車両用熱交換器
【課題】 車両のバンパの車両後方側のデッドスペースを有効利用して冷却性能を向上でき、さらに、インタークーラを通過した高温な風によるコンデンサへの悪影響を防止できる車両用熱交換器の提供。
【解決手段】 所定間隔を置いて配置される一対のタンク3a、3bと、両端部がそれぞれ対応するタンク3a、3bに連通接続された複数のチューブ3k,8を有するコア部3cを備える熱交換器において、コア部3cに、チューブ3kの冷却媒体を低温な空気と熱交換させて冷却する空冷部3iと、チューブ8の冷却媒体を低温な水と熱交換させて冷却する水冷部3jを設け、水冷部3jを車両1のバンパアーマチュア15の車両後方側で上下方向高さが重なる位置に配置した。
【解決手段】 所定間隔を置いて配置される一対のタンク3a、3bと、両端部がそれぞれ対応するタンク3a、3bに連通接続された複数のチューブ3k,8を有するコア部3cを備える熱交換器において、コア部3cに、チューブ3kの冷却媒体を低温な空気と熱交換させて冷却する空冷部3iと、チューブ8の冷却媒体を低温な水と熱交換させて冷却する水冷部3jを設け、水冷部3jを車両1のバンパアーマチュア15の車両後方側で上下方向高さが重なる位置に配置した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空水冷式の車両用熱交換器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両のエンジンルームにはインタークーラ、コンデンサ、及びラジエータ等の複数の熱交換器が車両前後方向に沿って並設されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2007−331452号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、近年、熱交換器に要求される冷却性能は高くなる傾向にあるため、従来の冷却構造では対応が困難になりつつあるという問題点があった。
特に、インタークーラは、排気ガスの改善とエンジン出力の向上の両立を目的として高い冷却性能が求められている。
【0004】
この発明は上記課題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、車両のバンパの車両後方側のデッドスペースを有効利用して冷却性能を向上できる車両用熱交換器を提供することである。
また、この発明ではインタークーラを通過した高温な風によるコンデンサへの悪影響を防止することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明では、所定間隔を置いて配置される一対のタンクと、両端部がそれぞれ対応する前記タンクに連通接続された複数のチューブを有するコア部を備える熱交換器において、上記コア部に、チューブの冷却媒体を低温な空気と熱交換させて冷却する空冷部と、チューブの冷却媒体を低温な水と熱交換させて冷却する水冷部を設け、上記水冷部を車両のバンパの車両後方側で上下方向高さが重なる位置に配置したことを特徴とする。
【0006】
請求項5記載の発明では、インタークーラの車両後方側にコンデンサが並設された車両用熱交換器において、上記インタークーラのコア部を通過した風がコンデンサの過冷却部に当たるのを防止するエアガイドを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
請求項1記載の発明では、コア部に、チューブの冷却媒体を低温な空気と熱交換させて冷却する空冷部と、チューブの冷却媒体を低温な水と熱交換させて冷却する水冷部を設け、水冷部を車両のバンパの車両後方側で上下方向高さが重なる位置に配置している。
これにより、車両のバンパの車両後方側のデッドスペースを有効利用して冷却性能を向上できる。
【0008】
また、請求項5記載の発明では、インタークーラのコア部を通過した風がコンデンサの過冷却部に当たるのを防止するエアガイドを備えているため、インタークーラを通過した高温な風によるコンデンサへの悪影響を防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、この発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0010】
以下、実施例1を説明する。
なお、車両前後方向及び車幅方向を前後方向及び左右方向と称して説明する。
図1は実施例1の車両用熱交換器が採用された車両の模式図、図2は実施例1のインタークーラの後面図、図3は実施例1のタンクの内部を説明する断面図である。
【0011】
図4は図2のS4−S4線における断面図、図5は実施例1のケースを示す分解図(a)と斜視図(b)、図6は実施例1のコンデンサの前面図、図7はラジエータとファンシュラウドの後方斜視分解図、図8は同斜視図である。
図9はインタークーラ、コンデンサ、ラジエータの車両搭載状態を説明する図(ファンシュラウドは省略)、図10は実施例1の冷却回路を説明する図である。
【0012】
先ず、全体構成を説明する。
図1に示すように、実施例1の発明では、車両1のエンジンルーム2内に前方からインタークーラ3(請求項の熱交換器に相当)、コンデンサ4、ラジエータ5、ファンシュラウド6、及びエンジン7が順番に搭載されている。
【0013】
図2に示すように、インタークーラ3は、左右に所定間隔を置いて配置される一対の上流側タンク3a及び下流側タンク3bと、両タンク3a,3bの間に配置されたコア部3c等が備えられている。
図3、4に示すように、各タンク3a,3bは、コア部3c側に開口した器状に形成される他、その開口側外周縁部がシール部材3dを介してそれぞれ対応するチューブプレート3e,3fに加締め固定されている。
また、タンク3aの後面上部には後方へ円筒状に突設された入力パイプ3gが該タンク3aと連通した状態で形成される一方、タンク3bの後上部には後方へ円筒状に突設された出力パイプ3hが該タンク3bと連通した状態で形成されている。
また、コア部3cは、コアサイズの3/4(図中A1範囲)を占める上方の空冷部3iと、1/4(図中A2範囲)を占める下方の水冷部3jが設けられている。
【0014】
空冷部3iは、両端部がそれぞれ対応するチューブプレート3e,3fに挿通し固定された複数(実施例1では9本のみ図示)の偏平管状のチューブ3kと、隣接するチューブ3kに波状の頂部が接合された複数(実施例1では9本のみ図示)の波板状のフィン3mで構成されている。
【0015】
水冷部3jは、両端部がそれぞれ対応するチューブプレート3e,3fに挿通し固定された複数(実施例1では3本のみ図示)の偏平管状のチューブ8と、このチューブ8をチューブプレート3e,3fと協働して囲繞するケース9と、このケース9の左右両端部から該ケース9内に連通した状態で下方へ突設された入力パイプ10及び出力パイプ11が備えられている。
【0016】
図5に示すように、ケース9は、互いに嵌合して筒状に形成される上下の第1分割体11a及び第2分割体11bで構成されている。
第1分割体11aは、下方へ開口した略コ字状断面を有して左右方向に延設された本体12と、本体12の略コ字状断面の対向する後方の側壁から後方へ延設された平板状のエアガイド13が備えられている。
また、本体12の左右方向両端部には平板状の挿入部14が左右方向に突設されている。
【0017】
第2分割体11bは、上方へ開口した略コ字状断面を有して左右方向に延設されている。
そして、両分割体11a,11bの略コ字状断面の対向する壁部同士を嵌合させてこれら両者を組み付けることにより、筒状のケース9を形成可能になっている。
【0018】
ケース9は、第1分割体11aの両挿入部14をそれぞれ対応するチューブプレート3e,3fに挿通し固定した状態で、両分割体11,12の左右方向両端面がチューブプレート3e,3fに密着した状態で接合され、これにより、ケース9内がチューブ8を囲繞した状態で密閉されている。
【0019】
また、インタークーラ3は、樹脂製の両タンク3a,3b(シール部材3d共)を除く全ての構成部材がアルミ製であり、各構成部材の接合部同士のうちの少なくとも一方側にはろう材(クラッドシート)が設けられ、これらは予め仮組みされた後、加熱炉内で熱処理されてろう付け接合される。
この際、ケース9の第1分割体11aの各挿入部14をそれぞれ対応するチューブプレート3e,3fに挿通し固定することにより、第1分割体11aを正確に位置決めした状態で仮組みできる。
一方、第2分割体11bをチューブ8の下方から第1分割体11aに嵌合し、図示しないろう付け用治具で第1分割体11a側に押圧支持した状態で熱処理することにより、第1分割体11aに対して良好に密着した状態で接合できる。
また、第1分割体11aの本体12とこの本体12に接合されるフィン3n(図3、4参照)との密着性、及び隣接するフィン3m(フィン3n共)とチューブ3kの波状の頂部との密着性を良くして良好な接合が可能となる。
【0020】
なお、実施例1のタンク3a,3bは樹脂製としたが、アルミ製としてコア部3cにろう付け接合するようにしても良い。
また、ケース9は、チューブプレート3e,3fまたはアルミ製としたタンク3a,3bに対して後工程で溶接固定しても良い。
【0021】
図6に示すように、コンデンサ4は、左右に所定間隔を置いて配置された一対の上流側タンク4a及び下流側タンク4bと、両タンク4a,4bの間に配置されたコア部4c等が備えられている。
上流側タンク4aは、その内部に介装された4枚のディバイドプレートD1によって3つの室R1,R3,R6に区分けされている。
上流側タンク4aには、室R1に連通接続された入力ポート4dを備えるコネクタ4eが設けられると共に、このコネクタ4eには室R6に接続管4fを介して連通接続された出力ポート4gが備えられている。
【0022】
一方、下流側タンク4bは、その内部に介装された4枚のディバイドプレートD2によって3つの室R2,R4,R5に区分けされている。
下流側タンク4bには、接続管4h,4iを介して室R4と室R5に連通接続された円柱状のレシーバタンク4jが備えられている。
【0023】
コア部4cは、両タンク4a,4bに挿通し固定された複数の偏平管状のチューブ4kと、隣接するチューブ4kに波状の頂部が接合された波板状のフィン4mとから構成されている。
また、コア部4cのチューブ4kとフィン4mの積層方向両端部は、両端部がそれぞれ対応するタンク4a,4bに挿通し固定された一対のレインフォース4n,4oで連結補強されている。
これにより、コア部4cは、レシーバタンク4jの上流側で室R1〜R4に連通したチューブ4kとフィン4mで構成される上方の蒸発部4p(図中A3範囲)と、レシーバタンク4jの下流側で室R5,R6に連通したチューブ4kとフィン4mで構成される下方の過冷却部4q(図中A4範囲)が設けられている。
【0024】
また、コンデンサ4は、全ての構成部材がアルミ製であり、各構成部材の接合部同士のうちの少なくとも一方側にはろう材(クラッドシート)が設けられ、これらは予め仮組みされた後、加熱炉内で熱処理されてろう付け接合される。なお、レシーバタンク4jは内部構造に応じて熱処理後に装着される。
また、コンデンサ4のコア部4のコアサイズにおける左右方向長さはインタークーラ3のコア部3cよりも短く、上下方向の長さはコア部3cよりも長い。
【0025】
図7、8に示すように、ラジエータ5の後面には、ファンシュラウド6が装着されている。
ラジエータ5は、上下に所定間隔を置いて配置される一対の上流側タンク5a及び下流側タンク5bと、両タンク5a,5bの間に配置されたコア部5c等が備えられる所謂ダウンフロー型のラジエータが採用されている。
【0026】
各タンク5a,5bは、コア部5c側に開口した器状に形成される他、その開口側外周縁部がシール部材5d(図9参照)を介してコア部5cのそれぞれ対応するチューブプレート5e,5fに密着した状態で加締め固定されている。
タンク5aの後面には螺子穴5gを有する固定部5hが左右に離間して該タンク5aと一体的に形成される他、その長手方向一方側には該タンク5a内部と連通した状態で後方へ一体的に円筒状に突出した入力パイプ5iが形成されている。
一方、タンク5bの後面には上下方向へ開口された挿入穴5jを備える固定部5kが左右に離間して該タンク5bと一体的に形成される他、入力パイプ5iと対角した位置には該タンク5b内部と連通した状態で後方へ一体的に円筒状に突出した出力パイプ5mが形成されている。
【0027】
コア部5cは、両端部がそれぞれ対応するチューブプレート5e,5fに挿通し固定された複数の偏平管状のチューブ5nと、隣接するチューブ5nに波状の頂部が接合された波板状のフィン5oで構成されている。
また、コア部5cのチューブ5nとフィン5oの積層方向両端部には、両端部がそれぞれ対応するチューブプレート5e,5fに挿通し固定された一対のレインフォース5p,5qで連結補強されている。
【0028】
また、ラジエータ5は、樹脂製のタンク5a,5b(シール部材5d共)を除く全ての各構成部材がアルミ製であり、これらの接合部同士のうちの少なくとも一方にはろう材(ブレージングシート)が設けられ、これらは予め仮組みされた後、加熱炉で熱処理されてろう付け接合される。
【0029】
なお、両タンク5a,5bをアルミ製としてコア部5cにろう付け接合しても良い。
また、左右に所定間隔を置いて配置されたタンクの間にコア部5cを備える所謂クロスフロー型のラジエータを採用しても良い。
また、ラジエータ5のコア部5cのコアサイズにおける左右方向長さはインタークーラ3のコア部3cよりも短く、且つ、コンデンサ4のコア部4よりも長い。
一方、ラジエータ5の上下方向の長さはインタークーラ3のコア部3cよりも長く、且つ、コンデンサ4のコア部4よりも幾分長い。
【0030】
ファンシュラウド6は、ラジエータ5のコア部5cを覆う大きさで前方へ開口した略矩形状に形成される他、その後面となるシュラウド壁6aには後方へ円筒状に突出したシュラウドリング部6bが形成されると共に、このシュラウドリング部6b内にはファン6c(簡略して図示)が収容されている。
また、ファンシュラウド6の周壁上部には、ラジエータ5の上流側タンク5aのそれぞれ対応する螺子孔5gと合致する位置に挿通穴6dを備える板状の固定部6eが上方へ突設される一方、周壁底部には、ラジエータ5の下流側タンク5bのそれぞれ対応する固定部5kの挿入穴5jに上方から挿入し固定可能な板状の固定部6fが下方へ突設されている。
【0031】
そして、図8に示すように、ラジエータ5の後方にファンシュラウド6を配置して、ファンシュラウド6の固定部6fをラジエータ5の固定部5kの挿入穴5jに上方から挿入した後、ファンシュラウド6の固定部6fの挿通穴6dからラジエータ5の固定部5hの螺子穴5gにボルトB1を挿入して螺合することにより、これら両者を固定可能になっている。
【0032】
図1、9に示すように、実施例1の車両1は、金属製で中空の四角形断面のバンパアーマチュア15(車両1のバンパに相当)が左右方向に亘って配設されると共に、このバンパアーマチュア15を前方から覆うように樹脂製のバンパフェイシア16の一部が配設されている。
また、バンパアーマチュア15の上方にはそれぞれバンパフェイシア16と一体的に設けられたグリル状のアッパ開口部17が形成される一方、下方にはグリル状のロア開口部18が形成されている。
【0033】
そして、インタークーラ3、コンデンサ4、ラジエータ5(ファンシュラウド6共)は図示しないラジエータコアサポートを介して車両1のエンジンルーム2に搭載され、この際、インタークーラ3の空冷部3i(図中A1範囲)はアッパ開口部17に面した位置に配置される一方、水冷部3j(図中A2範囲)は、バンパアーマチュア15の後方で上下方向高さが重なる位置に近接配置される。
【0034】
また、水冷部3jのエアガイド13の後端は、コンデンサ4のコア部4cの蒸発部4p(図中A3範囲)と過冷却部4q(図中A4範囲)との境目となる位置に配置され、これによって、インタークーラ3とコンデンサ4との隙間がエアガイド13で上下に仕切られている。
なお、コンデンサ4の下端はインタークーラ3よりも低い位置に配置され、さらに、ラジエータ5の下端はコンデンサ4よりも低い位置に配置される。
【0035】
次に、作用を説明する。
<インタークーラ、ラジエータ、及びファンの作動について>
図10に示すように、インタークーラ3及びラジエータ5は、エンジン冷却回路C1と、ターボチャージャーガス回路C2の構成部品として用いられる。
具体的には、エンジン7は、所謂ターボチャージャー付きのエンジンであり、エンジン冷却回路C1において、エンジン7の図示しないウォータージャケットから排出された80℃前後の高温なエンジン冷却水は、先ず、接続管19aを介してラジエータ5に導入される。
【0036】
図6に示すように、接続管19aからラジエータ5の入力パイプ5iを介して上流側タンク5aに流入したエンジン冷却水は、コア部5cの各チューブ5nを通過して下流側タンク5bに流入する間にアッパ開口部17及びロア開口部18からコア部5cを通過する車両走行風またはファン6cによる強制風(図9の破線矢印で図示)と熱交換して60℃前後に冷却される。
次に、下流側タンク5bに流入したエンジン冷却水は、下流側タンク5bの出力パイプ5mから排出された後、図10に示す各接続管19b〜19dを介してサーモスタット19e及びポンプ19fを経由して再びエンジン7へ戻されて環流する。
【0037】
また、接続管19bを流通するエンジン冷却水の一部は、接続管19gを介してインタークーラ3に導入される。
【0038】
次に、接続管19gからインタークーラ3の入力パイプ10を介してケース9に流入したエンジン冷却水は、ケース9内を長手方向に流通して、出力パイプ11から排出された後、接続管19hを介して接続管19bと合流する。
なお、図示を省略するが、接続管19hには、エンジン冷却水がケース9側へ逆流するのを防止する逆止弁が介装されている。
【0039】
また、エンジン冷却水の温度が低い間は、サーモスタット19eが閉弁することより、エンジン冷却水の全量が接続管19aからバイパス用接続管19iへ流通してラジエータ5及びケース9を迂回せずにエンジン7との間を環流する。
【0040】
ターボチャージャーガス回路C2において、図外のエアクリーナから導入された吸入空気は、先ず、接続管19jによりターボチャージャー19kのコンプレッサ19mへ導入されて180℃〜200℃に加圧・高温化される。
次に、コンプレッサ19mで加圧・高温化された吸入空気は、接続管19nを介してインタークーラ3に導入される。
【0041】
次に、接続管19nからインタークーラ3の上流側タンク3aに流入した吸入空気の一部は、空冷部3iのチューブ3kを介して下流側タンク3bに流入する間にアッパ開口部17を通過する車両走行風またはファン6cの強制風(図9の破線矢印で図示)と熱交換して冷却される。
一方、上流側タンク3aに流入した吸入空気の残りの一部は、水冷部3jのチューブ8を介して下流側タンク3bに流入する間にケース9内のエンジン冷却水と熱交換して冷却される。
この際、エンジン冷却水と吸入空気の流通方向は対流関係にあるため、熱交換を効率的に行うことができる。
【0042】
次に、空冷部3iと水冷部3jで60℃まで冷却された下流側タンク3b内の吸入空気は、出力パイプ3hから排出された後、図10で示す接続管19o(インテークマニホールド)によりエンジン7の図示しない吸気ポートへ供給される。
これにより、エンジン7の過給効率を高めてエンジン出力を向上できる。
最後に、エンジン7の図示しない排気ポートから排出された排気ガスは、接続管19p(エキゾーストマニホールド)によりターボチャージャー19kへ導入されてタービン19qを駆動した後、接続管19rにより図外の触媒装置やメインマフラー等を介して車外へ排出される。
【0043】
<コンデンサの作動について>
コンデンサ4は、車室内空調用冷凍回路の構成部品として用いられる。
なお、車室内空調用冷凍回路は公知と同様であるため、各構成部品についての詳しい説明は省略するが、空調用コンプレッサ、コンデンサ4、エバポレータ等が環状に接続される蒸気圧縮式冷凍回路である。
【0044】
図6に示すように、空調用コンプレッサ側からコネクタ4eの入力ポート4dを介して上流側タンク4aの室R1に流入した約60℃前後の流通媒体(CO2またはHFC−134a等)は、室R2、室R3をこの順番にターンしながらコア部4cのそれぞれ対応する各チューブ4kを流通する間にアッパ開口部17及びロア開口部18からコア部4cを通過する車両走行風またはファン6cによる強制風(図9の破線矢印で図示)と熱交換された後、室R4に流入する。
【0045】
次に、室R4内の流通媒体は、接続管4hからレシーバタンク4jに流入して図示しない内部構造物により気液分離された後、接続管4iから室R5に流入する。
【0046】
次に、室R5の液体の流通媒体は、コア部4cの室R5,R6に対応する各チューブ4kを流通する間にアッパ開口部17及びロア開口部18からコア部4cを通過する車両走行風またはファン6cによる強制風(図9の破線矢印で図示)と熱交換されることにより、約45℃前後まで過冷却されて室R6に流入する。
【0047】
最後に、室R6内の流通媒体は、接続管4fを介してコネクタ4eの出力ポート4gから図外のエバポレータ側へ排出される。
【0048】
<インタークーラの水冷化について>
ここで、近年、環境を配慮した排気ガスの改善(排気中の未燃焼ガスや有害成分の減少等)とエンジン出力の向上の両立を目的として吸入空気は高圧力・高温化傾向にあり、吸入空気の目標温度を180℃〜200℃(従来は140℃前後、最大42%増)に設定すると、従来のインタークーラでは冷却性能が低く、冷却仕様要求を満たすことができないという問題点があった。
また、バンパアーマチュアの後方側にインタークーラのコア部を配置した場合には、風が当たらないチューブが生じて、冷却性能の低下を招くことが判明しており、インタークーラをバンパアーマチュアの上方または下方にオフセットした位置に配置する必要がある。
この結果、バンパアーマチュアの後方側にデッドスペースが生じる上、周辺部材の設置レイアウトの設計自由度が小さくなるという問題点があった。
【0049】
さらに、インタークーラを通過した高温な風がコンデンサの過冷却部に当たると、過冷却部が高温化されてしまい、コンデンサの冷却性能が低下する虞がある。
【0050】
これらの問題点に対し、実施例1のインタークーラ3は、前述したように、吸入空気を車両走行風またはファン6cの強制風で冷却すると同時に、ケース9内のエンジン冷却水で冷却して、空水冷式の熱交換器として機能し、これによって、インタークーラ3の冷却性能を大幅に向上して高い冷却仕様要求を満足でき、ひいては排気ガスの改善とエンジン出力の向上の両立を実現できる。
また、ケース9内にはエンジン冷却回路C1のエンジン冷却水を流通させるため、簡便且つ安価なシステムで実現でき、実施も容易である。
【0051】
また、水冷部3jをバンパアーマチュア15の後方で上下方向高さが重なった位置に配置したため、バンパアーマチュア15の後方のデッドスペースを有効利用できると同時に、周辺部材の設定レイアウトの設計自由度を拡大できる。
【0052】
また、水冷部3jのエアガイド14によって、インタークーラ3の空冷部3iを通過する高温な風がコンデンサ4の過冷却部4qに当たるのを防止できる。
加えて、ロア開口部18を通過した風をエアガイド14で過冷却部4qに案内して効率良く冷却でき、過冷却部4qが高温化してコンデンサ4の冷却性能が低下するのを防止できる。
【0053】
なお、インタークーラ3に導入されるエンジン冷却水の温度状況にも依るが、水冷部3jの冷却性能を空冷部3iの3倍と算定すると、実施例1のインタークーラ3では従来の空冷式インタークーラの1.5倍の冷却性能の向上を期待でき、吸入空気の目標温度である従来の最大42%増に対応可能である。
また、コア部3cの水冷部3jと空冷部3iの範囲の配分は適宜設定できるが、エンジン冷却回路C1を安定的に機能させ、且つ、実際上の採用を可能にするには、水冷部3jをコア部3cの1/4程度に設定するのが適当である。
即ち、コア部3cにおける水冷部3jの範囲の配分をあまり大きく設定すると、エンジン冷却回路C1の負担が大きくなる。
この結果、ラジエータ5の大型化を招いたり、エンジン冷却水を利用できなくなって専用の冷却回路(サブラジエータ、ポンプ、配管等)を新たに別途設ける必要が生じ、実際上の採用が困難となる。
【0054】
次に、効果を説明する。
以上、説明したように、実施例1の発明では、所定間隔を置いて配置される一対のタンク3a、3bと、両端部がそれぞれ対応するタンク3a、3bに連通接続された複数のチューブ3k,8を有するコア部3cを備える熱交換器において、コア部3cに、チューブ3kの冷却媒体を低温な空気と熱交換させて冷却する空冷部3iと、チューブ8の冷却媒体を低温な水と熱交換させて冷却する水冷部3jを設け、水冷部3jを車両1のバンパアーマチュア15の車両後方側で上下方向高さが重なる位置に配置したため、車両1のバンパアーマチュア15の車両後方側のデッドスペースを有効利用して冷却性能を向上できる。
【0055】
また、熱交換器の後方にコンデンサ4を並設し、水冷部3jをコンデンサ4の過冷却部4qの車両前方側で上下方向高さが重なる位置に配置したため、インタークーラ3の空冷部3iを通過する高温な風がコンデンサ4の過冷却部4qに当たるのを防止でき、過冷却部4qが高温化してコンデンサ4の冷却性能が低下するのを防止できる。
【0056】
また、熱交換器をインタークーラ3としたため、特に冷却性能の向上が急務となっているインタークーラ3の冷却性能を向上でき、好適となる。
【0057】
また、インタークーラ3のコア部4cを通過した風がコンデンサ4の過冷却部4qに当たるのを防止するエアガイド13を備えるため、インタークーラ3のコア部4cを通過した高温な風によるコンデンサ4への悪影響を防止できる。
【実施例2】
【0058】
以下、実施例2を説明する。
実施例2において、実施例1と同様の構成部材については同じ符号を付してその説明は省略し、相違点のみ詳述する。
【0059】
図11は実施例2のエアガイドを説明する図である。
【0060】
図11に示すように、実施例2では、実施例1で説明したインタークーラ3の水冷部3jが省略されて全て空冷部3iで構成される他、両チューブプレート3e,3fの下端付近に、コンデンサ4の蒸発部4pと過冷却部4qとの境目に向かって傾斜状に配置された平板状のエアガイド20が設けられている。
なお、エアガイド13の左右方向両端部はそれぞれ対応するチューブプレート3e,3fに図示しない溶接で固定されている。
【0061】
従って、実施例2では、エアガイド13でインタークーラ3の空冷部3iを通過する高温な風(破線矢印参照)がコンデンサ4の過冷却部4qに当たるのを防止でき、過冷却部4qが高温化してコンデンサ4の冷却性能が低下するのを防止できる。
【0062】
また、仕切り部をコンデンサ4側に設けた場合に比べて、インタークーラ3を搭載しない車種に対してコンデンサ4を共通部品にでき、好適となる。
【0063】
以上、実施例を説明してきたが、本発明は上述の実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても、本発明に含まれる。
例えば、インタークーラの水冷部の上下方向高さ位置はバンパアーマチュアに合わせて設定でき、例えば、空冷部をロア開口部、あるいはアッパ開口部とロア開口部の両方に亘って配置する場合もある。
同様に、エアガイドの後端位置もコンデンサの蒸発部と過冷却部との境目の位置に合わせて設定できる。
【0064】
また、前述した構成部材の詳細な部位の構造は適宜設定でき、例えば、図12に示すように、ケース9を4つの分割体30〜33で構成して組み付けるようにしても良い。
また、インタークーラの空水冷化をオイルクーラに適用することも考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】実施例1の車両用熱交換器が採用された車両の模式図である。
【図2】実施例1のインタークーラの後面図である。
【図3】実施例1のタンクの内部を説明する断面図である。
【図4】図2のS4−S4線における断面図である。
【図5】実施例1のケースを示す分解図(a)と斜視図(b)である。
【図6】実施例1のコンデンサの前面図である。
【図7】ラジエータとファンシュラウドの後方斜視分解図である。
【図8】ラジエータとファンシュラウドの後方斜視図である。
【図9】インタークーラ、コンデンサ、ラジエータの車両搭載状態を説明する図(ファンシュラウドは省略)である。
【図10】実施例1の冷却回路を説明する図である。
【図11】実施例2のエアガイドを説明する図である。
【図12】その他の実施例のケースを説明する図である。
【符号の説明】
【0066】
B1 ボルト
C1 エンジン冷却回路
C2 ターボチャージャーガス回路
D1、D2 ディバイドプレート
1 車両
2 エンジンルーム
3 インタークーラ
3a 上流側タンク
3b 下流側タンク
3c コア部
3d シール部材
3e、3f チューブプレート
3g 入力パイプ
3h 出力パイプ
3i 空冷部
3j 水冷部
3k チューブ
3m、3n フィン
4 コンデンサ
4a 上流側タンク
4b 下流側タンク
4c コア部
4d 入力ポート
4e コネクタ
4f、4h、4i 接続管
4g 出力ポート
4j レシーバタンク
4k チューブ
4n、4o レインフォース
4p 蒸発部
4q 過冷却部
5 ラジエータ
5a 上流側タンク
5b 下流側タンク
5c コア部
5d シール部材
5e、5f チューブプレート
5g 螺子穴
5h、5k 固定部
5i 入力パイプ
5j 挿入穴
5m 出力パイプ
5n チューブ
5o フィン
5p、5q レインフォース
6 ファンシュラウド
6a シュラウド壁
6b シュラウドリング部
6c ファン
6d 挿通穴
6e、6f 固定部
7 エンジン
8 チューブ
9 ケース
10 入力パイプ
11 出力パイプ
11a 第1分割体
11b 第2分割体
12 本体
13 エアガイド
14 挿入部
15 バンパアーマチュア
16 バンパフェイシア
17 アッパ開口部
18 ロア開口部
19a、19b、19c、19d、19g、19h、19i、19j、19n、19o、19p、19q、19r 接続管
19e サーモスタット
19f ポンプ
19k ターボチャージャー
19m コンプレッサ
20 エアガイド
【技術分野】
【0001】
本発明は、空水冷式の車両用熱交換器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両のエンジンルームにはインタークーラ、コンデンサ、及びラジエータ等の複数の熱交換器が車両前後方向に沿って並設されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2007−331452号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、近年、熱交換器に要求される冷却性能は高くなる傾向にあるため、従来の冷却構造では対応が困難になりつつあるという問題点があった。
特に、インタークーラは、排気ガスの改善とエンジン出力の向上の両立を目的として高い冷却性能が求められている。
【0004】
この発明は上記課題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、車両のバンパの車両後方側のデッドスペースを有効利用して冷却性能を向上できる車両用熱交換器を提供することである。
また、この発明ではインタークーラを通過した高温な風によるコンデンサへの悪影響を防止することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明では、所定間隔を置いて配置される一対のタンクと、両端部がそれぞれ対応する前記タンクに連通接続された複数のチューブを有するコア部を備える熱交換器において、上記コア部に、チューブの冷却媒体を低温な空気と熱交換させて冷却する空冷部と、チューブの冷却媒体を低温な水と熱交換させて冷却する水冷部を設け、上記水冷部を車両のバンパの車両後方側で上下方向高さが重なる位置に配置したことを特徴とする。
【0006】
請求項5記載の発明では、インタークーラの車両後方側にコンデンサが並設された車両用熱交換器において、上記インタークーラのコア部を通過した風がコンデンサの過冷却部に当たるのを防止するエアガイドを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
請求項1記載の発明では、コア部に、チューブの冷却媒体を低温な空気と熱交換させて冷却する空冷部と、チューブの冷却媒体を低温な水と熱交換させて冷却する水冷部を設け、水冷部を車両のバンパの車両後方側で上下方向高さが重なる位置に配置している。
これにより、車両のバンパの車両後方側のデッドスペースを有効利用して冷却性能を向上できる。
【0008】
また、請求項5記載の発明では、インタークーラのコア部を通過した風がコンデンサの過冷却部に当たるのを防止するエアガイドを備えているため、インタークーラを通過した高温な風によるコンデンサへの悪影響を防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、この発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0010】
以下、実施例1を説明する。
なお、車両前後方向及び車幅方向を前後方向及び左右方向と称して説明する。
図1は実施例1の車両用熱交換器が採用された車両の模式図、図2は実施例1のインタークーラの後面図、図3は実施例1のタンクの内部を説明する断面図である。
【0011】
図4は図2のS4−S4線における断面図、図5は実施例1のケースを示す分解図(a)と斜視図(b)、図6は実施例1のコンデンサの前面図、図7はラジエータとファンシュラウドの後方斜視分解図、図8は同斜視図である。
図9はインタークーラ、コンデンサ、ラジエータの車両搭載状態を説明する図(ファンシュラウドは省略)、図10は実施例1の冷却回路を説明する図である。
【0012】
先ず、全体構成を説明する。
図1に示すように、実施例1の発明では、車両1のエンジンルーム2内に前方からインタークーラ3(請求項の熱交換器に相当)、コンデンサ4、ラジエータ5、ファンシュラウド6、及びエンジン7が順番に搭載されている。
【0013】
図2に示すように、インタークーラ3は、左右に所定間隔を置いて配置される一対の上流側タンク3a及び下流側タンク3bと、両タンク3a,3bの間に配置されたコア部3c等が備えられている。
図3、4に示すように、各タンク3a,3bは、コア部3c側に開口した器状に形成される他、その開口側外周縁部がシール部材3dを介してそれぞれ対応するチューブプレート3e,3fに加締め固定されている。
また、タンク3aの後面上部には後方へ円筒状に突設された入力パイプ3gが該タンク3aと連通した状態で形成される一方、タンク3bの後上部には後方へ円筒状に突設された出力パイプ3hが該タンク3bと連通した状態で形成されている。
また、コア部3cは、コアサイズの3/4(図中A1範囲)を占める上方の空冷部3iと、1/4(図中A2範囲)を占める下方の水冷部3jが設けられている。
【0014】
空冷部3iは、両端部がそれぞれ対応するチューブプレート3e,3fに挿通し固定された複数(実施例1では9本のみ図示)の偏平管状のチューブ3kと、隣接するチューブ3kに波状の頂部が接合された複数(実施例1では9本のみ図示)の波板状のフィン3mで構成されている。
【0015】
水冷部3jは、両端部がそれぞれ対応するチューブプレート3e,3fに挿通し固定された複数(実施例1では3本のみ図示)の偏平管状のチューブ8と、このチューブ8をチューブプレート3e,3fと協働して囲繞するケース9と、このケース9の左右両端部から該ケース9内に連通した状態で下方へ突設された入力パイプ10及び出力パイプ11が備えられている。
【0016】
図5に示すように、ケース9は、互いに嵌合して筒状に形成される上下の第1分割体11a及び第2分割体11bで構成されている。
第1分割体11aは、下方へ開口した略コ字状断面を有して左右方向に延設された本体12と、本体12の略コ字状断面の対向する後方の側壁から後方へ延設された平板状のエアガイド13が備えられている。
また、本体12の左右方向両端部には平板状の挿入部14が左右方向に突設されている。
【0017】
第2分割体11bは、上方へ開口した略コ字状断面を有して左右方向に延設されている。
そして、両分割体11a,11bの略コ字状断面の対向する壁部同士を嵌合させてこれら両者を組み付けることにより、筒状のケース9を形成可能になっている。
【0018】
ケース9は、第1分割体11aの両挿入部14をそれぞれ対応するチューブプレート3e,3fに挿通し固定した状態で、両分割体11,12の左右方向両端面がチューブプレート3e,3fに密着した状態で接合され、これにより、ケース9内がチューブ8を囲繞した状態で密閉されている。
【0019】
また、インタークーラ3は、樹脂製の両タンク3a,3b(シール部材3d共)を除く全ての構成部材がアルミ製であり、各構成部材の接合部同士のうちの少なくとも一方側にはろう材(クラッドシート)が設けられ、これらは予め仮組みされた後、加熱炉内で熱処理されてろう付け接合される。
この際、ケース9の第1分割体11aの各挿入部14をそれぞれ対応するチューブプレート3e,3fに挿通し固定することにより、第1分割体11aを正確に位置決めした状態で仮組みできる。
一方、第2分割体11bをチューブ8の下方から第1分割体11aに嵌合し、図示しないろう付け用治具で第1分割体11a側に押圧支持した状態で熱処理することにより、第1分割体11aに対して良好に密着した状態で接合できる。
また、第1分割体11aの本体12とこの本体12に接合されるフィン3n(図3、4参照)との密着性、及び隣接するフィン3m(フィン3n共)とチューブ3kの波状の頂部との密着性を良くして良好な接合が可能となる。
【0020】
なお、実施例1のタンク3a,3bは樹脂製としたが、アルミ製としてコア部3cにろう付け接合するようにしても良い。
また、ケース9は、チューブプレート3e,3fまたはアルミ製としたタンク3a,3bに対して後工程で溶接固定しても良い。
【0021】
図6に示すように、コンデンサ4は、左右に所定間隔を置いて配置された一対の上流側タンク4a及び下流側タンク4bと、両タンク4a,4bの間に配置されたコア部4c等が備えられている。
上流側タンク4aは、その内部に介装された4枚のディバイドプレートD1によって3つの室R1,R3,R6に区分けされている。
上流側タンク4aには、室R1に連通接続された入力ポート4dを備えるコネクタ4eが設けられると共に、このコネクタ4eには室R6に接続管4fを介して連通接続された出力ポート4gが備えられている。
【0022】
一方、下流側タンク4bは、その内部に介装された4枚のディバイドプレートD2によって3つの室R2,R4,R5に区分けされている。
下流側タンク4bには、接続管4h,4iを介して室R4と室R5に連通接続された円柱状のレシーバタンク4jが備えられている。
【0023】
コア部4cは、両タンク4a,4bに挿通し固定された複数の偏平管状のチューブ4kと、隣接するチューブ4kに波状の頂部が接合された波板状のフィン4mとから構成されている。
また、コア部4cのチューブ4kとフィン4mの積層方向両端部は、両端部がそれぞれ対応するタンク4a,4bに挿通し固定された一対のレインフォース4n,4oで連結補強されている。
これにより、コア部4cは、レシーバタンク4jの上流側で室R1〜R4に連通したチューブ4kとフィン4mで構成される上方の蒸発部4p(図中A3範囲)と、レシーバタンク4jの下流側で室R5,R6に連通したチューブ4kとフィン4mで構成される下方の過冷却部4q(図中A4範囲)が設けられている。
【0024】
また、コンデンサ4は、全ての構成部材がアルミ製であり、各構成部材の接合部同士のうちの少なくとも一方側にはろう材(クラッドシート)が設けられ、これらは予め仮組みされた後、加熱炉内で熱処理されてろう付け接合される。なお、レシーバタンク4jは内部構造に応じて熱処理後に装着される。
また、コンデンサ4のコア部4のコアサイズにおける左右方向長さはインタークーラ3のコア部3cよりも短く、上下方向の長さはコア部3cよりも長い。
【0025】
図7、8に示すように、ラジエータ5の後面には、ファンシュラウド6が装着されている。
ラジエータ5は、上下に所定間隔を置いて配置される一対の上流側タンク5a及び下流側タンク5bと、両タンク5a,5bの間に配置されたコア部5c等が備えられる所謂ダウンフロー型のラジエータが採用されている。
【0026】
各タンク5a,5bは、コア部5c側に開口した器状に形成される他、その開口側外周縁部がシール部材5d(図9参照)を介してコア部5cのそれぞれ対応するチューブプレート5e,5fに密着した状態で加締め固定されている。
タンク5aの後面には螺子穴5gを有する固定部5hが左右に離間して該タンク5aと一体的に形成される他、その長手方向一方側には該タンク5a内部と連通した状態で後方へ一体的に円筒状に突出した入力パイプ5iが形成されている。
一方、タンク5bの後面には上下方向へ開口された挿入穴5jを備える固定部5kが左右に離間して該タンク5bと一体的に形成される他、入力パイプ5iと対角した位置には該タンク5b内部と連通した状態で後方へ一体的に円筒状に突出した出力パイプ5mが形成されている。
【0027】
コア部5cは、両端部がそれぞれ対応するチューブプレート5e,5fに挿通し固定された複数の偏平管状のチューブ5nと、隣接するチューブ5nに波状の頂部が接合された波板状のフィン5oで構成されている。
また、コア部5cのチューブ5nとフィン5oの積層方向両端部には、両端部がそれぞれ対応するチューブプレート5e,5fに挿通し固定された一対のレインフォース5p,5qで連結補強されている。
【0028】
また、ラジエータ5は、樹脂製のタンク5a,5b(シール部材5d共)を除く全ての各構成部材がアルミ製であり、これらの接合部同士のうちの少なくとも一方にはろう材(ブレージングシート)が設けられ、これらは予め仮組みされた後、加熱炉で熱処理されてろう付け接合される。
【0029】
なお、両タンク5a,5bをアルミ製としてコア部5cにろう付け接合しても良い。
また、左右に所定間隔を置いて配置されたタンクの間にコア部5cを備える所謂クロスフロー型のラジエータを採用しても良い。
また、ラジエータ5のコア部5cのコアサイズにおける左右方向長さはインタークーラ3のコア部3cよりも短く、且つ、コンデンサ4のコア部4よりも長い。
一方、ラジエータ5の上下方向の長さはインタークーラ3のコア部3cよりも長く、且つ、コンデンサ4のコア部4よりも幾分長い。
【0030】
ファンシュラウド6は、ラジエータ5のコア部5cを覆う大きさで前方へ開口した略矩形状に形成される他、その後面となるシュラウド壁6aには後方へ円筒状に突出したシュラウドリング部6bが形成されると共に、このシュラウドリング部6b内にはファン6c(簡略して図示)が収容されている。
また、ファンシュラウド6の周壁上部には、ラジエータ5の上流側タンク5aのそれぞれ対応する螺子孔5gと合致する位置に挿通穴6dを備える板状の固定部6eが上方へ突設される一方、周壁底部には、ラジエータ5の下流側タンク5bのそれぞれ対応する固定部5kの挿入穴5jに上方から挿入し固定可能な板状の固定部6fが下方へ突設されている。
【0031】
そして、図8に示すように、ラジエータ5の後方にファンシュラウド6を配置して、ファンシュラウド6の固定部6fをラジエータ5の固定部5kの挿入穴5jに上方から挿入した後、ファンシュラウド6の固定部6fの挿通穴6dからラジエータ5の固定部5hの螺子穴5gにボルトB1を挿入して螺合することにより、これら両者を固定可能になっている。
【0032】
図1、9に示すように、実施例1の車両1は、金属製で中空の四角形断面のバンパアーマチュア15(車両1のバンパに相当)が左右方向に亘って配設されると共に、このバンパアーマチュア15を前方から覆うように樹脂製のバンパフェイシア16の一部が配設されている。
また、バンパアーマチュア15の上方にはそれぞれバンパフェイシア16と一体的に設けられたグリル状のアッパ開口部17が形成される一方、下方にはグリル状のロア開口部18が形成されている。
【0033】
そして、インタークーラ3、コンデンサ4、ラジエータ5(ファンシュラウド6共)は図示しないラジエータコアサポートを介して車両1のエンジンルーム2に搭載され、この際、インタークーラ3の空冷部3i(図中A1範囲)はアッパ開口部17に面した位置に配置される一方、水冷部3j(図中A2範囲)は、バンパアーマチュア15の後方で上下方向高さが重なる位置に近接配置される。
【0034】
また、水冷部3jのエアガイド13の後端は、コンデンサ4のコア部4cの蒸発部4p(図中A3範囲)と過冷却部4q(図中A4範囲)との境目となる位置に配置され、これによって、インタークーラ3とコンデンサ4との隙間がエアガイド13で上下に仕切られている。
なお、コンデンサ4の下端はインタークーラ3よりも低い位置に配置され、さらに、ラジエータ5の下端はコンデンサ4よりも低い位置に配置される。
【0035】
次に、作用を説明する。
<インタークーラ、ラジエータ、及びファンの作動について>
図10に示すように、インタークーラ3及びラジエータ5は、エンジン冷却回路C1と、ターボチャージャーガス回路C2の構成部品として用いられる。
具体的には、エンジン7は、所謂ターボチャージャー付きのエンジンであり、エンジン冷却回路C1において、エンジン7の図示しないウォータージャケットから排出された80℃前後の高温なエンジン冷却水は、先ず、接続管19aを介してラジエータ5に導入される。
【0036】
図6に示すように、接続管19aからラジエータ5の入力パイプ5iを介して上流側タンク5aに流入したエンジン冷却水は、コア部5cの各チューブ5nを通過して下流側タンク5bに流入する間にアッパ開口部17及びロア開口部18からコア部5cを通過する車両走行風またはファン6cによる強制風(図9の破線矢印で図示)と熱交換して60℃前後に冷却される。
次に、下流側タンク5bに流入したエンジン冷却水は、下流側タンク5bの出力パイプ5mから排出された後、図10に示す各接続管19b〜19dを介してサーモスタット19e及びポンプ19fを経由して再びエンジン7へ戻されて環流する。
【0037】
また、接続管19bを流通するエンジン冷却水の一部は、接続管19gを介してインタークーラ3に導入される。
【0038】
次に、接続管19gからインタークーラ3の入力パイプ10を介してケース9に流入したエンジン冷却水は、ケース9内を長手方向に流通して、出力パイプ11から排出された後、接続管19hを介して接続管19bと合流する。
なお、図示を省略するが、接続管19hには、エンジン冷却水がケース9側へ逆流するのを防止する逆止弁が介装されている。
【0039】
また、エンジン冷却水の温度が低い間は、サーモスタット19eが閉弁することより、エンジン冷却水の全量が接続管19aからバイパス用接続管19iへ流通してラジエータ5及びケース9を迂回せずにエンジン7との間を環流する。
【0040】
ターボチャージャーガス回路C2において、図外のエアクリーナから導入された吸入空気は、先ず、接続管19jによりターボチャージャー19kのコンプレッサ19mへ導入されて180℃〜200℃に加圧・高温化される。
次に、コンプレッサ19mで加圧・高温化された吸入空気は、接続管19nを介してインタークーラ3に導入される。
【0041】
次に、接続管19nからインタークーラ3の上流側タンク3aに流入した吸入空気の一部は、空冷部3iのチューブ3kを介して下流側タンク3bに流入する間にアッパ開口部17を通過する車両走行風またはファン6cの強制風(図9の破線矢印で図示)と熱交換して冷却される。
一方、上流側タンク3aに流入した吸入空気の残りの一部は、水冷部3jのチューブ8を介して下流側タンク3bに流入する間にケース9内のエンジン冷却水と熱交換して冷却される。
この際、エンジン冷却水と吸入空気の流通方向は対流関係にあるため、熱交換を効率的に行うことができる。
【0042】
次に、空冷部3iと水冷部3jで60℃まで冷却された下流側タンク3b内の吸入空気は、出力パイプ3hから排出された後、図10で示す接続管19o(インテークマニホールド)によりエンジン7の図示しない吸気ポートへ供給される。
これにより、エンジン7の過給効率を高めてエンジン出力を向上できる。
最後に、エンジン7の図示しない排気ポートから排出された排気ガスは、接続管19p(エキゾーストマニホールド)によりターボチャージャー19kへ導入されてタービン19qを駆動した後、接続管19rにより図外の触媒装置やメインマフラー等を介して車外へ排出される。
【0043】
<コンデンサの作動について>
コンデンサ4は、車室内空調用冷凍回路の構成部品として用いられる。
なお、車室内空調用冷凍回路は公知と同様であるため、各構成部品についての詳しい説明は省略するが、空調用コンプレッサ、コンデンサ4、エバポレータ等が環状に接続される蒸気圧縮式冷凍回路である。
【0044】
図6に示すように、空調用コンプレッサ側からコネクタ4eの入力ポート4dを介して上流側タンク4aの室R1に流入した約60℃前後の流通媒体(CO2またはHFC−134a等)は、室R2、室R3をこの順番にターンしながらコア部4cのそれぞれ対応する各チューブ4kを流通する間にアッパ開口部17及びロア開口部18からコア部4cを通過する車両走行風またはファン6cによる強制風(図9の破線矢印で図示)と熱交換された後、室R4に流入する。
【0045】
次に、室R4内の流通媒体は、接続管4hからレシーバタンク4jに流入して図示しない内部構造物により気液分離された後、接続管4iから室R5に流入する。
【0046】
次に、室R5の液体の流通媒体は、コア部4cの室R5,R6に対応する各チューブ4kを流通する間にアッパ開口部17及びロア開口部18からコア部4cを通過する車両走行風またはファン6cによる強制風(図9の破線矢印で図示)と熱交換されることにより、約45℃前後まで過冷却されて室R6に流入する。
【0047】
最後に、室R6内の流通媒体は、接続管4fを介してコネクタ4eの出力ポート4gから図外のエバポレータ側へ排出される。
【0048】
<インタークーラの水冷化について>
ここで、近年、環境を配慮した排気ガスの改善(排気中の未燃焼ガスや有害成分の減少等)とエンジン出力の向上の両立を目的として吸入空気は高圧力・高温化傾向にあり、吸入空気の目標温度を180℃〜200℃(従来は140℃前後、最大42%増)に設定すると、従来のインタークーラでは冷却性能が低く、冷却仕様要求を満たすことができないという問題点があった。
また、バンパアーマチュアの後方側にインタークーラのコア部を配置した場合には、風が当たらないチューブが生じて、冷却性能の低下を招くことが判明しており、インタークーラをバンパアーマチュアの上方または下方にオフセットした位置に配置する必要がある。
この結果、バンパアーマチュアの後方側にデッドスペースが生じる上、周辺部材の設置レイアウトの設計自由度が小さくなるという問題点があった。
【0049】
さらに、インタークーラを通過した高温な風がコンデンサの過冷却部に当たると、過冷却部が高温化されてしまい、コンデンサの冷却性能が低下する虞がある。
【0050】
これらの問題点に対し、実施例1のインタークーラ3は、前述したように、吸入空気を車両走行風またはファン6cの強制風で冷却すると同時に、ケース9内のエンジン冷却水で冷却して、空水冷式の熱交換器として機能し、これによって、インタークーラ3の冷却性能を大幅に向上して高い冷却仕様要求を満足でき、ひいては排気ガスの改善とエンジン出力の向上の両立を実現できる。
また、ケース9内にはエンジン冷却回路C1のエンジン冷却水を流通させるため、簡便且つ安価なシステムで実現でき、実施も容易である。
【0051】
また、水冷部3jをバンパアーマチュア15の後方で上下方向高さが重なった位置に配置したため、バンパアーマチュア15の後方のデッドスペースを有効利用できると同時に、周辺部材の設定レイアウトの設計自由度を拡大できる。
【0052】
また、水冷部3jのエアガイド14によって、インタークーラ3の空冷部3iを通過する高温な風がコンデンサ4の過冷却部4qに当たるのを防止できる。
加えて、ロア開口部18を通過した風をエアガイド14で過冷却部4qに案内して効率良く冷却でき、過冷却部4qが高温化してコンデンサ4の冷却性能が低下するのを防止できる。
【0053】
なお、インタークーラ3に導入されるエンジン冷却水の温度状況にも依るが、水冷部3jの冷却性能を空冷部3iの3倍と算定すると、実施例1のインタークーラ3では従来の空冷式インタークーラの1.5倍の冷却性能の向上を期待でき、吸入空気の目標温度である従来の最大42%増に対応可能である。
また、コア部3cの水冷部3jと空冷部3iの範囲の配分は適宜設定できるが、エンジン冷却回路C1を安定的に機能させ、且つ、実際上の採用を可能にするには、水冷部3jをコア部3cの1/4程度に設定するのが適当である。
即ち、コア部3cにおける水冷部3jの範囲の配分をあまり大きく設定すると、エンジン冷却回路C1の負担が大きくなる。
この結果、ラジエータ5の大型化を招いたり、エンジン冷却水を利用できなくなって専用の冷却回路(サブラジエータ、ポンプ、配管等)を新たに別途設ける必要が生じ、実際上の採用が困難となる。
【0054】
次に、効果を説明する。
以上、説明したように、実施例1の発明では、所定間隔を置いて配置される一対のタンク3a、3bと、両端部がそれぞれ対応するタンク3a、3bに連通接続された複数のチューブ3k,8を有するコア部3cを備える熱交換器において、コア部3cに、チューブ3kの冷却媒体を低温な空気と熱交換させて冷却する空冷部3iと、チューブ8の冷却媒体を低温な水と熱交換させて冷却する水冷部3jを設け、水冷部3jを車両1のバンパアーマチュア15の車両後方側で上下方向高さが重なる位置に配置したため、車両1のバンパアーマチュア15の車両後方側のデッドスペースを有効利用して冷却性能を向上できる。
【0055】
また、熱交換器の後方にコンデンサ4を並設し、水冷部3jをコンデンサ4の過冷却部4qの車両前方側で上下方向高さが重なる位置に配置したため、インタークーラ3の空冷部3iを通過する高温な風がコンデンサ4の過冷却部4qに当たるのを防止でき、過冷却部4qが高温化してコンデンサ4の冷却性能が低下するのを防止できる。
【0056】
また、熱交換器をインタークーラ3としたため、特に冷却性能の向上が急務となっているインタークーラ3の冷却性能を向上でき、好適となる。
【0057】
また、インタークーラ3のコア部4cを通過した風がコンデンサ4の過冷却部4qに当たるのを防止するエアガイド13を備えるため、インタークーラ3のコア部4cを通過した高温な風によるコンデンサ4への悪影響を防止できる。
【実施例2】
【0058】
以下、実施例2を説明する。
実施例2において、実施例1と同様の構成部材については同じ符号を付してその説明は省略し、相違点のみ詳述する。
【0059】
図11は実施例2のエアガイドを説明する図である。
【0060】
図11に示すように、実施例2では、実施例1で説明したインタークーラ3の水冷部3jが省略されて全て空冷部3iで構成される他、両チューブプレート3e,3fの下端付近に、コンデンサ4の蒸発部4pと過冷却部4qとの境目に向かって傾斜状に配置された平板状のエアガイド20が設けられている。
なお、エアガイド13の左右方向両端部はそれぞれ対応するチューブプレート3e,3fに図示しない溶接で固定されている。
【0061】
従って、実施例2では、エアガイド13でインタークーラ3の空冷部3iを通過する高温な風(破線矢印参照)がコンデンサ4の過冷却部4qに当たるのを防止でき、過冷却部4qが高温化してコンデンサ4の冷却性能が低下するのを防止できる。
【0062】
また、仕切り部をコンデンサ4側に設けた場合に比べて、インタークーラ3を搭載しない車種に対してコンデンサ4を共通部品にでき、好適となる。
【0063】
以上、実施例を説明してきたが、本発明は上述の実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても、本発明に含まれる。
例えば、インタークーラの水冷部の上下方向高さ位置はバンパアーマチュアに合わせて設定でき、例えば、空冷部をロア開口部、あるいはアッパ開口部とロア開口部の両方に亘って配置する場合もある。
同様に、エアガイドの後端位置もコンデンサの蒸発部と過冷却部との境目の位置に合わせて設定できる。
【0064】
また、前述した構成部材の詳細な部位の構造は適宜設定でき、例えば、図12に示すように、ケース9を4つの分割体30〜33で構成して組み付けるようにしても良い。
また、インタークーラの空水冷化をオイルクーラに適用することも考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】実施例1の車両用熱交換器が採用された車両の模式図である。
【図2】実施例1のインタークーラの後面図である。
【図3】実施例1のタンクの内部を説明する断面図である。
【図4】図2のS4−S4線における断面図である。
【図5】実施例1のケースを示す分解図(a)と斜視図(b)である。
【図6】実施例1のコンデンサの前面図である。
【図7】ラジエータとファンシュラウドの後方斜視分解図である。
【図8】ラジエータとファンシュラウドの後方斜視図である。
【図9】インタークーラ、コンデンサ、ラジエータの車両搭載状態を説明する図(ファンシュラウドは省略)である。
【図10】実施例1の冷却回路を説明する図である。
【図11】実施例2のエアガイドを説明する図である。
【図12】その他の実施例のケースを説明する図である。
【符号の説明】
【0066】
B1 ボルト
C1 エンジン冷却回路
C2 ターボチャージャーガス回路
D1、D2 ディバイドプレート
1 車両
2 エンジンルーム
3 インタークーラ
3a 上流側タンク
3b 下流側タンク
3c コア部
3d シール部材
3e、3f チューブプレート
3g 入力パイプ
3h 出力パイプ
3i 空冷部
3j 水冷部
3k チューブ
3m、3n フィン
4 コンデンサ
4a 上流側タンク
4b 下流側タンク
4c コア部
4d 入力ポート
4e コネクタ
4f、4h、4i 接続管
4g 出力ポート
4j レシーバタンク
4k チューブ
4n、4o レインフォース
4p 蒸発部
4q 過冷却部
5 ラジエータ
5a 上流側タンク
5b 下流側タンク
5c コア部
5d シール部材
5e、5f チューブプレート
5g 螺子穴
5h、5k 固定部
5i 入力パイプ
5j 挿入穴
5m 出力パイプ
5n チューブ
5o フィン
5p、5q レインフォース
6 ファンシュラウド
6a シュラウド壁
6b シュラウドリング部
6c ファン
6d 挿通穴
6e、6f 固定部
7 エンジン
8 チューブ
9 ケース
10 入力パイプ
11 出力パイプ
11a 第1分割体
11b 第2分割体
12 本体
13 エアガイド
14 挿入部
15 バンパアーマチュア
16 バンパフェイシア
17 アッパ開口部
18 ロア開口部
19a、19b、19c、19d、19g、19h、19i、19j、19n、19o、19p、19q、19r 接続管
19e サーモスタット
19f ポンプ
19k ターボチャージャー
19m コンプレッサ
20 エアガイド
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定間隔を置いて配置される一対のタンクと、
両端部がそれぞれ対応する前記タンクに連通接続された複数のチューブを有するコア部を備える熱交換器において、
前記コア部に、チューブの冷却媒体を低温な空気と熱交換させて冷却する空冷部と、チューブの冷却媒体を低温な水と熱交換させて冷却する水冷部を設け、
前記水冷部を車両のバンパの車両後方側で上下方向高さが重なる位置に配置したことを特徴とする車両用熱交換器。
【請求項2】
請求項1記載の車両用熱交換器において、
前記熱交換器の車両後方側にコンデンサを並設し、
前記水冷部をコンデンサの過冷却部の車両前方側で上下方向高さが重なる位置に配置したことを特徴とする車両用熱交換器。
【請求項3】
請求項2記載の車両用熱交換器において、
前記熱交換器をインタークーラとしたことを特徴とする車両用熱交換器。
【請求項4】
請求項3記載の車両用熱交換器において、
前記インタークーラのコア部を通過した風がコンデンサの過冷却部に当たるのを防止するエアガイドを備えることを特徴とする車両用熱交換器。
【請求項5】
インタークーラの車両後方側にコンデンサが並設された車両用熱交換器において、
前記インタークーラのコア部を通過した風がコンデンサの過冷却部に当たるのを防止するエアガイドを備えることを特徴とする車両用熱交換器。
【請求項1】
所定間隔を置いて配置される一対のタンクと、
両端部がそれぞれ対応する前記タンクに連通接続された複数のチューブを有するコア部を備える熱交換器において、
前記コア部に、チューブの冷却媒体を低温な空気と熱交換させて冷却する空冷部と、チューブの冷却媒体を低温な水と熱交換させて冷却する水冷部を設け、
前記水冷部を車両のバンパの車両後方側で上下方向高さが重なる位置に配置したことを特徴とする車両用熱交換器。
【請求項2】
請求項1記載の車両用熱交換器において、
前記熱交換器の車両後方側にコンデンサを並設し、
前記水冷部をコンデンサの過冷却部の車両前方側で上下方向高さが重なる位置に配置したことを特徴とする車両用熱交換器。
【請求項3】
請求項2記載の車両用熱交換器において、
前記熱交換器をインタークーラとしたことを特徴とする車両用熱交換器。
【請求項4】
請求項3記載の車両用熱交換器において、
前記インタークーラのコア部を通過した風がコンデンサの過冷却部に当たるのを防止するエアガイドを備えることを特徴とする車両用熱交換器。
【請求項5】
インタークーラの車両後方側にコンデンサが並設された車両用熱交換器において、
前記インタークーラのコア部を通過した風がコンデンサの過冷却部に当たるのを防止するエアガイドを備えることを特徴とする車両用熱交換器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−18151(P2010−18151A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−180192(P2008−180192)
【出願日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【出願人】(000004765)カルソニックカンセイ株式会社 (3,404)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【出願人】(000004765)カルソニックカンセイ株式会社 (3,404)
【Fターム(参考)】
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