説明

軌道狂い検測装置および軌道狂い検測方法

【課題】演算負荷が増大せず、且つ低速域でも所望の波長帯域が得られる軌道狂い検測技術を提供すること。
【解決手段】車両の水平方向の加速度に、所望の軌道狂い弦長、車両の走行速度およびサンプリング時間に応じたデータ数ずつ遅らせた各地点での車両の水平方向の加速度を順次加算して車両の水平方向の速度とする。続いて、演算後の車両の水平方向の速度に、所望の軌道狂い弦長、車両の走行速度およびサンプリング時間に応じたデータ数ずつ遅らせた各地点での車両の水平方向の速度を順次加算して車両の水平方向の位置とし、サンプリング時間に基づく係数を乗算した後に別途測定した加速度計とレールとの間の相対変位を加算して通り狂い量とする。同様に、車両の水平方向の加速度から高低狂い量を算出する。また、等時間サンプリングの代わりに等距離サンプリングでも本方法で軌道狂いを計算できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軌道狂いを検測する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄道車両を安全で快適に走行させるためには、鉄道軌道を常に良好な状態に保守管理する必要があり、このためにはレールの不整量(軌道狂い)の測定が不可欠である。軌道狂いの測定は主に、高速軌道検測車または簡易な軌道検測装置により行われている。このうち高速軌道検測車は測定専用の車両で、効率良く軌道狂いを測定するため、営業列車と同等の速度で運行され、主に本線の軌道狂いを測定する。一方の簡易軌道検測装置は、手押しまたは牽引により極低速で移動するトロリーで、副本線や基地線など高速軌道検測車の走行しない箇所の測定、軌道狂い整正作業直後の仕上がり確認、等に利用されている。
【0003】
現存する軌道検測車および簡易軌道検測装置は、その大多数が「正矢(せいや)法」と呼ばれる測定原理により、鉛直方向の軌道不整(高低狂い)および、水平方向の軌道不整(通り狂い)を測定している。この正矢法は、複数点の相対変位により軌道狂いを測定する「差分法」の一種で、任意の2点間に水糸を張り、その中点とレールとの距離を測定するものである。現存する主な可搬式軌道検測装置は1〜3mの基準の梁(弦:測定の基線)をレールに押し当て、その梁の中央点とレールとの相対変位を変位計で測定している。
【0004】
また、軌道狂いの検測手法として慣性測定法が知られている。この慣性測定法とは、加速度を2階積分すると変位が計算できるという物理法測を利用して、軸箱や車体に取り付けた加速度計の出力から軌道狂いを計算する方法である。そしてこうして得られた軌道狂いデータに対し、従来から検測作業者が扱い馴れた上述の正矢法(主として10m弦正矢法)の検測特性を持たせるべくフィルタ回路による処理を行っている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
このように慣性測定法は、加速度を2階積分して「位置」、つまり加速度計が空間に描く軌跡を求める方法である。例えば、鉛直方向成分の軸箱加速度を2階積分することで、軸箱の軌跡(高低狂い)を知ることができる。しかしながら、完全な積分器の特性は0Hzで無限大の利得を持つため、入力信号にわずかでもオフセットがあると、アナログ積分器の出力はやがて電源電圧付近で完全に飽和し、積分器として機能しなくなる。そこで、これを回避するため、図6に例示するように、積分器にハイパスフィルタ(以下HPF)の特性を持たせて不完全積分を行う。このハイパスフィルタ特性は、速度に応じて遮断周波数を可変することで、距離領域で遮断波長が一定になるよう調整される。なお、アナログハイパスフィルタは線形位相特性の実現が難しく、遮断波長付近での位相遅れが顕著なため、必然的に波形ひずみを生じ、装置の出力波形は実際の軌道形状と一致しない。また、測定方向によって出力波形が異なる。
【0006】
また、上述のような波形ひずみを避けるためには、アナログHPFに代えてディジタルHPFを用いることが考えられる。具体的には、まず、時間サンプリングでA/D変換した軸箱加速度に遮断周波数0.5HzのHPFで低域成分を除去した後にディジタル積分する。この操作を2回行った後に車輪パルスに応じて等距離サンプリングに再構成し、10m弦演算する。すると、演算結果は軌道検測車と良く一致し、波形ひずみも生じない。
【特許文献1】特開2001−063570号公報(第6頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、このような方法では、以下の2つの問題点があった。
(1)演算負荷の増大
数千点のフィルタ係数による積和演算を繰り返すため、最新の高速プロセッサにとっても過負荷な処理となる。
(2)速度が低下すると所望の波長帯域が得られない。
【0008】
HPFの遮断周波数が0.5Hzの場合、0.5Hzは速度360km/hで波長200m、速度90km/hで波長50mに相当する。従って、波長50mまでの軌道狂いを得たい場合、90km/h以下では所望の波長帯域が測定できない。仮に0.5Hzよりも遮断周波数を下げれば、理論上は測定可能速度を下げることができるが、フィルタ次数が増えて更に演算負荷が増大する。
【0009】
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、演算負荷が増大せず、且つ低速域でも所望の波長帯域が得られる軌道狂い検測技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するためになされた請求項1に係る軌道狂い検測装置は、車両が走行する軌道の軌道狂いを検測する軌道狂い検測装置であって、前記車両の水平方向の加速度から前記車両の水平方向の位置を通り狂い量として算出する通り狂い算出部を備え、前記通り狂い算出部は、前記車両の水平方向の加速度に、所望の軌道狂い弦長、前記車両の走行速度およびサンプリング時間に応じたデータ数ずつ遅らせた各地点での前記車両の水平方向の加速度を順次加算して前記車両の水平方向の速度として出力する第一の移動和演算部と、前記第一の移動和演算部から出力された演算後の前記車両の水平方向の速度に、所望の軌道狂い弦長、前記車両の走行速度およびサンプリング時間に応じたデータ数ずつ遅らせた各地点での前記車両の水平方向の速度を順次加算して前記車両の水平方向の位置として出力する第二の移動和演算部と、前記第二の移動和演算部から出力された演算後の前記車両の水平方向の位置に、サンプリング時間に基づく係数を乗算して通り狂い量として出力する乗算部と、を有することを特徴とする。
【0011】
このように構成された本発明の軌道狂い検測装置によれば、通り狂い算出部が行う演算のうち、乗算演算については乗算部が行う部分のみとなり、演算の大部分が加減算演算となるため、通り狂い算出部の演算負荷が非常に軽くなる。さらに、従来構成のようなHPFが不要となるため、低周波数域を遮断しなくてもすむ。したがって、軌道狂い検測において、演算負荷が増大せず、且つ低速域でも所望の波長帯域が得られる。
【0012】
また、上記課題を解決するためになされた請求項2に係る軌道狂い検測装置は、車両が走行する軌道の軌道狂いを検測する軌道狂い検測装置であって、前記車両の鉛直方向の加速度から前記車両の鉛直方向の位置を高低狂い量として算出する高低狂い算出部を備え、前記高低狂い算出部は、前記車両の鉛直方向の加速度に、所望の軌道狂い弦長、前記車両の走行速度およびサンプリング時間に応じたデータ数ずつ遅らせた各地点での前記車両の鉛直方向の加速度を順次加算して前記車両の鉛直方向の速度として出力する第一の移動和演算部と、前記第一の移動和演算部から出力された演算後の前記車両の鉛直方向の速度に、所望の軌道狂い弦長、前記車両の走行速度およびサンプリング時間に応じたデータ数ずつ遅らせた各地点での前記車両の鉛直方向の速度を順次加算して前記車両の鉛直方向の位置として出力する第二の移動和演算部と、前記第二の移動和演算部から出力された演算後の前記車両の鉛直方向の位置に、サンプリング時間に基づく係数を乗算して高低狂い量として出力する乗算部と、を有することを特徴とする。
【0013】
このように構成された本発明の軌道狂い検測装置によれば、高低狂い算出部が行う演算のうち、乗算演算については乗算部が行う部分のみとなり、演算の大部分が加減算演算となるため、高低狂い算出部の演算負荷が非常に軽くなる。さらに、従来構成のようなHPFが不要となるため、低周波数域を遮断しなくてもすむ。したがって、軌道狂い検測において、演算負荷が増大せず、且つ低速域でも所望の波長帯域が得られる。
【0014】
また、上記課題を解決するためになされた請求項3に係る軌道狂い検測装置は、請求項2に記載の軌道狂い検測装置において、さらに、前記車両の水平方向の加速度から前記車両の水平方向の位置を通り狂い量として算出する通り狂い算出部を備え、前記通り狂い算出部は、前記車両の水平方向の加速度に、所望の軌道狂い弦長、前記車両の走行速度およびサンプリング時間に応じたデータ数ずつ遅らせた各地点での前記車両の水平方向の加速度を順次加算して前記車両の水平方向の速度として出力する第一の移動和演算部と、前記第一の移動和演算部から出力された演算後の前記車両の水平方向の速度に、所望の軌道狂い弦長、前記車両の走行速度およびサンプリング時間に応じたデータ数ずつ遅らせた各地点での前記車両の水平方向の速度を順次加算して前記車両の水平方向の位置として出力する第二の移動和演算部と、前記第二の移動和演算部から出力された演算後の前記車両の水平方向の位置に、サンプリング時間に基づく係数を乗算して通り狂い量として出力する乗算部と、を有することを特徴とする。
【0015】
このように構成された本発明の軌道狂い検測装置によれば、通り狂い算出部が行う演算のうち、乗算演算については乗算部が行う部分のみとなり、演算の大部分が加減算演算となるため、通り狂い算出部の演算負荷が非常に軽くなる。また、高低狂い算出部が行う演算のうち、乗算演算については乗算部が行う部分のみとなり、演算の大部分が加減算演算となるため、高低狂い算出部の演算負荷が非常に軽くなる。さらに、従来構成のようなHPFが不要となるため、低周波数域を遮断しなくてもすむ。したがって、軌道狂い検測において、演算負荷が増大せず、且つ低速域でも所望の波長帯域が得られる。
【0016】
また、上記課題を解決するためになされた請求項4に係る軌道狂い検測装置は、車両が走行する軌道の軌道狂いを検測する軌道狂い検測装置であって、前記車両の水平方向の加速度から前記車両の水平方向の位置を通り狂い量として算出する通り狂い算出部を備え、前記通り狂い算出部は、前記車両の水平方向の加速度に、所望の軌道狂い弦長およびサンプリング距離に応じたデータ数ずつ遅らせた各地点での前記車両の水平方向の加速度を順次加算して前記車両の水平方向の速度として出力する第一の移動和演算部と、前記第一の移動和演算部から出力された演算後の前記車両の水平方向の速度に、所望の軌道狂い弦長およびサンプリング距離に応じたデータ数ずつ遅らせた各地点での前記車両の水平方向の速度を順次加算して前記車両の水平方向の位置として出力する第二の移動和演算部と、前記第二の移動和演算部から出力された演算後の前記車両の水平方向の位置に、前記車両の走行速度およびサンプリング距離に基づく係数を乗算して通り狂い量として出力する乗算部と、を有することを特徴とする。
【0017】
このように構成された本発明の軌道狂い検測装置によれば、通り狂い算出部が行う演算のうち、乗算演算については乗算部が行う部分のみとなり、演算の大部分が加減算演算となるため、通り狂い算出部の演算負荷が非常に軽くなる。さらに、従来構成のようなHPFが不要となるため、低周波数域を遮断しなくてもすむ。したがって、軌道狂い検測において、演算負荷が増大せず、且つ低速域でも所望の波長帯域が得られる。
【0018】
また、上記課題を解決するためになされた請求項5に係る軌道狂い検測装置は、車両が走行する軌道の軌道狂いを検測する軌道狂い検測装置であって、前記車両の鉛直方向の加速度から前記車両の鉛直方向の位置を高低狂い量として算出する高低狂い算出部を備え、前記高低狂い算出部は、前記車両の鉛直方向の加速度に、所望の軌道狂い弦長およびサンプリング距離に応じたデータ数ずつ遅らせた各地点での前記車両の鉛直方向の加速度を順次加算して前記車両の鉛直方向の速度として出力する第一の移動和演算部と、前記第一の移動和演算部から出力された演算後の前記車両の鉛直方向の速度に、所望の軌道狂い弦長およびサンプリング距離に応じたデータ数ずつ遅らせた各地点での前記車両の鉛直方向の速度を順次加算して前記車両の鉛直方向の位置として出力する第二の移動和演算部と、前記第二の移動和演算部から出力された演算後の前記車両の鉛直方向の位置に、前記車両の走行速度およびサンプリング距離に基づく係数を乗算して高低狂い量として出力する乗算部と、を有することを特徴とする。
【0019】
このように構成された本発明の軌道狂い検測装置によれば、高低狂い算出部が行う演算のうち、乗算演算については乗算部が行う部分のみとなり、演算の大部分が加減算演算となるため、高低狂い算出部の演算負荷が非常に軽くなる。さらに、従来構成のようなHPFが不要となるため、低周波数域を遮断しなくてもすむ。したがって、軌道狂い検測において、演算負荷が増大せず、且つ低速域でも所望の波長帯域が得られる。
【0020】
また、上記課題を解決するためになされた請求項6に係る軌道狂い検測装置は、請求項5に記載の軌道狂い検測装置において、さらに、前記車両の水平方向の加速度から前記車両の水平方向の位置を通り狂い量として算出する通り狂い算出部を備え、前記通り狂い算出部は、前記車両の水平方向の加速度に、所望の軌道狂い弦長およびサンプリング距離に応じたデータ数ずつ遅らせた各地点での前記車両の水平方向の加速度を順次加算して前記車両の水平方向の速度として出力する第一の移動和演算部と、前記第一の移動和演算部から出力された演算後の前記車両の水平方向の速度に、所望の軌道狂い弦長およびサンプリング距離に応じたデータ数ずつ遅らせた各地点での前記車両の水平方向の速度を順次加算して前記車両の水平方向の位置として出力する第二の移動和演算部と、前記第二の移動和演算部から出力された演算後の前記車両の水平方向の位置に、前記車両の走行速度およびサンプリング距離に基づく係数を乗算して通り狂い量として出力する乗算部と、を有することを特徴とする。
【0021】
このように構成された本発明の軌道狂い検測装置によれば、通り狂い算出部が行う演算のうち、乗算演算については乗算部が行う部分のみとなり、演算の大部分が加減算演算となるため、通り狂い算出部の演算負荷が非常に軽くなる。また、高低狂い算出部が行う演算のうち、乗算演算については乗算部が行う部分のみとなり、演算の大部分が加減算演算となるため、高低狂い算出部の演算負荷が非常に軽くなる。さらに、従来構成のようなHPFが不要となるため、低周波数域を遮断しなくてもすむ。したがって、軌道狂い検測において、演算負荷が増大せず、且つ低速域でも所望の波長帯域が得られる。
【0022】
また、上記課題を解決するためになされた請求項7に係る軌道狂い検測装置は、車両が走行する軌道の軌道狂いを検測する軌道狂い検測装置であって、前記車両の水平方向の加速度から前記車両の水平方向の位置を通り狂い量として算出する通り狂い算出部を備え、前記通り狂い算出部は、前記車両の水平方向の加速度から、所望の軌道狂い弦長、前記車両の走行速度およびサンプリング時間に応じたデータ数だけ遅らせた地点での前記車両の水平方向の加速度を減算して出力する第一の差分演算部と、前記第一の差分演算部から出力された演算後の前記車両の水平方向の加速度を積分して前記車両の水平方向の速度として出力する第一の積分演算部と、前記第一の積分演算部から出力された演算後の前記車両の水平方向の速度から、所望の軌道狂い弦長、前記車両の走行速度およびサンプリング時間に応じたデータ数だけ遅らせた地点での前記車両の水平方向の速度を減算して出力する第二の差分演算部と、前記第二の差分演算部から出力された演算後の前記車両の水平方向の速度を積分して前記車両の水平方向の位置として出力する第二の積分演算部と、前記第二の積分演算部から出力された演算後の前記車両の水平方向の位置に、サンプリング時間に基づく係数を乗算して通り狂い量として出力する乗算部と、を有することを特徴とする。
【0023】
このように構成された本発明の軌道狂い検測装置によれば、通り狂い算出部が行う演算のうち、乗算演算については乗算部が行う部分のみとなり、演算の大部分が加減算演算となるため、通り狂い算出部の演算負荷が非常に軽くなる。さらに、従来構成のようなHPFが不要となるため、低周波数域を遮断しなくてもすむ。したがって、軌道狂い検測において、演算負荷が増大せず、且つ低速域でも所望の波長帯域が得られる。
【0024】
また、上記課題を解決するためになされた請求項8に係る軌道狂い検測装置は、車両が走行する軌道の軌道狂いを検測する軌道狂い検測装置であって、前記車両の鉛直方向の加速度から前記車両の鉛直方向の位置を高低狂い量として算出する高低狂い算出部を備え、前記高低狂い算出部は、前記車両の鉛直方向の加速度から、所望の軌道狂い弦長、前記車両の走行速度およびサンプリング時間に応じたデータ数だけ遅らせた地点での前記車両の鉛直方向の加速度を減算して出力する第一の差分演算部と、前記第一の差分演算部から出力された演算後の前記車両の鉛直方向の加速度を積分して前記車両の鉛直方向の速度として出力する第一の積分演算部と、前記第一の積分演算部から出力された演算後の前記車両の鉛直方向の速度から、所望の軌道狂い弦長、前記車両の走行速度およびサンプリング時間に応じたデータ数だけ遅らせた地点での前記車両の鉛直方向の速度を減算して出力する第二の差分演算部と、前記第二の差分演算部から出力された演算後の前記車両の鉛直方向の速度を積分して前記車両の鉛直方向の位置として出力する第二の積分演算部と、前記第二の積分演算部から出力された演算後の前記車両の鉛直方向の位置に、サンプリング時間に基づく係数を乗算して高低狂い量として出力する乗算部と、を有することを特徴とする。
【0025】
このように構成された本発明の軌道狂い検測装置によれば、高低狂い算出部が行う演算のうち、乗算演算については乗算部が行う部分のみとなり、演算の大部分が加減算演算となるため、高低狂い算出部の演算負荷が非常に軽くなる。さらに、従来構成のようなHPFが不要となるため、低周波数域を遮断しなくてもすむ。したがって、軌道狂い検測において、演算負荷が増大せず、且つ低速域でも所望の波長帯域が得られる。
【0026】
また、上記課題を解決するためになされた請求項9に係る軌道狂い検測装置は、請求項8に記載の軌道狂い検測装置において、さらに、前記車両の水平方向の加速度から前記車両の水平方向の位置を通り狂い量として算出する通り狂い算出部を備え、前記通り狂い算出部は、前記車両の水平方向の加速度から、所望の軌道狂い弦長、前記車両の走行速度およびサンプリング時間に応じたデータ数だけ遅らせた地点での前記車両の水平方向の加速度を減算して出力する第一の差分演算部と、前記第一の差分演算部から出力された演算後の前記車両の水平方向の加速度を積分して前記車両の水平方向の速度として出力する第一の積分演算部と、前記第一の積分演算部から出力された演算後の前記車両の水平方向の速度から、所望の軌道狂い弦長、前記車両の走行速度およびサンプリング時間に応じたデータ数だけ遅らせた地点での前記車両の水平方向の速度を減算して出力する第二の差分演算部と、前記第二の差分演算部から出力された演算後の前記車両の水平方向の速度を積分して前記車両の水平方向の位置として出力する第二の積分演算部と、前記第二の積分演算部から出力された演算後の前記車両の水平方向の位置に、サンプリング時間に基づく係数を乗算して通り狂い量として出力する乗算部と、を有することを特徴とする。
【0027】
このように構成された本発明の軌道狂い検測装置によれば、通り狂い算出部が行う演算のうち、乗算演算については乗算部が行う部分のみとなり、演算の大部分が加減算演算となるため、通り狂い算出部の演算負荷が非常に軽くなる。また、高低狂い算出部が行う演算のうち、乗算演算については乗算部が行う部分のみとなり、演算の大部分が加減算演算となるため、高低狂い算出部の演算負荷が非常に軽くなる。さらに、従来構成のようなHPFが不要となるため、低周波数域を遮断しなくてもすむ。したがって、軌道狂い検測において、演算負荷が増大せず、且つ低速域でも所望の波長帯域が得られる。
【0028】
また、上記課題を解決するためになされた請求項10に係る軌道狂い検測装置は、車両が走行する軌道の軌道狂いを検測する軌道狂い検測装置であって、前記車両の水平方向の加速度から前記車両の水平方向の位置を通り狂い量として算出する通り狂い算出部を備え、前記通り狂い算出部は、前記車両の水平方向の加速度から、所望の軌道狂い弦長およびサンプリング距離に応じたデータ数だけ遅らせた地点での前記車両の水平方向の加速度を減算して出力する第一の差分演算部と、前記第一の差分演算部から出力された演算後の前記車両の水平方向の加速度を積分して前記車両の水平方向の速度として出力する第一の積分演算部と、前記第一の積分演算部から出力された演算後の前記車両の水平方向の速度から、所望の軌道狂い弦長およびサンプリング距離に応じたデータ数だけ遅らせた地点での前記車両の水平方向の速度を減算して出力する第二の差分演算部と、前記第二の差分演算部から出力された演算後の前記車両の水平方向の速度を積分して前記車両の水平方向の位置として出力する第二の積分演算部と、前記第二の積分演算部から出力された演算後の前記車両の水平方向の位置に、前記車両の走行速度およびサンプリング距離に基づく係数を乗算して通り狂い量として出力する乗算部と、を有することを特徴とする。
【0029】
このように構成された本発明の軌道狂い検測装置によれば、通り狂い算出部が行う演算のうち、乗算演算については乗算部が行う部分のみとなり、演算の大部分が加減算演算となるため、通り狂い算出部の演算負荷が非常に軽くなる。さらに、従来構成のようなHPFが不要となるため、低周波数域を遮断しなくてもすむ。したがって、軌道狂い検測において、演算負荷が増大せず、且つ低速域でも所望の波長帯域が得られる。
【0030】
また、上記課題を解決するためになされた請求項11に係る軌道狂い検測装置は、車両が走行する軌道の軌道狂いを検測する軌道狂い検測装置であって、前記車両の鉛直方向の加速度から前記車両の鉛直方向の位置を高低狂い量として算出する高低狂い算出部を備え、前記高低狂い算出部は、前記車両の鉛直方向の加速度から、所望の軌道狂い弦長およびサンプリング距離に応じたデータ数だけ遅らせた地点での前記車両の鉛直方向の加速度を減算して出力する第一の差分演算部と、前記第一の差分演算部から出力された演算後の前記車両の鉛直方向の加速度を積分して前記車両の鉛直方向の速度として出力する第一の積分演算部と、前記第一の積分演算部から出力された演算後の前記車両の鉛直方向の速度から、所望の軌道狂い弦長およびサンプリング距離に応じたデータ数だけ遅らせた地点での前記車両の鉛直方向の速度を減算して出力する第二の差分演算部と、前記第二の差分演算部から出力された演算後の前記車両の鉛直方向の速度を積分して前記車両の鉛直方向の位置として出力する第二の積分演算部と、前記第二の積分演算部から出力された演算後の前記車両の鉛直方向の位置に、前記車両の走行速度およびサンプリング距離に基づく係数を乗算して高低狂い量として出力する乗算部と、を有することを特徴とする。
【0031】
このように構成された本発明の軌道狂い検測装置によれば、高低狂い算出部が行う演算のうち、乗算演算については乗算部が行う部分のみとなり、演算の大部分が加減算演算となるため、高低狂い算出部の演算負荷が非常に軽くなる。さらに、従来構成のようなHPFが不要となるため、低周波数域を遮断しなくてもすむ。したがって、軌道狂い検測において、演算負荷が増大せず、且つ低速域でも所望の波長帯域が得られる。
【0032】
また、上記課題を解決するためになされた請求項12に係る軌道狂い検測装置は、請求項11に記載の軌道狂い検測装置において、さらに、前記車両の水平方向の加速度から前記車両の水平方向の位置を通り狂い量として算出する通り狂い算出部を備え、前記通り狂い算出部は、前記車両の水平方向の加速度から、所望の軌道狂い弦長およびサンプリング距離に応じたデータ数だけ遅らせた地点での前記車両の水平方向の加速度を減算して出力する第一の差分演算部と、前記第一の差分演算部から出力された演算後の前記車両の水平方向の加速度を積分して前記車両の水平方向の速度として出力する第一の積分演算部と、前記第一の積分演算部から出力された演算後の前記車両の水平方向の速度から、所望の軌道狂い弦長およびサンプリング距離に応じたデータ数だけ遅らせた地点での前記車両の水平方向の速度を減算して出力する第二の差分演算部と、前記第二の差分演算部から出力された演算後の前記車両の水平方向の速度を積分して前記車両の水平方向の位置として出力する第二の積分演算部と、前記第二の積分演算部から出力された演算後の前記車両の水平方向の位置に、前記車両の走行速度およびサンプリング距離に基づく係数を乗算して通り狂い量として出力する乗算部と、を有することを特徴とする。
【0033】
このように構成された本発明の軌道狂い検測装置によれば、通り狂い算出部が行う演算のうち、乗算演算については乗算部が行う部分のみとなり、演算の大部分が加減算演算となるため、通り狂い算出部の演算負荷が非常に軽くなる。また、高低狂い算出部が行う演算のうち、乗算演算については乗算部が行う部分のみとなり、演算の大部分が加減算演算となるため、高低狂い算出部の演算負荷が非常に軽くなる。さらに、従来構成のようなHPFが不要となるため、低周波数域を遮断しなくてもすむ。したがって、軌道狂い検測において、演算負荷が増大せず、且つ低速域でも所望の波長帯域が得られる。
【0034】
また、上記課題を解決するためになされた請求項13に係る軌道狂い検測方法は、車両が走行する軌道の軌道狂いを検測する軌道狂い検測方法であって、前記車両の水平方向の加速度に、所望の軌道狂い弦長、前記車両の走行速度およびサンプリング時間に応じたデータ数ずつ遅らせた各地点での前記車両の水平方向の加速度を順次加算して前記車両の水平方向の速度とし、演算後の前記車両の水平方向の速度に、所望の軌道狂い弦長、前記車両の走行速度およびサンプリング時間に応じたデータ数ずつ遅らせた各地点での前記車両の水平方向の速度を順次加算して前記車両の水平方向の位置とし、演算後の前記車両の水平方向の位置に、サンプリング時間に基づく係数を乗算して通り狂い量とすることを特徴とする。
【0035】
また、上記課題を解決するためになされた請求項14に係る軌道狂い検測方法は、車両が走行する軌道の軌道狂いを検測する軌道狂い検測方法であって、前記車両の鉛直方向の加速度に、所望の軌道狂い弦長、前記車両の走行速度およびサンプリング時間に応じたデータ数ずつ遅らせた各地点での前記車両の鉛直方向の加速度を順次加算して前記車両の鉛直方向の速度とし、演算後の前記車両の鉛直方向の速度に、所望の軌道狂い弦長、前記車両の走行速度およびサンプリング時間に応じたデータ数ずつ遅らせた各地点での前記車両の鉛直方向の速度を順次加算して前記車両の鉛直方向の位置とし、演算後の前記車両の鉛直方向の位置に、サンプリング時間に基づく係数を乗算して高低狂い量とすることを特徴とする。
【0036】
また、上記課題を解決するためになされた請求項15に係る軌道狂い検測方法は、請求項14に記載の軌道狂い検測方法において、さらに、前記車両の水平方向の加速度に、所望の軌道狂い弦長、前記車両の走行速度およびサンプリング時間に応じたデータ数ずつ遅らせた各地点での前記車両の水平方向の加速度を順次加算して前記車両の水平方向の速度とし、演算後の前記車両の水平方向の速度に、所望の軌道狂い弦長、前記車両の走行速度およびサンプリング時間に応じたデータ数ずつ遅らせた各地点での前記車両の水平方向の速度を順次加算して前記車両の水平方向の位置とし、演算後の前記車両の水平方向の位置に、サンプリング時間に基づく係数を乗算して通り狂い量とすることを特徴とする。
【0037】
また、上記課題を解決するためになされた請求項16に係る軌道狂い検測方法は、車両が走行する軌道の軌道狂いを検測する軌道狂い検測方法であって、前記車両の水平方向の加速度に、所望の軌道狂い弦長およびサンプリング距離に応じたデータ数ずつ遅らせた各地点での前記車両の水平方向の加速度を順次加算して前記車両の水平方向の速度とし、演算後の前記車両の水平方向の速度に、所望の軌道狂い弦長およびサンプリング距離に応じたデータ数ずつ遅らせた各地点での前記車両の水平方向の速度を順次加算して前記車両の水平方向の位置とし、演算後の前記車両の水平方向の位置に、前記車両の走行速度およびサンプリング距離に基づく係数を乗算して通り狂い量とすることを特徴とする。
【0038】
また、上記課題を解決するためになされた請求項17に係る軌道狂い検測方法は、車両が走行する軌道の軌道狂いを検測する軌道狂い検測方法であって、前記車両の鉛直方向の加速度に、所望の軌道狂い弦長およびサンプリング距離に応じたデータ数ずつ遅らせた各地点での前記車両の鉛直方向の加速度を順次加算して前記車両の鉛直方向の速度とし、演算後の前記車両の鉛直方向の速度に、所望の軌道狂い弦長およびサンプリング距離に応じたデータ数ずつ遅らせた各地点での前記車両の鉛直方向の速度を順次加算して前記車両の鉛直方向の位置とし、演算後の前記車両の鉛直方向の位置に、前記車両の走行速度およびサンプリング距離に基づく係数を乗算して高低狂い量とすることを特徴とする。
【0039】
また、上記課題を解決するためになされた請求項18に係る軌道狂い検測方法は、請求項17に記載の軌道狂い検測方法において、さらに、前記車両の水平方向の加速度に、所望の軌道狂い弦長およびサンプリング距離に応じたデータ数ずつ遅らせた各地点での前記車両の水平方向の加速度を順次加算して前記車両の水平方向の速度とし、演算後の前記車両の水平方向の速度に、所望の軌道狂い弦長およびサンプリング距離に応じたデータ数ずつ遅らせた各地点での前記車両の水平方向の速度を順次加算して前記車両の水平方向の位置とし、演算後の前記車両の水平方向の位置に、前記車両の走行速度およびサンプリング距離に基づく係数を乗算して通り狂い量とすることを特徴とする。
【0040】
また、上記課題を解決するためになされた請求項19に係る軌道狂い検測方法は、車両が走行する軌道の軌道狂いを検測する軌道狂い検測方法であって、前記車両の水平方向の加速度から、所望の軌道狂い弦長、前記車両の走行速度およびサンプリング時間に応じたデータ数だけ遅らせた地点での前記車両の水平方向の加速度を減算し、演算後の前記車両の水平方向の加速度を積分して前記車両の水平方向の速度とし、演算後の前記車両の水平方向の速度から、所望の軌道狂い弦長、前記車両の走行速度およびサンプリング時間に応じたデータ数だけ遅らせた地点での前記車両の水平方向の速度を減算し、演算後の前記車両の水平方向の速度を積分して前記車両の水平方向の位置とし、演算後の前記車両の水平方向の位置に、サンプリング時間に基づく係数を乗算して通り狂い量とすることを特徴とする。
【0041】
また、上記課題を解決するためになされた請求項20に係る軌道狂い検測方法は、車両が走行する軌道の軌道狂いを検測する軌道狂い検測方法であって、前記車両の鉛直方向の加速度から、所望の軌道狂い弦長、前記車両の走行速度およびサンプリング時間に応じたデータ数だけ遅らせた地点での前記車両の鉛直方向の加速度を減算し、演算後の前記車両の鉛直方向の加速度を積分して前記車両の鉛直方向の速度とし、演算後の前記車両の鉛直方向の速度から、所望の軌道狂い弦長、前記車両の走行速度およびサンプリング時間に応じたデータ数だけ遅らせた地点での前記車両の鉛直方向の速度を減算し、演算後の前記車両の鉛直方向の速度を積分して前記車両の鉛直方向の位置とし、演算後の前記車両の鉛直方向の位置に、サンプリング時間に基づく係数を乗算して高低狂い量とすることを特徴とする。
【0042】
また、上記課題を解決するためになされた請求項21に係る軌道狂い検測方法は、請求項20に記載の軌道狂い検測方法において、さらに、前記車両の水平方向の加速度から、所望の軌道狂い弦長、前記車両の走行速度およびサンプリング時間に応じたデータ数だけ遅らせた地点での前記車両の水平方向の加速度を減算し、演算後の前記車両の水平方向の加速度を積分して前記車両の水平方向の速度とし、演算後の前記車両の水平方向の速度から、所望の軌道狂い弦長、前記車両の走行速度およびサンプリング時間に応じたデータ数だけ遅らせた地点での前記車両の水平方向の速度を減算し、演算後の前記車両の水平方向の速度を積分して前記車両の水平方向の位置とし、演算後の前記車両の水平方向の位置に、サンプリング時間に基づく係数を乗算して通り狂い量とすることを特徴とする。
【0043】
また、上記課題を解決するためになされた請求項22に係る軌道狂い検測方法は、車両が走行する軌道の軌道狂いを検測する軌道狂い検測方法であって、前記車両の水平方向の加速度から、所望の軌道狂い弦長およびサンプリング距離に応じたデータ数だけ遅らせた地点での前記車両の水平方向の加速度を減算し、演算後の前記車両の水平方向の加速度を積分して前記車両の水平方向の速度とし、演算後の前記車両の水平方向の速度から、所望の軌道狂い弦長およびサンプリング距離に応じたデータ数だけ遅らせた地点での前記車両の水平方向の速度を減算し、演算後の前記車両の水平方向の速度を積分して前記車両の水平方向の位置とし、演算後の前記車両の水平方向の位置に、前記車両の走行速度およびサンプリング距離に基づく係数を乗算して通り狂い量とすることを特徴とする。
【0044】
また、上記課題を解決するためになされた請求項23に係る軌道狂い検測方法は、車両が走行する軌道の軌道狂いを検測する軌道狂い検測方法であって、前記車両の鉛直方向の加速度から、所望の軌道狂い弦長およびサンプリング距離に応じたデータ数だけ遅らせた地点での前記車両の鉛直方向の加速度を減算し、演算後の前記車両の鉛直方向の加速度を積分して前記車両の鉛直方向の速度とし、演算後の前記車両の鉛直方向の速度から、所望の軌道狂い弦長およびサンプリング距離に応じたデータ数だけ遅らせた地点での前記車両の鉛直方向の速度を減算し、演算後の前記車両の鉛直方向の速度を積分して前記車両の鉛直方向の位置とし、演算後の前記車両の鉛直方向の位置に、前記車両の走行速度およびサンプリング距離に基づく係数を乗算して高低狂い量とすることを特徴とする。
【0045】
また、上記課題を解決するためになされた請求項24に係る軌道狂い検測方法は、請求項23に記載の軌道狂い検測方法において、さらに、前記車両の水平方向の加速度から、所望の軌道狂い弦長およびサンプリング距離に応じたデータ数だけ遅らせた地点での前記車両の水平方向の加速度を減算し、演算後の前記車両の水平方向の加速度を積分して前記車両の水平方向の速度とし、演算後の前記車両の水平方向の速度から、所望の軌道狂い弦長およびサンプリング距離に応じたデータ数だけ遅らせた地点での前記車両の水平方向の速度を減算し、演算後の前記車両の水平方向の速度を積分して前記車両の水平方向の位置とし、演算後の前記車両の水平方向の位置に、前記車両の走行速度およびサンプリング距離に基づく係数を乗算して通り狂い量とすることを特徴とする。
【0046】
上述の請求項13〜24のような軌道狂い検測方法によれば、演算の大部分が加減算演算となるため、演算を実行するCPUなどの演算負荷が非常に軽くなる。また、従来構成のようなHPFが不要となるため、低周波数域を遮断しなくてもすむ。したがって、軌道狂い検測において、演算負荷が増大せず、且つ低速域でも所望の波長帯域が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0047】
本発明は、A/D変換器によってディジタル化されたデータの演算方法であるが、等時間サンプリングでA/D変換されたデータにも等距離サンプリングでA/D変換されたデータにも適用することができる。
【0048】
以下に本発明の実施形態を、等時間サンプリングされた場合について、図面とともに説明する。
[第一実施形態]
図1は、軌道狂い検測装置の構成を示すブロック図である。また、図2は、軌道狂い検測装置が実行する速度可変移動和を示すブロック図である。
【0049】
[1.軌道狂い検測装置1の構成の説明]
図1に示すように、軌道狂い検測装置1は、CPUやROM、RAMなどによって構成された通常のコンピュータなどであり、車両が走行する軌道の軌道狂いを検測する機能を有する。なお、CPUが特許請求の範囲における通り狂い算出部および高低狂い算出部に該当し、RAMが記憶する演算プログラムが第一の差分演算部、第二の差分演算部および乗算部に該当する。
【0050】
この軌道狂い検測装置1が搭載される鉄道車両には、速度計とともに、左レールおよび右レールそれぞれに対応して、図示しないジャイロ、水平方向の加速度計、鉛直方向の加速度計、水平方向の変位計および鉛直方向の変位計が取り付けられており、軌道狂い検測装置1には、これら各種計測機器から、左レール側での水平方向の加速度、左レールと左レール側の水平加速度計との間の相対変位、左レール側の水平加速度計の傾斜角、右レール側での水平方向の加速度、右レールと右レール側の水平加速度計との間の相対変位、右レール側の水平加速度計の傾斜角、左レール側での鉛直方向の加速度、左レールと左レール側の鉛直加速度計との間の相対変位、左レール側の鉛直加速度計の傾斜角、右レール側での鉛直方向の加速度、右レールと右レール側の鉛直加速度計との間の相対変位、右レール側の鉛直加速度計の傾斜角、および車両の走行速度が入力される。
【0051】
なお、A/D変換前の加速度の出力特性は図3(a)に示すようになる。
軌道狂い検測装置1は、入力された各データをA/D変換し、A/D変換後のデータを用いて、左レール側の10m弦通り狂い量、右レール側の10m弦通り狂い量、左レール側の10m弦高低狂い量、および右レール側の10m弦高低狂い量を算出する。以下に順に説明する。
【0052】
(1)左レール側の10m弦通り狂い量の算出方法について
(1−1)まず、軌道狂い検測装置1は、左レールと左レール側の水平加速度計との間の水平方向の相対変位を正矢演算する。
【0053】
(1−2)一方、軌道狂い検測装置1は、左レール側の水平方向の加速度を、左レール側の水平加速度計の傾斜角だけ補正を行う。
(1−3)続いて、軌道狂い検測装置1は、補正後の左レール側の水平方向の加速度および車両の走行速度に基づき積分正矢複合演算を行う。
【0054】
なお、この積分正矢複合演算は次のように行う。すなわち、10m弦正矢法の特性は、次の式(1)のように2つの1次差分フィルタと1つの乗算器で構成されることを示している。
【0055】
【数1】

【0056】
最も簡単なディジタル積分器の伝達関数は下記の式(2)で表されるから、積分正矢複合演算は下記の式(3)のように表すことができる。
【0057】
【数2】

【0058】
【数3】

【0059】
さらに、式(3)の括弧内は多項式の割り算で下記の式(4)とすることができる。
【0060】
【数4】

【0061】
したがって、式(3)の積分正矢複合演算は下記の式(5)のように表現することもできる。なお、式(5)の括弧内が速度可変移動和である。
【0062】
【数5】

【0063】
なお、本実施形態では、式(5)を用いて積分正矢複合演算を行う。
ここで、式(5)の速度可変移動和の算出方法について説明する。すなわち、図2に示すように、まず、左レール側の水平方向の加速度に、所望の軌道狂い弦長、車両の走行速度およびサンプリング時間に応じたデータ数ずつ遅らせた各地点での左レール側の水平方向の加速度を順次加算して左レール側の水平方向の速度とする。このとき、各地点の個数は(L−1)個となるが、所望の軌道狂い弦長、車両の走行速度およびサンプリング時間に応じて間隔が変化するとともにデータ数が変化する。なお、係数Lは次の式(6)で表される。
【0064】
【数6】

【0065】
但し、△tはサンプリング時間(sec)を示し、vは車両の走行速度(m/s)を示す。
なお、弦長がSmである場合には、係数Lは次の式(7)で表される。
【0066】
【数7】

【0067】
なお、このように算出した速度可変移動和の特性は図3(b)に示すようになる。
次に、演算後の左レール側の水平方向の速度に、所望の軌道狂い弦長、車両の走行速度およびサンプリング時間に応じたデータ数ずつ遅らせた各地点での左レール側の水平方向の速度を順次加算して左レール側の水平方向の位置とする。なお、この位置とは、左レール側の水平加速度計の設置箇所が慣性空間を描く軌跡である。このとき、各地点の個数は(L−1)個となるが、所望の軌道狂い弦長、車両の走行速度およびサンプリング時間に応じて間隔が変化するとともにデータ数が変化する。なお、このように算出した速度可変移動和の特性は図3(c)に示すようになる。
【0068】
(1−4)さらに、演算後の左レール側の水平方向の位置に、サンプリング時間に基づく係数kを乗算して左レール側の通り狂い量とする。なお、係数kは次の式(8)で表される。
【0069】
【数8】

【0070】
(1−5)そして、軌道狂い検測装置1は、上述の正矢演算の演算結果と上述の積分正矢複合演算の演算結果とを距離サンプリングの再構成を行なった後に加算することで左レール側の通り狂い量(本実施形態では左レール側の10m弦通り狂い量)を算出する。なお、距離サンプリングの再構成とは、時間サンプリングされた加速度データ(図5(a)および図5(b)参照)を、速度発電機パルス(図5(e)参照))を用いて距離サンプリング(図5(c)および図5(d)参照))に変換することを云う。また、処理後の10m弦正矢データの特性については図3(d)に示すようになる。
【0071】
(2)右レール側の10m弦通り狂い量の算出方法について
(2−1)まず、軌道狂い検測装置1は、右レールと右レール側の水平加速度計との間の水平方向の相対変位を正矢演算する。
【0072】
(2−2)一方、軌道狂い検測装置1は、右レール側の水平方向の加速度を、右レール側の水平加速度計の傾斜角だけ補正を行う。
(2−3)続いて、軌道狂い検測装置1は、補正後の右レール側の水平方向の加速度および車両の走行速度に基づき積分正矢複合演算を行う。なお、この積分正矢複合演算は上記式(5)を用いて行われる。
【0073】
また、式(5)の速度可変移動和については次のように算出される。すなわち、図2に示すように、まず、右レール側の水平方向の加速度に、所望の軌道狂い弦長、車両の走行速度およびサンプリング時間に応じたデータ数ずつ遅らせた各地点での右レール側の水平方向の加速度を順次加算して右レール側の水平方向の速度とする。このとき、各地点の個数は(L−1)個となるが、所望の軌道狂い弦長、車両の走行速度およびサンプリング時間に応じて間隔が変化するとともにデータ数が変化する。なお、このように算出した速度可変移動和の特性は図3(b)に示すようになる。
【0074】
次に、演算後の右レール側の水平方向の速度に、所望の軌道狂い弦長、車両の走行速度およびサンプリング時間に応じたデータ数ずつ遅らせた各地点での右レール側の水平方向の速度を順次加算して右レール側の水平方向の位置とする。なお、この位置とは、右レール側の水平加速度計の設置箇所が慣性空間を描く軌跡である。このとき、各地点の個数は(L−1)個となるが、所望の軌道狂い弦長、車両の走行速度およびサンプリング時間に応じて間隔が変化するとともにデータ数が変化する。なお、このように算出した速度可変移動和の特性は図3(c)に示すようになる。
【0075】
(2−4)さらに、演算後の右レール側の水平方向の位置に、サンプリング時間に基づく係数kを乗算して右レール側の通り狂い量とする。
(2−5)そして、軌道狂い検測装置1は、上述の正矢演算の演算結果と上述の積分正矢複合演算の演算結果とを距離サンプリングの再構成を行なった後に加算することで右レール側の通り狂い量(本実施形態では右レール側の10m弦通り狂い量)を算出する。なお、処理後の10m弦正矢データの特性については図3(d)に示すようになる。
【0076】
(3)左レール側の10m弦高低狂い量の算出方法について
(3−1)まず、軌道狂い検測装置1は、左レールと左レール側の鉛直加速度計との間の鉛直方向の相対変位を正矢演算する。
【0077】
(3−2)一方、軌道狂い検測装置1は、左レール側の鉛直方向の加速度を、左レール側の鉛直加速度計の傾斜角だけ補正を行う。
(3−3)続いて、軌道狂い検測装置1は、補正後の左レール側の鉛直方向の加速度および車両の走行速度に基づき積分正矢複合演算を行う。なお、この積分正矢複合演算は上記式(5)を用いて行われる。
【0078】
また、式(5)の速度可変移動和については次のように算出される。すなわち、図2に示すように、まず、左レール側の鉛直方向の加速度に、所望の軌道狂い弦長、車両の走行速度およびサンプリング時間に応じたデータ数ずつ遅らせた各地点での左レール側の鉛直方向の加速度を順次加算して左レール側の鉛直方向の速度とする。このとき、各地点の個数は(L−1)個となるが、所望の軌道狂い弦長、車両の走行速度およびサンプリング時間に応じて間隔が変化するとともにデータ数が変化する。なお、このように算出した速度可変移動和の特性は図3(b)に示すようになる。
【0079】
次に、演算後の左レール側の鉛直方向の速度に、所望の軌道狂い弦長、車両の走行速度およびサンプリング時間に応じたデータ数ずつ遅らせた各地点での左レール側の鉛直方向の速度を順次加算して左レール側の鉛直方向の位置とする。なお、この位置とは、左レール側の鉛直加速度計の設置箇所が慣性空間を描く軌跡である。このとき、各地点の個数は(L−1)個となるが、所望の軌道狂い弦長、車両の走行速度およびサンプリング時間に応じて間隔が変化するとともにデータ数が変化する。なお、このように算出した速度可変移動和の特性は図3(c)に示すようになる。
【0080】
(3−4)さらに、演算後の左レール側の鉛直方向の位置に、サンプリング時間に基づく係数kを乗算して左レール側の高低狂い量とする。
(3−5)そして、軌道狂い検測装置1は、上述の正矢演算の演算結果と上述の積分正矢複合演算の演算結果とを距離サンプリングの再構成を行なった後に加算することで左レール側の高低狂い量(本実施形態では左レール側の10m弦高低狂い量)を算出する。なお、処理後の10m弦正矢データの特性については図3(d)に示すようになる。
【0081】
(4)右レール側の10m弦高低狂い量の算出方法について
(4−1)まず、軌道狂い検測装置1は、右レールと右レール側の鉛直加速度計との間の鉛直方向の相対変位を正矢演算する。
【0082】
(4−2)一方、軌道狂い検測装置1は、右レール側の鉛直方向の加速度を、右レール側の鉛直加速度計の傾斜角だけ補正を行う。
(4−3)続いて、軌道狂い検測装置1は、補正後の右レール側の鉛直方向の加速度および車両の走行速度に基づき積分正矢複合演算を行う。なお、この積分正矢複合演算は上記式(5)を用いて行われる。
【0083】
また、式(5)の速度可変移動和については次のように算出される。すなわち、図2に示すように、まず、右レール側の鉛直方向の加速度に、所望の軌道狂い弦長、車両の走行速度およびサンプリング時間に応じたデータ数ずつ遅らせた各地点での右レール側の鉛直方向の加速度を順次加算して右レール側の鉛直方向の速度とする。このとき、各地点の個数は(L−1)個となるが、所望の軌道狂い弦長、車両の走行速度およびサンプリング時間に応じて間隔が変化するとともにデータ数が変化する。なお、このように算出した速度可変移動和の特性は図3(b)に示すようになる。
【0084】
次に、演算後の右レール側の鉛直方向の速度に、所望の軌道狂い弦長、車両の走行速度およびサンプリング時間に応じたデータ数ずつ遅らせた各地点での右レール側の鉛直方向の速度を順次加算して右レール側の鉛直方向の位置とする。なお、この位置とは、右レール側の鉛直加速度計の設置箇所が慣性空間を描く軌跡である。このとき、各地点の個数は(L−1)個となるが、所望の軌道狂い弦長、車両の走行速度およびサンプリング時間に応じて間隔が変化するとともにデータ数が変化する。なお、このように算出した速度可変移動和の特性は図3(c)に示すようになる。
【0085】
(4−4)さらに、演算後の右レール側の鉛直方向の位置に、サンプリング時間に基づく係数kを乗算して右レール側の高低狂い量とする。
(4−5)そして、軌道狂い検測装置1は、上述の正矢演算の演算結果と上述の積分正矢複合演算の演算結果とを距離サンプリングの再構成を行なった後に加算することで右レール側の高低狂い量(本実施形態では右レール側の10m弦高低狂い量)を算出する。なお、処理後の10m弦正矢データの特性については図3(d)に示すようになる。
【0086】
[2.第一実施形態の効果]
このように第一実施形態の軌道狂い検測装置1によれば、演算の大部分が加減算演算となるため、演算を実行するCPUなどの演算負荷が非常に軽くなる。また、従来構成のようなHPFが不要となるため、低周波数域を遮断しなくてもすむ。したがって、軌道狂い検測において、演算負荷が増大せず、且つ低速域でも所望の波長帯域が得られる。
【0087】
[3.他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下の様々な態様にて実施することが可能である。
【0088】
(1)上記実施形態では、式(5)を用いて積分正矢複合演算を行っているが、これには限られず、式(3)を用いて積分正矢複合演算を行うようにしてもよい。すなわち、左レール側の10m弦通り狂い量を算出する場合を例に説明すると、図4に示すように、左レール側の水平方向の加速度から、所望の軌道狂い弦長、車両の走行速度およびサンプリング時間に応じたデータ数(L−1)個だけ遅らせた地点での左レール側の水平方向の加速度を減算し、演算後の左レール側の水平方向の加速度を積分して左レール側の水平方向の速度とする。なお、係数Lは上述の式(6)または式(7)で表される。次に、演算後の左レール側の水平方向の速度から、所望の軌道狂い弦長、車両の走行速度およびサンプリング時間に応じたデータ数(L−1)個だけ遅らせた地点での左レール側の水平方向の速度を減算し、演算後の左レール側の水平方向の速度を積分して左レール側の水平方向の位置とする。なお、係数Lは上述の式(6)または式(7)で表される。さらに、演算後の左レール側の水平方向の位置に、サンプリング時間に基づく係数kを乗算して左レール側の通り狂い量とする。なお、係数kは上述の式(8)で表される。
【0089】
なお、同様に、式(3)を用いて積分正矢複合演算を用いて、右レール側の10m弦通り狂い量、左レール側の10m弦高低狂い量および右レール側の10m弦高低狂い量を算出する。
【0090】
なお、RAMが記憶する演算プログラムが第一の差分演算部、第一の積分演算部、第二の差分演算部、第二の積分演算部および乗算部に該当する。
このようにしても、演算の大部分が加減算演算となるため、演算を実行するCPUなどの演算負荷が非常に軽くなる。また、従来構成のようなHPFが不要となるため、低周波数域を遮断しなくてもすむ。したがって、軌道狂い検測において、演算負荷が増大せず、且つ低速域でも所望の波長帯域が得られる。
【0091】
(2)また、以上は等時間サンプリングされたデータに対しての実施形態であるが、前述の通り、等距離サンプリングされたデータに対しても、車両の走行速度に応じて係数Lおよび係数kの値を可変するだけで同じ処理を適用することができる。
【0092】
なお、等距離サンプリングの場合には、係数Lは次の式(9)で表される。但し、△ξはサンプリング距離(m)を示し、(△t・v=△ξ)である。なお、弦長がSmである場合には、係数Lは次の式(10)で表される。この場合の係数Lは、サンプリング距離によってその値が変化する。また、係数kは次の式(11)で表される。この場合の係数kは、車両の走行時間およびサンプリング距離によってその値が変化する。
【0093】
【数9】

【0094】
【数10】

【0095】
【数11】

【0096】
(3)本発明は、上記実施形態のような鉄道車両が走行する軌道に生じる軌道狂いを検測する場合だけではなく、鉄道車両以外の車両が走行する軌道の軌道狂いを検測する場合にも適用することが可能である。例えば、本発明を、車両としての自動車が走行する軌道としての道路に生じる狂いを検測する場合や、車両としてのモノレールが走行する軌道としてのガイドウェイに生じる狂いを検測する場合、車両としての磁気浮上鉄道が走行する軌道としてのガイドウェイに生じる狂いを検測する場合などである。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】軌道狂い検測装置の構成を示すブロック図である。
【図2】速度可変移動和による積分正矢複合演算を示すブロック図である。
【図3】ディジタル慣性測定法による軌道狂い検測を示す説明図である。
【図4】周波数可変差分フィルタによる積分正矢複合演算を示すブロック図である。
【図5】距離サンプリングの再構成を説明する説明図である。
【図6】従来の慣性測定法による軌道狂い検測を示す説明図である。
【符号の説明】
【0098】
1…軌道狂い検測装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両が走行する軌道の軌道狂いを検測する軌道狂い検測装置であって、
前記車両の水平方向の加速度から前記車両の水平方向の位置を通り狂い量として算出する通り狂い算出部を備え、
前記通り狂い算出部は、
前記車両の水平方向の加速度に、所望の軌道狂い弦長、前記車両の走行速度およびサンプリング時間に応じたデータ数ずつ遅らせた各地点での前記車両の水平方向の加速度を順次加算して前記車両の水平方向の速度として出力する第一の移動和演算部と、
前記第一の移動和演算部から出力された演算後の前記車両の水平方向の速度に、所望の軌道狂い弦長、前記車両の走行速度およびサンプリング時間に応じたデータ数ずつ遅らせた各地点での前記車両の水平方向の速度を順次加算して前記車両の水平方向の位置として出力する第二の移動和演算部と、
前記第二の移動和演算部から出力された演算後の前記車両の水平方向の位置に、サンプリング時間に基づく係数を乗算して通り狂い量として出力する乗算部と、を有すること
を特徴とする軌道狂い検測装置。
【請求項2】
車両が走行する軌道の軌道狂いを検測する軌道狂い検測装置であって、
前記車両の鉛直方向の加速度から前記車両の鉛直方向の位置を高低狂い量として算出する高低狂い算出部を備え、
前記高低狂い算出部は、
前記車両の鉛直方向の加速度に、所望の軌道狂い弦長、前記車両の走行速度およびサンプリング時間に応じたデータ数ずつ遅らせた各地点での前記車両の鉛直方向の加速度を順次加算して前記車両の鉛直方向の速度として出力する第一の移動和演算部と、
前記第一の移動和演算部から出力された演算後の前記車両の鉛直方向の速度に、所望の軌道狂い弦長、前記車両の走行速度およびサンプリング時間に応じたデータ数ずつ遅らせた各地点での前記車両の鉛直方向の速度を順次加算して前記車両の鉛直方向の位置として出力する第二の移動和演算部と、
前記第二の移動和演算部から出力された演算後の前記車両の鉛直方向の位置に、サンプリング時間に基づく係数を乗算して高低狂い量として出力する乗算部と、を有すること
を特徴とする軌道狂い検測装置。
【請求項3】
請求項2に記載の軌道狂い検測装置において、
さらに、
前記車両の水平方向の加速度から前記車両の水平方向の位置を通り狂い量として算出する通り狂い算出部を備え、
前記通り狂い算出部は、
前記車両の水平方向の加速度に、所望の軌道狂い弦長、前記車両の走行速度およびサンプリング時間に応じたデータ数ずつ遅らせた各地点での前記車両の水平方向の加速度を順次加算して前記車両の水平方向の速度として出力する第一の移動和演算部と、
前記第一の移動和演算部から出力された演算後の前記車両の水平方向の速度に、所望の軌道狂い弦長、前記車両の走行速度およびサンプリング時間に応じたデータ数ずつ遅らせた各地点での前記車両の水平方向の速度を順次加算して前記車両の水平方向の位置として出力する第二の移動和演算部と、
前記第二の移動和演算部から出力された演算後の前記車両の水平方向の位置に、サンプリング時間に基づく係数を乗算して通り狂い量として出力する乗算部と、を有すること
を特徴とする軌道狂い検測装置。
【請求項4】
車両が走行する軌道の軌道狂いを検測する軌道狂い検測装置であって、
前記車両の水平方向の加速度から前記車両の水平方向の位置を通り狂い量として算出する通り狂い算出部を備え、
前記通り狂い算出部は、
前記車両の水平方向の加速度に、所望の軌道狂い弦長およびサンプリング距離に応じたデータ数ずつ遅らせた各地点での前記車両の水平方向の加速度を順次加算して前記車両の水平方向の速度として出力する第一の移動和演算部と、
前記第一の移動和演算部から出力された演算後の前記車両の水平方向の速度に、所望の軌道狂い弦長およびサンプリング距離に応じたデータ数ずつ遅らせた各地点での前記車両の水平方向の速度を順次加算して前記車両の水平方向の位置として出力する第二の移動和演算部と、
前記第二の移動和演算部から出力された演算後の前記車両の水平方向の位置に、前記車両の走行速度およびサンプリング距離に基づく係数を乗算して通り狂い量として出力する乗算部と、を有すること
を特徴とする軌道狂い検測装置。
【請求項5】
車両が走行する軌道の軌道狂いを検測する軌道狂い検測装置であって、
前記車両の鉛直方向の加速度から前記車両の鉛直方向の位置を高低狂い量として算出する高低狂い算出部を備え、
前記高低狂い算出部は、
前記車両の鉛直方向の加速度に、所望の軌道狂い弦長およびサンプリング距離に応じたデータ数ずつ遅らせた各地点での前記車両の鉛直方向の加速度を順次加算して前記車両の鉛直方向の速度として出力する第一の移動和演算部と、
前記第一の移動和演算部から出力された演算後の前記車両の鉛直方向の速度に、所望の軌道狂い弦長およびサンプリング距離に応じたデータ数ずつ遅らせた各地点での前記車両の鉛直方向の速度を順次加算して前記車両の鉛直方向の位置として出力する第二の移動和演算部と、
前記第二の移動和演算部から出力された演算後の前記車両の鉛直方向の位置に、前記車両の走行速度およびサンプリング距離に基づく係数を乗算して高低狂い量として出力する乗算部と、を有すること
を特徴とする軌道狂い検測装置。
【請求項6】
請求項5に記載の軌道狂い検測装置において、
さらに、
前記車両の水平方向の加速度から前記車両の水平方向の位置を通り狂い量として算出する通り狂い算出部を備え、
前記通り狂い算出部は、
前記車両の水平方向の加速度に、所望の軌道狂い弦長およびサンプリング距離に応じたデータ数ずつ遅らせた各地点での前記車両の水平方向の加速度を順次加算して前記車両の水平方向の速度として出力する第一の移動和演算部と、
前記第一の移動和演算部から出力された演算後の前記車両の水平方向の速度に、所望の軌道狂い弦長およびサンプリング距離に応じたデータ数ずつ遅らせた各地点での前記車両の水平方向の速度を順次加算して前記車両の水平方向の位置として出力する第二の移動和演算部と、
前記第二の移動和演算部から出力された演算後の前記車両の水平方向の位置に、前記車両の走行速度およびサンプリング距離に基づく係数を乗算して通り狂い量として出力する乗算部と、を有すること
を特徴とする軌道狂い検測装置。
【請求項7】
車両が走行する軌道の軌道狂いを検測する軌道狂い検測装置であって、
前記車両の水平方向の加速度から前記車両の水平方向の位置を通り狂い量として算出する通り狂い算出部を備え、
前記通り狂い算出部は、
前記車両の水平方向の加速度から、所望の軌道狂い弦長、前記車両の走行速度およびサンプリング時間に応じたデータ数だけ遅らせた地点での前記車両の水平方向の加速度を減算して出力する第一の差分演算部と、
前記第一の差分演算部から出力された演算後の前記車両の水平方向の加速度を積分して前記車両の水平方向の速度として出力する第一の積分演算部と、
前記第一の積分演算部から出力された演算後の前記車両の水平方向の速度から、所望の軌道狂い弦長、前記車両の走行速度およびサンプリング時間に応じたデータ数だけ遅らせた地点での前記車両の水平方向の速度を減算して出力する第二の差分演算部と、
前記第二の差分演算部から出力された演算後の前記車両の水平方向の速度を積分して前記車両の水平方向の位置として出力する第二の積分演算部と、
前記第二の積分演算部から出力された演算後の前記車両の水平方向の位置に、サンプリング時間に基づく係数を乗算して通り狂い量として出力する乗算部と、を有すること
を特徴とする軌道狂い検測装置。
【請求項8】
車両が走行する軌道の軌道狂いを検測する軌道狂い検測装置であって、
前記車両の鉛直方向の加速度から前記車両の鉛直方向の位置を高低狂い量として算出する高低狂い算出部を備え、
前記高低狂い算出部は、
前記車両の鉛直方向の加速度から、所望の軌道狂い弦長、前記車両の走行速度およびサンプリング時間に応じたデータ数だけ遅らせた地点での前記車両の鉛直方向の加速度を減算して出力する第一の差分演算部と、
前記第一の差分演算部から出力された演算後の前記車両の鉛直方向の加速度を積分して前記車両の鉛直方向の速度として出力する第一の積分演算部と、
前記第一の積分演算部から出力された演算後の前記車両の鉛直方向の速度から、所望の軌道狂い弦長、前記車両の走行速度およびサンプリング時間に応じたデータ数だけ遅らせた地点での前記車両の鉛直方向の速度を減算して出力する第二の差分演算部と、
前記第二の差分演算部から出力された演算後の前記車両の鉛直方向の速度を積分して前記車両の鉛直方向の位置として出力する第二の積分演算部と、
前記第二の積分演算部から出力された演算後の前記車両の鉛直方向の位置に、サンプリング時間に基づく係数を乗算して高低狂い量として出力する乗算部と、を有すること
を特徴とする軌道狂い検測装置。
【請求項9】
請求項8に記載の軌道狂い検測装置において、
さらに、
前記車両の水平方向の加速度から前記車両の水平方向の位置を通り狂い量として算出する通り狂い算出部を備え、
前記通り狂い算出部は、
前記車両の水平方向の加速度から、所望の軌道狂い弦長、前記車両の走行速度およびサンプリング時間に応じたデータ数だけ遅らせた地点での前記車両の水平方向の加速度を減算して出力する第一の差分演算部と、
前記第一の差分演算部から出力された演算後の前記車両の水平方向の加速度を積分して前記車両の水平方向の速度として出力する第一の積分演算部と、
前記第一の積分演算部から出力された演算後の前記車両の水平方向の速度から、所望の軌道狂い弦長、前記車両の走行速度およびサンプリング時間に応じたデータ数だけ遅らせた地点での前記車両の水平方向の速度を減算して出力する第二の差分演算部と、
前記第二の差分演算部から出力された演算後の前記車両の水平方向の速度を積分して前記車両の水平方向の位置として出力する第二の積分演算部と、
前記第二の積分演算部から出力された演算後の前記車両の水平方向の位置に、サンプリング時間に基づく係数を乗算して通り狂い量として出力する乗算部と、を有すること
を特徴とする軌道狂い検測装置。
【請求項10】
車両が走行する軌道の軌道狂いを検測する軌道狂い検測装置であって、
前記車両の水平方向の加速度から前記車両の水平方向の位置を通り狂い量として算出する通り狂い算出部を備え、
前記通り狂い算出部は、
前記車両の水平方向の加速度から、所望の軌道狂い弦長およびサンプリング距離に応じたデータ数だけ遅らせた地点での前記車両の水平方向の加速度を減算して出力する第一の差分演算部と、
前記第一の差分演算部から出力された演算後の前記車両の水平方向の加速度を積分して前記車両の水平方向の速度として出力する第一の積分演算部と、
前記第一の積分演算部から出力された演算後の前記車両の水平方向の速度から、所望の軌道狂い弦長およびサンプリング距離に応じたデータ数だけ遅らせた地点での前記車両の水平方向の速度を減算して出力する第二の差分演算部と、
前記第二の差分演算部から出力された演算後の前記車両の水平方向の速度を積分して前記車両の水平方向の位置として出力する第二の積分演算部と、
前記第二の積分演算部から出力された演算後の前記車両の水平方向の位置に、前記車両の走行速度およびサンプリング距離に基づく係数を乗算して通り狂い量として出力する乗算部と、を有すること
を特徴とする軌道狂い検測装置。
【請求項11】
車両が走行する軌道の軌道狂いを検測する軌道狂い検測装置であって、
前記車両の鉛直方向の加速度から前記車両の鉛直方向の位置を高低狂い量として算出する高低狂い算出部を備え、
前記高低狂い算出部は、
前記車両の鉛直方向の加速度から、所望の軌道狂い弦長およびサンプリング距離に応じたデータ数だけ遅らせた地点での前記車両の鉛直方向の加速度を減算して出力する第一の差分演算部と、
前記第一の差分演算部から出力された演算後の前記車両の鉛直方向の加速度を積分して前記車両の鉛直方向の速度として出力する第一の積分演算部と、
前記第一の積分演算部から出力された演算後の前記車両の鉛直方向の速度から、所望の軌道狂い弦長およびサンプリング距離に応じたデータ数だけ遅らせた地点での前記車両の鉛直方向の速度を減算して出力する第二の差分演算部と、
前記第二の差分演算部から出力された演算後の前記車両の鉛直方向の速度を積分して前記車両の鉛直方向の位置として出力する第二の積分演算部と、
前記第二の積分演算部から出力された演算後の前記車両の鉛直方向の位置に、前記車両の走行速度およびサンプリング距離に基づく係数を乗算して高低狂い量として出力する乗算部と、を有すること
を特徴とする軌道狂い検測装置。
【請求項12】
請求項11に記載の軌道狂い検測装置において、
さらに、
前記車両の水平方向の加速度から前記車両の水平方向の位置を通り狂い量として算出する通り狂い算出部を備え、
前記通り狂い算出部は、
前記車両の水平方向の加速度から、所望の軌道狂い弦長およびサンプリング距離に応じたデータ数だけ遅らせた地点での前記車両の水平方向の加速度を減算して出力する第一の差分演算部と、
前記第一の差分演算部から出力された演算後の前記車両の水平方向の加速度を積分して前記車両の水平方向の速度として出力する第一の積分演算部と、
前記第一の積分演算部から出力された演算後の前記車両の水平方向の速度から、所望の軌道狂い弦長およびサンプリング距離に応じたデータ数だけ遅らせた地点での前記車両の水平方向の速度を減算して出力する第二の差分演算部と、
前記第二の差分演算部から出力された演算後の前記車両の水平方向の速度を積分して前記車両の水平方向の位置として出力する第二の積分演算部と、
前記第二の積分演算部から出力された演算後の前記車両の水平方向の位置に、前記車両の走行速度およびサンプリング距離に基づく係数を乗算して通り狂い量として出力する乗算部と、を有すること
を特徴とする軌道狂い検測装置。
【請求項13】
車両が走行する軌道の軌道狂いを検測する軌道狂い検測方法であって、
前記車両の水平方向の加速度に、所望の軌道狂い弦長、前記車両の走行速度およびサンプリング時間に応じたデータ数ずつ遅らせた各地点での前記車両の水平方向の加速度を順次加算して前記車両の水平方向の速度とし、演算後の前記車両の水平方向の速度に、所望の軌道狂い弦長、前記車両の走行速度およびサンプリング時間に応じたデータ数ずつ遅らせた各地点での前記車両の水平方向の速度を順次加算して前記車両の水平方向の位置とし、演算後の前記車両の水平方向の位置に、サンプリング時間に基づく係数を乗算して通り狂い量とすること
を特徴とする軌道狂い検測方法。
【請求項14】
車両が走行する軌道の軌道狂いを検測する軌道狂い検測方法であって、
前記車両の鉛直方向の加速度に、所望の軌道狂い弦長、前記車両の走行速度およびサンプリング時間に応じたデータ数ずつ遅らせた各地点での前記車両の鉛直方向の加速度を順次加算して前記車両の鉛直方向の速度とし、演算後の前記車両の鉛直方向の速度に、所望の軌道狂い弦長、前記車両の走行速度およびサンプリング時間に応じたデータ数ずつ遅らせた各地点での前記車両の鉛直方向の速度を順次加算して前記車両の鉛直方向の位置とし、演算後の前記車両の鉛直方向の位置に、サンプリング時間に基づく係数を乗算して高低狂い量とすること
を特徴とする軌道狂い検測方法。
【請求項15】
請求項14に記載の軌道狂い検測方法において、
さらに、前記車両の水平方向の加速度に、所望の軌道狂い弦長、前記車両の走行速度およびサンプリング時間に応じたデータ数ずつ遅らせた各地点での前記車両の水平方向の加速度を順次加算して前記車両の水平方向の速度とし、演算後の前記車両の水平方向の速度に、所望の軌道狂い弦長、前記車両の走行速度およびサンプリング時間に応じたデータ数ずつ遅らせた各地点での前記車両の水平方向の速度を順次加算して前記車両の水平方向の位置とし、演算後の前記車両の水平方向の位置に、サンプリング時間に基づく係数を乗算して通り狂い量とすること
を特徴とする軌道狂い検測方法。
【請求項16】
車両が走行する軌道の軌道狂いを検測する軌道狂い検測方法であって、
前記車両の水平方向の加速度に、所望の軌道狂い弦長およびサンプリング距離に応じたデータ数ずつ遅らせた各地点での前記車両の水平方向の加速度を順次加算して前記車両の水平方向の速度とし、演算後の前記車両の水平方向の速度に、所望の軌道狂い弦長およびサンプリング距離に応じたデータ数ずつ遅らせた各地点での前記車両の水平方向の速度を順次加算して前記車両の水平方向の位置とし、演算後の前記車両の水平方向の位置に、前記車両の走行速度およびサンプリング距離に基づく係数を乗算して通り狂い量とすること
を特徴とする軌道狂い検測方法。
【請求項17】
車両が走行する軌道の軌道狂いを検測する軌道狂い検測方法であって、
前記車両の鉛直方向の加速度に、所望の軌道狂い弦長およびサンプリング距離に応じたデータ数ずつ遅らせた各地点での前記車両の鉛直方向の加速度を順次加算して前記車両の鉛直方向の速度とし、演算後の前記車両の鉛直方向の速度に、所望の軌道狂い弦長およびサンプリング距離に応じたデータ数ずつ遅らせた各地点での前記車両の鉛直方向の速度を順次加算して前記車両の鉛直方向の位置とし、演算後の前記車両の鉛直方向の位置に、前記車両の走行速度およびサンプリング距離に基づく係数を乗算して高低狂い量とすること
を特徴とする軌道狂い検測方法。
【請求項18】
請求項17に記載の軌道狂い検測方法において、
さらに、前記車両の水平方向の加速度に、所望の軌道狂い弦長およびサンプリング距離に応じたデータ数ずつ遅らせた各地点での前記車両の水平方向の加速度を順次加算して前記車両の水平方向の速度とし、演算後の前記車両の水平方向の速度に、所望の軌道狂い弦長およびサンプリング距離に応じたデータ数ずつ遅らせた各地点での前記車両の水平方向の速度を順次加算して前記車両の水平方向の位置とし、演算後の前記車両の水平方向の位置に、前記車両の走行速度およびサンプリング距離に基づく係数を乗算して通り狂い量とすること
を特徴とする軌道狂い検測方法。
【請求項19】
車両が走行する軌道の軌道狂いを検測する軌道狂い検測方法であって、
前記車両の水平方向の加速度から、所望の軌道狂い弦長、前記車両の走行速度およびサンプリング時間に応じたデータ数だけ遅らせた地点での前記車両の水平方向の加速度を減算し、演算後の前記車両の水平方向の加速度を積分して前記車両の水平方向の速度とし、演算後の前記車両の水平方向の速度から、所望の軌道狂い弦長、前記車両の走行速度およびサンプリング時間に応じたデータ数だけ遅らせた地点での前記車両の水平方向の速度を減算し、演算後の前記車両の水平方向の速度を積分して前記車両の水平方向の位置とし、演算後の前記車両の水平方向の位置に、サンプリング時間に基づく係数を乗算して通り狂い量とすること
を特徴とする軌道狂い検測方法。
【請求項20】
車両が走行する軌道の軌道狂いを検測する軌道狂い検測方法であって、
前記車両の鉛直方向の加速度から、所望の軌道狂い弦長、前記車両の走行速度およびサンプリング時間に応じたデータ数だけ遅らせた地点での前記車両の鉛直方向の加速度を減算し、演算後の前記車両の鉛直方向の加速度を積分して前記車両の鉛直方向の速度とし、演算後の前記車両の鉛直方向の速度から、所望の軌道狂い弦長、前記車両の走行速度およびサンプリング時間に応じたデータ数だけ遅らせた地点での前記車両の鉛直方向の速度を減算し、演算後の前記車両の鉛直方向の速度を積分して前記車両の鉛直方向の位置とし、演算後の前記車両の鉛直方向の位置に、サンプリング時間に基づく係数を乗算して高低狂い量とすること
を特徴とする軌道狂い検測方法。
【請求項21】
請求項20に記載の軌道狂い検測方法において、
さらに、前記車両の水平方向の加速度から、所望の軌道狂い弦長、前記車両の走行速度およびサンプリング時間に応じたデータ数だけ遅らせた地点での前記車両の水平方向の加速度を減算し、演算後の前記車両の水平方向の加速度を積分して前記車両の水平方向の速度とし、演算後の前記車両の水平方向の速度から、所望の軌道狂い弦長、前記車両の走行速度およびサンプリング時間に応じたデータ数だけ遅らせた地点での前記車両の水平方向の速度を減算し、演算後の前記車両の水平方向の速度を積分して前記車両の水平方向の位置とし、演算後の前記車両の水平方向の位置に、サンプリング時間に基づく係数を乗算して通り狂い量とすること
を特徴とする軌道狂い検測方法。
【請求項22】
車両が走行する軌道の軌道狂いを検測する軌道狂い検測方法であって、
前記車両の水平方向の加速度から、所望の軌道狂い弦長およびサンプリング距離に応じたデータ数だけ遅らせた地点での前記車両の水平方向の加速度を減算し、演算後の前記車両の水平方向の加速度を積分して前記車両の水平方向の速度とし、演算後の前記車両の水平方向の速度から、所望の軌道狂い弦長およびサンプリング距離に応じたデータ数だけ遅らせた地点での前記車両の水平方向の速度を減算し、演算後の前記車両の水平方向の速度を積分して前記車両の水平方向の位置とし、演算後の前記車両の水平方向の位置に、前記車両の走行速度およびサンプリング距離に基づく係数を乗算して通り狂い量とすること
を特徴とする軌道狂い検測方法。
【請求項23】
車両が走行する軌道の軌道狂いを検測する軌道狂い検測方法であって、
前記車両の鉛直方向の加速度から、所望の軌道狂い弦長およびサンプリング距離に応じたデータ数だけ遅らせた地点での前記車両の鉛直方向の加速度を減算し、演算後の前記車両の鉛直方向の加速度を積分して前記車両の鉛直方向の速度とし、演算後の前記車両の鉛直方向の速度から、所望の軌道狂い弦長およびサンプリング距離に応じたデータ数だけ遅らせた地点での前記車両の鉛直方向の速度を減算し、演算後の前記車両の鉛直方向の速度を積分して前記車両の鉛直方向の位置とし、演算後の前記車両の鉛直方向の位置に、前記車両の走行速度およびサンプリング距離に基づく係数を乗算して高低狂い量とすること
を特徴とする軌道狂い検測方法。
【請求項24】
請求項23に記載の軌道狂い検測方法において、
さらに、前記車両の水平方向の加速度から、所望の軌道狂い弦長およびサンプリング距離に応じたデータ数だけ遅らせた地点での前記車両の水平方向の加速度を減算し、演算後の前記車両の水平方向の加速度を積分して前記車両の水平方向の速度とし、演算後の前記車両の水平方向の速度から、所望の軌道狂い弦長およびサンプリング距離に応じたデータ数だけ遅らせた地点での前記車両の水平方向の速度を減算し、演算後の前記車両の水平方向の速度を積分して前記車両の水平方向の位置とし、演算後の前記車両の水平方向の位置に、前記車両の走行速度およびサンプリング距離に基づく係数を乗算して通り狂い量とすること
を特徴とする軌道狂い検測方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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