説明

車両用表示装置

【課題】規制情報を運転者に判り易く報知できる車両用表示装置の提供。
【解決手段】車両に搭載され、車両が走行する道路における交通の規制情報を報知するため、横長の表示領域10に規制画像2aを表示する車両用表示装置100であって、想定される規制情報に関連付けて、表示領域10において規制画像2aを表示する横方向の表示位置を予め記憶するとともに、現在の規制情報を取得する演算部21と、演算部21によって取得された現在の規制情報を報知する規制画像2aを生成する描画部22と、現在の規制情報に関連付けられた表示位置に、描画部22によって生成された規制画像2aを表示する液晶ディスプレイパネル40と、を備えることを特徴とする車両用表示装置100とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示領域に画像を表示する車両用表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両が走行する道路に関する種々の交通情報を、例えば運転席の前方に形成された表示領域に表示する車両用表示装置が知られている。このような装置の一種として、例えば特許文献1に開示の車両用表示装置は、ウィンドシールドガラスに形成された横長の表示領域に画像を投影する液晶表示器を備えている。この液晶表示器は、例えば道路情報を表す案内標識像や車線情報を表す車線像を生成し、表示領域の中央付近に、これら案内標識像及び車線像を投影により表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−1377号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
さて、特許文献1に記載の車両用表示装置では、案内標識像や車線像は、その内容にかかわらず、横長の表示領域の中央付近に先ず表示されていた。ここで、交通に係わる種々の情報のうち、運転者の車両に対する操作を制限する規制情報は、特に運転者に判り易く報知されることが望ましい。しかし、上述した特許文献1の構成では、液晶表示部は、表示領域において画像が表示される横方向の表示位置を、当該画像によって報知される規制情報の内容に応じて変更することができない。故に、交通の規制情報に係わる操作を運転者が車両に対して入力する際に、規制情報を報知する画像は、当該運転者の視線の向いている範囲に表示されない場合があった。このように、運転者の視線が向く範囲と、画像の表示される表示位置との間にずれが生じることにより、車両用表示装置は、当該画像に対応する規制情報を、運転者に判り易く報知することができない場合があった。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、規制情報を運転者に判り易く報知できる車両用表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、車両に搭載され、車両が走行する道路における交通の規制情報を報知するため、横長の表示領域に規制画像を表示する車両用表示装置であって、想定される規制情報に関連付けて、表示領域において規制画像を表示する横方向の表示位置を予め記憶する記憶手段と、現在の規制情報を取得する規制情報取得手段と、規制情報取得手段によって取得された現在の規制情報を報知する規制画像を生成する画像生成手段と、規制情報取得手段によって取得された現在の規制情報に関連付けられた表示位置に、画像生成手段によって生成された規制画像を表示する表示手段と、を備えることを特徴とする車両用表示装置とする。
【0007】
この発明によれば、記憶手段は、横長の表示領域において、交通の規制情報を報知する規制画像を表示する水平方向の表示位置を、想定される規制情報に関連付けて予め記憶している。故に、表示手段は、規制情報取得手段によって取得された現在の規制情報に関連付けられた表示位置に、画像生成手段によって生成された当該規制情報を報知するための規制画像を表示することができる。以上の構成では、表示領域において規制画像を表示する横方向の表示位置を、想定される規制情報の内容に応じて変更することが可能になる。
【0008】
ここで、記憶手段において関連付けられる規制画像の表示位置は、規制情報の内容に応じて、運転者の視線が向く蓋然性の高い範囲に規定されるものとする。すると、交通の規制情報に係わる操作を運転者が車両に対して入力する際に、当該運転者の視線の向いている範囲に、規制画像は表示され得る。このように、運転者の視線が向く範囲に合わせて規制画像が表示されることにより、車両用表示装置は、規制情報を運転者に判り易く報知することができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、記憶手段は、横方向において表示領域を三つ以上に分割した複数の分割表示部のうちのいずれかを、規制画像を表示する分割表示部として、想定される規制情報に関連付けて記憶し、表示手段は、規制情報取得手段によって取得された現在の規制情報に関連付けられた分割表示部に、規制画像を表示することを特徴とする。
【0010】
一般に、運転者が車両に対して操作を入力する際に、当該運転者が視線を向ける方向としては、大別して、車両の走行方向に沿った方向、車両の走行方向に対して右方向、車両の走行方向に対して左方向が代表的なものである。そこでこの発明では、横方向において表示領域を少なくとも三つ以上に分割した分割表示部のうちのいずれかを、規制画像を表示する分割表示部として記憶手段に予め記憶させ、当該規制画像は、当該分割表示部に表示されるようにする。このように、横方向において表示領域を三つ以上に分割することにより、少なくとも運転者が視線を向ける上述した代表的な三つの方向に対応した分割表示部を、当該表示領域に設けることができる。そして、視線の向けられた分割表示部に、規制画像を表示することができれば、規制情報は、運転者に確実に報知され得る。
【0011】
請求項3に記載の発明は、表示手段は、規制情報取得手段が現在の規制情報を複数取得したとき、これら複数の規制情報に対応する複数の規制画像を同じ分割表示部に表示する場合、当該複数の規制画像を、横方向に並べて当該分割表示部に表示することを特徴とする。
【0012】
この発明では、規制情報取得手段が複数の規制情報を取得すると、これら複数の規制情報に対応する各規制画像を、同じ分割表示部に表示しなければならない場合が生じる。この場合において、仮に、複数の規制画像を分割表示部に縦方向に並べて表示すると、当該規制画像は、横長の表示領域から外れ、表示されなくなるおそれがある。規制画像が確実に表示されるよう予め表示領域を縦方向に長く形成してしまうと、縦方向に並べられた複数の規制画像は、表示領域内に確実に表示されるものの、運転者の視野角が一般に縦方向に狭いことに起因して、当該運転者の視界を狭めてしまうおそれがある。故に、複数の規制画像は、横方向に並べて分割表示部に表示されるのがよいのである。横方向に並べて表示される複数の規制画像は、運転者の視界を狭めることなく、表示領域内に確実に表示されて、規制情報を運手者に確実に報知することができる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、規制情報取得手段は、車両の前方領域を撮像する撮像部と、撮像部によって撮像された前方領域の撮像画像から、規制情報を示す標識の画像を抽出することにより、規制情報を取得する抽出部と、を備えることを特徴とする。
【0014】
一般に、車両が走行する道路における交通の規制情報は、車両の前方領域に設置されている、規制情報を示す標識によって、各車両の運転者に報知される。そこでこの発明のように、車両の前方領域を撮像部によって撮像し、当該前方領域の撮像画像から、規制情報を示す標識の画像を抽出部によって抽出することにより、規制情報取得部は、正確な規制情報を取得し得る。正確な規制情報の取得により、車両用表示装置は、運転者の視線が向く範囲に、規制画像を正確に表示できるようになる。このように、正確な規制情報を取得することができる規制情報取得手段として、撮像部及び抽出部を有する構成は、好適なのである。
【0015】
請求項5に記載の発明は、撮像部は、赤外線を用いて前方領域を撮像する赤外線カメラであることを特徴とする。
【0016】
この発明によれば、赤外線を用いて前方領域を撮像する赤外線カメラは、可視光の少ない夜間であっても、当該前方領域を撮像することができる。故に、規制情報取得手段は、赤外線カメラによって撮像された前方領域の撮像画像から、抽出部によって規制情報を示す標識の画像を抽出することにより、夜間においても正確な規制情報を取得し得る。以上により、夜間であっても、車両表示装置は、運転者の視線が向く範囲に規制画像を表示する動作を確実に行い得る。一方、夜間においては、運転者による規制情報を示す標識の視認は、困難になり易い。したがって、赤外線カメラを撮像部として用いることにより、規制情報を判り易く報知できる効果は、夜間の走行時において、運転者の負荷の軽減に多大な貢献を果たすことができる。
【0017】
請求項6に記載の発明は、表示手段は、撮像部によって撮像された車両前方の撮像画像を表示する表示画面に表示領域を形成し、規制画像を撮像画像に重畳して表示するディスプレイ部、を有することを特徴とする。
【0018】
この発明のように、ディスプレイ部に規制画像を表示する形態では、当該規制画像は、撮像画像を表示する表示画面に形成される表示領域に、当該撮像画像と重畳して表示されるのがよい。このような規制画像と撮像画像との重畳により、ディスプレイ部の表示画面には、規制情報を示す標識の画像と規制画像とが共に表示され得る。故に、車両用表示装置は、標識を撮像した画像及び規制画像によって、規制情報を運転者にさらに判り易く報知することができる。
【0019】
請求項7に記載の発明は、表示手段は、運転者の前方のウィンドスクリーンに形成される表示領域に規制画像を投影し、当該規制画像を車両の前方領域の景色に重畳して表示する投影部、を有することを特徴とする。
【0020】
この発明では、運転者の前方のウィンドスクリーンに表示領域を形成し、投影部が、当該表示領域に規制画像を投影する。これにより、規制画像は、車両の前方領域の景色と重畳して表示される。このように規制画像を前方領域の景色と重畳することにより、車両用表示装置は、規制画像を、車両の前方領域に設置された規制情報を報知するための実際の標識等と共に、運転者に視認させることができる。故に、車両用表示装置は、実際の標識及び規制画像によって、規制情報を運転者にさらに判り易く報知することができる。
【0021】
請求項8に記載の発明は、規制情報取得手段は、車両の走行する道路に設置された路側器との間で通信を行うことにより、路側器から規制情報を取得する車載器、を有することを特徴とする。
【0022】
この発明のように、近年では、重要な規制情報は、車両の走行する道路に設置された路側器から、各車両に向けて通信により報知されている。故に、路側器との間で通信を行うことにより規制情報を取得する車載器を有することにより、規制情報取得手段は、確実に重要な規制情報を取得することができるようになる。したがって、車両用表示装置は、運転者の視線が向く範囲に、重要な規制画像を洩れなく表示できるようになる。このように、重要な規制情報を確実に取得することができる規制情報取得手段として、車載器を有する構成は、特に好適なのである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第一実施形態及び第二実施形態による車両用表示装置が搭載される車両において、表示領域の形成される位置を示す図である。
【図2】本発明の第一実施形態による車両用表示装置の構成を概略的に示す構成図である。
【図3】本発明の第一実施形態による車両用表示装置によって生成される表示画像を説明するための図であって、規制画像が表示されていない場合の表示画像を示す図である。
【図4】本発明の第一実施形態による車両用表示装置によって生成される表示画像を説明するための図であって、各分割表示部に規制画像が表示された場合の表示画像を示す図である。
【図5】本発明の第一実施形態による車両用表示装置において、想定される規制情報の酒類と、当該規制情報に関連付けられている分割表示部がいずれかであるかを説明するための図である。
【図6】本発明の第一実施形態による車両用表示装置によって生成される表示画像を説明するための図であって、一つの分割表示部に複数の規制画像が表示された場合の表示画像を示す図である。
【図7】本発明の第一実施形態による車両用表示装置において、現在の規制情報が取得された場合に、演算部が実行する制御フローを示すフローチャートである。
【図8】本発明の第二実施形態による車両用表示装置の構成を概略的に示す構成図である。
【図9】本発明の第二実施形態による車両用表示装置によって、ウィンドスクリーンに規制画像が投影された状態を説明するための図ある。
【図10】図4の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。また、各実施形態の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施形態の構成同士を部分的に組み合せることができる。
【0025】
(第一実施形態)
以下、本発明の第一実施形態を図面に基づいて説明する。車両用表示装置100は、図1に示すように、インスツルメントパネル71の中央部に埋め込まれた液晶ディスプレイパネル40の表示画面40aに、図3に示すような表示画像1を表示することにより、運転者に種々の情報を報知することができる。
【0026】
まず、図2に基づいて、車両用表示装置100の構成を説明する。
【0027】
車両用表示装置100は、車両に搭載され、車載器50、近赤外線カメラ30、制御回路20、及び液晶ディスプレイパネル40を備えている。
【0028】
車載器50は、道路交通情報通信システム(VICS 登録商標)に対応した通信機器である。車載器50は、車両の走行する道路に設置された、路側器60との間で通信を行うことにより、当該路側器60から例えば速度規制、チェーン規制、通行止め、及び車線規制等の規制情報を取得する。この路側器60は、例えば、準マイクロ波又は赤外線を発射するビーコンである。車載器50は、路側器60との通信によって、上述した規制情報を取得する。車載器50は、取得した規制情報を制御回路20に出力する。
【0029】
近赤外線カメラ30は、日中の可視光が多量な状況に加えて、夜間や暗所といった可視光が微量な状況においても、赤外線を用いることにより車両前方の例えば40〜250メートル程度の領域を撮像可能なカメラである。近赤外線カメラ30は、車両の前方に撮像面を向けて、車室内に設置されている。近赤外線カメラ30は、例えば車両のフロントヘッドライトモジュール(図示しない)に設置された近赤外線投光器(図示しない)から照射され、前方領域の物体で反射された波長900〜1500ナノメートル程度の近赤外線を検知する。近赤外線カメラ30は、撮像素子により近赤外線光の強度を電気信号に変換することにより、撮像画像2(図3参照)を生成する。近赤外線カメラ30によって撮像された撮像画像2の画像データは、映像信号として制御回路20に逐次出力される。
【0030】
制御回路20は、液晶ディスプレイパネル40の表示画面40a(図1参照)に表示される表示画像1(図3参照)を生成する回路である。制御回路20は、各種の演算処理を行うプロセッサ、当該演算処理に用いられるプログラム及び車両に関する情報等が格納されたフラッシュメモリ、及び演算の作業領域として機能するRAM等によって構成されている。加えて、制御回路20は、車載器50及び近赤外線カメラ30から出力された情報を取得するための入力インターフェース、及び表示画像1の映像信号を液晶ディスプレイパネル40に逐次出力するための映像出力インターフェースを有している。
【0031】
液晶ディスプレイパネル40は、表示画像1を表示する表示画面40a(図1参照)が運転者から視認可能な位置に設置されている。表示画面40aは、縦方向よりも横方向に長い(図3参照)。尚、表示画面40aの横方向は、車両の幅方向に沿っている。表示画面40aの縦方向は、車両の鉛直方向に沿っている。表示画面40aには、横方向及び縦方向のそれぞれに沿って、複数の表示画素が配列されている。液晶ディスプレイパネル40は、制御回路20から取得した表示画像1の映像信号に従って各表示画素を制御することにより、表示画像1を連続的に表示する。また、液晶ディスプレイパネル40は、表示画素を背面側から照明するバックライトを有している。
【0032】
次に、液晶ディスプレイパネル40の表示画面40aに表示される表示画像1について、図3〜図5に基づいて、詳細に説明する。
【0033】
表示画像1は、近赤外線カメラ30(図2参照)によって撮像された車両の前方領域を映し出す撮像画像2、車両の走行速度を報知する速度計画像8、車両の燃費を報知する燃費計画像9等によって構成されている。加えて、表示画面40aにおいて、撮像画像2を表示している領域には、規制情報を運転者に報知する規制画像2aを表示するための横長の表示領域10が形成されている。規制画像2aは、規制情報を示す標識及び信号機等を模った画像である。
【0034】
表示領域10は、表示画面40aの縦方向において、撮像画像2の下縁よりも上縁に近接して位置している。また、表示領域10は、横方向において、撮像画像2及び表示画面40aの中央に位置している。加えて表示領域10は、横方向において三つの分割表示部10aに分割されている。便宜的に、三つの分割表示部10aのうち、運転者から見て、最も左側に位置するものを左表示部13、最も右側に位置するものを右表示部15、これら左表示部13及び右表示部15の間に位置するものを中央表示部14とする。規制情報を報知する規制画像2aには、その規制情報の内容に応じて、どの分割表示部10aに表示するのかという表示位置情報が関連付けられている。
【0035】
これら三つの分割表示部10aのうち、左表示部13に表示する規制画像2aには、例えば、駐車禁止、駐車区間を示すものがある(図4参照)。中央表示部14に表示する規制画像2aとしては、例えば、最高速度、最低速度、通行止め、車両進入禁止、一時停止、徐行運転、高さ制限を示すものの他、信号機を示すものがある。右表示部15に表示する規制画像2aとしては、例えば、追い越し禁止、転回禁止、車両横断禁止を示すものがある。
【0036】
これらの規制画像2aを表示する分割表示部10a、即ち表示領域10における横方向の表示位置は、運転者が車両に対して操作を入力する際に、運転者の視線が向く蓋然性の高い範囲と重なるよう規定されている。具体例として、駐車禁止の交通規制がされている道路において、車両を駐車させるための操作を運転者が車両に対して入力する場合を説明する。この場合、運転者の視線は、車両を駐車させようとしている場所である、車両の進行方向に対して左方向に位置する区域に向けられる。故に、表示画面40aにおいても、車両の進行方向に対して左側の区域を映している、撮像画像2の中央よりも左側の領域が、運転者の視線が向く蓋然性の高い範囲13aとなる。そのため、駐車禁止を示す規制画像2aは、撮像画像2の中央よりも左側に形成されて、範囲13aに一部が重なっている左表示部13に表示される。
【0037】
次に、車両を加速させるための操作を、運転者が車両に対して入力する場合を例に説明する。この場合、運転者の視線は、車両の進行方向に位置する区域に向けられる。故に、表示画面40aにおいては、車両の進行方向に位置する区域を映している撮像画像2の中央付近が、運転者の視線が向く蓋然性の高い範囲14aとなる。そのため、最高速度の規制を示す規制画像2aは、撮像画像2の中央付近に形成されて、範囲14aに最も広い面積が重なっている中央表示部14に表示される。
【0038】
また、前方を走行する車両を追い越すための操作を、運転者が車両に対して入力する場合を例に説明する。この場合、運転者の視線は、車両の進行方向に対して右方向に位置する追い越し車線に向けられる。故に、表示画像1においては、追い越し車線を映している、撮像画像2の中央よりも右側の領域が、運転者の視線が向く蓋然性の高い範囲15aとなる。そのため、追い越し禁止を示す規制画像2aは、撮像画像2の中央よりも右側に形成されて、範囲15aと一部が重なっている右表示部15に表示される。
【0039】
尚、図3及び図4と、後述する図6において、表示領域10を示す二点鎖線は、説明のために描かれたものであって、実施の表示画面40aには表示されない。
【0040】
以上のように、規制情報を報知する規制画像2aを、当該規制情報に予め関連付けられた分割表示部10aに表示するための構成について、図2及び図4に基づいて、詳細に説明する。
【0041】
制御回路20は、プログラムを実行することにより所定の処理を実行する機能ブロックとして、演算部21及び描画部22を有している。
【0042】
演算部21は、車載器50から出力される規制情報、及び近赤外線カメラ30から出力される撮像画像2の映像信号を取得する。演算部21は、撮像画像2を画像解析することにより、規制情報を取得する。詳記すると、車両の走行している道路に関する規制情報は、車両の前方領域に設置された標識及び信号機によって、各車両の運転者に報知される。故に、標識及び信号機は、車両の前方領域に向けられた近赤外線カメラ30の撮像画像2に捉えられる。近赤外線カメラ30によって撮像された前方領域の撮像画像2から、規制情報を示す標識の画像18及び信号機の画像19(図6参照)を抽出することにより、演算部21は、規制情報を取得することができるのである。
【0043】
加えて演算部21には、想定される規制情報に関連付けて、表示領域10において規制画像2aを表示する横方向の表示位置、即ち左表示部13、中央表示部14、右表示部15のうちのどの分割表示部10aに表示するかという表示位置情報が、予め記憶されている。
【0044】
演算部21によって関連付けられる規制画像2aの表示位置は、上述したように、運転者の視線が向く蓋然性の高い範囲と重なるように規定されている。演算部21は、車載器50から規制情報を取得した場合、又は撮像画像2を画像解析することにより規制情報を取得した場合、取得した現在の規制情報と、当該規制情報に関連付けられた表示位置情報とを描画部22に出力する。
【0045】
描画部22は、フラッシュメモリ等に予め記憶されている画像、及び近赤外線カメラ30から取得する撮像画像2を組み合わせ、表示画像1を生成する。描画部22は、演算部21から取得した現在の規制情報を報知するための規制画像2aを生成するとともに、当該規制情報に関連付けられたいずれかの分割表示部10aに、当該規制画像2aを重畳させる。そして描画部22は、規制画像2aを撮像画像2に重畳することにより生成した表示画像1の映像信号を液晶ディスプレイパネル40に逐次出力することにより、表示画面40aに表示画像1を表示させる。
【0046】
さらに、近赤外線カメラ30及び車載器50を通じて、演算部21は、現在の規制情報を複数取得するときがある。このとき、複数の規制情報に関連付けられた分割表示部10aが互いに同一である場合、複数の規制画像2aは、同じ分割表示部10aに表示されなければならい。そこで第一実施形態では、同じ分割表示部10aに複数の規制画像2aを表示する場合、図6に示すように、これら複数の規制画像2aは、いずれかの分割表示部10aに横方向に並べて表示される。
【0047】
以上の構成において、表示画面40aの表示領域10に規制画像2aを表示する処理を、図7に基づいて詳細に説明する。図7のフローチャートに示す処理は、運転者等が車両のアクセサリー(ACC)電源をONにすることにより、演算部21によって実施される。演算部21による処理は、車両のACC電源がOFFにされるまで繰り返される。
【0048】
S101では、車載器50によって、又は近赤外線カメラ30による撮像画像2の画像解析によって、現在の規制情報を取得している否かを判定する。S101において、現在の規制情報を取得していると判定した場合、S102に進む。一方、S101において、規制情報を取得していないと判定した場合、S101を繰り返す。
【0049】
S102では、S101において取得した現在の規制情報に予め関連付けられている表示位置情報を読み出す。S101において現在の規制情報を複数取得していたときは、これら複数の規制情報のそれぞれについて、予め関連付けられている表示位置情報を読み出す。そして、S103に進む。
【0050】
S103では、S101において取得した現在の規制情報を報知するための規制画像2aの生成を描画部22に指示する。加えて、規制画像2aを表示する分割表示部10aがいずれであるかの表示位置情報も描画部22に出力する。これにより描画部22は、規制情報に関連付けられた分割表示部10aのいずれかに、生成した規制画像2aを重畳し、表示画像1を生成する。そして、表示画像1が液晶ディスプレイパネル40に出力されることにより、表示画面40aは、現在の規制情報に関連付けられた表示位置に、当該規制情報を報知するための規制画像2aが重畳された表示画像1を表示する。
【0051】
ここまで説明した第一実施形態によれば、表示領域10において規制画像2aを表示する横方向の表示位置を、想定される規制情報の内容に応じて変更することが可能になる。故に、規制情報の内容に応じて、運転者の視線が向く蓋然性の高い範囲に規制画像2aの表示位置を規定すれば、現在の交通の規制情報に係わる操作を運転者が車両に対して入力する際に、規制画像2aは、当該運転者の視線の向いている範囲に表示されるようになる。このように、運転者の視線が向く範囲に合わせて規制画像2aを表示することにより、車両用表示装置は、規制情報を運転者に判り易く報知することができる。
【0052】
加えて、一般に、運転者が車両に対して操作を入力する際に、当該運転者が視線を向ける方向としては、大別して、車両の走行方向に沿った方向、車両の走行方向に対して右方向、車両の走行方向に対して左方向が代表的なものである。そこで第一実施形態では、表示領域10を三つに分割することにより、少なくとも運転者が視線を向ける上述した代表的な三つの方向に対応した分割表示部10aを、当該表示領域10に設けることができる。そして、運転者の視線が向けられた分割表示部10aに規制画像2aを表示することによれば、規制情報は、当該運転者に確実に報知され得るのである。
【0053】
また第一実施形態では、同じ分割表示部10aに、複数の規制画像2aを表示しなければならない場合、これら複数の規制画像2aは、運転者の視界を狭めることのないよう、表示画面40aの横方向に沿って並べられる。仮に、複数の規制画像2aを縦方向に並べて表示すると、当該規制画像2aは、横長の表示領域10から外れ、表示されなくなるおそれがある。規制画像2aが確実に表示されるよう予め表示領域10を縦方向に長く形成してしまうと、複数の規制画像2aは、表示領域10内に表示されるものの、運転者の視野角が一般に縦方向に狭いことに起因して、当該運転者の視界を狭めてしまうおそれがある。故に、上述したように、複数の規制画像2aは、同一の分割表示部10aにおいて横方向に並べて表示されることにより、運転者の視界を狭めることなく、表示領域10内に確実に表示されて、規制情報を運手者に確実に報知することができるのである。
【0054】
さらに第一実施形態によれば、車両の前方領域を近赤外線カメラ30によって撮像し、当該前方領域の撮像画像2から、規制情報を示す標識の画像18を抽出することにより、演算部21は、正確な規制情報を取得し得る。正確な規制情報の取得により、車両用表示装置100は、運転者の視線が向く範囲に、規制画像2aを正確に表示できるようになる。このように、正確な規制情報を取得するために、近赤外線カメラ30及び演算部21を備える構成は、好適なのである。
【0055】
また加えて第一実施形態によれば、赤外線を用いて前方領域を撮像する近赤外線カメラ30は、可視光の少ない夜間であっても、当該前方領域を撮像することができる。故に、演算部21は、近赤外線カメラ30によって撮像された前方領域の撮像画像2から、標識の画像18等を抽出することにより、夜間においても正確な規制情報を取得し得る。以上により、夜間であっても、車両用表示装置100は、運転者の視線が向く範囲に規制画像2aを表示する動作を確実に行い得る。一方、夜間においては、運転者による規制情報を示す標識の視認は、困難になり易い。したがって、近赤外線カメラ30を用いることにより、規制情報を判り易く報知できる効果は、夜間の走行時において、運転者の負荷の軽減に多大な貢献を果たすことができる。
【0056】
さらに加えて第一実施形態によれば、規制画像2aは、撮像画像2と重畳して表示されるので、表示画面40aには、規制情報を示す標識の画像18及び信号機の画像19と規制画像2aとが共に表示される(図4及び図6参照)。故に、車両用表示装置100は、標識を撮像した画像18及び規制画像2aによって、規制情報を運転者にさらに判り易く報知することができる。
【0057】
またさらに近年では、重要な規制情報は、車両の走行する道路に設置された路側器60から、各車両に向けて通信により報知されている。故に、路側器60との間で通信を行うことにより規制情報を取得する車載器50を用いることにより、演算部21は、確実に重要な規制情報を取得することができるようになる。したがって、車両用表示装置100は、運転者の視線が向く範囲に、重要な規制画像2aを洩れなく表示できるようになる。このように、重要な規制情報を確実に取得するために、車載器50を用いる構成は、特に好適なのである。
【0058】
尚、第一実施形態において、演算部21が特許請求の範囲に記載の「規制情報取得手段、記憶手段、抽出部」に相当し、描画部22が特許請求の範囲に記載の「画像生成手段」に相当し、近赤外線カメラ30が特許請求の範囲に記載の「撮像部、赤外線カメラ」に相当し、液晶ディスプレイパネル40が特許請求の範囲に記載の「表示手段、ディスプレイ部」に相当する。
【0059】
(第二実施形態)
図8及び図9に示す本発明の第二実施形態は、第一実施形態の変形例である。第二実施形態では、規制画像2aは、ウィンドスクリーン70に投影されることにより、交通の規制情報を運転者に報知する。以下、第二実施形態による車両用表示装置200について詳細に説明する。
【0060】
第二実施形態による車両用表示装置200は、規制画像2aを表示するための表示手段として、ヘッドアップディスプレイユニット140を備えている。また、車両用表示装置200は、第一実施形態における近赤外線カメラ30に相当する撮像部として、カメラ130を有している。
【0061】
ヘッドアップディスプレイユニット140は、ウィンドスクリーン70に形成される表示領域110に規制画像2aを含む種々の画像を投影し、これらの画像を車両の前方領域の景色に重畳して虚像表示する。ウィンドスクリーン70に形成される表示領域110は、縦方向よりも横方向に長い。ヘッドアップディスプレイユニット140は、液晶ディスプレイパネル、液晶ディスプレイパネルを透過照明するバックライト、液晶ディスプレイパネルを透過したバックライトの光によって生成される像をウィンドスクリーン70に向けて反射する凹面鏡等によって構成されている。このヘッドアップディスプレイユニット140は、車両のインスツルメントパネル71(図1参照)内に設置されている。
【0062】
カメラ130は、第一実施形態における近赤外線カメラ30と同様に、車両の前方に撮像面を向けて、車室内に設置されている。カメラ130は、撮像素子を用いて主に可視光の強度を電気信号に変換することにより、撮像画像を生成する。カメラ130によって撮像された撮像画像の画像データは、映像信号として制御回路20に逐次出力される。制御回路20の演算部21は、撮像画像を画像解析することで標識の画像等を抽出し、当該標識が示す規制情報を、現在の規制情報として取得する。このように、車両の前方領域を撮像する撮像部は、第一実施形態のような近赤外線カメラ30に限られない。
【0063】
次に、ヘッドアップディスプレイユニット140によって投影される規制画像2aについて、詳細に説明する。
【0064】
上述したように、ウィンドスクリーン70には、規制画像2aを表示するための表示領域110が形成されている。表示領域110は、ウィンドスクリーン70において運転者と向かい合う領域に横長に形成されている。表示領域110は、第一実施形態の表示領域10と同様に、横方向に三つの分割表示部110aに分割されている。そして、規制画像2aには、その規制情報の内容に応じて、どの分割表示部110aに表示するのかという表示位置情報が関連付けられている。第一実施形態と同様に、駐車禁止及び駐車区間等を示す規制画像2aは、左表示部113に表示される。最高速度及び一時停止等を示す規制画像2aは、中央表示部114に表示される。追い越し禁止及び転回禁止等を示す規制画像2aは、右表示部115に表示される。
【0065】
さらに第二実施形態では、現在の規制情報を複数取得したとき、複数の規制情報に関連付けられた分割表示部110aが互いに同一である場合、これら複数の規制画像2aは、いずれかの分割表示部110aに縦方向に並べて表示される。このように、運転者の視界を狭める懸念が少なければ、複数の規制画像2aは、縦方向に並べて表示されてもよい。
【0066】
尚、図9において、表示領域110を示す二点鎖線は、説明のために描かれたものであって、実際のウィンドスクリーン70には表示されない。
【0067】
ここまで説明した第二実施形態によれば、表示領域110において規制画像2aを表示する横方向の表示位置は、想定される規制情報の内容に応じて変更可能である。故に、規制情報の内容に応じて、運転者の視線が向く蓋然性の高い範囲に規制画像2aの表示位置を規定すれば、規制画像2aは、現在の交通の規制情報に係わる操作を運転者が車両に対して入力する際に、当該運転者の視線の向いている範囲に表示されるようになる。このように、ウィンドスクリーン70に規制画像2aを表示する形態であっても、運転者の視線が向く範囲に合わせて規制画像2aを表示することにより、車両用表示装置200は、規制情報を運転者に判り易く報知することができる。
【0068】
加えて第二実施形態では、ウィンドスクリーン70に形成された表示領域110にヘッドアップディスプレイユニット140によって投影される規制画像2aは、車両の前方領域の景色と重畳して表示される。このように規制画像2aを前方領域の景色と重畳することにより、車両用表示装置200は、規制画像2aを、車両の前方領域に設置された実際の標識118等と共に、運転者に視認させることができる。故に、車両用表示装置200は、実際の標識118及び規制画像2aによって、規制情報を運転者にさらに判り易く報知することができる。
【0069】
尚、第二実施形態において、カメラ130が特許請求の範囲に記載の「撮像部、赤外線カメラ」に相当し、ヘッドアップディスプレイユニット140が特許請求の範囲に記載の「表示手段、投影部」に相当する。
【0070】
(他の実施形態)
以上、本発明による複数の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定して解釈されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態及び組み合わせに適用することができる。
【0071】
上記実施形態では、規制情報に関連付けられる表示位置情報は、当該規制情報を報知するための規制画像2aが表示される分割表示部10aを規定する情報であった。しかし、規制情報に関連付けられる表示位置情報は、例えば、規制画像2aを表示する位置を規定した座標データであってもよい。表示領域の横方向及び縦方向に沿って予め座標軸を設定しておき、規制情報に関連付けられた座標に規制画像を表示する形態とすれば、当該規制画像を表示する表示位置は、規制情報の内容に応じてさらに詳細に規定され得る。
【0072】
上記実施形態では、表示領域は、横方向において三つの分割表示部に区分けされていた。しかし、表示領域は、二つの分割表示部に分割されてもよく、又は、四つ以上の分割表示部に分割されてもよい。表示領域10を横方向に二分割する場合、図10に示すように、上記第一実施形態において中央表示部14に表示していた規制画像2aは、左表示部213及び右表示部215のうちのいずれか一方、例えば右表示部215に表示されるようにするとよい。
【0073】
上記第一実施形態では、規制画像2aは、液晶ディスプレイパネル40の表示画面40aに形成された表示領域10に表示されていた。また、上記第二実施形態では、規制画像2aは、ヘッドアップディスプレイユニット140によって投影されることによりウィンドスクリーン70に形成される表示領域110に表示されていた。しかし、運転者の視認が可能な領域であれば、表示領域の形成される位置は、適宜変更することができる。加えて表示領域は、表示画面40a及びウィンドスクリーン70の両方に形成されていてもよい。
【0074】
上記第一実施形態では、運転席と助手席との間に設置された液晶ディスプレイパネル40の表示画面40aに、規制画像2aは表示されていた。しかし、例えば、運転者と向かい合うように配置されるコンビネーションメータ80(図1参照)内に液晶ディスプレイパネルを設ける。そして、規制画像は、当該コンビネーションメータ80内に設けられた液晶ディスプレイパネルの表示画面40aに表示されてもよい。加えて、表示画像1を表示する表示手段として、液晶ディスプレイパネル40に替えて、プラズマディスプレイパネルや有機ELディスプレイを用いた表示装置を設置してもよい。
【0075】
上記実施形態では、演算部21は、車載器50からの情報、及び撮像画像2の画像解析の結果から、規制情報を取得していた。しかし、規制情報を取得する構成は、これらに限定されない。例えば、携帯電話等の移動体通信網と通信可能な端末を制御回路20に接続することで、移動体通信網を介した規制情報の取得が可能にされていてもよい。又は、同じ道路を走行する車両同士での車々間通信を利用して、規制情報の取得が可能にされていてもよい。このように、通信によって規制情報を取得できる形態では、前方領域の視界が遮られても、規制情報の取得は可能である。故に例えば、大型車両の後ろを走行する場合のように、カメラによって標識等を撮像できない状況下でも、車両用表示装置は、規制情報の運転者への報知を継続することができる。
【0076】
上記実施形態では、制御回路20は、機能ブロックとして演算部21及び描画部22を有していた。しかし、制御回路20の構成は、上記実施形態に限定されない。例えば、演算部21及び描画部22の機能は、制御回路に実装された複数のマイコンがプログラムを実行することによって果たされてもよい。又は、プログラムの実行によらないアナログ回路によって、演算部21及び描画部22が制御回路に構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0077】
1 表示画像、2 撮像画像、2a 規制画像、8 速度計画像、9 燃費計画像、10,110 表示領域、10a 分割表示部、13,113,213 左表示部、14,114 中央表示部、15,115,215 右表示部、18 標識の画像、118 標識、19 信号機の画像、20 制御回路、21 演算部(規制情報取得手段、記憶手段、抽出部)、22 描画部(画像生成手段)、30 近赤外線カメラ(撮像部、赤外線カメラ)、40 液晶ディスプレイパネル(表示手段、ディスプレイ部)、40a 表示画面、140 ヘッドアップディスプレイユニット(表示手段、投影部)、50 車載器、60 路側器、70 ウィンドスクリーン、71 インスツルメントパネル、80 コンビネーションメータ、100,200 車両用表示装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載され、前記車両が走行する道路における交通の規制情報を報知するため、横長の表示領域に規制画像を表示する車両用表示装置であって、
想定される前記規制情報に関連付けて、前記表示領域において前記規制画像を表示する横方向の表示位置を予め記憶する記憶手段と、
現在の前記規制情報を取得する規制情報取得手段と、
前記規制情報取得手段によって取得された現在の前記規制情報を報知する前記規制画像を生成する画像生成手段と、
前記規制情報取得手段によって取得された現在の前記規制情報に関連付けられた前記表示位置に、前記画像生成手段によって生成された前記規制画像を表示する表示手段と、を備えることを特徴とする車両用表示装置。
【請求項2】
前記記憶手段は、前記横方向において前記表示領域を三つ以上に分割した複数の分割表示部のうちのいずれかを、前記規制画像を表示する前記分割表示部として、想定される前記規制情報に関連付けて記憶し、
前記表示手段は、前記規制情報取得手段によって取得された現在の前記規制情報に関連付けられた前記分割表示部に、前記規制画像を表示することを特徴とする請求項1に記載の車両用表示装置。
【請求項3】
前記表示手段は、前記規制情報取得手段が現在の前記規制情報を複数取得したとき、これら複数の規制情報に対応する複数の前記規制画像を同じ前記分割表示部に表示する場合、当該複数の規制画像を、前記横方向に並べて当該分割表示部に表示することを特徴とする請求項2に記載の車両用表示装置。
【請求項4】
前記規制情報取得手段は、
前記車両の前方領域を撮像する撮像部と、
前記撮像部によって撮像された前記前方領域の撮像画像から、前記規制情報を示す標識の画像を抽出することにより、前記規制情報を取得する抽出部と、
を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の車両用表示装置。
【請求項5】
前記撮像部は、赤外線を用いて前記前方領域を撮像する赤外線カメラであることを特徴とする請求項4に記載の車両用表示装置。
【請求項6】
前記表示手段は、
前記撮像部によって撮像された前記車両前方の前記撮像画像を表示する表示画面に前記表示領域を形成し、前記規制画像を前記撮像画像に重畳して表示するディスプレイ部、
を有することを特徴とする請求項4又は5に記載の車両用表示装置。
【請求項7】
前記表示手段は、
前記運転者の前方のウィンドスクリーンに形成される前記表示領域に前記規制画像を投影し、当該規制画像を前記車両の前方領域の景色に重畳して表示する投影部、
を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の車両用表示装置。
【請求項8】
前記規制情報取得手段は、
前記車両の走行する道路に設置された路側器との間で通信を行うことにより、前記路側器から前記規制情報を取得する車載器、
を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の車両用表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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