説明

軌跡制御装置

【課題】コーナ形状のように指令経路の方向が急峻に変化するような場合でも駆動系に過大な負荷や振動を生じさせずに、また制御系の安定性を損なうことなく軌跡誤差を抑制すること。
【解決手段】複数の可動軸のモータを同時制御することにより可動部の軌跡を制御する軌跡制御装置10において、サーボ系応答軌跡を演算するサーボ系応答軌跡算出部1と、誤差ベクトルを演算する誤差ベクトル算出部2と、誤差ベクトルとサーボ系応答軌跡の所定の参照点における移動方向に基づいて補正ベクトルを演算する補正ベクトル演算部3と、補正ベクトルを各軸に分配して各可動軸の補正量を演算する各軸補正量演算部4と、各可動軸の補正量を対応する軸の位置指令に加算する補正量加算部5、6と、各可動軸の位置がそれぞれの軸の補正後位置指令に追従するように各軸のモータ駆動トルクを出力することによりそれぞれの軸のモータを制御するサーボ制御部7、8を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工作機械やレーザ加工機等において、指令形状にかかわらず軌跡誤差や追従誤差を抑制し高速高精度加工を実現する軌跡制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
工作機械やレーザ加工機等の機械を用いて加工を行う場合、工作物に対する工具の位置が指令された経路上を沿うように制御することが行われる。この制御は軌跡制御と呼ばれ、一般に機械の各可動軸の実際の位置が指令経路から求めた各可動軸の位置指令に追従するようにサーボ制御を行うことにより行われる。
【0003】
軌跡制御を行う上での問題点として、各可動軸の制御系の応答遅れなどに起因して、実際の軌跡が指令された経路からずれてしまうという問題がある。通常は機械の各可動軸ごとに制御を行うため、各軸の制御系の応答遅れなどに起因する誤差により、各可動軸のサーボ系応答が位置指令よりも遅れて移動する。直線のように指令経路の移動方向が変化しない場合には各軸が遅れて移動しても、サーボ系応答の軌跡としては指令経路上から外れない。つまり、指令経路の接線方向に誤差が現れるが、指令経路の法線方向の誤差は現れない。
【0004】
一方、曲線やコーナ形状などのように指令経路の移動方向が変化する場合には、各軸のサーボ制御系の遅れにより、指令経路の法線方向に誤差が現れるようになる。以下では、サーボ系応答位置の位置指令に対する誤差のうち、指令経路の接線方向の成分を追従誤差、指令経路の法線方向の成分を軌跡誤差と呼ぶ。一般に、軌跡誤差があると、加工形状が本来の形状と一致しなくなるため好ましくない。また、追従誤差は、加工形状には直接影響を与えないため、軌跡誤差に比べると許容される場合が多いが、追従誤差が過大であると加工時間が延びることになり好ましくない。これらの軌跡誤差や追従誤差を抑制するため、これまでにいくつかの方法が開示されている。
【0005】
特許文献1では、ロボットの手先位置の制御において、所定のサンプリング時間先の手先の位置を推定し、推定した手先位置から目標軌道上に降ろした垂線ベクトルの分だけ位置指令を補正することにより、時間遅れを許容しながら、手先位置を目標軌道上に乗せることにより軌跡誤差を抑制する方法が開示されている。
【0006】
また、非特許文献1では、サーボ系の応答誤差を指令経路の接線方向と法線方向とに分解し、それぞれの方向の成分に個別のゲインを乗算して得られた制御入力を用いてフィードバック制御を行うことにより、追従誤差と軌跡誤差とを独立して制御する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−15431号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】精密工学会誌 Vol.74 No.11 pp.1193−1198
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記特許文献1による方法では、指令経路に垂直な方向を補正の方向とするため、コーナ形状の指令のように指令経路の方向が急峻に変化するような場合には、補正量の方向が急峻に変化する。このため、補正後の位置指令が急激に変化し、機械がこの急激に変化する指令に追従しようとして駆動系に過大な負荷がかかったり、過剰な振動が発生したりするという問題があった。
【0010】
また、上記非特許文献1による方法では、指令経路に垂直な方向あるいは指令経路と同一の方向に制御入力を設定するため、コーナ形状の指令では特許文献1の場合と同様に機械を含む駆動系への過大な負荷や振動が発生するという問題があった。
【0011】
上記のような問題のため、コーナ形状の指令のように指令経路の方向が急峻に変化するような指令経路の場合には従来の方法は適用できないという問題があった。
【0012】
また、特許文献1による方法では追従誤差を抑制する効果はなく、非特許文献1による方法では、サーボ系応答誤差をフィードバックするため、制御系が不安定になる可能性があるという問題があった。
【0013】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、コーナ形状のように指令経路の方向が急峻に変化するような場合でも駆動系に過大な負荷や振動を生じさせずに、また制御系の安定性を損なうことなく軌跡誤差を抑制することが可能な軌跡制御装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の軌跡制御装置は、機械の可動部が複数の可動軸によって駆動され、前記複数の可動軸のモータを同時制御することにより前記可動部の軌跡を制御する軌跡制御装置において、前記複数の可動軸のうちの少なくとも2以上の可動軸の位置指令に基づいてサーボ系応答軌跡を演算するサーボ系応答軌跡算出部と、前記位置指令と前記サーボ系応答軌跡とに基づいて誤差ベクトルを演算する誤差ベクトル算出部と、前記誤差ベクトルと前記サーボ系応答軌跡の所定の参照点における移動方向に基づいて補正ベクトルを演算する補正ベクトル演算部と、前記補正ベクトルを前記2以上の可動軸に分配して各可動軸の補正量を演算する各軸補正量演算部と、前記各可動軸の補正量をそれぞれ対応する可動軸の位置指令に加算して前記各可動軸ごとに補正後位置指令を求めるために前記各可動軸ごとに設けられた補正量加算部と、前記各可動軸の位置がそれぞれの前記補正後位置指令に追従するように各可動軸のモータ駆動トルクを出力することにより各可動軸のモータを制御するために前記各可動軸ごとに設けられたサーボ制御部を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、コーナ形状のように指令経路の方向が急峻に変化するような場合でも駆動系に過大な負荷や振動を生じさせずに、また制御系の安定性を損なうことなく軌跡誤差を抑制することが可能という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、本発明に係る軌跡制御装置の実施の形態1の概略構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、図1の軌跡制御装置に適用されるサーボ制御部の概略構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、本発明の実施の形態1における誤差ベクトル算出部と補正ベクトル演算部の動作を説明する図である。
【図4】図4は、本発明の実施の形態1における補正ベクトル演算部の動作を説明する図である。
【図5】図5は、本発明の実施の形態2における誤差ベクトル算出部と補正ベクトル演算部の動作を説明する図である。
【図6】図6は、本発明の実施の形態2における補正ベクトル演算部の動作を説明する図である。
【図7】図7は、本発明の実施の形態3におけるサーボ系応答軌跡算出部の動作を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明に係る軌跡制御装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0018】
実施の形態1.
図1は、本発明に係る軌跡制御装置の実施の形態1の概略構成を示すブロック図である。図1において、指令経路は、NCプログラム等の形式で機械の各可動軸の位置指令(第1軸位置指令Xc1と第2軸位置指令Xc2)として軌跡制御装置10に与えられる。各可動軸は直線軸を対象としている。
【0019】
サーボ系応答軌跡算出部1において、第1軸位置指令Xc1と第2軸位置指令Xc2が与えられたときのサーボ系応答軌跡Xが演算される。このサーボ系応答軌跡Xの演算方法については後述する。誤差ベクトル算出部2は、第1軸位置指令Xc1と第2軸位置指令Xc2を各可動軸方向の成分とする位置指令ベクトルと、同時刻のサーボ系応答軌跡X上の位置ベクトルとの差を求め、誤差ベクトルeとして出力する。補正ベクトル演算部3は、サーボ系応答軌跡X上の点のうち、サーボ系の応答遅れ時間だけ先の時刻の点を参照点とし、参照点におけるサーボ系応答軌跡Xの移動方向に垂直な方向に誤差ベクトルeを射影したベクトルに第1補正ゲインを乗じたベクトルと、参照点におけるサーボ系応答軌跡Xの移動方向と同一の方向に誤差ベクトルeを射影したベクトルに第2補正ゲインを乗じたベクトルとの和を補正ベクトルΔとして出力する。各軸補正量演算部4では、補正ベクトルΔの第1および第2の可動軸方向の成分を、第1軸補正量Δおよび第2軸補正量Δとしてそれぞれ出力する。第1軸補正量加算部5は、第1軸位置指令Xc1と第1軸補正量Δとを加算して第1軸補正後位置指令Xa1を出力する。第2軸補正量加算部6は、第2軸位置指令Xc2と第2軸補正量Δとを加算して第2軸補正後位置指令Xa2を出力する。第1軸サーボ制御部7は、第1可動軸の位置が、第1軸補正後位置指令Xa1に追従するように、第1軸モータ駆動トルクτm1を出力する。第2軸サーボ制御部8は、第2可動軸の位置が、第2軸補正後位置指令Xa2に追従するように、第2軸モータ駆動トルクτm2を出力する。なお、第1軸サーボ制御部7および第2軸サーボ制御部8は同一の構成をしている。第1軸モータ14には第1軸負荷16が接続され、第2軸モータ15には第2軸負荷17が接続され、第1軸モータ14、第2軸モータ15、第1軸負荷16および第2軸負荷17にて機械系13が構成されている。そして、第1軸モータ14は第1軸モータ駆動トルクτm1により駆動され、モータ速度信号vm1とモータ位置信号Xm1が第1軸サーボ制御部7へ出力される。第1軸モータ15は第2軸モータ駆動トルクτm2により駆動され、モータ速度信号vm2とモータ位置信号Xm2が第2軸サーボ制御部8へ出力される。
【0020】
図2は、図1の軌跡制御装置に適用されるサーボ制御部11の概略構成を示すブロック図である。なお、サーボ制御部11は、図1の第1軸サーボ制御部7および第2軸サーボ制御部8として用いることができる。
【0021】
図2において、サーボ制御部11へ入力された補正後位置指令Xは、減算器20でモデル位置Mpが減算され、モデルゲイン乗算器21で第1モデルゲインKが乗算され、減算器22でモデル速度Mvが減算され、さらにモデルゲイン乗算器23で第2モデルゲインKが乗算されてモデル加速度Maが積分器24および乗算器30に出力される。なお、サーボ制御部11が第1軸サーボ制御部7として用いられる場合、補正後位置指令Xは第1軸補正後位置指令Xa1に対応し、サーボ制御部11が第2サーボ制御部8として用いられる場合、補正後位置指令Xは第2軸補正後位置指令Xa2に対応することができる。そして、積分器24でモデル加速度Maが積分されてモデル速度Mvが出力され、積分器25でモデル速度Mvが積分されてモデル位置Mpが減算器20、26に出力される。補正後位置指令Xからモデル位置Mpまでのブロックを規範モデル部12と呼ぶ。
【0022】
そして、減算器26でモデル位置Mpからモータ位置信号Xが減算されて位置誤差Gpが出力される。位置制御器27では位置誤差Gpに対して比例制御等の制御を行う。加減算器28において位置制御器27の出力にモデル速度Mvが加算され、さらにモータ速度信号vが減算されて速度誤差Gvが出力される。速度制御器29では速度誤差Gvに対して比例・積分制御等の制御を行う。乗算器30で、モデル加速度Maに制御対象のイナーシャに相当する値を乗算してモデルトルクMtが演算され、加算器31で速度制御器29の出力にモデルトルクMtが加算されてモータトルク信号τが出力される。モータ32および負荷33からなる機械系13は、モータトルク信号τにより駆動され、モータ速度信号vとモータ位置信号Xがサーボ制御部11へ出力される。なお、サーボ制御部11が図1の第1軸サーボ制御部7として用いられる場合、モータ32および負荷33は、図1の第1軸モータ14および第1軸負荷16に対応し、サーボ制御部11が図1の第2軸サーボ制御部8として用いられる場合、モータ32および負荷33は、図1の第2軸モータ15および第2軸負荷17に対応する。
【0023】
このサーボ制御部11は規範モデル部12を用いた2自由度制御器であり、指令に対する追従性と外乱に対する応答性を独立して設計することができる。指令に対する追従性は第1モデルゲインKおよび第2モデルゲインKで決まり、外乱に対する応答性は位置制御器27および速度制御器29の設計で決まる。サーボ系の応答は、実際の制御対象の特性にかかわらず、規範モデル部12の出力であるモデル位置Mpに追従するように制御される。
【0024】
サーボ系応答軌跡Xの演算は、以下のように行われる。前述のように、サーボ系の応答は規範モデル部12の応答で表すことができるので、第1軸位置指令Xc1および第2軸位置指令Xc2が入力として与えられた場合の規範モデル部12の出力を求めることにより第1軸および第2軸のサーボ系応答位置をそれぞれ求める。そして、第1軸および第2軸のサーボ系応答位置を各可動軸方向の成分とするベクトルをサーボ系応答位置ベクトルとし、このサーボ系応答位置ベクトルが描く軌跡をサーボ系応答軌跡Xとする。
【0025】
規範モデル部12の出力は、規範モデル部12を微分方程式、差分方程式、伝達関数等の形式で表し、数値計算によりその解を計算することで求めることができる。また、指令形状が既知である場合は、積分計算により解析解を求めることができる。
例えば、図2に示した規範モデル部12の伝達関数G(s)は次式で表される。
【0026】
【数1】

規範モデル部12にある入力が与えられたときの出力は、規範モデル部12の伝達関数と与えられた入力のラプラス変換との積を逆ラプラス変換することにより求められる。時刻tにおける第1軸位置指令Xc1と第2軸位置指令Xc2がそれぞれxc1(t)、xc2(t)で与えられたとき、位置指令ベクトルx(t)は次式で表される。
【0027】
【数2】

このとき、第1軸および第2軸のサーボ系応答位置ベクトルxr1(t)、xr2(t)は次式で表される。
【0028】
【数3】

ただし、L[f(t)]はf(t)のラプラス変換を、L−1[F(s)]はF(s)の逆ラプラス変換を表す。
また、サーボ系の応答遅れ時間は、規範モデル部12の伝達関数から求めることができる。ここでは、サーボ系に一定速度の入力が与えられたときの指令に対する応答の定常的な遅れ時間をサーボ系応答遅れ時間とする。図2に示した規範モデル部12では、サーボ系応答遅れ時間tは第1モデルゲインKの逆数となり、次式で表される。
【0029】
【数4】

図3は、本発明の実施の形態1における誤差ベクトル算出部2と補正ベクトル演算部3の動作を説明する図である。ここでは、指令経路がコーナ形状の経路であり、時刻tにおいてコーナの頂点となるような場合について記述している。
図3において、サーボ系応答軌跡Xは破線のような経路をとり、時刻tにおいてx(t)の位置にある。誤差ベクトル算出部2では、時刻tにおけるサーボ系応答位置ベクトルx(t)から、同時刻における位置指令ベクトルx(t)を減算して、誤差ベクトルe(t)を求める。これらを式で表すと、次式となる。
【0030】
【数5】

また、サーボ系応答軌跡X上の参照点を、サーボ系応答遅れ時間tだけ先の点x(t+t)とする。なお、位置指令の補正をすべての時刻に対して一括して行う場合はサーボ系応答遅れ時間分先の点を求めることは容易であるが、時々刻々の位置指令を逐次的に処理して位置指令の補正を行う場合には、位置指令をサーボ系応答遅れ時間分先読みする必要がある。
補正ベクトル演算部3では、この参照点x(t+t)におけるサーボ系応答軌跡Xの移動方向に垂直な方向のベクトル、すなわち法線ベクトルと、移動方向に同一な方向のベクトル、すなわち接線ベクトルを求め、誤差ベクトルをそれぞれの方向へ射影したベクトル(正射影ベクトル)を求める。
【0031】
演算の便宜上、法線ベクトルおよび接線ベクトルの長さは、1となるように正規化する。正規化されたベクトルを、それぞれ単位法線ベクトルr(t)および単位接線ベクトルr(t)と呼ぶ。
【0032】
接線ベクトルrt0(t)および単位接線ベクトルr(t)は、式で表すと次式のようになる。
【0033】
【数6】

【0034】
法線ベクトルrn0(t)および単位法線ベクトルr(t)は、式で表すと次式のようになる。
【0035】
【数7】

なお、単位法線ベクトルr(t)および単位接線ベクトルr(t)の演算にはベクトルの微分演算が必要になるが、これらの演算はベクトルの要素ごとに時刻tに関する微分演算を行うことにより行われる。また、制御系を離散時間系で設計する場合は、微分演算を差分近似して実現することとなる。
【0036】
次に、誤差ベクトルeを参照点におけるサーボ系応答軌跡Xの法線ベクトル方向へ射影したベクトルを求める。このベクトルは誤差ベクトルeのうち軌跡に垂直な方向の誤差すなわち軌跡誤差を表すので、軌跡誤差ベクトルe(t)とよぶ。軌跡誤差ベクトルe(t)は、大きさが誤差ベクトルeの単位法線ベクトル方向成分(すなわち誤差ベクトルeと単位法線ベクトルr(t)の内積)であり、方向が単位法線ベクトル方向であるベクトルとなる。
【0037】
さらに、誤差ベクトルeを参照点におけるサーボ系応答軌跡Xの接線ベクトル方向へ射影したベクトルを求める。このベクトルは、誤差ベクトルeのうち軌跡に沿った方向の誤差すなわち追従誤差を表すので、このベクトルを追従誤差ベクトルe(t)と呼ぶ。追従誤差ベクトルe(t)は、大きさが誤差ベクトルeの単位接線ベクトル方向成分(すなわち誤差ベクトルeと単位接線ベクトルr(t)の内積)であり、方向が単位接線ベクトル方向であるベクトルとなる。軌跡誤差ベクトルe(t)および追従誤差ベクトルe(t)を式で表すと次式のようになる。
【0038】
【数8】

【0039】
【数9】

【0040】
一般に誤差ベクトルeとサーボ系応答軌跡Xの接線ベクトルおよび法線ベクトルはおおむね同一平面上にある。特に、可動軸が2軸のみの場合や、指令経路が2次元平面内にあり、サーボ系の応答が全軸で等しい場合にはこれらのベクトルは完全に同一平面内にある。したがって、誤差ベクトルeと接線ベクトルがなす平面上にありかつ接線ベクトルに垂直なベクトルを軌跡誤差ベクトルe(t)としてもよい。この演算は誤差ベクトルeから追従誤差ベクトルe(t)を引くことにより行うことができるので、式(8)を用いるよりも簡便に軌跡誤差ベクトルe(t)を求めることができる。この場合、軌跡誤差ベクトルe(t)は次式で求められる。
【0041】
【数10】

【0042】
図4は、本発明の実施の形態1における補正ベクトル演算部3の動作を説明する図である。図4において、補正ベクトルΔは、軌跡誤差ベクトルe(t)に第1の補正ゲインαを乗算したベクトルと、追従誤差ベクトルe(t)に第2の補正ゲインαを乗算したベクトルの和で表される。時刻tにおける補正ベクトルΔをΔ(t)とすると、補正ベクトルΔ(t)は次式のようになる。
【0043】
【数11】

第1補正ゲインαは、法線方向の誤差すなわち軌跡誤差を調節するためのゲインである。この第1補正ゲインαは通常0と−1の間で設定され、−1に近い値を設定するほど軌跡誤差を小さくすることができる。好ましくは、−1に設定すると、法線方向の誤差ベクトルeを打ち消すように位置指令を補正するので、軌跡誤差を効果的に抑制することができる。軌跡誤差を抑制することにより、加工形状の本来の形状からの誤差を小さくすることができる。
【0044】
第2補正ゲインαは、接線方向の誤差すなわち追従誤差を調節するためのゲインである。この第2補正ゲインαは通常0と−1の間で設定され、−1に近い値を設定するほど追従誤差を小さくすることができる。好ましくは、−1に設定すると、接線方向の誤差ベクトルを打ち消すように位置指令を補正するので、追従誤差を効果的に抑制することができる。追従誤差を抑制することにより、加工に要する時間を短縮することができる。
【0045】
補正ベクトルΔ(t)を位置指令ベクトルに加算したベクトルが、補正後の位置指令ベクトルとなる。補正ベクトルΔ(t)の加算は第1軸補正量加算部5および第2軸補正量加算部6において各可動軸について行われる。すなわち、補正ベクトルΔ(t)の各可動軸方向の成分が各可動軸の補正量となり、各可動軸の補正量に各可動軸の位置指令を軸ごとに加算した値が、各可動軸の補正後位置指令となる。本実施の形態では可動軸が2軸の場合なので、補正ベクトルΔ(t)の第1要素Δ(t)および第2要素Δ(t)が、それぞれ第1軸および第2軸の補正量となる。時刻tにおける第1軸補正後位置指令Xa1および第2軸補正後位置指令Xa2がそれぞれxa1(t)、xa2(t)で与えられた時、第1軸補正後位置指令xa1(t)および第2軸補正後位置指令xa2(t)はそれぞれ次式で表される。
【0046】
【数12】

【0047】
第1軸サーボ制御部7および第2軸サーボ制御部8では、それぞれ第1軸補正後位置指令xa1(t)および第2軸補正後位置指令xa2(t)に対して図2に示すサーボ制御系により第1軸および第2軸のモータが駆動され、機械系13の可動部の位置が制御される。
【0048】
以上のように、本実施の形態1によれば、複数の軸のサーボ系応答により誤差ベクトルeを求め、サーボ系応答軌跡Xの移動方向に基づいて求めた補正量により位置指令を補正する。これにより、コーナ形状の指令のように指令経路の方向が急変するような場合でも、サーボ系応答軌跡Xは滑らかに変化するため、誤差ベクトルeを滑らかに変化させ、補正ベクトルΔの方向も滑らかに変化させることができる。このため、補正後の位置指令が滑らかとなり、指令形状にかかわらず軌跡誤差と追従誤差を抑制することができる。また、フィードバック信号を用いずに位置指令の補正を行うため、制御系の安定性を常に保証することができる。
【0049】
また、本実施の形態1によれば、誤差ベクトルeをサーボ系応答軌跡Xの垂直成分すなわち法線方向成分と平行成分すなわち接線方向成分に分解して、それぞれにゲインを設定することにより、指令形状にかかわらず、軌跡に垂直な方向の誤差である軌跡誤差と軌跡に平行な方向の誤差である追従誤差とを独立して制御することができる。
【0050】
また、本実施の形態1によれば、サーボ系の応答遅れを考慮して参照点とそれに基づく補正ベクトルΔの方向を決定することにより、簡単な演算で比較的正確な補正ベクトルΔの方向を決定することができる。
【0051】
さらに、本実施の形態1によれば、サーボ制御部11に規範モデル部12を用いた2自由度制御器を用いることで、制御対象の特性にかかわらずサーボ制御部11の応答を規範モデル部12の応答から正確に算出することができ、さらにこの規範モデル部12を用いて応答軌跡を求めて位置指令を補正することにより、サーボ制御部11の応答性に起因して生じる軌跡誤差を正確に補正することができる。
【0052】
本実施の形態1では、可動軸の数が2としていたが、可動軸の数が3の場合であってもよい。サーボ系応答軌跡ベクトル、誤差ベクトル、補正ベクトルを2次元ではなく3次元のベクトルとすることで、同様の補正を行うことができる。
【0053】
実施の形態2.
実施の形態2の構成は実施の形態1と概略同一である。相違点は、補正ベクトル演算部3における参照点および補正ベクトルの決定方式である。以下、これらの相違点について説明する。サーボ系応答軌跡算出部1の動作は、実施の形態1と同様である。
【0054】
図5は、本発明の実施の形態2における誤差ベクトル算出部2と補正ベクトル演算部3の動作を説明する図である。図5において、誤差ベクトル算出部2における誤差ベクトルe(t)の算出は実施の形態1と同様であり、式(5)で求められる。実施の形態2では、ある時刻tにおける参照点を、その時刻tにおける位置指令からサーボ系応答軌跡Xへ下ろした垂線とサーボ系応答軌跡Xとの交点と定める。
【0055】
このときの参照点の位置は、幾何学的な関係からいくつかの方法により求めることができる。一例を挙げると、サーボ系応答軌跡Xの接線ベクトルが参照点と位置指令を結ぶ直線と直交するように参照点の位置を定める方法がある。すなわち、サーボ系応答軌跡Xを時刻tの関数で表した場合、その接線ベクトルと、位置指令から参照点へのベクトルとの内積が0となる時刻t+tを求め、その時刻におけるサーボ系応答軌跡X上の点x(t+t)を参照点とする方法である。このことを式で表すと次式のようになる。
【0056】
【数13】

【0057】
ただし、x’はサーボ系応答軌跡Xの接線ベクトルdx/dtを表す。参照点における時刻t+tは、上記の(13)式の方程式を解くことにより求められる。
【0058】
次に、参照点におけるサーボ系応答軌跡Xの法線ベクトル方向を求める。この場合、位置指令から参照点へのベクトルの方向と、参照点におけるサーボ系応答軌跡Xの法線方向は、ともに参照点におけるサーボ系応答軌跡Xの接線方向に直交する。従って、参照点におけるサーボ系応答軌跡Xの法線ベクトル方向は位置指令と参照点を結ぶ直線の方向と同一の方向となるので、単位法線ベクトルr(t)は位置指令から参照点までの方向のベクトルを正規化することにより求められる。このことを式で表すと、次式となる。
【0059】
【数14】

【0060】
図6は、本発明の実施の形態2における補正ベクトル演算部3の動作を説明する図である。図6において、補正ベクトルΔ(t)は、誤差ベクトルe(t)を単位法線ベクトル方向へ射影したベクトルである軌跡誤差ベクトルe(t)に、補正ゲインαをかけて求められる。軌跡誤差ベクトルe(t)は、実施の形態1と同様に誤差ベクトルと単位法線ベクトルを用いて式(8)で求められる。補正ベクトルΔ(t)は、補正ゲインと軌跡誤差ベクトルを用いて次式で表される。
【0061】
【数15】

【0062】
補正ゲインαは、法線方向の誤差すなわち軌跡誤差を調節するためのゲインである。このゲインは通常0と−1の間で設定され、−1に近い値を設定するほど軌跡誤差を小さくすることができる。好ましくは、−1に設定すると、法線方向の誤差ベクトルを打ち消すように位置指令を補正するので、軌跡誤差を効果的に抑制することができる。軌跡誤差を抑制することにより、加工形状の本来の形状からの誤差を小さくすることができる。
【0063】
誤差ベクトルeに基づく各可動軸の補正量の演算と、第1軸補正量加算部5および第2軸補正量加算部6における動作は実施の形態1と同様である。また、第1軸サーボ制御部7および第2軸サーボ制御部8の動作は、実施の形態1と同様である。
【0064】
以上のように、本実施の形態2によれば、複数の軸のサーボ系応答により誤差ベクトルeを求め、サーボ系応答軌跡Xの移動方向に基づいて求めた補正量により位置指令を補正する。これにより、コーナ形状の指令のように指令経路の方向が急変するような場合でも、サーボ系応答軌跡Xは滑らかに変化するため、誤差ベクトルeを滑らかに変化させ、補正ベクトルの方向も滑らかに変化させることができる。このため、補正後の位置指令が滑らかとなり、指令形状にかかわらず軌跡誤差と追従誤差を抑制することができる。また、フィードバック信号を用いずに位置指令の補正を行うため、制御系の安定性を常に保証する事ができる。
【0065】
本実施の形態2によれば、誤差ベクトルeをサーボ系応答軌跡Xの垂直成分すなわち法線方向成分にゲインを設定することにより、ひとつのゲインを設定するだけで、指令形状にかかわらず、軌跡誤差を抑制し、加工形状が本来の形状からのずれを抑制することができる。
【0066】
本実施の形態2によれば、サーボ系応答と指令された位置との幾何学的な関係を考慮して参照点とそれに基づく補正ベクトルの方向を決定することにより、より正確な補正ベクトルの方向を決定することができる。
【0067】
さらに、本実施の形態2によれば、規範モデル部12を用いた2自由度制御器を用いることで、制御対象の特性にかかわらずサーボ制御部11の応答を規範モデルの応答から正確に算出することができ、さらにこの規範モデル部12を用いて応答軌跡を求めて位置指令を補正することにより、サーボ制御部11の応答性に起因して生じる軌跡誤差を正確に補正することができる。
【0068】
本実施の形態2では、可動軸の数が2としていたが、可動軸の数が3の場合であってもよい。サーボ系応答軌跡ベクトル、誤差ベクトル、補正ベクトルを2次元ではなく3次元のベクトルとすることで、同様の補正を行うことができる。
【0069】
実施の形態3.
図7は、本発明の実施の形態3におけるサーボ系応答軌跡算出部1の動作を説明する図である。図7において、この実施の形態3では、サーボ系モデルを用いてサーボ系応答軌跡Xを求めるのではなく、位置指令の情報のみを用いて求める。指令形状が円弧などのなめらかに変化する形状である場合、指令経路の加速度方向に加速度の大きさに比例して軌跡誤差が生じる性質がある。この比例係数は、サーボ系の応答性から定める。時刻tにおけるサーボ系応答の位置を、同時刻における位置指令に誤差ベクトルe(t)を加算することにより求める。誤差ベクトルe(t)は、位置指令の加速度ベクトルd/dtに、係数aをかけることにより求める。この係数aは、サーボ系応答遅れ時間tの二乗に比例するように定める。この関係式は、指令加速度と軌跡誤差量の関係を実測して求める方法のほか、円弧指令時の軌跡誤差量の理論値と指令加速度の比を解析的に求める方法により設定する。後者の方法では、サーボ系の周波数応答伝達関数の絶対値に指令半径を乗じた値を指令半径から引くことにより円弧指令時の軌跡誤差量を求め、この軌跡誤差量を指令加速度で除することにより求める。半径R、各速度ωの円弧指令時の場合、軌跡誤差量と指令加速度の比は、サーボ系の伝達関数G(s)を用いて以下の式で与えられる。
【0070】
【数16】

ここで、jは虚数単位である。
【0071】
図2に示すサーボ制御系は伝達関数が式(1)で表され、サーボ系応答遅れ時間は式(4)で表される。第2モデルゲインKが第1モデルゲインKの4倍である場合、すなわちK=4Kである場合の軌跡誤差量とサーボ系応答遅れ時間との関係を式(16)を用いて求めると、次式のようになる。
【0072】
【数17】

誤差ベクトル算出部2、補正ベクトル演算部3、各軸補正量演算部4、第1軸補正量加算部5、第2軸補正量加算部6、第1軸サーボ制御部7、第2軸サーボ制御部8の動作は、実施の形態2と同様である。
【0073】
以上のように、本実施の形態3によれば、複数の軸のサーボ系応答により誤差ベクトルeを求め、サーボ系応答軌跡Xの移動方向に基づいて求めた補正量により位置指令を補正する。これにより、コーナ形状の指令のように指令経路の方向が急変するような場合でも、サーボ系応答軌跡Xは滑らかに変化するため、誤差ベクトルeを滑らかに変化させ、補正ベクトルの方向も滑らかに変化させることができる。このため、補正後の位置指令が滑らかとなり、指令形状にかかわらず軌跡誤差と追従誤差を抑制することができる。また、フィードバック信号を用いずに位置指令の補正を行うため、制御系の安定性を常に保証することができる。
【0074】
本実施の形態3によれば、誤差ベクトルeをサーボ系応答軌跡Xの垂直成分すなわち法線方向成分にゲインを設定することにより、ひとつのゲインを設定するだけで、指令形状にかかわらず、軌跡誤差を抑制し、加工形状が本来の形状からのずれを抑制することができる。
【0075】
本実施の形態3によれば、サーボ制御部11のモデルを用いずに、位置指令軌跡の情報だけでサーボ系応答軌跡Xを求めることにより、サーボ系応答軌跡Xを求めるための演算負荷を軽減することができる。
【0076】
本実施の形態3では、可動軸の数が2としていたが、可動軸の数が3の場合であってもよい。サーボ系応答軌跡ベクトル、誤差ベクトル、補正ベクトルを2次元ではなく3次元のベクトルとすることで、同様の補正を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0077】
以上のように本発明に係る軌跡制御装置は、コーナ形状のように指令経路の方向が急峻に変化するような場合でも駆動系に過大な負荷や振動を生じさせずに、また制御系の安定性を損なうことなく軌跡誤差を抑制することができ、工作機械やレーザ加工機等において指令形状にかかわらず高速高精度加工を実現する方法に適している。
【符号の説明】
【0078】
1 サーボ系応答軌跡算出部
2 誤差ベクトル算出部
3 補正ベクトル演算部
4 各軸補正量演算部
5 第1軸補正量加算部
6 第2軸補正量加算部
7 第1軸サーボ制御部
8 第2軸サーボ制御部
10 軌跡制御装置
11 サーボ制御部
12 規範モデル部
13 機械系
14 第1軸モータ
15 第2軸モータ
16 第1軸負荷
17 第2軸負荷
20、22、26 減算器
21、23 モデルゲイン乗算器
24、25 積分器
31 加算器
27 位置制御器
28 加減算器
29 速度制御器
30 乗算器
32 モータ
33 負荷

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械の可動部が複数の可動軸によって駆動され、前記複数の可動軸のモータを同時制御することにより前記可動部の軌跡を制御する軌跡制御装置において、
前記複数の可動軸のうちの少なくとも2以上の可動軸の位置指令に基づいてサーボ系応答軌跡を演算するサーボ系応答軌跡算出部と、
前記位置指令と前記サーボ系応答軌跡とに基づいて誤差ベクトルを演算する誤差ベクトル算出部と、
前記誤差ベクトルと前記サーボ系応答軌跡の所定の参照点における移動方向に基づいて補正ベクトルを演算する補正ベクトル演算部と、
前記補正ベクトルを前記2以上の可動軸に分配して各可動軸の補正量を演算する各軸補正量演算部と、
前記各可動軸の補正量をそれぞれ対応する可動軸の位置指令に加算して前記各可動軸ごとに補正後位置指令を求めるために前記各可動軸ごとに設けられた補正量加算部と、
前記各可動軸の位置がそれぞれの前記補正後位置指令に追従するように各可動軸のモータ駆動トルクを出力することにより各可動軸のモータを制御するために前記各可動軸ごとに設けられたサーボ制御部を備えることを特徴とする軌跡制御装置。
【請求項2】
前記補正ベクトル演算部は、前記誤差ベクトルを前記参照点における前記サーボ系応答軌跡の移動方向に垂直な方向に射影したベクトルに第1補正ゲインを乗じたベクトルと、前記誤差ベクトルを前記参照点における前記サーボ系応答軌跡の移動方向と同一の方向に射影したベクトルに第2補正ゲインを乗じたベクトルの和を補正ベクトルとして出力することを特徴とする請求項1記載の軌跡制御装置。
【請求項3】
前記補正ベクトル演算部は、前記誤差ベクトルを前記参照点における前記サーボ系応答軌跡の移動方向に垂直な方向に射影したベクトルに補正ゲインを乗じたベクトルを補正ベクトルとして出力することを特徴とする請求項1記載の軌跡制御装置。
【請求項4】
前記補正ベクトル演算部における参照点は、サーボ系の応答遅れ時間だけ先の時刻における前記サーボ系応答軌跡上の点であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の軌跡制御装置。
【請求項5】
前記補正ベクトル演算部における参照点は、指令位置を通り前記サーボ系応答軌跡に垂直な直線と、前記サーボ系応答軌跡との交点であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の軌跡制御装置。
【請求項6】
前記サーボ制御部は規範モデル部を用いた2自由度制御器を有し、前記サーボ系応答軌跡算出部は、前記サーボ制御部で用いられている前記規範モデル部と同一のモデルに前記位置指令を与えたときの出力軌跡をサーボ系応答軌跡として出力することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の軌跡制御装置。
【請求項7】
前記サーボ系応答軌跡算出部は、各時刻における前記位置指令の加速度ベクトルにサーボ制御部の応答性で決まる所定の係数を乗じたベクトルを前記位置指令の軌跡から差し引いた軌跡をサーボ系応答軌跡として出力することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の軌跡制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−145884(P2011−145884A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−6044(P2010−6044)
【出願日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】