説明

車両用表示装置

【課題】簡素な構成でありながら、走行情報及び充電情報を分かり易く表示することができる車両用表示装置の提供。
【解決手段】車両を走行させる走行用のバッテリと共に車両に搭載され、走行用バッテリの充電情報を表示する車両用表示装置100である。車両用表示装置100の備えるスピードメータ20には、速度情報を表示する速度表示モードと、充電の残り時間情報を表示する充電時間表示モードとが設けられている。スピードメータ20の表示を制御する表示制御回路は、スピードメータ20の表示モードが速度表示モードである状態において、車両が停車状態にあると判定したことに基づいて、スピードメータ20の表示モードを速度表示モードから充電時間表示モードに切り換える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充放電可能な二次電池と共に車両に搭載され、二次電池の充電状態に関わる充電情報を表示する車両用表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、特許文献1に開示のような、二次電池の充電状態に関わる充電情報を表示するための表示手段を備える車両用表示装置が知られている。この特許文献1の車両用表示装置は、車両の走行状態に関わる情報を表示するスピードメータ及び充電情報を表示する表示装置が設けられたディスプレイを、表示手段として備えている。特許文献1の車両用表示装置は、バッテリ等の二次電池の充電状態を示す信号が送られてくる信号線と接続されており、充電情報を取得する。特許文献1の車両用表示装置は、ディスプレイに設けられた表示装置の表示内容、具体的には明度及び色彩等を充電状態に応じて表示変更手段によって変更することにより、当該表示装置に二次電池の充電状態を表示することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−252420号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
さて、特許文献1に開示の車両用表示装置では、起動確認完了を現すREADYランプ又はディスプレイ全体が、充電状態に応じて明度及び色彩等を変更することにより、充電状態を表示する表示装置とされている。このように、特許文献1の車両用表示装置では、走行状態を表示するスピードメータと、充電状態を表示する表示装置とは、ディスプレイにおいて別々に設けられている。
【0005】
以上のような構成では、スピードメータと表示装置とが別々に設けられているので、コストの上昇に繋がる車両用表示装置の構成の複雑化が引き起こされ得る。加えて、情報を表示するための構成がディスプレイ装置に複数並べられているので、各表示が互いに重なりあったり、各表示が小さくなったりしてしまう。このようにして、ディスプレイ装置に並べられた各表示は、互いを見難くしてしまうおそがあった。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、簡素な構成でありながら、走行情報及び充電情報を分かり易く表示することができる車両用表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、充放電可能な二次電池と共に車両に搭載され、二次電池の充電状態に関わる充電情報を表示する車両用表示装置であって、車両の走行状態に関わる走行情報を取得する走行情報取得手段と、二次電池の充電情報を取得する充電情報取得手段と、車両が停車状態にあるか否かを判定する停車状態判定手段と、互いに異なる情報を表示する複数の表示モードが切り換え可能に設けられており、複数の表示モードのうちの一つとして走行情報取得手段によって取得される走行情報を表示する走行情報表示モード、及び複数の表示モードの他の一つとして充電情報取得手段によって取得され充電情報を表示する充電情報表示モードを有する表示手段と、表示手段の表示モードが走行情報表示モードである状態において、停車状態判定手段によって車両が停車状態にあると判定されたことに基づいて、表示手段の表示モードを走行情報表示モードから充電情報表示モードに切り換える表示モード切換手段と、を備える車両用表示装置とする。
【0008】
この発明において、二次電池の充電状態に関わる充電情報は、特に車両に搭載された充放電可能な二次電池を充電する際に、車両用表示装置を視認する視認者にとって必要性の高い情報になる。このように、二次電池を充電する場合、一般に車両は停車状態にある。また、車両が停車状態にある場合には、車両の走行状態に関わる走行情報は、視認者にとって必要性の低い情報となる。以上のように、車両が停車状態である場合には、充電情報が走行情報よりも必要性の高い情報となる。一方で、車両が停車状態でない場合には、充電情報は走行情報よりも必要性の低い情報となる。
【0009】
そこで、表示手段の表示モードが走行情報表示モードである状態において、停車状態判定手段によって車両が停車状態にあると判定されたことに基づいて、表示モード切換手段は、表示手段の表示モードを切り換える。この表示モードの切り換えによって、表示手段の表示モードは、走行情報取得手段によって取得される走行情報を表示する走行情報表示モードから、充電情報取得手段によって取得され充電情報を表示する充電情報表示モードになる。以上により、表示手段は、走行情報及び充電情報を、これらの情報が視認者によって必要とされるタイミングにて、適切に切り換えて表示し得る。故に、複数並べられた情報の表示が互いを見難くしてしまう事態は、回避され得る。加えて、表示手段が走行情報及び充電情報を切り換えて表示するので、車両用表示装置の構成は、簡素になり得る。
【0010】
したがって、車両用表示装置は、簡素な構成でありながら、走行情報及び充電情報を分り易く表示することができる。
【0011】
請求項2に記載の発明では、二次電池が外部から電力を供給される給電状態にあるか否かを判定する給電状態判定手段、をさらに備え、表示モード切換手段は、表示手段の表示モードが走行情報表示モードである状態において、停車状態判定手段によって車両が停車状態にあると判定され、且つ給電状態判定手段によって二次電池が給電状態にあると判定されたことに基づいて、表示手段の表示モードを走行情報表示モードから充電情報表示モードに切り換えることを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、表示手段の表示モードは、停車状態判定手段によって車両が停車状態にあると判定され、且つ給電状態判定手段によって二次電池が給電状態にあると判定されたことに基づいて、走行情報表示モードから充電情報表示モードに切り換わる。故に、車両が停車状態になる度に、表示手段に表示される情報が走行情報から充電情報に切り換えられる事態は、抑制され得る。以上により、視認者に煩わしく感じられ得る表示の切り換えは、低減される。加えて、特に充電情報の表示の必要性が高まる二次電池の給電状態においては、表示手段は、充電情報を確実に表示し得る。したがって、車両用表示装置は、走行情報及び充電情報を適切に切り換えることにより、これらの情報をさらに分り易く表示することができる。
【0013】
請求項3に記載の発明では、充電情報取得手段は、二次電池を完全充電状態にするために必要な充電時間の情報を充電情報として取得し、表示手段は、充電情報表示モードにおいて充電時間の情報を表示することを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、充電情報表示モードにおいて、表示手段は、二次電池を完全充電状態にするために必要な充電時間を充電情報として表示することができる。このような二次電池を完全充電状態にするまでの充電時間の情報は、二次電池を充電する場合おいて、視認者にとって活用し易い実用的な情報である。故に、車両用表示装置によって表示される充電情報には、二次電池を完全充電状態にするために必要な充電時間の情報が好適なのである。
【0015】
請求項4に記載の発明では、車両用表示装置は、車両において表示手段を視認可能な領域に存在する視認者を検知する視認者検知手段をさらに備え、表示手段は、充電情報表示モードにて充電情報の表示を停止した状態において、視認者検知手段によって視認者が検知されたこと基づいて、充電情報の表示を開始することを特徴とする。
【0016】
一般に、視認者は、車両を停車状態にした後、車両から離れる場合がある。この場合、車両の電源はオフ状態にされるので、表示手段は、情報の表示を停止することにより余分な電力の消費の低減を図る。しかし、例えば二次電池が給電状態である場合においては、充電情報の表示の停止によって、視認者は、二次電池の充電情報を視認することができなくなってしまう。
【0017】
そこでこの発明では、視認者検知手段によって表示手段を視認可能な領域に存在する視認者を検知し、この視認者検知手段によって視認者が検知されたこと基づいて、表示手段は、充電情報の表示を開始する。以上により、車両用表示装置は、電力消費の低減を実現しつつ、視認者によって必要とされるタイミングにて、充電情報を分り易く表示することができる。
【0018】
請求項5に記載の発明では、表示手段は、視認者が検知されたこと基づいて充電情報の表示を開始した後、予め設定された時間が経過したことに基づいて充電情報の表示を再び停止することを特徴とする。
【0019】
この発明によれば、二次電池の充電状態は、当該二次電池が給電状態下にある場合でも、短時間のうちには大きく変動しない。故に、充電情報は、予め設定された時間だけ表示手段に表示されても、視認者に十分に伝わり得る。以上により、車両用表示装置は、予め設定された時間が経過したことに基づいて表示手段による充電情報の表示を再び停止することにより、充電情報を分り易く伝えつつ、余分な電力の消費を確実に低減できる。
【0020】
請求項6に記載の発明では、表示手段は、互いに間隔を開けて並べられた複数の目盛を表示する表示板と、走行情報及び充電情報のうち、表示手段の現在の表示モードに対応する情報に応じて表示板に沿って変位することにより、当該現在の表示モードに対応する情報の表示を複数の目盛と協働で形成する指針と、を有することを特徴とする。
【0021】
一般に、互いに間隔を開けて並べられた複数の目盛を表示する表示板と、走行情報に応じて表示板に沿って変位することにより、走行情報の表示を複数の目盛と協働で形成する指針と、を有する表示手段が、広く用いられている。このような、表示板及び指針を有する表示手段は、車両用表示装置において視認者に見易い位置に大きく形成されている場合が多い。
【0022】
そこでこの発明では、現在の表示モードに対応する情報の表示を、指針と複数の目盛との協働で形成する表示手段が、車両用表示装置に設けられる。上述したように、表示板及び指針を有する表示手段は、視認者に見易い位置に大きく形成されている場合が多い。故に、表示手段を表示モードの切り換え可能な構成とすることによれば、走行情報及び充電情報は、表示手段によって確実に分り易く表示され得る。
【0023】
請求項7に記載の発明では、表示板は、走行情報に対応する単位を表示する走行単位表示部、及び充電情報に対応する単位を表示する充電単位表示部、を有し、表示手段は、走行情報表示モードのとき、走行単位表示部及び充電単位表示部のうち走行単位表示部を表示し、充電情報表示モードのとき、走行単位表示部及び充電単位表示部のうち充電単位表示部を表示することを特徴とする。
【0024】
この発明のように、切り換え可能な複数の表示モードが表示手段に設けられる形態では、表示手段に現在表示されている情報が、複数の表示モードのうちのどの表示モードによる情報であるのかが、視認者にとって不明確になり易い。そこで、走行情報に対応する単位を表示する走行単位表示部、及び充電情報に対応する単位を表示する充電単位表示部が表示板に設けられる。そして、走行情報表示モードのときには走行単位表示部が表示され、充電情報表示モードのときには充電単位表示部が表示される。以上により、表示手段は、現在表示されている情報が走行情報及び充電情報のうちのいずれであるかということを、視認者に示すことができる。したがって、車両用表示装置は、走行情報及び充電情報を確実に分かり易く表示できる。
【0025】
請求項8に記載の発明では、走行情報取得手段は、車両の走行速度の情報を走行情報として取得し、表示手段は、走行情報表示モードにおいて、車両の走行速度の情報を走行情報として表示することを特徴とする。
【0026】
一般に、車両の走行速度の情報を表示する表示手段は、車両用表示装置に必ず設けられており、且つ、見易く配置されている場合が多い。そこでこの発明では、走行情報表示モードにおいて、車両の走行速度の情報を走行情報として表示する表示手段が車両用表示装置に設けられる。上述したように、走行速度の情報を表示する表示手段は、車両用表示装置に見易く配置され得る。故に、表示モード切換手段によって充電情報表示モードに切り換えられた場合には、表示手段は、充電情報を見易く表示することができる。以上により、走行情報として車両の走行速度の情報を表示する表示手段を備えることにより、車両用表示装置は、走行情報及び充電情報をさらに分かり易く表示できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第一実施形態によるコンビネーションメータの正面図である。
【図2】スピードメータにおいて、速度単位表示部及び時間単位表示部を発光表示させるための構成を説明するための図であって、図1のII―II線断面図である。
【図3】本発明の第一実施形態によるコンビネーションメータの電気的な構成を説明するための図である。
【図4】スピードメータに形成される表示を説明するための図であって、(a)は、速度表示モードにおける表示を示す図であり、(b)は、充電時間表示モードにおける表示を示す図である。
【図5】スピードメータの表示モードを速度表示モードから充電時間表示モードに切り換える処理が示されるフローチャートである。
【図6】スピードメータの表示モードを充電時間表示モードから速度表示モードに切り換える処理が示されるフローチャートである。
【図7】速度表示モードにおいて、スピードメータに速度情報を表示する処理が示されるフローチャートである。
【図8】充電情報表示モードにおいて、スピードメータに充電の残り時間情報を表示するための処理が示されるフローチャートである。
【図9】本発明の第二実施形態によるコンビネーションメータにおいて、液晶表示装置に形成される表示を説明するための図であって、(a)は、速度表示モードにおける表示を示す図であり、(b)は、充電時間表示モードにおける表示を示す図である。
【図10】本発明の第二実施形態によるコンビネーションメータの電気的な構成を説明するための図である。
【図11】液晶表示装置の表示モードを速度表示モードから充電時間表示モードに切り換える処理が示されるフローチャートである。
【図12】速度表示モードにおいて、液晶表示装置に速度情報を表示する処理が示されるフローチャートである。
【図13】充電情報表示モードにおいて、液晶表示装置に充電の残り時間情報を表示するための処理が示されるフローチャートである。
【図14】本発明の第三実施形態によるコンビネーションメータにおいて、スピードメータに形成される表示を説明するための図であって、(a)は、速度表示モードにおける表示を示す図であり、(b)は、残容量表示モードにおける表示を示す図である。
【図15】スピードメータの表示モードを速度表示モードと残容量表示モードとの間で切り換える処理が示されるフローチャートである。
【図16】スピードメータに速度情報又は残容量情報を表示する処理が示されるフローチャートである。
【図17】本発明の第四実施形態によるコンビネーションメータにおいて、液晶表示装置に形成される表示を説明するための図であって、(a)は、速度表示モードにおける表示を示す図であり、(b)は、充電時間表示モードにおける表示を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。また、各実施形態の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施形態の構成同士を部分的に組み合せることができる。
【0029】
(第一実施形態)
図1は、本発明の第一実施形態によるコンビネーションメータ100の正面図である。
コンビネーションメータ100は、走行用のバッテリ10(図3参照)と共に、プラグインハイブリッド車及び電気自動車等の車両に搭載されている。走行用バッテリ10は、車両の走行用のモータを作動させるための電力を蓄電する充放電可能な二次電池である。コンビネーションメータ100は、車両の車室内に設けられたインスツルメントパネル内に収容され、図1に示す正面側を運転席側に向けて配置されている。まず、本発明の第一実施形態によるコンビネーションメータ100の構成について説明する。
【0030】
コンビネーションメータ100は、車両の走行状態に関わる走行情報を表示する複数の表示手段を備えている。具体的にコンビネーションメータ100には、このような表示手段として、車両の走行速度の情報(以下、速度情報という)を表示するスピードメータ20、車両に搭載された内燃機関の出力軸の回転速度を表示するタコメータ、水温計、及び燃料計等が設けられている。
【0031】
スピードメータ20は、表示板23及び指針21を有している。表示板23は、無色透明のポリカーボネート等の透光性材料によって、円盤状に形成されている。表示板23は、0.5ミリメートル程度の厚さに成形されたポリカーボネート等のシート材の表面に、遮光性の印刷を施すことにより形成されている(図2参照)。表示板23には、複数の目盛24、数字表示部25、速度単位表示部26、及び時間単位表示部27等が設けられている。表示板23において、これら複数の目盛24、数字表示部25、速度単位表示部26、及び時間単位表示部27に相当する箇所は、遮光性の印刷に替えて、透光性の印刷が施されることにより透過部となっている。これらの透光部は、発光ダイオード41,43等の光源から放射された光を透過させられる。
【0032】
複数の目盛24は、スピードメータ20の外縁に沿って、互いに間隔を開けて並んでいる。数字表示部25は、円状に並べられた複数の目盛24の内周側に形成されている。速度単位表示部26は、速度情報に対応する単位として、「km/h」という文字を表示する。時間単位表示部27は、後述する充電の残り時間情報に対応する単位として、「min」をいう文字を表示する。図2に示されるように、表示板23の表示方向の裏面側には、発光ダイオード41,43等の実装された回路基板28が配置されている。表示板23と回路基板28との間には、遮光壁部29が設けられている。速度単位表示部26を発光表示させるための発光ダイオード41と、時間単位表示部27を発光表示させるための発光ダイオード43との間は、遮光壁部29によって区切られている。遮光壁部29によって、発光ダイオード43から出射された光が速度単位表示部26を発光表示させてしまうこと、及び発光ダイオード41から出射された光が時間単位表示部27を発光表示させてしまうことは、共に防がれ得る。
【0033】
図1に示されるように、指針21は、円盤状に形成された表示板23の中心から、表示板23の径方向に沿って外周側に延伸している。指針21は、速度情報等に応じて表示板23に沿って回転変位することにより、この速度情報等の表示を複数の目盛24、数字表示部25等と協働で形成する。
【0034】
次に、コンビネーションメータ100の電気的構成を図2に基づいて説明する。
【0035】
コンビネーションメータ100には、バッテリ95、リレー94、車載用のLocal Area Network(車内LAN)91、及び接地されたアース配線等が接続されている。バッテリ95は、コンビネーションメータ100の作動に必要な電力を、当該コンビネーションメータ100に供給している。リレー94は、バッテリ95からコンビネーションメータ100に電力を供給する電源ラインの接続及び遮断を切り換えるスイッチである。
【0036】
車内LAN91には、電力供給制御装置92、横滑り防止装置70、ボディ制御装置80、及び電源管理制御装置13等が接続されている。
【0037】
電力供給制御装置92は、バッテリ95、パワースイッチ93、及びリレー94等と接続されている。電力供給制御装置92は、バッテリ95から電力を供給されている。電力供給制御装置92は、車両の電源のオン情報及びオフ状態を切り換えるための運転者等によるパワースイッチ93の押圧操作を検知する。電力供給制御装置92は、パワースイッチ93の押圧操作に基づいて、車両の電源のオン状態及びオフ状態を示す車両電源情報を車内LAN91に出力する。加えて電力供給制御装置92は、車両の電源がオン状態にされることにより、リレー94に電圧を印加し、リレー94の設けられた電源ラインを通電状態にする。
【0038】
横滑り防止装置70は、走行する車両の姿勢を安定化させるために、例えば各車輪に生じるブレーキ力等を個別に制御する制御装置である。横滑り防止装置70は、車両の姿勢を制御するために、各車輪に設けられた電磁ピックアップ等によって、各車輪の回転速度を検出している。横滑り防止装置70は、各車輪の回転速度から車両の走行速度を算出する。そして、横滑り防止装置70は、算出した走行速度を速度情報として車内LAN91に出力する。
【0039】
ボディ制御装置80は、車両に関する種々の制御を実施する制御装置である。ボディ制御装置80は、ドアセンサ81等と接続されている。ドアセンサ81は、車両において運転席のドアの開閉によって、オン状態及びオフ状態の切り換わるスイッチである。ボディ制御装置80は、ドアセンサ81のオン状態及びオフ状態に基づいて、運転席のドアの開閉状態を判定する。そして、ボディ制御装置80は、判定した運転席のドアの開閉状態についての情報を、車内LAN91に出力する。
【0040】
電源管理制御装置13は、走行用バッテリ10と接続されている、電源管理制御装置13は、走行用バッテリ10の充放電を監視及び制御する制御装置である。電源管理制御装置13は、給電ソケット15及び接続検知部17と接続されている。給電ソケット15は、例えば駐車場及び充電スタンド等に設置された充電システムの給電プラグ(図示しない)と接続可能である。給電ソケット15と給電プラグとの接続によって、走行用バッテリ10の充電が開始される。これにより、走行用バッテリ10は、外部の充電スタンドから電力を供給される給電状態となる。
【0041】
接続検知部17は、給電ソケット15と接続されている。接続検知部17は、給電ソケット15への給電プラグの着脱によって、オン状態及びオフ状態が切り換わるスイッチである。電源管理制御装置13は、接続検知部17のオン状態及びオフ状態に基づいて、給電ソケット15への給電プラグの接続状態を判定する。そして、ボディ制御装置80は、給電プラグが接続状態にあると判定した場合には給電状態にある旨を、給電プラグが接続状態にないと判定した場合には給電状態にない旨を、給電状態についての情報として車内LAN91に出力する。
【0042】
電源管理制御装置13は、走行用バッテリ10の充電状態に関わる充電情報として、現在の走行用バッテリ10の残容量を検出する。そして、給電ソケット15に給電プラグが接続されている場合には、現在の残容量と給電ソケット15を通じて供給される電力とに基づいて、走行用バッテリ10を完全充電状態にするために必要な残り時間の情報を算出する。電源管理制御装置13は、走行用バッテリ10の充電状態に関わる充電情報として、算出した充電の残り時間情報を、車内LAN91に出力する。
【0043】
コンビネーションメータ100は、表示制御回路50、指針21を駆動するステッパーモータ30、及び上述した発光ダイオード41,43等によって構成されている。
【0044】
表示制御回路50は、各種の演算処理を行うプロセッサ、当該演算処理に用いられるプログラム及び車両に関する情報等が格納されたフラッシュメモリ、及び演算の作業領域として機能するRAMを有している。加えて、表示制御回路50は、車内LAN91に接続された種々の装置と情報をやりとりする通信インターフェース、ステッパーモータ30の回転を制御する駆動回路、及び発光ダイオード41,43等の発光を制御するレギュレータ回路を有している。
【0045】
表示制御回路50は、バッテリ95と常に導通している電源ラインと、リレー94を介した電源ラインとを有し、当該バッテリ95から電力を供給されている。加えて、表示制御回路50は、車内LAN91を通じて、横滑り防止装置70によって出力される走行情報としての速度情報、ボディ制御装置80によって出力される運転席のドアの開閉状態についての情報を取得する。さらに、表示制御回路50は、車内LAN91を通じて、電源管理制御装置13によって出力される給電状態についての情報及び充電情報としての充電の残り時間情報、並びに電力供給制御装置92によって出力される車両電源情報等を取得する。
【0046】
表示制御回路50は、ボディ制御装置80によって出力される運転席のドアの開閉状態についての情報に基づいて、車両においてスピードメータ20を視認可能な領域に存在する視認者を検知する。詳しく説明すると、運転席等のスピードメータ20を視認可能な領域に視認者が存在しない場合、当該視認者は、車両の外部に存在している場合が多い。車両の外部の視認者が運転席に移動するには、当該視認者は、運転席のドアを開ける必要がある。故に、ドアの開閉状態についての情報に基づいて、運転席のドアが閉状態から開状態になったことをもって、表示制御回路50は、スピードメータ20を視認可能な領域に視認者を検知するのである。
【0047】
ステッパーモータ30は、表示制御回路50の駆動回路からの指令信号に基づいて回転する指針軸を有している。指針軸には、指針21が取り付けられている。ステッパーモータ30は、指針21を指針軸と一体的に回転させることにより、目盛24等と協働で情報の表示を形成する。発光ダイオード41,43等は、表示制御回路50のレギュレータ回路からの電力の印加によって、速度単位表示部26、時間単位表示部27、複数の目盛24、指針21等に向けて光を出射する。
【0048】
以上の構成によるコンビネーションメータ100において、スピードメータ20には、図4に示されるように、互いに異なる情報を表示する二つの表示モードが設けられている。これらの表示モードは、互いに切り換え可能である。二つの表示モードのうちの一つは、速度表示モードである。速度表示モードのとき、スピードメータ20は、表示制御回路50によって取得される走行情報としての速度情報を表示する(図4(a)参照)。一方、二つの表示モードのうちの他の一つは、充電時間表示モードである。充電時間表示モードのとき、スピードメータ20は、表示制御回路50によって取得される充電情報としての充電の残り時間情報を表示することができる(図4(b)参照)。
【0049】
ここまで説明したコンビネーションメータ100が、スピードメータ20の表示モードを切り換える処理を、まず図5及び図6に基づいて詳しく説明する。
【0050】
図5に示されるのは、スピードメータ20の表示モードが速度表示モードから充電時間表示モードに切り換えられる処理である。図5に示される処理は、スピードメータ20の表示モードが車速表示モードである状態において、運転者によるパワースイッチ93の操作に基づいてコンビネーションメータ100の作動が開始されることにより、表示制御回路50によって実施される。
【0051】
S101では、車内LAN91を通じて、横滑り防止装置70から車速情報を取得し、S102に進む。S102では、S101にて取得した車速情報に基づいて、車両が停車状態にあるか否かを判定する。S102において、車速情報が実質的に毎時0キロメートル(km/h)を示すものでなければ、車両が停車状態にないと判定し、S101に戻る。一方、S102において、車速情報が実質的に0km/hを示すものであれば、車両が停車状態にあると判定し、S103に進む。
【0052】
S103では、車内LAN91を通じて、電源管理制御装置13から給電状態についての情報を取得し、S104に進む。S104では、S103において取得した給電状態についての情報に基づいて、走行用バッテリ10が給電状態にあるか否かを判定する。S104において、給電状態にない旨の情報を取得していると判定した場合、S103に戻る。一方、S104において、給電状態にある旨の情報を取得していると判定した場合、S105に進む。
【0053】
S105では、S102によって車両が停車状態にあると判定し、且つS104によって走行用バッテリ10が給電状態にあると判定したことに基づいて、スピードメータ20の表示モードを速度表示モードから充電時間表示モードに切り換える。
【0054】
図6に示されるのは、スピードメータ20の表示モードが充電時間表示モードから速度表示モードに切り換えられる処理である。図6に示される処理は、スピードメータ20の表示モードが図5に示される処理によって充電時間表示モードに切り換えられることにより、表示制御回路50によって実施される。
【0055】
S111では、車内LAN91を通じて、電源管理制御装置13から給電状態についての情報を取得し、S112に進む。S112では、S111において取得した給電状態についての情報に基づいて、走行用バッテリ10が給電状態にあるか否かを判定する。S112において、給電状態にある旨の情報を取得していると判定した場合、S111に戻る。一方、S112において、給電状態にない旨の情報を取得していると判定した場合、S113に進む。
【0056】
S113では、S112によって、走行用バッテリ10が給電状態でなくなったと判定したことに基づいて、スピードメータ20の表示モードを充電時間表示モードから速度表示モードに切り換える。
【0057】
以上の処理によって互いに切り換えられる速度表示モード及び充電時間表示モードにおいて、情報の表示を形成するために実施される処理を、以下図7及び図8に基づいて詳しく説明する。
【0058】
図7に示されるのは、速度表示モードにおいて、スピードメータ20に速度情報を表示させるための処理である。図7に示される処理は、視認者によるパワースイッチ93の操作に基づいてコンビネーションメータ100の作動が開始されることにより、表示制御回路50によって実施される。表示制御回路50による処理は、視認者よるパワースイッチ93の操作に基づいてコンビネーションメータ100の作動が停止されるか、又は、スピードメータ20の表示モードが充電時間表示モードに切り換わるまで、繰り返される。
【0059】
S121では、速度単位表示部26を表示させるために、発光ダイオード41に電力を印加し、S122に進む。これにより、速度表示モードのときには、速度単位表示部26及び時間単位表示部27のうち、速度単位表示部26が表示板23に表示される(図4(a)参照)。S122では、車内LAN91を通じて、横滑り防止装置70から車速情報を取得し、S123に進む。S123では、S122にて取得した車速情報に基づいて、ステッパーモータ30の指針軸の回転方向及び回転角度を算出し、S124に進む。
【0060】
S124では、S123にて算出された回転方向及び回転角度に指針軸を回転変位させるための指令信号をステッパーモータ30に出力し、S122に戻る。S124によって出力された指令信号に基づいて、ステッパーモータ30は、指針軸を指針21と共に回転変位させる。以上のS122〜S124の処理が繰り返されることにより、スピードメータ20は、速度表示モードにおいて、図4(a)に示されるように速度情報を走行情報として表示する。
【0061】
図8に示されるのは、充電情報表示モードにおいて、スピードメータ20に充電の残り時間情報を表示させるための処理である。図8に示される処理は、充電情報表示モードにて表示を停止した状態において、運転席のドアの開閉により視認者が検知されたこと基づいて、表示制御回路50によって実施される。さらに、充電情報表示モードでは、余分な電力の消費を低減するため、充電の残り時間情報の表示は、予め設定された所定時間を経過すると、停止される。
【0062】
S131では、カウンタによる経過時間の計測を開始し、S132に進む。S132では、時間単位表示部27を表示させるために、発光ダイオード43に電力を印加し、S133に進む。これにより、充電情報表示モードのときには、速度単位表示部26及び時間単位表示部27のうち、時間単位表示部27が表示板23に表示される(図4(b)参照)。
【0063】
S133では、車内LAN91を通じて、電源管理制御装置13から充電の残り時間情報を取得し、S134に進む。S134では、S133にて取得した充電の残り時間情報に基づいて、ステッパーモータ30の指針軸の回転方向及び回転角度を算出し、S135に進む。
【0064】
S135では、S134にて算出された回転方向及び回転角度に指針軸を回転変位させるための指令信号をステッパーモータ30に出力し、S136に進む。S135によって出力された指令信号に基づいて、ステッパーモータ30は、指針軸を指針21と共に回転変位させる。
【0065】
S136では、S131にて計測を開始したカウンタの経過時間が予め設定された所定時間を超えたか否かを判定する。S136において、カウンタの経過時間が所定時間を超えていないと判定した場合、S133に戻る。一方、S136において、カウンタの経過時間が所定時間を経過していると判定した場合、S137に進む。
【0066】
S137では、指針21を帰零させるための指令信号をステッパーモータ30に出力すると共に、発光ダイオード43等への電力の印加を停止し、処理を終了する。以上のS133〜S135の処理が繰り返されることにより、スピードメータ20には、図4(b)に示されるように充電の残り時間情報が表示される。そして、予め設定された時間が経過したことに基づいて、充電の残り時間情報の表示は再び停止される。
【0067】
ここまで説明した第一実施形態によれば、充電の残り時間情報は、特に走行用バッテリ10を充電する際に視認者にとって必要性の高い情報になる。このように、走行用バッテリ10を充電する場合、一般に車両は停車状態にある。また、車両が停車状態にある場合には、速度情報は、視認者にとって必要性の低い情報となる。以上のように、車両が停車状態である場合には、充電の残り時間情報が速度情報よりも必要性の高い情報となる。一方で、車両が停車状態でない場合には、充電の残り時間情報は速度情報よりも必要性の低い情報となる。
【0068】
そこで、スピードメータ20の表示モードが速度表示モードである状態において、車両が停車状態にあると判定したことに基づいて、表示制御回路50は、スピードメータ20の表示モードを速度表示モードから充電時間表示モードに切り換える。以上により、スピードメータ20は、充電の残り時間情報及び速度情報を、これらの情報が視認者によって必要とされるタイミングにて、適切に切り換えて表示し得る。故に、複数並べられた情報の表示が互いを見難くしてしまう事態は、回避され得る。加えて、スピードメータ20が速度情報及び充電の残り時間情報を切り換えて表示するので、コンビネーションメータ100の構成は、簡素になり得る。したがって、コンビネーションメータ100は、簡素な構成でありながら、速度情報及び充電の残り時間情報を分り易く表示することができる。
【0069】
加えて第一実施形態によれば、スピードメータ20の表示モードは、車両が停車状態にあり且つ走行用バッテリ10が給電状態にあると判定されたことに基づいて、速度表示モードから充電時間表示モードに切り換わる。故に、車両が停車状態になる度に、スピードメータ20に表示される情報が速度情報から充電の残り時間情報に切り換わる事態は、抑制され得る。以上により、視認者に煩わしく感じられ得る表示の切り換えは、低減される。加えて、特に充電の残り時間情報の表示の必要性が高まる走行用バッテリ10の給電状態においては、スピードメータ20は、充電の残り時間情報を確実に表示し得る。したがって、コンビネーションメータ100は、速度情報及び充電の残り時間情報を適切に切り換えることにより、これらの情報をさらに分り易く表示することができる。
【0070】
また第一実施形態では、スピードメータ20は、充電時間表示モードにおいて、走行用バッテリ10を完全充電状態にするために必要な充電の残り時間を充電情報として表示する。このような充電の残り時間情報は、走行用バッテリ10を充電する場合おいて、視認者にとって活用し易い実用的な情報である。例えば、充電の残り時間に基づいて、視認者は、走行用バッテリ10が完全充電状態になるまでの時間の行動を計画することができる。以上のように、コンビネーションメータ100によって表示される充電情報には、走行用バッテリ10を完全充電状態にするために必要な充電の残り時間の情報が好適なのである。
【0071】
さらに第一実施形態によれば、視認者は、車両を停車状態にした後、車両から離れる場合がある。この場合、車両の電源は、パワースイッチ93への視認者の操作によって、オフ状態にされる。このとき、スピードメータ20は、情報の表示を停止することにより余分な電力の消費の低減を図る。しかし、例えば走行用バッテリ10に充電をしている場合において、充電情報の表示が停止されると、視認者は、走行用バッテリ10の充電の残り時間情報を視認することができなくなってしまう。
【0072】
そこで、表示制御回路50は、車内LAN91を通じてボディ制御装置80から取得する運転席のドアの開閉状態の情報を用いて、スピードメータ20を視認可能な領域に存在する視認者を検知する。表示制御回路50は、視認者を検知したことに基づいて、充電の残り時間情報の表示をスピードメータ20に開始させる。以上により、コンビネーションメータ100は、電力消費の低減を実現しつつ、視認者によって必要とされるタイミングにて、充電の残り時間情報を分り易く表示することができる。
【0073】
また加えて第一実施形態によれば、走行用バッテリ10の残容量は、当該走行用バッテリ10が給電状態下にある場合でも、短時間のうちには大きく変動しない。故に、充電の残り時間情報は、予め設定された時間だけスピードメータ20に表示されても、視認者に十分に伝わり得る。以上により、コンビネーションメータ100は、予め設定された時間が経過したことに基づいてスピードメータ20による充電の残り時間情報の表示を再び停止することにより、情報を分り易く伝えつつ、余分な電力の消費を確実に低減できる。
【0074】
さらに加えて、表示板23及び指針21からなり、速度情報を表示するスピードメータ20は、コンビネーションメータ100に必ず設けられており、且つ、視認者に見易い位置に大きく形成されている場合が多い。そこで第一実施形態のように、スピードメータ20を表示モードの切り換え可能な構成とすることによれば、速度情報及び充電の残り時間情報は、このスピードメータ20によって確実に分り易く表示され得る。以上のように、表示モードの切り替え可能な表示手段として、速度情報を指針表示するスピードメータ20を備えることにより、コンビネーションメータ100は、速度情報及び充電の残り時間情報をさらに分かり易く表示できるようになる。
【0075】
またさらに、切り換え可能な複数の表示モードがスピードメータ20に設けられる第一実施形態では、スピードメータ20に現在表示されている情報が、複数の表示モードのうちのどの表示モードによる情報であるのかが、視認者にとって不明確になり易い。そこで、速度単位表示部26及び時間単位表示部27が表示板23に設けられる。そして、速度表示モードのときには速度単位表示部26が表示され、充電時間表示モードのときには時間単位表示部27が表示される。以上により、スピードメータ20は、現在表示されている情報が速度情報及び充電の残り時間情報のうちのいずれであるかということを、視認者に示すことができる。したがって、コンビネーションメータ100は、速度情報及び充電の残り時間情報を確実に分かり易く表示できる。
【0076】
尚、第一実施形態において、走行用バッテリ10が特許請求の範囲に記載の「二次電池」に相当し、スピードメータ20及び表示制御回路50が特許請求の範囲に記載の「表示手段」に相当し、速度単位表示部26が特許請求の範囲に記載の「走行単位表示部」に相当し、時間単位表示部27が特許請求の範囲に記載の「充電単位表示部」に相当し、表示制御回路50が特許請求の範囲に記載の「走行情報取得手段」,「充電情報取得手段」,「停車状態判定手段」,「表示モード切換手段」,「給電状態判定手段」,「視認者検知手段」に相当し、速度情報が特許請求の範囲に記載の「走行情報」及び「車両の走行速度の情報」に相当し、充電の残り時間情報が特許請求の範囲に記載の「充電情報」及び「充電時間の情報」に相当し、速度表示モードが特許請求の範囲に記載の「走行情報表示モード」に相当し、充電時間表示モードが特許請求の範囲に記載の「充電情報表示モード」に相当し、コンビネーションメータ100が特許請求の範囲に記載の「車両用表示装置」に相当する。
【0077】
(第二実施形態)
図9〜図13に示される本発明の第二実施形態は、第一実施形態の変形例である。第二実施形態によるコンビネーションメータ200は、表示モードの切り換え可能な表示手段として、第一実施形態のスピードメータ20(図1参照)に換えて、液晶表示装置220を備えている。加えて、コンビネーションメータ200の表示制御回路250は、車両が停車状態にあるか否かを判定するための情報に、第一実施形態の車速情報に換えて、電力供給制御装置92から出力される車両電源情報を用いる。以下、第二実施形態によるコンビネーションメータ200について、図9〜図13に基づいて詳細に説明する。
【0078】
図9及び図10に示されるように、第二実施形態によるコンビネーションメータ200は、液晶表示装置220及び表示制御回路250等によって構成されている。
【0079】
液晶表示装置220には、第一実施形態のスピードメータ20(図4参照)と同様に、速度表示モード及び充電時間表示モードが互いに切り換え可能に設けられている。速度表示モードのとき、液晶表示装置220は、表示制御回路250によって取得される走行情報としての速度情報を表示する(図9(a)参照)。一方、充電時間表示モードのとき、液晶表示装置220は、表示制御回路250によって取得される充電情報としての充電の残り時間情報を表示することができる(図9(b)参照)。
【0080】
液晶表示装置220は、液晶ディスプレイ230及びバックライト240を有する。液晶ディスプレイ230は、セグメント方式の液晶パネルを備えている。液晶ディスプレイ230には、数値表示部225、速度単位表示部226、時間単位表示部227が設けられている。数値表示部225は、表示制御回路250からの指令信号に基づいて、所望の数値をデジタル表示する。速度単位表示部226は、第一実施形態の速度単位表示部26(図4(a)参照)に相当し、速度情報に対応する単位として、「km/h」という文字を表示する。時間単位表示部227は、第一実施形態の時間単位表示部27(図4(b)参照)に相当し、充電の残り時間情報に対応する単位として、「min」をいう文字を表示する。
【0081】
バックライト240は、液晶ディスプレイ230の表示方向の裏面側に配置されている。バックライト240は、発光ダイオード等の光源を有しており、表示方向に向けて光を出射する。バックライト240から出射される光によって、液晶ディスプレイ230に形成される数値表示部225、速度単位表示部226、及び時間単位表示部227等は、透過照明される。
【0082】
表示制御回路250は、第一実施形態における表示制御回路50(図3参照)に相当する構成である。表示制御回路250は、運転席の座面への着座状態についての情報を、ボディ制御装置80から取得する。ボディ制御装置80は、座面センサ281等と接続されている。座面センサ281は、当該座面センサ281に印加される荷重によって電気抵抗値の変化するセンサである。座面センサ281は、運転席の座面部分に埋設されている。座面センサ281の電気抵抗値が視認者の運転席への着座によって変化することに基づいて、ボディ制御装置80は、視認者が運転席の座面に着座状態にあるか否かを判定する。そして、ボディ制御装置80は、判定した運転席の座面への着座状態についての情報を、車内LAN91に出力する。
【0083】
表示制御回路250は、ボディ制御装置80によって出力される運転席の座面への着座状態についての情報に基づいて、車両において液晶表示装置220を視認可能な領域に存在する視認者を検知する。液晶表示装置220は、運転席に着座する視認者にとって見易い位置に配置されている。故に、運転席の座面に視認者が着座したことをもって、表示制御回路250は、液晶表示装置220を視認可能な領域に視認者を検知するのである。
【0084】
表示制御回路250は、電力供給制御装置92から出力される車両電源情報のオン状態及びオフ状態に基づいて、車両が停車状態にあるか否かを判定する。これは、運転者によるパワースイッチ93の操作に基づいて、車両の電源がオン状態からオフ状態に切り換えられた場合には、車両は停車状態となるためである。表示制御回路250は、液晶表示装置220の表示モードが車速表示モードである状態において、車両が停車状態にあると判定したことに基づいて、図11に示される処理を開始する。図11に示されるのは、液晶表示装置220の表示モードを速度表示モードから充電時間表示モードに切り換えるための処理である。以下、図11に示される処理を詳しく説明する。
【0085】
S201では、車内LAN91を通じて、電源管理制御装置13から給電状態についての情報を取得し、S202に進む。S202では、S201において取得した給電状態についての情報に基づいて、走行用バッテリ10が給電状態にあるか否かを判定する。S202において、給電状態にない旨の情報を取得していると判定した場合、S201に戻る。一方、S202において、給電状態にある旨の情報を取得していると判定した場合、S203に進む。
【0086】
S203では、車両電源情報に基づいて車両が停車状態にあると判定し、且つS202によって走行用バッテリ10が給電状態にあると判定したことに基づいて、液晶表示装置220の表示モードを速度表示モードから充電時間表示モードに切り換える。
【0087】
尚、第二実施形態において、液晶表示装置220の表示モードを充電時間表示モードから速度表示モードに切り換える処理は、図4に示さる第一実施形態の処理と実質的に同一である。
【0088】
これらの処理によって互いに切り換えられる速度表示モード及び充電時間表示モードにおいて、情報の表示を形成するために実施される処理を、以下図12及び図13に基づいて詳しく説明する。
【0089】
図12に示されるのは、速度表示モードにおいて、液晶表示装置220に速度情報を表示させるための処理である。図12に示される処理は、第一実施形態と同様に、視認者によるパワースイッチ93の操作に基づいてコンビネーションメータ200の作動が開始されることにより、表示制御回路250によって実施される。表示制御回路250による処理は、視認者よるパワースイッチ93の操作に基づいてコンビネーションメータ200の作動が停止されるか、又は、液晶表示装置220の表示モードが充電時間表示モードに切り換わるまで、繰り返される。
【0090】
S221では、バックライト240に電力を印加し、S222に進む。これにより、バックライト240は、液晶ディスプレイ230に向けた光の出射を開始する。S222では、速度単位表示部226を表示させるための指令信号を、液晶ディスプレイ230に出力して、S223に進む。これにより、速度表示モードのときには、速度単位表示部226及び時間単位表示部227のうち、速度単位表示部226が液晶ディスプレイ230に表示される(図9(a)参照)。
【0091】
S223では、車内LAN91を通じて、横滑り防止装置70から車速情報を取得し、S224に進む。S224では、S223にて取得した車速情報が数値表示部225に表示されるように、指令信号を液晶ディスプレイ230に出力する。これらS223及びS224の処理が繰り返されることにより、液晶表示装置220は、速度表示モードにおいて、図9(a)に示されるように速度情報を走行情報として表示する。
【0092】
図13に示されるのは、充電情報表示モードにおいて、液晶表示装置220に充電の残り時間情報を表示させるための処理である。図13に示される処理は、充電情報表示モードにて表示を停止した状態において、運転席への視認者の着座により視認者が検知されたこと基づいて、表示制御回路250によって実施される。第二実施形態でも、充電情報表示モードでは、余分な電力の消費を低減するため、充電の残り時間情報の表示は、予め設定された所定時間を経過すると、停止される。
【0093】
S231では、カウンタによる経過時間の計測を開始し、S232に進む。S232では、バックライト240に電力を印加し、S233に進む。S233では、時間単位表示部227表示させるための指令信号を、液晶ディスプレイ230に出力して、S234に進む。これにより、充電時間表示モードのときには、速度単位表示部226及び時間単位表示部227のうち、時間単位表示部227が液晶ディスプレイ230に表示される(図9(b)参照)。
【0094】
S234では、車内LAN91を通じて、電源管理制御装置13から充電の残り時間情報を取得し、S235に進む。S235では、S234にて取得した充電の残り時間情報が数値表示部225に表示されるように、指令信号を液晶ディスプレイ230に出力し、S236に進む。
【0095】
S236では、S231にて計測を開始したカウンタの経過時間が予め設定された所定時間を超えたか否かを判定する。S236において、カウンタの経過時間が所定時間を超えていないと判定した場合、S234に戻る。一方、S236において、カウンタの経過時間が所定時間を経過していると判定した場合、S237に進む。
【0096】
S237では、数値表示部225及び時間単位表示部227による表示を停止させる指令信号を液晶ディスプレイ230に出力すると共に、バックライト240への電力の印加を停止し、処理を終了する。以上のS234及びS235の処理が繰り返されることにより、液晶ディスプレイ230には、図9(b)に示されるように充電の残り時間情報が表示される。そして、予め設定された時間が経過したことに基づいて、充電の残り時間情報の表示は再び停止される。
【0097】
ここまで説明した第二実施形態でも、車両が停車状態にあると判定したことに基づいて、液晶ディスプレイ230の表示モードは、速度表示モードから充電時間表示モードに切り換えられる。故に、充電の残り時間情報及び速度情報は、これらの情報が視認者によって必要とされるタイミングにて、適切に切り換えられて、表示される。加えて、表示手段として液晶ディスプレイ230を用いることにより、コンビネーションメータ200の構成は、さらに簡素になり得る。したがって、コンビネーションメータ200は、簡素な構成でありながら、速度情報及び充電の残り時間情報を分り易く表示することができる。
【0098】
加えて第二実施形態では、表示制御回路250は、車両電源情報に基づいて車両が停車状態にあるか否かを判定する。故に、車両の走行速度が0km/hになる度に、液晶ディスプレイ230に表示される情報が速度情報から充電の残り時間情報に切り換わる事態は、抑制され得る。以上により、視認者に煩わしく感じられ得る表示の切り換えは、低減される。したがって、コンビネーションメータ200は、速度情報及び充電の残り時間情報を適切に切り換えて、これらの情報をさらに分り易く表示することができる。
【0099】
また第二実施形態では、表示制御回路250は、運転席の座面への着座状態についての情報に基づいて、液晶ディスプレイ230を視認可能な領域に存在する視認者を検知する。そして、表示制御回路250は、視認者を検知したことに基づいて、充電の残り時間情報の表示を液晶表示装置220に開始させる。以上のように、表示制御回路250が視認者を検知するための情報は、第一実施形態のようなドアの開閉状態についての情報に限定されない。種々の情報を用いて表示制御回路250が視認者を検知する構成とすることにより、コンビネーションメータ200は、電力消費の低減を実現しつつ、視認者によって必要とされるタイミングにて、充電の残り時間情報を分り易く表示することができる。
【0100】
尚、第二実施形態において、液晶表示装置220及び表示制御回路250が特許請求の範囲に記載の「表示手段」に相当し、速度単位表示部226が特許請求の範囲に記載の「走行単位表示部」に相当し、時間単位表示部227が特許請求の範囲に記載の「充電単位表示部」に相当し、表示制御回路250が特許請求の範囲に記載の「走行情報取得手段」,「充電情報取得手段」,「停車状態判定手段」,「表示モード切換手段」,「給電状態判定手段」,「視認者検知手段」に相当し、コンビネーションメータ200が特許請求の範囲に記載の「車両用表示装置」に相当する。
【0101】
(第三実施形態)
図14〜図16に示される本発明の第三実施形態は、第一実施形態の別の変形例である。第三実施形態によるコンビネーションメータ300において、スピードメータ320は、速度表示モードのとき、第一実施形態と同様に、走行情報としての速度情報を表示する(図14(a)参照)。一方、スピードメータ320には、第一実施形態の充電時間表示モードに換えて、残容量表示モードが設けられている。残容量表示モードのとき、スピードメータ320は、走行用バッテリ10の完全充電状態に対する現在の残容量の情報(以下、残容量情報)を、充電情報として表示する。以下、第三実施形態によるコンビネーションメータ300について、図14〜図16に基づいて、図3を参照しつつ詳細に説明する。
【0102】
スピードメータ320の表示板323は、第一実施形態による表示板23(図1参照)に相当し、複数の目盛24、数字表示部25、速度単位表示部26、及び充電情報表示部327等が設けられている。充電情報表示部327は、残容量情報に対応する表示として、「Battery」という文字及び「Full」をいう文字を表示する(図14(b)参照)。
【0103】
第三実施形態による表示制御回路350は、車内LAN91を通じて、電源管理制御装置13から、走行用バッテリ10の残容量情報を充電情報として取得する。また、第三実施形態による表示制御回路350は、スピードメータ320の表示モードの切り換えに、電源管理制御装置13から取得する給電状態についての情報を用いない。以下、コンビネーションメータ300の表示制御回路350がスピードメータ320の表示モードを切り換える処理を、図15に基づいて詳しく説明する。図15に示される処理は、運転者によるパワースイッチ93の操作に基づいてコンビネーションメータ300の作動が開始されることにより、表示制御回路350によって実施される。表示制御回路350による処理は、視認者よるパワースイッチ93の操作に基づいてコンビネーションメータ300の作動が停止されるまで、繰り返される。
【0104】
S301では、スピードメータ320の表示モードを残容量表示モードに設定し、S302に進む。S302では、車内LAN91を通じて、横滑り防止装置70から車速情報を取得し、S303に進む。
【0105】
S303では、S302にて取得した車速情報に基づいて、車両が停車状態にあるか否かを判定する。S303において、車速情報が実質的に0km/hを示すものであれば、車両が停車状態にあると判定し、S302に戻る。これにより、残容量表示モードが継続される。一方、S303において、車速情報が実質的に0km/hを示すものでなければ、車両が停車状態にないと判定し、S304に進む。
【0106】
S304では、S303にて車両が停車状態にないと判定したことに基づいて、スピードメータ320の表示モードを残容量表示モードから速度表示モードに切り換えて、S305に進む。S305では、車内LAN91を通じて、横滑り防止装置70から車速情報を取得し、S306に進む。
【0107】
S306では、S305にて取得した車速情報に基づいて、車両が停車状態にあるか否かを判定する。S306において、車速情報が実質的に0km/hを示すものでなければ、車両が停車状態にないと判定し、S305に戻る。これにより、速度表示モードが継続される。一方、S306において、車速情報が実質的に0km/hを示すものであれば、車両が停車状態にあると判定し、S307に進む。
【0108】
S307では、スピードメータ320の表示モードが速度表示モードである状態において、車両が停車状態にあるとS306にて判定したことに基づいて、表示モードを残容量表示モードに切り換えて、S302に戻る。以上のS302〜S307の処理が繰り返されることにより、スピードメータ320の表示モードは、車両が停車状態にあるか否かに基づいて、速度表示モード及び残容量表示モードのうちで適宜切り換えられる。
【0109】
以上の処理によって互いに表示モードが切り換えられるコンビネーションメータ300において、スピードメータ320の表示を形成するために実施される処理を、以下図16に基づいて詳しく説明する。図16に示される処理は、視認者によるパワースイッチ93の操作に基づいてコンビネーションメータ300の作動が開始されることにより、表示制御回路350によって実施される。表示制御回路350による処理は、視認者よるパワースイッチ93の操作に基づいてコンビネーションメータ300の作動が停止されるまで繰り返される。
【0110】
S321では、図15に示される処理によって切り換えられるスピードメータ320の現在の表示モードが、速度表示モードであるか否かを判定する。S321にて、現在の表示モードが残容量表示モードに設定されていると判定した場合、S324に進む。一方、S321において、現在の表示モードが速度表示モードであると判定した場合、S322に進む。
【0111】
S322では、速度単位表示部26及び全ての数字表示部25等を表示させるための発光ダイオードに電力を印加し、S323に進む。これにより、速度表示モードのときには、速度単位表示部26及び全ての数字表示部25等が表示板323に表示される(図14(a)参照)。S323では、車内LAN91を通じて、横滑り防止装置70から車速情報を取得し、S326に進む。
【0112】
S324では、充電情報表示部327及び「0」の数字表示部25等を表示させるための発光ダイオードに電力を印加し、S325に進む。これにより、残容量表示モードのときには、充電情報表示部327及び「0」の数字表示部25等が表示板323に表示される(図14(b)参照)。S325では、車内LAN91を通じて、電源管理制御装置13から残容量情報を取得し、S326に進む。
【0113】
S326では、S323にて取得した車速情報又はS324にて取得した残容量情報に基づいて、ステッパーモータ30の指針軸の回転方向及び回転角度を算出し、S327に進む。S327では、S326にて算出された回転方向及び回転角度に指針軸を回転変位させるための指令信号をステッパーモータ30に出力し、S321に戻る。S327によって出力された指令信号に基づいて、ステッパーモータ30は、指針軸を指針21と共に回転変位させる。以上のS321〜S327の処理が繰り返されることにより、スピードメータ320は、現在の表示モードに対応する情報を指針表示する。
【0114】
尚、残容量表示モードにて表示を停止した状態において、運転席のドアの開閉により視認者が検知された場合、表示制御回路350は、図8に示される処理によって、スピードメータ320に走行用バッテリ10の残容量情報を表示させる。加えて、残容量情報の表示は、余分な電力の消費を低減するために、予め設定された所定時間を経過すると、停止される。
【0115】
ここまで説明した第三実施形態において、スピードメータ320の表示モードは、車両が停車状態にあると判定される度に、速度表示モードから充電時間表示モードに切り換えられる。このような形態でも、速度情報及び充電情報としての残容量情報は、視認者によって必要とされるタイミングにて、適切に切り換えられて、表示される。したがって、第三実施形態によるコンビネーションメータ300は、簡素な構成でありながら、速度情報及び残容量情報を分り易く表示することができる。
【0116】
加えて第三実施形態では、充電情報として残容量情報が表示される。このように、充電情報は、第一及び第二実施形態のような充電の残り時間情報に限定されない。
【0117】
尚、第三実施形態において、スピードメータ320及び表示制御回路350が特許請求の範囲に記載の「表示手段」に相当し、充電情報表示部327が特許請求の範囲に記載の「充電単位表示部」に相当し、表示制御回路350が特許請求の範囲に記載の「走行情報取得手段」,「充電情報取得手段」,「停車状態判定手段」,「表示モード切換手段」,「給電状態判定手段」,「視認者検知手段」に相当し、残容量情報が特許請求の範囲に記載の「充電情報」に相当し、残容量表示モードが特許請求の範囲に記載の「充電情報表示モード」に相当し、コンビネーションメータ300が特許請求の範囲に記載の「車両用表示装置」に相当する。
【0118】
(第四実施形態)
図17に示される本発明の第四実施形態は、第一実施形態のさらに別の変形例である。第四実施形態によるコンビネーションメータ400は、スピードメータ420a及びタコメータ420bを備えている。スピードメータ420a及びタコメータ420bは、走行情報表示モード及び充電時間表示モードのうちで表示モードを切り換えることができる。
【0119】
スピードメータ420aは、走行情報表示モードのとき、第一実施形態にと同様に、走行情報としての速度情報を表示する(図17(a)参照)。一方、タコメータ420bは、走行情報表示モードのとき、走行情報として、内燃機関の出力軸の回転速度情報を表示する(図17(a)参照)。
【0120】
また、タコメータ420b及びスピードメータ420aは、充電時間表示モードのとき、協働で充電の残り時間情報を表示することができる。具体的には、タコメータ420bは、充電時間表示モードのとき、充電の残り時間のうちの時間単位の部分を表示する。スピードメータ420aは、充電時間表示モードのとき、充電の残り時間のうちの分単位の部分を表示する。
【0121】
スピードメータ420aの表示板423aは、第一実施形態の表示板23(図1参照)と実施的に同一である。タコメータ420bの表示板423bには、複数の目盛424b、数字表示部425b、回転速度単位表示部426b、及び時間単位表示部427b等が設けられている。複数の目盛424b及び数字表示部425bは、第一実施形態の複数の目盛24及び数字表示部25(図1参照)に相当する。回転速度単位表示部426bは、回転速度に対応する単位として「×1000rpm」という文字を表示する。時間単位表示部427bは、充電の残り時間のうち時間単位の部分に対応する単位として、「hour」をいう文字を表示する。
【0122】
ここまで説明した第四実施形態のように、スピードメータ420a及びタコメータ420b等の複数の表示手段が用いられることによって、充電の残り時間情報は、表示されてもよい。このような形態であれば、車両に搭載される走行用バッテリ10の容量が大きく、完全充電状態にするまでの充電時間が非常に長い場合でも、コンビネーションメータ400は、充電の残り時間情報を精度良く指針表示することができる。
【0123】
尚、第四実施形態において、スピードメータ420a及びタコメータ420bが特許請求の範囲に記載の「表示手段」に相当し、回転速度単位表示部426bが特許請求の範囲に記載の「走行単位表示部」に相当し、時間単位表示部427bが特許請求の範囲に記載の「充電単位表示部」に相当し、コンビネーションメータ400が特許請求の範囲に記載の「車両用表示装置」に相当する。
【0124】
(他の実施形態)
以上、本発明による複数の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定して解釈されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態及び組み合わせに適用することができる。
【0125】
上記第四実施形態では、充電の残り時間情報の時間単位の部分がタコメータ420bに表示され、充電の残り時間情報の分単位の部分がスピードメータ420aに表示されていた。しかし、例えば、充電の残り時間がスピードメータ420aによって表示可能なスケールを超えた場合に、タコメータ420bが充電の残り時間情報を時間単位で表示してもよい。
【0126】
上記実施形態では、車速情報及び車両電源情報のいずれかに基づいて、表示制御回路50は、車両が停車状態にあるか否かを判定していた。しかし、車両の停車判定に用いられる情報は、上記実施形態の情報に限定されない。例えば、表示制御回路は、車両に搭載された内燃機関が稼動状態に無いとき、車両が停車状態にあると判定する形態であってもよい。又は、表示制御回路は、セレクターレバーの現在のポジションが、「パーキング」の位置にあるとき、車両が停車状態にあると判定する形態であってもよい。
【0127】
上記実施形態では、充電の残り時間情報又は残容量情報が、充電情報として表示されていた。しかし、充電情報として表示される走行用バッテリに関わる情報は、上記実施形態の情報に限定されない。例えば、走行用バッテリの電圧情報等が充電情報として表示されてもよい。
【0128】
上記実施形態では、走行情報として車速情報を表示するスピードメータ、及び走行情報として回転速度情報を表示するタコメータ等の表示手段が、表示モードの切り換え可能な構成とされていた。このような表示モードの切り換えが可能な表示手段によって表示される走行情報は、車速情報及び回転速度情報に限定されない。例えば、表示手段は、走行情報表示モードにおいて、内燃機関とモータとを組み合わせてなるハイブリッド方式のパワートレインの出力情報を表示する形態であってもよい。
【0129】
上記実施形態では、運転席のドアの開閉状態についての情報又は運転席の座面への着座状態についての情報を用いることにより、表示制御回路は、コンビネーションメータを視認可能な領域に存在する視認者を検知していた。しかし、視認者を検知するために表示制御回路によって用いられる情報は、これらの情報に限定されない。例えば、運転席の周辺に配置されたスイッチの操作情報を取得し、これらのスイッチのいずれかが操作されたことをもって、表示制御回路は、視認者を検知してもよい。又は、表示制御回路は、コンビネーションメータを視認可能な領域に視認者を、赤外線センサ等によって直接検知してもよい。
【0130】
上記第一実施形態等において、表示手段としての指針計器は、円状に並べられた複数の目盛24を回転変位する指針21によって指し示すことにより、情報の表示を形成していた。しかし、表示手段としての指針計器は、例えば直線状に並べられた複数の目盛を直線変位する指針によって指し示すことにより、情報の表示を形成する形態であってもよい。このように、表示手段としての指針計器の形態は、適宜変更されてよい。また、表示手段として用いられる液晶表示装置は、上記第二実施形態のようなセグメント方式の液晶ディスプレイに換えて、ドットマトリクス方式の液晶ディスプレイを有していてもよい。
【0131】
上記実施形態では、車両の電源がオフ状態にされた後での充電情報の表示は、視認者が検知されることにより開始されていた。しかし、車両の電源がオフ状態にされても、充電情報の表示は継続されてもよい。又は、コンビネーションメータは、車両の電源がオフ状態にされると、充電情報の表示を行わない形態であってもよい。さらに、一旦開始した表示を再び停止するタイミングは、適宜変更されてよく、視認者によって調整可能であってもよい。
【0132】
上記実施形態では、表示モードの切り換えに伴って、速度単位表示部と時間単位表示部とを切り換えて表示することにより、現在の表示モードが視認者に分かりやすく示されていた。しかし、表示モードの切り換えに伴って変更される「走行単位表示部」及び「充電単位表示部」は、上記実施形態のものに限定されない。例えば、表示手段としてのスピードメータは、「SPEED」という表示部の表示によって、現在の表示モードが速度表示モードであることを示してもよい。
【0133】
上記実施形態では、表示制御回路50によって所定のプログラムが実施されることにより、特許請求の範囲に記載の「走行情報取得手段」,「充電情報取得手段」,「停車状態判定手段」,「表示モード切換手段」等に相当する機能は、果たされていた。しかし、これらの手段に相当する機能は、複数の回路又は装置によって果たされてもよい。加えて、これらの回路又は装置は、上記実施形態の表示制御回路50のようなプログラムを実行することにより所定の機能を果たす回路であってもよく、又はプログラムによらないで所定の機能を果たす回路であってもよい。
【符号の説明】
【0134】
10 走行用バッテリ(二次電池)、13 電源管理制御装置、15 給電ソケット、17 接続検知部、20,320,420a スピードメータ(表示手段)、420b タコメータ(表示手段)、220 液晶表示装置(表示手段)、21 指針、23,323,423a,423b 表示板、24,424b 目盛、25,425b 数字表示部、225 数値表示部、26,226 速度単位表示部(走行単位表示部)、426b 回転速度単位表示部(走行単位表示部)、27,227,427b 時間単位表示部(充電単位表示部)、327 充電情報表示部(充電単位表示部)、28 回路基板、29 遮光壁部、30 ステッパーモータ、230 液晶ディスプレイ、240 バックライト、41,43 発光ダイオード、50,250,350 表示制御回路(走行情報取得手段,充電情報取得手段,停車状態判定手段,表示モード切換手段,給電状態判定手段,視認者検知手段,表示手段)、70 横滑り防止装置、80 ボディ制御装置、81 ドアセンサ、281 座面センサ、91 車内LAN、92 電力供給制御装置、93 パワースイッチ、94 リレー、95 バッテリ、100,200,300,400 コンビネーションメータ(車両用表示装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
充放電可能な二次電池と共に車両に搭載され、前記二次電池の充電状態に関わる充電情報を表示する車両用表示装置であって、
前記車両の走行状態に関わる走行情報を取得する走行情報取得手段と、
前記二次電池の前記充電情報を取得する充電情報取得手段と、
前記車両が停車状態にあるか否かを判定する停車状態判定手段と、
互いに異なる情報を表示する複数の表示モードが切り換え可能に設けられており、前記複数の表示モードのうちの一つとして前記走行情報取得手段によって取得される前記走行情報を表示する走行情報表示モード、及び前記複数の表示モードの他の一つとして前記充電情報取得手段によって取得され前記充電情報を表示する充電情報表示モードを有する表示手段と、
前記表示手段の表示モードが前記走行情報表示モードである状態において、前記停車状態判定手段によって前記車両が停車状態にあると判定されたことに基づいて、前記表示手段の表示モードを前記走行情報表示モードから前記充電情報表示モードに切り換える表示モード切換手段と、
を備えることを特徴とする車両用表示装置。
【請求項2】
前記二次電池が外部から電力を供給される給電状態にあるか否かを判定する給電状態判定手段、をさらに備え、
前記表示モード切換手段は、前記表示手段の表示モードが前記走行情報表示モードである状態において、前記停車状態判定手段によって前記車両が停車状態にあると判定され、且つ前記給電状態判定手段によって前記二次電池が給電状態にあると判定されたことに基づいて、前記表示手段の表示モードを前記走行情報表示モードから前記充電情報表示モードに切り換えることを特徴とする請求項1に記載の車両用表示装置。
【請求項3】
前記充電情報取得手段は、前記二次電池を完全充電状態にするために必要な充電時間の情報を前記充電情報として取得し、
前記表示手段は、前記充電情報表示モードにおいて前記充電時間の情報を表示することを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用表示装置。
【請求項4】
前記車両において前記表示手段を視認可能な領域に存在する視認者を検知する視認者検知手段をさらに備え、
前記表示手段は、前記充電情報表示モードにて前記充電情報の表示を停止した状態において、前記視認者検知手段によって前記視認者が検知されたこと基づいて、前記充電情報の表示を開始することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の車両用表示装置。
【請求項5】
前記表示手段は、前記視認者が検知されたこと基づいて前記充電情報の表示を開始した後、予め設定された時間が経過したことに基づいて前記充電情報の表示を再び停止することを特徴とする請求項4に記載の車両用表示装置。
【請求項6】
前記表示手段は、
互いに間隔を開けて並べられた複数の目盛を表示する表示板と、
前記走行情報及び前記充電情報のうち、前記表示手段の現在の表示モードに対応する情報に応じて前記表示板に沿って変位することにより、当該現在の表示モードに対応する情報の表示を前記複数の目盛と協働で形成する指針と、
を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の車両用表示装置。
【請求項7】
前記表示板は、前記走行情報に対応する単位を表示する走行単位表示部、及び前記充電情報に対応する単位を表示する充電単位表示部、を有し、
前記表示手段は、
前記走行情報表示モードのとき、前記走行単位表示部及び前記充電単位表示部のうち前記走行単位表示部を表示し、
前記充電情報表示モードのとき、前記走行単位表示部及び前記充電単位表示部のうち前記充電単位表示部を表示することを特徴とする請求項6に記載の車両用表示装置。
【請求項8】
前記走行情報取得手段は、前記車両の走行速度の情報を前記走行情報として取得し、
前記表示手段は、前記走行情報表示モードにおいて、前記車両の走行速度の情報を前記走行情報として表示することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の車両用表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−197013(P2012−197013A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−61866(P2011−61866)
【出願日】平成23年3月21日(2011.3.21)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】