説明

車両用表示装置および車両用表示方法

【課題】車速に応じて表示分解能が低下するといった事態を抑制する。
【解決手段】制御装置は、検出されたアクセル操作量に相当するアクセル表示値であるECO値Ecrを決定し、良燃費領域R1と非良燃費領域R2とを含む燃費状態表示領域11を表示装置に表示するとともに、燃費状態表示領域11と対応付けて、決定されたECO値Ecrを表示装置に表示する。この場合、制御装置は、車速が大きい程、燃費状態表示領域における良燃費領域R1の割合を拡大するとともに、ECO値Ecrを表示するための表示基準位置を補正している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両表示装置および車両用表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車や二輪車を含む各種の車両では、燃費の向上に関する意識が高まっている。このような背景を受け、車両の乗員(典型的には、ドライバー)に、アクセル操作量と燃費との関係を視覚的に認識させる車両表示装置が注目されている。
【0003】
例えば特許文献1には、燃費効率に適した操作領域を外れないように誘導するアクセル開度表示装置が開示されている。このアクセル開度表示装置は、アクセル開度を検出するアクセル開度検出手段と、アクセル開度の目標アクセル開度を抽出する目標開度抽出手段と、目標アクセル開度に対応する目標開度表示値と検出されたアクセル開度の表示値であるアクセル開度表示値とを表示する表示手段と、を有する。そして、表示手段は、目標開度抽出手段が抽出する目標アクセル開度にかかわらず目標開度表示値を常に所定値の表示とすることを特徴とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−105559号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に開示された手法によれば、高速走行になると、アクセルペダル開度の増加に対応して、その表示値も増加する。表示値は一定の領域範囲内に表示されるため、表示値の増加に伴いその表示位置が領域端部側へとシフトし、結果として、表示値の表示領域が狭くなる。このため、表示の分解能が低下し、当該表示を通じてアクセル操作量を目標値に合わせることが難しくなるといった不都合がある。
【0006】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、車速に応じて表示分解能が低下するといった事態を抑制することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる課題を解決するために、本発明は、制御手段が、検出されたアクセル操作量に相当するアクセル表示値を決定し、燃費が良いことを示す第1領域と第1領域よりも燃費が悪いことを示す第2領域とを含む燃費状態表示領域を表示手段に表示するとともに、当該燃費状態表示領域と対応付けて、決定されたアクセル表示値を表示手段に表示する。この場合、制御手段は、車速が大きい程、燃費状態表示領域における第1領域の割合を拡大するとともに、アクセル表示値を表示するための表示基準位置を補正することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、第1領域の割合の拡大に応じて表示基準位置が補正されるため、車速が大きい走行シーンでは、アクセル表示値の表示可能な範囲が拡大されることとなるので、当該アクセル表示値の表示に関する分解能の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】車両表示システムが適用された車両の要部を模式的に示す説明図
【図2】制御装置20を主体とする車両表示システムの構成を示すブロック図
【図3】表示装置10の表示内容を模式的に示す説明図
【図4】車両表示システムの動作を示すフローチャート
【図5】ECO値Ecrとアクセル開度との対応関係を示す説明図
【図6】車速に応じた燃費状態表示領域11の状態変化の説明図
【図7】ECO値Ecrとアクセル開度との対応関係を示す説明図
【図8】車速に応じた表示感度の説明図
【図9】燃料状態表示領域11およびECO値表示領域12の他の形態を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、本実施形態にかかる車両表示システムが適用された車両の要部を模式的に示す説明図である。この車両表示システムは、表示装置10と、制御装置20とを主体に構成されており、車両に搭乗する乗員、典型的には、ドライバーに所定の情報を表示するシステムである。
【0011】
表示装置10は、インストルメントパネル、例えば、スピードメータ等のメーター類を含む計器盤(アッパーメータ)IPの一部に配設されており、液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどで構成されている。この表示装置10は、制御装置20に制御されて、所定の情報を表示する。なお、表示装置1としては、前述の構成のみならず、センタークラスター部に配置してもよいし、映像をフロントガラスなどに映し出すヘッドアップディスプレイ等であってもよい。
【0012】
図2は、制御装置20を主体とする車両表示システムの構成を示すブロック図である。制御装置20は、表示装置10を制御することにより、アクセル操作量(具体的には、アクセルペダルの踏み込み量であるアクセル開度)に応じた燃費状態を表示装置10に表示する。制御装置20としては、CPU、ROM、RAM、I/Oインターフェースを主体に構成されたマイクロコンピュータを用いることができる。
【0013】
制御装置20は、かかる制御を行うために、各種情報を検出するセンサから所定の情報を取得することができる。例えば、表示制御装置20は、CAN通信線を介して、車両の速度(車速)を検出する車速センサ(車速検出手段)30の検出情報を取得することができる。また、表示制御装置20は、アクセル開度を検出するアクセル開度センサ(操作量検出手段)31が接続されており、当該アクセル開度センサ31の検出情報を取得することができる。
【0014】
本実施形態との関係において、制御装置20は、以下に示す機能を担っている。第1の機能として、制御装置20は、現在の車速に基づいて、車速に対応して設定されるアクセル開度の目標値である目標アクセル開度を決定する。また、制御装置20は、目標アクセル開度および現在のアクセル開度に基づいて、当該値を表示装置10における所定長の領域に表示するための表示値(以下「ECO値」という)を決定する(決定手段)。すなわち、制御装置20は、目標アクセル開度に対応する目標ECO値と、現在のアクセル開度に対応する現在のECO値とをそれぞれ決定する。本実施形態において、このECO値は、例えば「0」から「30」までの31段階の指標で構成されており、「0」は最小のアクセル開度(0%)に対応し、「30」は最大のアクセル開度(100%)に対応する。
【0015】
図3は、表示装置10の表示内容を模式的に示す説明図である。また、第2の機能として、制御装置20は、燃費状態表示領域11を表示装置10に表示し、その表示状態を制御するともに、ECO値表示領域12を表示装置10に表示し、その表示状態を制御する。
【0016】
燃費状態表示領域11は、例えば、水平方向の所定長と垂直方向の所定幅とを備えるバー形状(横棒形状)に設定されている。この燃費状態表示領域11には、燃費がよいことを示す良燃費領域(第1領域)R1と、当該良燃費領域よりも燃費が悪いことを示す非良燃費領域(第2領域)R2とがそれぞれ表示される。良燃費領域R1と非良燃費領域R2との境界(以下「領域境界」という)Thは、後述するECO値表示領域12における目標ECO値と位置的に対応するように設定されており、基本的には、水平方向の所定長を基準として、予め規定された所定の初期位置に設定されている。
【0017】
一方、ECO値表示領域12は、水平方向に燃費状態表示領域11と同一の所定長と垂直方向に所定幅とを備えるバー形状(横棒)に設定されており、当該燃費状態表示領域11の下方に表示される。このECO値表示領域12には、水平方向にかけて、ECO値に対応するスケールが設定されており、現在のECO値Ecrが表示される。かかるECO値表示領域12は、現在のECO値Ecrの表示位置を、直上に表示される燃費状態表示領域11と比較することにより、現在のECO値Ecrが良燃費領域R1に該当するのか、それとも非良燃費領域R2に該当するのかを視覚的に認識することができる。
【0018】
前述のように、燃費状態表示領域11に表示される領域境界Th(水平方向における位置)は、基本的に、燃費状態表示領域11の初期位置に表示され(初期表示状態)。本実施形態の制御装置20は、このような表示制御を基本としつつも、後述するECO値Ecrの補正と対応して、次に示すような制御を行う。具体的には、制御装置20は、車速が大きい程、燃費状態表示領域11の領域境界Thを非良燃費領域R2側へとずらす、すなわち、良燃費領域R1の割合を拡大させるように、表示装置10を制御している。また、制御装置20は、ECO値表示領域12において、ECO値Ecrを表示するための表意基準位置を変更させている。すなわち、制御装置20は、良燃費領域R1の割合の拡大に応じて、ECO値Ecrの表示位置を相対的に移動させる制御を実行する。
【0019】
図4は、本実施形態にかかる車両表示システムの動作を示すフローチャートである。このフローチャートに示す処理は、制御装置20によって呼び出され、所定周期で実行される。
【0020】
まず、ステップ1(S1)において、制御装置20は、車速を検出する。そして、ステップ2(S2)において、制御装置20は、アクセル開度を検出する。
【0021】
ステップ3(S3)において、制御装置20は、ECO値Ecrを決定する。制御装置20は、種々の車速毎に、ECO値Ecrとアクセル開度との対応関係を規定したマップや演算式を予め保持しており、車速およびアクセル開度に基づいてECO値Ecrを決定する。例えば、図5(a)に示すように、ECO値Ecrとアクセル開度との対応関係は、車速毎に目標アクセル開度が異なる場合であっても、各目標アクセル開度が所定の目標ECO値Etと対応するように設定されている。例えば、車速V1の場合、ECO値Ecrは、アクセル開度が「0」から「目標アクセル開度Tac1」へと増加する程、「0」から比例的に増加し、「目標アクセル開度Tac1」において「目標ECO値Et」となり、アクセル開度が「目標アクセル開度Tac1」から「100」へと増加する程、「目標ECO値Et」
から比例的に増加する。また、車速が「V1」よりも大きい「V2」である場合、ECO値Ecrは、アクセル開度が「0」から「目標アクセル開度Tac2」へと増加する程、「0」から比例的に増加し、「目標アクセル開度Tac2」において「目標ECO値Et0」となり、アクセル開度が目標アクセル開度Tac2から「100」へと増加する程、「目標ECO値Et」から比例的に増加する。
【0022】
ここで、目標アクセル開度Tacは、車速に応じて、その値が予め設定されている。例え
ば、図5(b)に示すように、目標アクセル開度Tacは、車速が大きい程、その値が大きくなるように設定されている。低速側の車速V1の場合、目標アクセル開度は「Tac1」となり、高速側の車速V2(V1<V2)の場合、目標アクセル開度は「Tac1」よりも大きな「Tac2」となるといった如くである。また、ある車速で走行している際に、実際のアクセル開度が目標アクセル開度Tacよりも大きい場合、当該アクセル開度は非良燃費領域と見なされ、実際のアクセル開度が目標アクセル開度Tacよりも小さい場合、当該アクセル開度は良燃費領域と見なすことができる(同図(b)参照)。
【0023】
ステップ4(S4)において、制御装置20は、補正処理を行う。具体的には、制御装置20は、現在の車速に応じて、良燃費領域R1の表示範囲、すなわち、領域境界Thの表示位置を補正する。これにより、制御装置20は、車速が大きい程、燃費状態表示領域11における良燃費領域R1の割合を拡大させるような表示態様を実現する。例えば、図6に示すように、制御装置20は、車速を、低速、低中速、中高速、高速の四段階に分割し、個々の車速に応じて、燃費状態表示領域11における良燃費領域R1の割合を拡大させる。
【0024】
車速が低速の場合、制御装置20は、良燃費領域R1と非良燃費領域R2との領域境界Th1が、燃費状態表示領域11において予め設定された初期位置となるように、良燃費領域R1と非良燃費領域R2とを表示する(初期表示状態)。一方、車速が低速よりも大きい低中速の場合、制御装置20は、低速時の領域境界Th1と比較して、非良燃費領域R2側へと所定量(例えば「1表示指標」)だけシフトした位置に領域境界Th2を設定する。同様に、車速が低中速よりも大きい中高速の場合、制御装置20は、低中速時の領域境界Th2と比較して、非良燃費領域R2側へと所定量だけシフトした位置に領域境界Th3を設定し、車速が中高速よりも大きい高速の場合、制御装置20は、中高速時の領域境界Th3と比較して、非良燃費領域R2側へと所定量だけシフトした位置に領域境界Th4を設定する。これにより、車速が大きい程、燃費状態表示領域11における良燃費領域R1の割合が拡大される。
【0025】
また、これに対応して、制御装置20は、ECO値表示領域12においてECO値Ecrを表示するための表示基準位置を補正する。ここで、表示基準位置とは、ECO値表示領域12において表示されるECO値Ecrの態様(どのようなスケールまたは範囲で表示するといった態様)を定義するための基準指標である。制御装置20は、領域境界Thが燃費状態表示領域11の初期位置に設定されている場合には、この初期位置と、ECO値表示領域12における目標ECO値の表示位置が一致するように、表示基準位置を設定している。しかしながら、前述のように、車速に応じて領域境界Thの位置が補正された場合には、補正後の領域境界Thの表示位置と、ECO値表示領域12における目標ECO値の表示位置とが一致するように、表示基準位置を補正する。例えば、車速が低中速の場合、領域境界Thは1表示指標ぶんだけ非良燃費領域R2側へとシフトしている場合には、ECO値表示領域12における目標ECO値の表示位置も1表示指標ぶんだけ非良燃費領域R2側へとシフトするように、表示基準位置を補正されるといった如くである。これにより、目標ECO値の表示位置から、ECO値が増加する方向にかけて、実質的な表示範囲が拡大されることとなる。また、制御装置20は、かかる表示基準位置の補正により、ECO値Ecrの表示位置も実質的に変更されることとなる。
【0026】
ステップ5(S5)において、制御装置20は、前述の設定にしたがい、燃費状態表示領域11を表示装置10に表示するとともに、ECO値表示領域12を表示装置10に表示する。また、制御装置20は、良燃費領域R1の割合を拡大する場合には、図6に示すように、拡大前の初期表示状態(領域境界Th1)を維持しつつ、車速の増加にしたがって、領域境界Th2,Th3,Th4といったように、良燃費領域R1を段階的に拡大させる。
【0027】
ここで、制御装置20は、良燃費領域R1の割合を拡大する場合、拡大にともなう表示状態の変化を通常の速度で行う通常制御と、通常速度よりも表示状態の変化を急速に行う急速制御とを備えている。そして、制御装置20は、通常制御を優先的に行いながら、ドライバーの操作状態が荒いことを判断した場合には、通常制御から急速制御へと切り替えることができる。ドライバーの操作状態が荒いか否かを判断する手法としては、本実施形態では、アクセル開度の変化を通じて行うことができるが、これ以外にも、ブレーキ操作量またはハンドル操作量といった、ドライバーの操作状態を検出するセンサ(操作状態検出手段)の検出結果を参考にして判断を行ってもよい。
【0028】
また、制御装置20は、車速が低い状態で走行する走行環境(低速走行環境)を判断した場合、前述の急速制御から分解能向上制御に切り替えることができる。ここで、分解能向上制御は、車速が小さくかつアクセル開度が小さい場合に、現在のECO値Ecrと目標ECO値との間の分解能を向上させた制御である。低速走行環境であるか否かを判断する手法としては、本実施形態では、車速を通じて行うことができるが、これ以外にも、ナビゲーションシステム等による渋滞情報といった、走行環境を検出する手段(走行環境検出手段)の検出結果を参考にして判断を行ってもよい。
【0029】
このように本実施形態によれば、車両表示システムは、車速センサ30およびアクセル開度センサ31の検出結果に基づいて、表示すべき情報を決定する制御装置20と、制御装置20に制御され、決定された情報を表示する表示装置10とを有している。ここで、制御装置20は、(1)検出されたアクセル操作量に相当するアクセル表示値であるECO値Ecrを決定する(決定手段)、(2)良燃費領域R1と非良燃費領域R2とを含む燃費状態表示領域11を表示装置10に表示するとともに、燃費状態表示領域11と対応付けて、決定されたECO値Ecrを表示装置10に表示する(表示制御手段)。この場合、制御装置20は、車速が大きい程、燃費状態表示領域における良燃費領域R1の割合を拡大するとともに、ECO値Ecrを表示するための表示基準位置を補正している。
【0030】
かかる構成によれば、良燃費領域R1の割合の拡大に応じて表示基準位置が補正されるため、車速が大きい走行シーンでは、ECO値Ecrの表示可能な範囲が拡大されることとなるので、当該ECO値Ecrの表示に関する分解能の向上を図ることができる。これにより、当該表示を通じて、ドライバーがアクセル開度(ECO値Ecr)を目標アクセル開度(目標ECO値)に合わせることが容易となり、燃費の良い運転が行い易くなる。
【0031】
また、本実施形態において、制御装置20は、良燃費領域R1の割合を拡大する場合には、図6に示すように、拡大前の初期表示状態を維持しつつ、車速の増加にしたがって良燃費領域R1を段階的に拡大させている。かかる構成によれば、ECO値Ecrの表示に関する分解能をよりいっそう向上させることができる。
【0032】
また、本実施形態において、制御装置20は、良燃費領域R1の割合を拡大する場合、当該拡大にともなう表示状態の変化を基準の速度で行う通常制御と、この通常速度よりも表示状態の変化を急速に行う急速制御とを備える。かかる構成によれば、通常制御と比較して急速制御では、アクセル開度に応じて表示状態が急激に変化するため、ドライバーの操作により敏感に反応した表示を実現することができる。
【0033】
この場合、制御装置20は、通常制御を優先的に行いながら、ドライバーの操作状態が荒いことを判断した場合には、通常制御から急速制御へと切り替える。かかる構成によれば、アクセル操作の粗いドライバーに対して急速制御を適用した場合、表示状態がめまぐるしく変化することとなるため、ドライバーに対してよりエコな運転を促すことができる。
【0034】
また、本実施形態において、制御装置20は、車速が小さくかつアクセル開度が小さい場合、現在のアクセル表示値と目標アクセル操作量に対応する表示値との間の分解能を向上させた分解能向上制御を行う。かかる構成によれば、アクセル開度が小さい時であっても、分解能の向上を重視することができる。
【0035】
この場合、制御装置20は、車速が低い状態で走行する走行環境を判断した場合、前述の急速制御から分解能向上制御に切り替えている。かかる構成によれば、渋滞走行時等の低速環境下において、分解能の向上が図られるので、目標値に追従したアクセル操作を容易に行うことができる。
【0036】
なお、本実施形態では、ECO値Ecrとアクセル開度との対応関係を、図5(図7(c))に示すように、車速が増加するほど、屈曲度合いが緩和され、直線傾向へと近づくように設定としている。しかしながら、本実施形態はこれに限定されず、図7(a)に示すように、車速にかかわらず、直線的に設定してもよいし、図7(c)車速が増加する程、直線の傾きが緩やかとなるような関係で設定してもよい。
【0037】
また、車速に応じて、ECO値表示領域12におけるECO値Ecrの表示感度を車速に応じて変化させてもよい。例えば、図8に示すように、車速が低速の場合には、表示感度を高め、車速が高速の場合には、表示感度を低くするといった如くである。すなわち、低速で走行している場合には、ECO値Ecrの変化に応じて、その表示が鋭く変化し、一方、高速で走行している場合には、ECO値Ecrの変化に応じて、その表示が鈍く変化することとなる。これにより、一定速度から緩やかに加速する際に、ECO値Ecrの表示変化が緩やかになっていくため、アクセル操作がよりし易くなるという効果を奏することができる。
【0038】
また、本実施形態は、燃費状態表示領域11およびECO値表示領域12を横棒形状で構成しているが、両者を対応付けて表示する形態であれば、種々の形態で実現してもよい。例えば、燃費状態表示領域11およびECO値表示領域12を縦棒形状に設定してもよく、また、図9(a)に示すように、斜めに傾斜させた棒形状としてもよい。さらに、図9(b)に示すように、円形状に設定してもよいし、図9(c)に示すように、リング形状に設定してもよい。
【0039】
以上、本発明の実施形態にかかる車両表示装置および車両表示方法について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、その発明の範囲内において種々の変形が可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0040】
10 表示装置
11 燃費状態表示領域
12 ECO値表示領域
R1 良燃費領域
R2 非良燃費領域
Th 領域境界
Ecr ECO値
20 制御装置
30 車速センサ
31 アクセル開度センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクセル操作量を検出する操作量検出手段と、
車速を検出する車速検出手段と、
前記操作量検出手段および前記車速検出手段の検出結果に基づいて、表示すべき情報を決定する制御手段と、
前記制御手段に制御され、前記決定された情報を表示する表示手段とを有し、
前記制御手段は、
前記検出されたアクセル操作量に相当するアクセル表示値を決定する決定手段と、
燃費が良いことを示す第1領域と当該第1領域よりも燃費が悪いことを示す第2領域とを含む燃費状態表示領域を前記表示手段に表示するとともに、当該燃費状態表示領域と対応付けて、前記決定されたアクセル表示値を前記表示手段に表示する表示制御手段とを有し、
前記表示制御手段は、前記車速が大きい程、前記燃費状態表示領域における前記第1領域の割合を拡大するとともに、前記アクセル表示値を表示するための表示基準位置を補正することを特徴とする車両表示装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記第1領域の割合を拡大する場合には、拡大前の初期表示状態を維持しつつ、車速の増加にしたがって前記第1領域を段階的に拡大させることを特徴とする請求項1に記載された車両表示装置。
【請求項3】
前記表示制御手段は、前記第1領域の割合を拡大する場合、当該拡大にともなう表示状態の変化を基準の速度で行う通常制御と、当該基準の速度よりも表示状態の変化を急速に行う急速制御とを備えることを特徴とする請求項2に記載された車両表示装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、車速が小さくかつアクセル開度が小さい場合、現在のアクセル表示値と目標アクセル操作量に対応する表示値との間の分解能を向上させた分解能向上制御を行うことを特徴とする請求項3に記載された車両表示装置。
【請求項5】
前記表示制御手段は、前記通常制御を優先的に行いながら、ドライバーの操作状態が荒いことを判断した場合には、前記通常制御から前記急速制御へと切り替えることを特徴とする請求項3に記載された車両表示装置。
【請求項6】
前記表示制御手段は、車速が低い状態で走行する走行環境を判断した場合、前記急速制御から前記分解能向上制御に切り替えることを特徴とする請求項4または5に記載された車両表示装置。
【請求項7】
前記表示制御手段は、車速が小さい程、アクセル操作量の変化に対応するアクセル表示値の表示感度を鋭くし、車速が大きい程、当該表示感度を鈍くすることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載された車両表示装置。
【請求項8】
現在のアクセル操作量に相当するアクセル表示値を決定する第1のステップと、
燃費が良いことを示す第1領域と当該第1領域よりも燃費が悪いことを示す第2領域とを含む燃費状態表示領域を表示手段に表示するとともに、当該燃費状態表示領域と対応付けて、前記アクセル表示値を前記表示手段に表示する第2のステップとを有し、
前記第2のステップは、前記車速が大きい程、前記燃費状態表示領域における前記第1領域の割合を拡大するとともに、前記アクセル表示値を表示するための表示基準位置を補正するステップを含むことを特徴とする車両表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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