説明

車載装置

【課題】特定の場面における音声認識の認識率を向上させることができる車載装置10を提供する。
【解決手段】本発明の車載装置10は、予め登録されたスケジュールに対応する時間帯に音声認識を行う場合には、当該スケジュールのジャンルに対応する辞書を用いて音声認識を行うか、あるいは、当該スケジュールのジャンルに対応する単語の尤度を上げることにより、当該スケジュールのジャンルに対応する単語が認識されやすいようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載され、音声により入力されるコマンドを実行する車載装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、音声によりコマンドを入力することができる音声認識装置を備えたカーナビゲーションシステムが開示されている。特許文献1の音声認識装置は、雑音が混在した入力音声から雑音を除去することにより、音声認識率を向上させている。
【0003】
【特許文献1】特開平11−15494号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、たとえ雑音の少ない環境であったとしても、入力された音声から、当該音声が意味する単語を正しく認識することができない場合がある。音声が意味する単語が正しく認識される割合である認識率の更なる向上が求められている。
【0005】
本発明は上記事情を鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、特定の場面における音声認識の認識率を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の車載装置は、予め登録されたスケジュールに対応する時間帯に音声認識を行う場合には、当該スケジュールのジャンルに対応する単語が認識されやすいようにする。
【0007】
例えば、本発明の第一の態様は、車両に搭載される車載装置であって、登録されている少なくとも一部の単語が異なる複数の辞書のそれぞれを、ジャンルを示すジャンル情報に対応付けて格納する辞書格納手段と、スケジュールを、当該スケジュールに対応するジャンル情報と共に格納するスケジュール格納手段と、現在の日時が、スケジュール格納手段に格納されたスケジュールで示される時間帯にある場合に、当該スケジュールに対応するジャンル情報を出力するスケジュール管理手段と、スケジュール管理手段から出力されたジャンル情報に対応する辞書格納手段内の辞書を用いて音声認識処理を実行する音声認識手段とを備えることを特徴とする車載装置を提供する。
【0008】
また、本発明の第二の態様は、車両に搭載される車載装置であって、それぞれの単語を1つ以上のジャンルを示すジャンル情報に対応付けて格納する辞書格納手段と、スケジュールを、当該スケジュールに対応するジャンル情報と共に格納するスケジュール格納手段と、現在の日時が、スケジュール格納手段に格納されたスケジュールで示される時間帯にある場合に、当該スケジュールに対応するジャンル情報を出力するスケジュール管理手段と、マイクを介して受信した音声の特徴量を算出し、算出した特徴量に基づいて、辞書格納手段に格納されているそれぞれの単語について、類似している割合が高いほど高い値を示す尤度を算出する尤度算出手段と、尤度算出手段によって算出されたそれぞれの単語の尤度の中で、スケジュール管理手段から出力されたジャンル情報に対応する辞書格納手段内の単語の尤度を予め定められた値増加させる尤度調整手段と、尤度調整手段によって尤度が調整された後に、それぞれの単語の尤度に基づいて、マイクを介して受信した音声に対応する単語を特定する単語特定手段とを備えることを特徴とする車載装置を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の車載装置によれば、特定の場面における音声認識の認識率を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
まず、本発明の第1の実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0011】
図1は、第1実施例における車載装置10の構成の一例を示すブロック図である。車載装置10は、車両に搭載され、辞書データ格納部11、尤度算出部12、単語特定部13、コマンド処理部14、スケジュールデータ格納部15、およびスケジュール管理部16を備える。尤度算出部12、単語特定部13、およびコマンド処理部14は、音声認識部を構成する。
【0012】
辞書データ格納部11には、例えば図2に示すように、ジャンルを示すジャンル情報110毎に、当該ジャンル情報110に対応する状況で使用される可能性の高い単語により構成される辞書データ111が格納されている。それぞれの辞書データには、単語毎に、その特徴量が登録されている。
【0013】
また、本実施形態においてそれぞれの辞書データは、例えば図3(a)に示すように、辞書毎に登録されている一部の単語が異なる。なお、他の例として、図3(b)に示すように、それぞれの辞書データには、まったく異なる単語が登録されるようにしてもよい。
【0014】
スケジュールデータ格納部15には、例えば図4に示すように、それぞれのスケジュールを識別するスケジュールID150毎に、当該スケジュールのジャンルを示すジャンル情報151、当該スケジュールの開始日時152、当該スケジュールの終了日時153、および当該スケジュールの内容が記述されるメモ154が格納される。
【0015】
スケジュール管理部16は、スイッチやタッチパネル等の入力装置21を介してユーザから受け付けたスケジュールのジャンル、開始日時、終了日時、およびメモを、スケジュールIDに対応付けてスケジュールデータ格納部15に登録する。
【0016】
また、スケジュール管理部16は、スケジュールデータ格納部15を参照して、現在の日時がスケジュールデータ格納部15に登録されているいずれかのスケジュールで示される時間帯に該当するか否かを監視し、現在の日時がスケジュールデータ格納部15に登録されているいずれかのスケジュールで示される時間帯に該当する場合に、該当するスケジュールのジャンルを示すジャンル情報を尤度算出部12へ出力すると共に、該当するスケジュールのメモ欄に登録されている内容を、スピーカ22および表示装置23の少なくともいずれか一方を介してユーザに通知する。
【0017】
なお、現在の日時がスケジュールデータ格納部15に登録されているいずれかのスケジュールで示される時間帯に該当する場合に、車速等の車両の状態を検出して通知する車両状態通知装置24から、車両が走行中であることを示す情報が出力されているならば、スケジュール管理部16は、該当するスケジュールのメモ欄に登録されている内容を、スピーカ22を介してユーザに通知する。
【0018】
また、スケジュール管理部16は、現在の日時が、スケジュールデータ格納部15内のいずれのスケジュールで示される時間帯にも該当しなくなった場合に、尤度算出部12へのジャンル情報の出力を停止する。すなわち、現在の日時がスケジュールデータ格納部15に登録されているいずれかのスケジュールで示される時間帯に該当するようになった場合に、スケジュール管理部16は、現在の日時が他のスケジュールで示される時間帯に該当するようになるまで、あるいは、いずれのスケジュールで示される時間帯にも該当しなくなるまで、該当するスケジュールのジャンル情報を尤度算出部12へ出力し続ける。
【0019】
また、現在の日時がスケジュールデータ格納部15内のいずれのスケジュールで示される時間帯にも該当しなくなった場合に、スケジュール管理部16は、現在の日時がスケジュールデータ格納部15内のいずれかのスケジュールで示される時間帯に該当するようになるまで、尤度算出部12へのジャンル情報の出力を停止し続ける。
【0020】
尤度算出部12は、入力装置21を介してユーザから音声認識処理の開始を指示された場合に、マイク20を介して音声信号を取り込み、取り込んだ音声信号から音節毎の特徴量を抽出する。そして、尤度算出部12は、辞書データ格納部11を参照して、スケジュール管理部16から受信したジャンル情報に対応する辞書データを特定する。
【0021】
そして、尤度算出部12は、マイク20から取り込んだ音声信号の特徴量と、特定した辞書データ内のそれぞれの単語の特徴量とを比較して、類似している割合が高いほど高い値を示す尤度を算出する。そして、尤度算出部12は、特定した辞書データ内のそれぞれの単語と共に、対応する尤度を単語特定部13へ出力する。
【0022】
なお、尤度算出部12は、尤度の高い順に、所定個数(例えば10個)の単語を、対応する尤度と共に単語特定部13へ出力するようにしてもよい。また、尤度算出部12は、スケジュール管理部16からジャンル情報が出力されていない間に、ユーザから音声認識処理の開始を指示された場合、辞書データ格納部11内の全ての辞書データを用いて音声認識処理を実行する。この場合、辞書データ格納部11内にジャンル情報が出力されていない場合に用いられる辞書データを登録しておき、これを用いて音声認識を行うようにしてもよい。
【0023】
単語特定部13は、尤度算出部12から出力された尤度に基づいて、音声信号に対応する単語を特定し、特定した単語をコマンド処理部14へ出力する。コマンド処理部14は、単語特定部13から出力された単語により特定されるコマンドを実行する。
【0024】
単語特定部13は、例えば、尤度算出部12から出力された尤度が最も高い単語を音声信号に対応する単語として特定する。また、他の例として、単語特定部13は、直前に尤度算出部12から出力された尤度の高い単語や、その後に尤度算出部12から出力された尤度の高い単語との前後関係も加味して音声信号に対応する単語を特定するようにしてもよい。
【0025】
図5は、第1実施例における車載装置10の動作の一例を示すフローチャートである。搭載されている車両のエンジンが始動する等の所定のタイミングで、車載装置10は、本フローチャートに示す動作を開始する。なお、スケジュールデータ格納部15には、入力装置21を介してユーザから予めスケジュールデータが登録されているものとする。
【0026】
まず、スケジュール管理部16は、スケジュールデータ格納部15を参照して、現在の日時がスケジュールデータ格納部15に登録されているいずれかのスケジュールで示される時間帯に該当するか否かを判定する(S100)。現在の日時がスケジュールデータ格納部15に登録されているいずれのスケジュールで示される時間帯にも該当しない場合(S100:No)、スケジュール管理部16は、ジャンル情報の出力を停止し(S102)、尤度算出部12は、ステップS103に示す処理を実行する。
【0027】
現在の日時がスケジュールデータ格納部15に登録されているいずれかのスケジュールで示される時間帯に該当する場合(S100:Yes)、スケジュール管理部16は、該当するスケジュールのジャンル情報を尤度算出部12へ出力すると共に、該当するスケジュールのメモ欄に登録されている内容を、スピーカ22および表示装置23の少なくともいずれか一方を介してユーザに通知する(S101)。
【0028】
このとき、車両状態通知装置24から車両が走行中であることを示す情報が出力されているならば、スケジュール管理部16は、該当するスケジュールのメモ欄に登録されている内容を、スピーカ22を介してユーザに通知する。また、スケジュール管理部16は、当該メモ欄に登録されている内容を既に通知済みの場合には、当該メモ欄に登録されている内容を通知しない。
【0029】
次に、尤度算出部12は、入力装置21を介して、ユーザから音声認識処理の開始を指示されたか否かを判定する(S103)。音声認識処理の開始を指示されていない場合(S103:No)、スケジュール管理部16は、再びステップS100に示した処理を実行する。
【0030】
音声認識処理の開始を指示された場合(S103:Yes)、尤度算出部12は、辞書データ格納部11を参照して、スケジュール管理部16から受信したジャンル情報に対応する辞書データを特定する(S104)。そして、尤度算出部12は、マイク20を介して音声信号を取り込み、取り込んだ音声信号から音節毎の特徴量を抽出する。
【0031】
次に、尤度算出部12は、マイク20から取り込んだ音声信号の特徴量と、ステップS104で特定した辞書データ内のそれぞれの単語の特徴量とを比較して、当該それぞれの単語について尤度を算出する(S105)。そして、尤度算出部12は、算出した尤度を、対応する単語と共に単語特定部13へ出力する。
【0032】
次に、単語特定部13は、尤度算出部12から出力された尤度に基づいて、音声信号に対応する単語を特定し、特定した単語をコマンド処理部14へ出力する(S106)。そして、コマンド処理部14は、単語特定部13から出力された単語により特定されるコマンドを実行する(S107)。
【0033】
次に、尤度算出部12は、入力装置21を介して、ユーザから音声認識処理の終了を指示されたか否かを判定する(S108)。音声認識処理の終了を指示されていない場合(S108:No)、尤度算出部12は、再びステップS105に示した処理を実行する。一方、音声認識処理の終了を指示された場合(S108:Yes)、スケジュール管理部16は、再びステップS100に示した処理を実行する。
【0034】
以上、本発明の第1の実施例について説明した。
【0035】
上記説明から明らかなように、本実施例の車載装置10によれば、特定の場面における音声認識の認識率を向上させることができる。
【0036】
次に、本発明の第2の実施例について説明する。
【0037】
図6は、第2実施例における車載装置10の構成の一例を示すブロック図である。車載装置10は、車両に搭載され、辞書データ格納部11、尤度算出部12、単語特定部13、コマンド処理部14、スケジュールデータ格納部15、スケジュール管理部16、および尤度調整部17を備える。なお、以下に説明する点を除き、図6おいて、図1と同じ符号を付した構成は、図1における構成と同一または同様の機能を有するため説明を省略する。
【0038】
辞書データ格納部11には、例えば図7に示すように、単語112毎に、当該単語112の特徴量113、および、当該単語112が使用される状況に対応するジャンルを示すジャンル情報114が格納されている。図7に示す例では、単語「aaa」は「会社」というジャンルに対応する状況において使用され、単語「ccc」は「会社」というジャンル、または、「記念日」というジャンルに対応する状況において使用されることが示されている。
【0039】
スケジュール管理部16は、スケジュールデータ格納部15を参照して、現在の日時がスケジュールデータ格納部15に登録されているいずれかのスケジュールで示される時間帯に該当するか否かを監視し、現在の日時がスケジュールデータ格納部15に登録されているいずれかのスケジュールで示される時間帯に該当する場合に、該当するスケジュールのジャンルを示すジャンル情報を尤度調整部17へ出力する。
【0040】
尤度算出部12は、入力装置21を介してユーザから音声認識処理の開始を指示された場合に、マイク20を介して音声信号を取り込み、取り込んだ音声信号から音節毎の特徴量を抽出する。そして、尤度算出部12は、マイク20から取り込んだ音声信号の特徴量と、辞書データ格納部11に登録されているそれぞれの単語の特徴量とを比較して、類似している割合が高いほど高い値を示す尤度を、それぞれの単語について算出する。
【0041】
そして、尤度算出部12は、それぞれの単語と共に、対応する尤度を単語特定部13へ出力する。なお、尤度算出部12は、尤度の高い順に、所定個数(例えば10個)の単語を、対応する尤度と共に単語特定部13へ出力するようにしてもよい。
【0042】
尤度調整部17は、尤度算出部12から複数の単語を尤度と共に受け取った場合に、スケジュール管理部16から出力されているジャンル情報に基づいて辞書データ格納部11を参照し、尤度算出部12から受け取った単語の中で、スケジュール管理部16から出力されているジャンル情報が対応付けられている単語の尤度を予め定められた値増加させる。
【0043】
そして、尤度調整部17は、尤度算出部12から受け取ったそれぞれの単語を、尤度と共に単語特定部13へ出力する。なお、スケジュール管理部16からジャンル情報が出力されていない場合、尤度調整部17は、尤度の調整を行わず、尤度算出部12から受け取った単語および尤度を、そのまま単語特定部13へ転送する。
【0044】
図8は、第2実施例における車載装置10の動作の一例を示すフローチャートである。搭載されている車両のエンジンが始動する等の所定のタイミングで、車載装置10は、本フローチャートに示す動作を開始する。なお、スケジュールデータ格納部15には、入力装置21を介してユーザから予めスケジュールデータが登録されているものとする。
【0045】
ステップS200からS203までの処理は、図5において説明したステップS100からS103までの処理と同様であるため説明を省略する。
【0046】
音声認識処理の開始を指示された場合(S203:Yes)、尤度算出部12は、マイク20を介して音声信号を取り込み、取り込んだ音声信号から音節毎の特徴量を抽出する。そして、尤度算出部12は、マイク20から取り込んだ音声信号の特徴量と、辞書データ格納部11に登録されているそれぞれの単語の特徴量とを比較して、類似している割合が高いほど高い値を示す尤度を、それぞれの単語について算出する(S204)。そして、尤度算出部12は、それぞれの単語と共に、対応する尤度を尤度調整部17へ出力する。
【0047】
次に、尤度調整部17は、スケジュール管理部16から出力されているジャンル情報に基づいて辞書データ格納部11を参照し、尤度算出部12から受け取った単語の中で、スケジュール管理部16から出力されているジャンル情報が対応付けられている単語の尤度を予め定められた値増加させる(S205)。そして、尤度調整部17は、尤度算出部12から受け取ったそれぞれの単語を、尤度と共に単語特定部13へ出力する。
【0048】
次に、単語特定部13は、尤度調整部17から出力された尤度に基づいて、音声信号に対応する単語を特定し、特定した単語をコマンド処理部14へ出力する(S206)。そして、コマンド処理部14は、単語特定部13から出力された単語により特定されるコマンドを実行する(S207)。
【0049】
次に、尤度算出部12は、入力装置21を介して、ユーザから音声認識処理の終了を指示されたか否かを判定する(S208)。音声認識処理の終了を指示されていない場合(S208:No)、尤度算出部12は、再びステップS204に示した処理を実行する。一方、音声認識処理の終了を指示された場合(S208:Yes)、スケジュール管理部16は、再びステップS200に示した処理を実行する。
【0050】
以上、本発明の第2の実施例について説明した。
【0051】
上記説明から明らかなように、本実施例においても、特定の場面における音声認識の認識率を向上させることができる。
【0052】
なお、上記した第1の実施例または第2の実施例における車載装置10は、例えば図9に示すような構成のコンピュータ30によって実現される。
【0053】
図9は、車載装置10の機能を実現するコンピュータ30のハードウェア構成の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ30は、CPU(Central Processing Unit)31、RAM(Random Access Memory)32、ROM(Read Only Memory)33、HDD(Hard Disk Drive)34、入力インターフェイス(I/F)35、出力インターフェイス(I/F)36、およびメディアインターフェイス(I/F)37を備える。
【0054】
CPU31は、ROM33またはHDD34に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM33は、コンピュータ30の起動時にCPU31が実行するブートプログラムや、コンピュータ30のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。HDD34は、CPU31によって実行されるプログラムを格納する。
【0055】
入力インターフェイス35は、マイク20、入力装置21、または車両状態通知装置24からの信号を受信してCPU31へ送る。CPU31は、入力インターフェイス35を介して、マイク20、入力装置21、および車両状態通知装置24を制御し、入力インターフェイス35を介して、マイク20、入力装置21、または車両状態通知装置24から信号を取得する。
【0056】
出力インターフェイス36は、CPU31から取得したデータを、スピーカ22または表示装置23へ出力する。CPU31は、出力インターフェイス36を介して、スピーカ22および表示装置23を制御し、生成したデータを、出力インターフェイス36を介してスピーカ22または表示装置23へ出力する。
【0057】
メディアインターフェイス37は、記録媒体38に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM32に提供する。RAM32を介してCPU31に提供されるプログラムは、記録媒体38に格納されている。当該プログラムは、記録媒体38から読み出されて、RAM32を介してコンピュータ30にインストールされ、CPU31によって実行される。記録媒体38は、例えばDVD(Digital Versatile Disk)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0058】
コンピュータ30が第1実施例の車載装置10として機能する場合、コンピュータ30にインストールされて実行されるプログラムは、コンピュータ30を、辞書データ格納部11、尤度算出部12、単語特定部13、コマンド処理部14、スケジュールデータ格納部15、およびスケジュール管理部16として機能させる。
【0059】
また、コンピュータ30が第2実施例の車載装置10として機能する場合、コンピュータ30にインストールされて実行されるプログラムは、コンピュータ30を、辞書データ格納部11、尤度算出部12、単語特定部13、コマンド処理部14、スケジュールデータ格納部15、スケジュール管理部16、および尤度調整部17として機能させる。
【0060】
コンピュータ30は、これらのプログラムを、記録媒体38から読み取って実行するが、他の例として、コンピュータ30に通信機能を設け、通信回線を介してこれらのプログラムを取得するようにしてもよい。
【0061】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
【0062】
例えば、上記した第2の実施例において、尤度算出部12は、スケジュール管理部16からのジャンル情報を受信し、スケジュール管理部16から受信したジャンル情報に対応しない単語については、尤度の算出対象としないようにしてもよい。これにより、尤度算出処理における処理負荷の低減および処理時間の短縮を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】第1実施例における車載装置10の構成の一例を示すブロック図である。
【図2】第1実施例において辞書データ格納部11に格納されるデータの構造の一例を示す図である。
【図3】辞書データ格納部11に格納されている各辞書に含まれる単語の関係を説明するための概念図である。
【図4】スケジュールデータ格納部15に格納されるデータの構造の一例を示す図である。
【図5】第1実施例における車載装置10の動作の一例を示すフローチャートである。
【図6】第2実施例における車載装置10の構成の一例を示すブロック図である。
【図7】第2実施例において辞書データ格納部11に格納されるデータの構造の一例を示す図である。
【図8】第2実施例における車載装置10の動作の一例を示すフローチャートである。
【図9】車載装置10の機能を実現するコンピュータ30の一例を示すハードウェア構成図である。
【符号の説明】
【0064】
10・・・車載装置、11・・・辞書データ格納部、110・・・ジャンル情報、111・・・辞書データ、112・・・単語、113・・・特徴量、114・・・ジャンル情報、12・・・尤度算出部、13・・・単語特定部、14・・・コマンド処理部、15・・・スケジュールデータ格納部、150・・・スケジュールID、151・・・ジャンル情報、152・・・開始日時、153・・・終了日時、154・・・メモ、16・・・スケジュール管理部、17・・・尤度調整部、20・・・マイク、21・・・入力装置、22・・・スピーカ、23・・・表示装置、24・・・車両状態通知装置、30・・・コンピュータ、31・・・CPU、32・・・RAM、33・・・ROM、34・・・HDD、35・・・入力インターフェイス、36・・・出力インターフェイス、37・・・メディアインターフェイス、38・・・記録媒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される車載装置であって、
登録されている少なくとも一部の単語が異なる複数の辞書のそれぞれを、ジャンルを示すジャンル情報に対応付けて格納する辞書格納手段と、
スケジュールを、当該スケジュールに対応するジャンル情報と共に格納するスケジュール格納手段と、
現在の日時が、前記スケジュール格納手段に格納されたスケジュールで示される時間帯にある場合に、当該スケジュールに対応するジャンル情報を出力するスケジュール管理手段と、
前記スケジュール管理手段から出力されたジャンル情報に対応する前記辞書格納手段内の辞書を用いて音声認識処理を実行する音声認識手段と
を備えることを特徴とする車載装置。
【請求項2】
車両に搭載される車載装置であって、
それぞれの単語およびその特徴量を1つ以上のジャンルを示すジャンル情報に対応付けて格納する辞書格納手段と、
スケジュールを、当該スケジュールに対応するジャンル情報と共に格納するスケジュール格納手段と、
現在の日時が、前記スケジュール格納手段に格納されたスケジュールで示される時間帯にある場合に、当該スケジュールに対応するジャンル情報を出力するスケジュール管理手段と、
マイクを介して受信した音声の特徴量を算出し、算出した特徴量に基づいて、前記辞書格納手段に格納されているそれぞれの単語について、類似している割合が高いほど高い値を示す尤度を算出する尤度算出手段と、
前記尤度算出手段によって算出されたそれぞれの単語の尤度の中で、前記スケジュール管理手段から出力されたジャンル情報に対応する前記辞書格納手段内の単語の尤度を予め定められた値増加させる尤度調整手段と、
前記尤度調整手段によって尤度が調整された後に、それぞれの単語の尤度に基づいて、マイクを介して受信した音声に対応する単語を特定する単語特定手段と
を備えることを特徴とする車載装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の車載装置であって、
前記スケジュール管理手段は、
現在の日時が、前記スケジュール格納手段に格納されたスケジュールで示される時間帯になった場合に、当該スケジュールの内容を通知することを特徴とする車載装置。
【請求項4】
請求項3に記載の車載装置であって、
前記スケジュール管理手段は、
現在の日時が、前記スケジュール格納手段に格納されたスケジュールで示される時間帯になった場合に、前記車両が走行中であれば、当該スケジュールの内容を、前記車両に設けられたスピーカを介して音声により通知することを特徴とする車載装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−92975(P2009−92975A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−264131(P2007−264131)
【出願日】平成19年10月10日(2007.10.10)
【出願人】(591132335)株式会社ザナヴィ・インフォマティクス (745)
【Fターム(参考)】