説明

転写フィルムおよびその用途、並びに加飾樹脂製品の生産方法

【課題】
本発明は、第一面および第二面を有するキャリアフィルムと、キャリアフィルムの第一面に配置された剥離層と、剥離層のキャリアフィルムから離れて面する側に配置された転写層とを備えた転写フィルムおよびこのような転写フィルムの用途に関する。本発明はまた転写フィルムの転写層を用いて加飾され転写層の領域に三次元構造を有する樹脂製品の二つの製造方法に関する。
【解決手段】
キャリアフィルムの第二面か、転写フィルムのキャリアフィルムの第二面に対して反対の面かのいずれか一方に構造化ワニスの少なくともおよそ20μmの層厚さを有する構造層が部分的に配置される。構造化ワニスの圧縮強さは少なくとも温度200℃までは実質的に一定である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャリアフィルムと剥離層と転写層とを備えている転写フィルム及びその用途に関する。キャリアフィルムは第一面及び第二面を有し、剥離層はキャリアフィルムの第一面に配置され、転写層は剥離層のキャリアフィルムから離れた側に配置される。本発明はまた、そのような転写フィルムを用いて、転写フィルムの転写層で加飾され転写層の領域に三次元構造を有する樹脂製品の二つの生産方法に関する。
【背景技術】
【0002】
上述したタイプの転写フィルム、及び転写層を用いて樹脂製品を加飾する適切な方法は公知である。この転写層の領域には三次元構造が生じる。
【0003】
例えば、特開2002−264268は、加飾フィルムで加飾された射出成形品のインモールド生産方法として知られるものを開示している。この射出成形品は、加飾フィルムの領域に三次元構造を有する。この場合、構造化されていない加飾フィルムが、表面が構造化されている射出成形金型内に配置される。特開2002−264268の図2によると、射出成形金型が閉じられた後に、加飾フィルムはその裏側に注入された射出成形樹脂化合物を有し、加飾フィルムは射出成形金型の構造化された壁に押しつけられる。このプロセスにおいて、壁に面し熱可塑特性と130℃のガラス転移温度とを有する加飾フィルムの層の構造化が起こる。熱い射出成形化合物と加飾フィルムとの間の接触の結果として、熱可塑性の層は柔らかくなり射出成形金型の構造に応じて成形される。
【0004】
特開2002−264268に開示されたプロセスでは、異なって構成された射出成型品の構造化は、内壁の構造が変更されたさらなる射出成形金型をさらに設けられた場合にのみ達成することができる。さらに、構造化された射出成形金型を用いて非構造化射出成型品を生産することができない。射出成形ツールの生産及びそれらの構造化は一般的に費用や時間がかかるので、特開2002−264268のプロセスによる加飾構造化における変更の際に、射出成型品の一般的な形状が維持されるような場合でさえ、望ましくない高コストや標準機械の停止が生じる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、樹脂製品の加飾のための転写フィルムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
樹脂製品は、転写層の領域に三次元構造を有し、この転写層はより速くよりコスト効率良く三次元構造を変更することを可能にする。さらに、二つのコスト効率の良い方法が、転写層の領域に三次元構造を有する転写層を用いた樹脂製品を加飾するために提供され、これらの方法は、本発明による転写フィルムを用いることによってより速くよりコスト効率良く三次元構造を変更することを可能にする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
第一面及び第二面を有するキャリアフィルム、キャリアフィルムの第一面に配置された剥離層及び剥離層のキャリアフィルムとは反対の面に配置された転写層を備えている転写フィルムには、キャリアフィルムの第二面か、転写フィルムのキャリアフィルムの第二面に対して反対の面かのいずれか一方に、層厚さが少なくともおよそ9μmの構造化ワニスを有する構造層が部分的に配置されている。この構造化ワニスの圧縮強さは、少なくとも200℃の温度までは、ほぼ一定である。
【0008】
このような転写フィルムがインモールド射出成形処理または加熱加圧成形において用いられた場合、構造層は変形しないかまたはわずかに変形するのみである。というのは、射出成形化合物は普通200〜300℃以下の温度で約30〜70℃の温度の金型内に注入され、熱エンボス加工も同様に270℃以下でのみ行われるからである。本発明による転写フィルムのインモールド射出成形あるいは加熱加圧成形への利用は、加飾される樹脂製品の転写層の領域に三次元構造を形成することを可能にする。このとき、構造層の配置に依存して、構造層の三次元の正画像または負画像が樹脂製品及びそこに接続された転写層に生じ得る。
【0009】
この場合、構造層を、簡単でコスト効率の良い態様で、印刷プロセス、例えばグラビア印刷、パッド印刷またはスクリーン印刷によって必要とされる厚さでキャリアフィルムに生じさせることも可能である。この場合、特に高い層厚さが形成され得るので、スクリーン印刷による構造層の形成が好ましい。ここでは、フラットスクリーンまたはロータリースクリーンが用いられてもよい。スクリーン材料は、所望の印刷イメージのために構造層が最大限適用されるようにすべきである。この目的を達成するために、筋目の細かさが例えば110本/cmのステンレス製の繊維が用いられるのが好ましい。所望の印刷の解像度に依存して、この値はさらに減少させることができる。これは、達成され得る層厚さのさらなる増大を引き起こす。
【0010】
本発明による転写フィルムの転写層によって加飾された樹脂製品の三次元構造の装飾の変更の際に、求められるステップは、構造層のために変更された印刷の原本の用意に適宜制限される。もはや三次元構造が必要とされない場合には、構造層の適用なしで済ますことができ、前に用いた射出成形ツールにおいて滑らかな表面の加飾樹脂製品をすぐに製造することができる。用いられた転写層およびそこに用いられた装置、例えば射出成形金型またはエンボス加工ロールの両者いずれも変更される必要がない。このため装飾における変更の際のコストや切替時間は最小限に抑えられる。本発明による転写フィルムを用いて三次元構造を形成する方法がどのように実行されるかの詳細は、本発明の方法に関して以下に説明される。
【0011】
転写層の領域で三次元構造を有する転写フィルムの転写層を用いて加飾された射出成形品の第一の生産方法では、以下のステップによって目的が達成される。
−本発明による転写フィルムを、転写フィルムが射出成形金型の内壁に置かれるように射出成形金型に配置し、
−転写フィルムの裏側に射出成形樹脂化合物を注入し、
−射出成形樹脂化合物を硬化して第一樹脂材料を形成し、
−しっかりと接続された転写フィルムを含む第一樹脂材料を射出成形金型から取り出し、
−転写フィルムの転写層からキャリアフィルムを引き剥がす。
【0012】
その内壁になんの構造も有さない射出成形金型が射出成形樹脂化合物で満たされるので、構造層が直接転写フィルムに配置された場合、構造層と、同時にキャリアフィルムの構造層のない領域とが射出成形金型の剛性の内壁に正常に押しつけられる。構造層のない領域ではキャリアフィルムは射出成形金型の内壁に沿って広がり、構造層のある領域ではキャリアフィルムは射出成形金型の内壁から打ち出されるか、あるいは構造層によって射出成形金型の内壁から隔てられている。この形成された加飾射出成型品は転写フィルムの領域において触れることによって検出され得る三次元構造を有する。
【0013】
転写フィルムのキャリアフィルムに対して反対の面に配置されている構造層を有する転写フィルムが用いられる場合、構造層は、構造層自身による、つまり観察者から離れて面し射出成形化合物によって満たされている転写層の面において視認することが出来るが接触によっては検知されない三次元構造か、接触によって検知される転写層の領域における構造かのいずれか一方を生じさせる。
射出成形金型の内壁が例えば弾性インレーによって射出成形条件下で変形され得るように形成される場合、構造化ワニスを有する領域は構造化ワニスを有さない領域よりも射出成形金型の内壁をより強力に変形させるので、接触によって検知され得る構造が生じる。この場合、弾性インレーは、例えばシリコンから形成されてもよい。一方、射出成形金型の内壁が射出成形条件下で変形されることが不可能であるように形成される場合、射出成形金型の内壁の変形は生じずに転写層が処理中に変形されることなく構造化ワニスの領域の間の領域が満たされるだけなので、見ることのみが可能な構造を生じる。転写層及びそれにより加飾された射出成型品の表面は、この場合滑らかなままとなる。
【0014】
射出成形樹脂化合物がABS、ABS/PC混合物、PC、PA、SAN、ASA、TPO、PMMA、PPあるいは、それらが互いに親和性を有する場合にこれらの物質のうち少なくとも二つの混合物から形成されることが有利であることが示されている。この種の樹脂材料は、射出成形機械において確実に処理されることが可能である。
【0015】
熱エンボス加工によって転写フィルムの転写層を用いて加飾され、転写層の領域に三次元構造を有する熱可塑性製品の第二の生産方法では、以下のステップによって目的が達成される。
−転写フィルムが樹脂製品から離れて面するように、本発明による転写フィルムを樹脂製品に配置し、
−樹脂製品上に転写フィルムを熱エンボス加工処理し、
−転写フィルムの転写層からキャリアフィルムを引き剥がす。
【0016】
エンボス加工ツール及び対圧面には、その適用に依存して異なる材料が用いられ得る。このエンボス加工ツールと対圧面との間には、転写フィルムと熱可塑性製品とが熱エンボス加工処理中に導入される。一方でエンボス加工ツール、例えばエンボス加工ロールは剛性であり且つエンボスツールに対する対圧面、例えばエンボス加工ロールと同様なロールは弾性であることが可能であり、他方では対圧面が剛性であり且つエンボスツールが弾性であることが可能である、あるいはエンボスツールと対圧面との両者が剛性あるいは弾性であることが可能である。
【0017】
この場合、弾性は応用特有の条件に適合して実験的に設計されるべきである。ここでは、エンボス加工ツールと対圧面とのいずれも表面構造を有さず、むしろ両者は転写フィルムに対して及び熱可塑性製品に対して接触表面において滑らかになるように設計されている。しかしながら、材料は、熱エンボス加工処理中の転写フィルム及び樹脂製品への適切な熱転写が保証されるように選択されなければならない。以下の説明的な実施例では、熱エンボス加工処理中にエンボス加工ツールが転写フィルムと接触し、一方で対圧面は熱可塑性製品と接触するということを前提とする。しかしながら、この前提は必ずしも必要とは限らず、ここでは達成され得る効果を説明するために用いられるにすぎない。
【0018】
剛性の、例えば金属のエンボス加工ツールが転写フィルム、樹脂製品、及び剛性の、例えば同様に金属の対圧面に押しつけられるとき、構造層が直接転写フィルムに配置された場合、構造層と、同時にキャリアフィルムの構造層のない領域とがエンボス加工ツールの滑らかな表面に押しつけられる。したがって、構造層のない領域においてはキャリアフィルムはエンボス加工ツールの表面に沿って広がり、構造層が存在する領域においてはエンボス加工ツールの表面から離されるか、あるいは構造層によってエンボス加工ツールの表面と隔てられている。形成された加飾樹脂製品は転写層の領域において接触によって検知され得る三次元構造を有する。
【0019】
剛性の、例えば金属のエンボス加工ツールが転写フィルム、樹脂製品、及び弾性の対圧面、例えばシリコンに押しつけられるとき、構造層が直接キャリアフィルムに配置された場合、構造層と、同時にキャリアフィルムの構造層のない領域とがエンボス加工ツールの滑らかな表面に押しつけられる。したがって、構造層のない領域においてはキャリアフィルムはエンボス加工ツールの表面に沿って広がり、構造層が存在する領域においてはエンボス加工ツールの表面から離されるか、あるいは構造層によってエンボス加工ツールの表面と隔てられ、隣接する樹脂製品の領域は弾性の対圧面に押しつけられて変形する。形成された加飾樹脂製品は、転写層と反対の樹脂製品の非加飾面の領域と、転写層の領域とにおいて接触によって検知され得る三次元構造を有する。
【0020】
キャリアフィルムと反対の面に配置される構造層を有する転写フィルムが用いられた場合、構造層は、見ることはできるが接触によって検知されない三次元構造か、接触によって検知可能な三次元構造かのいずれか一方を生じる。
【0021】
剛性のエンボス加工ツールが転写フィルム、樹脂製品、及び剛性の対圧面に押しつけられるとき、直接転写層に配置された構造層が、熱可塑性製品に押しつけられる。形成された加飾樹脂製品は、構造層の領域において見ることのみが可能であり且つ転写層に隣接する熱可塑性製品表面に波形をもたらす構造を有する。したがって、この表面は、転写層か樹脂製品の転写層に対して反対の表面かのいずれか一方から可視となる。
【0022】
剛性のエンボス加工ツールが転写フィルム、樹脂製品、及び弾性の対圧面に押しつけられるとき、構造層が転写層に直接配置される場合、構造層は弾性対圧面の方向に押されてこれを変形する。形成された加飾樹脂製品は、転写層と反対の樹脂製品のない表面の領域において接触によって検知され得る三次元構造を有する。
【0023】
弾性のエンボス加工ツールが転写フィルム、樹脂製品、及び剛性の対圧面に押しつけられるとき、構造層が転写層に直接配置される場合、構造層は弾性エンボス加工ツールの方向に押されてこれを変形する。形成された加飾樹脂製品は、転写層で覆われた樹脂製品の表面の領域において接触によって検知され得る三次元構造を有する。
【0024】
弾性のエンボス加工ツールが転写フィルム、樹脂製品、及び弾性の対圧面に押しつけられるとき、構造層が直接転写層に配置される場合、構造層は弾性のエンボス加工ツールと弾性の対圧面との両者の変形を引き起こす。この場合、エンボス加工処理に必要とされる多量の熱を熱可塑性製品と転写フィルムとに送ることが可能な弾性材料がエンボス加工ツール及び/または対圧面に用いられるべきである。それぞれの場合において、加飾された樹脂製品は、転写層に覆われた樹脂製品の表面の領域において及び転写層と反対の表面の領域においてもまた接触によって検知され得る三次元構造を有する。しかし、構造深さは必然的に低く、少なくともすでに述べた手順の半分である。
【0025】
生じ得る三次元構造の深さのために、一般に構造層の層厚さが本発明の方法において重要である。接触によって検知され得る三次元構造を実現するために、少なくとも20μmの厚さを有する構造層が必要とされ、この構造層は、転写フィルムの加工条件下では、全く変形しないあるいはわずかに変形する。もちろん、構造層のキャリアフィルム上での厚さは、この場合異なって形成されることが可能なので、異なる深さの三次元構造が同時に生じ得る。
【0026】
構造化ワニスが熱硬化性樹脂または200℃以上のガラス転移温度Tを有する熱可塑性物質を有することが特に相応しいということが示されている。しかしながら、充填剤で満たされた非架橋ワニスシステムから成る構造化ワニスの利用が相応しいことも示されている。この充填剤は、二酸化チタンのような無機充填剤からなるのが好ましい。このような構造化ワニスは寸法安定性を有し、さらに高温まで圧力抵抗性を有するので、射出成形条件下での構造層の変形が起こらないかあるいは極めて低い程度にのみ起こる。
【0027】
ここで、構造化ワニスは放射線硬化性、ESH硬化性、エポキシ硬化性、イソシアネート硬化性、あるいは酸硬化性ワニスであることが特に相応しいことが示されている。このような架橋性ワニスは、要求される高処理温度での寸法安定性及び圧力安定性を示し、高い固形成分含有量でも容易に処理されることが可能となる。
【0028】
この場合、構造化ワニスは少なくとも40%、好ましくは100%の固形成分含有量を有することが特に好ましい。高い固形成分含有量は達成可能な構造層の層厚さを増大し、構造層の転写能力を向上させる。このように、達成可能な三次元構造の深さが増大する。
【0029】
構造層がキャリアフィルムの第二面に配置される場合、構造化ワニスはキャリアフィルムと異なるように着色されることが有利であることが示されている。これは、例えば構造層の欠落に関する視覚的な確認や、選択された処理方法において、より簡単でより正確な、また自動的なフィルムの転写の位置決めを可能にする。
【0030】
構造層が転写フィルムのキャリアフィルムの第二面に対して反対側に配置された面に配置された場合、構造化ワニスは無色または有色のいずれであってもよい。配色が必要かどうかはまた、用いられた転写層が樹脂製品と転写層との間に残っている構造層を見ることを可能にするかどうかによって当然決定される。
【0031】
構造層は、規則的または不規則的なパターンの形状及び/または英数字の形状及び/または絵図の形状でキャリアフィルムに形成されるのが好ましい。構造層のために選ばれたデザインは、構造層及び転写フィルムの配置に依存して、パターン、英数字、絵図としてポジまたはネガとなる。構造層を含むキャリアフィルムが取り除かれた場合、構造層のネガの画像は三次元構造として残り、これは、キャリアフィルムが構造層を有さない転写層の領域が隆起した領域を表し、一方構造層が設けられた転写層の領域が、可能な限り異なるように、凹んだ領域を表すということを意味する。
【0032】
本発明による転写フィルムのキャリアフィルムの厚さは12〜100μmの範囲であることが相応しいということが示されている。熱エンボス加工の場合、19〜23μmの範囲の薄いキャリアフィルムが通常用いられる。キャリアフィルムの材料は、例えばPETが適するが、他のプラスチック材料もまた適している。
【0033】
加飾された樹脂製品の三次元構造は、構造層の幅よりもキャリアフィルムの厚さのおよそ2倍ほど大きく、これは構造層を印刷するための最大の印刷解像度とともにこの方法の解像力を制限する。構造層9がスクリーン印刷プロセスにおいてそこに適用された層厚さ約75μmのPETキャリアフィルム1で、および所望の深さ約25μmの三次元構造で、約350μmの線幅が適用され得る。最終的に加飾された樹脂製品の二つの三次元構造間の間隔は同様にこの程度の値であるべきである。より薄いキャリアフィルムあるいは非晶質フィルム、非伸張フィルム、またはBOPP(2軸延伸ポリプロピレン)フィルムが用いられる場合、さらに解像度を増加するために、この値を減少させることが可能である。
【0034】
加飾要素として用いられるために、本発明による転写フィルムの転写フィルムは、少なくとも1つの保護層及び/または加飾効果を有する加飾層を備えている。このような加飾効果は、少なくとも部分的に配置された可能な限り鏡反射性の金属層及び/または少なくとも部分的に配置された干渉層及び/または少なくとも部分的に配置され巨視的なレリーフ構造、回折構造、あるいはホログラムのようなレリーフ構造を有する複製層及び/または少なくとも部分的に配置された有色層及び/または少なくとも部分的に配置され蛍光色素、発光顔料、熱発色色素、光発色色素または視角に依存して色変化効果を伴う色素を有する有色素層によって、とりわけ生じ得る。
【0035】
容易に転写層から分離され得る適切な材料が転写フィルムのために選ばれた場合、キャリアフィルムの一面がすでに剥離層を形成しているので、付加的な剥離層なしで済ますことも可能である。
【0036】
本発明の第二の方法による熱エンボス加工処理は、転写フィルム上で加熱されたロールを転がすことによって、あるいは往復動処理においては加熱された表面または成形された金型によって行われるのが好ましい。
【0037】
熱印刷処理において用いられる樹脂製品がフィルム繊維を形成する場合、転写層を用いて加飾されたフィルム繊維は半仕上げ製品を形成するように熱成形または打ち抜きによってさらに処理される。半仕上げ製品は最終的に射出成形金型内に挿入され、少なくとも2つのうちの1つの面に射出成形樹脂化合物を吹き付けられることが可能である。普通この種の方法がインサート成形に指定される。
【0038】
一般に、少なくとも本発明による方法において生じた三次元構造が、スプレーされその後続いて射出成形処理される射出成形化合物を有し、その結果特有の製品深さ効果がもたらされる、ということが相応しいということが示されている。
【0039】
転写層を用いて加飾され転写層の領域に三次元構造を有する樹脂製品の製造のために、本発明による転写フィルムを利用することは望ましい。このような加飾された樹脂製品は加飾成分として自動車の内部及び外部、屋内電気器具、ラジオ、テレビ、モニター、PCあるいは(移動無線)電話器に用いられることは好ましい。無数のさらに可能な応用が考えられる。
【実施例】
【0040】
図1〜4は例によって本発明を説明するためのものである。
図1aは、インモールド射出成形プロセスとしてしばしば用いられるように、市販のIMD(インモールド加飾)対応転写フィルムの断面を示す。この転写フィルムは、キャリアフィルム1と、剥離層2と、透明保護ワニス層3と、少なくとも1つの加飾層4と、裏張り層5と、下塗りまたは接着層6とを有する。剥離層2、透明保護層3、少なくとも1つの加飾層4、裏張り層5、及び下塗りまたは接着層6は、印刷またはコーティングプロセスによってキャリアフィルム1に適用され得る。転写層7は、透明保護ワニス層3、少なくとも1つの加飾層4、裏張り層5及び下塗りまたは接着層6によって形成される。キャリアフィルム1及び剥離層2は第一層システム8を形成し、この第一層システム8は転写層7が加飾されるべき基本要素へ適用された後に転写層7から剥がされる。このことは、下塗りまたは接着層6がすでに機械的に基本要素へ接続されているので、ちょうど一時になされる。
【0041】
図1bは、本発明に係る転写フィルム10の断面を示す。転写フィルム10は、図1aに示された市販の転写フィルムに加えて、キャリアフィルムに少なくとも20μmの層厚さで部分的に配置された構造層9を有する。構造層9はガラス転移温度Tが200℃以上であり高い固形成分含有量を有する構造化ワニスから形成される。
【0042】
ここでは、以下のメラミン架橋性組成物が、グラビア印刷技術において構造層9を形成するための構造化ワニスとして用いられる。
8パーセント エタノール
8パーセント イソプロパノール
10パーセント トルエン
3パーセント メチルエチルケトン
26パーセント ヘキサメトキシメチルメラミン
30パーセント ヒドロキシ官能性ポリメチルメタクリレート(60%)キシレン溶液
7パーセント 色素カーボンブラック
2パーセント 高分子量分散添加剤
6パーセント p−トルエンスルホン酸
【0043】
または、以下のUV硬化組成物がスクリーン印刷プロセスにいて構造層9を形成するための構造化ワニスとして用いられてもよい。
25パーセント ヘキサンジオールジアクリレート HDDA
35パーセント 脂肪族ウレタンアクリレート系オリゴマー
30パーセント アクリル化されたオリゴアミン樹脂
4パーセント 光開始剤タイプ1(例えば、チバガイギー(Ciba Geigy)社からのイルガキュア(登録商標)(Irgacure)1000)
6パーセント 色素 赤122
【0044】
さらに、以下の架橋性構造化ワニスが用いられてもよい。
10パーセント エタノール
8パーセント イソプロパノール
5パーセント メチルエチルケトン
8パーセント トルエン
20パーセント ヘキサメチルメチルメラミン
27パーセント ヒドロキシ官能性ポリメチルメタクリレート(60%)キシレン溶液
15パーセント 発熱性ケイ酸
7パーセント p−トルエンスルホン酸
【0045】
さらに以下の無機充填剤で高度に満たされた非架橋性構造化ワニスが用いられても良い。
30 メチルエチルケトン
10 酢酸ブチル
10 シクロヘキサン
8 ポリメチルメタクリレート(Mw 60000g/mol)
4 80〜95%の塩化ビニル含量でのポリ塩化ビニル混合ポリマレート
3 高分子量分散添加剤
35 酸化チタン
【0046】
上述の組成物による構造化ワニスはPETのキャリアフィルム1に対して良好な接着性を示し、非常に可撓性なので転写フィルムの処理の間に起こり得るキャリアフィルム1の変形に耐え、剥がれ落ちたり引き裂かれたりすることがない。本発明による処理を行うのに特に適するキャリアフィルムは、引き裂きに対して約110〜135%の範囲の伸びと、約27〜31kpsiの範囲の引っ張り強さと、約500kpsiの範囲の弾性率とを有する。
【0047】
構造化ワニスは部分的にパターン形状に形成され、層厚さ9〜35μmの硬化された構造層が生じる。
【0048】
ここで、剥離層2はまた、転写層7がキャリアフィルム1から剥がれるようにした転写層7の機能層であってもよい。例えば、保護ワニス層3は同時に剥離層の機能を提供し、剥離層として用いられてもよい。しかしながら、適切なキャリアフィルム1が表面で剥離層の機能を提供することもまた同様に可能であり、別体の剥離層がキャリアフィルム1と転写層7との間に必ずしも必要とはされていない。
【0049】
次に、図2aは、どのように転写フィルム10がインモールド射出成形プロセスに用いられるかを概略的に示す。射出成形金型20の詳細が概略的に示され、ここではこの金型の剛体内壁に対して転写フィルム10が配置され、構造層9及び/またはキャリアフィルム1が射出成形金型20に接触している。射出成形金型20が閉じられた後、矢印で示される射出成形樹脂化合物が射出成形金型20に注入され、従って射出成形金型20は満たされる。このプロセスにおいて、転写フィルム10は射出成形金型20に押しつけられる。
【0050】
図2bにおいて、射出成形樹脂化合物は、転写フィルム10の構造層9を有さない領域が射出成形金型20の方向に押しつけられ、これらの領域が直接射出成形金型20に接触するように転写フィルム10を射出成形金型20へ押しつけることが分かる。一方、転写フィルム10の構造層9を備えている領域は、実質的にその位置に残る。
【0051】
構造層9は、構造層9が射出圧力と射出温度とに耐えた後に、射出成形金型20の剛体内壁と転写層との間のスペーサーとして働く。これは、構造層9は全く変形しないあるいはわずかに変形するだけであることを意味する。転写フィルム10は構造層9の形状に依存した波形路を有する。第一樹脂材料11を形成するように射出成形樹脂化合物を硬化した後、あるいは射出成形樹脂化合物を冷却した後に射出成形金型20が開かれ、加飾要素として形成された転写層10の転写層7に堅く接続された射出成形品13が取り除かれる。
【0052】
図2cは、型から取り出すステップを示し、ここではキャリアフィルム1及び剥離層2から成り構造層9を含む第一層システム8が転写層7から同時に剥がされる。加飾要素として形成された転写層7で加飾された射出成形品13は、加飾要素の領域に三次元構造12を有し、構造層9のない領域で山が形成され、構造層9が配置された領域で谷が形成される。PETのキャリアフィルム1が厚さ75μmで用いられ、また35μmの構造層9が用いられた場合、ここで生じた加飾された射出成形品13における三次元構造12の断面深さは、約25μmである。図2cから分かるように、加飾された射出成形品13の三次元構造12は、構造層9の幅よりもキャリアフィルム1の厚さの約2倍だけ広く、転写フィルムの引き裂きに対する最大伸びと印刷の解像度とによって、結果的なこの方法の能力を制限する。構造層9がスクリーン印刷プロセスにおいてそこに適用された厚さ約75μmのキャリアフィルムで、および所望の深さ約25μmの三次元構造で、約350μmの最小線幅が適用され得る。最終的に加飾された樹脂製品における二つの三次元構造の間の間隔は、同程度の大きさとなるべきである。より薄いキャリアフィルムが用いられた場合、この値はさらに減少され得る。
【0053】
図3は、さらに加飾要素として形成された転写層7を用いて加飾された樹脂製品14の断面を示す。この樹脂製品はフィルム繊維として形成される樹脂要素11’を有する。加飾された樹脂製品14の目に見える表面は三次元構造12’を有する。三次元構造12’は、図1bの転写フィルム10によって形成され、熱エンボス加工される。ここで、三次元構造12’は、フィルム繊維上の下塗りまたは接着層6とともに配置されている。堅く滑らかな表面を有する加熱されたエンボス加工ロールによって、転写フィルム10はフィルム繊維上へ押されて反対の圧力面に押しつけられ、加飾要素として構成された転写フィルム10の転写層7とフィルム繊維との間に安定した結合が形成される。転写フィルム10の構造層9は、熱エンボス加工の間に原則として図2a〜2cに示される射出成形におけるように三次元構造12’が形成されるという効果を有する。ここで三次元構造12’は、エンボスツールと反対の圧力面とに選択された材料に依存して、加飾要素及び/または転写層7にのみ存在することになる。すでに説明したように、それがフィルム繊維へ継続するかフィルム繊維にのみ作用することもまた可能である。達成された構造はさらに、その後の射出成形プロセスにおいて、例えば特有の深さ効果を実現するために、透明な射出成形材料で覆われることもまた可能である。透明のフィルム繊維が用いられる場合、フィルム繊維の加飾要素と反対の側が可視表面として、つまり、加飾要素とフィルム繊維との接合部分で構造が生じた場合に、観察者に面する表面として用いられることも可能である。
【0054】
図4は、加飾要素として形成された転写層7”で加飾された射出成形品15の断面を示す。この成形品はPMMAの透明樹脂要素11”を有する。加飾された樹脂成形品15の可視面は滑らかだが、一方、三次元構造12”は射出成形品15の中に存在する。図1aの市販の転写フィルムによって形成された三次元構造12”は、部分的に配置された構造層9’とともに下塗りまたは接着層6にプリントされている。
【0055】
このように変形された転写フィルムは、図2a〜2cと同様に、インモールド射出成形プロセスに用いられる。しかしながら、ここでは、転写フィルム1は射出成形金型に滑らかに置かれ、構造層9’は射出成形化合物の方へ向いている。射出成形金型が閉じられた後、射出成形樹脂化合物が射出成形金型へ注入され、従って、射出成形金型が満たされる。このプロセスにおいて、転写フィルムは射出成形金型へ押しつけられる。構造層9’を含む転写フィルムは実質的にその位置に残り、一方、射出成形樹脂化合物は、下塗りまたは接着層及び構造層9’の周辺に流れる。構造層9’の形状に依存して、構造層9’は樹脂要素11”の表面の波形路をもたらし、ここで、樹脂要素11”は転写層7”及び構造層9’に接触している。射出成形樹脂化合物11”の硬化あるいは冷却の後、射出成形金型が開かれ、加飾要素として形成された転写フィルムを介して転写層7”に堅く接続された射出成形品15が取り除かれる。キャリアフィルム及び剥離層から成る第一層システムは転写層7”から剥がされる。加飾要素として形成された転写層7”を用いて加飾された射出成形品15は、加飾要素及び/または転写層7”の領域において可視なだけではなく接触によっても検出可能である三次元構造12”を有する。構造層9’は加飾された射出成型品15に残り、この構造層は転写層7”の下に取り囲まれる。転写層の下塗りまたは接着層と射出成形樹脂化合物11”との間の十分な接着を確保するために、構造層9’によって覆われずに射出成形樹脂化合物11”と直接接触する下塗りまたは接着層の十分に大きな領域に注意が払われなければならない。
【0056】
少なくとも1つの転写層の加飾層によって提供される装飾の組み合わせにおいて加飾されるべき樹脂製品の透明性や色を巧みに選択することによって、可視的な著しい効果が実現可能となる。例えば、樹脂製品の配色が転写層における透明領域を通して検出されることが可能となる。少なくとも1つの加飾層において、加飾要素の回折構造やホログラムのようなレリーフ構造を有する領域に生じる三次元構造の重ね合わせは、さらなる可視的な効果を実現可能とする。加飾層の少なくとも1つの装飾と整合して配置される三次元構造は特に著しく現れる。
【0057】
当業者は、本発明の思想が及ぶ様々なさらに可能な構成を、非発明的な方法において容易に発見する。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1a】市販の転写フィルムの断面。
【図1b】本発明による転写フィルムの断面。
【図2a】本発明による第一の方法に関する概略的なフローダイアグラム。
【図2b】本発明による第一の方法に関する概略的なフローダイアグラム。
【図2c】本発明による第一の方法に関する概略的なフローダイアグラム。
【図3】本発明の第一の方法により加飾された射出成形品。
【図4】本発明の第二の方法により加飾されたさらなる射出成形品。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一面及び第二面を有するキャリアフィルム(1)と、前記キャリアフィルム(1)の前記第一面に配置された剥離層(2)と、前記剥離層(2)の前記キャリアフィルム(1)とは反対の面に配置された転写層(7)とを備える転写フィルム(10)であって、
前記キャリアフィルム(1)の前記第二面か、前記転写フィルム(10)の前記キャリアフィルム(10)の反対の面かのいずれか一方に、少なくとも構造化ワニスの層厚さ約9μmで構造層(9、9’)が部分的に配置され、前記構造化ワニスの圧縮強さは少なくとも温度200℃までは実質的に一定であることを特徴とする転写フィルム(10)。
【請求項2】
前記構造化ワニスは、ガラス転移温度Tが200℃以上の熱硬化性樹脂または熱可塑性物質を有することを特徴とする、請求項1に記載の転写フィルム。
【請求項3】
前記構造化ワニスは充填剤で満たされたワニス系の形状であることを特徴とする、請求項1または2に記載の転写フィルム。
【請求項4】
前記構造化ワニスは放射線硬化性、ESH硬化性、エポキシ硬化性、イソシアネート硬化性または酸硬化性ワニスであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1つに記載の転写フィルム。
【請求項5】
前記構造化ワニスは少なくとも40%の、好ましくは100%の固形成分含有量を有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1つに記載の転写フィルム。
【請求項6】
前記構造層(9)は前記キャリアフィルム(1)の前記第二面に配置され、前記構造化ワニスは前記キャリアフィルム(1)と異って着色されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1つに記載の転写フィルム。
【請求項7】
前記構造層(9’)は前記転写フィルム(1)の前記キャリアフィルム(10)の第二面とは反対の面に配置され、前記構造化ワニスは無色あるいは有色であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1つに記載の転写フィルム。
【請求項8】
前記構造化層(9、9’)は規則的または不規則的なパターンの形状及び/または英数字の形状及び/または絵図の形状で前記キャリアフィルム(1)に形成されることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1つに記載の転写フィルム。
【請求項9】
前記構造層(9、9’)は前記パターン、前記英数字、または前記絵図としてポジまたはネガを形成することを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1つに記載の転写フィルム。
【請求項10】
前記キャリアフィルム(1)は12〜100μmの範囲の厚さを有することを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1つに記載の転写フィルム。
【請求項11】
前記転写層(7)は加飾層として形成され、少なくとも1つの保護層(3)及び/または加飾効果を有する加飾層(4)を有することを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1つに記載の転写フィルム。
【請求項12】
前記加飾効果は、少なくとも部分的に配置された可能な限り鏡反射性の金属層及び/または少なくとも部分的に配置された干渉層及び/または少なくとも部分的に配置され巨視的なレリーフ構造、回折構造またはホログラムのようなレリーフ構造を有する複製層及び/または少なくとも部分的に配置された有色層及び/または少なくとも部分的に配置され蛍光色素、発光顔料、熱発色色素、光発色色素または視角に依存して色変化効果を伴う色素を有する有色素層によって生じることを特徴とする、請求項11に記載の転写フィルム。
【請求項13】
前記構造層(9、9’)は少なくとも1つの加飾層(4)の少なくとも1つの装飾と整合して配置されることを特徴とする、請求項11または12に記載の転写フィルム。
【請求項14】
前記キャリアフィルム(1)の表面が前記剥離層(2)を形成することを特徴とする、請求項1〜13のいずれか1つに記載の転写フィルム。
【請求項15】
転写フィルム(10)の転写層(7、7”)を用いて加飾され、転写層(7、7”)の領域に三次元構造を有する射出成形品(13、15)の生産方法であって、
請求項1〜14のいずれか1つに記載の転写フィルム(10)を、前記キャリアフィルム(1)が射出成形金型(20)の内壁に置かれるように前記射出成形金型(20)内に配置し、
射出成形樹脂化合物を前記転写フィルムの裏側に注入し、
前記射出成形樹脂化合物を硬化して第一樹脂材料(11)を形成し、
前記第一樹脂材料に堅く接続された前記転写フィルム(10)を含む前記第一樹脂材料(11)を前記射出成形金型(20)から取り除き、
前記転写フィルム(10)の前記転写層(7)から前記キャリアフィルム(1)を引き剥がす射出成形品の生産方法。
【請求項16】
熱エンボス加工によって転写フィルム(10)の転写層(7)を用いて加飾され、前記転写層(7)の領域に三次元構造(12’)を有する熱可塑性製品(14)の生産方法であって、次のステップを備えている生産方法。
請求項1〜14のいずれか1つに記載の転写フィルム(10)を、前記転写フィルム(1)が前記樹脂製品(14)から離れて面するように前記樹脂製品(14)に配置し、
前記転写フィルム(10)を前記樹脂製品(14)へ熱エンボス加工処理し、
前記転写フィルム(10)の前記転写層(7)から前記キャリアフィルム(1)を引き剥がす。
【請求項17】
前記熱エンボス加工は、加熱されたロールを前記転写フィルム(10)上で転がすことによって、または往復動処理においては加熱された表面または成形された金型によって行われることを特徴とする、請求項16に記載の生産方法。
【請求項18】
前記樹脂製品(14)は、フィルム繊維として形成され、前記転写層(7)を用いて加飾された前記フィルム繊維は熱成形または打ち抜きによってさらに処理されて半製品を形成することを特徴とする、請求項16または17に記載の生産方法。
【請求項19】
前記半製品は射出成形金型に挿入され、前記半製品の2面のうち少なくとも一面に射出成形樹脂化合物をスプレーされることを特徴とする、請求項18に記載の生産方法。
【請求項20】
少なくとも前記三次元構造(12、12”)は後の射出成形処理において前記三次元構造にわたってスプレーされる射出成形化合物を有することを特徴とする、請求項15〜17のいずれか1つに記載の生産方法。
【請求項21】
前記転写層(7、7’)を用いて加飾され前記転写層(7、7’)の領域に前記三次元構造(12、12’、12”)を有する射出成形品(13、15)または樹脂製品(14)を生産するための請求項1〜14のいずれか1つに記載転写フィルムの用途。
【請求項22】
前記加飾された射出成形品(13、15)または樹脂製品(14)は、自動車の内部及び外部、屋内電気器具、ラジオ、テレビ、モニター、PCあるいは電話器の加飾成分であることを特徴とする請求項21に記載の用途。

【図1a】
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【図1b】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2008−510638(P2008−510638A)
【公表日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−528676(P2007−528676)
【出願日】平成17年8月10日(2005.8.10)
【国際出願番号】PCT/EP2005/008667
【国際公開番号】WO2006/021321
【国際公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【出願人】(506088850)レオンハード クルツ ゲーエムベーハー ウント コー.カーゲー (15)
【Fターム(参考)】