説明

車輌用ガラスの霜取り器

【課題】 本発明は、冬の屋外に駐車されている車輌のガラスに、霜や氷雪が凍結しているのを、エンジンや排気ガスの熱エネルギーを利用することにより、誰でも低コストで手軽に溶解除去する道具を提供する。
【解決手段】 蓄熱体を、高温のエンジンや排気管に接触させ、熱エネルギーを蓄え、それを耐熱布を仲介して、車輌のフロントガラスの凍結した水分を溶解し、除去するものである。
その作業が行いやすいように、蓄熱体には柄を設け、更に鉄にくっつけ、手放しで他の作業を行えるよう、磁石を隣接した。
また、大型車輌では、排気管の途中では距離があって届かず、車輌の後部から、排気管内に、蓄熱体も入れることによって、熱エネルギーを取り出せるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車輛用ガラスに霜や氷雪が凍結した時、主に熱によって溶解除去する霜取り器である。
【背景技術】
【0002】
従来は、ヘラ状のもので削り取るか、氷解スプレーで溶解除去するか、暖房熱で車内より熱で溶解除去するかであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−051385
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ヘラ状のもので凍結物を削り取る方式の課題は、車のフロントガラスに正面からボンネットが邪魔をして向き合えないので、力をヘラに加えようとしても加えにくい。つまり作業効率が上がらない点、また、ヘラの刃先が硬い金属でないため、刃先の磨耗劣化が早く、これまた作業効率が上がらない。
次に、スプレーで溶解する方式のものは、溶解熱は瞬時に低下し持続性がないため、スプーで溶液を出し続けないと、溶かす尻から凍ってしまい、かなり高いコストを必要とする課題があった。
次に特許文献の、ヒートポンプを使う方式においても、ヒートポンプの普及率が低いこと、外出先にヒートポンプがある確率は皆無に近く、極めて限られた人を対象とする技術であって、一般的とはいえない。
そこで、それらの課題を解消し、広く世の中に普及させ、多くの人に、作業効率の改善によって、労力・コスト・時間の無駄を省こうとするのが、本発明である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、エンジンから出るところの高温の排気ガスを、蓄熱性の高い材料を直接当てがうことによって熱量をもらいうけ、その熱量を耐熱布を介して、徐々にフロントガラスに移行させることによって、凍結した霜や雪を溶解除去するものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、高い温度の熱源から多くのエネルギーを取り込み蓄えられるので、かなり厳しい寒さの地区であっても、短時間でフロントガラスの凍結物を除去できるものである。更にその作業は軽く撫でるように行えば良く、朝の時間に追われる出勤時、多くの人々に時間の余裕と、心の余裕さえも与えることが出来、雪路での交通事故の削減に、更にはアイドリングの減少から、環境の面からも寄与してくれるものと思われる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の第1案の斜視図である
【図2】図1の背面からみた斜視図である
【図3】図1の背面からみた斜視図である
【図4】本発明の第2案の斜視図である
【図5】図4の骨格の斜視図である
【図6】本発明の使用状態を車輌腹部を下方よりみた平面図である
【図7】本発明を使用するときの方法を図示した正面図である
【図8】本発明を使用したときの斜視図である
【図9】本発明の第3案の斜視図である
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について、図面を追いながら詳細に説明すると、図1は霜取り器全体の斜視図であって、蓄熱体(1)の両側に磁石(2)を配置し、それらに柄(5)を通して、磁石(2)によって鉄である排気管(15)やエンジン(14)に直接くっつけ、熱エネルギーをもらい蓄熱するものである。
蓄熱した熱を直接フロントガラスに当てると、急激な温度変化をガラスに与え損傷する可能性があること、また、せっかく蓄熱した熱が無駄に放熱され、温度が下がるのを防ぐためにも、耐熱布(3)で蓄熱部を包んだうえで、フロントガラスに当て、その温かさによって凍結部を、溶解し除去しようとするものである。
図2は、図1の背面方向からみた図であって、耐熱布(3)の上に新たに防水カバー(7)と、感熱変色シート(8)を、追加したものを図示している。防水カバー(7)を加えたのは、耐熱布(3)が凍結部を溶解したとき、その水分を吸収すると、今まで熱の伝達がゆっくりであったものが、水分をもつことによって、急激にその伝達が速くなり、ガラスにも急激な温度変化が伝わり危険であるからである。また、感熱変色シート(8)を付け加えたも、蓄熱をやりすぎて危険性のある温度まで、温度が上昇しすぎたとき、その危険性を色で警告出来るようにしたものである。
図3は、防水カバー(7)に穴(9)を設けたものであって、その理由は、その穴の数と面積によって、熱の伝達量を調節しようとするものである。すなわち、穴が多いと水分を沢山吸収し、熱の伝わるスピードが上昇し、作業が早く終了することになる。が、反面、機敏に的確に作業しないと、かえって作業効率が落ちてしまうことにもなる。
図4は、蓄熱体(1)を小石(12)にすることによって柔軟性を高めて、相手側の凹凸に対応しやすくしたのが一つの理由であり、もう一つは安価で錆びることがなく便利であるからである。
次に耐熱布(3)の厚みを左右相違させたのは、熱エネルギーを蓄えた直後は、耐熱布(3)が2重になって分厚くなっている部分で溶解し、蓄熱体(1)の温度が低下すれば、薄い部分を当てて、作業すればよいように選択出来るよう配慮し、作業効果の向上を計ったものである。
図5は、図4の骨格を図示したものでシンプルで、製造コストを低く抑えんがために考えた構造である。
図6は、車輌の腹部を地面側からみた平面図であり、エンジン(14)から、排気管(15)を通って、高温の排気ガスが流れて行く様子がわかるように図示したもので、その途中に霜取り器本体(13)を、くっつけた状態を現している。
図7は、霜取り器本体(13)を車体(18)の下部から差し入れ、排気管(15)に磁石によってくっつけ、高温の熱エネルギーを吸収し、蓄熱体(1)に蓄えようとしているところである。
その作業を行うとき毎回、車体の底部を覗きみるのも不便なので、車体(18)に、目印(20)をつけ、霜取り器の可動柄(4)にも目印になる可動磁石(19)をつけ、両者が出会ったところの先に、霜取り器本体(13)を進めれば、くっつけるべき排気管(15)があって、容易にその作業ができるよう、工夫したものである。
図8は、図7のでやった方法が取りづらい車種や、苦手の人にとって別の方法を提供しようと思い、考えた方法で、ボンネット(23)をあけ、エンジンから出たところの排気管(15)集合部に、ボンネット(23)に磁石(2)、でフック連合体(24)を、任意の場所にセットして、そこに霜取り器本体(13)をぶら下げ、熱エネルギーを吸収しようとするものである。
図9は、トラック後部を図示したもので、排気管(15)が、車体中央部を通っていて、霜取り器が届かない場合等、大型の車輌に適した方法で、蓄熱体(1)を排気管(15)の外だけでなく、中に入れて熱エネルギーを吸収蓄熱する方法であり、それを図示したものである。尚、棒状の蓄熱体(1)の一部を平面に削って、排気管(15)の外でも使えるようになっている。
【符号の説明】
【0009】
1 蓄熱体 11 網 21 破断線
2 磁石 12 小石 22 フロントガラス
3 耐熱布 13 霜取り器本体 23 ボンネット
4 可動柄 14 エンジン 24 フック連合体
5 柄 15 排気管 25 袋
6 ミシン目 16 マフラー
7 防水カバー 17 タイヤ
8 感熱変色シート 18 車体
9 穴 19 可動磁石
10 耳 20 目印

【特許請求の範囲】
【請求項1】
柔軟性のない蓄熱体に、柄を取り付けた霜取り器。
【請求項2】
柔軟性のある蓄熱体に、柄を取り付けた霜取り器。
【請求項3】
蓄熱体を細長く棒状にして、柄をつけた霜取り器。
【請求項4】
蓄熱体の近くに磁石を設置し、鉄にくっつくようにした請求項1、及び請求項2、及び請求項3の霜取り器。
【請求項5】
蓄熱体の片面、または、全面を耐熱布で包むように出来る、請求項1、及び請求項2、及び請求項3の霜取り器。
【請求項6】
蓄熱体を包む耐熱布の厚さを2種類以上とし、そのどちらかを選択して使用出来るようにした請求項1、及び請求項2、及び請求項3の霜取り器。
【請求項7】
蓄熱体を包む耐熱布に、防水カバーをつけた請求項1、及び請求項2、及び請求項3の霜取り器。
【請求項8】
蓄熱体を包む耐熱布の防水カバーに穴を設けた請求項1、及び請求項2、及び請求項3の霜取り器。
【請求項9】
蓄熱体に付いている柄に、可動可能な磁石を取り付けた請求項1、及び請求項2の霜取り器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−63754(P2013−63754A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−222337(P2011−222337)
【出願日】平成23年9月16日(2011.9.16)
【出願人】(597028265)
【Fターム(参考)】