説明

転動ロボット

【課題】軽量かつ剛性が高い本体ケースを備える転動ロボットを提供するものである。
【解決手段】転動ロボット1は、回転軸を有するモータと、回転軸に取り付られた回転部材と、モータおよび回転部材を内包する略立方形状の本体ケースとを備える。本体ケース2は、金属より環状に形成され、互いに一体的に連結される複数のフレーム(52から57)により形成されるケースフレーム51と、樹脂より板状に形成され、各フレーム(52から57)間を覆う複数のプレート部材(62,63,64)から形成されるケースカバーと、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、本体ケースを転動させて移動する転動ロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に示すように、転動ロボットは、回転軸を有するモータと、モータの回転軸に取り付られた回転部材としてのフライホイールと、モータに電力を供給するバッテリと、モータ、フライホイールおよびバッテリとを内包する略立方形状の本体ケースとを備え、また、モータは本体ケースの内壁に取り付けられている。そして、モータによりフライホイールを加減速し、このフライホイールの加減速により本体ケースに作用する回転反力によって本体ケースは回転し転動する。
【0003】
さらに、本体ケース内には、本体ケースの回転角度を検出する角速度センサと、角速度センサからの信号に基づきモータの駆動を制御する制御装置が設けられている。そして、転動ロボットの本体ケースが目標とされる回転角度となるように、制御装置によりモータに供給される電力が制御される。また、転動ロボットは、例えば、本体ケースの辺の部分でバランスを保った状態で倒立する動作等が求められ、目標とされる回転角度に対し、高精度で制御される必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−119315号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように、転動ロボットは内蔵するバッテリの電力により転動する。そのため、連続動作時間を長くするため、および低コスト化のため小型のバッテリを用いるため、転動ロボットは少ない電力で動作されることが望まれる。従って、モータに供給する電力量を低減する必要があり、電力量の低減のためモータの動作により回転される本体ケースの軽量化が求められる。また、転動ロボットの転動動作の応答性を高めるためにも本体ケースの軽量化が求められる。
【0006】
また、転動ロボットは、目標の回転角度となるように高精度で制御される必要がある。そのためには、本体ケースが自重や転動動作により変形しないことが求められ、本体ケースには、ある程度以上の高い剛性が求められる。
【0007】
そこで、この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、軽量かつ剛性が高い本体ケースを備える転動ロボットを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の転動ロボットは、回転軸を有するモータと、前記回転軸に取り付けられた回転部材と、前記モータおよび前記回転部材を内包する略立方形状の本体ケースと、を備える転動ロボットにおいて、前記本体ケースは、金属より環状に形成され、互いに一体的に連結される複数のフレームにより形成されるケースフレームと、樹脂より板状に形成され、前記各フレーム間を覆う複数のプレート部材から形成されるケースカバーと、を備えることを特徴とする。
【0009】
このように、本体ケースの強度を確保するケースフレームを、金属より環状に形成され
、互いに一体的に連結される複数のフレームにより形成されることで、本体ケースの剛性を高めることができる。また、ケースフレームを環状のフレームにより構成し軽量化するとともに、ケースカバーを樹脂より板状に形成される軽量なプレート部材で構成することで、本体ケースの軽量化が図られる。
【0010】
本発明の請求項2に記載の転動ロボットは、請求項1に記載の転動ロボットにおいて、前記ケースフレームは、四辺を有する略正方形状の第1から第6フレームにより形成され、前記第2フレームは前記第1フレームに対し略平行に配置され、前記第3および第4フレームは前記第1フレームに対し略垂直に配置され、前記第5および第6フレームは前記第1および第3フレームに対し略垂直に配置されていることを特徴とする。
【0011】
このように、各フレームを配置することにより、ケースフレームを3次元のいずれの方向からの外力に対し、剛性の高いものとすることができる。
【0012】
本発明の請求項3に記載の転動ロボットは、請求項2に記載の転動ロボットにおいて、前記第1乃至第6フレームの四隅は、それぞれ円弧形状に面取りされていることを特徴とする。
【0013】
このように、四隅が円弧形状に面取りされているフレームによりケースフレームを構成することにより、略立方形状のケースフレームの各面の連結部位は、円弧形状に形成されている。そのため、連結部位において応力が集中的に作用する箇所はなく、応力は分散される。このように、連結部位での応力が分散されることにより、ケースフレームの剛性はさらに高いものになり、本体ケースの剛性は向上する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、本体ケースの強度を確保するケースフレームを、金属より環状に形成され、互いに一体的に連結される複数のフレームにより形成されることで、本体ケースの剛性を高めることができる。また、ケースフレームを環状のフレームにより構成し軽量化するとともに、ケースカバーを樹脂より板状に形成される軽量なプレート部材で構成することで、本体ケースの軽量化が図られる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施の形態における転動ロボットの斜視図である。
【図2】図1にて断面A−Aにて示す本発明の第1の実施の形態の転動ロボットの斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における転動ロボットの制御装置の概略構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態におけるケースフレームの斜視図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態における本体フレームの一部を示す斜視図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態のおける転動ロボットの本体フレームを示す一部展開斜視図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態のおける本体フレームの一部を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0017】
図1は、本発明に係る転動ロボットの外観形状を示す斜視図であり、図2は、図1にて断面A−Aにて示す転動ロボットの内部構造を示す断面図である。
【0018】
この転動ロボット1は、その外殻をなす略立方形状の本体ケース2を有しており、この本体ケース2の内部には、メインモータ(モータ)3と、そのモータ3の回転軸4に回転可能に支持されるフライホイール(回転部材)5と、その回転軸4に略直交する方向に延在し、モータ3を回動自在に支持するモータ支持軸6,7と、メインモータ3をモータ支持軸6,7回りに回動駆動するサブモータ8と、転動ロボット1の姿勢を検出するセンサ9と、メインモータ3及びサブモータ8の動作を制御する制御装置10とを主として備える。すなわち、モータ3およびフライホイール5は、本体ケース2内に内包される。
【0019】
本体ケース2は、略立方形状をなし、各面の連結部位に形成される角部を円弧状に面取りした構成を有している。この本体ケース2の形状は、ここに示すものに限らず、例えば、直方体や、4面体その他の多面体として形成することもできる。ない、本体ケース2の詳細については、後述する。
【0020】
メインモータ3は、その回転軸4に回転力を発生する周知の電動機であり、フライホイール5を高速回転させる一方で、それ自身がモータ支持軸6,7周りに回動可能となっている。
【0021】
モータ支持軸6は、その上端側がロボット本体ケース2に取り付けられた軸受部材27に設けられた軸孔21に挿入されて回転自在に支持されるとともに、下端側がモータ3の本体を覆うカバー22の上部に連結されている。また、モータ支持軸7は、支持軸6と略同軸上に配置され、その下端側がロボット本体ケース2に設けられた支持部材23によって本体ケース2に固定されるとともに、上端側にはギア24が取り付けられている。
【0022】
サブモータ8は、モータ3のカバー22の下部に連結されたギアボックス25に固定されている。このサブモータ8の回転軸に取り付けられたピニオンギア26は、モータ支持軸7のギア24と噛合された状態にあり、サブモータ8は、その回転軸が回転する際にモータ支持軸6,7周りを旋回するように移動する。これにともない、サブモータ8が固定されたモータ3がモータ支持軸6,7周りを回動することになる。このように、サブモータ8をメインモータ3に連結して一体的に回動させる構成とすることで、制御装置10からのメインモータ3及びサブモータ8の双方に対する制御信号の送受や電力供給等が容易となるという利点がある。サブモータ8としては、支持軸7の回動動作の角度を高精度に制御可能なサーボモータ等を用いることができる。
【0023】
なお、別法として、サブモータ8をモータ3ではなくロボット本体ケース2の内面に固定する一方、モータ支持軸7の下端側を本体ケース2に回転可能に支持するとともに、その上端側をモータ3に連結するような構成も可能である。
【0024】
センサ9は、本体ケース2の内面に取り付けられ、図示しない通信線を介して制御装置10と通信可能に接続されている。このセンサ9としては、例えば、前後、左右、上下方向の加速度ベクトルを検出できる3軸加速度センサや、角速度ベクトルを検出できる3軸角速度センサを用いることができる。センサ9の検出結果(重力ベクトルや転動時の加速度や角速度ベクトルの情報)は制御装置10に送られ、制御装置10が制御を行う際の転動ロボット1の姿勢や転動時の回転角度や角速度の情報として利用される。
【0025】
制御装置10は、モータ3に対し、その回転軸4が延出する一端側とは反対の他端側に取り付けられている。この制御装置10は、フライホイール5を加減速させ、転動に必要な回転反力を本体ケース2に作用させる回転モーメントを発生させるように制御を実行することができる。そして、本体ケース2に作用するこの回転反力により本体ケース2は回転し、転動ロボット1は転動動作を行う。
【0026】
この場合、制御装置10は、メインモータ3のケーシングに取り付けられており、モータ3と一体的に回動するが、フライホイール5のように高速回転することはないので、センサ9との間の通信を簡易な構成で実現することができる。例えば、制御装置10とセンサ9との通信を、制御装置10の回動範囲を考慮して長さ及び配置を決定した通信線(有線)により実現することも可能である。
【0027】
なお、別法として転動ロボット1の姿勢を検出するセンサを、制御装置10内に設ける構成(図1のセンサ9’参照)も可能である。このように、センサ9’を制御装置10とともにメインモータ3に取り付けることで、制御装置10とメインモータ3またはサブモータ8との間の制御信号の送受及び電力供給、並びに制御装置10とセンサ9’との間の通信を簡易な構成で実現することができる。
【0028】
図3は、転動ロボットの制御装置の概略構成を示すブロック図である。この制御装置10は、転動ロボットの転動動作を総括的に制御する主コントローラ31と、メインモータ3を駆動するためのメインモータ用ドライバ32と、サブモータ8を駆動するためのサブモータ用ドライバ33とから主として構成される。モータドライバ32,33としては、モータ3,8における速度、トルク、位置決め等の制御が可能な周知のドライバを用いることができる。
【0029】
主コントローラ31は、オペレータ用の操作キー等を有する外部コントローラ41からの指令信号Sを受信するためのアンテナを有しており、この指令信号Sにより指示された転動動作を実行するために、各モータドライバ32,33に対する制御信号を生成する。このとき、主コントローラ31は、センサ9の検出結果を取得することで、転動ロボット1の姿勢や転動時の回転角度や角速度を把握することができる。モータドライバ32,33は、主コントローラ31から受信する制御信号に従ってそれぞれのモータ3,8を駆動し、速度、トルク、位置決め等の制御を行う。
【0030】
なお、主コントローラ31が、外部コントローラ41からの指令信号Sによらずに、予め転動ロボット1内に設けたメモリ等に記憶された制御プログラムに従って各モータドライバ32,33に対する制御信号を生成する構成も可能である。また、制御装置10には、メインモータ3及びサブモータ8に対して電力を供給するためのバッテリが取り付けられている。
【0031】
次に、本体ケース2の詳細について図面に基づき説明する。図1に示されるように、本体ケース2は、金属より形成され、互いに連結される複数のフレーム(52から57)により形成されたケースフレーム51と、樹脂により板状に形成され、各フレーム(52から57)間を覆うプレート部材(62から64)から形成されるケースカバー61とを備えている。なお、本実施の形態では、フレーム(52から57)は、アルミにより形成されており、軽量かつ高強度に形成されている。
【0032】
図4は、ケースフレームの外観形状を示す斜視図である。同図に示すように、ケースフレーム51は、第1から第6フレーム(52から57)により形成されている。
【0033】
各フレーム(52から57)は、それぞれ連結部位である角が円弧状に面取りされた略コの字形状の2つのフレーム部材((52a,52b)(53a,53b)(54a,54b)(55a,55b)(56a,56b)(57a,57b))により形成されている。そして、第1から第4フレーム(52から55)は、それぞれネジSCによる締結により、連結手段としての連結部材((52c,52d)(53c,53d)(54c,54d)(55c,55d))によって一体的に連結されている。
【0034】
そして、上記のように形成される第1から第6フレーム(52から57)は、直線状である四辺を有し、隣接する四辺が互いに直交する位置に配置される略正方形状であり、四隅がそれぞれ略四半分円の円弧形状に形成される。また、第1から第6フレーム(52から57)は、いずれも略同一形状に形成されている。
【0035】
次に、各フレーム(52から57)の配置について以下説明する。第2フレーム53は、第1フレーム52に対し略平行に所定の間隔を隔てて配置され、第3および第4フレーム(54,55)は、第1および第2フレーム(52,53)に対し略垂直に互いに所定の間隔を隔てて配置されている。また、第5および第6フレーム(56,57)は、第1および第2フレーム(52,53)に対し略垂直であるとともに、第3および第4フレーム(54,55)に対しても略垂直に、互いに所定の間隔を隔てて配置されている。
【0036】
上記のようなフレーム(52から57)の配置位置において、各フレーム(52から57)は互いに嵌め込み連結により一体的に連結され、ケースフレーム51は、各フレーム(52から57)により一体的なラーメン構造に形成されている。ラーメン構造は、強度が高い構造であり、一般建造物や橋桁にも用いられており、ケースフレーム51をこのようなラーメン構造とすることにより、ケースフレーム51の剛性は高いものとされている。
【0037】
さらに、略立方形状のケースフレーム51の各面の連結部位は、各フレーム(52から57)の四隅の形状により、円弧形状に形成されている。そのため、連結部位において応力が集中的に作用する箇所はなく、応力は分散される。このように、連結部位での応力が分散されることにより、ケースフレーム51の剛性はさらに高いものになっている。
【0038】
また、図2に示すように、転動ロボット1においては、本体ケース2内にモータ3およびフライホイール5等を内包配置する必要があるため、転動ロボット1の組み立て時において、本体ケース2のケースフレーム51は、分割可能であることが求められる。その点に関し、前述のように、第1から第4フレーム(52から55)は、連結部材((52c,52d)(53c,53d)(54c,54d)(55c,55d))によって連結される構成となっている。そのため、連結部材((52c,52d)(53c,53d)(54c,54d)(55c,55d))と各フレーム部材((52a,52b)(53a,53b)(54a,54b)(55a,55b))との連結を解除することにより、ケースフレーム51を分割することが可能となる。
【0039】
次に、本体ケース2に備わるケースカバー61の詳細について図1および図5に基づき説明する。なお、図5は、本体ケースの一部を示す斜視図である。
【0040】
図1および図5に示すように、ケースカバー61は、6つのフラットプレート部材62と、8つのアーチプレート部材63と、同じく8つのドームプレート部材64とを備え、各プレート部材(62,63,64)は、それぞれ各フレーム(52,53,54,55,56,57)間に挿入固定され、各フレーム(52,53,54,55,56,57)間を覆う。各プレート部材(62,63,64)は、軽量な樹脂により薄板状に形成されており、本体ケース2の軽量化が図られている。
【0041】
フラットプレート部材62は、正方平面形状に形成されており、ケースフレーム51において、図5に示すように、例えば、正方平面S1を形成する第1から第4フレーム(52から55)間に挿入固定され、第1から第4フレーム(52から55)間を覆う。ケースフレーム51には、上記のような正方平面が6つ形成されており、6つのフラットプレート部材62により、これらの正方平面が覆われる。
【0042】
アーチプレート部材63は、方形曲面形状に形成されており、ケースフレーム51において、図5に示すように、例えば、正方曲面S2を形成する第1から第3フレーム(52から54)および第5フレーム56間に挿入固定され、第1から第3フレーム(52から54)および第5フレーム56間を覆う。ケースフレーム51には、上記のような方形曲面が8つ形成されており、8つのアーチプレート部材63により、これらの方形曲面が覆われる。
【0043】
ドームプレート部材64は、山型形状に形成されており、ケースフレーム51において、図5に示すように、例えば、三角曲面S3を形成する第2、第3および第5フレーム(53,54,56)間に挿入固定され、第2、第3および第5フレーム(53,54,56)間を覆う。ケースフレーム51には、上記のような三角曲面が8つ形成されており、8つのドームプレート部材64により、これらの三角曲面が覆われる。
【0044】
なお、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述の実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
【0045】
次に、本発明の第2の実施の形態における転動ロボット100について、図6に基づいて説明する。第2の実施の形態における転動ロボット100は、第1の実施の形態における転動ロボット1に対して、本体ケースに備わるフラットプレート部材のうち、一部のフラットプレート部材の形状のみ異なる。そして、第2の実施の形態における転動ロボット100において、上記のフラットプレート部材以外の他の部品の形状等は、第1の実施の形態における転動ロボット1と同一である。従って、以下、上記のフラットプレート部材等についてのみ説明し、その他の部品については、第1の実施形態における転動ロボット1と同一の符号を付し、説明を一部省略する。
【0046】
転動ロボット100は、その外殻をなす略立方形状の本体ケース20を有している。本体ケース20は、ケースフレーム51と、樹脂により板状に形成され、各フレーム(52から57)間を覆うプレート部材(62から64,162)から形成されるケースカバー61とを備えている。
【0047】
そして、プレート部材(62から64,162)において、アーチプレート部材63は、その両端に一体形成されている鉤状の係止部63aを有している。また、フラットプレート部材(62,162)において、連結部材(52c,52d,53c,53d,54c,54d,55c,55d)に当接するフラットプレート部材162は、アーチプレート部材63と同様にその両端に一体形成されている係止部162aを有している。
【0048】
次に、図7に基づき、フラットプレート部材162およびアーチプレート部材63のケースフレーム51への取り付けについて説明する。まず、フラットプレート部材162が、その両端に一体形成されている係止部162aをケースフレーム51に対し本体ケース20の内側から当接する位置に配置するように設置される。そして、その後、アーチプレート部材63が、その両端に一体形成されている係止部63aをフラットプレート部材162の係止部162aに対し本体ケース20の内側から当接する位置に配置するように設置される。なお、アーチプレート部材63は弾性を有する樹脂により形成されているため、アーチ状の円弧をクリップ状に変形させることが可能である。そのため、アーチプレート部材63をクリップ状に変形させることにより、アーチプレート部材63を上記の位置に配置させることが可能である。
【0049】
上記のように、フラットプレート部材162およびアーチプレート部材63をケースフレーム51へ取り付けることにより、フラットプレート部材162は、ケースフレーム5
1およびアーチプレート部材63の係止部63aにより、フラットプレート部材162の係止部162aが狭持され、ケースフレーム51に対し固定される。また、アーチプレート部材63は、鉤状の係止部63aの側壁がケースフレーム51に当接し、ケースフレーム51に固定される。
【0050】
また、上記のように、アーチプレート部材63は、アーチ状の円弧をクリップ状に変形させることが可能である。そのため、アーチプレート部材63をクリップ状に変形させることにより、アーチプレート部材63をケースフレーム51から取り外すとともに、アーチプレート部材63をケースフレーム51から取り外した後に、フラットプレート部材162をケースフレーム51から取り外すことが可能である。
【0051】
以上に示されるように、アーチプレート部材63およびフラットプレート部材162をケースフレーム51から着脱することが可能であるため、転動ロボット100に備わるバッテリBTの充電などのメンテナンスを外部から行うことが可能である。
【0052】
なお、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述の実施形態に種々の変更を加えたものを含む。従って、アーチプレート部材63は、樹脂より形成されていなくてよく、弾性を有する金属材料であってよい。
【符号の説明】
【0053】
1 転動ロボット
2 本体ケース
3 メインモータ(モータ)
4 回転軸
5 フライホイール
6、7 モータ支持軸
8 サブモータ
9 センサ
10 制御装置
21 軸孔
22 カバー
23 支持部材
24 ギヤ
25 ギヤボックス
26 ピニオンギヤ
27 軸受部材
31 主コントローラ
32 メインモータ用ドライバ
33 サブモータ用ドライバ
41 外部コントローラ
S 指令信号
42 アンテナ
BT バッテリ
51 ケースフレーム
52 第1フレーム
52a フレーム部材
52b フレーム部材
52c、52d、53c、53d、54c、54d、55c、55d 連結部材(連結手段)
53 第2フレーム
53a、53b、54a、54b、55a、55b、56a、56b、57a、57b
フレーム部材
54 第3フレーム
55 第4フレーム
56 第5フレーム
57 第6フレーム
61 ケースカバー
62 フラットプレート部材
63 アーチプレート部材
63a 係止部
64 ドームプレート部材
SC ネジ
162 フラットプレート部材
162a 係止部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸を有するモータと、前記回転軸に取り付られた回転部材と、前記モータおよび前記回転部材を内包する略立方形状の本体ケースと、を備える転動ロボットにおいて、
前記本体ケースは、金属より環状に形成され、互いに一体的に連結される複数のフレームにより形成されるケースフレームと、樹脂より板状に形成され、前記各フレーム間を覆う複数のプレート部材から形成されるケースカバーと、を備えることを特徴とする転動ロボット。
【請求項2】
前記ケースフレームは、四辺を有する略正方形状の第1から第6フレームにより形成され、前記第2フレームは前記第1フレームに対し略平行に配置され、前記第3および第4フレームは前記第1フレームに対し略垂直に配置され、前記第5および第6フレームは前記第1および第3フレームに対し略垂直に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の転動ロボット。
【請求項3】
前記第1乃至第6フレームの四隅は、それぞれ円弧形状に面取りされていることを特徴とする請求項2に記載の転動ロボット。
【請求項4】
前記プレート部材は、前記ケースフレームにおいて正方平面を形成する各フレーム間を覆う正方平面形状のフラットプレート部材と、前記ケースフレームにおいて方形曲面を形成する前記各フレーム間を覆う方形曲面形状のアーチプレート部材と、前記ケースフレームにおいて三角曲面を形成する各フレーム間を覆う山型形状のドームプレート部材とを備えることを特徴とする請求項3に記載の転動ロボット。
【請求項5】
前記第1から第4フレームは、それぞれ2つの略コの字形状のフレーム部材と、前記2つのフレーム部材を一体的に連結する連結手段とを有し、
前記ケースフレームは、前記連結手段により分割可能であることを特徴とする請求項2に記載の転動ロボット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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