッシャ35により挟み、このワッシャ35は、外側板部に透孔36が穿設されると共に、内側板部に孔37が穿設され、この孔37に前記ビス33が螺合される。尚、孔37をビス33より小さく形成しておけば、ビス33が孔37に螺入する際に食い込み、良好に固定することができる。
【0033】
したがって、前記ワッシャ35により前記取付孔20の縁部20Fを挟むと共に、縁部20Fの透孔32とワッシャ35の透孔36とを位置合わせし、前記ビス33を透孔32,透孔36,ビス挿通孔34に遊挿し、そのビス33を孔37に螺合して縁部20Fをワッシャ35により挟み付けることにより、灯体ガーニッシュ13を取付孔20に固定することができる。この状態で、取付孔20が縁体17により隠され、外部から視認されることがない。
【0034】
尚、図7中、38はサイドシルガーニッシュ5を車体部分4に固定するための固定部材であり、車両前後方向に間隔を置いて設けた前記固定部材38,38の間に前記照明装置11が配置されている。
【0035】
また、図6に示すように、前記基板24にはケーブル41が電気的に接続され、車載電源などによりケーブル41を介して前記LED23の点灯制御がなされる。尚、前記本体14の底壁部14B側には、前記ケーブル41を挿通する挿通孔42が開口している。
【0036】
このように本実施例では、請求項1に対応して、車両側部でドア2の開口部3の周辺下部を照らす車両用照明装置において、ドア開口部3の下方にアウトサイド部品たるサイドシルガーニッシュ5を設け、このサイドシルガーニッシュ5の下面5Aに、灯体12及びこの灯体12を保持する灯体ガーニッシュ13を配置したから、灯体ガーニッシュ13によって灯体12を保持することにより、乗員が車両1に乗り降りする際、灯体12により足元を効率よく、且つ適切に照明することができる。
【0037】
また、このように本実施例では、請求項2に対応して、灯体ガーニッシュ13は凹部15とこの凹部15の開口部16に設けた縁部17A,17A,17S,17Uとを備え、凹部15内に灯体12を配置すると共に灯体12の発光面たるレンズ22Aを縁部17A,17A間に対して内方に配置してなるから、灯体12を挟む縁部17A,17Aにより灯体12が隠れ、縁部17A,17Aの外側から灯体12が直接視認されることがなく、後続車が後退灯と錯覚することを防止できる。
【0038】
また、このように本実施例では、請求項3に対応して、アウトサイド部品たるサイドシルガーニッシュ5の下面5Aに保持した状態で、車両外側の縁部17Sの位置が車両内側の縁部17Uの位置より高いから、車両外側への照明範囲を拡大することができる。
【0039】
また、このように本実施例では、請求項4に対応して、灯体12の発光部たるLED23を車両1外向きに傾斜配置してなるから、車両外側を広く照明することができる。前記灯体の発光部を車両外向きに傾斜配置してなる。
【0040】
また、実施例上の効果として、縁体17に複数の透孔32,32を穿設し、サイドシルガーニッシュ5の取付箇所たる取付孔20には、ビス挿通孔34,34を穿設し、このビス挿通孔34箇所の縁部20Fを、金属製板材を略コ字型に屈曲したワッシャ35により挟み、ワッシャ35及び縁部20Fにビス33を用いて灯体ガーニッシュ13を簡便に取り付けることができる。さらに、サイドシルガーニッシュ5の下面5Aが略水平で且つ平坦であり、凹部15を有する灯体ガーニッシュ13を用いることにより、下面5Aに凹凸を設けるなどの必要がない。
【実施例2】
【0041】
図8は、本発明の実施例2を示し、上記実施例1と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例では、前記灯体ガーニッシュ13の底壁部14Bの内面を円弧状に形成し、これに対応して前記灯体12の取付座28の先端面を車両内外方法で円弧状に形成し、前記底壁部14Bの透孔30Aを長孔状に形成し、前記取付座28の螺合孔28Aにビス29を螺合した状態で、ビス29を透孔30A内で移動することにより、灯体12の垂直軸に対する角度を調整できるように構成している。
【0042】
また、灯体ガーニッシュ13の凹部15も、収納する灯体12が傾動可能なように外側縁部17Sと内側縁部17Uとの間隔を前記本体14よりも大きく形成している。
【0043】
さらに、前記ケース21には、前記透孔30Aから離れた位置で前記底壁部14Bに位置決めネジ51を螺合し、この位置決めネジ51の先端を前記ケース21に当接し、位置決めネジ51を回して前記ケース21に対する位置決めネジ51の当接先端位置を調整することにより、位置決めネジ51が基準となって灯体12の傾斜角度を調整できる。
【0044】
このように本実施例でも上記実施例1と同様な作用・効果を奏し、また、請求項5に対応して、前記灯体12の発光部たるLED23は灯体ガーニッシュ13に対して傾斜角度を調整可能としたから、車高などの仕様の異なる車両に対して、LED23の傾斜角度を調整することにより汎用性を確保することができる。
【実施例3】
【0045】
図9及び図10は、本発明の実施例3を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例では、前記取付座28と底壁部14Bとの間に、高さ調整用のスペーサ52を設けることにより、凹部15の深さ方向における灯体12の位置を調整し、これにより灯体12内のLED23の前記縁体17との間隔を調整可能としている。
【0046】
このように本実施例でも上記各実施例と同様な作用・効果を奏し、また、請求項6に対応して、発光部たるLED23は縁部17A,17A間との間隔を調整可能としたから、車高などの仕様の異なる車両に対して、縁部17A,17A間とLED23との間隔を調整することにより汎用性を確保することができる。
【実施例4】
【0047】
図11は、本発明の実施例4を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例では、前記灯体ガーニッシュ13の前側縁部17Aと後側縁部17Aに板状の遮蔽部53,53をそれぞれ一体に設け、この遮蔽部53は凹部15の左右幅よりも左右方向の寸法を大きく形成している。
【0048】
このように前輪からの泥の跳ね上げで灯体12が汚れることを防ぐため、灯体ガーニッシュ13に泥除けのために壁形状の遮蔽部53を設けており、前輪の泥除けなどのためには、取付状態における前側縁部17Aのみに遮蔽部53を設ければよいが、前後に遮蔽部53,53を設ければ、車両1の左右で共通の照明装置11を用いることができる。
【0049】
このように本実施例でも上記各実施例と同様な作用・効果を奏し、また、請求項7に対応して、縁体17に遮蔽部53を設けたから、灯体12の汚れや損傷などを防止できる。
【実施例5】
【0050】
図12及び図13は、本発明の実施例5を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例では、前記灯体ガーニッシュ13の開口部16に、部分的に遮光部54を設けている。この遮光部54は、開口部16の車両前側と外側の角部に設けられ、全開状態のドア2の開閉範囲に対応した足元範囲Hを照明するように構成している。
【0051】
このように灯体ガーニッシュ13を車両1のドア2の開閉状態に合わせた形状に設定し、ドア内面などへの光の照射を遮断してドア2の開く範囲を分かり易く照明することができる。
【実施例6】
【0052】
図14は、本発明の実施例6を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例では、前記灯体ガーニッシュ13の開口部16にレンズ55を設けている。また、光を拡散するレンズ55により開口部16を塞ぐことにより、透光性カバー22を用いる必要がない。尚、レンズ55の下面を車両外側縁部17Sの下面に合わせている。
【0053】
このように灯体ガーニッシ13の縁体17の表面(取付状態で下面)と略同一もしくは表面に近い位置にレンズ55を配置することにより、開口部16が狭くても、広い配光が得られ、車両用照明装置11を小型化でき、汎用性が上がる。
【実施例7】
【0054】
図15は、本発明の実施例7を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例では、前記灯体ガーニッシュ13の本体14の内面に光反射面56を設けている。この場合、合成樹脂製の灯体ガーニッシュ13の本体14の内面に鏡面処理を施して光反射面56を構成したり、ステンレスなどから灯体ガーニッシュ13を形成し、鏡面仕上げして光反射面56を構成したりできる。
【0055】
このように灯体ガーニッシュ13の内面に鏡面処理を施し、もしくはステンレスなどの反射を見込める金属で灯体ガーニッシュ13を形成することにより、開口部16が狭くても広い配光が得られる。
【0056】
本発明は、本実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、発光部はLED以外でも各種のものを用いることができる。また、アウトサイド部品も実施例に限定されず、サイドアンダースポイラーなどでも良いことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0057】
1 車両
2 ドア
3 開口部
5 サイドシルガーニッシュ(アウトサイド部品)
5A 下面
11 車両用照明装置
12 灯体
13 灯体ガーニッシュ
15 凹部
16 開口部
17A 前側縁部
17A 後側縁部
17S 外側縁部
17U 内側縁部
22A レンズ面(発光面)
23 LED(発光部)
53 遮蔽部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両側部でドア開口部の周辺下部を照らす車両用照明装置において、前記ドア開口部の下方にアウトサイド部品を設け、このアウトサイド部品の下面に、灯体及びこの灯体を保持する灯体ガーニッシュを配置したことを特徴とする車両用照明装置。
【請求項2】
前記灯体ガーニッシュは凹部とこの凹部の開口部に設けた縁部とを備え、前記凹部内に前記灯体を配置すると共に前記灯体の発光面を前記縁部間に対して内方に配置してなることを特徴とする請求項1記載の車両用照明装置。
【請求項3】
前記アウトサイド部品の下面に保持した状態で、車両外側の前記縁部の位置が車両内側の縁部の位置より高いことを特徴とする請求項1又は2車両用照明装置。
【請求項4】
前記灯体の発光部を車両外向きに傾斜配置してなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用照明装置。
【請求項5】
前記灯体の発光部は前記灯体ガーニッシュに対して傾斜角度を調整可能としたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両用照明装置。
【請求項6】
前記発光部は前記縁部間との間隔を調整可能としたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両用照明装置。
【請求項7】
前記縁部に遮蔽部を設けたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の車両用照明装置。
【請求項1】
車両側部でドア開口部の周辺下部を照らす車両用照明装置において、前記ドア開口部の下方にアウトサイド部品を設け、このアウトサイド部品の下面に、灯体及びこの灯体を保持する灯体ガーニッシュを配置したことを特徴とする車両用照明装置。
【請求項2】
前記灯体ガーニッシュは凹部とこの凹部の開口部に設けた縁部とを備え、前記凹部内に前記灯体を配置すると共に前記灯体の発光面を前記縁部間に対して内方に配置してなることを特徴とする請求項1記載の車両用照明装置。
【請求項3】
前記アウトサイド部品の下面に保持した状態で、車両外側の前記縁部の位置が車両内側の縁部の位置より高いことを特徴とする請求項1又は2車両用照明装置。
【請求項4】
前記灯体の発光部を車両外向きに傾斜配置してなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用照明装置。
【請求項5】
前記灯体の発光部は前記灯体ガーニッシュに対して傾斜角度を調整可能としたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両用照明装置。
【請求項6】
前記発光部は前記縁部間との間隔を調整可能としたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両用照明装置。
【請求項7】
前記縁部に遮蔽部を設けたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の車両用照明装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2010−254257(P2010−254257A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−110098(P2009−110098)
【出願日】平成21年4月28日(2009.4.28)
【出願人】(390005430)株式会社ホンダアクセス (205)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年4月28日(2009.4.28)
【出願人】(390005430)株式会社ホンダアクセス (205)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]