説明

車体後部構造

【課題】部品点数を少なくすることができ、軽量化でき、製作コストを低廉化でき、外観品質を向上させることができる車体後部構造を提供する。
【解決手段】リアシートのシートバック1が第1横軸芯周りに揺動自在に設けられ、シートバック1の上端部1Jとバックドア5との間にパーセルシェルフ6が配置され、シートバック1の上端部1Jとパーセルシェルフ6の前端部6Mとの間を覆い隠すフラップ11がパーセルシェルフ6の前端部6Mに第2横軸芯O周りに揺動自在に接続し、シートバック1の上端部1Jがフラップ11の前端部11Mに車両前方側Frから当接し、シートバック1が第1横軸芯周りに後方に揺動するに伴って、フラップ11がシートバック1の上端部1Jからの押圧力に抗しながら第2横軸芯O周りに下方に揺動し、フラップ11は薄肉ヒンジ12を介してパーセルシェルフ6の前端部6Mに接続している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、
リアシートのシートバックが下端部側の第1横軸芯周りに揺動自在に設けられて、鉛直方向に対する前記シートバックの傾斜角度が変更調節可能に構成され、
前記シートバックの上端部とバックドアとの間にパーセルシェルフが配置され、
前記シートバックの上端部と前記パーセルシェルフの前端部との間を覆い隠すフラップが前記パーセルシェルフの前端部にヒンジを介して第2横軸芯周りに揺動自在に接続し、
前記シートバックの上端部が前記フラップの前端部に車両前方側から当接し、
前記シートバックが前記第1横軸芯周りに後方に揺動するに伴って、前記フラップが前記シートバックの上端部からの押圧力に抗しながら前記第2横軸芯周りに下方に揺動するとともに、前記シートバックが前記第1横軸芯周りに前方に揺動するに伴って、前記フラップが弾性復元して前記第2横軸芯周りに上方に揺動する車体後部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
図6にリクライニング式のシートバックを備えた車体後部構造を示してある。実線のシートバック1はリクライニングの前の状態を示し、二点鎖線のシートバック1はリクライニングの後の状態を示している。図6に示すように、リクライニングの前後でシートバック1の上端部1Jの後面とパーセルシェルフ6の前端部6Mとの間に隙間Sが生じる。そこで、この種の車体後部構造には、前記シートバック1の上端部1Jと前記パーセルシェルフ6の前端部6Mとの間の隙間Sを覆い隠す上記構造のフラップが設けられている。
従来、前記フラップは、フラップの第2横軸芯周りの揺動を許すヒンジ金具を介してパーセルシェルフの前端部に接続され、フラップを上方に揺動付勢するスプリングが設けられていた(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭57−108455号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の構造によれば、前記フラップは、前記フラップの前記第2横軸芯周りの揺動を許すヒンジ金具を介して前記パーセルシェルフの前端部に接続され、フラップを上方に揺動付勢するスプリングが設けられていたために、ヒンジ金具やスプリングが必要で部品点数が多く、重量が重くなるとともに、組み付けに手間がかかり、製作コストが高くなっていた。
さらに、パーセルシェルフを前端部側の横軸芯周りに上方に揺動回転させて開いた時に、パーセルシェルフとフラップとの連結部にスプリング機構が露出して外観品質が低下していた。この問題を解消するためにスプリング機構を覆うカバーを設けると、部品点数がさらに増加する。
本発明の目的は、部品点数を少なくすることができ、軽量化でき、組み付けコストを削減でき、製作コストを低廉化でき、外観品質を向上させることができる車体後部構造を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の特徴は、
リアシートのシートバックが下端部側の第1横軸芯周りに揺動自在に設けられて、鉛直方向に対する前記シートバックの傾斜角度が変更調節可能に構成され、
前記シートバックの上端部とバックドアとの間にパーセルシェルフが配置され、
前記シートバックの上端部と前記パーセルシェルフの前端部との間を覆い隠すフラップが前記パーセルシェルフの前端部にヒンジを介して第2横軸芯周りに揺動自在に接続し、
前記シートバックの上端部が前記フラップの前端部に車両前方側から当接し、
前記シートバックが前記第1横軸芯周りに後方に揺動するに伴って、前記フラップが前記シートバックの上端部からの押圧力に抗しながら前記第2横軸芯周りに下方に揺動するとともに、前記シートバックが前記第1横軸芯周りに前方に揺動するに伴って、前記フラップが弾性復元して前記第2横軸芯周りに上方に揺動する車体後部構造であって、
前記フラップは、前記フラップの前記第2横軸芯周りの揺動を許す薄肉ヒンジを介して前記パーセルシェルフの前端部に接続している点にある。(請求項1)
【0006】
この構成によれば、前記フラップは、前記フラップの前記第2横軸芯周りの揺動を許す薄肉ヒンジを介して前記パーセルシェルフの前端部に接続しているから、部品点数を少なくすることができ、フラップとパーセルシェルフの組み付けが不要で組み付けコストを削減でき、軽量化することができ、製作コストを低廉化することができる。
そして、フラップをシートバックの上端部からの押圧力に抗しながら第2横軸芯周りに下方に揺動させる手段として、本発明ではスプリング機構等を用いないので、パーセルシェルフを前端部側の横軸芯周りに上方に揺動回転させて開いた時に、パーセルシェルフとフラップとの接続部にスプリング機構等の他の部品が露出することが無くて外観品質を向上させることができる。
また、フラップを車幅方向全域にわたって一定のテンションでシートバックの上端部の裏面に当接させることができ、フラップをスプリングの付勢力でシートバックの上端部の裏面に当接させる場合に比べて、シートバックにシワやフラップの押し付け痕が残るなどの外観の低下を防ぐことができる。(請求項1)
【0007】
本発明において、
前記シートバックが最も起立した状態で前記フラップは前下がりに傾斜していると、次の作用を奏することができる。(請求項2)
【0008】
シートバックを後方に傾けた時はフラップの先端が下方に下がるので、フラップが上方に突出することが無く、外観品質を向上させることができる。(請求項2)
【0009】
本発明において、
前記フラップの前記薄肉ヒンジの周りの肉厚は、縦断面において、前記第2横軸芯側ほど次第に小さくなるように設定されていると、次の作用を奏することができる。(請求項3)
【0010】
フラップの板厚が急激に変化する個所が無いので、薄肉ヒンジの疲労破壊を防止することができて、薄肉ヒンジの耐久性を向上させることができる。(請求項3)
【0011】
本発明において、
前記パーセルシェルフの前端部に高強度部が設けられていると、次の作用を奏することができる。(請求項4)
【0012】
シートバックの上端部からフラップに入力された荷重を薄肉ヒンジで吸収することができて、前記荷重がパーセルシェルフ本体に伝わるのを防ぐことができる。その結果、シートバックの上端部からフラップに入力された荷重でパーセルシェルフ本体が撓むことを防止でき、車体に支持されるパーセルシェルフの被支持部(例えば軸受け部)と車体側の支持部(例えば横軸部)との連結が解除されることを防止することができる。(請求項4)
【0013】
本発明において、
前記高強度部は、前記パーセルシェルフの前端部から下方に延びるフランジで構成され、前記フラップは前記フランジの下端部に前記薄肉ヒンジを介して接続していると、次の作用を奏することができる。(請求項5)
【0014】
薄肉ヒンジがフランジとシートバックとの間の下方の位置に配置されるので、車外のバックガラスを通して覗いた時や、シートの乗員が後方を見たときに、薄肉ヒンジが見え難くなり、より外観を向上させることができる。(請求項5)
【0015】
本発明において、
前記フランジはパーセルシェルフ本体よりも厚肉に設定されていると、次の作用を奏することができる。(請求項6)
【0016】
簡易の構造で、パーセルシェルフ本体の捩れなどを防ぐことができ、車幅方向におけるフラップの作動を均一にすることができる。(請求項6)
【0017】
本発明において、
前記薄肉ヒンジを補強する補強テープが、前記フラップの後端部の下面と前記パーセルシェルフの前端部の下面とにわたって貼着されていると、次の作用を奏することができる。(請求項7)
【0018】
前記薄肉ヒンジを補強テープで補強することができ、繰返しの作動による薄肉ヒンジの疲労破壊を防ぐことができる。その上、パーセルシャルフを開いた状態で裏面が見えても、スッキリした印象を与え、室内外観を向上させることができる。(請求項7)
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、
部品点数を少なくすることができ、軽量化でき、組み付けコストを削減でき、製作コストを低廉化でき、外観品質を向上させることができる車体後部構造を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】自動車の車体後部構造の斜視図
【図2】最も起立した状態のシートバックの上端部とパーセルシェルフとフラップとを示す側面図
【図3】シートバックが後方に傾いた時のフラップの作用を示す側面図
【図4】パーセルシェルフの斜視図
【図5】フラップの作用を示す側面図
【図6】フラップが設けられていない比較例の構造を示す側面図
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1,図2に自動車の車体後部構造を示してある。車体後部の後部荷室30は、リアシートのシートバック1と、フロアパネルと、左右の側壁を形成する左右一対のクォータトリム3と、後壁を形成するテールエンドトリム4と、前記シートバック1の上端部1Jとバックドア5との間に配置されたパーセルシェルフ6とで形成されている。
【0022】
図2,図3に示すように、シートバック1は、下端部側の第1横軸芯(図示せず)周りに揺動自在に設けられ、鉛直方向に対する傾斜角度を変更調節可能に構成されている。シートバック1の上端部1Jにはヘッドレスト7が連結されている。
【0023】
左右一対のクォータトリム3同士は左右対称形状に成形されて、車体パネル(インナパネル)を車幅方向内側から覆っている。クォータトリム3・テールエンドトリム4・パーセルシェルフ6は樹脂材で成形されている。
【0024】
[パーセルシェルフ6の構造]
図1〜図4に示すように、パーセルシェルフ6は平面視横長の長方形状に成形されて、左右一対のクォータトリム3間に架設され、車両前後方向でシートバック1の上端部1Jの近傍からバックドア5の近傍まで延びて後部荷室30の上部を覆っている。これにより、後部荷室30内を車室外から見えないようにすることができる。
【0025】
パーセルシェルフ6の周部8は下側開放の断面コの字状に隆起して、パーセルシェルフ6の前端部6Mから前側フランジ6F1(高強度部に相当)が下方に延び、後端部から後ろ側フランジが下方に延び、左右両端部から左側フランジ6F4と右側フランジが各別に下方に延びている。前側フランジ6F1の高さ寸法(上下方向の長さ)は後ろ側フランジ・左側フランジ6F4・右側フランジの高さ寸法よりも短く設定されている。
【0026】
左右一対のクォータトリム3の上下方向中間部に車幅方向内側に突出する横軸部(図示せず)が設けられている。そして、横軸部が相対回転自在に嵌合する軸受け部10がパーセルシェルフ6の左側フランジ6F4の前端部と右側フランジの前端部に設けられて、パーセルシェルフ6が起立姿勢と倒伏姿勢とに横軸部の軸芯周りに揺動切り換え自在に構成されている。パーセルシェルフ6が前記起立姿勢になると後部荷室30が開放し、パーセルシェルフ6が倒状姿勢になると後部荷室30が閉じる。前記軸受け部10は下側が開放した切り欠き状に形成されている。図4の符号9は前記周部8の内方側のパーセルシェルフ本体である。
【0027】
[フラップ11の構造]
図2〜図5に示すように、シートバック1の上端部1Jとパーセルシェルフ6の前端部6Mとの間を覆い隠すフラップ11がパーセルシェルフ6の前側フランジ6F1の下端部にヒンジを介して第2横軸芯O周りに揺動自在に接続している。
【0028】
すなわち、前記フラップ11は、フラップ11の第2横軸芯O周りの揺動を許す薄肉ヒンジ12を介して前記前側フランジ6F1の下端部に接続している。このフラップ11とパーセルシェルフ6は成形型により樹脂材で一体に成形されている。
【0029】
図2に示すように、シートバック1の上端部1Jはフラップ11の前端部11Mに車両前方側Frから当接し、シートバック1が第1横軸芯周りに後方(車両後方側Rr)に揺動するに伴って、フラップ11がシートバック1の上端部1Jからの押圧力に抗しながら第2横軸芯O周りに下方に揺動するとともに、シートバック1が前記第1横軸芯周りに前方(車両前方側Fr)に揺動するに伴って、フラップ11が弾性復元して第2横軸芯O周りに上方に揺動するよう構成されている。このようにフラップ11は第2横軸芯O周りに弾性的に屈曲(弾性揺動)する。
【0030】
シートバック1が最も起立した状態でフラップ11は前下がりに傾斜している。これにより、シートバック1が第1横軸芯周りに揺動して後方に傾くと、フラップ11の前端部11Mが下方に押し下げられながらシートバック1の上端部1Jに接し続けるので、シートバック1の上端部1Jとパーセルシェルフ6の前端部6Mとの間の隙間を常に塞ぐことができる。
【0031】
前記フラップ11がシートバック1の上端部1Jの第1軸芯周りの揺動に円滑に追従するように、フラップ3は、水平に対して45°程度下方に傾斜させて成形されている(図5参照)。また、繰返しの使用に耐え、スムーズにフラップ11が作動できるように、フラップ11は上方に垂直に立てた状態から下方に240°回転した程度の範囲で折り曲げ可能とされている。
【0032】
上記の構成によれば、フラップ11がシートバック1の上端部1Jに下方に押し下げられるように作動するので、フラップ11が上方に曲げられるタイプに比べると、フラップ11の前端部11Mが上方に突出することが無く、車室内の外観を向上させることができる。
【0033】
図4に示すように、フラップ11の車幅方向の長さはパーセルシェルフ6の前側フランジ6F1の車幅方向の長さとほぼ同一に設定されている。また、図5に示すように、フラップ11の薄肉ヒンジ12の周りの肉厚は、縦断面において、第2横軸芯O側ほど次第に小さくなるように設定され、前側フランジ6F1はパーセルシェルフ本体9(図4参照)及び、前側フランジ6F1に連続するパーセルシェルフ6の前端部部分6Mよりも厚肉に設定されている。
【0034】
そして、薄肉ヒンジ12を補強する補強テープ13が、フラップ11の後端部11Kの下面とパーセルシェルフ6の前端部6Mの下面(前側フランジ6F1の下端部の下面及び裏面)とにわたって、かつ、フラップ11の後端部11Kとパーセルシェルフ6の前端部6Mとの車幅方向全長にわたって貼着されている。
【0035】
上記の構成によれば、
(1) フラップ11は、フラップ11の前記第2横軸芯O周りの揺動を許す薄肉ヒンジ12を介してパーセルシェルフ6の前端部6Mに接続しているから、部品点数を少なくすることができ、フラップ11とパーセルシェルフ6の組み付けが不要で組み付けコストを削減でき、軽量化することができ、製作コストを低廉化することができる。
そして、フラップ11がシートバック1の上端部1Jからの押圧力に抗しながら第2横軸芯O周りに下方に揺動する手段として、本発明ではスプリング機構等を用いないので、パーセルシェルフ6を前端部側の横軸芯周りに上方に揺動回転させて開いた時に、パーセルシェルフ6とフラップ11との接続部にスプリング機構等の他の部品が露出することが無くて外観品質を向上させることができる。
また、フラップ11を車幅方向全域にわたって一定のテンションでシートバック1の上端部1Jの裏面に当接させることができ、フラップ11をスプリングの付勢力でシートバック1の上端部1Jの裏面に当接させる場合に比べて、シートバック1にシワやフラップ11の押し付け痕が残るなどの外観の低下を防ぐことができる。
【0036】
(2) シートバック1が最も起立した状態でフラップ11は前下がりに傾斜しており、シートバック1を後方に傾けた時は、フラップ11の先端が下方に下がるので、フラップ11が上方に突出することが無く、外観品質を向上させることができる。
【0037】
(3) フラップ11の前記薄肉ヒンジ12の周りの肉厚は、縦断面において、前記第2横軸芯O側ほど次第に小さくなるように設定されており、フラップ11の板厚が急激に変化する個所が無いので、薄肉ヒンジ12の疲労破壊を防止することができ、薄肉ヒンジ12の耐久性を向上させることができる
【0038】
(4) パーセルシェルフ6の前端部6Mに高強度部である前側フランジ6F1が設けられているから、シートバック1の上端部1Jからフラップ11に入力された荷重を薄肉ヒンジ12で吸収しやすくすることができて、前記荷重がパーセルシェルフ本体9に伝わるのを防ぐことができる。
その結果、シートバック1の上端部1Jからフラップ11に入力された荷重でパーセルシェルフ本体9が撓むことを防止でき、車体に支持されるパーセルシェルフ6の軸受け部10と車体側の横軸部との嵌合が解除されることを防止することができる。
これにより、前記軸受け部10を薄肉ヒンジ12に近接させて設けることができ、荷室後方からパーセルシェルフ6を横軸部の軸芯周りに上方に揺動開放した時に、軸受け部10が車両前側にある分、パーセルシェルフ6を大きく開くことができて、荷物の積み下ろしを楽に行う事ができる。
また、前側フランジ6F1の強度を高めることにより、車幅方向全域に亘って、薄肉ヒンジ12に確実に応力が集中し、フラップ11を車幅方向に亘って一定の傾きで傾斜させることができ、フラップ11の捩れや傾きを防ぐことができる。
【0039】
(5) 前記高強度部は、前記パーセルシェルフ6の前端部6Mから下方に延びる前側フランジ6F1で構成され、薄肉ヒンジ12がフランジ6F1とシートバック1との間の下方の位置に配置されるので、車外のバックガラスを通して覗いた時や、シートの乗員が後方を見たときに、薄肉ヒンジ12が見え難くなり、より外観を向上させることができる。
【0040】
(6) 前側フランジ6F1はパーセルシェルフ本体9(図4参照)及び、前側フランジ6F1に連続するパーセルシェルフ6の前端部部分6Mよりも厚肉に設定されているから、簡素な構造で、パーセルシェルフ本体9の捩れ・撓みなどを防ぐことができ、車幅方向におけるフラップ11の作動を均一にすることができる。
【0041】
(7) 薄肉ヒンジ12を補強する補強テープ13が、フラップ11の後端部11Kの下面とパーセルシェルフ6の前端部6Mの下面(前側フランジ6F1の下端部の下面及び裏面)とにわたって貼着されているから、薄肉ヒンジ12を補強テープ13で補強することができ、繰返しの作動による薄肉ヒンジ12の疲労破壊を防ぐことができる。その上、パーセルシャルフ6を開いた状態でパーセルシャルフ6の裏面が見えても、スッキリした印象を与え、車室内の外観を向上させることができる。
【符号の説明】
【0042】
1 リアシートのシートバック
1J シートバックの上端部
5 バックドア
6 パーセルシェルフ
6F1 フランジ(前側フランジ、高強度部)
6M パーセルシェルフの前端部
9 パーセルシェルフ本体
11 フラップ
11K フラップの後端部
11M フラップの前端部
12 薄肉ヒンジ
13 補強テープ
Fr 車両前方側
O 第2横軸芯

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リアシートのシートバックが下端部側の第1横軸芯周りに揺動自在に設けられて、鉛直方向に対する前記シートバックの傾斜角度が変更調節可能に構成され、
前記シートバックの上端部とバックドアとの間にパーセルシェルフが配置され、
前記シートバックの上端部と前記パーセルシェルフの前端部との間を覆い隠すフラップが前記パーセルシェルフの前端部にヒンジを介して第2横軸芯周りに揺動自在に接続し、
前記シートバックの上端部が前記フラップの前端部に車両前方側から当接し、
前記シートバックが前記第1横軸芯周りに後方に揺動するに伴って、前記フラップが前記シートバックの上端部からの押圧力に抗しながら前記第2横軸芯周りに下方に揺動するとともに、前記シートバックが前記第1横軸芯周りに前方に揺動するに伴って、前記フラップが弾性復元して前記第2横軸芯周りに上方に揺動する車体後部構造であって、
前記フラップは、前記フラップの前記第2横軸芯周りの揺動を許す薄肉ヒンジを介して前記パーセルシェルフの前端部に接続している車体後部構造。
【請求項2】
前記シートバックが最も起立した状態で前記フラップは前下がりに傾斜している請求項1記載の車体後部構造。
【請求項3】
前記フラップの前記薄肉ヒンジの周りの肉厚は、縦断面において、前記第2横軸芯側ほど次第に小さくなるように設定されている請求項1又は2記載の車体後部構造。
【請求項4】
前記パーセルシェルフの前端部に高強度部が設けられている請求項1〜3のいずれか一つに記載の車体後部構造。
【請求項5】
前記高強度部は、前記パーセルシェルフの前端部から下方に延びるフランジで構成され、前記フラップは前記フランジの下端部に前記薄肉ヒンジを介して接続している請求項4記載の車体後部構造。
【請求項6】
前記フランジはパーセルシェルフ本体よりも厚肉に設定されている請求項5記載の車体後部構造。
【請求項7】
前記薄肉ヒンジを補強する補強テープが、前記フラップの後端部の下面と前記パーセルシェルフの前端部の下面とにわたって貼着されている請求項1〜6のいずれか一つに記載の車体後部構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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