説明

転写装置及びそれを用いた画像形成装置

【課題】ショックジターと転写不良の両方の発生を抑え、対向部材の衝突による像担持体への回転負荷や振動を低減して良好な画像を得られる転写装置を提供する。
【解決手段】像担持体の像担持面21aと対向部材30の接触面30aとを接離手段で離間し、像担持面と接触面の間の転写ニップNに記録媒体供給手段で記録媒体Pを供給し、接離手段は、カム50,51と、カムを回転駆動するカム駆動手段を有し、カムが第1の回転位置にあるときには像担持面と接触面とは離間し、カムが第2の回転位置にあるときには接触するようにカム外周面が形成され、記録媒体が転写ニップに進入する前にカムは第1の回転位置Aから第2の回転位置Bに向けて所定の速度で回転を開始してカムの回転速度が加速され、記録媒体が転写ニップに進入する際に、カムは第2の回転位置Bとなり、像担持面と接触面が接触して加圧手段45による加圧が転写ニップに加わるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、像担持体に転写部材が当接して形成される転写ニップで記録媒体に画像を転写する転写装置と、これを備えた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
加圧手段の付勢力によって像担持体に当接して転写ニップを形成することが可能な対向部材を像担持体に対して接離させる機構を備える画像形成装置において、記録媒体として厚紙を用いる場合、ショックジターと呼ばれる線状の濃度ムラを引き起こすことがある。この濃度ムラは、厚紙が転写ニップに進入する際に、像担持体に対する負荷を急激に高めて、像担持体の線速を瞬間的に大きく低下させることによって生じるものである。
【0003】
ショックジターの発生を抑えるものとしては、例えば特許文献1が挙げられる。同文献には、対向部材としての転写ローラが、円柱状のローラ部と、これと一体に回転するようにローラ部の両端面からそれぞれ突出する軸部材とを備え、それぞれの軸部材に回転カムを空転可能に設けている。そして、それら回転カムに、それぞれ回転カムを軸部材の周面上で空転せしめられる回転カムは所定の回転角度位置において凸部を形成し、像担持体としての感光体における軸線方向の端部に突き当てている。この突き当てにより、加圧手段によって感光体に向けて付勢されている転写ローラを付勢力に抗して感光体から遠ざける方向に強制移動させることで、感光体と転写ローラとの軸間距離を調整可能としている。そして記録媒体として厚紙が用いられる場合には、カムによる転写ローラの強制移動によって、軸間距離を広げて転写圧を低下させるか、あるいは転写ローラを感光体から離間させる。これにより、厚紙進入時に発生してしまう感光体に対する急激な負荷上昇を抑えている。
【0004】
特許文献1の構成では、軸間距離を広げているので、急激な負荷上昇を抑えられる反面、転写圧不足に起因する転写不良を引き起こすおそれがある。転写不良の発生を回避し得る画像形成装置としては、特許文献2に記載のものがある。特許文献2に記載の画像形成装置は、記録媒体としての厚紙を転写ニップに進入させるのに先立って、回転カムの駆動によって転写ローラを感光体から離間させて、転写ローラと感光体との間に微小ギャップを形成することで、ショックジターの発生を抑えている。そして厚紙先端を前述の微小ギャップに進入させた直後にソレノイド動作を解除することで、転写ローラの強制移動を解除して転写ローラを加圧手段となるバネの付勢力に任せて感光体に向けて押圧する。これにより、転写処理中に十分な転写圧を記録媒体に与えることで転写不良を抑えている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献2の構成によると、記録媒体となる厚紙が突入するまで、転写ローラを像担持体から離間させているため、記録媒体の突入における像担持体の回転負荷を抑制することは期待できるが、転写ローラの離間を解除したときには、像担持体、記録媒体、転写ローラ間が加圧手段の付勢力によって、一瞬で接触して衝突するため、像担持体に回転負荷や振動が生じ、画像劣化の一要因となってしまう。
【0006】
本発明は、以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、ショックジターと転写不良の両方の発生を抑えつつ、対向部材の衝突による像担持体への回転負荷や振動を低減して良好な画像を得られる転写装置及び画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明にかかる転写装置は、像担持体の像担持面と対向する位置に設けられ記録媒体と接触する接触面を有する対向部材と、像担持面と接触面との間の転写ニップに圧力を加える加圧手段と、像担持面と接触面とを接離する接離手段と、転写ニップに記録媒体を供給する記録媒体供給手段と、転写ニップで挟まれた記録媒体に像担持体の像を転写する転写手段を有し、接離手段が、カムと、カムを回転駆動するカム駆動手段とを有し、カムが第1の回転位置にあるときには像担持面と接触面とは離間し、カムが第2の回転位置にあるときには像担持面と接触面とは接触するようにカム外周面が形成され、記録媒体供給手段から供給された記録媒体が転写ニップに進入する前に、カムは第1の回転位置から第2の回転位置に向けて所定の速度で回転を開始し、その後、カムの回転速度が加速され、記録媒体が転写ニップに進入する際に、カムは第2の回転位置となり、像担持面と前記接触面が接触し、加圧手段による加圧が転写ニップに加わることを特徴としている。
【0008】
本発明に係る転写装置では、記録媒体供給手段から供給された記録媒体が転写ニップに進入する前に、カムの回転速度が減速されることを特徴としている。このため、対向部材が像担持体に接触する直前に、カムの回転速度が減速されるので、対向部材が像担持体に接触する際の衝撃を抑えられる。
【0009】
本発明に係る転写装置では、カムは目標回転速度まで加速され、当該目標回転速度が維持された後に減速されることを特徴としている。このため、加速後すぐに減速されることがないので、速度切替時に駆動系に係る負荷が低減され、急激な速度変動による振動などの発生が抑制される。
【0010】
本発明にかかる転写装置は、像担持体の像担持面と対向する位置に設けられ記録媒体と接触する接触面を有する対向部材と、像担持面と接触面との間の転写ニップに圧力を加える加圧手段と、像担持面と接触面とを接離する接離手段と、転写ニップに記録媒体を供給する記録媒体供給手段と、転写ニップで挟まれた記録媒体に像担持体の像を転写する転写手段を備え、接離手段は、カムと、カムを回転駆動するカム駆動手段とを有し、カムが第1の回転位置にあるときには像担持面と接触面とは離間し、カムが第2の回転位置にあるときには像担持面と接触面とは接触するようにカム外周面が形成され、記録媒体供給手段から供給された記録媒体が少なくとも転写ニップに進入して通過する前に、カムは第2の回転位置から第1の回転位置に向けて所定の速度で回転を開始し、その後、カムの回転速度が加速され、記録媒体が転写ニップを通過した際に、カムは第1の回転位置となり、像担持面と接触面が離間し、加圧手段による圧力が転写ニップから除圧されることを特徴としている。
【0011】
本発明に係る転写装置では、カムの回転速度が加速している間は、像担持面と接触面との距離が一定であることを特徴としている。このため、カムの回転速度が狙いの速度になるまでは、カムが回転しても対向部材の位置が変化せず、十分な回転速度になってから対向の位置が変化するように構成できるため、短時間で対向部材の位置を変化させることが可能となる。
【0012】
本発明に係る転写装置では、像担持体の像担持面と反対側で像担持体を支持するとともに、像担持体を介して対向部材と対向配置された支持部材とを備え、この支持部材を低反発性の弾性体で形成したことを特徴としている。このため、記録媒体が像担持体と対向部材の間に突入するより前に、対向部材と像担持体を非接触状態にすることにより、記録媒体先端がニップ進入時に像担持体の速度変動による異常画像を防止することができる。さらに、支持部材を低反発性の弾性体から形成することにより記録媒体先端が進入後は、対向部材の接触面を像担持体に像担持面に接触させた時の衝撃を吸収することができる。
【0013】
本発明に係る転写装置では、像担持体の像担持面と反対側で像担持体を支持するとともに、像担持体を介して対向部材と対向配置された支持部材とを備え、この支持部材が、芯金と、芯金の外周面に発泡ゴム層を有するローラ部材であることを特徴としている。このため、対向部材の接触面が像担持体の像担持面に接触した際に弾性変形量が大きくなり、接触時の衝撃を吸収することができる。
【0014】
本発明に係る転写装置では、支持部材が、その中央部よりその端部を小さい外径にしたタイコ形状として、外径に差をつけると、対向部材が像担持体や記録媒体に対して接触する際に一度に全域が接触することなく分散して接触することになり、衝撃をより弱くすることが可能となる。さらに、支持部材の中央部を端部より大きい外径であることで、加圧手段の付勢力により像担持体側が撓み中央部の圧抜けを防止することができる。
【0015】
本発明に係る転写装置では、像担持体が、弾性層を有するベルトであることを特徴としている。このため、対向部材が接触する際の衝撃を像担持体の弾性層で吸収することができる。
【0016】
本発明に係る画像形成装置は、上記何れかの特徴を有する転写装置を備えていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、像担持体の像担持面と対向部材の接触面とを接離する接離手段が有するカムが、第1の回転位置にあるときには像担持面と接触面とは離間し、カムが第2の回転位置にあるときには像担持面と接触面とは接触するようにカム外周面が形成されているので、記録媒体先端が転写ニップに進入する際に発生する像担持体の速度変動による異常画像を防止することができる。さらに、記録媒体が転写ニップに進入する前に、カムは第1の回転位置から第2の回転位置に向けて所定の速度で回転を開始し、その後、カムの回転速度を加速するので、対向部材を像担持体に接触させる時間を短時間にして先端の画像が来る前に所定の転写圧を確保でき、ショックジターと転写不良の両方の発生を抑えることができる。
【0018】
本発明によれば、像担持体の像担持面と対向部材の接触面とを接離する接離手段が有するカムが、第1の回転位置にあるときには像担持面と接触面とは離間し、カムが第2の回転位置にあるときには像担持面と接触面とは接触するようにカム外周面が形成されているので、記録媒体後端が転写ニップから通過する際に発生する像担持体の速度変動による異常画像を防止することができる。さらに、記録媒体後端が転写ニップを通過する前に、カムは第2の回転位置から第1の回転位置に向けて加速して回転を開始するので、対向部材と像担持体とが離間する時間を短時間にでき、ショックジターの発生を抑えることができる。
【0019】
本発明によれば、転写装置において、ショックジターと転写不良の両方の発生を抑えることができるので、対向部材の衝突による像担持体への回転負荷や振動を低減して良好な画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係る画像形成装置の全体構成を説明するための模式図である。
【図2】転写装置の構成を示す拡大図である。
【図3】転写装置の構成を示す拡大断面図である。
【図4】転写装置における転写部への記録媒体の進入前の状態を示す拡大図である。
【図5】転写装置における転写部への記録媒体の進入中の状態を示す拡大図である。
【図6】転写装置における転写部への記録媒体の進入時の状態を示す拡大図である。
【図7】転写部への記録媒体の進入時のギャップと転写圧の関係を説明するための拡大図である。
【図8】転写装置における転写部への記録媒体の通過時の状態を示す拡大図である。
【図9】転写装置における駆動源とカムと記録媒体と画像転写に関するタイミングチャートである。
【図10】転写圧と転写性の関係を示す特性線図である。
【図11】転写装置における駆動源とカムと記録媒体と画像転写に関する別な実施形態タイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。図1に示す画像形成装置は、タンデム型のカラー複写機(以下、単に複写機という)の一例である。この複写機は、プリンタ部100と、給紙部200と、プリンタ部100の上に取り付けられたスキャナ部300と、スキャナ部300の上に取り付けられた原稿自動搬送装置(ADF)400とを備えている。最初に複写機全体の構成と動作を説明し、次に本形態の特徴部分の構成と動作について説明する。
【0022】
プリンタ部100は、像担持体であり中間転写体でもある無端ベルト状の中間転写ベルト21を備えている。中間転写ベルト21は、側方からの眺めが逆三角形状になる姿勢で、複数の回転部材となる駆動ローラ22、従動ローラ23及び支持部材となる2次転写対向ローラ24に掛け回されており、駆動ローラ22の回転駆動によって図中時計回り方向に無端移動せしめられる。中間転写ベルト21の上方には、C(シアン),M(マゼンタ),Y(イエロー),K(黒)のトナー像を形成するための4つの画像形成ユニット1C,1M,1Y,1Kが、ベルト移動方向に沿って並ぶように配設されている。
【0023】
画像形成ユニット1C,1M,1Y,1Kは、ドラム状の像担持体となる感光体2C,M,2Y,2Kと、現像ユニット3C,3M,3Y,3Kと、感光体用のクリーニング装置4C,4M,4Y,4Kを有している。感光体2C,2M,2Y,2Kは、それぞれ中間転写ベルト21に当接してC,M,Y,K用の1次転写ニップを形成しながら、図示しない駆動手段によって図中反時計回り方向に回転駆動せしめられる。現像ユニット3C,3M,3Y,3Kは、感光体2C,2M,2Y,2Kに形成された静電潜像をC,M,Y,Kのトナーによって現像するものである。クリーニング装置4C,4M,4Y,4Kは、1次転写ニップを通過した後の感光体2C,2M,2Y,2Kに付着している転写残トナーをクリーニングするものである。本プリンタでは、ベルト移動方向に沿って並べられた4つの画像形成ユニット1C,1M,1Y,1Kにより、タンデム画像形成部10が構成されている。
【0024】
プリンタ部100内において、タンデム画像形成部10の上方には、光書込ユニット15が配設されている。光書込ユニット15は、図中反時計回り方向に回転駆動される感光体2C,2M,2Y,2Kの像担持面となる表面に対し、光走査による光書込処理を施して静電潜像を形成するものである。各感光体の表面は、それぞれその光書込処理に先立って、画像形成ユニット1C,1M,1Y,1Kの一様の図示しない帯電手段によって一様帯電せしめられる。
【0025】
中間転写ベルト21等を具備する転写装置となる転写ユニット20は、中間転写ベルト21のループ内側に、1次転写ローラ25C,25M,25Y,25Kを有している。これら1次転写ローラは、C,M,Y,K用の1次転写ニップの裏側で中間転写ベルト21を感光体2C,2M,2Y,2Kに向けてそれぞれ押圧している。
【0026】
中間転写ベルト21の下方には、対向部材となる2次転写ローラ30が配設されている。2次転写ローラ30は、中間転写ベルト21のべルト表面21aと反対側となる内側で中間転写ベルト21を支持するとともに、中間転写ベルト21を介して2次転写ローラ30と対向配置された支持部材となる2次転写対向ローラ24に対する掛け回し箇所に、像担持面となるベルト表面21a側から当接して2次転写ニップNを形成している。2次転写ニップNには、記録媒体Pが所定のタイミングで送り込まれる。そして、ベルト表面21aには、1次転写ニップで各色のトナー像が4色重ね合わせて転写される。4色重ね合わさったトナー像は、2次転写ニップNで記録媒体Pに一括で2次転写される。
【0027】
スキャナ部300は、コンタクトガラス301上に載置された原稿の画像情報を読取センサ302で読み取り、読み取った画像情報をプリンタ部100の制御手段600に送るものである。制御手段600は、スキャナ部300から受け取った画像情報に基づき、プリンタ部100の光書込ユニット15におけるレーザーダイオードやLED等の光源を制御して、C,M,Y,K用のレーザー書込光を出射して、感光体2C,2M,2Y,2Kを光走査する。この光走査により、各感光体の表面には静電潜像が形成され、この潜像は所定の現像プロセスを経てC,M,Y,Kトナー像に現像される。
【0028】
給紙部200は、ペーパーバンク201内に多段に配設された給紙カセット202、給紙カセット202から記録媒体Pを送り出す給紙ローラ203、送り出された記録媒体Pを分離して給紙路204に導く分離ローラ205、プリンタ部100の給紙路99に記録媒体Pを搬送する搬送ローラ206等を備えている。
【0029】
給紙については、給紙部200以外に、手差し給紙も可能となっており、手差しのための手差記録媒体レイ98、手差記録媒体レイ98上の記録媒体を手差し給紙路97に向けて一枚ずつ分離する分離ローラ96も設けられている。プリンタ部100内において、手差し給紙路97は給紙路99に合流している。
【0030】
給紙路99の末端付近には、記録媒体供給手段となるレジストローラ対95が配設されている。レジストローラ対95は、給紙路99内を搬送されてくる記録媒体Pをローラ間に挟み込んだ後、所定のタイミングで2次転写ニップNに向けて送り込む。
【0031】
本実施形態に係る複写機において、カラー画像のコピーをとるには、ADF400の原稿台401上に原稿をセットする、又はADF400を開いてスキャナ部300のコンタクトガラス301上に原稿をセットしてADF400を閉じることで原稿を押さえる。そして、不図示のスタートスイッチを押すと、原稿がADF400にセットされている場合には、原稿がコンタクトガラス301上に搬送される。その後、スキャナ部300が駆動を開始し、第1走行体303及び第2走行体304が原稿面に沿った走行を開始する。そして、第1走行体303にて光源から発した光を原稿面で発射させるとともに、得られた反射光を折り返して第2走行体304に向ける。折り返し光は、第2走行体304のミラーで更に折り返された後、結像レンズ305を通して読取センサ302に入射される。これにより、原稿内容が読み取られる。
【0032】
プリンタ部100は、スキャナ部300から画像情報を受け取ると、画像情報に応じたサイズの記録媒体Pを給紙路99に給紙する。また、これに伴って、不図示の駆動モータで駆動ローラ22を回転駆動して中間転写ベルト21を図中時計回り方向に無端移動させる。同時に、画像形成ユニット1C,1M,1Y,1Kの感光体2C,2M,2Y,2Kの回転駆動を開始した後、各感光体に対する一様帯電処理、光書込処理、現像処理などを行う。これらの処理によって各感光体の表面上に形成されたC,M,Y,Kのトナー像は、C,M,Y,K用の1次転写ニップで順次重ね合わせて中間転写ベルト21上に1次転写されて、4色重ね合わせトナー像になる。
【0033】
給紙部200では、給紙ローラ203の1つが記録媒体サイズに応じて選択的に回転され、3つの給紙カセット202のうちの1つから記録媒体Pが送り出される。送り出された記録媒体Pは、分離ローラ205で1枚ずつ分離されてから給紙路206に導入された後、搬送ローラ206を経由してプリンタ部100内の給紙路99に送られる。また、手差記録媒体トレイ98を用いる場合には、トレイの給紙ローラが回転駆動して、トレイ上の記録媒体を分離ローラ96で分離しながら手差し給紙路97に送り込まれて給紙路99の末端付近に至る。給紙路99の末端付近では、記録媒体Pが先端をレジストローラ対95に突き当てて止まる。その後、中間転写ベルト21上の4色重ね合わせトナー像に同期し得るタイミングでレジストローラ対95が回転駆動すると、記録媒体Pは2次転写ニップN内に送り込まれてベルト上の4色重ね合わせトナー像に密着する。そして、転写圧や転写用電界となる2次転写バイアスなどの影響によって記録媒体P上に一括に2次転写される。
【0034】
2次転写ニップNで4色重ね合わせトナー像が2次転写された記録媒体Pは、用紙搬送ベルト70によってプリンタ部100内に配置された定着装置71内に送り込まれる。そして、定着装置71で加圧ローラ72と定着ベルト73との間の定着ニップに挟み込まれると、加圧や加熱処理によって4色重ね合わせトナー像が表面に定着せしめられる。このようにしてカラー画像が形成された記録媒体Pは、排出ローラ対74を経由して機外の排紙トレイ75上にスタックされる。
【0035】
記録媒体Pのもう一方の面(裏面)にも画像が形成される場合には、記録媒体Pは定着装置71から排出された後、切替爪76による進路切り換えによって記録媒体反転装置75に送られる。そして、上下反転された後、再びレジストローラ対95に戻されてから、2次転写ニップN及び定着装置71を再経由して画像定着が行われた後、排紙トレイ75上にスタックされる。
【0036】
2次転写ニップNを通過した後、4色のうちで1次転写工程が最も上流となるC用の1次転写ニップに進入する前の中間転写ベルト21のベルト表面21aには、ベルトクリーニング装置26が当接している。このベルトクリーニング装置26は、ベルト表面21aに付着している転写残トナーをクリーニングする。
【0037】
図2は、実施形態に係る複写機のプリンタ部100における転写ユニット20における2次転写ニップNとその周囲構成の拡大模式図である。同図において、中間転写ベルト21のループ内側で自らの周面にベルトを部分的に掛け回している2次転写対向ローラ24は、変形自在な中間転写ベルト21を自らの周面でバックアップして一定の曲率に沿った形状に維持する役割を担っている。この意味で2次転写対向ローラ24はバックアップローラとして機能している。中間転写ベルト21における2次転写対向ローラ24に対する掛け回し箇所には、2次転写ローラ30がベルト表面21a側から当接して2次転写ニップNを形成している。
【0038】
2次転写ローラ30は、図示しない軸受を介して、ローラユニット保持体40に回転自在に保持されている。ローラユニット保持体40は、2次転写ローラ30の回転軸線と平行な姿勢をとるように配設された回動軸40aを中心にして回動可能に構成されている。ローラユニット保持体40が回動軸40aを中心にして図中反時計回り方向に回転すると、ローラユニット保持体40に保持されている2次転写ローラ30が中間転写ベルト21に押し当てられて2次転写ニップNが形成される。また、ローラユニット保持体40が回動軸40aを中心にして図中時計回り方向に回転すると、ローラユニット保持体40に保持されている2次転写ローラ30が中間転写ベルト21から離間する。本実施形態に係る転写ユニット20では、加圧手段となる付勢コイルバネ45によってローラユニット保持体40における回動軸40aとは反対側の端部40bが中間転写ベルト21に向けて常に付勢されている。付勢コイルバネ45により、ローラユニット保持体40に対して、回動軸40aを中心にして図中反時計回り方向に回転させる力を常に付与することで、2次転写ローラ30を中間転写ベルト21に向けて付勢している。
【0039】
2次転写ローラ30は、図示しないローラ駆動モータの回転駆動力が図示しないギヤ等の駆動伝達手段を介して伝達されることで、図中反時計回り方向に回転駆動される。これらローラ駆動モータや駆動伝達手段は、ローラユニット保持体40に保持されていて、2次転写ローラ30やローラユニット保持体40とともに回動するように構成されている。また、ローラユニット保持体40には、クリーニングブレード39、固形潤滑剤41、潤滑剤押し当て器43等も保持させている。
【0040】
トナー像を担持する中間転写ベルト21のベルト表面21aに接触している2次転写ローラ30の表面30aは接触面をなし、ベルト表面21a上のトナーが付着する。この付着トナーをそのままにしておくと、2次転写ニップNで記録媒体Pの裏面に転移させていわゆる裏汚れを発生させてしまう。このため、本複写機では、クリーニングブレード39のエッジを2次転写ローラ30の表面30aに当接させることで、2次転写ローラ30の表面からトナーを機械的に除去している。このような構成では、クリーニングブレード39の当接により、2次転写ローラ30に対して回転を阻害する負荷をかけることになるので、2次転写ローラ30を中間転写ベルト21との連れ回りによって従動回転させることができない。このため、2次転写ローラ30を上述したローラ駆動モータによって回転駆動している。
【0041】
潤滑剤押し当て器43は、ステアリン酸亜鉛塊等からなる固形潤滑剤41を付勢コイルバネ42によって2次転写ローラ30の表面30aに押し当てることで、潤滑剤粉末を2次転写ローラ30の表面30aに塗布する。このように潤滑剤を塗布することで、クリーニングブレード39と2次転写ローラ30の表面30aとの当接による回転負荷上昇、ブレードエッジの巻き込みの発生を抑えている。固形潤滑剤41を2次転写ローラ30の表面30aに押し当てる代わりに、固形潤滑剤41から潤滑剤を掻き取りながら2次転写ローラ30の表面30aに塗布する回転塗布ブラシを設けてもよい。
【0042】
次に、実施形態に係る転写ユニット20及び複写機の特徴的な構成について説明する。上記のような中間転写ベルト21とのベルト表面21aと2次転写ローラ30の表面30aとの間に形成される2次転写ニップNに記録媒体先端が突入する際や、2次転写ニップNから記録媒体後端が抜ける瞬間に、従来は中間転写ベルト21に衝撃が発生し、結果的に中間転写ベルト21の速度変動が発生してしまう。特に、最近は様々な種類の記録媒体Pに対応する紙種対応力を高めた画像形成装置が求められており、記録媒体Pが、300g/m2程度の坪量の大きい厚紙になると、その衝撃は大きなものとなり、ショックジターが大きな問題となっている。
【0043】
そこで本形態では、転写性を落とさずに記録媒体Pの先端が2次転写ニップNに搬送される瞬間や記録媒体Pの後端が2次転写ニップNから抜け出る瞬間の急激な負荷変動を軽減し、色ずれまたはドット位置ずれによる画像品質の劣化を抑制して良好な画像を得られるような構成を提案する。
【0044】
図3は、転写ユニット20の2次転写ニップNの周囲構成を示す拡大断面図である。2次転写ローラ30は、記録部材搬送方向と直交する幅方向に延在するローラ部31と、これの軸線方向の両端面からそれぞれ突出して回転軸線方向に延在する第1軸部材32及び第2軸部材33と、後述する第1空転コロ34及び第2空転コロ35とを有している。ローラ部31は、円筒状の中空芯金31aと、これの周面に固定された弾性体からなる弾性層31bと、弾性層31bの周面に固定された表面層31cとを備えている。
【0045】
中空芯金31aを構成する金属としては、ステンレス、アルミニウムなどを例示することができるが、これらの材料に限定されるものではない。弾性層31bについては、JIS−A硬度で70[°]以下とすることが望ましい。しかし、ローラ部31には、クリーニングブレード39を当接させていることから、弾性層31bが柔らかすぎると様々な不具合を引き起こしてしまう。よって、弾性層31bについては、JIS−A硬度で40[°]以上にすることが望ましい。ある程度の導電性を発揮するエピクロルヒドリンゴムにより、JIS−A硬度で50[°]程度の弾性層31bを形成してもよい。導電性を発揮するゴム材料として、前述した導電性のエピクロルヒドリンゴムの代わりに、カーボンを分散せしめたEPDMやSiゴム、イオン導電機能を有するNBR、ウレタンゴムなどを使用してもよい。ゴム材料の多くがトナーに対して良好な化学的親和性を発揮したり、比較的大きな摩擦係数を発揮したりすることから、ゴム材からなる弾性層31bの表面は、表面層31cで被覆されている。これにより、ローラ部31の表面に対するトナー付着を抑えるとともに、クリーニングブレード39との摺擦負荷を低減している。表面層31cの材料としては、低摩擦係数で且つ良好なトナー離型性を発揮するフッ素樹脂系樹脂にカーボンやイオン導電剤などの抵抗調整材を含有させたものが好適である。
【0046】
2次転写ローラ30は、中間転写ベルト21のベルト表面21aと接触して回転する際に、ベルト表面21aと微小な線速差をもつことがある。この線速差によってベルトをスリップさせないように、表面層31cとしては、摩擦係数を0.3以下に調整している。中間転写ベルト21については、各色の画像を色ズレなく重ねて転写する狙いから、一定速度で駆動することが求められるため、2次転写ローラ30の表面層31cの表面摩擦抵抗を低くすることは重要である。このような構成の2次転写ローラ30は、2次転写対向ローラ24に掛け回されている中間転写ベルト21に向けて付勢スプリング45で付勢されている(図2参照)。
【0047】
中間転写ベルト21を掛け回している2次転写対向ローラ24は、円柱状の本体部であるローラ部24bと、ローラ部24bの回転中心箇所に対して回転軸線方向に貫通しつつ、ローラ部24bを自らの表面上で空転させる貫通軸部材24aとを有している。貫通軸部材24aは金属部材からなり、その周面上でローラ部24bを回転自在に支持して空転可能としている。本体部としてのローラ部24bは、ドラム状の中空芯金24cと、これの周面上に固定された弾性体からなる弾性層24dと、中空芯金24cの軸線方向両端にそれぞれ圧入された玉軸受24eとを有している。このため、玉軸受24eが中空芯金24cを支えながら、中空芯金24cとともに貫通軸部材24a上で回転する。弾性層24dは、中空芯金24cの外周面に圧入されている。
【0048】
貫通軸部材24aは、中間転写ベルト21を張架する転写ユニット20の第1側板28に固定された第1軸受52と、第2側板29に固定された第2玉軸受53によって回転自在に支持されている。但し、プリントジョブ時における殆どの時間、貫通軸部材24aは回転駆動されずに停止している。貫通軸部材24aは、中間転写ベルト21の無端移動に伴って連れ回ろうとするローラ部24bを、自らの周面上で自在に空転させる。
【0049】
中空芯金24cの周面上に固定された弾性層24dは、7.5[LogΩ]以上の抵抗を発揮するように、イオン導電剤の添加によって抵抗値が調整された導電性ゴム材料から構成されている。弾性層24dの電気抵抗を所定の範囲に調整しているのは、A5サイズなどの、ローラ軸線方向のサイズが比較的小さな記録媒体を使用する際に、2次転写ニップN内において、記録媒体Pの介在なしにベルト表面21aとローラ表面とが直接接触している箇所に転写電流を集中させてしまうのを防止する狙いからである。弾性層24dの電気抵抗を、記録媒体Pの抵抗よりも大きな値にすることで、そのような転写電流の集中を抑えることは可能になる。
【0050】
弾性層24dを構成する導電性ゴム材料としては、Asker−C硬度で40[°]程度の弾性を発揮するように、発泡ゴムを用いている。このような発泡ゴムで弾性層24dを構成することで、2次転写ニップN内で弾性層24dを厚み方向に柔軟に変形させて、記録媒体搬送方向にある程度の広さを有する2次転写ニップNを形成することができる。弾性層24dは、端部の外径よりも中央部の外径が大きいタイコ形状にしている。すなわち、2次転写対向ローラ24は、その中央部24Aよりその端部24B、24Cを小さい外径としたタイコ形状に形成されている。このようなタイコ形状のローラとすることにより、付勢コイルバネ45(図2参照)によって、2次転写ローラ30が中間転写ベルト21に向けて付勢されて2次転写ニップNを形成する際に、撓みが発生して中央部24Aの圧が抜けるのを防止することが可能となる。
【0051】
なお、本複写機では、図2で既に述べたように、2次転写ローラ30にクリーニングブレード39を当接させる都合上、2次転写ローラ30のローラ部の材料として、弾性に富む材料を使用することが困難である。そこで、2次転写ローラ30の代わりに、2次転写対向ローラ24のローラ部24bを弾性変形させるようにしている。
【0052】
2次転写対向ローラ24の貫通軸部材24aにおいて、その長手方向の全領域のうち、ローラ部24bの中に位置していない両端部領域には、それぞれ2次転写ローラ30に突き当てるための突当部材であり、ここでは接離手段の一部を構成する一対のカム50,51が、貫通軸部材24aと一体的に回転させるように固定されている。すなわち、貫通軸部材24aの長手方向の一端部領域には、第1カム50を固定している。カム50には、カム部50aと、真円形のコロ部50bとが軸線方向に並んで一体形成されている。カム50は、コロ部50bに貫通させたネジ80を貫通軸部材24aに螺合させることで貫通軸部材24aに固定されている。貫通軸部材24aの長手方向の他端部領域には、カム50と同様の構成のカム51を固定している。貫通軸部材24aの軸線方向におけるカム51よりも外側の領域には、駆動受入プーリ54が固定されている。駆動受入プーリ54の更に外側には、被検知円盤59が固定されている。
【0053】
転写ユニット20の第2側板29には、カム50,51を正転方向及び逆転方向に回転駆動するカム駆動手段となるカム駆動モータ58が固定されて配置されている。カム駆動モータ58は、その出力軸上に設けられたモータプーリ57を回転させ、タイミングベルト56を介して貫通軸部材24aに固定された駆動受入プーリ54に駆動力を伝達する。このような構成にすると、カム駆動モータ58を作動することにより、貫通軸部材24aを回転させることが可能である。この際、貫通軸部材24aを回転させても、ローラ部24bについては貫通軸部材24a上で自在に空転させることが可能であるので、中間転写ベルト21によるローラ部24bの連れ回りを阻害することはない。また、カム駆動モータ58としては、ステッピングモータを用いることで、エンコーダ等の回転角検知手段を設けることなく、モータ回転角を自由に設定可能にしている。無論回転角検知手段を設けてカム駆動モータ58の回転角を検知するようにしてもよい。
【0054】
カム50とカム51は、貫通軸部材24aが所定の回転角度で回転を停止したときに、それぞれのカム部50a,51aを2次転写ローラ30に突き当てて、2次転写ローラ30をローラユニット保持体40の付勢コイルバネ45の付勢力に抗して押し返すように、カム部50a,51aの外周面50c,51cが形成されている。つまり、カム50,51の回転位置を制御して、2次転写ローラ30を2次転写対向ローラ24(ひいては中間転写ベルト21)に対して近接する方向に移動させることで、2次転写対向ローラ24と2次転写ローラ30との軸間距離Lを調整する。2次転写対向ローラ24と2次転写ローラ30との軸間距離Lを調整することで、2次転写ニップNにおける2次転写ローラ30の表面30aと中間転写ベルト21のベルト表面21aとの隙間Xを調整することができる。
【0055】
本形態では、少なくともカム50,カム51、カム駆動モータ58により、2次転写対向ローラ24と2次転写ローラ30との軸間距離Lを調整する、すなわち、2次転写ローラ30の表面30aと中間転写ベルト24のベルト表面21aとを接離する接離手段500が構成されている。回転可能な支持部材としての2次転写対向ローラ24は、その円柱状のローラ部24bに対して貫通せしめた貫通軸部材24a上で、ローラ部24bを自在に空転させる。貫通軸部材24aが回転すると、貫通軸部材24aの軸線方向の両端部にそれぞれ固定されたカム50,51が一体となって回転するので、貫通軸部材24aに駆動を伝達するための駆動伝達機構を軸線方向の一端側に設けるだけで、両端側のカム50,51をそれぞれ回転させることができる。
【0056】
本複写機では、2次転写ローラ30の中空芯金31aを接地している一方で、2次転写対向ローラ24の中空芯金24cに対してトナーと同極性の2次転写バイアスを印加する。これにより、2次転写ニップN内において、トナーを2次転写対向ローラ24側から2次転写ローラ30側に向けて静電移動させる2次転写電界を両ローラ間に形成している。すなわち、2次転写対向ローラ30の金属製の貫通軸部材24aを回転自在に受けている第1軸受52は、導電性のすべり軸受から構成されている。この導電性の第1軸受52には、2次転写バイアスを出力する転写手段となる高圧電源61が接続されている。高圧電源61から出力される2次転写バイアスは、導電性の第1軸受52を介して2次転写対向ローラ30に供給される。そして、2次転写対向ローラ30内では、金属製の貫通軸部材24aと、金属製の玉軸受24eと、金属製の中空芯金24cと、導電性の弾性層24dとを順に伝わっていく。
【0057】
貫通軸部材24aの一端に固定された被検知円盤59は、貫通軸部材24aの回転方向における所定の位置において軸線方向に立ち上がる被検部59aを有している。一方、転写ユニット20の第2側板29に固定されたセンサブラケット501には、検知手段となる光学センサ60が固定されている。貫通軸部材24aが回転する過程において、貫通軸部材24aが所定の回転角度範囲に位置すると、被検知円盤59の被検部59aが、光学センサ60の発光素子と受光素子との間に入り込んで両者間の光路を遮断する。光学センサ60の受光素子は、発光素子からの光を受光すると受光信号を600制御手段600に送信する。
【0058】
制御手段600は、周知のコンピュータで構成されていて、ここでは特に光学センサ60とカム駆動モータ58が接続されている。制御手段600は、光学センサ60の受光素子からの受光信号が途絶えたタイミングや、そのタイミングからのカム駆動モータ58の駆動量を算出してカム駆動モータ58を作動するとともに、算出した駆動量に基づいて、貫通軸部材24aに固定されたカム50,51のカム部50a,51aの回転角度位置を検知して、カム50,51を予め定められた位置で停止させる機能を備えている。予め定められた位置については図4以降で説明する。
【0059】
カム50,51は、所定の回転角度で2次転写ローラ30に突き当たって、2次転写ローラ30を付勢コイルバネ45の付勢力に抗して2次転写対向ローラ24から遠ざける方向に押し返す(以下、この押し返しを「押し下げ」と記す)。このときの押し返し量(以下、「押し下げ量」と記す)は、カム50,51の回転角度位置によって決まる。このカム50,51による2次転写ローラ30の押し下げ量が大きくなるほど、2次転写対向ローラ24と2次転写ローラ30との軸間距離Lは大きくなる。
【0060】
2次転写ローラ30において、ローラ部31と一体になって回転する第1軸部材32には、第1空転コロ34が空転可能に設けられている。第1空転コロ34は、外径がローラ部31よりも少し大きなドーナッツ円盤状の形状をなしている。そして、それ自体が玉軸受としての機能を有していて、第1軸部材32の周面上で空転することができる。2次転写ローラ30の第2軸部材33には、第1空転コロ34と同様の構成の第2空転コロ35が空転可能に設けられている。
【0061】
2次転写対向ローラ24において、貫通軸部材24aに固定されたカム50,51は、所定の回転角度位置で、空転コロ34,35に突き当たるようにカム部50a,51aの外周面50c,51cが形成されている。具体的には、貫通軸部材24aの一端側に固定された第1カム50のカム部50aは、2次転写ローラ24の第1空転コロ34に突き当たる。このとき同時に、貫通軸部材24aの他端側に固定された第2カム51のカム部51aが、2次転写ローラ24の第2空転コロ35に突き当たる。カム50,51にそれぞれ突き当てられた空転コロ34,35は、その突き当てに伴って回転を阻止されるが、それによって2次転写ローラ30の回転が妨げられることはない。空転コロ34,35が回転を停止しても、空転コロが玉軸受になっているので、2次転写ローラ30の軸部材32,33は、空転コロ34,35から独立して自在に回転することができるからである。カムのカム部50a,51aによる突き当てに伴って空転コロ34,35の回転を停止させることで、両者の摺擦の発生を回避するとともに、摺擦によるベルト駆動モータや2次転写ローラ30の駆動モータのトルク上昇の発生を回避することもできる。
【0062】
図4〜図8を用いて、カム50,51の特徴と動作について説明する。図4から図8は、記録部材Pが上述した厚紙の場合のカム50,51の動作を示すものである。これらカム50,51は、同一形状のものが同一位相となるように貫通軸部材24a上に配置されている。厚紙か否かは、複写機の図示しない操作部から制御手段600に入力される紙別信号から制御手段600で判断される。そして、制御手段600の判断結果に基づいてカム駆動モータ58の動作が制御されることでカム50,51の位置制御が行われる。
【0063】
カム50,51は、カム部50a,51aが貫通軸部材24aの回転中心からの半径rが同一な区間と、異なる区間を備えている。図4において符号AとBで示す外周面50c、51cの区間の半径r1、r2は同一半径であり、符号Cから符号Dまでの区間は、半径r1、r2よりも小径の半径r3となるように形成されている。すなわち、符号A〜Bまでの外周面50c、51cは、符号C〜Aの区間の外周面50c,51cよりも突出して形成されている。
【0064】
本複写機において、厚紙(記録媒体P)を2次転写ニップNに進入させる際には、図4に示すように、カム部50a,51aが空転コロ34,35に突き当てる第1の回転位置となるカム位置Aで貫通軸部材24aの回転を停止させている。つまり、厚紙Pを使用するときには、制御手段600でカム駆動モータ58を作動してカム50,51の位相を変化させて2次転写ローラ30の押し下げを実施し、2次転写ニップNにおける2次転写ローラ30の接触面30aと中間転写ベルト21のベルト表面21aとの間隔を隙間Xになるように設定している。
【0065】
このように、2次転写ローラ30の接触面30aと中間転写ベルト21のベルト表面21a(2次転写対向ローラ30)との間に隙間Xを形成した状態にすることで、厚みのある記録媒体Pが2次転写ニップNに進入しても、2次転写ニップ進入時の中間転写ベルト21や2次転写ローラ30に対する大きな負荷変動が生じなくなる。このため、記録媒体Pの先端が2次転写ニップNに進入する際に発生する中間転写ベルト21の速度変動による異常画像を防止することができる。
【0066】
2次転写ローラ30を押下げた状態(隙間Xを形成した状態)で記録媒体P(厚紙)を通紙すると、負荷変動の発生が少なくなり、ショックジターの発生を抑えられるが、転写に十分な転写圧が得られず、トナー画像Tの転写性が低下するとこがある。特に、表面の平滑性が悪い記録媒体Pは顕著に転写率低下がみられる。このため、記録媒体Pが厚紙の場合、2次転写ニップNへの進入直後は、2次転写ローラ30の押し下げを戻し、十分な転写圧を得るようにしなければならない。通常、記録媒体Pの先端P1には画像先端までの間に余白が形成されていて、記録媒体先端Pから例えば4mmほどの位置からトナー画像Tが形成されることが多い。したがって画像先端から転写率の低下を抑制するには、記録媒体先端Pから4mm以内(余白範囲)において2次転写ローラ30の押し下げを戻す必要がある。特にプリント速度が高速な場合には、短時間に戻し動作を行わなければならない。
【0067】
そこで、本形態では、戻し動作として、図5に示すように、カム50,51を、2次転写ローラ30の空転コロ34,35に突き当てない位置になるように、カム駆動モータ58を稼動して2次転写対向ローラ24の貫通軸部材24aを回転させることで、時計周りにカム50,51を回転し、これらカム50,51と空転コロ34,35が接触しない位置、すなわち、第2の回転位置となるカム位置Cでカム50,51を停止させ、画像転写中は、カム50,51を、空転コロ34,35に突き当てない位置に保ち続けるようにカムの位相制御を行っている。
【0068】
2次転写ローラ30は、付勢コイルバネ45により記録媒体P(厚紙)を介して中間転写ベルト21に接触することで、進入前タイミングのときよりも、転写圧を増大させることで、転写処理中に十分な転写圧を得て転写不良の発生を抑えることができる。
【0069】
このため、この戻し動作を短時間の間に完了するために、本形態では、記録媒体P(厚紙)が2次転写ローラ30と2次転写対向ローラ24との間となる2次転写ニップNに進入するのに先立って、図2のカム駆動モータ58を作動させている。そして、カム駆動モータ58の作動が開始してからは、制御手段600によってモータに対する加速制御を行い、カム50,51の回転速度が所定の速度、例えば使用するモータの最高速度になるまで増速制御している。
【0070】
その間カム50,51は回転移動するが、図6に示すように、押下げ時の空転コロ34,35に突き当てるカム位置A<半径r1>と記録媒体P(厚紙)が2次転写ニップNに進入した直後のカム位置B<半径r2>までのカム半径を同一半径<r1=r2>にしているので、すなわち、カム部50b、51bの外周面50c、51cの形状を<r1=r2>となるように形成しているので、カム50,51が回転しても2次転写ニップNにおける2次転写ローラ30の表面30aと中間転写ベルトのベルト表面21aとの隙間Xは維持される。
【0071】
カム50,51が回転しても2次転写ローラ30の位置が変化しないように、本形態では一定に維持する範囲を有するカム形状に外周面50c,51cを形成するとともに、制御手段600によってカム位置Bとカム位置Cの区間でカム駆動モータ58の速度を加速制御するようにしている。
【0072】
このように、カム50,51の外周面50c,51cに同一半径区間A〜Bを設け、その区間においてカム駆動モータ58の回転速度を加速することにより、2次転写ローラ30の表面30aと中間転写ベルトのベルト表面21a(2次転写対向ローラ24)との隙間Xを戻す動作区間となるカム位置B〜カム位置Cまで回転する速度は、所定の速度、例えばモータの最高速度で回転することができるため、より短時間で戻し動作を完了することができる。
【0073】
戻し動作が開始される前までに加速制御を行うことで、記録媒体Pの先端P1からトナー画像Tが来る前までに戻し動作を完了することはできるが、2次転写ローラ30が接触した瞬間には、その衝撃により振動が発生してしまう。この接触による衝撃による振動は、中間転写ベルト21の回転負荷、さらには各感光体まで振動が伝わり、各感光体の回転ムラを起因させ、異常画像が発生につながることがある。
【0074】
そこで、本複写機では、2次転写対向ローラ24の弾性層24b(図3参照)を低反発の発泡ゴムローラから形成し、ローラ形状をタイコ形状に形成しているので、2次転写ローラ30がベルト表面21aに接触する際、全面が一気に衝突することなく、時間差をもって接触することができるとともに、発泡ゴムの弾性効果により2次転写ローラ30の接触時の衝撃を吸収することができる。ただ、接触時の衝撃による振動は完全に防止できず異常画像の発生要因となり易い。このため、本形態では、カム部50b、51bの外周面50c,51cが空転コロ34,35の外周面34a,35aから離れる直前で、カム50,51の回転速度を減速して急激な転写圧が発生しないようにカム駆動モータ58を制御手段600により減速制御している。
【0075】
図7を用いて減速制御に説明すると、本形態において、戻し動作中において、カム位置B〜カム位置Cに回転移動する区間を減速区間とし、カム50,51が回転することで隙間Xがなくなる。このため、付勢コイルバネ45による付勢力は、空転コロ34,35とカム50,51の接触力F1と2次転写ローラ30が記録媒体P(厚紙)と中間転写ベルト21を介して2次転写対向ローラ24にかかる力(転写圧)F2に分散される。カム50,51が回転して、カム位置Cが2次転写ニップNに到達すると、カム50,51と空転コロ34,35とが接触しなくなるため、付勢コイルばね45による付勢力は、すべて転写圧となる。
【0076】
転写圧(F2)が短時間で増えることが衝撃による振動や中間転写ベルト21の回転負荷の要因となるので、カム50,51が空転コロ34,35から離れる直前にはカム回転を減速させることで、空転コロ34,35とカム50,51の接触力<F1>から転写圧<F2>に変わる時間を緩やかに上昇させることが可能となる。この減速制御はカム駆動モータ58の回転速度を減速することで実現される。
【0077】
このような減速動作を行うことで、記録媒体P(厚紙)が2次転写ニップNに進入してから、トナー画像Tが来るまでの間に戻し動作が完了しない可能性はある。しかし転写圧と転写性の関係は、図10に示すように比例関係ではなく、転写圧が高くなっても、一定の領域になると転写性は安定する。つまり転写性は転写圧が高いほど良好である。このため、画像先端(記録媒体先端P1)での転写性の悪化を抑制するためには、トナー画像Tが2次転写ニップN前に来るまでの短時間で、トナー転写性が極端に悪化しない転写圧まで戻して上げ、徐々に転写性が良化する領域ではカム50,51の回転を減速しても、転写性悪化を最小限に抑えることができる。
【0078】
図9に、戻し動作時の2次転写ニップNにおける構成要素のタイミングチャートを示す。同図は、カム駆動モータ58を加速制御したのち直ちに減速制御した場合の形態を示している。図9において、横軸は時間を示し、縦軸は構成要素の変化率を示す。
【0079】
このような制御形態では、記録媒体Pが2次転写ニップNに来る前にカム駆動モータ58を作動し、目標速度、例えばモータの最高速度まで一気に加速動作させる。この区間は加速制御区間であり、記録媒体Pの先端P1が2次転写ニップNに到達するまでの区間である。この間にカム50,51は回転することになるが、空転コロ34,35とカム50,51のカム部50a,51aが接触している場所の半径r1は同じになるようにカム部50a,51aの外周面50c,51cを形成しているので、隙間Xは維持されるようになり、その隙間Xに記録媒体Pが侵入することになる。
【0080】
記録媒体Pの進入後のタイミングに合わせて、2次転写ローラ30の移動(カムの半径が変わり変位することで)が始まり、すなわち、図7のカム位置Bからカム位置Cへと移動するので隙間Xがなくなり、転写圧が記録媒体Pに加わることになる。カム駆動モータ58を目標速度で回転させている間は、短時間でカム50,51が回転するので、転写圧も図9に示すように急速にアップして記録媒体Pのトナー画像Tが2次転写ニップNに来るときには完全に転写圧はかかっていないが、明らかな転写性の悪化はみられない状態にできる。ここからカム駆動モータ58を減速制御させると、カム50,51の回転角度は緩やかに変位し、転写圧も緩やかに上昇することになる。
【0081】
本形態では、記録媒体Pの2次転写ニップNへの進入時だけでなく、2次転写ニップNかせ記録媒体Pの後端が通過する際にも、カム駆動モータ58の回転速度を制御手段600で制御するようにしている。
【0082】
図8に示すように、中間転写ベルト21上のトナー画像Tを転写終了後は、記録媒体Pの後端P2が2次転写ニップNを抜けるまでの間に、カム50,51を逆転動作させ(本実施例では反時計回りに回転させ)、カム部50a、51aの外周面50c,51cを空転コロ34,35に突き当てる位置となるカム位置Aで停止するように、制御手段600はカム駆動モータ58の動作を制御する。これは、厚紙Pでは、2次転写ニップNからの排出時も中間転写ベルト21や2次転写ローラ30に対する大きな負荷変動を発生させてしまうため、記録媒体Pの先端突入と同様に2次転写ローラ30を押下げることで負荷変動を抑制することができる。そして、この逆回転して第2の回転位置であるカム位置Cから第1の回転位置となるカム位置Aにカム50,51を回転する際にモータ回転速度を加速すると、隙間Xを短時間に形成することができ、ショックジターの発生を抑えることができる。
【0083】
このような記録媒体の後端通過時においては、カム駆動モータ58を進入時と逆方向に回転するので、図10にあいてはその変化は進入時と逆方向となる。また、カム50,51がカム位置Cからカム位置Aへて回転することで、転写圧は徐々に減少することになるが、加速制御することで転写圧の低減率を高められる。
【0084】
図11を用いて制御手段600による別な制御形態を説明する。
図9に示す制御形態では、2次転写ニップNへの記録媒体先端の進入時と、2次転写ニップNからの記録媒体後端の通過時にカム駆動モータ58を加速させた後、ただちに減速制御して、2次転写ローラ30と中間転写ベルト21との衝突時の衝撃を低減するようにしたが、本形態では、記録媒体Pの進入時に、カム駆動モータ58を目標回転速度まで加速した後、当該目標回転速度を維持する助走区間を設け、この区間を経過した後に回転速度を減速するようにした。
【0085】
このような構成とすると、カム駆動モータ58を加速状態から直ちに減速する場合に比べて、モータや駆動系への負荷が軽減することができるので、耐久性の面でよくなる。特に本形態のように、カム50,51をネジ58で固定している場合、モータや駆動系への負荷により緩みが発生することが懸念されるが、このようなネジ58の緩みの発生がし難くなることで、カム位相ずれの懸念がなくなり、安定してショックジターと転写不良の両方の発生を抑えることができる。図11に示す形態では、記録媒体後端P2が2次転写ニップNを通過する際に、加速制御しないようにしている。記録媒体後端通過時は、転写圧に反して二次転写ローラ30を押下げる動作になるので、カム駆動モータ58に対する負荷が大きく、高速回転になるほどモータトルクが低減するため、高出力モータが必要なり、大型化してしまう。このため、装置の小型化を図る観点からすると、記録媒体後端P2が2次転写ニップNを通過する際に、加速制御しないようにするのが好ましい。
【0086】
画像形成装置として複写機に限定されるものではなく、ファクシミリやプリンタあるいはこれらの複合機に適用することができる。また、本形態では、記録媒体の進入箇所を二次転写ニップNとしているが、各感光体と中間転写ベルト21と1次転写ローラ25C,25M,25Y,25Kによって形成される1次転写ニップへ記録媒体Pを搬送してトナー画像Tを記録媒体Pに転写するタイプの転写装置に適用しても、本形態と同様の作用効果を得ることができる。また、画像形成装置の形態としては、カラー画像を形成するものに限定されるものではなく、単色のトナーによる印刷を行う画像形成装置であっても良い。
【0087】
上記形態では、カム50,51によって対向部材となる2次転写ローラ30を接離するように構成したが、カム50,51及びその支持機構とカム駆動モータ58を2次転写ローラ30に配置して、2次転写対向ローラ24を2次転写ローラ30から接離するように構成してもよい。
【0088】
上記形態では、高圧電源61からの2次転写対向ローラ24に対して2次転写バイアスを供給しているが、2次転写ローラ30側に2次転写バイアスを供給する形態であってもよい。
【符号の説明】
【0089】
20 転写装置
21 像担持体
21a 像担持面
24 支持部材
24c 芯金
24d 弾性体(発泡ゴム層)
24A 中央部
24B,24C 端部
30 対向部材
30a 接触面
40 接離手段
45 加圧手段
50,51 カム
58 カム駆動手段
61 転写手段
95 記録媒体供給手段
600 接離手段
A 第1の回転位置
C 第2の回転位置
N 転写ニップ
P 記録媒体
X 像担持面と接触面との距離
【先行技術文献】
【特許文献】
【0090】
【特許文献1】特開平10−83124号公報
【特許文献2】特開平6−274051号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体の像担持面と対向する位置に設けられ記録媒体と接触する接触面を有する対向部材と、
前記像担持面と前記接触面との間の転写ニップに圧力を加える加圧手段と、
前記像担持面と前記接触面とを接離する接離手段と、
前記転写ニップに記録媒体を供給する記録媒体供給手段と、
前記転写ニップで挟まれた記録媒体に前記像担持体の像を転写する転写手段を有する転写装置において、
前記接離手段は、カムと、カムを回転駆動するカム駆動手段とを有し、
前記カムが第1の回転位置にあるときには前記像担持面と接触面とは離間し、前記カムが第2の回転位置にあるときには前記像担持面と接触面とは接触するようにカム外周面が形成され、
前記記録媒体供給手段から供給された記録媒体が前記転写ニップに進入する前に、前記カムは第1の回転位置から第2の回転位置に向けて所定の速度で回転を開始し、その後、前記カムの回転速度が加速され、
前記記録媒体が前記転写ニップに進入する際に、前記カムは第2の回転位置となり、前記像担持面と前記接触面が接触し、前記加圧手段による圧力が前記転写ニップに加わることを特徴とする転写装置。
【請求項2】
請求項1記載の転写装置において、
前記記録媒体供給手段から供給された記録媒体に転写された画像先端が前記転写ニップに進入する前に、前記カムの回転速度が減速されることを特徴とする転写装置。
【請求項3】
請求項2記載の転写装置において、
前記カムは、目標回転速度まで加速され、当該目標回転速度が維持された後に回転速度が減速されることを特徴とする転写装置。
【請求項4】
請求項1記載の転写装置において、
前記記録媒体供給手段から供給された記録媒体が少なくとも前記転写ニップに進入して通過する前に、前記カムは第2の回転位置から第1の回転位置に向けて加速しながら回転を開始し、前記記録媒体が前記転写ニップを通過した際に、前記カムは第1の回転位置となり、前記像担持面と前記接触面が離間し、前記加圧手段による圧力が前記転写ニップから除圧されることを特徴とする転写装置。
【請求項5】
請求項1ないし4の何れか1つに記載の転写装置において、
前記カムの回転速度が加速している区間は、前記像担持面と前記接触面との距離が一定となるように、前記カムの外周面が形成されていることを特徴とする転写装置。
【請求項6】
請求項1ないし5の何れか1つに記載の転写装置において、
前記像担持体の像担持面と反対側で前記像担持体を支持するとともに、前記像担持体を介して前記対向部材と対向配置された支持部材とを備え、
前記支持部材を低反発性の弾性体で形成したことを特徴とする転写装置。
【請求項7】
請求項1ないし5の何れか1つに記載の転写装置において、
前記像担持体の像担持面と反対側で前記像担持体を支持するとともに、前記像担持体を介して前記対向部材と対向配置された支持部材とを備え、
前記支持部材は、芯金と、前記芯金の外周面に発泡ゴム層を有するローラ部材であることを特徴とする転写装置。
【請求項8】
請求項6または7記載の転写装置において、
前記支持部材は、その中央部よりその端部を小さい外径にしたタイコ形状であることを特徴とする転写装置。
【請求項9】
請求項1ないし8の何れか1つに記載の転写装置において、
前記像担持体は、弾性層を有するベルトであることを特徴とする転写装置。
【請求項10】
請求項1ないし9の何れか1つに記載の転写装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−133653(P2011−133653A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−292927(P2009−292927)
【出願日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】