車室フロアパネル
【課題】重量増を招く付帯部材なしに、衝突荷重による軸力の入力時に、これをトンネルで安全に受けながらも、ピッチング荷重を相殺させる向きの変形力をトンネルのシートクロスメンバとの結合部に対応して発生させ、シートの前倒れを防止する車室フロアパネルを提供する。
【解決手段】車両の前後方向に延びるトンネル１が形成され、シートの前側を支持するシートクロスメンバ３の端部がトンネル１に結合され、トンネル１の天面１ａ１が、その軸力Ｆ１の入力端Ａと受止め端Ｂとを結ぶ直線Ｌに対し上に凸に湾曲し、この湾曲の頂部域Ｃを前記シートクロスメンバ３のトンネルへ１の結合部Ｄに対応させる。
【解決手段】車両の前後方向に延びるトンネル１が形成され、シートの前側を支持するシートクロスメンバ３の端部がトンネル１に結合され、トンネル１の天面１ａ１が、その軸力Ｆ１の入力端Ａと受止め端Ｂとを結ぶ直線Ｌに対し上に凸に湾曲し、この湾曲の頂部域Ｃを前記シートクロスメンバ３のトンネルへ１の結合部Ｄに対応させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、自動車の車室フロアパネル、詳しくは、前後方向に延びるトンネルを有した車室フロアパネルに関する。
【背景技術】
【０００２】
このような車室フロアパネルのトンネルは、車両の正面衝突やオフセット衝突時の衝突荷重による軸力が前端から入力し、かつ、前記衝突時に、シート上の乗員が前のめりになることによるピッチング荷重を、シート側から、シートクロスメンバとの結合部を介し受ける。これらに対抗するため、トンネル壁はこれの両側に繋がるパネル壁よりも厚くすることが一般に行われている。
【０００３】
一方、シートクロスメンバはピッチング荷重を直接受けて、断面が変形しやすい。このような変形はシートがフロント側への移動を伴い前倒れする原因になり、乗員の危険性が高まる。そこで、下記特許文献１は、ピッチング荷重を受けるシートクロスメンバの断面変形を防止するために、シート取付け位置近傍、具体的には、車両中央側の近傍の断面内にセパレータと称する仕切り壁を一対設けて補強する技術を開示している。また、下記特許文献２は、トンネルのシートクロスメンバが結合される部分を含む上部域に、トンネルリインフォースメントを設けて補強する技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
【特許文献１】特開２００２−４６６５３号公報
【特許文献２】特開平６−４７０８６号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
ところで、省エネ、省資源、走行負荷の低減が望まれるなか、車両の軽量化の一環として車室フロアパネルのトンネル壁およびその左右両側に延びるパネル壁の薄肉化が課題となっている。しかし、フロアパネルの薄肉化を図った場合、トンネルはシートクロスメンバが接合されている位置で車両下向きの力が加わり、座屈を生じる。これに対して特許文献１に開示された技術では、シートクロスメンバの断面変形を防げたとしても、トンネル部分の座屈を防止することはできない。また、特許文献２の技術では、リインフォースメントにより車重が増加し、薄肉化の効果が相殺されてしまう。
【０００６】
本発明は、上記のような点に鑑み、重量増を招く付帯部材なしに、衝突荷重による軸力の入力時に、これをトンネルで安全に受けながらも、ピッチング荷重を相殺させる向きの変形力をトンネルのシートクロスメンバとの結合部に対応して発生させ、シートの前倒れを防止する車室フロアパネルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本発明の車室フロアパネルは、車両の前後方向に延びるトンネルが形成され、シート前側を支持するシートクロスメンバの端部が前記トンネルに結合された車室フロアパネルにおいて、トンネルの天面壁が、その軸力の入力端と受止め端とを結ぶ直線に対し上に凸に湾曲し、この湾曲の頂部域が前記シートクロスメンバのトンネルへの結合部に対応していることを特徴とする。
【発明の効果】
【０００８】
本発明の車室フロアパネルによれば、トンネルは、衝突荷重による軸力が入力すると、これを安全に受止めながらも、天面壁の湾曲側への変形分力を発生させる。一方、衝突によるシートの前倒で発生するピッチング荷重は、トンネル天面壁の湾曲側への変形分力と逆方向に働く。本発明ではこれらの力をトンネルとシートクロスメンバ間の結合部で相殺させるので、衝突荷重に対する強度向上のための付帯部材がなくともシート前倒を防止することができる。すなわち、車両の軽減化とシートの前倒防止を両立させることができる。
【図面の簡単な説明】
【０００９】
【図１】本発明の車室フロアパネルの概略を示す全体斜視図である。
【図２】本発明の車室フロアパネルの側面図である。
【図３】本発明の車室フロアパネルのトンネルの断面構造を示す模式的斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【００１０】
本発明の実施の形態に係る車室フロアパネルにつき、図１〜３を参照して説明し、本発明の理解に供する。従って、以下の説明は本発明の具体例であって、特許請求の範囲の記載事項を限定するものではない。
【００１１】
図１は、本発明の車室フロアパネルの概略を示す図である。本発明の車室フロアパネル１００は、パネル壁１ｂに、トンネル１とシートクロスメンバ３が少なくとも形成されている。トンネル１は、車室中央付近に形成され、前端及び後端が車体の図示しないシャシ上のクロス方向に設けられたリインフォースメントに突き当てられている。また、シートクロスメンバ３は、その端部がトンネル１の側面壁１ａ２に結合部Ｄで結合されている。
【００１２】
車両前側のリインフォースメントに突き当てられているトンネル１の前端Ａ点は、車両が正面衝突した際には、衝突荷重の軸入力Ｆ１の入力点となる。また、車両後側のリインフォースメントに突き当てられているトンネル１の後端Ｂ点は軸入力Ｆ１の受け止め点となる。後面が衝突した場合は、入力点と受け止め点が逆の関係になる。本発明の車室フロアパネルでは、このトンネル１が、入力点Ａと受け止め点Ｂを結ぶ直線Ｌに対して車両上側に向けて凸に湾曲した天面壁１ａ１を有する。
【００１３】
図２に、本発明の車室フロアパネルの側面図を示す。シート２は、パネル壁１ｂの上側に配置される。シート２の前端は、車両が衝突した際にピッチング荷重がかかる部分である。そこで、シート２の前端下方には、シートクロスメンバ３が配置されている。シートクロスメンバ３は、断面ハット形状で、開口側をパネル壁１ｂに接続されている。
【００１４】
本発明の車室フロアパネルでは、トンネル１の湾曲構造において、入力点Ａと受け止め点Ｂを結ぶ直線Ｌを湾曲の弦とし、弦Ｌから見た湾曲の頂点域Ｃの位置で、トンネル１の側面壁１ａ２とシートクロスメンバ３を結合させる。すなわち、シートクロスメンバ３は、パネル壁１ｂとトンネル１に接続されている。なお、ここで、湾曲の頂点域の位置は、トンネル１のパネル壁１ｂからの高さが最高となる部分ではなく、入力点Ａと受け止め点Ｂを湾曲の弦とした時にこの弦から見た頂点部分を意味する。
【００１５】
次に図２を参照しながら、車両が正面衝突した場合について説明する。車両が正面衝突すると、車両前部のリインフォースメント（図示せず）から衝突荷重がトンネル１に加わる。この軸力Ｆ１はトンネルの前端Ａから入力され、後端Ｂで受け止められる。そして、トンネル１を車両長方向に圧縮する軸力は、トンネル１の湾曲の頂点域にＣ集中する。この時の軸力の上向き成分は変形分力Ｆ３となる。
【００１６】
一方、車両の正面衝突によって、乗員が座ったシート２は前倒方向に力が加わる。その力の下向き成分はピッチング荷重Ｆ２として車両下向きでシートクロスメンバ３に加わる。シートクロスメンバ３は、トンネル１の頂点域Ｃに対応した結合部Ｄでトンネル１の側面壁１ａ２と結合されている。車両の衝突時にはこのピッチング荷重Ｆ２と軸力Ｆ１の車両上向き変形分力Ｆ３が相殺されることとなる。結果、シートクロスメンバ３は潰れることなく、シート２の前倒も防止することができる。
【００１７】
このように、本発明は、衝突時にシートの前倒を防止するために、シートクロスメンバ２やトンネル１に補強のための付帯部材を用いるのではなく、トンネル１とシートクロスメンバ３に生じる力を相殺させるようにしたので、車両の軽量化とシート前倒防止を両立させることができた。言い換えると、衝突時に発生する軸力の一部がトンネル１の天面壁の湾曲形状によってトンネル１の頂点域Ｃで車両上側に変換された変形分力Ｆ３は、天面壁の湾曲の曲率と、軸力の入力点Ａと受け止め点Ｂのパネル壁１ｂからの高さの違いで、調節することができる。
【００１８】
図３には、本発明の車室フロアパネルのトンネル１に、構造強化のために付与することのできる断面形状を例示する。断面はシートクロスメンバ３の車両幅方向での断面である。図３（ａ）はトンネル１の断面に陵部５を形成した場合を示す。また、図３（ｂ）は、図１で示した場合と同じで、トンネル１の断面にビート６を形成した場合を示す。このように、トンネル１の断面構造にこれらの形状を付与することで、トンネル１の圧縮方向やひねり方向への強度が向上する。なお、本発明の車室フロアパネルのトンネル１に付与できる形状はこれらに限定されることはなく、その他の断面形状を付与してもよい。また、より安全向上のために、トンネル１に付帯部材による補強を行ってもよい。
【００１９】
以上のように、本実施の形態の車室フロアパネルによれば、トンネル１は、衝突荷重による軸力Ｆ１が入力すると、これを安全に受止めながらも、天面壁１ａ１の湾曲側への上向き変形分力Ｆ３を発生させて、これと逆方向に働くシート２の前倒れによるピッチング荷重Ｆ２と、上向き変形分力Ｆ３とを、トンネル、シートクロスメンバ３間の結合部Ｄで相殺させる。結果、コスト上昇の原因にもなる付帯部材により車両重量が増加することなく、シートの前倒を防止することができる。
【産業上の利用可能性】
【００２０】
本発明は、車室フロアパネルに実用して、衝突時に入力する軸力をトンネルで安全に受けながら、シートの前倒れによるピッチング荷重を相殺する変形分力を発生させて、付帯部材による補強なしで、シートの前倒を防止することができる。
【符号の説明】
【００２１】
１ トンネル
１ａ トンネル壁
１ａ１ 天面壁
１ｂ パネル壁
２ シート
３ シートクロスメンバ
５ 陵部
６ ビード
Ａ 入力端
Ｂ 受止め端
Ｃ 頂部域
Ｄ 結合部
Ｆ１ 軸力
Ｆ２ ピッチング荷重
Ｆ３ 上向き変形分力
Ｌ 直線
【技術分野】
【０００１】
本発明は、自動車の車室フロアパネル、詳しくは、前後方向に延びるトンネルを有した車室フロアパネルに関する。
【背景技術】
【０００２】
このような車室フロアパネルのトンネルは、車両の正面衝突やオフセット衝突時の衝突荷重による軸力が前端から入力し、かつ、前記衝突時に、シート上の乗員が前のめりになることによるピッチング荷重を、シート側から、シートクロスメンバとの結合部を介し受ける。これらに対抗するため、トンネル壁はこれの両側に繋がるパネル壁よりも厚くすることが一般に行われている。
【０００３】
一方、シートクロスメンバはピッチング荷重を直接受けて、断面が変形しやすい。このような変形はシートがフロント側への移動を伴い前倒れする原因になり、乗員の危険性が高まる。そこで、下記特許文献１は、ピッチング荷重を受けるシートクロスメンバの断面変形を防止するために、シート取付け位置近傍、具体的には、車両中央側の近傍の断面内にセパレータと称する仕切り壁を一対設けて補強する技術を開示している。また、下記特許文献２は、トンネルのシートクロスメンバが結合される部分を含む上部域に、トンネルリインフォースメントを設けて補強する技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
【特許文献１】特開２００２−４６６５３号公報
【特許文献２】特開平６−４７０８６号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
ところで、省エネ、省資源、走行負荷の低減が望まれるなか、車両の軽量化の一環として車室フロアパネルのトンネル壁およびその左右両側に延びるパネル壁の薄肉化が課題となっている。しかし、フロアパネルの薄肉化を図った場合、トンネルはシートクロスメンバが接合されている位置で車両下向きの力が加わり、座屈を生じる。これに対して特許文献１に開示された技術では、シートクロスメンバの断面変形を防げたとしても、トンネル部分の座屈を防止することはできない。また、特許文献２の技術では、リインフォースメントにより車重が増加し、薄肉化の効果が相殺されてしまう。
【０００６】
本発明は、上記のような点に鑑み、重量増を招く付帯部材なしに、衝突荷重による軸力の入力時に、これをトンネルで安全に受けながらも、ピッチング荷重を相殺させる向きの変形力をトンネルのシートクロスメンバとの結合部に対応して発生させ、シートの前倒れを防止する車室フロアパネルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本発明の車室フロアパネルは、車両の前後方向に延びるトンネルが形成され、シート前側を支持するシートクロスメンバの端部が前記トンネルに結合された車室フロアパネルにおいて、トンネルの天面壁が、その軸力の入力端と受止め端とを結ぶ直線に対し上に凸に湾曲し、この湾曲の頂部域が前記シートクロスメンバのトンネルへの結合部に対応していることを特徴とする。
【発明の効果】
【０００８】
本発明の車室フロアパネルによれば、トンネルは、衝突荷重による軸力が入力すると、これを安全に受止めながらも、天面壁の湾曲側への変形分力を発生させる。一方、衝突によるシートの前倒で発生するピッチング荷重は、トンネル天面壁の湾曲側への変形分力と逆方向に働く。本発明ではこれらの力をトンネルとシートクロスメンバ間の結合部で相殺させるので、衝突荷重に対する強度向上のための付帯部材がなくともシート前倒を防止することができる。すなわち、車両の軽減化とシートの前倒防止を両立させることができる。
【図面の簡単な説明】
【０００９】
【図１】本発明の車室フロアパネルの概略を示す全体斜視図である。
【図２】本発明の車室フロアパネルの側面図である。
【図３】本発明の車室フロアパネルのトンネルの断面構造を示す模式的斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【００１０】
本発明の実施の形態に係る車室フロアパネルにつき、図１〜３を参照して説明し、本発明の理解に供する。従って、以下の説明は本発明の具体例であって、特許請求の範囲の記載事項を限定するものではない。
【００１１】
図１は、本発明の車室フロアパネルの概略を示す図である。本発明の車室フロアパネル１００は、パネル壁１ｂに、トンネル１とシートクロスメンバ３が少なくとも形成されている。トンネル１は、車室中央付近に形成され、前端及び後端が車体の図示しないシャシ上のクロス方向に設けられたリインフォースメントに突き当てられている。また、シートクロスメンバ３は、その端部がトンネル１の側面壁１ａ２に結合部Ｄで結合されている。
【００１２】
車両前側のリインフォースメントに突き当てられているトンネル１の前端Ａ点は、車両が正面衝突した際には、衝突荷重の軸入力Ｆ１の入力点となる。また、車両後側のリインフォースメントに突き当てられているトンネル１の後端Ｂ点は軸入力Ｆ１の受け止め点となる。後面が衝突した場合は、入力点と受け止め点が逆の関係になる。本発明の車室フロアパネルでは、このトンネル１が、入力点Ａと受け止め点Ｂを結ぶ直線Ｌに対して車両上側に向けて凸に湾曲した天面壁１ａ１を有する。
【００１３】
図２に、本発明の車室フロアパネルの側面図を示す。シート２は、パネル壁１ｂの上側に配置される。シート２の前端は、車両が衝突した際にピッチング荷重がかかる部分である。そこで、シート２の前端下方には、シートクロスメンバ３が配置されている。シートクロスメンバ３は、断面ハット形状で、開口側をパネル壁１ｂに接続されている。
【００１４】
本発明の車室フロアパネルでは、トンネル１の湾曲構造において、入力点Ａと受け止め点Ｂを結ぶ直線Ｌを湾曲の弦とし、弦Ｌから見た湾曲の頂点域Ｃの位置で、トンネル１の側面壁１ａ２とシートクロスメンバ３を結合させる。すなわち、シートクロスメンバ３は、パネル壁１ｂとトンネル１に接続されている。なお、ここで、湾曲の頂点域の位置は、トンネル１のパネル壁１ｂからの高さが最高となる部分ではなく、入力点Ａと受け止め点Ｂを湾曲の弦とした時にこの弦から見た頂点部分を意味する。
【００１５】
次に図２を参照しながら、車両が正面衝突した場合について説明する。車両が正面衝突すると、車両前部のリインフォースメント（図示せず）から衝突荷重がトンネル１に加わる。この軸力Ｆ１はトンネルの前端Ａから入力され、後端Ｂで受け止められる。そして、トンネル１を車両長方向に圧縮する軸力は、トンネル１の湾曲の頂点域にＣ集中する。この時の軸力の上向き成分は変形分力Ｆ３となる。
【００１６】
一方、車両の正面衝突によって、乗員が座ったシート２は前倒方向に力が加わる。その力の下向き成分はピッチング荷重Ｆ２として車両下向きでシートクロスメンバ３に加わる。シートクロスメンバ３は、トンネル１の頂点域Ｃに対応した結合部Ｄでトンネル１の側面壁１ａ２と結合されている。車両の衝突時にはこのピッチング荷重Ｆ２と軸力Ｆ１の車両上向き変形分力Ｆ３が相殺されることとなる。結果、シートクロスメンバ３は潰れることなく、シート２の前倒も防止することができる。
【００１７】
このように、本発明は、衝突時にシートの前倒を防止するために、シートクロスメンバ２やトンネル１に補強のための付帯部材を用いるのではなく、トンネル１とシートクロスメンバ３に生じる力を相殺させるようにしたので、車両の軽量化とシート前倒防止を両立させることができた。言い換えると、衝突時に発生する軸力の一部がトンネル１の天面壁の湾曲形状によってトンネル１の頂点域Ｃで車両上側に変換された変形分力Ｆ３は、天面壁の湾曲の曲率と、軸力の入力点Ａと受け止め点Ｂのパネル壁１ｂからの高さの違いで、調節することができる。
【００１８】
図３には、本発明の車室フロアパネルのトンネル１に、構造強化のために付与することのできる断面形状を例示する。断面はシートクロスメンバ３の車両幅方向での断面である。図３（ａ）はトンネル１の断面に陵部５を形成した場合を示す。また、図３（ｂ）は、図１で示した場合と同じで、トンネル１の断面にビート６を形成した場合を示す。このように、トンネル１の断面構造にこれらの形状を付与することで、トンネル１の圧縮方向やひねり方向への強度が向上する。なお、本発明の車室フロアパネルのトンネル１に付与できる形状はこれらに限定されることはなく、その他の断面形状を付与してもよい。また、より安全向上のために、トンネル１に付帯部材による補強を行ってもよい。
【００１９】
以上のように、本実施の形態の車室フロアパネルによれば、トンネル１は、衝突荷重による軸力Ｆ１が入力すると、これを安全に受止めながらも、天面壁１ａ１の湾曲側への上向き変形分力Ｆ３を発生させて、これと逆方向に働くシート２の前倒れによるピッチング荷重Ｆ２と、上向き変形分力Ｆ３とを、トンネル、シートクロスメンバ３間の結合部Ｄで相殺させる。結果、コスト上昇の原因にもなる付帯部材により車両重量が増加することなく、シートの前倒を防止することができる。
【産業上の利用可能性】
【００２０】
本発明は、車室フロアパネルに実用して、衝突時に入力する軸力をトンネルで安全に受けながら、シートの前倒れによるピッチング荷重を相殺する変形分力を発生させて、付帯部材による補強なしで、シートの前倒を防止することができる。
【符号の説明】
【００２１】
１ トンネル
１ａ トンネル壁
１ａ１ 天面壁
１ｂ パネル壁
２ シート
３ シートクロスメンバ
５ 陵部
６ ビード
Ａ 入力端
Ｂ 受止め端
Ｃ 頂部域
Ｄ 結合部
Ｆ１ 軸力
Ｆ２ ピッチング荷重
Ｆ３ 上向き変形分力
Ｌ 直線
【特許請求の範囲】
【請求項１】
車両の前後方向に延びるトンネルが形成され、シート前側を支持するシートクロスメンバの端部が前記トンネルに結合された車室フロアパネルにおいて、トンネルの天面壁が、その軸力の入力端と受止め端とを結ぶ直線に対し上に凸に湾曲し、この湾曲の頂部域が前記シートクロスメンバのトンネルへの結合部に対応していることを特徴とする車室フロアパネル。
【請求項１】
車両の前後方向に延びるトンネルが形成され、シート前側を支持するシートクロスメンバの端部が前記トンネルに結合された車室フロアパネルにおいて、トンネルの天面壁が、その軸力の入力端と受止め端とを結ぶ直線に対し上に凸に湾曲し、この湾曲の頂部域が前記シートクロスメンバのトンネルへの結合部に対応していることを特徴とする車室フロアパネル。
【図１】
【図２】
【図３】
【図２】
【図３】
【公開番号】特開２０１１−１７３４８５（Ｐ２０１１−１７３４８５Ａ）
【公開日】平成２３年９月８日（２０１１．９．８）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１０−３８１９６（Ｐ２０１０−３８１９６）
【出願日】平成２２年２月２４日（２０１０．２．２４）
【出願人】（０００００２９６７）ダイハツ工業株式会社 (2,560)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２３年９月８日（２０１１．９．８）
【国際特許分類】
【出願日】平成２２年２月２４日（２０１０．２．２４）
【出願人】（０００００２９６７）ダイハツ工業株式会社 (2,560)
【Ｆターム（参考）】
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