車両用表示装置
【課題】表示板5上の同じ表示場所4aに複数のインジケータ用意匠を簡単な構成で表示可能な車両用表示装置を得る。
【解決手段】インジケータ用意匠を少なくとも表示板上に表示する車両用表示装置において、表示板5に対応する位置に、少なくとも2種類の色で表示板5を裏側から照射する光源10、11を設け、表示板5に、それぞれの光源10、11の色に対応した少なくとも2種類のインジケータ用意匠「NとR」が描かれ、かつ複数の光源の色のうち特定の色の光を透過させるフィルタ15を設け、光源10、11が発光する色を切替え、フィルタ15を介して、少なくとも2種類の色と形状の異なったインジケータ用意匠を実質同じ表示場所に切替え表示させる光源制御手段20を設けた。インジケータ用意匠は、シフトレバーの位置を示す後進時のR形状部、ニュートラル時のN形状部から成る。
【解決手段】インジケータ用意匠を少なくとも表示板上に表示する車両用表示装置において、表示板5に対応する位置に、少なくとも2種類の色で表示板5を裏側から照射する光源10、11を設け、表示板5に、それぞれの光源10、11の色に対応した少なくとも2種類のインジケータ用意匠「NとR」が描かれ、かつ複数の光源の色のうち特定の色の光を透過させるフィルタ15を設け、光源10、11が発光する色を切替え、フィルタ15を介して、少なくとも2種類の色と形状の異なったインジケータ用意匠を実質同じ表示場所に切替え表示させる光源制御手段20を設けた。インジケータ用意匠は、シフトレバーの位置を示す後進時のR形状部、ニュートラル時のN形状部から成る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異なる発光色のインジケータ(ウォーニングを含む)表示を、表示板上の同じ場所に重ねて表示可能とする車両用表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、車両の高機能化やインフラ整備等により、運転者へ伝達する情報が増加している。それに伴い、車両用計器での表示項目が増えている。例えば、特許文献1の図2に示されている様に、インジケータ用意匠が表示領域から溢れんごとく配置されている場合もある。また、この様な情報を運転者に効率良く認識させるために、例えば、特許文献2、および特許文献3に開示されている様なTFT液晶を用いた液晶パネルでグラフィック表示を行う例も実用化されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−337775号公報
【特許文献2】特開2007−91030号公報
【特許文献3】特開2009−101959号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献2、および特許文献3に開示されているグラフィック表示は、特許文献1の様な、光源となるLED(発光ダイオード)のON/OFFにより、表示板上のインジケータ用意匠の発光を制御するタイプと比較すると高価であり、一部高級車にしか普及していないのが事実である。従って、限られた表示領域の中での表示項目の増加が可能で安価な車両用表示装置が要求される。
【0005】
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目して成されたものであり、その目的は、車両の運転者に対する複数のインジケータ用意匠を簡単な構成で、表示板上の実質同じ場所に重ねて、表示可能な車両用表示装置を得ることである。
【0006】
従来技術として列挙された特許文献の記載内容は、この明細書に記載された技術的要素の説明として、参照によって導入ないし援用することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記目的を達成するために、下記の技術的手段を採用する。すなわち、請求項1に記載の発明では、車両機器の情報を表示するインジケータ用意匠を表示板上に表示する車両用表示装置において、少なくとも2種類の色を切替えて発光することにより表示板を照射する光源と、光源の各色に対応して形状の異なる少なくとも2種類のインジケータ用意匠が形成され、少なくとも2種類の色のうち特定の光を透過または反射させるフィルタと、光源の発光色を切替えることにより、フィルタを介して、インジケータ用意匠を表示板に投影表示する光源制御手段とを備えることを特徴としている。
【0008】
この発明によれば、車両機器の情報を表示するインジケータ用意匠を表示板上に表示する車両用表示装置において、少なくとも2種類の色を切替えて発光することにより表示板を照射する光源を有しているから、表示板を2種類の色を切替えて照射することができる。そして、光源の各色に対応して形状の異なる少なくとも2種類のインジケータ用意匠が描かれ、少なくとも2種類の色のうち特定の光を透過または反射させるフィルタを有しているから、光源の発光色を光源制御手段で切替えることにより、フィルタを介して、インジケータ用意匠を表示板の実質同じ場所に投影表示することができる。従って、表示場所が狭くても複数種類のインジケータ用意匠を重ねて表示することができる。
【0009】
請求項2に記載の発明では、少なくとも2種類の色は、第1色と、該第1色とは異なる第2色とを含み、フィルタは、第1色を透過または反射する第1色領域と、第2色を透過または反射する第2色領域と、第1色および第2色のいずれも透過または反射する共通色領域と、第1色および第2色のいずれも透過または反射させない背景色領域とから形成されていることを特徴としている。
【0010】
この発明によれば、少なくとも2種類の色は、第1色と、該第1色とは異なる第2色とを含み、フィルタは、第1色を透過または反射する第1色領域と、第2色を透過または反射する第2色領域と、第1色および第2色のいずれでも透過または反射する共通色領域と、第1色および第2色のいずれにおいても透過または反射させない背景色領域とから形成されているから、フィルタを介して、表示板に投影表示されるインジケータ用意匠は、第1色領域と第2色領域と共通色領域と背景色領域とによって、任意の色と形状に構成することができる。
【0011】
請求項3に記載の発明では、フィルタは、複数に分割されたセグメントの集合からなり、当該各セグメントは、第1色領域、第2色領域、共通色領域、および背景色領域の4つの領域のうちのいずれかの領域を形成することを特徴としている。
【0012】
この発明によれば、フィルタは、複数に分割されたセグメントの集合からなり、当該各セグメントは、第1色領域、第2色領域、共通色領域、および背景色領域の4つの領域のうちのいずれかの領域を形成するから。任意の形状の、第1色のインジケータ用意匠および第2色のインジケータ用意匠を容易に形成することができる。
【0013】
請求項4に記載の発明では、フィルタは、複数に分割されたセグメントの集合から成り、これらの各セグメントが更に分割されて少なくとも2つの分割区画が形成されており、それら分割区画は、それぞれ第1色領域と第2色領域と背景色領域とのいずれかを形成しており、セグメントは、第1色領域とされる分割区画と、第2色領域とされる分割区画とを有する共通色セグメントと、少なくとも1つの分割区画が第1色領域とされる第1色セグメントと、少なくとも1つの分割区画が第2色領域とされる第2色セグメントと、すべての分割区画が背景色領域とされる背景色セグメントとから成ることを特徴としている。
【0014】
この発明によれば、フィルタは、複数に分割されたセグメントの集合から成り、当該各セグメントが更に分割されて少なくとも2つの分割区画が形成されている。そして当該分割区画は、それぞれ第1色領域と第2色領域と背景色領域とのいずれかを形成しており、かつ、セグメントは、第1色領域とされる分割区画と第2色領域とされる分割区画とを有する共通色セグメントと、少なくともひとつの分割区画が第1色領域とされる第1色セグメントと、少なくともひとつの分割区画が第2色領域とされる第2色セグメントと、すべての分割区画が背景色領域とされる背景色セグメントとから成る。従って、共通色セグメントと第1色セグメントと第2色セグメントと背景色セグメントとによって、任意の形状から成る第1色のインジケータ用意匠および第2色のインジケータ用意匠を容易に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1実施形態を構成する車両用計器板の正面図である。
【図2】図1のF2−F2線に沿うインジケータの一部断面図である。
【図3】図2のフィルタを透過することによって表示板上に発光して表示される2種類のインジケータ用意匠と成るR形状部とN形状部を選択的に発光させるフィルタの構造を示す説明図である。
【図4】上記実施形態における色と波長の関係を示す説明図である。
【図5】図1に使用した光源の発光効率と、表示板とフィルタとを透過する光の波長に対する透過率特性の例を示す特性図である。
【図6】本発明の第2実施形態における2種類のインジケータ用意匠と成るN形状部、R形状部、およびフィルタの説明図である。
【図7】本発明の第3実施形態を示すインジケータにおける表示板に形成されたフィルタを透過することによって表示板上に発光して表示される2種類のインジケータ用意匠と成るR形状部、N形状部、フィルタ、およびマスキング前のフィルタ素材を示す説明図である。
【図8】図7の(c)に示すフィルタのセグメントの第1色セグメントと、第2色セグメントと、共通色セグメントと、背景色セグメントとを示す説明図である。
【図9】本発明のその他の実施形態を示し、3つの光源の発光波長特性と、表示板とフィルタとを透過する光の波長に対する透過率特性の例を示す特性図である。
【図10】本発明の別のその他の実施形態を示す、図2と同様のインジケータの一部断面図である。
【図11】本発明の更に別のその他の実施形態を示す、図2と同様のインジケータの一部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。
【0017】
各実施形態で具体的に組合せが可能であることを明示している部分同士の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、明示していなくても実施形態同士を部分的に組合せることも可能である。
【0018】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図1ないし図5を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の第1実施形態を構成する車両用計器板の正面図である。この車両用計器板1は、車速計2とエンジン回転計3とを備え、これらの計器2、3の間に、オートマチックトランスミッションのシフトレバーの位置を示す後進時のR形状部、動力が伝わらないニュートラル時のN形状部等を表示するインジケータ用意匠を有するインジケータ4が設けられている。このインジケータ4の、Pはパーキング位置を示すP形状部、Dはドライブ位置を示すD形状部である。
【0019】
これらの車速計2とエンジン回転計3とは、表示板5内に埋め込まれており、インジケータ4は、表示板5の裏面に設けられ、P形状部、D形状部が、表示板5の裏面に印刷されている。また、インジケータ4の中央の同じ表示場所4aには、後述するように、後進時のR形状部、動力が伝わらないニュートラル時のN形状部とから成る2種類のインジケータ用意匠が表示される。ここで、R形状部は、橙色表示され、N形状部は、緑色表示される。
【0020】
図2は、図1のF2−F2線に沿うインジケータ4の一部断面図である。透光性を有するポリカーボネイト等からなる表示板5の図1の紙面奥側には、図2のように仕切り壁6、7で仕切られた空間8が形成されている。この仕切り壁6、7の中の空間8には、2種類の光源10、11がプリント基板12上に配置されている。これらの光源10、11からの光は、表面の表示板5を裏面より照射する。ここで、光源10、11は互いに異なる波長特性を有し、光源10は第1色となる緑色、光源11は、第2色と成る橙色の光をそれぞれ発生する。これらの光源は、発光ダイオード(LEDともいう)から構成されている。
【0021】
透光性を有する表示板5の裏面には、2種類のインジケータ用意匠と成る上述のR形状部とN形状部とに合わせて、透過波長を規制するフィルタ15が設けられている。このフィルタ15は、表示板5の表面に蒸着された蒸着層として形成されている。光源10、11には、光源制御手段20から電源が個別に供給されている。この光源制御手段20は車両用計器板の制御手段を成す計器用ECU(電子制御ユニット)によって形成されている。
【0022】
図3は、図2のフィルタ15を透過することによって表示板5上に発光して表示される2種類のインジケータ用意匠と成るR形状部とN形状部を選択的に発光させるフィルタ15の構造を示す説明図である。図3の(a)は、N形状部を示す。このN形状部は全体が緑色に発光する。図3の(b)は、R形状部を示す。このR形状部は全体が橙色に発光する。
【0023】
図3の(c)は、N形状部とR形状部とを形成するフィルタ15の構造を示し、フィルタ15を図2の矢印F3方向から見た形状を図示している。このフィルタ15と透光性の表示板5とを、光源10、11からの各光が透過することによって、図3の(a)のN形状部と図3の(b)のR形状部とのいずれか一方が発光して、表示板5の表側に表示され、車両の運転者から目視される。
【0024】
図3の(c)に示すように、フィルタ15の各領域には、以下の透過特性を持たせている。第1色領域A1は、N意匠部であり、緑色の光のみ表示板5を透過する。第2色領域A2は、R意匠部であり、橙色の光のみ表示板5を透過する。共通色領域A3は、R形状部とN形状部の意匠が重なる部位であり、全ての波長の光が表示板5を透過する。背景色領域A4は、R形状部もN形状部も無い部位であり、全ての波長の光を遮光する。
【0025】
この様に、N形状部に対応する部分と、R形状部に対応する部分に応じて、フィルタ15および表示板5を透過する光の波長を分ける事により、緑色の光源10が点灯時には、N意匠部の表示を、橙色の光源11が点灯時には、R意匠部を表示することができる。
【0026】
上述したように、光源10は第1色となる緑色、光源11は、第2色と成る橙色の光をそれぞれ発生する。図4は、色と波長の関係を示す説明図である。この図4において、波長10〜380nm(ナノメーター)は紫外線、 380〜430nmは紫色、430〜460nmは青色、460〜500nmは青緑色、500〜570nmは緑色、570〜590nmは黄色、590〜610nmは橙色、610〜780nmは赤色、780〜1mmは赤外線である。 緑色と橙色の間には黄色が存在し、緑色と橙色とは黄色をはさんでスプリットされている。第1色と第2色とは緑色と橙色に限らないが、このようにスプリットされた色を選定したほうが、互いの色の違いが明確に成るため好ましい。
【0027】
光源10、11と、表示板5を透過する波長、つまりフィルタ15を透過する波長を調整する事により、2種類の光源10、11の点灯/非点灯で、実質的に同じ表示場所4a(図1)に2種類のインジケータ用意匠を重ねて表示することができる。
【0028】
図5は、図1に使用した光源10、11の発光効率と、表示板5とフィルタ15とを透過する光の波長に対する透過率特性の例を示す特性図である。この図5において、前述のように、500〜570nmは緑色、590〜610nmは橙色である。なお、本発明において、単に緑色、橙色というときは、厳密に500〜570nmと、590〜610nmの範囲に入っていない緑色系、橙色系の光も、緑色、橙色に含まれる。
【0029】
図5において、図2の光源10の発光効率は525nm付近に最高効率を有し、光源11の発光効率は605nm付近に最高効率を有している。また、図5のN形状部透過率は、図3の(c)に図示した第1色領域A1の特性であり、緑色の光源10の光のみを透過させる。また、図5のR形状部透過率は、図3の(c)に図示した第2色領域A2の特性であり、橙色の光源11の光のみを透過させる。
【0030】
なお、共通色領域A3は、R形状部とN形状部の意匠が重なる部位であり、全ての波長を透過するため、この部分にはフィルタ部分が構成されていなくてもよいし、緑色と橙色の両方の光を透過させるフィルタ部分が設けられていてもよい。背景色領域A4は、R形状部もN形状部も無い部位であり、全ての波長の光を遮光するマスキング部で構成される。
【0031】
以上述べたように、上記第1実施形態では、インジケータ用意匠を少なくとも表示板5上に表示する車両用表示装置において、表示板5に対応する位置に、少なくとも2種類の色で表示板5を照射する光源10、11が設けられている。そして、表示板5に、フィルタ15が設けられ、このフィルタ15には、それぞれの光源の色に対応した少なくとも2種類のインジケータ用意匠が描かれている。
【0032】
このフィルタ15は、複数の光源10、11の色のうち、特定の色の光を透過させる。これにより、光源10、11が発光する色を切替え、フィルタ15を介して、少なくとも2種類の色と形状の異なったインジケータ用意匠を同じ表示場所に切替え表示させることができる。また、インジケータ用意匠を同じ表示場所に切替え表示できるため、表示場所が狭くても複数種類のインジケータ用意匠を表示することができる。
【0033】
また、フィルタ15は、表示板5の裏面に蒸着され、表示板5と一体に形成されている。従って、フィルタ15は、表示板5と一体に取り扱うことができ、部品点数が増加せず、取り扱いが容易である。更に、フィルタ15は、第1色と第2色とからなる2種類の色のうち第1色のみを透過または反射する第1色領域A1を有し、緑色の光源10の光のみを透過させる。
【0034】
更に、フィルタ15は、第2色のみを透過させる第2色領域A2を有し、この第2色領域A2は、橙色の光源11の光のみを透過させる。加えて、第1色および第2色のいずれでも透過させる共通色領域A3と、第1色および第2色のいずれにおいても透過させない背景色領域A4を有している。
【0035】
従って、第1色の緑色の光によって光源10からフィルタ15が照射された場合に、第1色領域A1と共通色領域A3とを介して、第1色のインジケータ用意匠を表示することができる。また、第2色の光が光源11から来た場合に、第2色領域A2と共通色領域A3とを介して、第2色である橙色のインジケータ用意匠を表示することができる。また、各場合ともに、背景色領域A4で、発光しない背景部を形成できる。
【0036】
更に、インジケータ用意匠は、オートマチックトランスミッションのシフトレバーの位置を示す後進時のR形状部、動力が伝わらないニュートラル時のN形状部を表示する複数の意匠からなる。これにより、オートマチックトランスミッションのシフトレバーの位置を、異なる色で実質同じ場所に表示して、表示場所のスペースの節約をすることができ、しかも、これらのインジケータ用意匠は同時に表示する必要がなく、また表示内容と色をマッチングさせることが可能であり、最適な車両用表示装置を構成することができる。
【0037】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、以降の各実施形態においては、上述した第1実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略し、異なる構成および特徴について説明する。図6は、本発明の第2実施形態における2種類のインジケータ用意匠と成るN形状部、R形状部、およびフィルタ15の説明図である。この図6では、5X7個のドット状表示形態に見せる場合の例を示している。
【0038】
第1実施形態と異なる点は、R形状部とN形状部とが、フィルタ15のセグメントSの集合の発光状態として表現されている点である。図6の(a)は、図2と同様の光源10が点灯した場合において発光表示されるN形状部を図示している。図6の(b)は、図2と同様の光源11が点灯した場合において発光表示されるR形状部を図示している。
【0039】
このような、R形状部とN形状部とを発光表示させるために、フィルタ15の各セグメントSは、図6の(c)のように、緑色の第1色領域A1、橙色の第2色領域A2、共通色領域A3、および背景色領域A4の4つの領域のうちのいずれかの領域を形成する。この第2実施形態によれば、任意の形状で、第1色のインジケータ用意匠および第2色のインジケータ用意匠を、混色の少ない状態で、容易に形成することができる。
【0040】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。上述した実施形態と異なる特徴部分を説明する。図7は、本発明の第3実施形態を示すインジケータにおける表示板5に形成されたフィルタ15を透過することによって表示板5上に発光して表示される2種類のインジケータ用意匠と成るR形状部、N形状部、フィルタ、およびフィルタのマスキング前の素材を示す説明図である。
【0041】
図7において、フィルタは。図7の(d)に示すマスキング前のフィルタ素材を部分的に不透光性部材でマスキングして形成されている。図7の(d)に示すマスキング前のフィルタ素材は、複数に分割されたセグメントSの集合から成り。各セグメントSが更に分割されて分割区画DBが形成されている。この図7は、1ドットを成すセグメントSを4分割している。つまり、一つのセグメントSは4つの分割区画DBの集合で形成されている。なお、セグメントSは、少なくとも2分割されていればよいが、図7では4分割している。
【0042】
分割区画DBには、後述する第1色領域A1または第2色領域A2が形成されており、全体的に、これらの第1色領域A1と第2色領域A2とは、それぞれ市松模様に形成されている。その結果、マスキング前のフィルタ素材におけるセグメントSは、第1色領域A1と第2色領域A2の両方が形成された共通色セグメントから成る。
【0043】
図8は、図7の(c)に示すフィルタ15のセグメントをそれぞれ構成する第1色セグメントと、第2色セグメントと、共通色セグメントと、背景色セグメントとを示す説明図である。図8の(a)のように、第1色領域A1と背景色セグメントSbとが形成された第1色セグメントS1は、4つの分割区画DBのうち2つの分割区画DBに緑色の第1色のみを透過するフィルタ部分が設けられている。
【0044】
図8の(b)のように、第2色領域A2と背景色セグメントSbとが形成された第2色セグメントS2は、4つの分割区画DBのうち2つの分割区画DBに橙色の第2色のみを透過するフィルタ部分が設けられている。図8の(c)のように、第1色領域A1と第2色領域A2の両方が形成された共通色セグメントScは、4つの分割区画DBのうち2つの分割区画DBに緑色の第1色のみを透過するフィルタ部分が設けられ、そのほかの2つの分割区画DBに橙色の第2色のみを透過するフィルタ部分が設けられている。換言すれば、共通色セグメントScは、第1色と第2色の面積割合が半々である。図8の(d)のように、すべての分割区画DBが背景色領域A4とされた背景色セグメントSbは、4つの分割区画DBのすべてが不透光とされている。
【0045】
この第3実施形態によれば、各セグメントSが更に分割されて分割区画DBが形成されており、セグメントSごとに、第1色領域A1と第2色領域A2の両方が形成された共通色セグメントScと、第1色領域A1が形成された第1色セグメントS1と、第2色領域A2が形成された第2色セグメントS2と、すべてが背景色領域A4とされた背景色セグメントSbとして構成できる。これにより、任意の形状から成るから成る第1色のインジケータ用意匠および第2色のインジケータ用意匠を、容易に形成することができる。また、セグメントの分割数を大きくすることで、より鮮明なインジケータ用意匠を表示することができる。
【0046】
(その他の実施形態)
本発明は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、次のように変形または拡張することができる。例えば、上述の第1実施形態では、光源として、橙色や緑色のLEDを用いたが、白色光の光源とそれぞれの色のフィルタを組み合わせて、橙色や緑色のLEDの代用光源としてもよい。
【0047】
上記実施形態においては、表示板上の複数のインジケータ用意匠のうち、いずれかのインジケータ用意匠を表示させるために、表示期間中において、複数存在する光源のうちいずれか一方を点灯し、他方を消灯したが、複数のインジケータ用意匠を実質同時に表示したい場合は、運転者がそれぞれのインジケータ用意匠を個別に認識できるように、例えば0.5秒程度のインターバルにおいて、交互に異なる発光色で光源を点灯させ、複数の意匠を同時期に認識させてもよい。これにより、表示板中のスペースが少ない場合においても、1つの表示期間中に、より多くのインジケータ用意匠を運転者に表示して、インジケータとしてのマルチ表示を行うことができる。
【0048】
また、上記実施形態では、フィルタ15を透過した光を直接的に車両の運転者に目視させたが、フィルタ15を透過した光を鏡で反射させて車両の前方ウインドスクリーンに投影させ、投影した意匠を運転者に目視させるヘッドアップディスプレイに応用することもできる。
【0049】
更に、上記実施形態では、フィルタ15を透過した光を車両の運転者に目視させたが、フィルタで反射した光を運転者に目視させてもよい。この場合は、例えば緑色の光を透過するフィルタの代わりに、緑の光を反射するフィルタを使用し、フィルタの反射光でRやNのインジケータ用意匠を表示させる。
【0050】
図6や図7に対して、セグメントや分割区画の数をさらに多くしてインジケータ用意匠の精細度を上げても良い。また、光源は、単波長に近い光源が有利で、波長特性が規定されたLED等が適している。但し、波長特性が広い光源においても、光源の光出射部に特定波長カットフィルタを用いれば単波長に近い特性が得られる。
【0051】
フィルタは誘電体の薄膜を蒸着することにより表示板上に形成することで形成することができるが、表示板と別のフィルムとして形成してもよい。なお、上記実施形態では、NとRの形状から成るインジケータ用意匠を表示する場合を示したが、例えば、次のような文字意匠からなるインジケータ用意匠を計器板上に表示してもよい。
ECT ECO(緑)
ECT SNOW(橙)
更に、2色以上、例えば、「青、緑、橙」「緑、橙、赤」の様に3色で表示を行っても良い。図9は、この場合の、その他の実施形態を示し、3つの光源の発光波長特性と、表示板とフィルタとを透過する光の波長に対する透過率特性の例を示す特性図である。この図9において、緑光源の発光効率ηgは525nm付近に最高効率を有し、橙光源の発光効率ηoは590nm付近に最高効率を有している。また、赤光源の発光効率ηrは655nm付近に最高効率を有している。更に、図9において、緑透過率P1、橙透過率P2、赤透過率P3の特性を持つフィルタ部分の集合から成るフィルタが設けられ、光源の3色を選択的に透過させ、所望の形状のインジケータ用意匠を表示させる。
【0052】
また、上記各実施形態では、フィルタを透過する光でインジケータ用意匠を表示させたが、フィルタで選択された色が反射することにより、インジケータ用意匠を表示させてもよい。この場合は、光源をフィルタの裏側でなく表側に設け、フィルタの透過特性の代わりに、フィルタの反射特性を利用する。また、このように反射特性を利用する場合においても、車両前方のウインドスクリーン上にインジケータ用意匠を表示するヘッドアップディスプレイに適用できる。
【0053】
次に、図10は、その他の実施形態を示す、図2と同様のインジケータの一部断面図である。この図10のように、フィルタ15を表示板5の表面に設けてもよい。また、フィルタ15は、蒸着のみでなく、塗装して形成してもよい。更に、図11は、更にその他の実施形態を示す、図2と同様のインジケータの一部断面図である。この図11のように、フィルタ15を2層に分かれた表示板5の内部に埋設してもよい。
【符号の説明】
【0054】
4 インジケータ(車両用表示装置)
4a 実質同じ表示場所
5 表示板
6、7 仕切り壁
10、11 光源
15 フィルタ
20 光源制御手段
A1 第1色領域
A2 第2色領域
A3 共通色領域
A4 背景色領域
S セグメント
S1 第1色セグメント
S2 第2色セグメント
Sb 背景色セグメント
Sc 共通色セグメント
S セグメント
DB 分割区画
【技術分野】
【0001】
本発明は、異なる発光色のインジケータ(ウォーニングを含む)表示を、表示板上の同じ場所に重ねて表示可能とする車両用表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、車両の高機能化やインフラ整備等により、運転者へ伝達する情報が増加している。それに伴い、車両用計器での表示項目が増えている。例えば、特許文献1の図2に示されている様に、インジケータ用意匠が表示領域から溢れんごとく配置されている場合もある。また、この様な情報を運転者に効率良く認識させるために、例えば、特許文献2、および特許文献3に開示されている様なTFT液晶を用いた液晶パネルでグラフィック表示を行う例も実用化されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−337775号公報
【特許文献2】特開2007−91030号公報
【特許文献3】特開2009−101959号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献2、および特許文献3に開示されているグラフィック表示は、特許文献1の様な、光源となるLED(発光ダイオード)のON/OFFにより、表示板上のインジケータ用意匠の発光を制御するタイプと比較すると高価であり、一部高級車にしか普及していないのが事実である。従って、限られた表示領域の中での表示項目の増加が可能で安価な車両用表示装置が要求される。
【0005】
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目して成されたものであり、その目的は、車両の運転者に対する複数のインジケータ用意匠を簡単な構成で、表示板上の実質同じ場所に重ねて、表示可能な車両用表示装置を得ることである。
【0006】
従来技術として列挙された特許文献の記載内容は、この明細書に記載された技術的要素の説明として、参照によって導入ないし援用することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記目的を達成するために、下記の技術的手段を採用する。すなわち、請求項1に記載の発明では、車両機器の情報を表示するインジケータ用意匠を表示板上に表示する車両用表示装置において、少なくとも2種類の色を切替えて発光することにより表示板を照射する光源と、光源の各色に対応して形状の異なる少なくとも2種類のインジケータ用意匠が形成され、少なくとも2種類の色のうち特定の光を透過または反射させるフィルタと、光源の発光色を切替えることにより、フィルタを介して、インジケータ用意匠を表示板に投影表示する光源制御手段とを備えることを特徴としている。
【0008】
この発明によれば、車両機器の情報を表示するインジケータ用意匠を表示板上に表示する車両用表示装置において、少なくとも2種類の色を切替えて発光することにより表示板を照射する光源を有しているから、表示板を2種類の色を切替えて照射することができる。そして、光源の各色に対応して形状の異なる少なくとも2種類のインジケータ用意匠が描かれ、少なくとも2種類の色のうち特定の光を透過または反射させるフィルタを有しているから、光源の発光色を光源制御手段で切替えることにより、フィルタを介して、インジケータ用意匠を表示板の実質同じ場所に投影表示することができる。従って、表示場所が狭くても複数種類のインジケータ用意匠を重ねて表示することができる。
【0009】
請求項2に記載の発明では、少なくとも2種類の色は、第1色と、該第1色とは異なる第2色とを含み、フィルタは、第1色を透過または反射する第1色領域と、第2色を透過または反射する第2色領域と、第1色および第2色のいずれも透過または反射する共通色領域と、第1色および第2色のいずれも透過または反射させない背景色領域とから形成されていることを特徴としている。
【0010】
この発明によれば、少なくとも2種類の色は、第1色と、該第1色とは異なる第2色とを含み、フィルタは、第1色を透過または反射する第1色領域と、第2色を透過または反射する第2色領域と、第1色および第2色のいずれでも透過または反射する共通色領域と、第1色および第2色のいずれにおいても透過または反射させない背景色領域とから形成されているから、フィルタを介して、表示板に投影表示されるインジケータ用意匠は、第1色領域と第2色領域と共通色領域と背景色領域とによって、任意の色と形状に構成することができる。
【0011】
請求項3に記載の発明では、フィルタは、複数に分割されたセグメントの集合からなり、当該各セグメントは、第1色領域、第2色領域、共通色領域、および背景色領域の4つの領域のうちのいずれかの領域を形成することを特徴としている。
【0012】
この発明によれば、フィルタは、複数に分割されたセグメントの集合からなり、当該各セグメントは、第1色領域、第2色領域、共通色領域、および背景色領域の4つの領域のうちのいずれかの領域を形成するから。任意の形状の、第1色のインジケータ用意匠および第2色のインジケータ用意匠を容易に形成することができる。
【0013】
請求項4に記載の発明では、フィルタは、複数に分割されたセグメントの集合から成り、これらの各セグメントが更に分割されて少なくとも2つの分割区画が形成されており、それら分割区画は、それぞれ第1色領域と第2色領域と背景色領域とのいずれかを形成しており、セグメントは、第1色領域とされる分割区画と、第2色領域とされる分割区画とを有する共通色セグメントと、少なくとも1つの分割区画が第1色領域とされる第1色セグメントと、少なくとも1つの分割区画が第2色領域とされる第2色セグメントと、すべての分割区画が背景色領域とされる背景色セグメントとから成ることを特徴としている。
【0014】
この発明によれば、フィルタは、複数に分割されたセグメントの集合から成り、当該各セグメントが更に分割されて少なくとも2つの分割区画が形成されている。そして当該分割区画は、それぞれ第1色領域と第2色領域と背景色領域とのいずれかを形成しており、かつ、セグメントは、第1色領域とされる分割区画と第2色領域とされる分割区画とを有する共通色セグメントと、少なくともひとつの分割区画が第1色領域とされる第1色セグメントと、少なくともひとつの分割区画が第2色領域とされる第2色セグメントと、すべての分割区画が背景色領域とされる背景色セグメントとから成る。従って、共通色セグメントと第1色セグメントと第2色セグメントと背景色セグメントとによって、任意の形状から成る第1色のインジケータ用意匠および第2色のインジケータ用意匠を容易に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1実施形態を構成する車両用計器板の正面図である。
【図2】図1のF2−F2線に沿うインジケータの一部断面図である。
【図3】図2のフィルタを透過することによって表示板上に発光して表示される2種類のインジケータ用意匠と成るR形状部とN形状部を選択的に発光させるフィルタの構造を示す説明図である。
【図4】上記実施形態における色と波長の関係を示す説明図である。
【図5】図1に使用した光源の発光効率と、表示板とフィルタとを透過する光の波長に対する透過率特性の例を示す特性図である。
【図6】本発明の第2実施形態における2種類のインジケータ用意匠と成るN形状部、R形状部、およびフィルタの説明図である。
【図7】本発明の第3実施形態を示すインジケータにおける表示板に形成されたフィルタを透過することによって表示板上に発光して表示される2種類のインジケータ用意匠と成るR形状部、N形状部、フィルタ、およびマスキング前のフィルタ素材を示す説明図である。
【図8】図7の(c)に示すフィルタのセグメントの第1色セグメントと、第2色セグメントと、共通色セグメントと、背景色セグメントとを示す説明図である。
【図9】本発明のその他の実施形態を示し、3つの光源の発光波長特性と、表示板とフィルタとを透過する光の波長に対する透過率特性の例を示す特性図である。
【図10】本発明の別のその他の実施形態を示す、図2と同様のインジケータの一部断面図である。
【図11】本発明の更に別のその他の実施形態を示す、図2と同様のインジケータの一部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。
【0017】
各実施形態で具体的に組合せが可能であることを明示している部分同士の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、明示していなくても実施形態同士を部分的に組合せることも可能である。
【0018】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図1ないし図5を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の第1実施形態を構成する車両用計器板の正面図である。この車両用計器板1は、車速計2とエンジン回転計3とを備え、これらの計器2、3の間に、オートマチックトランスミッションのシフトレバーの位置を示す後進時のR形状部、動力が伝わらないニュートラル時のN形状部等を表示するインジケータ用意匠を有するインジケータ4が設けられている。このインジケータ4の、Pはパーキング位置を示すP形状部、Dはドライブ位置を示すD形状部である。
【0019】
これらの車速計2とエンジン回転計3とは、表示板5内に埋め込まれており、インジケータ4は、表示板5の裏面に設けられ、P形状部、D形状部が、表示板5の裏面に印刷されている。また、インジケータ4の中央の同じ表示場所4aには、後述するように、後進時のR形状部、動力が伝わらないニュートラル時のN形状部とから成る2種類のインジケータ用意匠が表示される。ここで、R形状部は、橙色表示され、N形状部は、緑色表示される。
【0020】
図2は、図1のF2−F2線に沿うインジケータ4の一部断面図である。透光性を有するポリカーボネイト等からなる表示板5の図1の紙面奥側には、図2のように仕切り壁6、7で仕切られた空間8が形成されている。この仕切り壁6、7の中の空間8には、2種類の光源10、11がプリント基板12上に配置されている。これらの光源10、11からの光は、表面の表示板5を裏面より照射する。ここで、光源10、11は互いに異なる波長特性を有し、光源10は第1色となる緑色、光源11は、第2色と成る橙色の光をそれぞれ発生する。これらの光源は、発光ダイオード(LEDともいう)から構成されている。
【0021】
透光性を有する表示板5の裏面には、2種類のインジケータ用意匠と成る上述のR形状部とN形状部とに合わせて、透過波長を規制するフィルタ15が設けられている。このフィルタ15は、表示板5の表面に蒸着された蒸着層として形成されている。光源10、11には、光源制御手段20から電源が個別に供給されている。この光源制御手段20は車両用計器板の制御手段を成す計器用ECU(電子制御ユニット)によって形成されている。
【0022】
図3は、図2のフィルタ15を透過することによって表示板5上に発光して表示される2種類のインジケータ用意匠と成るR形状部とN形状部を選択的に発光させるフィルタ15の構造を示す説明図である。図3の(a)は、N形状部を示す。このN形状部は全体が緑色に発光する。図3の(b)は、R形状部を示す。このR形状部は全体が橙色に発光する。
【0023】
図3の(c)は、N形状部とR形状部とを形成するフィルタ15の構造を示し、フィルタ15を図2の矢印F3方向から見た形状を図示している。このフィルタ15と透光性の表示板5とを、光源10、11からの各光が透過することによって、図3の(a)のN形状部と図3の(b)のR形状部とのいずれか一方が発光して、表示板5の表側に表示され、車両の運転者から目視される。
【0024】
図3の(c)に示すように、フィルタ15の各領域には、以下の透過特性を持たせている。第1色領域A1は、N意匠部であり、緑色の光のみ表示板5を透過する。第2色領域A2は、R意匠部であり、橙色の光のみ表示板5を透過する。共通色領域A3は、R形状部とN形状部の意匠が重なる部位であり、全ての波長の光が表示板5を透過する。背景色領域A4は、R形状部もN形状部も無い部位であり、全ての波長の光を遮光する。
【0025】
この様に、N形状部に対応する部分と、R形状部に対応する部分に応じて、フィルタ15および表示板5を透過する光の波長を分ける事により、緑色の光源10が点灯時には、N意匠部の表示を、橙色の光源11が点灯時には、R意匠部を表示することができる。
【0026】
上述したように、光源10は第1色となる緑色、光源11は、第2色と成る橙色の光をそれぞれ発生する。図4は、色と波長の関係を示す説明図である。この図4において、波長10〜380nm(ナノメーター)は紫外線、 380〜430nmは紫色、430〜460nmは青色、460〜500nmは青緑色、500〜570nmは緑色、570〜590nmは黄色、590〜610nmは橙色、610〜780nmは赤色、780〜1mmは赤外線である。 緑色と橙色の間には黄色が存在し、緑色と橙色とは黄色をはさんでスプリットされている。第1色と第2色とは緑色と橙色に限らないが、このようにスプリットされた色を選定したほうが、互いの色の違いが明確に成るため好ましい。
【0027】
光源10、11と、表示板5を透過する波長、つまりフィルタ15を透過する波長を調整する事により、2種類の光源10、11の点灯/非点灯で、実質的に同じ表示場所4a(図1)に2種類のインジケータ用意匠を重ねて表示することができる。
【0028】
図5は、図1に使用した光源10、11の発光効率と、表示板5とフィルタ15とを透過する光の波長に対する透過率特性の例を示す特性図である。この図5において、前述のように、500〜570nmは緑色、590〜610nmは橙色である。なお、本発明において、単に緑色、橙色というときは、厳密に500〜570nmと、590〜610nmの範囲に入っていない緑色系、橙色系の光も、緑色、橙色に含まれる。
【0029】
図5において、図2の光源10の発光効率は525nm付近に最高効率を有し、光源11の発光効率は605nm付近に最高効率を有している。また、図5のN形状部透過率は、図3の(c)に図示した第1色領域A1の特性であり、緑色の光源10の光のみを透過させる。また、図5のR形状部透過率は、図3の(c)に図示した第2色領域A2の特性であり、橙色の光源11の光のみを透過させる。
【0030】
なお、共通色領域A3は、R形状部とN形状部の意匠が重なる部位であり、全ての波長を透過するため、この部分にはフィルタ部分が構成されていなくてもよいし、緑色と橙色の両方の光を透過させるフィルタ部分が設けられていてもよい。背景色領域A4は、R形状部もN形状部も無い部位であり、全ての波長の光を遮光するマスキング部で構成される。
【0031】
以上述べたように、上記第1実施形態では、インジケータ用意匠を少なくとも表示板5上に表示する車両用表示装置において、表示板5に対応する位置に、少なくとも2種類の色で表示板5を照射する光源10、11が設けられている。そして、表示板5に、フィルタ15が設けられ、このフィルタ15には、それぞれの光源の色に対応した少なくとも2種類のインジケータ用意匠が描かれている。
【0032】
このフィルタ15は、複数の光源10、11の色のうち、特定の色の光を透過させる。これにより、光源10、11が発光する色を切替え、フィルタ15を介して、少なくとも2種類の色と形状の異なったインジケータ用意匠を同じ表示場所に切替え表示させることができる。また、インジケータ用意匠を同じ表示場所に切替え表示できるため、表示場所が狭くても複数種類のインジケータ用意匠を表示することができる。
【0033】
また、フィルタ15は、表示板5の裏面に蒸着され、表示板5と一体に形成されている。従って、フィルタ15は、表示板5と一体に取り扱うことができ、部品点数が増加せず、取り扱いが容易である。更に、フィルタ15は、第1色と第2色とからなる2種類の色のうち第1色のみを透過または反射する第1色領域A1を有し、緑色の光源10の光のみを透過させる。
【0034】
更に、フィルタ15は、第2色のみを透過させる第2色領域A2を有し、この第2色領域A2は、橙色の光源11の光のみを透過させる。加えて、第1色および第2色のいずれでも透過させる共通色領域A3と、第1色および第2色のいずれにおいても透過させない背景色領域A4を有している。
【0035】
従って、第1色の緑色の光によって光源10からフィルタ15が照射された場合に、第1色領域A1と共通色領域A3とを介して、第1色のインジケータ用意匠を表示することができる。また、第2色の光が光源11から来た場合に、第2色領域A2と共通色領域A3とを介して、第2色である橙色のインジケータ用意匠を表示することができる。また、各場合ともに、背景色領域A4で、発光しない背景部を形成できる。
【0036】
更に、インジケータ用意匠は、オートマチックトランスミッションのシフトレバーの位置を示す後進時のR形状部、動力が伝わらないニュートラル時のN形状部を表示する複数の意匠からなる。これにより、オートマチックトランスミッションのシフトレバーの位置を、異なる色で実質同じ場所に表示して、表示場所のスペースの節約をすることができ、しかも、これらのインジケータ用意匠は同時に表示する必要がなく、また表示内容と色をマッチングさせることが可能であり、最適な車両用表示装置を構成することができる。
【0037】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、以降の各実施形態においては、上述した第1実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略し、異なる構成および特徴について説明する。図6は、本発明の第2実施形態における2種類のインジケータ用意匠と成るN形状部、R形状部、およびフィルタ15の説明図である。この図6では、5X7個のドット状表示形態に見せる場合の例を示している。
【0038】
第1実施形態と異なる点は、R形状部とN形状部とが、フィルタ15のセグメントSの集合の発光状態として表現されている点である。図6の(a)は、図2と同様の光源10が点灯した場合において発光表示されるN形状部を図示している。図6の(b)は、図2と同様の光源11が点灯した場合において発光表示されるR形状部を図示している。
【0039】
このような、R形状部とN形状部とを発光表示させるために、フィルタ15の各セグメントSは、図6の(c)のように、緑色の第1色領域A1、橙色の第2色領域A2、共通色領域A3、および背景色領域A4の4つの領域のうちのいずれかの領域を形成する。この第2実施形態によれば、任意の形状で、第1色のインジケータ用意匠および第2色のインジケータ用意匠を、混色の少ない状態で、容易に形成することができる。
【0040】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。上述した実施形態と異なる特徴部分を説明する。図7は、本発明の第3実施形態を示すインジケータにおける表示板5に形成されたフィルタ15を透過することによって表示板5上に発光して表示される2種類のインジケータ用意匠と成るR形状部、N形状部、フィルタ、およびフィルタのマスキング前の素材を示す説明図である。
【0041】
図7において、フィルタは。図7の(d)に示すマスキング前のフィルタ素材を部分的に不透光性部材でマスキングして形成されている。図7の(d)に示すマスキング前のフィルタ素材は、複数に分割されたセグメントSの集合から成り。各セグメントSが更に分割されて分割区画DBが形成されている。この図7は、1ドットを成すセグメントSを4分割している。つまり、一つのセグメントSは4つの分割区画DBの集合で形成されている。なお、セグメントSは、少なくとも2分割されていればよいが、図7では4分割している。
【0042】
分割区画DBには、後述する第1色領域A1または第2色領域A2が形成されており、全体的に、これらの第1色領域A1と第2色領域A2とは、それぞれ市松模様に形成されている。その結果、マスキング前のフィルタ素材におけるセグメントSは、第1色領域A1と第2色領域A2の両方が形成された共通色セグメントから成る。
【0043】
図8は、図7の(c)に示すフィルタ15のセグメントをそれぞれ構成する第1色セグメントと、第2色セグメントと、共通色セグメントと、背景色セグメントとを示す説明図である。図8の(a)のように、第1色領域A1と背景色セグメントSbとが形成された第1色セグメントS1は、4つの分割区画DBのうち2つの分割区画DBに緑色の第1色のみを透過するフィルタ部分が設けられている。
【0044】
図8の(b)のように、第2色領域A2と背景色セグメントSbとが形成された第2色セグメントS2は、4つの分割区画DBのうち2つの分割区画DBに橙色の第2色のみを透過するフィルタ部分が設けられている。図8の(c)のように、第1色領域A1と第2色領域A2の両方が形成された共通色セグメントScは、4つの分割区画DBのうち2つの分割区画DBに緑色の第1色のみを透過するフィルタ部分が設けられ、そのほかの2つの分割区画DBに橙色の第2色のみを透過するフィルタ部分が設けられている。換言すれば、共通色セグメントScは、第1色と第2色の面積割合が半々である。図8の(d)のように、すべての分割区画DBが背景色領域A4とされた背景色セグメントSbは、4つの分割区画DBのすべてが不透光とされている。
【0045】
この第3実施形態によれば、各セグメントSが更に分割されて分割区画DBが形成されており、セグメントSごとに、第1色領域A1と第2色領域A2の両方が形成された共通色セグメントScと、第1色領域A1が形成された第1色セグメントS1と、第2色領域A2が形成された第2色セグメントS2と、すべてが背景色領域A4とされた背景色セグメントSbとして構成できる。これにより、任意の形状から成るから成る第1色のインジケータ用意匠および第2色のインジケータ用意匠を、容易に形成することができる。また、セグメントの分割数を大きくすることで、より鮮明なインジケータ用意匠を表示することができる。
【0046】
(その他の実施形態)
本発明は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、次のように変形または拡張することができる。例えば、上述の第1実施形態では、光源として、橙色や緑色のLEDを用いたが、白色光の光源とそれぞれの色のフィルタを組み合わせて、橙色や緑色のLEDの代用光源としてもよい。
【0047】
上記実施形態においては、表示板上の複数のインジケータ用意匠のうち、いずれかのインジケータ用意匠を表示させるために、表示期間中において、複数存在する光源のうちいずれか一方を点灯し、他方を消灯したが、複数のインジケータ用意匠を実質同時に表示したい場合は、運転者がそれぞれのインジケータ用意匠を個別に認識できるように、例えば0.5秒程度のインターバルにおいて、交互に異なる発光色で光源を点灯させ、複数の意匠を同時期に認識させてもよい。これにより、表示板中のスペースが少ない場合においても、1つの表示期間中に、より多くのインジケータ用意匠を運転者に表示して、インジケータとしてのマルチ表示を行うことができる。
【0048】
また、上記実施形態では、フィルタ15を透過した光を直接的に車両の運転者に目視させたが、フィルタ15を透過した光を鏡で反射させて車両の前方ウインドスクリーンに投影させ、投影した意匠を運転者に目視させるヘッドアップディスプレイに応用することもできる。
【0049】
更に、上記実施形態では、フィルタ15を透過した光を車両の運転者に目視させたが、フィルタで反射した光を運転者に目視させてもよい。この場合は、例えば緑色の光を透過するフィルタの代わりに、緑の光を反射するフィルタを使用し、フィルタの反射光でRやNのインジケータ用意匠を表示させる。
【0050】
図6や図7に対して、セグメントや分割区画の数をさらに多くしてインジケータ用意匠の精細度を上げても良い。また、光源は、単波長に近い光源が有利で、波長特性が規定されたLED等が適している。但し、波長特性が広い光源においても、光源の光出射部に特定波長カットフィルタを用いれば単波長に近い特性が得られる。
【0051】
フィルタは誘電体の薄膜を蒸着することにより表示板上に形成することで形成することができるが、表示板と別のフィルムとして形成してもよい。なお、上記実施形態では、NとRの形状から成るインジケータ用意匠を表示する場合を示したが、例えば、次のような文字意匠からなるインジケータ用意匠を計器板上に表示してもよい。
ECT ECO(緑)
ECT SNOW(橙)
更に、2色以上、例えば、「青、緑、橙」「緑、橙、赤」の様に3色で表示を行っても良い。図9は、この場合の、その他の実施形態を示し、3つの光源の発光波長特性と、表示板とフィルタとを透過する光の波長に対する透過率特性の例を示す特性図である。この図9において、緑光源の発光効率ηgは525nm付近に最高効率を有し、橙光源の発光効率ηoは590nm付近に最高効率を有している。また、赤光源の発光効率ηrは655nm付近に最高効率を有している。更に、図9において、緑透過率P1、橙透過率P2、赤透過率P3の特性を持つフィルタ部分の集合から成るフィルタが設けられ、光源の3色を選択的に透過させ、所望の形状のインジケータ用意匠を表示させる。
【0052】
また、上記各実施形態では、フィルタを透過する光でインジケータ用意匠を表示させたが、フィルタで選択された色が反射することにより、インジケータ用意匠を表示させてもよい。この場合は、光源をフィルタの裏側でなく表側に設け、フィルタの透過特性の代わりに、フィルタの反射特性を利用する。また、このように反射特性を利用する場合においても、車両前方のウインドスクリーン上にインジケータ用意匠を表示するヘッドアップディスプレイに適用できる。
【0053】
次に、図10は、その他の実施形態を示す、図2と同様のインジケータの一部断面図である。この図10のように、フィルタ15を表示板5の表面に設けてもよい。また、フィルタ15は、蒸着のみでなく、塗装して形成してもよい。更に、図11は、更にその他の実施形態を示す、図2と同様のインジケータの一部断面図である。この図11のように、フィルタ15を2層に分かれた表示板5の内部に埋設してもよい。
【符号の説明】
【0054】
4 インジケータ(車両用表示装置)
4a 実質同じ表示場所
5 表示板
6、7 仕切り壁
10、11 光源
15 フィルタ
20 光源制御手段
A1 第1色領域
A2 第2色領域
A3 共通色領域
A4 背景色領域
S セグメント
S1 第1色セグメント
S2 第2色セグメント
Sb 背景色セグメント
Sc 共通色セグメント
S セグメント
DB 分割区画
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両機器の情報を表示するインジケータ用意匠を表示板上に表示する車両用表示装置において、
少なくとも2種類の色を切替えて発光することにより前記表示板を照射する光源と、
前記光源の各色に対応して形状の異なる少なくとも2種類の前記インジケータ用意匠が形成され、前記少なくとも2種類の色のうち特定の光を透過または反射させるフィルタと、
前記光源の発光色を切替えることにより、前記フィルタを介して、前記インジケータ用意匠を前記表示板に投影表示する光源制御手段と、を備えることを特徴とする車両用表示装置。
【請求項2】
前記少なくとも2種類の色は、第1色と、該第1色とは異なる第2色とを含み、
前記フィルタは、
前記第1色を透過または反射する第1色領域と、
前記第2色を透過または反射する第2色領域と、
前記第1色および前記第2色のいずれも透過または反射する共通色領域と、
前記第1色および前記第2色のいずれも透過または反射させない背景色領域と、から形成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用表示装置。
【請求項3】
前記フィルタは、複数に分割されたセグメントの集合からなり、当該各セグメントは、前記第1色領域、前記第2色領域、前記共通色領域、および前記背景色領域の4つの領域のうちのいずれかの領域を形成することを特徴とする請求項2に記載の車両用表示装置。
【請求項4】
前記フィルタは、複数に分割されたセグメントの集合から成り、当該各セグメントが更に分割されて少なくとも2つの分割区画が形成されており、それら分割区画は、それぞれ前記第1色領域と前記第2色領域と前記背景色領域とのいずれかを形成しており、
前記セグメントは、
前記第1色領域とされる前記分割区画と、前記第2色領域とされる前記分割区画とを有する共通色セグメントと、
少なくとも1つの前記分割区画が前記第1色領域とされる第1色セグメントと、
少なくとも1つの前記分割区画が前記第2色領域とされる第2色セグメントと、
すべての前記分割区画が前記背景色領域とされる背景色セグメントと、から成ることを特徴とする請求項2に記載の車両用表示装置。
【請求項1】
車両機器の情報を表示するインジケータ用意匠を表示板上に表示する車両用表示装置において、
少なくとも2種類の色を切替えて発光することにより前記表示板を照射する光源と、
前記光源の各色に対応して形状の異なる少なくとも2種類の前記インジケータ用意匠が形成され、前記少なくとも2種類の色のうち特定の光を透過または反射させるフィルタと、
前記光源の発光色を切替えることにより、前記フィルタを介して、前記インジケータ用意匠を前記表示板に投影表示する光源制御手段と、を備えることを特徴とする車両用表示装置。
【請求項2】
前記少なくとも2種類の色は、第1色と、該第1色とは異なる第2色とを含み、
前記フィルタは、
前記第1色を透過または反射する第1色領域と、
前記第2色を透過または反射する第2色領域と、
前記第1色および前記第2色のいずれも透過または反射する共通色領域と、
前記第1色および前記第2色のいずれも透過または反射させない背景色領域と、から形成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用表示装置。
【請求項3】
前記フィルタは、複数に分割されたセグメントの集合からなり、当該各セグメントは、前記第1色領域、前記第2色領域、前記共通色領域、および前記背景色領域の4つの領域のうちのいずれかの領域を形成することを特徴とする請求項2に記載の車両用表示装置。
【請求項4】
前記フィルタは、複数に分割されたセグメントの集合から成り、当該各セグメントが更に分割されて少なくとも2つの分割区画が形成されており、それら分割区画は、それぞれ前記第1色領域と前記第2色領域と前記背景色領域とのいずれかを形成しており、
前記セグメントは、
前記第1色領域とされる前記分割区画と、前記第2色領域とされる前記分割区画とを有する共通色セグメントと、
少なくとも1つの前記分割区画が前記第1色領域とされる第1色セグメントと、
少なくとも1つの前記分割区画が前記第2色領域とされる第2色セグメントと、
すべての前記分割区画が前記背景色領域とされる背景色セグメントと、から成ることを特徴とする請求項2に記載の車両用表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−37241(P2013−37241A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−174250(P2011−174250)
【出願日】平成23年8月9日(2011.8.9)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月9日(2011.8.9)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
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