車室内収納構造
【課題】収納の多様化を実現する車室内収納構造を提供する。
【解決手段】外形形状が相互に等しい複数の収納面21〜26を有し、収納面21〜26によって中空部が形成されてなる収納ボックス2と、上部に開口部を有し、収納面21〜26のうちの一つを開口部に配置する一方、他をその内部に保持するように収納ボックス2を支持する受け穴3とを備え、収納面21〜26が各々異なる収納孔を有し、これら収納面21〜26が用途に応じて受け穴3の開口部に配置されるように構成した。
【解決手段】外形形状が相互に等しい複数の収納面21〜26を有し、収納面21〜26によって中空部が形成されてなる収納ボックス2と、上部に開口部を有し、収納面21〜26のうちの一つを開口部に配置する一方、他をその内部に保持するように収納ボックス2を支持する受け穴3とを備え、収納面21〜26が各々異なる収納孔を有し、これら収納面21〜26が用途に応じて受け穴3の開口部に配置されるように構成した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等の車室の内部における収納に用いられる車室内収納構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車等の車両には、その車内にカップホルダーや小物類の収納に用いられる小物入れが装備されている。このようなカップホルダーや小物入れは多くの場合運転席や助手席から手が届く位置、例えばセンターコンソールやドアポケットなどに設置されることが多い。
【0003】
このような収納構造として、特許文献1には、カップホルダーとトレイとを一体的に設けてなる着脱式トレイを既存の車載ホルダユニットにセット可能に構成し、使用目的に応じて、車載ホルダユニットをトレイあるいはカップホルダーとして機能させることができるようにしたものが記載されている。
【0004】
また、特許文献2には、自動車のセンターコンソールに設けられた開口にカップホルダーを備えるトレイを固定するように構成された内装部品構造において、上記カップホルダーを備えるトレイを鉛直軸回りに回転させることによって、カップホルダーの位置を変更することができるようにしたものが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−331862号公報
【特許文献2】特開2003−316572号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、近年、生活スタイルの変化により、運転者や同乗者によってカップ以外に、例えば財布や携帯電話、携帯型の音楽プレーヤーを収納したいなど、車室内での収納に多様性が求められている。これに対し、特許文献1,2に記載されているトレイは、カップホルダーの形状が限定されているために収納できるものの大きさ、形状等、収納可能なものの範囲が限られてしまうという問題があった。
【0007】
このようなことから本発明は、収納の多様化を実現可能な車室内収納構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するための第1の発明に係る車室内収納構造は、外形形状が相互に等しい複数の収納面に囲まれてなる中空部を有する収納手段と、上部に開口部を有し、一つの前記収納面を前記開口部に配置する一方、他の前記収納面をその内部に保持するように前記収納手段を支持する支持手段とを備える車室内収納構造であって、前記複数の収納面が、相互に異なる収納用孔を有し、且つ、それぞれ前記支持手段の前記開口部に配置可能に構成されたことを特徴とする。
【0009】
上記の課題を解決するための第2の発明に係る車室内収納構造は、第1の発明に係る車室内収納構造において、前記収納手段は、前記中空部を立方体状に形成するように配置される正方形状の六つの前記収納面を有することを特徴とする。
【0010】
上記の課題を解決するための第3の発明に係る車室内収納構造は、第2の発明に係る車室内収納構造において、前記支持手段は、前記収納手段を保持する空間が前記収納手段と相似形状を有するように形成されることを特徴とする。
【0011】
上記の課題を解決するための第4の発明に係る車室内収納構造は、第2の発明に係る車室内収納構造において、前記支持手段は、少なくとも水平面に平行な一つの軸を含む異なる二つの軸回りで自転可能に前記収納手段を摺動自在に案内する案内手段を有することを特徴とする。
【0012】
上記の課題を解決するための第5の発明に係る車室内収納構造は、第4の発明に係る車室内収納構造において、前記支持手段は、前記収納手段を内包するようにその中空部の一部が球状に形成され、前記案内手段が前記収納手段のそれぞれの頂点を前記異なる二つの軸回りに案内可能に構成された案内溝であることを特徴とする。
【0013】
上記の課題を解決するための第6の発明に係る車室内収納構造は、第4又は第5の発明に係る車室内収納構造において、前記支持手段は、前記収納手段の一部を保持して前記収納手段の移動を規制する固定手段を有することを特徴とする。
【0014】
上記の課題を解決するための第7の発明に係る車室内収納構造は、第1の発明に係る車室内収納構造において、前記収納手段は、筒状に配置される弾性変形可能な四つの前記収納面に囲まれてなる前記中空部を有し、前記支持手段は、前記中空部が四角柱状となるように前記収納手段の内周面を摺動自在に支持する四つの軸体を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
上述した第1の発明に係る車室内収納構造によれば、外形形状が相互に等しい複数の収納面に囲まれてなる中空部を有する収納手段と、上部に開口部を有し、一つの収納面を開口部に配置する一方、他の収納面をその内部に保持するように収納手段を支持する支持手段とを備える車室内収納構造であって、複数の収納面は、相互に異なる収納用孔を有し、且つ、それぞれ支持手段の開口部に配置可能に構成されたので、用途に応じて所望の収納面が上面に来るように収納手段を支持手段に設置することにより、車室内収納構造をカップホルダーとして用いる、又は小物入れとして用いるなど、一つの収納手段を複数の用途に用いることができる。
【0016】
上述した第2の発明に係る車室内収納構造によれば、収納手段は、中空部を立方体状に形成するように配置される正方形状の六つの収納面からなるので、一つの収納手段を六通りの用途に用いることができる。
【0017】
上述した第3の発明に係る車室内収納構造によれば、支持手段は、収納手段を保持する空間が収納手段と相似形状を有するように形成されるので、収納手段の支持手段への設置を容易に行うことができる。
【0018】
上述した第4の発明に係る車室内収納構造によれば、支持手段は、少なくとも水平面に平行な一つの軸を含む異なる二つの軸回りで自転可能に収納手段を摺動自在に案内する案内手段を有するので、収納手段を支持手段の内部で回転させることができ、収納面の変更を容易に行い、利便性を向上させることができる。
【0019】
上述した第5の発明に係る車室内収納構造によれば、支持手段は、収納手段を内包するようにその中空部の一部が球状に形成され、案内手段が収納手段のそれぞれの頂点を異なる二つの軸回りに案内可能に構成された案内溝であるので、収納手段を支持手段の内部で回転させることができ、収納面の変更を容易に行い、利便性を向上させることができる。
【0020】
上述した第6の発明に係る車室内収納構造によれば、支持手段は、収納手段の一部を保持して収納手段の移動を規制する固定手段を有するので、走行中の車両の振動による収納手段の移動を防止することができる。
【0021】
上述した第7の発明に係る車室内収納構造によれば、収納手段は、筒状に配置される弾性変形可能な四つの収納面に囲まれてなる中空部を有し、支持手段は、中空部が四角柱状となるように収納手段の内周面を摺動自在に支持する四つの軸体を備えるので、省スペース化を実現するとともに、収納手段を支持手段の内部で回転させることができ、収納面の変更を容易に行い、利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施例に係る車室内収納構造が適用されるコンソールの斜視図である。
【図2】図2(a)は本発明の実施例1に係る車室内収納構造の適用例を示す斜視図、図2(b)は図2(a)の収納ボックスを収納した状態のII−II矢視断面図である。
【図3】図3(a)は本発明の実施例1に係る収納ボックスの斜視図、図3(b)は本発明の実施例1に係る収納ボックスの他の斜視図である。
【図4】本発明の実施例2に係る車室内収納構造の案内溝の形状を説明する斜視図である。
【図5】本発明の実施例2に係る車室内収納構造の上面図である。
【図6】図5のVI−VI矢視断面図である。
【図7】図5のVII−VII矢視断面図である。
【図8】図7のVIII部拡大図である。
【図9】本発明の実施例3に係る車室内収納構造の斜視図である。
【図10】本発明の実施例3に係る車室内収納構造の上面図である。
【図11】図11(a)は図10のXI−XI矢視断面図、図11(b)は図11(a)のXI−XI矢視断面図である。
【図12】本発明の実施例4に係る車室内収納構造の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を用いて本発明に係る車室内収納構造の詳細を説明する。
【実施例1】
【0024】
図1乃至図3を用いて本発明の第1の実施例に係る車室内収納構造を説明する。
図1に示すように、本実施例において車室内収納構造は、自動車の運転席と助手席との間に配設され車両の前後方向に沿って延びるセンターコンソール1に、収納手段としての収納ボックス2が嵌め込まれて構成されている。より詳しくは、図2に示すように、センターコンソール1に収納ボックス2を収納可能な支持手段としての受け穴3が形成されており、この受け穴3に収納ボックス2を嵌め込むように構成されている。
【0025】
収納ボックス2は、図3に詳しく示すように正方形状の六つの収納面21,22,23,24,25,26を有する立方体状の箱体である。そして、これら六つの収納面21,22,23,24,25,26にはそれぞれ異なる形状の収納孔(図3では第一の収納面21に第一の円形状の孔211、第二の収納面22に三角形状の孔221、第三の収納面23に長円形状の孔231、第四の収納面24に二つの第一の長方形状の孔241,242、第五の収納面25に二つの第二の長方形状の孔251,252、第六の収納面26に第二の円形状の孔261)が形成されている。なお、第一の円形状の孔211と第二の円形状の孔261、第一の長方形状の孔241,242と第二の長方形状の孔251,252とは相互に異なる大きさとなっている。
【0026】
これに対し、受け穴3は、図2に示すようにセンターコンソール1の上面に開口する、概ね立方体状の空間となるように形成された穴であり、収納ボックス2を嵌め込むことができる程度の大きさに形成されている。このように構成されることにより、本実施例では収納ボックス2を受け穴3に対して抜き差しすることが可能になっている。
【0027】
このような構成を有する本実施例に係る車室内収納構造によれば、必要に応じて受け穴3から収納ボックス2を抜き出し、抜き出した収納ボックス2を用途に応じて所望の面が上面にくるように回転させ、再度、受け穴3に嵌め込むことにより、この収納ボックス2をカップホルダーとして用いる、又は小物入れとして用いる等、一つの収納ボックス2を用いて六通りの使い方を実現することができる。
【0028】
なお、図示はしないが、収納ボックス2のそれぞれの収納面21,22,23,24,25,26に形成された孔に、用途に応じて例えばネット状の袋等を取り付けて、収納部の深さを調整するようにしてもよい。
【0029】
また、例えば、受け穴3の形状を収納ボックス2の外形寸法に比較して大きめに形成するとともに、受け穴3の鉛直方向に平行する少なくとも一つの面の幅方向中心に鉛直方向に延びる案内用突起を設け、且つ、収納ボックス2の各収納面21,22,23,24,25,26に対しその幅方向の中心に十字に上記突起に係合する案内溝を設けて、収納ボックス2の案内溝を受け穴3の案内用突起に係合させることにより、受け穴3に収納ボックス2を嵌め込むようにするなどとしてもよい。
【0030】
また、本実施例ではセンターコンソール1に収納ボックス2を嵌め込む構成としたが、例えばドアポケット等、センターコンソール1以外の場所に上述した収納ボックス2を嵌め込むようにしてもよく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることはいうまでもない。
【実施例2】
【0031】
図4乃至図8を用いて本発明の第2の実施例に係る車室内収納構造の詳細を説明する。本実施例は、上述した実施例1の受け穴3に代えて、図4に示す受け穴4を用いるものである。その他の構成は上述した実施例1の構成と概ね同様であり、以下、類似する部材には同一の符合を付して重複する説明は省略し、異なる点を中心に説明する。なお、図4乃至図8において、収納ボックス2の収納面に形成される孔は図示を省略している。
【0032】
図4及び図5に示すように、支持手段としての受け穴4は、センターコンソール1の内部に、収納ボックス2を少なくとも水平面に平行な一つの軸を含む相互に異なる二つの軸回りで回転(自転)させることができるように構成されている。
【0033】
より詳しく説明すると、本実施例において受け穴4は、概ね球状、具体的には球状の上部を一部水平にカットしたような形状の空間をセンターコンソール1の内部に形成するように設けられている。そして、この受け穴4に、収納ボックス2の各頂点を摺動自在に案内する案内手段としての二対の案内溝(第一案内溝41、第二案内溝42)が形成されている。
【0034】
第一案内溝41は各々円弧状に延びて相互に平行する二つの凹溝41a,41bから構成され、第二案内溝42は各々円弧状に延びて相互に平行する二つの凹溝42a,42bから構成されている。これら凹溝41a,41b,42a,42bは図5のA部に示すようにV字状に形成されている。なお、本実施例では第一案内溝41と第二案内溝42とは、同一水平面上で相互に直交する二つの軸回りに形成されているものとする。
【0035】
そしてこれら相互に平行する凹溝41aと凹溝41b、凹溝42aと凹溝42bの距離はそれぞれ収納ボックス2の隣接する頂点間の距離と概ね同様となっている。このように構成されることにより、本実施例では収納ボックス2を案内溝41,42に沿って同一水平面上で直交する二つの軸回りで回転させることができる。
【0036】
さらに、図6乃至図8に示すように、受け穴4の下部には固定手段としての収納ボックス固定部43が設けられている。収納ボックス固定部43は、収納ボックス2を嵌め込むことによってこの収納ボックス2の移動を規制することができるように、収納ボックス2の下部に嵌合するように構成されている。
【0037】
このように構成される本実施例に係る車室内収納構造によれば、収納ボックス2を受け穴4から抜き出すことなく、この収納ボックス2を受け穴4の内部において同一水平面上で直交する二つの軸回りにそれぞれ回転させ、所望の面を上面に移動させることができる。これにより、センターコンソール1に設けられた収納構造をカップホルダーとして用いる、又は小物入れとして用いる等、一つの収納ボックス2を用いて六通りの使い方を実現することができる。
【0038】
また、所望の面を上面に移動させた後、収納ボックス2を収納ボックス固定部43に収納ボックス2を嵌め込むことによりこの収納ボックス2を固定することができるので、走行中であっても収納ボックス2が受け穴4内で移動する等のおそれがなく、収納ボックス2ががたついたり、収納ボックス2と受け穴4とが緩衝することによって雑音が生じたりすることを防止することができる。
【0039】
なお、本実施例では受け穴4の形状を球体としたが、受け穴4の形状はこれに限定されるものではなく、少なくとも水平面に平行な一つの軸を含む異なる二つの軸回りで収納ボックス2を回転させることが可能な形状であればよい。また、第一案内溝41、第二案内溝42の位置は上述した位置に限定されず、少なくとも一方の案内溝が、水平面上の一つの軸回りで収納ボックス2を回転させることができるように構成されればよい。また、受け穴4の下部を、収納ボックス固定部43の下端と同位置でカットすれば、省スペース化を図ることができる。
【実施例3】
【0040】
図9乃至図11を用いて本発明の第3の実施例に係る車室内収納構造について詳細に説明する。本実施例は、上述した実施例1の受け穴3に代えて、図9に示す受け穴5を用いるものである。その他の構成は上述した実施例1の構成と概ね同様であり、以下、類似する部材には同一の符合を付して重複する説明は省略し、異なる点を中心に説明する。なお、図9乃至図11において、収納ボックス2の収納面に形成される孔は図示を省略している。
【0041】
図9及び図10に示すように、支持手段としての受け穴5は、センターコンソール1の内部に、少なくとも水平面に平行な一つの軸を含む異なる二つの軸回りで収納ボックス2を回転(自転)させることができるように構成されている。
【0042】
より詳しく説明すると、本実施例において受け穴5は、同一水平面上で直交する二つの軸回りで収納ボックス2を回転させることができるように、収納ボックス2の隣り合う二つの面によって形成される各角部を摺動自在に案内する第一案内面51と第二案内面52とを有している。第一案内面51、第二案内面52はそれぞれ対向配置される円弧状の二つの面から構成されており、収納ボックス2の隣り合う二つの面によって形成される各角部を第一案内面51、第二案内面52に沿って摺動させることにより、収納ボックス2を二つの軸回りで回転させることができるように構成されている。
【0043】
さらに、受け穴5には、図11に示すように、その下部に固定手段としての収納ボックス固定部53が設けられている。収納ボックス固定部53は、収納ボックス2を嵌め込むことによってこの収納ボックス2の移動を規制することができるように、収納ボックス2の下部に嵌合するように形成されている。そしてこの収納ボックス固定部53の角部54は、収納ボックス2を嵌め込みやすいように断面視円弧状に形成されている。
【0044】
このように構成される本実施例に係る車室内収納構造によれば、収納ボックス2を受け穴5から抜き出すことなく、受け穴5の内部において案内面51,52に沿って収納ボックス2を同一水平面上で直交する二つの軸回りにそれぞれ回転させることが可能になる。これにより、センターコンソール1に設けられた収納構造をカップホルダーとして用いる、又は小物入れとして用いる等、一つの収納ボックス2を用いて六通りの使い方を実現することができる。
【実施例4】
【0045】
図12を用いて本発明の第4の実施例に係る車室内収納構造の詳細を説明する。本実施例は、実施例1の収納ボックス2に代えて、図12に示す収納体6を用いるものである。その他の構成は上述した実施例1の構成と概ね同様であり、以下、類似する部材には同一の符合を付して重複する説明は省略し、異なる点を中心に説明する。
【0046】
図12に示すように、本実施例において車室内収納構造は、センターコンソール1に、筒状に形成された収納手段としての収納体6を嵌め込んで構成されている。収納体6は弾性変形により少なくともその中空部の形状を変形させることが可能な筒状の部材であり、その周壁を周方向に四等分してなる四つの収納面61,62,63,64に相互に異なる形状の収納孔(図12では、第一の収納面61に円形状の孔611、第二の収納面62に長方形状の二つの孔621,622、第三の収納面63に長円形状の孔631、第四の収納面64に三角形状の孔641)を有している。
【0047】
さらに、本実施例においてはセンターコンソール1に収納体6を収納可能に形成された支持手段としての受け穴7が設けられている。受け穴7はセンターコンソール1の上面及び一側面に開口するように形成された直方体状の空間であり、この空間内に軸体としての四つの支柱8a,8b,8c,8d(以下、総称する場合は支柱8という)が設けられている。支柱8a,8b,8c,8dは、その軸方向が上記センターコンソール1の一側面に直交するように固定され、且つそれぞれが矩形の各頂点に対応するように相互に間隔をおいて配設されている。また、これらの支柱8a,8b,8c,8dは、受け穴7の周壁との間に収納体6を保持することができる程度に間隔を有している。そして収納体6は、概ね四角柱状の中空部を形成するようにこれら支柱8a,8b,8c,8dによって支持されている。
【0048】
さらに、本実施例において車室内収納構造は、収納体6の側面を覆う蓋体9を備えている。この蓋体9には支柱8a,8b,8c,8dの先端に対向する位置に凹部91,92,93,94が形成され、この凹部91,92,93,94を支柱8a,8b,8c,8dの先端に係合させることにより蓋体9を収納体6の側面に装着するように構成されている。
【0049】
このように構成される本実施例に係る車室内収納構造によれば、蓋体9を取り外し、用途に合わせて収納体6を弾性変形させつつ所望の面が上面にくるように回転させることにより、省スペース化を図るとともに、収納体6を抜き出すことなく所望の面を収納部として使用することができる。また、収納体6の側面に蓋体9を装着するようにしたことにより、使用時における収納体6の回転を防止し、安定した状態で使用することができる。
【0050】
なお、本実施例では収納手段として四つの面を有する収納体6を用いる例を示したが、本発明はこのような構成に限定されず、例えば、余長を収納するような構造を設け、五つ以上の収納面を有する収納体を用いるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明は、本発明は、自動車等の車室の内部における小物類の収納に用いられる車室内収納構造に適用して好適なものである。
【符号の説明】
【0052】
1 コンソール
2 収納ボックス
3,4,5,7 受け穴
6 収納部材
8,8a,8b,8c,8d 支柱
9 蓋体
21,22,23,24,25,26 面
41,42 案内溝
41a,41b,42a,42b 溝
43,53 収納ボックス固定部
51,52 案内面
211,221,231,241,242,251,252,261 孔
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等の車室の内部における収納に用いられる車室内収納構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車等の車両には、その車内にカップホルダーや小物類の収納に用いられる小物入れが装備されている。このようなカップホルダーや小物入れは多くの場合運転席や助手席から手が届く位置、例えばセンターコンソールやドアポケットなどに設置されることが多い。
【0003】
このような収納構造として、特許文献1には、カップホルダーとトレイとを一体的に設けてなる着脱式トレイを既存の車載ホルダユニットにセット可能に構成し、使用目的に応じて、車載ホルダユニットをトレイあるいはカップホルダーとして機能させることができるようにしたものが記載されている。
【0004】
また、特許文献2には、自動車のセンターコンソールに設けられた開口にカップホルダーを備えるトレイを固定するように構成された内装部品構造において、上記カップホルダーを備えるトレイを鉛直軸回りに回転させることによって、カップホルダーの位置を変更することができるようにしたものが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−331862号公報
【特許文献2】特開2003−316572号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、近年、生活スタイルの変化により、運転者や同乗者によってカップ以外に、例えば財布や携帯電話、携帯型の音楽プレーヤーを収納したいなど、車室内での収納に多様性が求められている。これに対し、特許文献1,2に記載されているトレイは、カップホルダーの形状が限定されているために収納できるものの大きさ、形状等、収納可能なものの範囲が限られてしまうという問題があった。
【0007】
このようなことから本発明は、収納の多様化を実現可能な車室内収納構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するための第1の発明に係る車室内収納構造は、外形形状が相互に等しい複数の収納面に囲まれてなる中空部を有する収納手段と、上部に開口部を有し、一つの前記収納面を前記開口部に配置する一方、他の前記収納面をその内部に保持するように前記収納手段を支持する支持手段とを備える車室内収納構造であって、前記複数の収納面が、相互に異なる収納用孔を有し、且つ、それぞれ前記支持手段の前記開口部に配置可能に構成されたことを特徴とする。
【0009】
上記の課題を解決するための第2の発明に係る車室内収納構造は、第1の発明に係る車室内収納構造において、前記収納手段は、前記中空部を立方体状に形成するように配置される正方形状の六つの前記収納面を有することを特徴とする。
【0010】
上記の課題を解決するための第3の発明に係る車室内収納構造は、第2の発明に係る車室内収納構造において、前記支持手段は、前記収納手段を保持する空間が前記収納手段と相似形状を有するように形成されることを特徴とする。
【0011】
上記の課題を解決するための第4の発明に係る車室内収納構造は、第2の発明に係る車室内収納構造において、前記支持手段は、少なくとも水平面に平行な一つの軸を含む異なる二つの軸回りで自転可能に前記収納手段を摺動自在に案内する案内手段を有することを特徴とする。
【0012】
上記の課題を解決するための第5の発明に係る車室内収納構造は、第4の発明に係る車室内収納構造において、前記支持手段は、前記収納手段を内包するようにその中空部の一部が球状に形成され、前記案内手段が前記収納手段のそれぞれの頂点を前記異なる二つの軸回りに案内可能に構成された案内溝であることを特徴とする。
【0013】
上記の課題を解決するための第6の発明に係る車室内収納構造は、第4又は第5の発明に係る車室内収納構造において、前記支持手段は、前記収納手段の一部を保持して前記収納手段の移動を規制する固定手段を有することを特徴とする。
【0014】
上記の課題を解決するための第7の発明に係る車室内収納構造は、第1の発明に係る車室内収納構造において、前記収納手段は、筒状に配置される弾性変形可能な四つの前記収納面に囲まれてなる前記中空部を有し、前記支持手段は、前記中空部が四角柱状となるように前記収納手段の内周面を摺動自在に支持する四つの軸体を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
上述した第1の発明に係る車室内収納構造によれば、外形形状が相互に等しい複数の収納面に囲まれてなる中空部を有する収納手段と、上部に開口部を有し、一つの収納面を開口部に配置する一方、他の収納面をその内部に保持するように収納手段を支持する支持手段とを備える車室内収納構造であって、複数の収納面は、相互に異なる収納用孔を有し、且つ、それぞれ支持手段の開口部に配置可能に構成されたので、用途に応じて所望の収納面が上面に来るように収納手段を支持手段に設置することにより、車室内収納構造をカップホルダーとして用いる、又は小物入れとして用いるなど、一つの収納手段を複数の用途に用いることができる。
【0016】
上述した第2の発明に係る車室内収納構造によれば、収納手段は、中空部を立方体状に形成するように配置される正方形状の六つの収納面からなるので、一つの収納手段を六通りの用途に用いることができる。
【0017】
上述した第3の発明に係る車室内収納構造によれば、支持手段は、収納手段を保持する空間が収納手段と相似形状を有するように形成されるので、収納手段の支持手段への設置を容易に行うことができる。
【0018】
上述した第4の発明に係る車室内収納構造によれば、支持手段は、少なくとも水平面に平行な一つの軸を含む異なる二つの軸回りで自転可能に収納手段を摺動自在に案内する案内手段を有するので、収納手段を支持手段の内部で回転させることができ、収納面の変更を容易に行い、利便性を向上させることができる。
【0019】
上述した第5の発明に係る車室内収納構造によれば、支持手段は、収納手段を内包するようにその中空部の一部が球状に形成され、案内手段が収納手段のそれぞれの頂点を異なる二つの軸回りに案内可能に構成された案内溝であるので、収納手段を支持手段の内部で回転させることができ、収納面の変更を容易に行い、利便性を向上させることができる。
【0020】
上述した第6の発明に係る車室内収納構造によれば、支持手段は、収納手段の一部を保持して収納手段の移動を規制する固定手段を有するので、走行中の車両の振動による収納手段の移動を防止することができる。
【0021】
上述した第7の発明に係る車室内収納構造によれば、収納手段は、筒状に配置される弾性変形可能な四つの収納面に囲まれてなる中空部を有し、支持手段は、中空部が四角柱状となるように収納手段の内周面を摺動自在に支持する四つの軸体を備えるので、省スペース化を実現するとともに、収納手段を支持手段の内部で回転させることができ、収納面の変更を容易に行い、利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施例に係る車室内収納構造が適用されるコンソールの斜視図である。
【図2】図2(a)は本発明の実施例1に係る車室内収納構造の適用例を示す斜視図、図2(b)は図2(a)の収納ボックスを収納した状態のII−II矢視断面図である。
【図3】図3(a)は本発明の実施例1に係る収納ボックスの斜視図、図3(b)は本発明の実施例1に係る収納ボックスの他の斜視図である。
【図4】本発明の実施例2に係る車室内収納構造の案内溝の形状を説明する斜視図である。
【図5】本発明の実施例2に係る車室内収納構造の上面図である。
【図6】図5のVI−VI矢視断面図である。
【図7】図5のVII−VII矢視断面図である。
【図8】図7のVIII部拡大図である。
【図9】本発明の実施例3に係る車室内収納構造の斜視図である。
【図10】本発明の実施例3に係る車室内収納構造の上面図である。
【図11】図11(a)は図10のXI−XI矢視断面図、図11(b)は図11(a)のXI−XI矢視断面図である。
【図12】本発明の実施例4に係る車室内収納構造の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を用いて本発明に係る車室内収納構造の詳細を説明する。
【実施例1】
【0024】
図1乃至図3を用いて本発明の第1の実施例に係る車室内収納構造を説明する。
図1に示すように、本実施例において車室内収納構造は、自動車の運転席と助手席との間に配設され車両の前後方向に沿って延びるセンターコンソール1に、収納手段としての収納ボックス2が嵌め込まれて構成されている。より詳しくは、図2に示すように、センターコンソール1に収納ボックス2を収納可能な支持手段としての受け穴3が形成されており、この受け穴3に収納ボックス2を嵌め込むように構成されている。
【0025】
収納ボックス2は、図3に詳しく示すように正方形状の六つの収納面21,22,23,24,25,26を有する立方体状の箱体である。そして、これら六つの収納面21,22,23,24,25,26にはそれぞれ異なる形状の収納孔(図3では第一の収納面21に第一の円形状の孔211、第二の収納面22に三角形状の孔221、第三の収納面23に長円形状の孔231、第四の収納面24に二つの第一の長方形状の孔241,242、第五の収納面25に二つの第二の長方形状の孔251,252、第六の収納面26に第二の円形状の孔261)が形成されている。なお、第一の円形状の孔211と第二の円形状の孔261、第一の長方形状の孔241,242と第二の長方形状の孔251,252とは相互に異なる大きさとなっている。
【0026】
これに対し、受け穴3は、図2に示すようにセンターコンソール1の上面に開口する、概ね立方体状の空間となるように形成された穴であり、収納ボックス2を嵌め込むことができる程度の大きさに形成されている。このように構成されることにより、本実施例では収納ボックス2を受け穴3に対して抜き差しすることが可能になっている。
【0027】
このような構成を有する本実施例に係る車室内収納構造によれば、必要に応じて受け穴3から収納ボックス2を抜き出し、抜き出した収納ボックス2を用途に応じて所望の面が上面にくるように回転させ、再度、受け穴3に嵌め込むことにより、この収納ボックス2をカップホルダーとして用いる、又は小物入れとして用いる等、一つの収納ボックス2を用いて六通りの使い方を実現することができる。
【0028】
なお、図示はしないが、収納ボックス2のそれぞれの収納面21,22,23,24,25,26に形成された孔に、用途に応じて例えばネット状の袋等を取り付けて、収納部の深さを調整するようにしてもよい。
【0029】
また、例えば、受け穴3の形状を収納ボックス2の外形寸法に比較して大きめに形成するとともに、受け穴3の鉛直方向に平行する少なくとも一つの面の幅方向中心に鉛直方向に延びる案内用突起を設け、且つ、収納ボックス2の各収納面21,22,23,24,25,26に対しその幅方向の中心に十字に上記突起に係合する案内溝を設けて、収納ボックス2の案内溝を受け穴3の案内用突起に係合させることにより、受け穴3に収納ボックス2を嵌め込むようにするなどとしてもよい。
【0030】
また、本実施例ではセンターコンソール1に収納ボックス2を嵌め込む構成としたが、例えばドアポケット等、センターコンソール1以外の場所に上述した収納ボックス2を嵌め込むようにしてもよく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることはいうまでもない。
【実施例2】
【0031】
図4乃至図8を用いて本発明の第2の実施例に係る車室内収納構造の詳細を説明する。本実施例は、上述した実施例1の受け穴3に代えて、図4に示す受け穴4を用いるものである。その他の構成は上述した実施例1の構成と概ね同様であり、以下、類似する部材には同一の符合を付して重複する説明は省略し、異なる点を中心に説明する。なお、図4乃至図8において、収納ボックス2の収納面に形成される孔は図示を省略している。
【0032】
図4及び図5に示すように、支持手段としての受け穴4は、センターコンソール1の内部に、収納ボックス2を少なくとも水平面に平行な一つの軸を含む相互に異なる二つの軸回りで回転(自転)させることができるように構成されている。
【0033】
より詳しく説明すると、本実施例において受け穴4は、概ね球状、具体的には球状の上部を一部水平にカットしたような形状の空間をセンターコンソール1の内部に形成するように設けられている。そして、この受け穴4に、収納ボックス2の各頂点を摺動自在に案内する案内手段としての二対の案内溝(第一案内溝41、第二案内溝42)が形成されている。
【0034】
第一案内溝41は各々円弧状に延びて相互に平行する二つの凹溝41a,41bから構成され、第二案内溝42は各々円弧状に延びて相互に平行する二つの凹溝42a,42bから構成されている。これら凹溝41a,41b,42a,42bは図5のA部に示すようにV字状に形成されている。なお、本実施例では第一案内溝41と第二案内溝42とは、同一水平面上で相互に直交する二つの軸回りに形成されているものとする。
【0035】
そしてこれら相互に平行する凹溝41aと凹溝41b、凹溝42aと凹溝42bの距離はそれぞれ収納ボックス2の隣接する頂点間の距離と概ね同様となっている。このように構成されることにより、本実施例では収納ボックス2を案内溝41,42に沿って同一水平面上で直交する二つの軸回りで回転させることができる。
【0036】
さらに、図6乃至図8に示すように、受け穴4の下部には固定手段としての収納ボックス固定部43が設けられている。収納ボックス固定部43は、収納ボックス2を嵌め込むことによってこの収納ボックス2の移動を規制することができるように、収納ボックス2の下部に嵌合するように構成されている。
【0037】
このように構成される本実施例に係る車室内収納構造によれば、収納ボックス2を受け穴4から抜き出すことなく、この収納ボックス2を受け穴4の内部において同一水平面上で直交する二つの軸回りにそれぞれ回転させ、所望の面を上面に移動させることができる。これにより、センターコンソール1に設けられた収納構造をカップホルダーとして用いる、又は小物入れとして用いる等、一つの収納ボックス2を用いて六通りの使い方を実現することができる。
【0038】
また、所望の面を上面に移動させた後、収納ボックス2を収納ボックス固定部43に収納ボックス2を嵌め込むことによりこの収納ボックス2を固定することができるので、走行中であっても収納ボックス2が受け穴4内で移動する等のおそれがなく、収納ボックス2ががたついたり、収納ボックス2と受け穴4とが緩衝することによって雑音が生じたりすることを防止することができる。
【0039】
なお、本実施例では受け穴4の形状を球体としたが、受け穴4の形状はこれに限定されるものではなく、少なくとも水平面に平行な一つの軸を含む異なる二つの軸回りで収納ボックス2を回転させることが可能な形状であればよい。また、第一案内溝41、第二案内溝42の位置は上述した位置に限定されず、少なくとも一方の案内溝が、水平面上の一つの軸回りで収納ボックス2を回転させることができるように構成されればよい。また、受け穴4の下部を、収納ボックス固定部43の下端と同位置でカットすれば、省スペース化を図ることができる。
【実施例3】
【0040】
図9乃至図11を用いて本発明の第3の実施例に係る車室内収納構造について詳細に説明する。本実施例は、上述した実施例1の受け穴3に代えて、図9に示す受け穴5を用いるものである。その他の構成は上述した実施例1の構成と概ね同様であり、以下、類似する部材には同一の符合を付して重複する説明は省略し、異なる点を中心に説明する。なお、図9乃至図11において、収納ボックス2の収納面に形成される孔は図示を省略している。
【0041】
図9及び図10に示すように、支持手段としての受け穴5は、センターコンソール1の内部に、少なくとも水平面に平行な一つの軸を含む異なる二つの軸回りで収納ボックス2を回転(自転)させることができるように構成されている。
【0042】
より詳しく説明すると、本実施例において受け穴5は、同一水平面上で直交する二つの軸回りで収納ボックス2を回転させることができるように、収納ボックス2の隣り合う二つの面によって形成される各角部を摺動自在に案内する第一案内面51と第二案内面52とを有している。第一案内面51、第二案内面52はそれぞれ対向配置される円弧状の二つの面から構成されており、収納ボックス2の隣り合う二つの面によって形成される各角部を第一案内面51、第二案内面52に沿って摺動させることにより、収納ボックス2を二つの軸回りで回転させることができるように構成されている。
【0043】
さらに、受け穴5には、図11に示すように、その下部に固定手段としての収納ボックス固定部53が設けられている。収納ボックス固定部53は、収納ボックス2を嵌め込むことによってこの収納ボックス2の移動を規制することができるように、収納ボックス2の下部に嵌合するように形成されている。そしてこの収納ボックス固定部53の角部54は、収納ボックス2を嵌め込みやすいように断面視円弧状に形成されている。
【0044】
このように構成される本実施例に係る車室内収納構造によれば、収納ボックス2を受け穴5から抜き出すことなく、受け穴5の内部において案内面51,52に沿って収納ボックス2を同一水平面上で直交する二つの軸回りにそれぞれ回転させることが可能になる。これにより、センターコンソール1に設けられた収納構造をカップホルダーとして用いる、又は小物入れとして用いる等、一つの収納ボックス2を用いて六通りの使い方を実現することができる。
【実施例4】
【0045】
図12を用いて本発明の第4の実施例に係る車室内収納構造の詳細を説明する。本実施例は、実施例1の収納ボックス2に代えて、図12に示す収納体6を用いるものである。その他の構成は上述した実施例1の構成と概ね同様であり、以下、類似する部材には同一の符合を付して重複する説明は省略し、異なる点を中心に説明する。
【0046】
図12に示すように、本実施例において車室内収納構造は、センターコンソール1に、筒状に形成された収納手段としての収納体6を嵌め込んで構成されている。収納体6は弾性変形により少なくともその中空部の形状を変形させることが可能な筒状の部材であり、その周壁を周方向に四等分してなる四つの収納面61,62,63,64に相互に異なる形状の収納孔(図12では、第一の収納面61に円形状の孔611、第二の収納面62に長方形状の二つの孔621,622、第三の収納面63に長円形状の孔631、第四の収納面64に三角形状の孔641)を有している。
【0047】
さらに、本実施例においてはセンターコンソール1に収納体6を収納可能に形成された支持手段としての受け穴7が設けられている。受け穴7はセンターコンソール1の上面及び一側面に開口するように形成された直方体状の空間であり、この空間内に軸体としての四つの支柱8a,8b,8c,8d(以下、総称する場合は支柱8という)が設けられている。支柱8a,8b,8c,8dは、その軸方向が上記センターコンソール1の一側面に直交するように固定され、且つそれぞれが矩形の各頂点に対応するように相互に間隔をおいて配設されている。また、これらの支柱8a,8b,8c,8dは、受け穴7の周壁との間に収納体6を保持することができる程度に間隔を有している。そして収納体6は、概ね四角柱状の中空部を形成するようにこれら支柱8a,8b,8c,8dによって支持されている。
【0048】
さらに、本実施例において車室内収納構造は、収納体6の側面を覆う蓋体9を備えている。この蓋体9には支柱8a,8b,8c,8dの先端に対向する位置に凹部91,92,93,94が形成され、この凹部91,92,93,94を支柱8a,8b,8c,8dの先端に係合させることにより蓋体9を収納体6の側面に装着するように構成されている。
【0049】
このように構成される本実施例に係る車室内収納構造によれば、蓋体9を取り外し、用途に合わせて収納体6を弾性変形させつつ所望の面が上面にくるように回転させることにより、省スペース化を図るとともに、収納体6を抜き出すことなく所望の面を収納部として使用することができる。また、収納体6の側面に蓋体9を装着するようにしたことにより、使用時における収納体6の回転を防止し、安定した状態で使用することができる。
【0050】
なお、本実施例では収納手段として四つの面を有する収納体6を用いる例を示したが、本発明はこのような構成に限定されず、例えば、余長を収納するような構造を設け、五つ以上の収納面を有する収納体を用いるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明は、本発明は、自動車等の車室の内部における小物類の収納に用いられる車室内収納構造に適用して好適なものである。
【符号の説明】
【0052】
1 コンソール
2 収納ボックス
3,4,5,7 受け穴
6 収納部材
8,8a,8b,8c,8d 支柱
9 蓋体
21,22,23,24,25,26 面
41,42 案内溝
41a,41b,42a,42b 溝
43,53 収納ボックス固定部
51,52 案内面
211,221,231,241,242,251,252,261 孔
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外形形状が相互に等しい複数の収納面に囲まれてなる中空部を有する収納手段と、
上部に開口部を有し、一つの前記収納面を前記開口部に配置する一方、他の前記収納面をその内部に保持するように前記収納手段を支持する支持手段とを備える車室内収納構造であって、
前記複数の収納面は、相互に異なる収納孔を有し、且つ、それぞれ前記支持手段の前記開口部に配置可能に構成された
ことを特徴とする車室内収納構造。
【請求項2】
前記収納手段は、前記中空部を立方体状に形成するように配置される正方形状の六つの前記収納面を有する
ことを特徴とする請求項1記載の車室内収納構造。
【請求項3】
前記支持手段は、前記収納手段を保持する空間が前記収納手段と相似形状を有するように形成される
ことを特徴とする請求項2記載の車室内収納構造。
【請求項4】
前記支持手段は、少なくとも水平面に平行な一つの軸を含む異なる二つの軸回りで自転可能に前記収納手段を摺動自在に案内する案内手段を有する
ことを特徴とする請求項2記載の車室内収納構造。
【請求項5】
前記支持手段は、前記収納手段を内包するようにその中空部の一部が球状に形成され、
前記案内手段が前記収納手段のそれぞれの頂点を前記異なる二つの軸回りに案内可能に構成された案内溝である
ことを特徴とする請求項4記載の車室内収納構造。
【請求項6】
前記支持手段は、前記収納手段の一部を保持して前記収納手段の移動を規制する固定手段を有する
ことを特徴とする請求項4又は請求項5記載の車室内収納構造。
【請求項7】
前記収納手段は、筒状に配置される弾性変形可能な四つの前記収納面に囲まれてなる前記中空部を有し、
前記支持手段は、前記中空部が四角柱状となるように前記収納手段の内周面を摺動自在に支持する四つの軸体を備える
ことを特徴とする請求項1記載の車室内収納構造。
【請求項1】
外形形状が相互に等しい複数の収納面に囲まれてなる中空部を有する収納手段と、
上部に開口部を有し、一つの前記収納面を前記開口部に配置する一方、他の前記収納面をその内部に保持するように前記収納手段を支持する支持手段とを備える車室内収納構造であって、
前記複数の収納面は、相互に異なる収納孔を有し、且つ、それぞれ前記支持手段の前記開口部に配置可能に構成された
ことを特徴とする車室内収納構造。
【請求項2】
前記収納手段は、前記中空部を立方体状に形成するように配置される正方形状の六つの前記収納面を有する
ことを特徴とする請求項1記載の車室内収納構造。
【請求項3】
前記支持手段は、前記収納手段を保持する空間が前記収納手段と相似形状を有するように形成される
ことを特徴とする請求項2記載の車室内収納構造。
【請求項4】
前記支持手段は、少なくとも水平面に平行な一つの軸を含む異なる二つの軸回りで自転可能に前記収納手段を摺動自在に案内する案内手段を有する
ことを特徴とする請求項2記載の車室内収納構造。
【請求項5】
前記支持手段は、前記収納手段を内包するようにその中空部の一部が球状に形成され、
前記案内手段が前記収納手段のそれぞれの頂点を前記異なる二つの軸回りに案内可能に構成された案内溝である
ことを特徴とする請求項4記載の車室内収納構造。
【請求項6】
前記支持手段は、前記収納手段の一部を保持して前記収納手段の移動を規制する固定手段を有する
ことを特徴とする請求項4又は請求項5記載の車室内収納構造。
【請求項7】
前記収納手段は、筒状に配置される弾性変形可能な四つの前記収納面に囲まれてなる前記中空部を有し、
前記支持手段は、前記中空部が四角柱状となるように前記収納手段の内周面を摺動自在に支持する四つの軸体を備える
ことを特徴とする請求項1記載の車室内収納構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−184513(P2010−184513A)
【公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−28026(P2009−28026)
【出願日】平成21年2月10日(2009.2.10)
【出願人】(000006286)三菱自動車工業株式会社 (2,892)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月10日(2009.2.10)
【出願人】(000006286)三菱自動車工業株式会社 (2,892)
【Fターム(参考)】
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