車軸探傷装置及びその方法
【課題】
本発明の目的は、車軸の中心と探傷ヘッド中心との位置決め時間の短縮と車軸検査工数の低減を図ることができる車軸探傷装置及びその方法を提供することにある。
【解決手段】
本発明は、車輪を有する車軸をその端面で探傷ヘッドにより超音波探傷する車軸探傷装置において、前記車輪をレール上にて固定する車輪固定装置と、前記車軸の軸長方向に対して間隔を設けて前記車軸の高さを複数個所測定可能に配置した距離センサと、該距離センサで測定して得られた複数のデータを基に前記車軸中心に対する前記探傷ヘッド中心との高低差を演算する演算処理部と、前記車軸中心に対して前記探傷ヘッド中心の位置決めを行う駆動装置とを有することを特徴とする。
本発明の目的は、車軸の中心と探傷ヘッド中心との位置決め時間の短縮と車軸検査工数の低減を図ることができる車軸探傷装置及びその方法を提供することにある。
【解決手段】
本発明は、車輪を有する車軸をその端面で探傷ヘッドにより超音波探傷する車軸探傷装置において、前記車輪をレール上にて固定する車輪固定装置と、前記車軸の軸長方向に対して間隔を設けて前記車軸の高さを複数個所測定可能に配置した距離センサと、該距離センサで測定して得られた複数のデータを基に前記車軸中心に対する前記探傷ヘッド中心との高低差を演算する演算処理部と、前記車軸中心に対して前記探傷ヘッド中心の位置決めを行う駆動装置とを有することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波装置を用いた鉄道車両用車軸等の新規な車軸探傷装置とその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電車の車軸探傷装置は、特許文献1及び2に詳細に記載されている。空中超音波探触子と超音波の送受信を行う探触子(斜角・垂直探触子を組合せたもの)を配置した第1探触子ヘッド、超音波の送受信を行う探触子(斜角探触子)を配置した第2探触子ヘッド、第1探触子ヘッドと第2探触子ヘッドとの上下、左右、前後の移動及び回転を行う機構装置、第1探触子ヘッドと第2探触子ヘッドとの移動時の移動量を検出する移動量検出部、第1探触子ヘッドに配置された探触子、空中超音波探触子及び第2探触子ヘヅドに配置された探触子に超音波の送信指示、各探触子から入力した反射エコーを受信する超音波探傷器、超音波探傷器の出力を表示するディスプレイ、超音波探傷器の探傷データを入カしそのデータのグラフ表示や印字、超音波探傷器への車軸の長さや探傷ゲート等の各パラメータの設定を行うデータ処理部、第1の探触子ヘッドと車軸の端面との間及び第2の探触子ヘッドと車軸の円周上の表面との間のギャップに油の充填を行う給油ユニット、駆動装置及び給油ユニットに動作指令を行い、移動量検出部から第1の探触子ヘッドと第2の探触子ヘッドとの移動量を入カする操作・制御部、操作・制御部から移動量検出部が検出した移動量を入力し、駆動装置の戻り量を計算する演算部を有するものである。
【0003】
又、特許文献3においては車軸を探傷する探触子を搭載した昇降体を車軸の軸芯に制御する制御装置を有することが示されている。
【0004】
【特許文献1】特許第2814889号公報
【特許文献2】特開平7-120443号公報
【特許文献3】特許第2813140号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述の従来技術おいては、車軸の中心を求める基準として車軸センタ穴を利用しているので、距離センサは車軸センタ穴を横切って上下、左右に往復動作させる必要がある。しかし、車輪が消耗して車軸中心位置が下がった場合を想定すると車軸センタ穴の無い位置から上下、左右走査をして車軸センタ穴を検知する工程が必要となり、位置決めに時間がかかるという問題があった。又、上下、左右の2軸駆動機構の構築が必要なため装置製作及び制御システム構築に時間がかかるという問題があった。
【0006】
更に、近年は車軸の検査工数を短縮するため、軸箱本体を車軸に取付けた状態で探傷できる装置が求められているが、従来技術では探傷ヘッドが取付けボルトを含めた軸箱に干渉しない距離から車軸センタ穴を検出しようとすると車軸センタ穴境界部の位置検出精度が低下し、精度よく位置決めできないという問題点があった。
【0007】
本発明の目的は、車軸の中心と探傷ヘッド中心との位置決め時間の短縮と車軸検査工数の低減を図ることができる車軸探傷装置及びその方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、車輪を有する車軸をその端面で探傷ヘッドにより超音波探傷する車軸探傷装置において、前記車輪をレール上にて固定する車輪固定装置と、前記車軸の軸長方向に対して間隔を設けて前記車軸の高さを複数個所測定可能に配置した距離センサと、該距離センサで測定して得られた複数のデータを基に前記車軸中心に対する前記探傷ヘッド中心との高低差を演算する演算処理部と、前記車軸中心に対して前記探傷ヘッド中心の位置決めを行う駆動装置とを有することを特徴とする。
【0009】
即ち、本発明は、左右方向の中心位置については車輪を固定するための専用装置を設置することで常に車軸中心を定位置で固定できるようにし、左右の位置検出を不要とすることで左右方向の駆動部制御をなくすことができ、又、上下方向については固定された車輪間の車軸中央近傍直下に距離センサを2個設置して車軸外周までの最短距離を測定し、このデータをもとに車軸端部中心に対する探傷ヘッド中心との高低差を演算する演算部を備え、車軸中心と探傷ヘッド中心の位置決めを行なう駆動機構を有するものである。
【0010】
前記距離センサは、前記車軸の軸長方向に対して間隔を設けて前記車軸の高さを複数個所測定可能に配置した複数の距離センサからなり、各距離センサで各々前記車軸の高さを測定して得られたデータを基に前記車軸中心に対する前記探傷ヘッド中心との高低差を演算することが好ましい。
【0011】
前記駆動装置は、前記探傷ヘッドと、該探傷ヘッドを固定し前記車軸端面に対する衝撃を吸収し所定の圧力で押圧する押圧手段と、前記探傷ヘッド及び押圧手段を回転させる回転機構部と、該回転機構部を搭載し前記探傷ヘッド及び押圧手段と共に前記車軸方向に移動可能な前後移動テーブルと、該前後移動テーブルを前後に移動させる前後駆動手段と、前記前後移動テーブル及び前後駆動手段を搭載する上下移動テーブルと、該上下移動テーブルを上下に移動させる上下駆動手段とを有すること、又、前記前後移動テーブルを搭載し左右に移動させる左右移動テーブルと、該左右移動テーブルを左右に移動させる左右駆動手段とを有することが好ましい。
【0012】
前記車輪固定装置は、前記レール上で前記車輪の回転を阻止する2個の車輪固定具と、該車輪固定具を上下移動させる上下移動手段とを有すること、又、前記車輪の回転を阻止する2個の車輪固定具を有し、該車輪固定具の一方が前記車輪の前記レールとの接触面に対して接する方向に移動可能であること、更に、前記車輪固定具は、前記車輪の円周に沿って所定の間隔で設けられた2個の車輪保持ガイドを有し、該2個の車輪保持ガイドによってV字型を形成することが好ましい。
【0013】
前記探傷ヘッドは、前記車軸の探傷面の軸芯を中心とする対応する位置に対称に配置された複数の探触子と、前記車軸の探傷基準穴を検出する近接センサと、前記軸芯に対応する位置に配置された円錐状の突起とを有すること、又、前記車軸の探傷面の軸芯を中心とする対応する位置に対称に配置された複数の探触子と、前記車軸の探傷基準穴を検出する近接センサと、前記車軸の探傷面との距離を検出する距離センサとを有することが好ましい。
【0014】
接触媒質である油を前記探傷ヘッドへ供給する油供給ユニットと、前記探傷ヘッドの前後移動及び回転を制御する制御部と、探傷結果を演算する演算処理部と、演算データを処理するデータ処理部と、前記データを表示する表示装置とを有することが好ましく、特に制御部と、演算処理部と、データ処理部とを有する収録処理装置により予めプログラム設定することにより全自動探傷が可能とすることができる。
【0015】
又、本発明は、車輪を有する車軸をその端面で探傷ヘッドにより超音波探傷する車軸探傷方法において、前記車輪をレール上で固定する工程と、前記車輪の内側における前記車軸の高さを軸方向に対して複数箇所測定する工程と、該測定して得られたデータを基に前記車軸中心に対する前記探傷ヘッド中心との高低差を求め、該求められた値に基づいて前記車軸中心に対して前記探傷ヘッド中心の位置決めを行う工程と、前記超音波探傷を行う工程とを順次有することを特徴とし、特に、車輪をレール上で固定する工程の後の工程を予めプログラム設定することによって自動的に行うことができる。
【0016】
更に、本発明は、車輪を有する車軸をその端面で探傷ヘッドにより超音波探傷する車軸探傷装置用車輪固定装置において、前記車輪をレール上にて固定する前記車輪の円周に沿って所定の間隔で設けられた2個の車輪保持ガイドと、該車輪保持ガイドを上下移動させる上下駆動手段とを有し、前記2個の車輪保持ガイドによって前記車輪をV型に固定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、車軸の中心と探傷ヘッド中心との位置決め時間の短縮と車軸検査工数の低減を図ることができる車軸探傷装置及びその方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための最良の形態を具体的な実施例によって説明する。
【実施例1】
【0019】
図1は、本発明に係る車軸探傷装置の一実施例を示す全体構成図である。図1に示すように、検査対象は車軸1であり、車輪2、2a、軸箱3、3aを有する。探傷ヘッド5、5aはそれを上下、左右、前後及び回転させるための駆動装置4、4aに設けられる。車輪2、2aはレール6、6a上に搭載され、車輪固定装置7、7aによって固定される。他、本発明に係る車軸探傷装置は、探傷ヘッド5、5aに配置された探触子にパルス信号を送信および超音波エコーを受信するための超音波探傷器31、車輪固定装置7、7aを駆動するための車輪固定用エアーシリンダ、探傷ヘッド5、5aを車軸1の端面に押し付けるためのエアーシリンダ駆動用の圧縮空気供給ユニット32、探触子と車軸1の探傷面の音響結合をするために供給される油供給ユニット33を有する。
【0020】
探傷データの収録処理装置22は、探傷データを処理するためのデータ処理部23、演算処理部24及び駆動装置4、4a、超音波探傷器31、圧縮空気供給ユニット32を制御するための操作スイッチを有する制御部25から構成される。データ処理部23の処理結果は表示装置21に表示される。
【0021】
距離センサ8、8aはレール6、6aに対して平行で、車軸1の軸長方向に所定の間隔で設けられ、車軸1の所定の間隔で2箇所の高さが測定される。測定されたデータを基に車軸1の両端部中心の各々の高さを基に探傷ヘッド5、5a中心との高低差を演算処理部24で演算される。その演算により車軸1の両端部中心と探傷ヘッド5、5a中心との位置決めを行なう駆動装置4、4aを有する。
【0022】
図2は探傷ヘッドを駆動させる駆動装置の斜視図である。図2に示すように、駆動装置4、4aは、探傷ヘッド5、5aを車軸1に押付けたときの衝撃を吸収すると共に探傷面11aの圧力を一定とするための押圧手段となるエアシリンダ41、探傷ヘッド5、5aの探触子ケーブルを巻き取るケーブル巻き取り部42、探傷ヘッド5、5aを回転させる回転機構部43、探傷ヘッド5、5aと共に回転機構部43を前後に移動させ搭載するための前後移動テーブル44、前後移動テーブル44を上下に移動させるためのエアーシリンダーによる上下駆動手段により上下移動テーブル46を有する。
【0023】
図3は探傷前後の探傷ヘッドと車軸端部を示す断面図である。図3(a)は探傷前の探傷ヘッドと車軸が離れている状態を示し、図3(b)は探傷状態であって探傷ヘッドと車軸が接触している状態を示している。図3に示すように、車軸1の探傷面11には、車軸1の中心を示す車軸センター穴12、探傷基準穴13を有し、探傷ヘッド5、5aには車軸センター穴12に対応して挿入され使用される油を節約するための突起51が設けられている。
【0024】
図4は、車輪固定装置とその動作を示す構成図であり、図4(a)は車輪固定前の状態を示し、図4(b)は固定後の状態を示す図である。図4に示すように、車輪2はレール6上に車輪2の円周面に沿って設けられた2個の車輪保持ガイド72a、72bによって形成されるV字型により固定される。車輪保持ガイド72a、72bは車輪保持機構72に保持され、それを上下移動させる車輪固定用エアシリンダ71による上下移動手段を有し、車輪保持ガイド72a、72bの上への移動に伴って左右への移動が起こり、車輪2と車輪保持ガイド72a、72bとが接触し、両方の車輪2が予め定められた位置に固定され、駆動装置による探傷ヘッド5、5aの左右への調整を行うことなく固定することができる。車輪固定用エアシリンダ71による移動は全体を持ち上げるものではなく、車輪1を固定する程度のものである。
【0025】
車輪2を車輪固定装置7のV字型をした車輪保持ガイド72a、72bの間に保持した状態で図1に示す圧縮空気供給ユニット32から車輪固定装置7の車輪固定用エアシリンダ71に圧縮空気を供給し、車輪保持機構72を上昇させる。車輪保持機構72には車輪保持ガイド72a、72bが固定されているため、始めに車輪保持ガイド72aと車輪2が接触し、車輪2を車輪保持ガイド72bの方向に移動させると共に車輪保持ガイド72bに当たった位置で停止させ、車輪2を固定する。この時、車輪2が固定された状態において車輪保持ガイド72a、72bがV字型をしていることで、車軸1の左右方向の中心位置は車輪2の外径寸法が変化しても一定となる。
【0026】
図5は探傷ヘッドの斜視図であり、図5(a)は車軸との接触面側を示し、図5(b)は探触子ケーブル引出し状態を示す斜視図である。図5に示すように、探傷ヘッドは、車軸1の探傷面の軸芯を中心とする対応する位置に対称に配置された3個の探触子54と、車軸1の探傷基準穴13を検出する近接センサ55と、軸芯に対応する位置に配置された円錐形状の油節約のための油節約突起51とを有し、更に、油保持溝52、油供給穴53、油供給チューブ53a、探触子ケーブル54a、近接センサケーブル55aを有する。探触子54はいずれも探傷ヘッドのベース面より僅かに凹んでおり、探傷面に油が供給される。各探触子54は車軸1の探傷面に対して車軸1の探傷すべき位置に傾斜させて向けるようにスペーサが挿入される。
【0027】
図6は本発明の動作を示すフロー図である。駆動装置4と駆動装置4aの動作は同一のため駆動装置4の動作について説明する。図1において、収録処理装置22により探傷パラメータS1を設定する。次に車輪2を車輪固定装置7により車軸固定S2する。この車輪固定動作は前述した図4に示す通りである。図1において、車輪2が固定されていることを確認し、制御部25に取付けられた探傷開始スイッチを押すことで以下の探傷動作が自動的に開始される。
【0028】
始めに距離センサ8、8aで車軸1までの最短距離を測定することにより車軸中心位置検出S3が行われる。距離センサ8、8aの値が同一であれば車軸は高さ方向の傾きがなく水平であり、距離センサ8、8aの値に差がでた場合には車輪2の磨耗により車軸1が傾いていることになる。車軸1の外径寸法及び車軸1の長さは決まっているので、距離センサ8、8aの値を演算処理部24で演算することで図3(a)に示す探傷面11に加工された車軸センタ穴12の高さ方向における中心位置を演算する。さらに探傷ヘッド5の中心位置との距離を演算し、上下移動テーブル46の移動距離を制御部25に送る。制御部25は図2に示す駆動装置4の上下移動テーブル46を演算処理部24で求めた位置まで移動させて車軸中心と探傷ヘッド5の中心を一致させる。
【0029】
次に、図1に示す制御部25は図2に示す前後移動テーブル44を駆動し、探傷ヘッド5の先端部を図3(a)に示す探傷面11の直前まで移動させ、図2に示すエアシリンダ41を駆動して探傷ヘッド5を図3(b)に示すように車軸1の探傷面11に押付ける。この時、図3に示す探傷ヘッド5の中心に取付けられた油節約突起51は車軸センタ穴12を塞ぐ状態となる。
【0030】
次に、制御部25は油供給ユニット33を制御し、図5bに示す油供給チューブ53aを通して図5aに示す油供給穴53から油保持機構52に油を供給し、一定時間経過後に油の供給を停止する。
【0031】
次に、制御部25は図2に示す駆動装置4の回転機構部43を制御して探傷ヘッド5を回転させ、図5(a)に示す近接センサ55により図3(a)に示す探傷基準穴13を検出S4し、探傷開始位置を設定する。先に探傷ヘッド5の油保持機構52に供給された油は図3に示す探傷基準穴13を検知するために回転することで油保持機構52内で循環しながら図5に示す探触子54の表面と図3に示す探傷面11の間に浸透して音響結合され探傷可能状態となる。又、図5(b)に示すように探傷ヘッド5から引き出された油供給チューブ53a、探触子ケーブル54a、近接センサケーブル55aのケーブル及びチューブは探傷ヘッド5の回転と共に回転するが、何ら対策をしない場合、駆動装置4に巻き付いて動作できない状態となる恐れがあるため、図2に示すケーブル巻取り部42に巻き付く構造とし駆動装置4の動作に支障のない構造とした。
【0032】
次に、探傷開始位置から探傷面11の周方向に1周360°回転させて探傷S5しながら収録処理装置22のデータ処理部23で探傷データを処理し、欠陥の有無を判断すると共に表示装置21に欠陥の有無表示S6を出力する。最後に図2に示す回転機構部43を探傷開始状態まで回転させて初期状態に戻し、ケーブル巻取り部42に巻きついているケーブル、チューブを巻き戻しS7、終了する。
【0033】
以上、本実施例によれば、車軸1の左右の位置決め時間の短縮と共に、制御系のシステム構築時間短縮及び車軸1に軸箱3を取り付けた状態で車軸1の中心位置を検出することができ、車軸検査工数の低減を図ることができる。
【0034】
又、本実施例によれば、車輪固定装置7により車輪2、2aが所定の位置に位置決めされるので、従来車軸センタ穴を利用した位置決め方式で必要であった車軸中心位置検出のための左右方向の制御が不要となり作業時間の短縮、制御系のシステム構築時間短縮及び装置を小型化できるという効果を奏すると共に、車軸センタ穴12を走査しないため車軸センタ穴12の検出時に探傷ヘッド5に取付けたセンサが軸箱3と干渉する問題点もなくなり、軸箱3を取付けた状態であっても車軸中心位置の検出が可能となるので、探傷のための軸箱3の取り外し作業がなくなり車軸の検査工数を短縮する。
【0035】
更に、距離センサ8、8aを2個使用することで車輪2が消耗し、左右の車輪外径寸法に差が発生した場合においても距離の差から車軸1の上下方向の傾きを演算して車軸両端におけるそれぞれの車軸中心位置を求めることができる効果がある。尚、本実施例では、2個の距離センサを用いているが、1個でもそれを移動させて用いることにより2個の場合と同様に測定できる。
【実施例2】
【0036】
図7は本発明に係る他の車軸探傷装置の全体構成図である。図7に示すように、車軸探傷装置は、検査対象の車軸1は、車輪2、2aを有し、レール6、6a上に搭載されている。図7に示すように、探傷ヘッド5、5aを、上下、左右、前後及び回転させるための駆動装置4、4a、探傷ヘッド5、5aに配置された探触子にパルス信号を送信および超音波エコーを受信するための超音波探傷器31、車軸端面に探傷ヘッドを押し付けるためのエアーシリンダ駆動用の空気圧縮機供給ユニット32、探傷データの収録処理装置22、探傷データを処理するためのデータ処理部23と、演算処理部24、駆動装置4、4a、超音波探傷器31、圧縮空気供給ユニット32を制御するための操作スイッチ付き制御部25から構成される。データ処理部の処理結果は表示装置21に表示される。
【0037】
又、実施例1と同様に、距離センサ8、8aが車軸1の軸長方向に所定の間隔で設けられ、距離センサ8、8aで測定されたデータを基に車軸端部中心に対する探傷ヘッド5、5a中心との高低差を演算処理部24で演算し、その演算結果を基に車軸1の端部中心と探傷ヘッド5、5aの中心との高さ方向の位置決めが駆動装置4、4aによって行なわれる。本実施例においても、距離センサ8、8aによって車軸の高さが測定され、両端での高さ方向での各中心位置が求められるので、その後の左右の車軸1の端部中心と探傷ヘッド5、5aの中心位置を駆動装置4、4aによって簡単に合わせることができる。
【0038】
図8は、探傷時において車輪が移動しないように固定するための車輪固装置を示す図である。図8(a)は車輪固定装置の正面図及び図8(b)は車輪の固定状態を示した斜視図である。図8に示すように、車輪1は、レール6に乗ったまま車輪固定装置にて固定される。車輪固定装置は、2個の車輪保持ガイド72a、72bがそれぞれ車輪2を所定の停止位置を決めるための位置決めアーム9bと、可動アーム9aに設けられる。位置決めアーム9bと、可動アーム9aとはアーム固定具9に設けられる。先ず、車輪2を位置決めアーム9bの車輪保持ガイド72bに押し付け、次に可動アーム9aの車輪保持ガイド72bを挿入して固定するものである。いずれの車輪保持ガイド72a、72bも車輪2に対してV字型となるように、車輪2との接触面が車輪2の傾斜に沿って傾斜した構造を有する。本車輪固定装置においても、その位置を車輪2の回転中心に固定することにより実施例1と同様に車輪2がその回転中心に固定することができる。
【0039】
図9は、本発明に係る探傷ヘッドの平面図である。図9に示すように、探傷ヘッドは、3個の探触子54、探傷基準穴13を検出するための近接センサ55、探触子54探傷面との距離を測定する距離センサ56を有し、探触子54はいずれもベース面と同じ面になっている。又、探傷ヘッドの裏側は各センサのケーブルが設けられている。
【0040】
図10は、車軸センタ穴中心位置の検出手順を示す図であり、図10(a)が車軸端部を側面から見た一部断面図、図10(b)が車軸端面における左右方向の車軸中心位置の求め方を示した平面図である。図10(a)に示すように、車軸1の探傷部は車軸端部における探傷面11、車軸センタ穴12、探傷面11に加工された探傷基準穴13を有する。車軸1の中心位置を検出する距離センサ56が図7に示す探傷ヘッド5の先端部中心に設けられている。距離センサ56によって車軸センタ穴12に対してL1及びL2の各位置が検出され、その後にそれらの距離から戻り量が算出され、車軸1の中心位置が求められる。その値を基に駆動装置によって探傷ヘッド5が探傷面11に設定される。
【0041】
図11は、本実施例の探傷ヘッドの駆動装置を示す斜視図である。本駆動装置は、探傷ヘッド5を車軸1に押付けたときの衝撃を吸収すると共に探傷面の圧力を一定とするための押圧手段のエアシリンダ41、各ケーブルを巻き取るケーブル巻き取り部42、探傷ヘッド5,5aと共に回転機構部43を前後に移動させるための前後移動テーブル44、前後移動テーブル44を左右に移動させるための左右移動テーブル45、左右移動テーブル45を上下に移動させるための上下移動テーブル46、上下移動テーブル46を上下に駆動させる上下駆動手段を有する。
【0042】
次に各動作について説明する。駆動装置4と駆動装置4aの動作は同一のため、駆動装置4について動作を説明する。始めに、図8に示すように、車輪2を車輪固装置の位置決めアーム9bの車輪保持ガイド72bに押し当てた後、可動アーム9aを回して車輪保持ガイド72aを車輪2に対してしっかりと押し付けて固定する。
【0043】
次に、図9に示す探触子54と図10に示す探傷面11の音響結合をさせるための油を探触子54及び探傷面11に塗布する。各探触子54はそれぞれ探傷位置が設定された角度に向けられて設定される。
【0044】
次に、図7に示す制御部25に取付けられている探傷開始スイッチを押すと駆動装置4は図11に示す上下移動テーブル46を制御し、新品車輪の中心位置まで距離センサ56を移動させる。次に左右移動テーブル45を制御し図10(b)に示す開始点a1から終了点a2まで距離センサ56を移動させる。このとき、開始点a1、終了点a2及び距離センサ56で検出した車軸センタ穴12の変異点L1、L2の位置情報を演算処理部24に送る。高さ方向については、距離センサ8、8aによって測定され、車軸中心が設定せれており、その位置情報を演算処理部24に送る。
【0045】
図7に示す演算処理部24は得られた車軸センタ穴12の変異点L1、L2の位置情報と予め設定されている探傷ヘッド5、距離センサ56との位置関係から探傷ヘッド5の中心を車軸1の中心に一致させるための移動量を演算し制御部25に送る。制御部25は図11に示す上下移動テーブル46、左右移動テーブル45を制御して演算処理部24で求めた移動量だけ探傷ヘッド5を移動させ、車軸中心と探傷ヘッド5の中心を一致させる。
【0046】
次に、制御部25は前後移動テーブル44を制御し、探傷ヘッド5を探傷面11に近づけたのち探傷ヘッド押付け用エアシリンダ41を駆動して探傷ヘッド5を探傷面11に押付ける。
【0047】
次に、回転機構部43を回転させ、車軸1に加工されている探傷基準穴13を検出し探傷開始位置を設定する。
【0048】
次に、探傷開始位置から探傷ヘッド5を回転機構部43により360°回転させ、超音波探傷器31により探傷しながらデータ処理部23で探傷波形を処理し欠陥の有無を判断すると共に表示装置21に出力する。ケーブル巻取り部42は探傷ヘッド5の回転によるケーブル長の過不足を調整すると共に駆動装置4へのケーブル巻き付きを防ぐことができる。
【0049】
本実施例においても、実施例1と同様に、車軸左右の位置決め時間の短縮と共に、制御系のシステム構築時間短縮及び車軸に軸箱本体を取り付けた状態で車軸中心位置を検出することで車軸検査工数の低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明に係る車軸探傷装置を示す全体構成図である。
【図2】本発明に係る探傷ヘッドを駆動させる駆動装置の斜視図である。
【図3】本発明に係る探傷前後の探傷ヘッドと車軸端部の断面図である。
【図4】本発明に係る車輪固定装置とその動作を示す構成図である。
【図5】本発明に係る探傷ヘッドの斜視図である。
【図6】本発明の動作を示すフロー図である。
【図7】本発明に係る車軸探傷装置を示す全体構成図である
【図8】本発明に係る車輪固装置を示す構成図である
【図9】本発明に係る探傷ヘッドの探触子の配置を示す平面図である
【図10】本発明に係る車軸探傷装置における車軸センタ穴中心位置の検出手順を示す図である。
【図11】本発明に係る装置の探傷ヘッドを駆動させる駆動装置の斜視図である。
【符号の説明】
【0051】
1…車軸、11、11a…探傷面、12…車軸センタ穴、13…探傷基準穴、2、2a…車輪、21…表示装置、22…収録処理装置、23…データ処理部、24…演算処理部、25…制御部、3、3a…軸箱、31…超音波探傷器、32…圧縮空気供給ユニット、33…油供給ユニット、4、4a…駆動装置、41…エアシリンダ、42…ケーブル巻取り部、43…回転機構部、44…前後移動テーブル、45…左右移動テーブル、46…上下移動テーブル、5、5a…探傷ヘッド、51…突起、52…油保持溝、53…油供給穴、53a…油供給チューブ、54…探触子、54a…探触子ケーブル、55…近接センサ、55a…近接センサケーブル、56…距離センサ、6、6a…レール、7、7a…車輪固定装置、71…車輪固定用エアシリンダ、72…車輪保持機構、72a、72b…車輪保持ガイド、8、8a…距離センサ、9…アーム固定具、9a…可動アーム、9b…位置決めアーム、L1…車軸センタ穴端部、L2…車軸センタ穴端部、L3…車軸センタ穴端部、L4…車軸センタ穴端部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波装置を用いた鉄道車両用車軸等の新規な車軸探傷装置とその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電車の車軸探傷装置は、特許文献1及び2に詳細に記載されている。空中超音波探触子と超音波の送受信を行う探触子(斜角・垂直探触子を組合せたもの)を配置した第1探触子ヘッド、超音波の送受信を行う探触子(斜角探触子)を配置した第2探触子ヘッド、第1探触子ヘッドと第2探触子ヘッドとの上下、左右、前後の移動及び回転を行う機構装置、第1探触子ヘッドと第2探触子ヘッドとの移動時の移動量を検出する移動量検出部、第1探触子ヘッドに配置された探触子、空中超音波探触子及び第2探触子ヘヅドに配置された探触子に超音波の送信指示、各探触子から入力した反射エコーを受信する超音波探傷器、超音波探傷器の出力を表示するディスプレイ、超音波探傷器の探傷データを入カしそのデータのグラフ表示や印字、超音波探傷器への車軸の長さや探傷ゲート等の各パラメータの設定を行うデータ処理部、第1の探触子ヘッドと車軸の端面との間及び第2の探触子ヘッドと車軸の円周上の表面との間のギャップに油の充填を行う給油ユニット、駆動装置及び給油ユニットに動作指令を行い、移動量検出部から第1の探触子ヘッドと第2の探触子ヘッドとの移動量を入カする操作・制御部、操作・制御部から移動量検出部が検出した移動量を入力し、駆動装置の戻り量を計算する演算部を有するものである。
【0003】
又、特許文献3においては車軸を探傷する探触子を搭載した昇降体を車軸の軸芯に制御する制御装置を有することが示されている。
【0004】
【特許文献1】特許第2814889号公報
【特許文献2】特開平7-120443号公報
【特許文献3】特許第2813140号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述の従来技術おいては、車軸の中心を求める基準として車軸センタ穴を利用しているので、距離センサは車軸センタ穴を横切って上下、左右に往復動作させる必要がある。しかし、車輪が消耗して車軸中心位置が下がった場合を想定すると車軸センタ穴の無い位置から上下、左右走査をして車軸センタ穴を検知する工程が必要となり、位置決めに時間がかかるという問題があった。又、上下、左右の2軸駆動機構の構築が必要なため装置製作及び制御システム構築に時間がかかるという問題があった。
【0006】
更に、近年は車軸の検査工数を短縮するため、軸箱本体を車軸に取付けた状態で探傷できる装置が求められているが、従来技術では探傷ヘッドが取付けボルトを含めた軸箱に干渉しない距離から車軸センタ穴を検出しようとすると車軸センタ穴境界部の位置検出精度が低下し、精度よく位置決めできないという問題点があった。
【0007】
本発明の目的は、車軸の中心と探傷ヘッド中心との位置決め時間の短縮と車軸検査工数の低減を図ることができる車軸探傷装置及びその方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、車輪を有する車軸をその端面で探傷ヘッドにより超音波探傷する車軸探傷装置において、前記車輪をレール上にて固定する車輪固定装置と、前記車軸の軸長方向に対して間隔を設けて前記車軸の高さを複数個所測定可能に配置した距離センサと、該距離センサで測定して得られた複数のデータを基に前記車軸中心に対する前記探傷ヘッド中心との高低差を演算する演算処理部と、前記車軸中心に対して前記探傷ヘッド中心の位置決めを行う駆動装置とを有することを特徴とする。
【0009】
即ち、本発明は、左右方向の中心位置については車輪を固定するための専用装置を設置することで常に車軸中心を定位置で固定できるようにし、左右の位置検出を不要とすることで左右方向の駆動部制御をなくすことができ、又、上下方向については固定された車輪間の車軸中央近傍直下に距離センサを2個設置して車軸外周までの最短距離を測定し、このデータをもとに車軸端部中心に対する探傷ヘッド中心との高低差を演算する演算部を備え、車軸中心と探傷ヘッド中心の位置決めを行なう駆動機構を有するものである。
【0010】
前記距離センサは、前記車軸の軸長方向に対して間隔を設けて前記車軸の高さを複数個所測定可能に配置した複数の距離センサからなり、各距離センサで各々前記車軸の高さを測定して得られたデータを基に前記車軸中心に対する前記探傷ヘッド中心との高低差を演算することが好ましい。
【0011】
前記駆動装置は、前記探傷ヘッドと、該探傷ヘッドを固定し前記車軸端面に対する衝撃を吸収し所定の圧力で押圧する押圧手段と、前記探傷ヘッド及び押圧手段を回転させる回転機構部と、該回転機構部を搭載し前記探傷ヘッド及び押圧手段と共に前記車軸方向に移動可能な前後移動テーブルと、該前後移動テーブルを前後に移動させる前後駆動手段と、前記前後移動テーブル及び前後駆動手段を搭載する上下移動テーブルと、該上下移動テーブルを上下に移動させる上下駆動手段とを有すること、又、前記前後移動テーブルを搭載し左右に移動させる左右移動テーブルと、該左右移動テーブルを左右に移動させる左右駆動手段とを有することが好ましい。
【0012】
前記車輪固定装置は、前記レール上で前記車輪の回転を阻止する2個の車輪固定具と、該車輪固定具を上下移動させる上下移動手段とを有すること、又、前記車輪の回転を阻止する2個の車輪固定具を有し、該車輪固定具の一方が前記車輪の前記レールとの接触面に対して接する方向に移動可能であること、更に、前記車輪固定具は、前記車輪の円周に沿って所定の間隔で設けられた2個の車輪保持ガイドを有し、該2個の車輪保持ガイドによってV字型を形成することが好ましい。
【0013】
前記探傷ヘッドは、前記車軸の探傷面の軸芯を中心とする対応する位置に対称に配置された複数の探触子と、前記車軸の探傷基準穴を検出する近接センサと、前記軸芯に対応する位置に配置された円錐状の突起とを有すること、又、前記車軸の探傷面の軸芯を中心とする対応する位置に対称に配置された複数の探触子と、前記車軸の探傷基準穴を検出する近接センサと、前記車軸の探傷面との距離を検出する距離センサとを有することが好ましい。
【0014】
接触媒質である油を前記探傷ヘッドへ供給する油供給ユニットと、前記探傷ヘッドの前後移動及び回転を制御する制御部と、探傷結果を演算する演算処理部と、演算データを処理するデータ処理部と、前記データを表示する表示装置とを有することが好ましく、特に制御部と、演算処理部と、データ処理部とを有する収録処理装置により予めプログラム設定することにより全自動探傷が可能とすることができる。
【0015】
又、本発明は、車輪を有する車軸をその端面で探傷ヘッドにより超音波探傷する車軸探傷方法において、前記車輪をレール上で固定する工程と、前記車輪の内側における前記車軸の高さを軸方向に対して複数箇所測定する工程と、該測定して得られたデータを基に前記車軸中心に対する前記探傷ヘッド中心との高低差を求め、該求められた値に基づいて前記車軸中心に対して前記探傷ヘッド中心の位置決めを行う工程と、前記超音波探傷を行う工程とを順次有することを特徴とし、特に、車輪をレール上で固定する工程の後の工程を予めプログラム設定することによって自動的に行うことができる。
【0016】
更に、本発明は、車輪を有する車軸をその端面で探傷ヘッドにより超音波探傷する車軸探傷装置用車輪固定装置において、前記車輪をレール上にて固定する前記車輪の円周に沿って所定の間隔で設けられた2個の車輪保持ガイドと、該車輪保持ガイドを上下移動させる上下駆動手段とを有し、前記2個の車輪保持ガイドによって前記車輪をV型に固定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、車軸の中心と探傷ヘッド中心との位置決め時間の短縮と車軸検査工数の低減を図ることができる車軸探傷装置及びその方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための最良の形態を具体的な実施例によって説明する。
【実施例1】
【0019】
図1は、本発明に係る車軸探傷装置の一実施例を示す全体構成図である。図1に示すように、検査対象は車軸1であり、車輪2、2a、軸箱3、3aを有する。探傷ヘッド5、5aはそれを上下、左右、前後及び回転させるための駆動装置4、4aに設けられる。車輪2、2aはレール6、6a上に搭載され、車輪固定装置7、7aによって固定される。他、本発明に係る車軸探傷装置は、探傷ヘッド5、5aに配置された探触子にパルス信号を送信および超音波エコーを受信するための超音波探傷器31、車輪固定装置7、7aを駆動するための車輪固定用エアーシリンダ、探傷ヘッド5、5aを車軸1の端面に押し付けるためのエアーシリンダ駆動用の圧縮空気供給ユニット32、探触子と車軸1の探傷面の音響結合をするために供給される油供給ユニット33を有する。
【0020】
探傷データの収録処理装置22は、探傷データを処理するためのデータ処理部23、演算処理部24及び駆動装置4、4a、超音波探傷器31、圧縮空気供給ユニット32を制御するための操作スイッチを有する制御部25から構成される。データ処理部23の処理結果は表示装置21に表示される。
【0021】
距離センサ8、8aはレール6、6aに対して平行で、車軸1の軸長方向に所定の間隔で設けられ、車軸1の所定の間隔で2箇所の高さが測定される。測定されたデータを基に車軸1の両端部中心の各々の高さを基に探傷ヘッド5、5a中心との高低差を演算処理部24で演算される。その演算により車軸1の両端部中心と探傷ヘッド5、5a中心との位置決めを行なう駆動装置4、4aを有する。
【0022】
図2は探傷ヘッドを駆動させる駆動装置の斜視図である。図2に示すように、駆動装置4、4aは、探傷ヘッド5、5aを車軸1に押付けたときの衝撃を吸収すると共に探傷面11aの圧力を一定とするための押圧手段となるエアシリンダ41、探傷ヘッド5、5aの探触子ケーブルを巻き取るケーブル巻き取り部42、探傷ヘッド5、5aを回転させる回転機構部43、探傷ヘッド5、5aと共に回転機構部43を前後に移動させ搭載するための前後移動テーブル44、前後移動テーブル44を上下に移動させるためのエアーシリンダーによる上下駆動手段により上下移動テーブル46を有する。
【0023】
図3は探傷前後の探傷ヘッドと車軸端部を示す断面図である。図3(a)は探傷前の探傷ヘッドと車軸が離れている状態を示し、図3(b)は探傷状態であって探傷ヘッドと車軸が接触している状態を示している。図3に示すように、車軸1の探傷面11には、車軸1の中心を示す車軸センター穴12、探傷基準穴13を有し、探傷ヘッド5、5aには車軸センター穴12に対応して挿入され使用される油を節約するための突起51が設けられている。
【0024】
図4は、車輪固定装置とその動作を示す構成図であり、図4(a)は車輪固定前の状態を示し、図4(b)は固定後の状態を示す図である。図4に示すように、車輪2はレール6上に車輪2の円周面に沿って設けられた2個の車輪保持ガイド72a、72bによって形成されるV字型により固定される。車輪保持ガイド72a、72bは車輪保持機構72に保持され、それを上下移動させる車輪固定用エアシリンダ71による上下移動手段を有し、車輪保持ガイド72a、72bの上への移動に伴って左右への移動が起こり、車輪2と車輪保持ガイド72a、72bとが接触し、両方の車輪2が予め定められた位置に固定され、駆動装置による探傷ヘッド5、5aの左右への調整を行うことなく固定することができる。車輪固定用エアシリンダ71による移動は全体を持ち上げるものではなく、車輪1を固定する程度のものである。
【0025】
車輪2を車輪固定装置7のV字型をした車輪保持ガイド72a、72bの間に保持した状態で図1に示す圧縮空気供給ユニット32から車輪固定装置7の車輪固定用エアシリンダ71に圧縮空気を供給し、車輪保持機構72を上昇させる。車輪保持機構72には車輪保持ガイド72a、72bが固定されているため、始めに車輪保持ガイド72aと車輪2が接触し、車輪2を車輪保持ガイド72bの方向に移動させると共に車輪保持ガイド72bに当たった位置で停止させ、車輪2を固定する。この時、車輪2が固定された状態において車輪保持ガイド72a、72bがV字型をしていることで、車軸1の左右方向の中心位置は車輪2の外径寸法が変化しても一定となる。
【0026】
図5は探傷ヘッドの斜視図であり、図5(a)は車軸との接触面側を示し、図5(b)は探触子ケーブル引出し状態を示す斜視図である。図5に示すように、探傷ヘッドは、車軸1の探傷面の軸芯を中心とする対応する位置に対称に配置された3個の探触子54と、車軸1の探傷基準穴13を検出する近接センサ55と、軸芯に対応する位置に配置された円錐形状の油節約のための油節約突起51とを有し、更に、油保持溝52、油供給穴53、油供給チューブ53a、探触子ケーブル54a、近接センサケーブル55aを有する。探触子54はいずれも探傷ヘッドのベース面より僅かに凹んでおり、探傷面に油が供給される。各探触子54は車軸1の探傷面に対して車軸1の探傷すべき位置に傾斜させて向けるようにスペーサが挿入される。
【0027】
図6は本発明の動作を示すフロー図である。駆動装置4と駆動装置4aの動作は同一のため駆動装置4の動作について説明する。図1において、収録処理装置22により探傷パラメータS1を設定する。次に車輪2を車輪固定装置7により車軸固定S2する。この車輪固定動作は前述した図4に示す通りである。図1において、車輪2が固定されていることを確認し、制御部25に取付けられた探傷開始スイッチを押すことで以下の探傷動作が自動的に開始される。
【0028】
始めに距離センサ8、8aで車軸1までの最短距離を測定することにより車軸中心位置検出S3が行われる。距離センサ8、8aの値が同一であれば車軸は高さ方向の傾きがなく水平であり、距離センサ8、8aの値に差がでた場合には車輪2の磨耗により車軸1が傾いていることになる。車軸1の外径寸法及び車軸1の長さは決まっているので、距離センサ8、8aの値を演算処理部24で演算することで図3(a)に示す探傷面11に加工された車軸センタ穴12の高さ方向における中心位置を演算する。さらに探傷ヘッド5の中心位置との距離を演算し、上下移動テーブル46の移動距離を制御部25に送る。制御部25は図2に示す駆動装置4の上下移動テーブル46を演算処理部24で求めた位置まで移動させて車軸中心と探傷ヘッド5の中心を一致させる。
【0029】
次に、図1に示す制御部25は図2に示す前後移動テーブル44を駆動し、探傷ヘッド5の先端部を図3(a)に示す探傷面11の直前まで移動させ、図2に示すエアシリンダ41を駆動して探傷ヘッド5を図3(b)に示すように車軸1の探傷面11に押付ける。この時、図3に示す探傷ヘッド5の中心に取付けられた油節約突起51は車軸センタ穴12を塞ぐ状態となる。
【0030】
次に、制御部25は油供給ユニット33を制御し、図5bに示す油供給チューブ53aを通して図5aに示す油供給穴53から油保持機構52に油を供給し、一定時間経過後に油の供給を停止する。
【0031】
次に、制御部25は図2に示す駆動装置4の回転機構部43を制御して探傷ヘッド5を回転させ、図5(a)に示す近接センサ55により図3(a)に示す探傷基準穴13を検出S4し、探傷開始位置を設定する。先に探傷ヘッド5の油保持機構52に供給された油は図3に示す探傷基準穴13を検知するために回転することで油保持機構52内で循環しながら図5に示す探触子54の表面と図3に示す探傷面11の間に浸透して音響結合され探傷可能状態となる。又、図5(b)に示すように探傷ヘッド5から引き出された油供給チューブ53a、探触子ケーブル54a、近接センサケーブル55aのケーブル及びチューブは探傷ヘッド5の回転と共に回転するが、何ら対策をしない場合、駆動装置4に巻き付いて動作できない状態となる恐れがあるため、図2に示すケーブル巻取り部42に巻き付く構造とし駆動装置4の動作に支障のない構造とした。
【0032】
次に、探傷開始位置から探傷面11の周方向に1周360°回転させて探傷S5しながら収録処理装置22のデータ処理部23で探傷データを処理し、欠陥の有無を判断すると共に表示装置21に欠陥の有無表示S6を出力する。最後に図2に示す回転機構部43を探傷開始状態まで回転させて初期状態に戻し、ケーブル巻取り部42に巻きついているケーブル、チューブを巻き戻しS7、終了する。
【0033】
以上、本実施例によれば、車軸1の左右の位置決め時間の短縮と共に、制御系のシステム構築時間短縮及び車軸1に軸箱3を取り付けた状態で車軸1の中心位置を検出することができ、車軸検査工数の低減を図ることができる。
【0034】
又、本実施例によれば、車輪固定装置7により車輪2、2aが所定の位置に位置決めされるので、従来車軸センタ穴を利用した位置決め方式で必要であった車軸中心位置検出のための左右方向の制御が不要となり作業時間の短縮、制御系のシステム構築時間短縮及び装置を小型化できるという効果を奏すると共に、車軸センタ穴12を走査しないため車軸センタ穴12の検出時に探傷ヘッド5に取付けたセンサが軸箱3と干渉する問題点もなくなり、軸箱3を取付けた状態であっても車軸中心位置の検出が可能となるので、探傷のための軸箱3の取り外し作業がなくなり車軸の検査工数を短縮する。
【0035】
更に、距離センサ8、8aを2個使用することで車輪2が消耗し、左右の車輪外径寸法に差が発生した場合においても距離の差から車軸1の上下方向の傾きを演算して車軸両端におけるそれぞれの車軸中心位置を求めることができる効果がある。尚、本実施例では、2個の距離センサを用いているが、1個でもそれを移動させて用いることにより2個の場合と同様に測定できる。
【実施例2】
【0036】
図7は本発明に係る他の車軸探傷装置の全体構成図である。図7に示すように、車軸探傷装置は、検査対象の車軸1は、車輪2、2aを有し、レール6、6a上に搭載されている。図7に示すように、探傷ヘッド5、5aを、上下、左右、前後及び回転させるための駆動装置4、4a、探傷ヘッド5、5aに配置された探触子にパルス信号を送信および超音波エコーを受信するための超音波探傷器31、車軸端面に探傷ヘッドを押し付けるためのエアーシリンダ駆動用の空気圧縮機供給ユニット32、探傷データの収録処理装置22、探傷データを処理するためのデータ処理部23と、演算処理部24、駆動装置4、4a、超音波探傷器31、圧縮空気供給ユニット32を制御するための操作スイッチ付き制御部25から構成される。データ処理部の処理結果は表示装置21に表示される。
【0037】
又、実施例1と同様に、距離センサ8、8aが車軸1の軸長方向に所定の間隔で設けられ、距離センサ8、8aで測定されたデータを基に車軸端部中心に対する探傷ヘッド5、5a中心との高低差を演算処理部24で演算し、その演算結果を基に車軸1の端部中心と探傷ヘッド5、5aの中心との高さ方向の位置決めが駆動装置4、4aによって行なわれる。本実施例においても、距離センサ8、8aによって車軸の高さが測定され、両端での高さ方向での各中心位置が求められるので、その後の左右の車軸1の端部中心と探傷ヘッド5、5aの中心位置を駆動装置4、4aによって簡単に合わせることができる。
【0038】
図8は、探傷時において車輪が移動しないように固定するための車輪固装置を示す図である。図8(a)は車輪固定装置の正面図及び図8(b)は車輪の固定状態を示した斜視図である。図8に示すように、車輪1は、レール6に乗ったまま車輪固定装置にて固定される。車輪固定装置は、2個の車輪保持ガイド72a、72bがそれぞれ車輪2を所定の停止位置を決めるための位置決めアーム9bと、可動アーム9aに設けられる。位置決めアーム9bと、可動アーム9aとはアーム固定具9に設けられる。先ず、車輪2を位置決めアーム9bの車輪保持ガイド72bに押し付け、次に可動アーム9aの車輪保持ガイド72bを挿入して固定するものである。いずれの車輪保持ガイド72a、72bも車輪2に対してV字型となるように、車輪2との接触面が車輪2の傾斜に沿って傾斜した構造を有する。本車輪固定装置においても、その位置を車輪2の回転中心に固定することにより実施例1と同様に車輪2がその回転中心に固定することができる。
【0039】
図9は、本発明に係る探傷ヘッドの平面図である。図9に示すように、探傷ヘッドは、3個の探触子54、探傷基準穴13を検出するための近接センサ55、探触子54探傷面との距離を測定する距離センサ56を有し、探触子54はいずれもベース面と同じ面になっている。又、探傷ヘッドの裏側は各センサのケーブルが設けられている。
【0040】
図10は、車軸センタ穴中心位置の検出手順を示す図であり、図10(a)が車軸端部を側面から見た一部断面図、図10(b)が車軸端面における左右方向の車軸中心位置の求め方を示した平面図である。図10(a)に示すように、車軸1の探傷部は車軸端部における探傷面11、車軸センタ穴12、探傷面11に加工された探傷基準穴13を有する。車軸1の中心位置を検出する距離センサ56が図7に示す探傷ヘッド5の先端部中心に設けられている。距離センサ56によって車軸センタ穴12に対してL1及びL2の各位置が検出され、その後にそれらの距離から戻り量が算出され、車軸1の中心位置が求められる。その値を基に駆動装置によって探傷ヘッド5が探傷面11に設定される。
【0041】
図11は、本実施例の探傷ヘッドの駆動装置を示す斜視図である。本駆動装置は、探傷ヘッド5を車軸1に押付けたときの衝撃を吸収すると共に探傷面の圧力を一定とするための押圧手段のエアシリンダ41、各ケーブルを巻き取るケーブル巻き取り部42、探傷ヘッド5,5aと共に回転機構部43を前後に移動させるための前後移動テーブル44、前後移動テーブル44を左右に移動させるための左右移動テーブル45、左右移動テーブル45を上下に移動させるための上下移動テーブル46、上下移動テーブル46を上下に駆動させる上下駆動手段を有する。
【0042】
次に各動作について説明する。駆動装置4と駆動装置4aの動作は同一のため、駆動装置4について動作を説明する。始めに、図8に示すように、車輪2を車輪固装置の位置決めアーム9bの車輪保持ガイド72bに押し当てた後、可動アーム9aを回して車輪保持ガイド72aを車輪2に対してしっかりと押し付けて固定する。
【0043】
次に、図9に示す探触子54と図10に示す探傷面11の音響結合をさせるための油を探触子54及び探傷面11に塗布する。各探触子54はそれぞれ探傷位置が設定された角度に向けられて設定される。
【0044】
次に、図7に示す制御部25に取付けられている探傷開始スイッチを押すと駆動装置4は図11に示す上下移動テーブル46を制御し、新品車輪の中心位置まで距離センサ56を移動させる。次に左右移動テーブル45を制御し図10(b)に示す開始点a1から終了点a2まで距離センサ56を移動させる。このとき、開始点a1、終了点a2及び距離センサ56で検出した車軸センタ穴12の変異点L1、L2の位置情報を演算処理部24に送る。高さ方向については、距離センサ8、8aによって測定され、車軸中心が設定せれており、その位置情報を演算処理部24に送る。
【0045】
図7に示す演算処理部24は得られた車軸センタ穴12の変異点L1、L2の位置情報と予め設定されている探傷ヘッド5、距離センサ56との位置関係から探傷ヘッド5の中心を車軸1の中心に一致させるための移動量を演算し制御部25に送る。制御部25は図11に示す上下移動テーブル46、左右移動テーブル45を制御して演算処理部24で求めた移動量だけ探傷ヘッド5を移動させ、車軸中心と探傷ヘッド5の中心を一致させる。
【0046】
次に、制御部25は前後移動テーブル44を制御し、探傷ヘッド5を探傷面11に近づけたのち探傷ヘッド押付け用エアシリンダ41を駆動して探傷ヘッド5を探傷面11に押付ける。
【0047】
次に、回転機構部43を回転させ、車軸1に加工されている探傷基準穴13を検出し探傷開始位置を設定する。
【0048】
次に、探傷開始位置から探傷ヘッド5を回転機構部43により360°回転させ、超音波探傷器31により探傷しながらデータ処理部23で探傷波形を処理し欠陥の有無を判断すると共に表示装置21に出力する。ケーブル巻取り部42は探傷ヘッド5の回転によるケーブル長の過不足を調整すると共に駆動装置4へのケーブル巻き付きを防ぐことができる。
【0049】
本実施例においても、実施例1と同様に、車軸左右の位置決め時間の短縮と共に、制御系のシステム構築時間短縮及び車軸に軸箱本体を取り付けた状態で車軸中心位置を検出することで車軸検査工数の低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明に係る車軸探傷装置を示す全体構成図である。
【図2】本発明に係る探傷ヘッドを駆動させる駆動装置の斜視図である。
【図3】本発明に係る探傷前後の探傷ヘッドと車軸端部の断面図である。
【図4】本発明に係る車輪固定装置とその動作を示す構成図である。
【図5】本発明に係る探傷ヘッドの斜視図である。
【図6】本発明の動作を示すフロー図である。
【図7】本発明に係る車軸探傷装置を示す全体構成図である
【図8】本発明に係る車輪固装置を示す構成図である
【図9】本発明に係る探傷ヘッドの探触子の配置を示す平面図である
【図10】本発明に係る車軸探傷装置における車軸センタ穴中心位置の検出手順を示す図である。
【図11】本発明に係る装置の探傷ヘッドを駆動させる駆動装置の斜視図である。
【符号の説明】
【0051】
1…車軸、11、11a…探傷面、12…車軸センタ穴、13…探傷基準穴、2、2a…車輪、21…表示装置、22…収録処理装置、23…データ処理部、24…演算処理部、25…制御部、3、3a…軸箱、31…超音波探傷器、32…圧縮空気供給ユニット、33…油供給ユニット、4、4a…駆動装置、41…エアシリンダ、42…ケーブル巻取り部、43…回転機構部、44…前後移動テーブル、45…左右移動テーブル、46…上下移動テーブル、5、5a…探傷ヘッド、51…突起、52…油保持溝、53…油供給穴、53a…油供給チューブ、54…探触子、54a…探触子ケーブル、55…近接センサ、55a…近接センサケーブル、56…距離センサ、6、6a…レール、7、7a…車輪固定装置、71…車輪固定用エアシリンダ、72…車輪保持機構、72a、72b…車輪保持ガイド、8、8a…距離センサ、9…アーム固定具、9a…可動アーム、9b…位置決めアーム、L1…車軸センタ穴端部、L2…車軸センタ穴端部、L3…車軸センタ穴端部、L4…車軸センタ穴端部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車輪を有する車軸をその端面で探傷ヘッドにより超音波探傷する車軸探傷装置において、前記車輪をレール上にて固定する車輪固定装置と、前記車軸の軸長方向に対して間隔を設けて前記車軸の高さを複数個所測定可能に配置した距離センサと、該距離センサで測定して得られた複数のデータを基に前記車軸中心に対する前記探傷ヘッド中心との高低差を演算する演算処理部と、前記車軸中心に対して前記探傷ヘッド中心の位置決めを行う位置決め装置とを有することを特徴とする車軸探傷装置。
【請求項2】
請求項1において、前記位置決め装置は、前記探傷ヘッドと、該探傷ヘッドを固定し前記車軸端面に対する衝撃を吸収し所定の圧力で押圧する押圧手段と、前記探傷ヘッド及び押圧手段を回転させる回転機構部と、該回転機構部を搭載し前記探傷ヘッド及び押圧手段と共に前記車軸方向に移動可能な前後移動テーブルと、該前後移動テーブルを前後に移動させる前後駆動手段と、前記前後移動テーブル及び前後駆動手段を搭載する上下移動テーブルと、該上下移動テーブルを上下に移動させる上下駆動手段とを有することを特徴とする車軸探傷装置。
【請求項3】
請求項2において、前記位置決め装置は、前記前後移動テーブルを搭載し左右に移動させる左右移動テーブルと、該左右移動テーブルを左右に移動させる左右駆動手段とを有することを特徴とする車軸探傷装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかにおいて、前記車輪固定装置は、前記レール上で前記車輪の回転を阻止する2個の車輪固定具と、該車輪固定具を上下移動させる上下移動手段とを有することを特徴とする車軸探傷装置。
【請求項5】
車輪を有する車軸をその端面で探傷ヘッドにより超音波探傷する車軸探傷方法において、前記車輪をレール上で固定する工程と、前記車輪の内側における前記車軸の高さを軸方向に対して複数箇所測定する工程と、該測定して得られたデータを基に前記車軸中心に対する前記探傷ヘッド中心との高低差を求め、該求められた値に基づいて前記車軸中心に対して前記探傷ヘッド中心の位置決めを行う工程と、前記超音波探傷を行う工程とを順次有することを特徴とする車軸探傷方法。
【請求項1】
車輪を有する車軸をその端面で探傷ヘッドにより超音波探傷する車軸探傷装置において、前記車輪をレール上にて固定する車輪固定装置と、前記車軸の軸長方向に対して間隔を設けて前記車軸の高さを複数個所測定可能に配置した距離センサと、該距離センサで測定して得られた複数のデータを基に前記車軸中心に対する前記探傷ヘッド中心との高低差を演算する演算処理部と、前記車軸中心に対して前記探傷ヘッド中心の位置決めを行う位置決め装置とを有することを特徴とする車軸探傷装置。
【請求項2】
請求項1において、前記位置決め装置は、前記探傷ヘッドと、該探傷ヘッドを固定し前記車軸端面に対する衝撃を吸収し所定の圧力で押圧する押圧手段と、前記探傷ヘッド及び押圧手段を回転させる回転機構部と、該回転機構部を搭載し前記探傷ヘッド及び押圧手段と共に前記車軸方向に移動可能な前後移動テーブルと、該前後移動テーブルを前後に移動させる前後駆動手段と、前記前後移動テーブル及び前後駆動手段を搭載する上下移動テーブルと、該上下移動テーブルを上下に移動させる上下駆動手段とを有することを特徴とする車軸探傷装置。
【請求項3】
請求項2において、前記位置決め装置は、前記前後移動テーブルを搭載し左右に移動させる左右移動テーブルと、該左右移動テーブルを左右に移動させる左右駆動手段とを有することを特徴とする車軸探傷装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかにおいて、前記車輪固定装置は、前記レール上で前記車輪の回転を阻止する2個の車輪固定具と、該車輪固定具を上下移動させる上下移動手段とを有することを特徴とする車軸探傷装置。
【請求項5】
車輪を有する車軸をその端面で探傷ヘッドにより超音波探傷する車軸探傷方法において、前記車輪をレール上で固定する工程と、前記車輪の内側における前記車軸の高さを軸方向に対して複数箇所測定する工程と、該測定して得られたデータを基に前記車軸中心に対する前記探傷ヘッド中心との高低差を求め、該求められた値に基づいて前記車軸中心に対して前記探傷ヘッド中心の位置決めを行う工程と、前記超音波探傷を行う工程とを順次有することを特徴とする車軸探傷方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−105634(P2006−105634A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−289460(P2004−289460)
【出願日】平成16年10月1日(2004.10.1)
【出願人】(390023928)日立エンジニアリング株式会社 (134)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年10月1日(2004.10.1)
【出願人】(390023928)日立エンジニアリング株式会社 (134)
【Fターム(参考)】
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