説明

車両用空調装置

【課題】ウインドガラスの防曇を図りながら、車室内の効率的な暖房を可能とする。
【解決手段】エバポレータ18は、流路68に対応する上段部18Aと、流路70に対応する下段部18Bが一体に形成され、上段部と下段部の間に感応筒76が設けられ、下段部の冷媒吐出側に感応筒78が設けられている。感応筒76、78は感応筒切替バルブ80を介してエキスパンションバルブ16に連結されている。このエアコン10では、流路68に外気が導入され、流路70に内気が導入される内外気二層モードに設定されると、感応筒切替バルブによってエキスパンションバルブと感応筒76とが連通され、上段部の冷媒吐出口近傍以降がSH96Bとなり、ヒータコアによって加熱される内気の冷却が回避される。これにより、ウインドガラスの防曇を図るときに、暖房効率が低下してしまうのを確実に防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関ないし電気モータの駆動によって走行される車両に設けられて、車室内を空調する車両用空調装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両に設けられる空調装置(以下、「エアコン」とする)では、内気ないし外気を導入して、この空気がエバポレータを通過するときに冷凍サイクルを用いて冷却し、また、ヒータコアなどの加熱手段(以下、「ヒータコア」とする)を通過するときに加熱を行うことにより温調して生成した空調風を車室内へ吹き出す。
【0003】
エアコンでは、主にヒータコアによって加熱することにより温調した空調風を、足元吹出し口等から吹き出すことにより、快適な暖房感が得られるようにしている。このときに、車室内の空気を導入する内気循環モードで空調運転を行うことにより、暖房効率の向上が図られる。
【0004】
ところで、内気循環モードで車室内の暖房を行っていると、車室内の湿度が高くなり、ウインドガラスに曇りが生じ易くなる。エアコンでは、このウインドガラスの曇り除去や曇り防止(以下、防曇とする)のために、DEFモード及びFOOT/DEFモードが設定されている。エアコンは、例えば、DEFモードに設定されると、外気を導入すると共に、導入した外気を冷凍サイクルによってさらに除湿して生成した空調風をウインドガラスへ向けて吹き出すようにしている。
【0005】
一方、FOOT/DEFモードで、防曇を図りながら車室内を暖房するときは、温度が低く、かつ、エバポレータを通過することにより冷却された外気を、ヒータコアによって加熱する必要がある。このために、効率的な空気の加熱が困難となり、ハイブリッド車やアイドルストップ制御が行われる車両では、暖房運転が行われているにもかかわらず、十分な暖房能力が確保されずに、乗員に暖房不足感などの不快感を生じさせてしまうことになる。
【0006】
ここから、防曇性と暖房能力を確保するために、外気がエバポレータを経てデフロスタ吹出し口へ案内可能とされた空調風の流路と、内気がヒータコアを経て足元吹出し口へ案内可能とされた空調風の流路とが設けられた内外気二層式のエアコンが用いられる。
【0007】
このようなエアコンとしては、2つの空調風の流路のそれぞれに、冷凍サイクルを循環される冷媒と空気との間で熱交換を行う熱交換器を設け、2つの熱交換器を用いた空気の加熱又は冷却を可能とすると共に、一方の熱交換器のみを用いた空気の冷却又は加熱を可能とする提案がなされている(例えば、特許文献1参照。)。
【0008】
また、2つの流路の一方に配置される第1熱交換部と他方に配置される第2熱交換部を一体に形成した熱交換器及び、第1熱交換部と第2熱交換部の間に切換バルブを設け、第1熱交換部を凝縮器として用いて、第2熱交換部を放熱器として用いることにより、暖房能力に不足が生じるのを防止しながら、除湿を可能とした車両用空調装置の提案がなされている(例えば、特許文献2参照。)。
【0009】
しかしながら、このような内外気二層式の空調装置では、運転モードに応じて冷媒の流路を切換える必要があり、冷凍サイクル等の構成が複雑となる。
【特許文献1】特開平10−67224号公報
【特許文献2】特開2002−264641号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、簡単な構成で、防曇を図りながら効率的な暖房を可能とする車両用空調装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために本発明は、冷凍サイクルによってエバポレータを通過する空気を冷却ないし除湿する冷却手段及び、空気を加熱する加熱手段を備え、導入された空気を冷却ないし加熱することにより生成された空調風を車室内へ吹き出して空調する車両用空調装置であって、外気導入口から導入される外気ないし内気導入口から導入される内気を、前記エバポレータを経てデフロスタ吹出し口へ案内可能とする第1の流路と、前記外気ないし前記内気を前記エバポレータ及び前記加熱手段を経て足元吹出し口へ案内可能とする第2の流路と、前記第1の流路へ前記外気が導入されると共に前記第2の流路へ前記内気が導入される内外気二層モードが選択されたときに、第2の流路に導入された内気が前記エバポレータによって冷却されるのを回避する回避手段と、を含むことを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、車外の空気である外気を第1の流路に導入すると共に、車室内の空気を第2の流路に導入する内外気二層モードが選択されたときに、内気が冷却手段によって冷却されるのを回避して、加熱手段へ案内されるようにしている。
【0013】
これにより、加熱手段によって加熱される前の内気を、冷却手段によって冷却するのを回避できる。
【0014】
したがって、外気によってウインドガラスの確実な曇り除去、曇り防止を可能としながら、暖房効率が低下してしまうのを防止することができる。
【0015】
請求項2に係る発明は、前記エバポレータが、前記第1の流路に対応する第1の冷却部及び、前記第2の流路に対応し前記第1の冷却部を通過した冷媒が送り込まれる第2の冷却部を備えているときに、前記回避手段が、前記第1の冷却部を通過した冷媒温度に基づいて前記エバポレータへの冷媒流量を制御する第1の流量調整手段と、前記第2の冷却部を通過した冷媒温度に基づいて前記エバポレータへの冷媒流量を制御する第2の流量調整手段と、前記内外気二層モードが選択されたときに、前記第1の流量調整手段に切替えて前記エバポレータへの冷媒流量を制御する切替手段と、を含むことを特徴とする。
【0016】
一般に、空調装置では、エバポレータの吐出側の冷媒温度に基づいて、エバポレータへ送り込む冷媒流量を制御することにより、エバポレータから吐出される冷媒が、過熱度(スーパーヒート)を持つガス域となるようにし、エバポレータの全面で効率的な冷却が可能となるようにしている。
【0017】
ここで請求項2の発明では、エバポレータに第1の冷却部と第2の冷却部とが設けられ、第1の冷却部を通過した冷媒が第2の冷却部へ送り込まれるときに、通常は、第2の流量調整手段によってエバポレータへ送り込まれる冷媒流量が調整される。また、内外気二層モードが選択されたときには、第1の流量調整手段によって冷媒流量が調整される。
【0018】
これにより、内外気二層モードが選択されたときに、第2の流路に導入された内気がエバポレータによって冷却されるのが回避される。したがって、ウインドガラスの防曇を図りながら、内気を効率的に加熱することができる。
【0019】
このような本発明においては、前記第1又は前記第2の流量調整手段の少なくもと一方が、冷媒温度に基づいて内部圧力が変化する感応筒と、前記感応筒に連通されて、感応筒の内部圧力の変化に応じて冷媒流量が変化される流量調整弁と、を含むことができる。また、本発明は、前記第1又は前記第2の流量調整手段の少なくもと一方が、冷媒温度を検出する温度検出手段と、前記冷媒流量を制御するアクチュエータと、前記温度検出手段によって検出される前記冷媒温度に基づいて前記アクチュエータの作動を制御する制御手段と、を含むものであっても良い。
【0020】
さらに、本発明は、前記第1又は前記第2の流量調整手段の一方が、冷媒温度に基づいて内部圧力が変化する感応筒と、前記感応筒に連通されて、感応筒の内部圧力の変化に応じて冷媒流量が変化される流量調整弁と、を含み、他方が、冷媒温度を検出する温度検出手段と、前記冷媒流量を制御するアクチュエータと、前記温度検出手段によって検出される前記冷媒温度に基づいて前記アクチュエータの作動を制御する制御手段と、を含むものであっても良い。
【0021】
請求項5に係る発明は、前記回避手段が、前記第2の流路に導入された前記内気を、前記冷却手段をバイパスして前記加熱手段へ案内可能とするバイパス手段であることを特徴とする。
【0022】
この発明によれば、第2の流路に、エバポレータをバイパスするバイパス手段を設け、内外気二層モードが選択されたときに、内気がエバポレータをバイパスして加熱手段に案内されるようにする。
【0023】
これにより、加熱手段によって加熱される内気を、エバポレータで冷却するのを回避できるので、加熱手段による内気の効率的な加熱が可能となる。
【発明の効果】
【0024】
以上説明したように本発明によれば、第1の流路に外気が導入され、第2の流路に内気が導入される内外気二層モードが選択されたときに、第2の流路に導入された内気がエバポレータによって冷却するのを回避する回避手段を設けているので、内気を効率的に加熱することができるという優れた効果が得られる。
【0025】
また、本発明は、第1の冷却部と第2の冷却部とで形成したエバポレータを用いるときに、第1の冷却部を通過した冷媒温度又は第2の冷却部を通過した冷媒温度に基づいて冷媒流量を制御する簡単な構成で、内外気二層モードが選択されたときに、ウインドガラスの防曇を図りながら、内気の加熱効率が低下するのを防止することができる。
【0026】
さらに、本発明は、バイパス手段を設ける簡単な構成で、内外気二層モードが選択されたときに、ウインドガラスの防曇を図りながら、内気の加熱効率が低下するのを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下に、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
〔第1の実施の形態〕
図1及び図2には、第1の実施の形態に係る車両用空調装置(以下、「エアコン10」とする)の概略構成が示されている。なお、エアコン10が設けられる車両としては、内燃機関(エンジン)によって走行されるコンベンショナル車、エンジンと電気モータによって走行されるハイブリッド車であっても良く、また、電気モータによって走行される電気自動車など、任意の構成の車両に適用可能であるが、以下では、エンジンを備えた車両(コンベンショナル車又はハイブリッド車)を例に説明する。
【0028】
図2に示されるように、エアコン10では、圧縮機(コンプレッサ12)、凝縮器(コンデンサ14)、膨張弁(エキスパンションバルブ16)及び、放熱器(エバポレータ18)を含む冷凍サイクルが形成されている。
【0029】
この冷凍サイクルでは、コンプレッサ12が回転駆動されることにより圧縮された冷媒がコンデンサ14へ送られる。コンデンサ14では、車両走行ないし図示しない冷却ファンの駆動によって車両前方側の空気が導入されることにより、この空気と冷媒との間で熱交換が行われて冷媒が冷却される。これにより液化された冷媒が、エバポレータ18へ送られる。エバポレータ18では、液化された冷媒が気化されることにより、エバポレータ18を通過する空気との間で熱交換が行われ、エバポレータ18を通過する空気の冷却ないし除湿がなされる。
【0030】
エキスパンションバルブ16は、冷媒を急激に減圧することにより霧状としてエバポレータ18へ送り込むことにより、エバポレータ18での冷媒の気化効率(エバポレータ18での冷却効率)の向上が図られるようにしている。なお、このような冷凍サイクルの基本的構成は、公知の一般的構成を適用することができる。
【0031】
図1に示されるように、エアコン10は、空調風の流路が形成されたエアコンユニット20及び、空調風の生成に用いる空気を導入するブロワユニット22を備えている。
【0032】
ブロワユニット22には、車外へ向けて開口されて車外の空気(外気)を導入可能とされた外気導入口24及び、車室内へ向けて開口されて車室内の空気(内気)を導入可能とされた内気導入口26が形成され、外気導入口24及び内気導入口26を開閉する切換ドア28が設けられている。また、ブロワユニット22には、ブロワファン30が設けられている。これにより、エアコン10では、ブロワモータ32の駆動によってブロワファン30が回転駆動されたときに、外気ないし内気がブロワユニット22内に導入されて、エアコンユニット20へ送り込まれる。
【0033】
エアコンユニット20には、エバポレータ18が配設されており、ブロワユニット22から送り込まれる空気がエバポレータ18を通過する。このときに、コンプレッサ12が作動されていることにより、エアコン10では、エバポレータ18を通過する空気と冷媒との間で熱交換が行われ、エバポレータ18を通過する空気の冷却及び除湿がなされる。
【0034】
エアコン10は、空調風の吹出し口として、図示しないウインドガラスへ向けて開口されたデフロスタ吹出し口34、車室内の乗員に向けて開口されたレジスタ吹出し口36及び、前席と後席に着座した乗員の足元へ向けて開口された足元吹出し口38が設けられている。
【0035】
エアコンユニット20には、デフロスタ吹出し口34、レジスタ吹出し口36及び、足元吹出し口38のそれぞれが連通されている。また、エアコンユニット20には、デフロスタ吹出し口34、レジスタ吹出し口36及び足元吹出し口38を選択的に開閉するモード切換ドア40(モード切換ドア40A、40B、40C、40D)が設けられている。
【0036】
エアコン10では、空調風の吹出しモードとして、デフロスタ吹出し口34が選択されるDEFモード、レジスタ吹出し口36が選択されるFACEモード、足元吹出し口38が選択されるFOOTモード、レジスタ吹出し口36と足元吹出し口38が選択されるBI−LEVELモード及び、デフロスタ吹出し口34と足元吹出し口38が選択されるFOOT/DEFモードが設定されている。エアコンユニット20では、吹出しモードに応じてモード切換ドア40が作動される。これにより、エアコン10では、吹出しモードに応じた吹出し口から空調風が吹き出される。
【0037】
エアコンユニット20には、ヒータコア42及びエアミックスドア44が設けられている。ヒータコア42には、図示しないエンジンとの間で、冷却液(例えば、冷却水)が循環され、これにより、ヒータコア42を通過する空気が加熱される。このヒータコア42を通過する空気量は、エアミックスドア44によって制御される。
【0038】
エアコン10では、エアミックスドア44によってヒータコア42をバイパスされた空気と、ヒータコア42を通過することにより加熱された空気と、がエアコンユニット20内で混合される。これにより、エアコン40では、エアミックスドア40の開度に応じて、車室内を所望の温度とする空調風が生成される。なお、加熱手段としては、PCTヒータなどの電気ヒータを補助加熱手段として設けても良い。また、エアコン10を電気自動車に設けるときには、加熱手段として、ヒータコア42に換えて電気ヒータ等を適用することができる。
【0039】
一方、図2に示されるように、エアコン10の作動を制御する制御部48に備えられるエアコンECU50は、CPU、ROM、RAM等がバスによって接続されたマイクロコンピュータ、各種の入出力インターフェイス及び駆動回路(何れも図示省略)等を備えた一般的構成となっている。
【0040】
このエアコンECU50には、コンプレッサ12、ブロワモータ32が接続されている。また、エアコン10には、切換ドア28を作動するアクチュエータ52A、モード切換ドア40を作動するアクチュエータ52B及び、エアミックスドア44を作動するアクチュエータ52C等のアクチュエータが設けられており、これらのアクチュエータがエアコンECU50に接続されている。
【0041】
エアコンECU50は、コンプレッサ12の作動(駆動/停止及び冷媒吐出圧など)を制御することにより冷房能力を制御する。これと共に、エアコンECU50は、ブロワモータ32の作動(駆動/停止及び回転数など)を制御することにより空調風の風量であるブロワ風量を制御する。また、エアコンECU50は、アクチュエータ52Aの作動による切換ドア28の制御、アクチュエータ52Bの作動によるモード切換ドア40の制御及び、アクチュエータ52Cの作動によるエアミックスドア44の開度制御を行う。
【0042】
なお、コンプレッサ12は、電気モータ(コンプレッサモータ)によって駆動されるものであっても良く、このときは、エアコンECU50が、コンプレッサモータの駆動/停止及び駆動時の回転数などを制御するものであればよい。また、コンプレッサ12は、エンジンの駆動力によって駆動されるものであっても良く、このときには、エアコンECU50が駆動力の断続及び、駆動時の冷媒吐出圧を制御するなどの公知の一般的構成を適用することができる。
【0043】
エアコン10には、車室内の温度(室温)を検出する室温センサ54、車外の温度(外気温)を検出する外気温センサ56、日射量を検出する日射センサ58、冷却水の温度(水温)を検出する水温センサ60及び、エバポレータ18を通過した空気の温度(エバポレータ後温度)を検出するエバポレータ後温度センサ62等が設けられており、これらがエアコンECU50に接続されている。
【0044】
エアコンECU50では、これらのセンサによって車室内を空調するときの環境条件、運転状態を検出すると共に、図示しない操作パネルから入力される運転条件に基づいて、車室内が設定温度となるように空調運転を行う。
【0045】
このときに、エアコンECU50では、設定温度、室温、外気温、日射量等に基づいて、車室内を設定温度とするための空調風の温度である目標吹出し温度を設定し、設定した目標吹出し温度の空調風が得られるように暖房能力及び冷房能力を制御する。また、エアコンECU50は、オートモードでの空調運転が設定されていると、目標吹出し温度に基づいてブロワ風量、空調風の吹出しモード等の運転条件を設定し、設定した運転条件での空調運転を行う。なお、このようなエアコンECU50によるエアコン10の空調運転の制御の基本的構成は、公知の一般的構成を適用でき、ここでは詳細な説明を省略する。
【0046】
ところで、図1に示されるように、エアコン10では、ブロワファン30の一例として、遠心式ファンが用いられている。このブロワファン30は、軸方向の中間部で、第1ファン30Aと第2ファン30Bとに仕切られている。これにより、ブロワユニット22では、第1ファン30Aが、図1の紙面上方側から空気を吸引し、第2ファン30Bが紙面下方側から空気を吸引する。なお、以下では、図1の紙面上方側をエアコンユニット20及びブロワユニット22の上部側とし、図1の紙面下方側を下部側として説明する。これにより、ブロワファン30は、上部側が第1ファン30A、下部側が第2ファン30Bとなっている。
【0047】
ブロワユニット22には、ブロワファン30の第1ファン30Aを囲うように仕切り壁64が設けられている。この仕切り壁64は、ブロワユニット22内を第1ファン30A側の上部側と第2ファン30B側の下部側とに仕切りように形成されている。
【0048】
また、ブロワユニット22には、上部側に外気導入口24が形成されている。また、ブロワユニット22には、内気導入口26として、ブロワファン30の側方の内気導入口26Aと、ブロワファン30の上方側で外気導入口24に隣接された内気導入口26Bとが形成され、切換ドア28として、内気導入口26Aを開閉する切換ドア28Aと、外気導入口24と内気導入口26Bを選択的に開閉する切換ドア28Bとが設けられている。
【0049】
切換ドア28Aは、内気導入口26Aを開いた状態で、仕切り壁64との間でブロワユニット22内を上下に仕切るようになっている。これにより、内気導入口26Aが開かれた状態では、第1ファン30Aによって外気導入口24ないし内気導入口26Bから空気(外気ないし内気)が導入され、第2ファン30Bによって内気導入口26Aから空気(内気)が導入される。また、内気導入口26Aが閉じられた状態では、第1ファン30A及び第2ファン30Bによって外気導入口24ないし内気導入口26Bから空気(外気ないし内気)が導入される。
【0050】
エアコン10は、この切換ドア28A、28Bによる外気導入口24及び内気導入口26(26A、26B)の開閉が制御されることにより、導入される空気量に対する内気の比率である内気導入率を100%から0%(外気導入率を0%から100%)の間で段階的に調整可能となっている。
【0051】
これによりエアコン10では、外気導入口24から外気のみを導入する外気導入モード(内気導入率0%)、内気導入口26A、26Bから内気のみを導入する内気循環モード(内気導入率100%)に加え、第1ファン30Aで外気を導入し、第2ファン30Bで内気を導入する内外気二層モードでの空調運転が可能となっている。
【0052】
一方、エアコンユニット20とブロワユニット22の間には、空気の流路を仕切るセパレータ66が設けられている。このセパレータ66は、エバポレータ18とブロワファン30との間に設けられて、第1ファン30Aによって導入された空気を、エバポレータ18の上部側に案内し、第2ファン30Bによって導入された空気をエバポレータ18の下部側に案内するように配置されている。
【0053】
エアコンユニット20には、エバポレータ18の上部側に隣接してデフロスタ吹出し口34が連通され、エバポレータ18の下部側に隣接してヒータコア42が配置され、さらに、このヒータコア42の近傍に足元吹出し口38が連通されている。また、エアコンユニット20には、エアミックスドア44として、エバポレータ18の上部側に対向するエアミックスドア44Aと、エバポレータ18の下部側に対向するエアミックスドア44Bが設けられている。
【0054】
エアコン10では、エアミックスドア44Aが閉じられる(例えば、図1で破線又は二点鎖線で示す位置)ことにより、エバポレータ18の上部側とデフロスタ吹出し口34とが連通可能となり、外気導入口24からエバポレータ18を経て、デフロスタ吹出し口34へ至る第1の流路となる流路68が形成される。
【0055】
また、エアコン10では、エアミックスドア44Bが開かれる(例えば、図1で破線又は実線で示す位置)ことにより、内気導入口26Aからエバポレータ18の下部側及びヒータコア42を経て足元吹出し口38へ至る第2の流路となる流路70が形成される。
【0056】
これにより、エアコン10では、内外気二層モード及びFOOT/DEFモードに設定されたときに、外気導入口24から導入される外気を、エバポレータ18を経てデフロスタ吹出し口34からウインドガラスへ向けて吹き出し、ウインドガラスの防曇を図りながら、内気導入口26Aから導入される内気を、ヒータコア42によって加熱して足元吹出し口38から吹き出すことにより、車室内の効率的な暖房が可能となるようにしている。
【0057】
なお、図1では、エアミックスドア44A,44Bの全閉状態(Max Cool)を二点鎖線で示し、全開状態(Max Hot)を実線で示している。また、エアコン10では、内外気二層モードが選択されたときに、エアミックスドア44A、44Bを半開(図1の破線で示す)とされ、これにより、流路68を通過した外気が、デフロスタ吹出し口34へ案内可能とされると共に、流路70を通過した内気がヒータコア42へ案内される。
【0058】
一方、図1及び図3(A)に示されるように、本実施の形態に適用したエバポレータ18は、上部側(以下、上段部18Aとする)と下部側(以下、下段部18Bとする)に分割された二層構造となっている。図1に示されるように、エバポレータ18は、上段部18Aが流路68側に配置され、下段部18Bが流路70側に配置されている。
【0059】
これにより、エアコン10では、内外気二層モードが選択されていると、外気導入口24から導入された外気が上段部18Aを通過し、内気導入口26Aから導入された内気が下段部18Bを通過する。
【0060】
図3(A)及び図3(B)に示されるように、エバポレータ18では、上段部18Aにコンデンサ14で冷却されて液化された冷媒が、エキスパンションバルブ16を介して送り込まれ、上段部18Aを通過した冷媒が、冷媒パイプ72を介して下段部18Bへ送り込まれ、下段部18Bを通過した冷媒が、冷媒パイプ74を介してコンプレッサ12へ戻されるようになっている。
【0061】
第1の実施の形態に適用したエバポレータ18には、上段部18Aと下段部18Bを連結する冷媒パイプ72に感応筒76が設けられ、冷媒パイプ74の下段部18A側に感応筒78が設けられている。感応筒76は、冷媒パイプ72内の冷媒の温度に応じて内部圧力が変化し、感応筒78は、冷媒パイプ74内の冷媒の温度に応じて内部圧力が変化する。
【0062】
また、エアコン10には、感応筒切替バルブ80が設けられている。冷媒パイプ72の感応筒76は、パイプ82Aを介して感応筒切替バルブ80に連結され、冷媒パイプ74の感応筒78は、パイプ82Bを介して感応筒切替バルブ80に連結されている。また、感応筒切替バルブ80は、パイプ82Cを介してエキスパンションバルブ16に連結されている。
【0063】
この感応筒切替バルブ80は、パイプ82Aとパイプ82C又はパイプ82Bとパイプ82Cとで連通状態を切替える。これにより、感応筒76又は感応筒78の内部圧力の変化が、エキスパンションバルブ18に伝達される。
【0064】
図3(B)に示されるように、エキスパンションバルブ16は、ダイアフラム84が設けられた一般的構成の感熱式膨張弁となっている。また、エキスパンションバルブ16では、ニードル弁86とダイアフラム84がロッド88によって連結され、ニードル弁86が、プレッシャスプリング90の付勢力によってオリフィス92を閉塞する方向へ付勢されている。
【0065】
エキスパンションバルブ16は、感応筒切替バルブ80側の圧力が高くなると、ダイアフラム84によってニードル弁86がプレッシャスプリング90の付勢力に抗して押下げられる。これにより、エキスパンションバルブ16では、オリフィス92が開かれて、冷媒流量が増加される。
【0066】
また、エキスパンションバルブ16は、感応筒切替バルブ80側の圧力が低くなると、ニードル弁86がプレッシャスプリング90の付勢力で押し上げられる。これにより、エキスパンションバルブ16では、オリフィス92が狭められて、冷媒流量が絞られる。
【0067】
図2に示されるように、エアコン10には、感応筒切替バルブ80を作動するアクチュエータ94が設けられており、このアクチュエータ94が、エアコンECU50に接続されている。エアコンECU50は、アクチュエータ94の作動を制御することにより、感応筒切替バルブ80による、エキスパンションバルブ16と感応筒76とを連通する状態又は、エキスパンションバルブ16と感応筒78とを連通する状態、を切替える。これにより、エキスパンションバルブ16は、感応筒76又は感応筒78での圧力変化に応じて冷媒流量を制御する。
【0068】
エアコンECU50は、空気の導入モードが内外気二層モードとなっているときに、感応筒76とエキスパンションバルブ18のダイアフラム84とが連通されるように切替える。これにより、エアコン10では、外気導入モード及び内気循環モードなどの内外気二層モード以外では、感応筒78とダイアフラム84が連通されて、感応筒76の内部圧力に応じて冷媒流量が制御される。
【0069】
また、エアコン10では、内外気二層モードが選択されていると、感応筒76とダイアフラム84とが連通状態とされ、感応筒76の内部圧力に基づいて冷媒流量が制御される。
【0070】
ここで、感応筒切替バルブ80によってエキスパンションバルブ16と感応筒78とが連通された状態では、エバポレータ18(下段部18B)を通過した冷媒が、過熱度(スーパーヒート)を持つガス域となるように、エキスパンションバルブ16による冷媒の流量制御が行われる。これにより、図3(B)に示されるように、下段部18Bの冷媒吐出側近傍から、冷媒が過熱度もつガス域(SH96A)となる。
【0071】
これに対して、感応筒切替バルブ80によってエキスパンションバルブ16と感応筒76とが連通された状態では、上段部18Aを通過した冷媒が過熱度を持つガス域となるように、エキスパンションバルブ16による冷媒の流量制御が行われる。これにより、上段部18Aの吐出側近傍以降が、冷媒が過熱度を持つガス域(SH96B)となり、エバポレータ18の下段部18Bでの空気の冷却が停止状態となる。
【0072】
したがって、エアコン10では、内外気二層モードが選択されていると、流路68に沿って案内されてエバポレータ18の上段部18Aを通過する外気のみが冷却されるようにし、流路70に沿って案内されてエバポレータ18の下段部18Bを通過する内気が冷却されない状態でヒータコア42へ送り込まれるようにしている。
【0073】
以下に、第1の実施の形態の作用を説明する。
【0074】
エアコン10では、空調運転を行うときに、暖房負荷、冷房負荷などに基づいて、コンプレッサ12の駆動制御、エアミックスドア44の開度制御、ブロワ風量制御などを行い、車室内が設定された空調状態(例えば、設定温度)となるように空調運転を行う。
【0075】
一方、エアコン10では、暖房運転が行われるときに、暖房負荷が大きいと空気の導入モードを内気循環モードとすることにより、効率的な暖房が可能となる。また、エアコン10では、例えば、エアミックスドア44が最大開度(Max Hot)とされた状態で、FOOTモード又はFOOT/DEFモードであるとき、又は、これに加えて、車速が所定値以上となっているときなどのように予め設定された条件での暖房運転が行っていると、導入モードを内外気二層モードとして、内気循環を行いながら湿度の低い外気を導入することにより、ウインドガラスの曇りを抑えながら、暖房能力が確保されるようにしている。
【0076】
ところで、内外気二層式となっているエアコン10では、エバポレータ18が上段部18Aと下段部18Bとが一体となった二段式となっている。また、エアコン10では、上段部18Aと下段部18Bの間に感応筒76を設け、下段部18Bの冷媒吐出側に感応筒78を設けて、感応筒76、78を感応筒切替バルブ80によって切替えて、エキスパンションバルブ16に連結する。
【0077】
これにより、エアコン10では、流路68、70を通過する空気のそれぞれを冷却するか、一方の流路68を通過する空気のみを冷却するかの切替えが可能となり、暖房運転時に、暖房効率の低下を抑えながら、車室内の湿度上昇の防止、防曇を図ることができるようになっている。
【0078】
ここで、図4を参照しながら、エアコンECU50での暖房運転時の導入モード及び感応筒切替バルブ80による感応筒切替制御の概略を説明する。なお、図4の処理は、図示しないイグニッションスイッチがオンされかつ、例えば、オートモードでの空調運転の開始が指示されることにより実行される。また、この処理は、エアコン10の暖房運転時に実行されるものであればよい。
【0079】
このフローチャートでは、最初のステップ200でエアコン10のウォームアップ中か否かを確認する。エアコン10では、例えば、外気温や室温に比べて設定温度が高いと暖房モードでの空調運転が設定される。また、エアコン10は、暖房モードで空調運転が行われるときに、空調風の吹出しモードとして、FOOTモード、BI−LEVELモード又はFOOT/DEFモードの何れかが選択される。さらに、エアコン10では、暖房モードでの空調運転を開始するときに、このときに、冷却水の水温が低いと(例えば、水温が予め設定された最低水温以下であるとき)、ウォームアップを行う。
【0080】
このウォームアップは、例えば、ブロワファン30を停止し、エンジンの暖機運転によって冷却水の水温が所定の温度(例えば、前記した最低水温)まで上昇すると、最少風量となるようにブロワファン30を回転駆動する。この後、エアコン10では、冷却水の水温の上昇に合わせてブロワ風量が増加するようにブロワファン30を駆動する。
【0081】
そして、冷却水の水温が、所定の暖房能力を確保できる温度まで上昇すると、ウォームアップを終了し、例えば、目標吹出し温度に基づいたブロワ風量で空調運転(暖房運転)を行う。
【0082】
ここで、エアコンECU50は、ウォームアップ中であると、ステップ200で肯定判定してステップ202へ移行する。このステップ202では、空気の導入モードを内外気二層モードに設定する。これによりエアコン10では、切換ドア28Aによって内気導入口26Aが開かれると共に、切換ドア28Bによって外気導入口24が開かれ、内気導入口26Bが閉じられる。このときに、エアコンECU50では、エアミックスドア44を半開状態とすることにより、外気導入口24からデフロスタ吹出し口34へ至る流路68及び、内気導入口26Aからヒータコア42を経て足元吹出し口38へ至る流路70を形成する。
【0083】
次のステップ204では、感応筒切替バルブ80を作動して、エキスパンションバルブ16とエバポレータ18の上段部18Aの吐出側に設けている感応筒76とが連通されるようにする。
【0084】
エアコン10では、例えば、エバポレータ18を通過した空気の温度(エバポレータ後温度)が、所定の温度(例えば、上段部18Aのエバポレータ後温度が0°C)を超えているときなどの、予め設定されている条件でコンプレッサ12を駆動して、エバポレータ18を通過する空気の冷却及び除湿を行う。
【0085】
このときに、エバポレータ18では、上段部18Aと下段部18Bの間の冷媒パイプ72に設けている感応筒76とエキスパンションバルブ16とが連通されていることにより、エキスパンションバルブ16は、上段部18Aを通過した冷媒温度に基づいて冷媒流量を制御する。
【0086】
これにより、エアコン10では、エバポレータ18の上段部18Aを通過する外気の冷却及び除湿が行われる。また、エバポレータ18では、下段部18BがSH96B(スーパーヒートのガス域)となるので、エアコン10では、下段部18Aを通過する内気が冷却されずにヒータコア42へ送られる。
【0087】
したがって、コンプレッサ12が駆動されていても、ヒータコア42によって加熱される内気が、エバポレータ18で冷却されていないので、エアコン10では、ヒータコア42によって内気を効率的に加熱して、この加熱した空調風によって車室内を暖房することができる。なお、コンプレッサ12が停止されているときには、内気に比べて湿度が低い外気がそのまま車室内へ吹き出されるので、この外気を用いたウインドガラスの曇り除去、曇り防止、車室内の湿度上昇の防止が可能となる。
【0088】
このように、エアコン10では、内外気二層モードを選択したときに、内気をエバポレータ18によって冷却することなくヒータコア42で加熱するので、暖房能力を低下させることなく、エバポレータ18の上段部18Aを通過した空調風によって車室内の湿度上昇、ウインドガラスの曇りなどの確実な防止を図ることができる。
【0089】
一方、エアコンECU50は、ウォームアップが終了するとステップ200で否定判定してステップ206へ移行する。このステップ206では、空気の導入モードを外気導入モードに設定する。これにより、エアコン10では、切換ドア28A、28Bによって内気導入口26A、26Bが閉じられると共に、外気導入口24が開かれて、ブロワユニット22内に外気が導入される。
【0090】
また、エアコンECU50は、次のステップ208で感応筒切替バルブ80を作動させて、下段部18Aの出側の感応筒78とエキスパンションバルブ16のダイアフラム84とを連通するように切替えて処理を終了する。
【0091】
これにより、エアコン10では、コンプレッサ12が作動したときに、エバポレータ18の全域(上段部18Aと下段部18Bの双方)を用いて、空調風の除湿を行うことができる。また、コンプレッサ12が停止していても、外気が導入されていることにより、暖房中の車室内の湿度上昇を抑えて、ウインドガラスの曇りを確実に防止することができる。
〔第2の実施の形態〕
次に本発明の第2の実施の形態を説明する。なお、第2の実施の形態の基本的構成は、前記した第1の実施の形態と同様であり、第2の実施の形態において第1の実施の形態と同一の部品には、同一の符号を付与してその説明を省略する。
【0092】
図6(A)には、第2の実施の形態に係るエアコン10Aにおけるエバポレータ18の近傍の概略構成を示している。エアコン10Aでは、エキスパンションバルブ16に換えて、エキスパンションバルブ100を設けている。
【0093】
図6(B)に示されるように、エキスパンションバルブ100は、ニードル弁86及びロッド88が形成されたアジャスタブルスクリュー102を備えている。エキスパンションバルブ100は、アジャスタブルスクリュー102が、ダイアフラム84によってニードル弁86がオリフィス92を開く方向及び閉塞方向へ移動可能となっている。
【0094】
また、図6(A)及び図6(B)に示されるように、エキスパンションバルブ100は、アジャスタブルスクリュー102を操作するアクチュエータユニット104が設けられている。図6(B)に示されるように、アクチュエータユニット104は、例えば、ステッピングモータなどのアクチュエータ106と、ギアユニット108等を含んで構成されている。
【0095】
ギアユニット108は、エキスパンションバルブ100内に挿入されたロッド110の先端にフランジ112が形成されており、このフランジ112とニードル弁86との間に、プレッシャスプリング90が配設されている。これにより、エキスパンションバルブ100では、ダイアフラム84に生じる圧力差によってニードル弁86が、冷媒流量を増加する方向及び冷媒流量を絞る方向へ移動可能となっている。
【0096】
また、アクチュエータユニット104は、アクチュエータ106の駆動によってロッド110が軸移動されるようになっている。これにより、エキスパンションバルブ100では、ダイアフラム84に生じる圧力差にかかわらず、ニードル弁86が、冷媒流量の増加方向及び冷媒流量が絞られる方向へ移動可能となっている。
【0097】
一方、図6(A)及び図6(B)に示されるように、エアコン10Aでは、エバポレータ18の上段部18Aと下段部18Bとの間の冷媒パイプ72に、冷媒温度センサ114が設けられている。また、エアコン10Aでは、下段部18Bの冷媒吐出側に設けている感応筒78が、パイプ82Bを介してエキスパンションバルブ100に連通されている。
【0098】
これにより、エキスパンションバルブ100は、下段部18Bから吐出される冷媒温度に応じた感応筒78内の圧力変化で、冷媒流量の制御が可能となっている。このときには、図6(B)に示される下段部18Aの吐出口近傍以降が、SH96Aとなるように冷媒流量が制御される。
【0099】
図5に示されるように、エアコン10Aの制御部48Aに設けられているエアコンECU50Aには、アクチュエータユニット104のアクチュエータ106及び、冷媒温度センサ114が接続されている。これにより、エアコンECU50Aは、アクチュエータ106の駆動により、エバポレータ18へ送り込む冷媒流量の制御及び、エバポレータ18の上段部18Aを通過した冷媒温度の検出が可能となっている。
【0100】
エアコンECU50Aでは、暖房運転時であっても、外気導入モード及び内気循環モードであるときには、アジャスタブルスクリュー102が予め設定された原位置となるように保持する。このときのエキスパンションバルブ100は、感応筒78内の圧力変化に応じて、エキスパンションバルブ100での冷媒流量制御が行われる。
【0101】
また、エアコンECU50Aでは、暖房運転時に、内外気二層モードに設定されると、冷媒温度センサ114によって検出される冷媒温度に基づいてアクチュエータ106を制御する。このときに、エアコンECU50Aは、エバポレータ18の上段部18Aの吐出口以降が、過熱度を持つガス域SH96B(図6(B)参照)となる冷媒流量が得られるように、アクチュエータ106を作動する。
【0102】
このような制御は、例えば、冷媒温度センサ114によって検出される冷媒温度が低いときに、冷媒流量を絞るようにアクチュエータ106を作動し、冷媒温度センサ114によって検出される冷媒温度の変化がなくなるようにする、などの構成を適用することができる。
【0103】
このように構成されているエアコン10Aでは、内外気二層モードが選択されたときに、外気をエバポレータ18で冷却して、デフロスタ吹出し口34へ案内可能となり、エバポレータ18で冷却していない内気をヒータコア42へ案内可能となっている。
【0104】
ここで、第2の実施の形態の作用として、図7を参照しながら、エアコンECU50Aでの制御の一例を説明する。このフローチャートは、前記した図4と同様に、最初のステップ200では、エアコン10Aがウォームアップ中か否かを確認し、ウォームアップ中であると、ステップ200で肯定判定してステップ202へ移行し、空気の導入モードを内外気二層モードに設定する。
【0105】
この後、ステップ210では、冷媒温度センサ114によって検出される冷媒温度に基づいてアクチュエータ106を作動することにより、エキスパンションバルブ100での冷媒流量制御を行う。
【0106】
これにより、エアコン10Aでは、外気導入口24から導入された外気がデフロスタ吹出し口34からウインドガラスへ向けて吹出し可能となる。また、コンプレッサ12が駆動されているときには、外気がエバポレータ18の上段部18Aを通過するときに冷却、除湿がなされる。したがって、ウインドガラスの確実な防曇が可能となる。
【0107】
また、エアコン10Aでは、内気導入口26Aから導入された内気が、エバポレータ18の下段部18Bを通過しても、冷却されてしまうことなくヒータコア42で加熱される。これにより、エアコン10Aでは、暖房効率を低下させてしまうことがなく、空調風の効率的な加熱が可能となる。
【0108】
一方、ウォームアップが終了していると、ステップ200で否定判定されてステップ206へ移行する。このステップ206では、空気の導入モードを外気導入モードに設定し、ステップ212では、エキスパンションバルブ100のアクチュエータ106によるニードル弁86の操作を終了する。すなわち、エキスパンションバルブ100内のフランジ112を原位置に戻して保持するようにアクチュエータ106を作動する。
【0109】
これにより、エアコン10Aでは、エバポレータ18の略全域(上段部18Aと下段部18Bの略全域)が、冷媒の飽和蒸気状態となるように、エキスパンションバルブ100による冷媒流量の制御が行われる。
【0110】
なお、第2の実施の形態では、上段部18Aから吐出される冷媒温度を冷媒温度センサ114によって検出し、下段部18Bの冷媒吐出口の近傍に感応筒78を設けたが、この構成に限らず、上段部18Aの冷媒吐出側に感応筒76を設け、下段部18Bかた吐出される冷媒温度を冷媒温度センサによって検出して、エバポレータ18への冷媒流量を制御するものであっても良い。
〔第3の実施の形態〕
次に本発明の第3の実施の形態を説明する。なお、第3の実施の形態の基本的構成は、前記した第2の実施の形態と同様であり、第3の実施の形態において、第1又は第2の実施の形態と同一の部品には、同一の符号を付与してその説明を省略する。
【0111】
図9(A)には、第3の実施の形態に係るエアコン10Bにおけるエバポレータ18近傍の概略構成を示している。このエアコン10Bには、エキスパンションバルブ120が設けられている。
【0112】
図9(B)に示されるように、エキスパンションバルブ120は、アジャスタブルスクリュー122を備えている。アジャスタブルスクリュー122は、ニードル弁86及びロッド88を含んで形成されており、ニードル弁86がプレッシャスプリング90によってオリフィス92を閉塞する方向へ付勢されている。
【0113】
また、図9(A)及び図9(B)に示されるように、エキスパンションバルブ120には、アクチュエータユニット104が設けられている。図9(B)に示されるように、エキスパンションバルブ120では、ロッド88がアクチュエータユニット104のギアボックス108に連結されている。これにより、エキスパンションバルブ120では、アクチュエータ106の駆動によって、ニードル弁86がオリフィス92を閉塞する方向及び開放する方向へ移動操作されるようになっている。
【0114】
一方、図9(A)及び図9(B)に示されるように、エアコン10Bでは、エバポレータ18の上段部18Aと下段部18Bの間の冷媒パイプ72に冷媒温度センサ114が設けられている。また、エアコン10Bでは、下段部18Bの冷媒吐出口側に、下段部18Bから吐出される冷媒の温度を検出する冷媒温度センサ124が設けられている。
【0115】
図8に示されるように、エアコン10Bの制御部48Bに設けられているエアコンECU50Bには、冷媒温度センサ114と共に冷媒温度センサ124が接続されている。これにより、エアコンECU50Bは、上段部18Aから吐出される冷媒温度及び、下段部18Bから吐出される冷媒温度の検出が可能となっている。
【0116】
また、エアコンECU50Bには、アクチュエータユニット104のアクチュエータ106が接続されており、エアコンECU50Bでは、冷媒温度センサ114又は冷媒温度センサ124によって検出される冷媒温度に基づいて、エキスパンションバルブ120を用いた冷媒流量制御を行う。
【0117】
ここで、エアコンECU50Bでは、暖房運転時に内外気二層モードが選択されると、上段部18Aと下段部18Bの間に設けている冷媒温度センサ114によって検出される冷媒温度に基づいてアクチュエータ106を作動する。このときに、エアコンECU50Bでは、上段部18Aの全域が冷媒の飽和蒸気状態となるように冷媒流量を制御する。これにより、エバポレータ18が、図9(B)に示される上段部18Aの吐出口側近傍から過熱度を持つガス域HS96Bとなるようにしている。
【0118】
また、エアコンECU50Bでは、暖房運転時であっても、外気導入モード又は内気循環モードが選択されていると、下段部18Bの冷媒吐出側に設けている冷媒温度センサ124によって検出される冷媒温度に基づいてアクチュエータ106を作動する。このときに、エアコンECU50Bでは、エバポレータ18の略全域(上段部18A及び下段部18Bの略全域)が冷媒の飽和蒸気状態となるように冷媒流量を制御する。これにより、エバポレータ18が、図9(B)に示される下段部18Bの吐出口近傍から過熱度を持つガス域96Aとなるようにしている。
【0119】
このように構成されているエアコン10Bにおいても、前記したエアコン10、10Aと同様に、内外気二層モードが選択されたときに、外気をエバポレータ18で冷却してデフロスタ吹出し口34へ案内可能となり、エバポレータ18で冷却しない内気をヒータコア42へ案内可能としている。
【0120】
ここで、第3の実施の形態の作用として、図10を参照しながら、エアコンECU50Bでの制御の一例を説明する。このフローチャートは、前記した図4、図7と同様に、最初のステップ200では、エアコン10Aがウォームアップ中か否かを確認し、ウォームアップ中であると、ステップ200で肯定判定してステップ202へ移行し、空気の導入モードを内外気二層モードに設定する。
【0121】
この後、ステップ220では、冷媒温度センサ114を用い、エバポレータ18の上段部18Aから吐出される冷媒温度に基づいてアクチュエータ106を作動することにより、エキスパンションバルブ120での冷媒流量制御を行う。
【0122】
これにより、エアコン10Bにおいても、エアコン10、10Aと同様に、外気導入口24から導入された外気がデフロスタ吹出し口34からウインドガラスへ向けて吹出し可能となる。また、エアコン10Bでも、コンプレッサ12が駆動されているときには、外気がエバポレータ18の上段部18Aを通過するときに冷却、除湿がなされる。したがって、ウインドガラスの確実な防曇が可能となる。
【0123】
また、エアコン10Bでは、内気導入口26Aから導入された内気が、エバポレータ18の下段部18Bを通過しても、冷却されてしまうことなくヒータコア42で加熱される。これにより、エアコン10Bでは、暖房効率を低下させてしまうことがなく、空調風の効率的な加熱が可能となる。
【0124】
一方、ウォームアップが終了していると、ステップ200で否定判定されてステップ206へ移行する。このステップ206では、空気の導入モードを外気導入モードに設定し、ステップ222では、エキスパンションバルブ120のアクチュエータ106を制御するときの基準とする冷媒温度を、エバポレータ18の下端部18Bから吐出される冷媒温度に切換える。すなわち、冷媒温度センサ124を用い、エバポレータ18の下段部18Bから吐出される冷媒温度に基づいてアクチュエータ106を作動することにより、エキスパンションバルブ120での冷媒流量制御を行う。
【0125】
これにより、エアコン10Bでは、エバポレータ18の略全域(上段部18Aと下段部18Bの略全域)が、冷媒の飽和蒸気状態となるように、エキスパンションバルブ100による冷媒流量の制御が行われる。
〔第4の実施の形態〕
次に本発明の第4の実施の形態を説明する。なお、第4の実施の形態の基本的構成は、前記した第1の実施の形態と同じであり、第4の実施の形態において第1の実施の形態と同一の部品には、同一の符号を付与してその説明を省略する。
【0126】
図11には、第4の実施の形態に係るエアコン10Cの概略構成が示されている。このエアコン10Cは、ブロワユニット22に、エアコンユニット20Aが連結されて構成されている。
【0127】
エアコンユニット20Aには、エバポレータ18に換えて、上下に分割されていない一般的構成のエバポレータ130を備えている。なお、エバポレータ130には、冷媒の吐出側に感応筒が設けられ、この感応筒(図示省略)がエキスパンションバルブ16(図11参照)に連通され、エバポレータ130から吐出される冷媒温度に基づいた流量制御がなされるようになっている。
【0128】
このエバポレータ130は、エアコンユニット20Aの上部側に偏寄して配設されている。これにより、エアコンユニット20Aでは、エバポレータ130の下部側に、エバポレータ130をバイパス可能な空気の通路が形成されている。
【0129】
また、エアコンユニット20Aには、スペーサ66の下側のエバポレータ130に対向して流路切換ドア132が設けられている。この流路切換ドア132は、エバポレータ130のブロワユニット22側に設けられており、
この流路切換ドア132は、第2ファン30Bによって導入された空気を、エバポレータ130を通過するように案内する位置(図11に実線で示す、以下、全開位置とする)と、エバポレータ130をバイパスするように案内する位置(図11に二点鎖線で示す、以下、全閉位置とする)と、を取り得るようになっている。
【0130】
これにより、エアコン10Cでは、流路切換ドア132が全開位置となったときに、第2ファン30Bによって導入された空気が、エバポレータ130を通過せずにヒータコア42へ案内される流路70Aが形成される。
【0131】
図12に示されるように、エアコン10Cに設けている制御部48CのエアコンECU50Cには、流路切換ドア132を作動するアクチュエータ134が接続されている。エアコンECU50Cは、このアクチュエータ134の作動を制御することにより、流路切換ドア132の開閉操作を行う。
【0132】
このエアコンECU50Cでは、空気の導入モードが内気循環モードや外気導入モードなどの内外気二層モード以外に設定されていると、流路切換ドア132を全閉位置とする。また、エアコンECU50Cは、内外気二層モードが選択されると、アクチュエータ134を作動して流路切換ドア132を全開とする。これにより、エアコン10Cでは、内外気二層モードが選択されると、内気導入口26Aから導入された内気が、エバポレータ130をバイパスしてヒータコア42へ案内されるようになっている。
【0133】
ここで、第4の実施の形態の作用として、図13を参照しながら、エアコンECU50Cでの制御の一例を説明する。このフローチャートは、前記した図4、図7、図10と同様に、最初のステップ200では、エアコン10Aがウォームアップ中か否かを確認し、ウォームアップ中であると、ステップ200で肯定判定してステップ202へ移行し、空気の導入モードを内外気二層モードに設定する。
【0134】
この後、ステップ230では、アクチュエータ134を作動することにより、流路切換ドア132を全開とする。これにより、エアコン10Cでは、外気導入口24から導入された外気がデフロスタ吹出し口34からウインドガラスへ向けて吹出し可能となる。また、エアコン10Cでは、コンプレッサ12が駆動されていると、外気がエバポレータ130を通過するときに冷却、除湿がなされる。したがって、エアコン10Cでは、ウインドガラスの確実な防曇が可能となる。
【0135】
また、エアコン10Cでは、内気導入口26Aから導入された内気が、流路切換ドア132によってエバポレータ130をバイパスされてヒータコア42へ案内される。これにより、内気導入口26Aから導入される内気が、エバポレータ130によって冷却されてしまうことなくヒータコア42で加熱されるため、暖房効率が低下してしまうことがない。したがって、エアコン10Cにおいても、空調風の効率的な加熱が可能となる。
【0136】
一方、ウォームアップが終了していると、ステップ200で否定判定されてステップ206へ移行する。このステップ206では、空気の導入モードを外気導入モードに設定する。これと共に、ステップ232では、アクチュエータ134を作動することにより、流路切換ドア132を全閉とする。
【0137】
これにより、エアコン10Cでは、コンプレッサ12が駆動されたときに、エバポレータ130で冷却ないし除湿した空調風の生成が可能となっている。
【0138】
なお、第1から第4の実施の形態では、ウォームアップ中に内外気二層モードを選択するようにしたが、これに限らず、通常の暖房運転中に、内外気二層モードが選択されたときに、外気のみがエバポレータによる冷却が行われ、内気がエバポレータで冷却されない状態でヒータコア42によって加熱されるように制御されるものであっても良い。
【0139】
また、第1から第4の実施の形態では、ウォームアップが終了したときに、外気導入モードに切換えるようにしているが、外気導入モードに限らず、内気循環モードに切換えたり、内外気二層モードを継続するようにしても良い。このときに、内外気二層モードに選択されていれば、内気の冷却を回避し、内外気二層モード以外のときには、外気及び内気がエバポレータ18、130によって冷却されるようにすれば良い。
【0140】
また、以上説明した第1及び第4の実施の形態は、本発明が適用される回避手段の構成を限定するものではなく、本発明の回避手段は、内外気二層モードが選択されたときに、第2の流路に導入される内気の冷却を実質的に回避する構成であれば、任意の構成を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0141】
【図1】第1の実施の形態に係るエアコンの概略構成図である。
【図2】第1の実施の形態に係るエアコンの制御部を示す概略図である。
【図3】(A)は第1の実施の形態に係るエバポレータ近傍の概略構成図、(B)は第1の実施の形態に係る冷媒流量の制御の概略構成図である。
【図4】第1の実施の形態での導入モードの切換え及び冷媒流量の制御の概略を示す流れ図である。
【図5】第2の実施の形態に係るエアコンの制御部を示す概略図である。
【図6】(A)は第2の実施の形態に係るエバポレータ近傍の概略構成図、(B)は第2の実施の形態に係る冷媒流量の制御の概略構成図である。
【図7】第2の実施の形態での導入モードの切換え及び冷媒流量の制御の概略を示す流れ図である。
【図8】第3の実施の形態に係るエアコンの制御部を示す概略図である。
【図9】(A)は第3の実施の形態に係るエバポレータ近傍の概略構成図、(B)は第3の実施の形態に係る冷媒流量の制御の概略構成図である。
【図10】第3の実施の形態での導入モードの切換え及び冷媒流量の制御の概略を示す流れ図である。
【図11】第4の実施の形態に係るエアコンの概略構成図である。
【図12】第4の実施の形態に係るエアコンの制御部を示す概略図である。
【図13】第4の実施の形態での導入モードの切換え及び冷媒流量の制御の概略を示す流れ図である。
【符号の説明】
【0142】
10、10A〜10C エアコン(車両用空調装置)
12 コンプレッサ(冷却手段)
16 エキスパンションバルブ(第1及び第2の調整手段、流量調整弁)
18 エバポレータ
18A 上段部(第1の冷却部)
18B 下段部(第2の冷却部)
24 外気導入口
26(26A、26B) 内気導入口
30 ブロワファン
30A 第1ファン
30B 第2ファン
34 デフロスタ吹出し口
38 足元吹出し口
42 ヒータコア(加熱手段)
44(44A、44B) エアミックスドア
50、50A〜50C エアコンECU(切替手段、制御手段)
68 流路(第1の流路)
70、70A 流路(第2の流路)
76 感応筒(回避手段、第1の流量調整手段)
78 感応筒(回避手段、第2の流量調整手段)
80 感応筒切替バルブ(切替手段)
100 エキスパンションバルブ(第1及び第2の流量調整手段、流量調整弁、流量制御手段)
106 アクチュエータ(流量制御手段)
114 冷媒温度センサ(回避手段、第1の流量調整手段、温度検出手段)
120 エキスパンションバルブ(第1及び第2の流量調整手段、流量調整弁、流量制御手段)
124 冷媒温度センサ(回避手段、第2の流量調整手段、温度検出手段)
130 エバポレータ
132 流路切替ドア(回避手段、バイパス手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷凍サイクルによってエバポレータを通過する空気を冷却ないし除湿する冷却手段及び、空気を加熱する加熱手段を備え、導入された空気を冷却ないし加熱することにより生成された空調風を車室内へ吹き出して空調する車両用空調装置であって、
外気導入口から導入される外気ないし内気導入口から導入される内気を、前記エバポレータを経てデフロスタ吹出し口へ案内可能とする第1の流路と、
前記外気ないし前記内気を前記エバポレータ及び前記加熱手段を経て足元吹出し口へ案内可能とする第2の流路と、
前記第1の流路へ前記外気が導入されると共に前記第2の流路へ前記内気が導入される内外気二層モードが選択されたときに、第2の流路に導入された内気が前記エバポレータによって冷却されるのを回避する回避手段と、
を含むことを特徴とする車両用空調装置。
【請求項2】
前記エバポレータが、前記第1の流路に対応する第1の冷却部及び、前記第2の流路に対応し前記第1の冷却部を通過した冷媒が送り込まれる第2の冷却部を備えているときに、
前記回避手段が、
前記第1の冷却部を通過した冷媒温度に基づいて前記エバポレータへの冷媒流量を制御する第1の流量調整手段と、
前記第2の冷却部を通過した冷媒温度に基づいて前記エバポレータへの冷媒流量を制御する第2の流量調整手段と、
前記内外気二層モードが選択されたときに、前記第1の流量調整手段に切替えて前記エバポレータへの冷媒流量を制御する切替手段と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
【請求項3】
前記第1又は前記第2の流量調整手段の少なくもと一方が、冷媒温度に基づいて内部圧力が変化する感応筒と、
前記感応筒に連通されて、感応筒の内部圧力の変化に応じて冷媒流量が変化される流量調整弁と
を含むことを特徴とする請求項2に記載の車両用空調装置。
【請求項4】
前記第1又は前記第2の流量調整手段の少なくもと一方が、冷媒温度を検出する温度検出手段と、
前記冷媒流量を制御するアクチュエータと、
前記温度検出手段によって検出される前記冷媒温度に基づいて前記アクチュエータの作動を制御する制御手段と、
を含むことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の車両用空調装置。
【請求項5】
前記回避手段が、前記第2の流路に導入された前記内気を、前記冷却手段をバイパスして前記加熱手段へ案内可能とするバイパス手段であることを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−248587(P2009−248587A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−95114(P2008−95114)
【出願日】平成20年4月1日(2008.4.1)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】