説明

転写装置及び画像形成装置

【課題】リンク部材の熱伸縮による一次転写ローラの配置精度の低下を抑制する。
【解決手段】転写装置10は、一次転写ローラ、第2リンク部材22及び規制部材26を備える。規制部材26は、第2リンク部材22の所定位置よりも第2方向95への移動を規制する。第2リンク部材22は、移動にともなって一次転写ローラを変位させる。第2リンク部材22は、全長L1が所定範囲内で変動自在な複数のリンクアーム27,28に分割され、連結部には、第2リンク部材22をカム軸231から最も離間させる第3角度にカム23が回転した状態において全長L1が長くなる方向に付勢する伸縮部材29、及び、全長L1が最大値を超えて長くならないように互いに係合させる第1係止部272及び第2係止部282が設けられ、カム23が第3角度に回転した状態における全長L1は最小値及び最大値を除く値である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数の像担持体から中間転写ベルトを介して用紙へトナー像を転写する転写装置及びこれを備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置には、複数の像担持体から中間転写ベルトへトナー像を順次重ね合わせて一次転写し、中間転写ベルトから用紙へトナー像を二次転写する中間転写方式の転写装置を備えたものがある。
【0003】
カラー画像形成装置に搭載される中間転写方式の転写装置は、モノクロ画像形成モード、カラー画像形成モード、及び待機モードの各動作モードで中間転写ベルトを変位させる。中間転写ベルトは、モノクロ画像形成モードでは黒色用像担持体のみに接触し、カラー画像形成モードでは全ての像担持体に接触し、待機モードでは全ての像担持体から離間する。
【0004】
例えば、像担持体に対する中間転写ベルトの離接は、中間転写ベルトを挟んで複数の像担持体に対向する複数の一次転写ローラを変位させることで行われる(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
特許文献1に記載の従来の転写装置は、黒色用一次転写ローラを変位させる黒色用リンク部材、カラー用一次転写ローラを変位させるカラー用リンク部材、黒色用リンク部材及びカラー用リンク部材をそれぞれ移動させるカム、並びにカムを回転させる駆動源を備える。黒色用リンク部材が長手方向に移動することで黒色用一次転写ローラが黒色用像担持体との離接方向へ変位し、カラー用リンク部材が長手方向に移動することでカラー用一次転写ローラがカラー用像担持体との離接方向へ変位する。
【0006】
黒色用リンク部材として、カムとの滑り性の向上及び電気漏れの防止等の理由でPOM(ポリオキシメチレン:polyoxymethylene)樹脂等の樹脂材料が用いられている場合でも、黒色用リンク部材は、カラー用リンク部材と比較して短いので、熱伸縮が小さい。このため、黒色用一次転写ローラについては温度変化による変位誤差が比較的小さく、黒色用像担持体に対する中間転写ベルトの離接動作が比較的安定的に行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−134149公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、カラー用リンク部材は、複数の一次転写ローラを変位させるために黒色用リンク部材と比較して長いので、熱伸縮が大きくなる。例えば、POM樹脂で形成された長さ240mmのカラー用リンク部材を使用し、画像形成装置の内部温度として5℃〜45℃の範囲を想定し、10℃の温度変化が発生した場合、±0.3mmの熱伸縮が発生する。仮に30℃の温度変化が発生した場合は熱伸縮が約1mmにもなる。
【0009】
このため、画像形成装置の内部温度の変化によって、カラー用リンク部材の移動に連動するカラー用一次転写ローラの配置精度が低下する。したがって、カラー用像担持体に対する中間転写ベルトの離接動作が不安定になり、画質が低下しやすい。カラー用一次転写ローラの中でも、カラー用リンク部材におけるカムに圧接する側の端部の反対側の端部に連結された一次転写ローラは、カラー用リンク部材の熱伸縮による悪影響を最も受けやすく、配置精度がより低下しやすい。
【0010】
例えば、カラー用リンク部材が熱膨張によって伸長した場合は、カラー用像担持体に対する中間転写ベルトの圧接力が強くなりすぎるので、画質低下、並びにカラー用像担持体及び中間転写ベルトの摩耗によるライフサイクルの短縮化といった問題が生じることがある。
【0011】
また、カラー用リンク部材が熱収縮によって短縮した場合は、カラー用像担持体に中間転写ベルトが当接しない虞があり、画質低下の問題が生じることがある。
【0012】
この発明の目的は、リンク部材の熱伸縮による一次転写ローラの配置精度の低下を抑制できる転写装置及びこれを備える画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この発明の転写装置は、複数の像担持体から中間転写ベルトを介して用紙へトナー像を転写する画像形成装置に搭載され、中間転写ベルトに対して複数の像担持体の反対側に配置されて複数の像担持体のそれぞれに対する離接方向に変位自在な複数の一次転写ローラを備える。転写装置は、カム、リンク部材、及び規制部材を備える。カムは、動力の伝達を受けてカム軸を中心に回転する。リンク部材は、カムに圧接しつつカム軸側へ向かう第1方向及び第1方向の反対方向である第2方向に所定範囲内で移動自在であり、第1方向及び第2方向への移動にともなって少なくとも1つの一次転写ローラを離接方向へ変位させる。規制部材は、リンク部材の所定位置よりも第2方向への移動を規制する。リンク部材は、第1方向に沿って複数のリンクアームに分割されており、互いに隣接する2つのリンクアームのそれぞれの連結部は互いに隣接する2つのリンクアームの全長が所定の最小値以上で所定の最大値以下となる範囲内で変動自在となるように構成され、連結部のそれぞれには、リンク部材をカム軸から最も離間させる離間角度にカムが回転した状態において前記全長が長くなる方向に付勢する伸縮部材、及び、前記全長が最大値を超えて長くならないように互いに係合させる係合機構が設けられ、カムが離間角度に回転した状態における前記全長は最小値及び最大値を除く値である。
【0014】
この構成では、リンク部材は、カムに圧接することでカム側端部が位置決め基準になった状態で移動する。また、リンク部材の第2方向への移動時に、カム側端部の反対側の規制部材側端部が規制部材に当接することで、規制部材側端部も位置決め基準になる。規制部材側端部が規制部材に当接して以降は、リンク部材の第2方向への移動にともなって、互いに隣接する2つのリンクアームの全長が伸縮部材の付勢力に抗して短くなる。リンク部材をカム軸から最も離間させる離間角度にカムが回転した状態において、互いに隣接する2つのリンクアームの全長は最小値及び最大値を除く値である。このため、リンク部材が熱膨張又は熱収縮した場合でも、リンク部材の熱伸縮による影響が伸縮部材によって吸収され、カムが離間角度に回転した状態における規制部材側端部の位置は、リンク部材の熱伸縮に関わらず規制部材との当接位置即ち一定位置となる。このように、リンク部材のカム側端部と規制部材側端部との両方の端部が位置決め基準になる。したがって、一次転写ローラの配置精度の低下が抑制される。
【0015】
このため、リンク部材が熱膨張した場合でも、像担持体に対する中間転写ベルトの圧接力が強くなりすぎることが防止される。また、リンク部材が熱収縮した場合でも、像担持体に中間転写ベルトが当接しない事態が防止される。
【0016】
上述の構成において、リンク部材が、複数の一次転写ローラを離接方向へ変位させるように構成される場合は、1個の一次転写ローラを離接方向へ変位させるように構成される場合と比較してリンク部材は長く形成され、熱伸縮が大きくなるので、一次転写ローラの配置精度を向上できるという効果がより顕著になる。
【0017】
また、互いに隣接する2つのリンクアームのうちカム側に配置された第1リンクアームは、第1方向の上流側の第1連結端部に、第1方向に直交する幅方向に沿って突出する第1係止部を有し、互いに隣接する2つのリンクアームのうち第1リンクアームよりも第1方向の上流側に配置された第2リンクアームは、第1方向の下流側の第2連結端部に、伸縮部材を収容する収容部、及び第1係止部よりも第1方向の下流側において幅方向に沿って突出して第1係止部と係合自在な第2係止部を有し、第1係止部と第2係止部とは、係合機構を構成するといった構成が考えられる。この構成では、第2リンクアームの収容部に収容された伸縮部材によって第1リンクアームと第2リンクアームとに互いに離間する方向の付勢力が働き、第1係止部と第2係止部とが係合することで、第1リンクアームと第2リンクアームとの全長が所定の最大値を超えて長くならない。よって、簡単な構成で、リンク部材の熱伸縮による一次転写ローラの配置精度の低下を抑制できる。
【0018】
さらに、伸縮部材は、コイルバネで構成することができる。リンク部材の熱伸縮した場合でも、簡単な構造かつ低コストで一次転写ローラの配置精度の低下が抑制される。
【0019】
また、伸縮部材は、筒形シリンダ内に液体が封入されたダンパで構成することができる。リンク部材の熱伸縮による影響をダンパによって吸収することができる。
【0020】
この発明の画像形成装置は、上述のいずれかの構成の転写装置を備える。一次転写ローラの配置精度の低下が抑制されるので、特定像担持体に中間転写ベルトが当接しないことによる画質低下、並びに特定像担持体に対する中間転写ベルトの圧接力が強くなりすぎることで特定像担持体及び中間転写ベルトの摩耗が早くなってライフサイクルが短縮化することが抑制される。
【発明の効果】
【0021】
この発明によれば、リンク部材の熱伸縮による一次転写ローラの配置精度の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】この発明の実施形態に係る転写装置を備えた画像形成装置の概略の正面断面図である。
【図2】転写装置の概略構成を示す正面図であり、(A)は、非画像形成時の状態を示し、(B)は、モノクロ画像形成時の状態を示し、(C)は、フルカラー画像形成時の状態を示す。
【図3】(A)テンションローラの構成を示す図であり、(B)は一次転写ローラの構成を示す図である。
【図4】転写装置の概略の平面図である。
【図5】転写装置の一部拡大図であり、(A)は、一次転写ローラが離間位置にある状態を示し、(B)は、一次転写ローラが押付位置にある状態を示す。
【図6】カムの構造及び配置状態を示す図であり、(A)は、非画像形成時の状態を示し、(B)は、モノクロ画像形成時の状態を示し、(C)は、フルカラー画像形成時の状態を示す。
【図7】(A)〜(C)は、カラー用リンク部材の断面構造及び第2方向へ移動する際の動きを示す図である。
【図8】(A)〜(C)は、カラー用リンク部材の断面構造及び第1方向へ移動する際の動きを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、この発明の実施形態に係る転写装置10を備えた画像形成装置100について、図面に基づいて説明する。
【0024】
図1に示すように、画像形成装置100は、原稿から読み取った画像データに基づいて所定の用紙に多色又は単色の画像を形成する。用紙として、普通紙、厚紙、印画紙、OHPフィルム等のシート状の記録媒体が挙げられる。画像形成装置100は、本体の上に画像読取装置120を備え、本体に画像形成部110及び給紙部80を備えている。
【0025】
画像読取装置120は、原稿の画像面に光を照射し、反射した光の光量を検出することで、画像データを生成する。
【0026】
画像形成部110は、中間転写ユニット40、画像形成ステーション30A,30B,30C,30D、二次転写ユニット50、露光ユニット60、定着ユニット70を備えている。
【0027】
中間転写ユニット40は、無端ベルトである中間転写ベルト41、第1張架ローラ42、第2張架ローラ43、及びテンションローラ44を備えている。中間転写ベルト41は、第1張架ローラ42、第2張架ローラ43、及びテンションローラ44に張架されている。一例として、第1張架ローラ42は駆動ローラであり、第2張架ローラ43は従動ローラである。テンションローラ44は、中間転写ベルト41の張力を調整する。
【0028】
画像形成ステーション30A〜30Dは、それぞれブラック、シアン、マゼンタ及びイエローの各色相のトナーを用いて電子写真方式の画像形成処理を行う。画像形成ステーション30A〜30Dは、中間転写ベルト41の所定領域に対向するように互いに並設されている。画像形成ステーション30B〜30Dは、画像形成ステーション30Aと同様に構成されている。
【0029】
画像形成ステーション30Aは、ブラックのトナーを担持するモノクロ用の感光体ドラム31Aを備えている。画像形成ステーション30B,30C,30Dは、カラーのトナーを担持するカラー用の感光体ドラム31B,31C,31Dをそれぞれ備えている。感光体ドラム31A〜31Dのそれぞれは、像担持体を構成している。
【0030】
画像形成ステーション30Aは、感光体ドラム31Aの周囲に、帯電器32A、現像器33A、一次転写ローラ34A、及びクリーナ装置35Aを有している。同様に、画像形成ステーション30B,30C,30Dは、それぞれ一次転写ローラ34B,34C,34Dを有している。
【0031】
感光体ドラム31Aは、図示しない駆動源から駆動力を伝達されることで所定方向に回転する。帯電器32Aは、感光体ドラム31Aの周面を所定の電位に帯電させる。
【0032】
露光ユニット60は、ブラック、シアン、マゼンタ及びイエローの各色相の画像データに基づいて半導体レーザを駆動し、各色相のレーザ光を画像形成ステーション30A〜30Dのそれぞれの感光体ドラム31A〜31Dへ配光する。感光体ドラム31A〜31Dの周面には、ブラック、シアン、マゼンタ及びイエローの各色相の画像データに基づく静電潜像が形成される。
【0033】
現像器33Aは、感光体ドラム31Aの周面に、画像形成ステーション30Aの色相であるブラックのトナーを供給し、静電潜像をトナー像に顕像化する。
【0034】
中間転写ベルト41の外周面は、感光体ドラム31A〜31Dに順に対向する。中間転写ベルト41を挟んで感光体ドラム31Aに対向する位置に、一次転写ローラ34Aが配置されている。中間転写ベルト41を挟んで感光体ドラム31Bに対向する位置に、一次転写ローラ34Bが配置されている。中間転写ベルト41を挟んで感光体ドラム31Cに対向する位置に、一次転写ローラ34Cが配置されている。中間転写ベルト41を挟んで感光体ドラム31Dに対向する位置に、一次転写ローラ34Dが配置されている。
【0035】
一次転写ローラ34Aは、トナーの帯電極性(例えば、マイナス)と逆極性(例えば、プラス)の一次転写バイアスを印加されることで、感光体ドラム31Aに担持されたトナー像を中間転写ベルト41の外周面へ一次転写する。中間転写ユニット40及び一次転写ローラ34A〜34Dは、転写装置10に含まれる。
【0036】
感光体ドラム31Aの外周面に残存したトナーは、クリーナ装置35Aによって除去される。
【0037】
モノクロ画像形成時には、モノクロ用の画像形成ステーション30Aのみで上述の画像形成処理が行われる。また、フルカラー画像形成時には、画像形成ステーション30Aに加えて画像形成ステーション30B〜30Dにおいても、シアン、マゼンタ及びイエローの各色相について、画像形成ステーション30Aと同様の画像形成処理が行われる。ブラック、シアン、マゼンタ及びイエローの各色相のトナー像は、画像形成ステーション30A〜30Dのそれぞれの一次転写ローラ34A〜34Dに一次転写バイアスが印加されることで、中間転写ベルト41の外周面に1つに重ね合わされるように順次に転写される。
【0038】
給紙部80は、給紙カセット81、手差しトレイ82、用紙主搬送路83、用紙副搬送路84を備えている。給紙カセット81には、使用頻度の比較的高いサイズ及び種類の用紙が複数枚収納される。手差しトレイ82には、比較的使用頻度の低いサイズや種類の用紙が載置される。
【0039】
用紙主搬送路83は、給紙カセット81及び手差しトレイ82から、中間転写ベルト41と二次転写ユニット50との間及び定着ユニット70を経由して、排紙部90へ至るように形成されている。用紙副搬送路84は、両面印刷用の用紙搬送路であり、一方の面に画像を形成された用紙が表裏を反転された状態で再び、中間転写ベルト41と二次転写ユニット50との間へ搬送されるように形成されている。
【0040】
二次転写ユニット50は、二次転写ローラ50Aを有する。二次転写ローラ50Aに、トナーの帯電極性(例えば、マイナス)と逆極性(例えば、プラス)の二次転写バイアスが印加されることで、中間転写ベルト41の外周面に担持されたトナー像が用紙に転写される。二次転写ユニット50は、転写装置10に含まれる。
【0041】
定着ユニット70は、トナー像が転写された用紙を加熱及び加圧することで、用紙にトナー像を定着させる。
【0042】
排紙部90は、排紙トレイ91及び排紙ローラ92を備えている。トナー像が定着した用紙は、排紙ローラ92によって排紙トレイ91へ排出される。用紙は、トナー像が定着した面を下にして、排紙トレイ91に収容される。
【0043】
次に、転写装置10の構成について説明する。図2(A)〜図2(C)に示すように、中間転写ベルト41は、第1張架ローラ42と第2張架ローラ43との間に張架されて、所定のループ状の移動経路を構成する。中間転写ベルト41の外周面に沿って、感光体ドラム31A〜31Dに対向する領域における中間転写ベルト41の移動方向93において、上流側から順に、感光体ドラム31D、感光体ドラム31C、感光体ドラム31B、及び感光体ドラム31Aが配置されている。移動方向93において、第1張架ローラ42は下流側に配置され、第2張架ローラ43は上流側に配置されている。上述のように、中間転写ベルト41を挟んで感光体ドラム31A〜31Dのそれぞれに対向する位置に、一次転写ローラ34A〜34Dが配置されている。この実施形態では、中間転写ベルト41は、感光体ドラム31A〜31Dの上方に配置されている。
【0044】
図3(A)に示すように、テンションローラ44は、中間転写ベルト41の内周面に圧接している。テンションローラ44は、アーム441の先端部に回転自在に支持されている。アーム441の基端部は、中間転写ユニット40の図示しないフレームに、回転自在に支持されている。アーム441は、バネ442によって、テンションローラ44を中間転写ベルト41の内周面に圧接する方向へ付勢されている。これによって、中間転写ベルト41は、非画像形成時、モノクロ画像形成時、及びフルカラー画像形成時を通じて、一定の張力に保持される。
【0045】
一次転写ローラ34A〜34Dは、それぞれが対向する感光体ドラム31A〜31Dに対する離接方向に変位自在に構成されている。これによって、一次転写ローラ34Aは、少なくとも、対向する感光体ドラム31Aに中間転写ベルト41を押し付ける押付位置と、対向する感光体ドラム31Aから中間転写ベルト41を離間させる離間位置との間で変位自在である。一次転写ローラ34B〜34Dについても一次転写ローラ34Aと同様である。
【0046】
図2(A)に示すように、非画像形成時には、一次転写ローラ34A〜34Dの全てがそれぞれの離間位置に配置され、中間転写ベルト41が感光体ドラム31A〜31Dから離間する。
【0047】
図2(B)に示すように、モノクロ画像形成時には、モノクロ用の一次転写ローラ34Aは、押付位置に配置され、中間転写ベルト41を感光体ドラム31Aに圧接させる。一方、カラー用の一次転写ローラ34B〜34Dは、それぞれの離間位置に配置され、中間転写ベルト41を感光体ドラム31B〜31Dから離間させる。
【0048】
図2(C)に示すように、フルカラー画像形成時には、全ての一次転写ローラ34A〜34Dは、それぞれの押付位置に配置され、中間転写ベルト41を感光体ドラム31A〜31Dに圧接させる。
【0049】
一次転写ローラ34A〜34Dの離接方向への変位は、転写部材移動機構20によって行われる。
【0050】
転写部材移動機構20は、第1リンク部材21、第2リンク部材22、カム23、及び第1〜第4揺動部材24A,24B,24C,24Dを備えている。
【0051】
中間転写ベルト41の移動方向93に沿って、第1リンク部材21と第2リンク部材22との間にカム23が配置されている。第1リンク部材21及び第2リンク部材22は、長手方向が移動方向93と平行となるように配置され、移動方向93に沿って所定範囲内で移動自在である。第1リンク部材21及び第2リンク部材22は、それぞれカム23へ向けて付勢され、カム23に圧接している。
【0052】
図4に示すように、第1リンク部材21、第2リンク部材22、及びカム23は、第1張架ローラ42と第2張架ローラ43との間であって、画像形成装置100の前面側及び背面側のそれぞれに配置されている。一次転写ローラ34Aは、前面側に配置された第1リンク部材21と背面側に配置された第1リンク部材21とに軸支されている。一次転写ローラ34B〜34Dは、前面側に配置された第2リンク部材22と背面側に配置された第2リンク部材22とにそれぞれ軸支されている。
【0053】
前面側のカム23と背面側のカム23とは、単一のカム軸231に固定され、カム軸231を中心に互いに同位相で回転する。カム軸231は、駆動源232から動力を伝達されることで回転する。例えば、駆動源232として、ステッピングモータが用いられる。
【0054】
図5(A)及び図5(B)に示すように、第1〜第4揺動部材24A〜24DはそれぞれL字形に屈曲した形状を呈している。第2〜第4揺動部材24B〜24Dは、移動方向93における第2リンク部材22に対する取付方向を除いて第1揺動部材24Aと同様に構成されている。第2〜第4揺動部材24B〜24Dは、第1揺動部材24Aに対して、図2(A)における左右対称に取り付けられている。
【0055】
第1揺動部材24Aの第1端部241Aは、第1リンク部材21よりも感光体ドラム31A側において、中間転写ユニット40の図示しないフレームに回転自在に支持されている。第1揺動部材24Aの第2端部242Aは、一次転写ローラ34Aを回転自在に支持している。同様に、第2〜第4揺動部材24B〜24Dのそれぞれの第1端部は、第2リンク部材22よりも感光体ドラム31B〜31D側において、中間転写ユニット40の図示しないフレームに回転自在に支持されている。第2〜第4揺動部材24B〜24Dのそれぞれ第2端部は、一次転写ローラ34B〜34Dを回転自在に支持している。図3(B)に示すように、第1揺動部材24Aは、バネ244Aによって、感光体ドラム31Aから離間する方向へ付勢されている。同様に、第2〜第4揺動部材24B〜24Dは、バネによって感光体ドラム31B〜31Dから離間する方向へそれぞれ付勢されている。なお、図5(A)及び図5(B)では、バネ244Aの記載が省略されている。
【0056】
第1リンク部材21は、一次転写ローラ24Aに対応する位置に、移動方向93に直交する方向に長いスリット25を有している。第2リンク部材22は、一次転写ローラ24B〜24Dのそれぞれに対応する位置に、移動方向93に直交する方向に長いスリットを有している。
【0057】
第1揺動部材24Aは、屈曲部に、一次転写ローラ34Aの回転軸方向に突起する突起部243Aを有している。突起部243Aは、第1リンク部材21のスリット25内を、スリット25の長手方向に沿って変位する。第2〜第4揺動部材24B〜24Dの突起部は、第2リンク部材22のそれぞれのスリット内を、それぞれのスリットの長手方向に沿って変位する。
【0058】
よって、図5(B)に示すように、第1リンク部材21がカム軸231から離間する方向即ち中間転写ベルト41の移動方向93における下流側へ移動すると、バネ244Aの弾性力に抗して突起部243Aがスリット25内を下降し、一次転写ローラ34Aが下降して押付位置へ変位する。これによって、中間転写ベルト41が感光体ドラム31Aに押し付けられる。一方、図5(A)に示すように、第1リンク部材21がカム軸231に接近する方向即ち移動方向93における上流側へ移動すると、バネ244Aの弾性力によって突起部243Aがスリット25内を上昇し、一次転写ローラ34Aが上昇して離間位置へ変位する。これによって、中間転写ベルト41が感光体ドラム31Aから離間する。
【0059】
同様に、一次転写ローラ34B〜34Dは、第2リンク部材22がカム軸231から離間する方向即ち移動方向93における上流側へ移動すると、下降してそれぞれの押付位置へ移動し、第2リンク部材22がカム軸231に接近する方向即ち移動方向93における下流側へ移動すると、上昇してそれぞれの離間位置へ移動する。
【0060】
図6(A)〜図6(C)に示すように、カム23は、第1カム部233及び第2カム部234から構成されている。第1カム部233と第2カム部234とは、カム軸231に沿ってずれた位置でカム軸231に固定され、カム軸231を中心に回転する。第1リンク部材21は、第1カム部233の作用周面に圧接する。第2リンク部材22は、第2カム部234の作用周面に圧接する。第1カム部233及び第2カム部234は、それぞれ偏心カムで構成されている。
【0061】
図6(A)に示すように、非画像形成時には、カム23は、所定の第1角度に配置される。これによって、第1リンク部材21及び第2リンク部材22の両方が、カム軸231に接近する。このため、全ての一次転写ローラ34A〜34Dが離間位置に配置され、中間転写ベルト41が全ての感光体ドラム31A〜31Dから離間する。
【0062】
図6(B)に示すように、モノクロ画像形成時には、カム23は、非画像形成時の状態即ち第1角度を基準として図6(B)において反時計方向に90度回転した所定の第2角度に配置される。これによって、第1リンク部材21がカム軸231から離間し、第2リンク部材22がカム軸231に接近する。このため、モノクロ用の一次転写ローラ34Aが押付位置へ変位し、中間転写ベルト41が感光体ドラム31Aに押し付けられる。一方、カラー用の一次転写ローラ34B〜34Dは離間位置に配置され、中間転写ベルト41はカラー用の感光体ドラム31A〜31Dから離間する。
【0063】
図6(C)に示すように、フルカラー画像形成時には、カム23は、非画像形成時の状態即ち第1角度を基準として図6(C)において反時計方向に180度回転した所定の第3角度に配置される。これによって、第1リンク部材21及び第2リンク部材22の両方がカム軸231から離間する。このため、全ての一次転写ローラ34A〜34Dが押付位置に配置され、中間転写ベルト41が全ての感光体ドラム31A〜31Dに押し付けられる。
【0064】
図7(A)〜図7(C)に示すように、移動方向93に沿って、第2リンク部材22に対してカム23の反対側に、規制部材26が配置されている。即ち、移動方向93に沿って、第2リンク部材22は、カム23と規制部材26との間に配置されている。第2リンク部材22は、移動方向93に沿ってカム23側へ向かう第1方向94、及び第1方向94の反対方向であって規制部材26側へ向かう第2方向95に、所定範囲内で移動自在に構成されている。カム23が非画像形成時の第1角度に配置された状態において、第2リンク部材22と規制部材26との間には、所定の間隙が設けられている。
【0065】
規制部材26は、第2リンク部材22の所定位置よりも第2方向95への移動を規制する。規制部材26の第2リンク部材22との当接部は、第2リンク部材22側に突出した球面形を呈している。
【0066】
第2リンク部材22は、移動方向93に沿って、複数のリンクアームに分割されている。この実施形態では、第2リンク部材22は、カム23側に配置された第1リンクアーム27と規制部材26側に配置された第2リンクアーム28とに2分割されている。第2リンク部材22は、第1リンクアーム27及び第2リンクアーム28の他に、伸縮部材29を備えている。一例として、第2揺動部材24B及び第3揺動部材24Cの2個が、第1リンクアーム27に連結され、第4揺動部材24Cが、第2リンクアーム28に連結されている。一例として、第2リンク部材22は、POM樹脂等の樹脂製である。
【0067】
第1リンクアーム27は、第1方向94の上流側の第1連結端部に、伸縮部材29を受ける受け部271を有している。一例として、受け部271は、第1方向94の上流側に開口する凹状に形成されている。また、第1リンクアーム27は、第1連結端部に、第2リンク部材22の長手方向に直交する幅方向96に沿って突出する第1係止部272を有している。一例として、第1係止部272は、受け部271の外面側の縁部に設けられている。
【0068】
第2リンクアーム28は、第1方向94の下流側の第2連結端部に、伸縮部材29を収容する収容部281を有している。収容部281は、第1方向94の下流側に開口する凹状に形成され、収容部281内に第1リンクアーム27の第1連結端部が挿脱自在となるように構成されている。このように、互いに隣接する2つのリンクアーム27,28のそれぞれの連結部は、互いに隣接する2つのリンクアーム27,28の全長L1が所定の最小値以上で所定の最大値以下となる範囲内で変動自在となるように構成されている。
【0069】
また、第2リンクアーム28は、第2連結端部に、幅方向96に沿って突出して第1係止部272と係合自在な第2係止部282を有している。一例として、第2係止部282は、収容部281の内面側の縁部に設けられている。
【0070】
第1リンクアーム27の第1連結端部が第2リンクアーム28の収容部281内に挿し込まれて、第1係止部272が第2係止部282よりも第1方向94の上流側に配置されると、第1係止部272と第2係止部282とが係合することで、第1係止部272が第2係止部282よりも第1方向94の下流側へ移動できなくなる。
【0071】
第1係止部272と第2係止部282とは、互いに隣接する2つのリンクアーム27,28の全長L1が所定の最大値を超えて長くならないように第1リンクアーム27と第2リンクアーム28とを互いに係合させる係合機構を構成している。
【0072】
伸縮部材29は、第1リンクアーム27と第2リンクアーム28との間に配置され、互いに隣接する2つのリンクアーム27,28の全長L1が長くなる方向の付勢力を有している。例えば、伸縮部材29として、コイルバネが用いられる。なお、伸縮部材29として、筒形シリンダ内に液体が封入されたダンパを用いることもできる。
【0073】
伸縮部材29は、第2リンク部材28の収容部281内に収容されている。伸縮部材29の一端部は収容部281に係止され、他端部は第1リンク部材27の受け部271に係止されている。
【0074】
伸縮部材29は、第2リンク部材22の第2方向95への移動時に第2リンクアーム28が規制部材26に当接するまでは第1リンクアーム27に第2リンクアーム28を追従させ、第2リンクアーム28が規制部材26に当接して以降は第2リンク部材22の第2方向95への移動にともなって、互いに隣接する2つのリンクアーム27,28の全長L1が伸縮部材29の付勢力に抗して短くなるように構成されている。この実施形態では、上述のように作用するバネ定数を有するコイルバネが伸縮部材29として採用される。
【0075】
図7(A)に示すように、第2リンク部材22は、バネ221によってカム23側へ付勢されている。第2リンク部材22は、カム23の作用周面に圧接することでカム側端部222が位置決め基準になった状態で、カム23の回転にともなって移動方向93に沿って移動する。
【0076】
図7(B)に示すように、第2リンク部材22の第2方向95への移動時に、第2リンク部材22におけるカム側端部222の反対側の規制部材側端部223が規制部材26に当接することで、規制部材側端部223も位置決め基準になる。
【0077】
規制部材側端部223が規制部材26に当接して以降は、第2リンク部材22の第2方向95への移動にともなって第2リンク部材22は伸縮部材29の付勢力に抗して短縮し、全長L1が短くなる。
【0078】
図7(C)に示すように、第2リンク部材22をカム軸231から最も離間させる第3角度にカム23が回転した状態において、互いに隣接する2つのリンクアーム27,28の全長L1は、第2リンク部材22の全長L1の最小値及び最大値を除く値である。即ち、第2リンク部材22をカム軸231から最も離間させる第3角度にカム23が回転した状態において、第1係止部272と第2係止部282との間には間隙が設けられ、かつ、収容部281の第1方向94上流側端部と第1リンクアーム27の第1方向94上流側端部との間にも間隙が設けられている。第3角度は、離間角度に相当する。
【0079】
よって、第2リンク部材22が熱膨張又は熱収縮した場合でも、第2リンク部材22の熱伸縮による影響が伸縮部材29によって吸収され、カム23が第3角度に回転した状態における規制部材側端部223の位置は、第2リンク部材22の熱伸縮に関わらず規制部材26との当接位置即ち一定位置となる。このように、第2リンク部材22のカム側端部222と規制部材側端部223との両方の端部が位置決め基準になる。したがって、一次転写ローラ34B〜34Dの配置精度の低下が抑制される。また、これによって、前面側に配置された第2リンク部材22と背面側に配置された第2リンク部材22との熱伸縮の度合いの相違による、一次転写ローラ34B〜34Dの、移動方向93に直交する方向に対する傾斜も抑制される。特に、カム23から遠い箇所において第2リンク部材22に連結された一次転写ローラ34Dほど配置精度の低下の抑制効果が大きくなる。
【0080】
このように、一次転写ローラ34B〜34Dの配置精度を向上することで、感光体ドラム31B〜31Dに対する中間転写ベルト41の離接動作を安定化させることができる。このため、第2リンク部材22が熱膨張した場合でも、カラー用の感光体ドラム31B〜31Dに対する中間転写ベルト41の圧接力が強くなりすぎることが抑制され、感光体ドラム31B〜31D及び中間転写ベルト41の摩耗が早くなってライフサイクルが短縮化することが抑制される。また、第2リンク部材22が熱収縮した場合でも、感光体ドラム31B〜31Dに中間転写ベルト41が当接しない事態が抑制され、画質低下が抑制される。
【0081】
また、図8(A)に示すように、第1リンクアーム27と第2リンクアーム28との全長L1が最大値よりも短くなった状態から、図8(B)に示すように、カム23が図8(B)における時計方向へ回転すると、伸縮部材29の付勢力によってまず第1リンクアーム27が第1方向94へ移動し、第1係止部272と第2係止部282とが係合することで、図8(C)に示すように、次に第2リンクアーム28が第1リンクアーム27に追従して第1方向94へ移動する。
【0082】
なお、第2リンク部材22を2個のリンクアームに分割することに限定されず、3個以上のリンクアームに分割した場合でも、互いに隣接するリンクアームのそれぞれの連結部を上述の実施形態と同様に構成することで、一次転写ローラの配置精度の低下を抑制できるという効果が奏される。
【0083】
また、上述の実施形態では、一次転写ローラ34A〜34Dのうちの複数の一次転写ローラ34B〜34Dを変位させる第2リンク部材22に本発明が適用されたが、1個の一次転写ローラ34Aを変位させる第1リンク部材21に本発明を適用した場合でも、一次転写ローラ34Aの配置精度の低下を抑制できるという効果が奏される。
【0084】
上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0085】
10 転写装置
20 転写部材移動機構
21 第1リンク部材
22 第2リンク部材
23 カム
231 カム軸
26 規制部材
27 第1リンクアーム
28 第2リンクアーム
29 伸縮部材
30A〜30D 画像形成ステーション
31A〜31D 感光体ドラム(像担持体)
34A〜34D 中間転写ローラ(転写部材)
40 中間転写ユニット
41 中間転写ベルト(無端ベルト)
42 第1張架ローラ
43 第2張架ローラ
50 二次転写ユニット
50A 二次転写ローラ
93 移動方向
94 第1方向
95 第2方向
100 画像形成装置
L1 全長

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の像担持体から中間転写ベルトを介して用紙へトナー像を転写する画像形成装置に搭載され、前記中間転写ベルトに対して前記複数の像担持体の反対側に配置されて前記複数の像担持体のそれぞれに対する離接方向に変位自在な複数の一次転写ローラを備える転写装置であって、
動力の伝達を受けてカム軸を中心に回転するカムと、
前記カムに圧接しつつ前記カム軸側へ向かう第1方向及び前記第1方向の反対方向である第2方向に所定範囲内で移動自在であり、前記第1方向及び前記第2方向への移動にともなって少なくとも1つの前記一次転写ローラを前記離接方向へ変位させるリンク部材と、
前記リンク部材の所定位置よりも前記第2方向への移動を規制する規制部材と、を備え、
前記リンク部材は、前記第1方向に沿って複数のリンクアームに分割されており、互いに隣接する2つのリンクアームのそれぞれの連結部は前記互いに隣接する2つのリンクアームの全長が所定の最小値以上で所定の最大値以下となる範囲内で変動自在となるように構成され、前記連結部のそれぞれには、前記リンク部材を前記カム軸から最も離間させる離間角度に前記カムが回転した状態において前記全長が長くなる方向に付勢する伸縮部材、及び、前記全長が前記最大値を超えて長くならないように互いに係合させる係合機構が設けられ、前記カムが前記離間角度に回転した状態における前記全長は前記最小値及び前記最大値を除く値である、転写装置。
【請求項2】
前記リンク部材は、複数の前記一次転写ローラを前記離接方向へ変位させるように構成される、請求項1に記載の転写装置。
【請求項3】
前記互いに隣接する2つのリンクアームのうち前記カム側に配置された第1リンクアームは、前記第1方向の上流側の第1連結端部に、前記第1方向に直交する幅方向に沿って突出する第1係止部を有し、
前記互いに隣接する2つのリンクアームのうち前記第1リンクアームよりも前記第1方向の上流側に配置された第2リンクアームは、前記第1方向の下流側の第2連結端部に、前記伸縮部材を収容する収容部、及び前記第1係止部よりも前記第1方向の下流側において前記幅方向に沿って突出して前記第1係止部と係合自在な第2係止部を有し、
前記第1係止部と前記第2係止部とは、前記係合機構を構成する、請求項1又は2に記載の転写装置。
【請求項4】
前記伸縮部材は、コイルバネである、請求項1から3のいずれかに記載の転写装置。
【請求項5】
前記伸縮部材は、筒形シリンダ内に液体が封入されたダンパである、請求項1から3のいずれかに記載の転写装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかの転写装置を備える画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−61367(P2013−61367A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−197800(P2011−197800)
【出願日】平成23年9月12日(2011.9.12)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】