説明

車両駆動用モータ制御装置

【課題】車両駆動用モータがロック状態のときに、アクセル操作からブレーキ操作への移行を運転者に喚起し、モータ内部において通電するコイルを、通電により温度上昇したコイルから他のコイルにする。
【解決手段】直流電圧を交流電圧に変換して車両駆動用モータ2に供給する電圧変換手段7と、アクセル操作量を検出するアクセル操作量検出手段11と、アクセル操作量に基づいて駆動トルク要求値を算出し、この駆動トルク要求値に応じて電圧変換手段7から出力される交流電圧を制御する制御手段10とを備えた車両駆動用モータ制御装置9において、車両駆動用モータ2がロック状態か否かを判定するモータロック判定手段18を備え、制御手段10は、モータロック判定手段によりロック状態であると判定された時には、駆動トルク最大値を予め設定された値まで徐々に減少させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は車両駆動用モータ制御装置に係り、特に、車両駆動用モータがロック状態のときにアクセル操作からブレーキ操作への移行を運転者に喚起し、モータ内部のコイルの熱破壊を防止した車両駆動用モータ制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車やシリーズ型ハイブリッド車など車両駆動用モータにより走行する車両では、一般に三相交流モータが使用されており、例えば登坂路でブレーキを使用せずアクセル操作による車両停止を維持していた場合、モータ内部のコイルの一相のみの通電が続き、通電するコイルの過熱や故障を発生させることがある。
従来の車両駆動用モータ制御装置においては、図5に示すように、登坂路で運転者がアクセル操作して車両を停止状態に維持することで車両駆動用モータがロック状態となり、モータ内部のコイル温度が設定値Aを超えた場合に、コイルの通電を制限して駆動トルクを低下させることで、コイルの過熱や故障を回避している。しかし、コイル温度が設定値Aを超えた場合に、コイル温度保護のためコイルの通電を急に制限すると、制限された期間B内においてはモータの駆動トルク減少でアクセル操作が効かなくなり、ドライバビリティが悪化する。
【0003】
そこで、従来の車両駆動用モータ制御装置には、車両駆動用モータがロック状態であると判定されたときには、車両駆動用モータの駆動トルクを所定低下比率で低下させてから所定増加比率で増加させるトルク低減制限を実行し、このトルク低減制限実行時の平均トルクが、特定相コイルの温度に基づいて他相コイルについての温度補償可能なトルク閾値になるように、所定低下比率および所定増加比率の少なくとも一方を調整するものがある(特許文献1)。
また、車両駆動用モータ制御装置には、車両駆動用モータがロック状態であると判定されたときに、車両駆動用モータの駆動トルクを一旦低下させて復帰させる第1トルク低減制限を実行し、なおロック状態が解消されない場合には、モータの駆動トルクを第1トルク低減制限よりも低い所定トルクまで低下させる第2トルク低減制限を実行するものがある(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−11545号公報
【特許文献2】特開2010−11546号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、モータ内部のコイルの過熱度合いから駆動トルクを制限する車両駆動用モータ制御装置では、図5に示すように、一旦コイル温度が設定値Aを越えて上昇してしまうと、次にコイル温度が設定値A以下に低下するまでの間は駆動トルクの制限を解除することができず、長い間駆動トルクを復帰させることができない状態が続いてしまう。
【0006】
この発明は、アクセル操作により車両駆動用モータがロック状態のときに、アクセル操作からブレーキ操作への移行を運転者に喚起することができ、モータ内部において通電するコイルを、通電により温度上昇したコイルから他のコイルにすることができる車両駆動用モータ制御装置を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、直流電圧を交流電圧に変換して車両駆動用モータに供給する電圧変換手段と、車両のアクセル操作量を検出するアクセル操作量検出手段と、前記アクセル操作量検出手段により検出されたアクセル操作量に基づいて駆動トルク要求値を算出し、この駆動トルク要求値に応じて前記電圧変換手段から出力される交流電圧を制御する制御手段とを備えた車両駆動用モータ制御装置において、前記車両駆動用モータがロック状態か否かを判定するモータロック判定手段を備え、前記制御手段は、前記モータロック判定手段によりロック状態であると判定された時には、駆動トルク最大値を予め設定された値まで徐々に減少させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
この発明の車両駆動用モータ制御装置は、アクセル操作により車両駆動用モータがロック状態のときには駆動トルク最大値を減少させることにより車両をゆっくり後退させ、アクセル操作からブレーキ操作への移行を運転者に喚起することができる。
この発明の車両駆動用モータ制御装置は、車両駆動用モータがロック状態のときにモータ内部において通電するコイルを、車両を後退させることで通電により温度上昇したコイルから他のコイルにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は車両駆動用モータ制御装置のフローチャートである。(実施例)
【図2】図2は車両駆動用モータ制御装置のタイミングチャートである。(実施例)
【図3】図3は車両駆動用モータで走行する車両のシステム図である。(実施例)
【図4】図4は車両駆動用モータ制御装置のブロック図である。(実施例)
【図5】図5はコイル温度による駆動トルク制限のタイミングチャートである。(従来例)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面に基づいて、この発明の実施例を説明する。
【実施例】
【0011】
図1〜図4は、この発明の実施例を示すものである。図3において、1は電気自動車やシリーズ型ハイブリッド車などの車両である。この車両1は、車両駆動用モータ(以下「モータ」と記す。)2を備えている。モータ2は、モータ軸3を差動装置4に接続している。差動装置4には、車軸5を介して車輪6を接続している。前記モータ2は、電圧変換手段のインバータ7を介して高電圧バッテリ8に接続されている。インバータ7は、高電圧バッテリ8の直流電圧を交流電圧に変換してモータ2に供給する。モータ2は、交流電圧で駆動トルクを発生する。モータ2が発生した駆動トルクは、差動装置4から車軸5を介して車輪6に伝達され、車両1を走行させる。
前記モータ2は、図4に示すように、U相、V相、W相のコイルU、V、Wを有する三相交流モータからなる。インバータ7は、高電圧バッテリ8の直流電圧をU相、V相、W相の三相の交流電圧に変換し、各相のコイルU、V、Wに供給する。インバータ7および高電圧バッテリ8は、車両駆動用モータ制御装置9の制御手段10に接続されている。
車両駆動用モータ制御装置9の制御手段10は、車両のアクセル操作量を検出するアクセル操作量検出手段11と、車両のブレーキ操作量を検出するブレーキ操作量検出手段12と、モータ回転速度を検出するモータ回転速度検出手段13と、駆動トルクを検出する駆動トルク検出手段14と、モータ内部の各コイルU、V、Wの温度を検出するコイル温度検出手段15、16、17と、モータ2がロック状態か否かを判定するモータロック判定手段18とを備えている。
制御手段10は、アクセル操作量検出手段11により検出されたアクセル操作量に基づいて駆動トルク要求値を算出し、この駆動トルク要求値に応じてインバータ7から出力される交流電圧を制御し、モータ2を駆動制御する。一方、制御手段10は、車両1の減速時等において車輪6からの駆動力でモータ2が駆動された場合に、発生した電力を高電圧バッテリ8に回収するようにインバータ7を回生制御する。したがって、モータ2は、電動機として機能するとともに発電機としても機能する発電動機である。
【0012】
前記車両駆動用モータ制御装置9の制御手段10は、モータロック判定手段18によって、モータ回転速度検出手段13により検出されたモータ回転速度が予め設定された値より小さく、かつ、駆動トルク検出手段14により検出された駆動トルクが予め設定された値より大きい状態が予め設定された時間継続した時に、モータ2がロック状態であると判定する。
制御手段10は、モータロック判定手段18によりモータ2がロック状態であると判定された時に、モータ2の駆動トルク最大値を予め設定された値まで徐々に減少させる。
制御手段10は、駆動トルク最大値を減少させる場合において、通常の雰囲気温度でモータ2を駆動し続けてもモータ内部の各相のコイルU、V、Wが熱破壊しない駆動トルクまで、駆動トルク最大値を減少させる。
また、制御手段10は、ブレーキ操作量検出手段12によりブレーキオンが検出されるまで、駆動トルク最大値を予め設定された値に制限する。
制御手段10は、ブレーキ操作量検出手段12によりブレーキオンが検出されて駆動トルク最大値の制限を解除するのに要する時間を、通常ブレーキ操作からアクセル操作に変更するのに要する時間以下とする。
さらに、制御手段10は、モータ内部のコイルU、V、Wの温度を検出するコイル温度検出手段15、16、17により検出された各コイルU、V、Wのコイル温度が予め設定された値を超えた時には、駆動トルク要求値を0とする。
【0013】
次に、車両駆動用モータ制御装置9による制御を、図1のフローチャートに従い説明する。なお、車両1には、ブレーキヒルホールド機能を搭載し、車両1の傾き検出の結果により、ブレーキオフ後も機械的なパーキングブレーキを所定時間延長させ、ブレーキ操作状態を維持するものがある。このため、図1においては、ブレーキヒルホールド機能の搭載・非搭載を含めて、車両駆動用モータ制御装置9による制御を説明する。
図1において、登坂路で車両1がアクセル操作により停車して、制御手段10により制御のプログラムがスタートすると(S01)、ヒルホールド条件が成立しているかを判断する(S02)。ヒルホールド条件は、車両1がブレーキヒルホールド機能を搭載し、かつブレーキヒルホールド動作中の場合に、成立する。
この判断(S02)がYESの場合は、判断(S13)にジャンプする。この判断(S02)がNOの場合は、モータ2の駆動トルク最大値の制限開始条件が成立するか、または駆動トルク最大値の制限継続中であるかを判断する(S03)。制限開始条件は、モータ回転速度が設定値より小さく、かつ、モータ2の駆動トルクが設定値より大きい状態が設定時間継続して、モータ2がロック状態であると判定された場合に、成立する。
前記判断(S03)がNOの場合は、リターン(S15)にジャンプする。この判断(S03)がYESの場合は、モータ2の駆動トルク最大値を予め設定された値まで徐々に減少させ(S04)、警告灯の点滅等により運転者に警告を表示する(S05)。駆動トルク最大値の減少は、例えば、制限開始時の駆動トルク最大値が1/2の値になるまで設定時間をかけて減少させる。また、この駆動トルク最大値を減少させる場合においては、通常の雰囲気温度でモータ2を駆動し続けてもモータ内部の各相のコイルU、V、Wが熱破壊しない駆動トルクまで、駆動トルク最大値を減少させる。
【0014】
前記警告表示(S05)に続き、モータ軸3の回転角θを、
・θ=モータ回転速度*制限開始からの時間積算
の式より算出し(S06)、駆動トルク最大値の制限解除条件が成立するかを判断する(S07)。制限解除条件は、θが各コイルU、V、Wのなす一相分の角度を超え、かつアクセルオフ(アクセル操作無し)でブレーキオン(ブレーキ操作有り)の場合に、成立する。よって、駆動トルク最大値は、ブレーキ操作量検出手段12によりブレーキオンが検出されるまで、予め設定された値に制限される。
前記判断(S07)がNOの場合は、リターン(S15)にジャンプする。この判断(S07)がYESの場合は、駆動トルク最大値を速やかに復帰させ(S08)、運転者への警告を解除する(S09)。ブレーキ操作量検出手段12によりブレーキオンが検出されて駆動トルク最大値の制限を解除するのに要する時間は、通常ブレーキ操作からアクセル操作に変更するのに要する時間(例えば、アクセルペダルからブレーキペダルへの踏み替えに要する時間)以下とする。
前記警告解除(S09)に続き、車両1がブレーキヒルホールド機能を搭載しているかを判断する(S10)。この判断(S10)がNOの場合は、リターン(S15)にジャンプする。この判断(S10)がYESの場合は、パーキングブレーキの操作状態を保持し(S11)、登坂路の傾斜推測値と釣り合う駆動トルクとなるアクセル開度AccTを算出し(S12)、アクセル操作によるアクセル開度がアクセル開度AccTを越えたかを判断する(S13)。
この判断(S13)がNOの場合は、リターン(S15)にジャンプする。この判断(S13)がYESの場合は、パーキングブレーキの操作を解除し(S14)、リターンする(S15)。
【0015】
前記車両駆動用モータ制御装置9による制御を、図2のタイミングチャートに従い説明する。
図2において、コイル温度が設定値Aに達する程の高い斜度の登坂路で、ブレーキを使用せずアクセル操作による車両1の停止維持を開始し(t0)、モータ回転速度が設定値より小さく、かつ、モータ2の駆動トルクが設定値より大きい状態が設定時間継続し(t1)、モータ2がロック状態であると判定されると、通電しているコイルU、V、Wのコイル温度が設定値Aに達する前であっても、駆動トルク最大値を徐々に減少させ、警告を表示する(a)。
駆動トルク最大値の減少(a)でアクセルの効きが弱まり、車両1がゆっくり後退することでモータ2が回転し(b)、回転角θが各コイルU、V、Wのなす一相分の角度を超えると、通電しているコイルが通電により温度上昇したコイルから他のコイルになり、コイル温度が低下する(t2)。
運転者が車両1の後退を警告により感知して、アクセル操作を止めてブレーキ操作に移行(c)すると(t3)、駆動トルク最大値の制限を解除して、駆動トルクを0とする。車両1は、ブレーキ操作により停止を維持される。車両1が停止維持している状態において、運転者がブレーキ操作を止めてアクセル操作に移行(d)すると(t4)、駆動トルクが直ちに発生される。
なお、コイル温度が設定値Aに達しない程度の低い斜度の登坂路で、ブレーキを使用せずアクセル操作による車両1の停止維持を開始し(t5)、モータ回転速度が設定値より小さい状態が設定時間継続した場合に(t6)、駆動トルク最大値以下の駆動トルク要求値であれば、通電しているコイルU、V、Wのコイル温度が設定値Aに達することがないので、アクセル操作により車両1の停止と後退速度を変更でき、駆動トルク最大値を減少させる制限を動作しつつ運転者に警告を表示する。運転者がアクセル操作を止めてブレーキ操作に移行すると、駆動トルク最大値の制限を解除して、駆動トルクを0とする。車両1は、ブレーキ操作により停止を維持される。
【0016】
このように、車両駆動用モータ制御装置9は、モータ2がロック状態か否かを判定するモータロック判定手段18によりロック状態であると判定された時には、駆動トルク最大値を予め設定された値まで徐々に減少させる。
これにより、車両駆動用モータ制御装置9は、アクセル操作によりモータ2がロック状態のときには駆動トルク最大値を減少させることで車両1をゆっくり後退させ、アクセル操作からブレーキ操作への移行を運転者に喚起することができる。また、車両駆動用モータ制御装置9は、モータ内部において通電する三相のコイルU、V、Wを、車両1を後退させることで通電により温度上昇したコイルから他のコイルにすることができる。
車両駆動用モータ制御装置9は、制御手段10によって、通常の雰囲気温度でモータ2を駆動し続けてもモータ内部のコイルU、V、Wが熱破壊しない駆動トルクまで駆動トルク最大値を減少させることで、モータ内部のコイルU、V、Wの熱破壊を避けつつ、緩やかな登坂路であれば、運転者のアクセル操作により車両1の後退速度を調整することができる。
車両駆動用モータ制御装置9は、制御手段10によって、ブレーキ操作量検出手段12によりブレーキオンが検出されるまで駆動トルク最大値を予め設定された値に制限することで、運転者がアクセル操作量を増やすことによるモータのロック状態継続を回避することができる。
車両駆動用モータ制御装置9は、制御手段10によって、ブレーキ操作量検出手段12によりブレーキオンが検出されて駆動トルク最大値の制限を解除するのに要する時間を、通常ブレーキ操作からアクセル操作に変更するのに要する時間以下とすることで、運転者がブレーキ操作からアクセル操作に移行させている間に駆動トルク最大値を元に戻すため、通常通りの登坂発進が可能となる。
駆動用モータ制御装置9は、制御手段10によって、モータ回転速度検出手段13により検出されたモータ回転速度が予め設定された値より小さく、かつ、駆動トルク検出手段14により検出された駆動トルクが予め設定された値より大きい状態が予め設定された時間継続した時に、モータ2がロック状態であると判定するので、モータ内部のコイルU、V、Wが過熱する前に駆動トルクを減少させることができる。
駆動用モータ制御装置9は、制御手段10によって、モータ内部のコイルU、V、Wの温度を検出するコイル温度検出手段15、16、17により検出された各コイルU、V、Wのコイル温度が予め設定された値を超えた時には、駆動トルク要求値を0とすることで、モータ内部のコイルU、V、Wの限界温度を超えないようにして、コイルU、V、Wの熱破壊を避けることができ、また、外気温が高温の場合でもモータ内部のコイルを保護することができる。
【産業上の利用可能性】
【0017】
この発明は、アクセル操作により車両駆動用モータがロック状態のときにアクセル操作からブレーキ操作への移行を運転者に喚起し、モータ内部において通電により温度上昇したコイルから他のコイルにすることができるものであり、車両駆動用モータを搭載した運送用機器に適用することができる。
【符号の説明】
【0018】
1 車両
2 モータ
3 モータ軸
4 差動装置
5 車軸
6 車輪
7 インバータ
8 高電圧バッテリ
9 車両駆動用モータ制御装置
10 制御手段
11 アクセル操作量検出手段
12 ブレーキ操作量検出手段
13 モータ回転速度検出手段
14 駆動トルク検出手段
15、16、17 コイル温度検出手段
18 モータロック判定手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流電圧を交流電圧に変換して車両駆動用モータに供給する電圧変換手段と、
車両のアクセル操作量を検出するアクセル操作量検出手段と、
前記アクセル操作量検出手段により検出されたアクセル操作量に基づいて駆動トルク要求値を算出し、この駆動トルク要求値に応じて前記電圧変換手段から出力される交流電圧を制御する制御手段とを備えた車両駆動用モータ制御装置において、
前記車両駆動用モータがロック状態か否かを判定するモータロック判定手段を備え、
前記制御手段は、
前記モータロック判定手段によりロック状態であると判定された時には、駆動トルク最大値を予め設定された値まで徐々に減少させることを特徴とする車両駆動用モータ制御装置。
【請求項2】
前記制御手段は、通常の雰囲気温度で前記車両駆動用モータを駆動し続けてもモータ内部のコイルが熱破壊しない駆動トルクまで駆動トルク最大値を減少させることを特徴とする請求項1に記載の車両駆動用モータ制御装置。
【請求項3】
車両のブレーキ操作量を検出するブレーキ操作量検出手段を備え、
前記制御手段は、
前記ブレーキ操作量検出手段によりブレーキオンが検出されるまで駆動トルク最大値を予め設定された値に制限することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両駆動用モータ制御装置。
【請求項4】
前記制御手段は、
前記ブレーキ操作量検出手段によりブレーキオンが検出されて駆動トルク最大値の制限を解除するのに要する時間を通常ブレーキ操作からアクセル操作に変更するのに要する時間以下とすることを特徴とする請求項3に記載の車両駆動用モータ制御装置。
【請求項5】
モータ回転速度を検出するモータ回転速度検出手段と、
駆動トルクを検出する駆動トルク検出手段とを備え、
前記モータロック判定手段は、
前記モータ回転速度検出手段により検出されたモータ回転速度が予め設定された値より小さく、かつ、前記駆動トルク検出手段により検出された駆動トルクが予め設定された値より大きい状態が予め設定された時間継続した時に、前記車両駆動用モータがロック状態であると判定することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の車両駆動用モータ制御装置。
【請求項6】
モータ内部のコイルの温度を検出するコイル温度検出手段を備え、
前記制御手段は、
前記コイル温度検出手段により検出されたコイル温度が予め設定された値を超えた時には、駆動トルク要求値を0とすることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の車両駆動用モータ制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−147614(P2012−147614A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−5472(P2011−5472)
【出願日】平成23年1月14日(2011.1.14)
【出願人】(000002082)スズキ株式会社 (3,196)
【Fターム(参考)】