説明

軸方向復帰ばねを有する流体循環弁

【課題】回転軸を軸方向に固定し、動作信頼性を確実にする。
【解決手段】弁1は、−流体用の貫通チャネル3を有する本体2と、−本体の通路10に取り付けられている、チャネル用のシールを有する回転制御軸4と、−この通路の中の、本体と回転制御軸との間に設けられている軸受6、7と、−本体における軸を軸方向に固定する手段とを備えている。軸の軸方向の固定は、回転制御軸4と一緒に回転するように取り付けられ、1つの軸受6の方を向いており、その横面に接触する外面20を有する、少なくとも1つの円筒状リング15によって行われている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガソリン車やディーゼル車等の車両の内燃機関に設けられるようになっている流体循環弁に関する。
【背景技術】
【0002】
より具体的には、本発明の主題である弁は、排出ガスの一部を、吸入ラインに向け直すことによって窒素酸化物(NOx)を処理するために、ディーゼルエンジンの排出ラインに設けることができ、一般に「EGR弁」と呼ばれているが、用途は、これだけに限られない。例えば、この弁は、エンジン吸入ラインへの空気の取り込み量を量り分けるために、その吸入ラインの上流部に設けられてもよい。エンジンまたは他の流体(気体または液体)の循環装置において、この弁を使用することも、本発明の範囲内において可能である。
【0003】
流体の流量を調節することができる公知の弁は、
−流体用の貫通チャネルを有する本体と、
−チャネルのシーリングフラップを駆動する回転制御軸であって、チャネルとつながっている本体の通路に取り付けられており、かつ本体とこの軸との間に設けられている復帰ばねの作用を受ける回転制御軸と、
−通路の中の、本体と回転制御軸との間に設けられている低摩擦材料製の軸受と、
−本体内における回転制御軸の軸方向固定手段とを備えている。
【0004】
従って、軸を回転制御することにより、フラップに与える角度位置に応じて、弁のチャネルを循環する流体の流量を調節することができ、EGR弁の場合には、現在のエンジン速度に応じて、排出ガスの一部をエンジン吸入ラインに向け直すために、排出ガスの一部を取り出すことができる。弁の電気的故障の場合に、復帰ばねにより弁(チャネルを密閉する軸のフラップ)を優先的に閉鎖することができる。
【0005】
一般に、制御回転軸は、軸受の仕組みに応じて、本体および軸に設けられている溝に挿入されているU字形座金によって、または本体における収容孔に収容され、かつ軸を支持する玉軸受を焼嵌めすることによって、軸方向に固定されている。
【0006】
しかし、この軸方向の固定手段は、特に、EGR弁などのようにフラップが非常に頻繁に使用される弁においては、問題がある。
【0007】
さらに、ばねによって軸に加えられる軸方向の力、およびエンジン速度での弁の繰り返し、かつ継続的な動作の結果として、絶えず用いていると、対応する溝内において、U字座金と軸との間、従って、軸の回転中の座金との摩擦点で、摩耗が起こり、折悪しくフラップを固定させたり、フラップとチャネルとの望ましくない接触を起こして、軸方向の間隙を生じたりすることがある。
【0008】
さらに、玉軸受による解決手段では、複雑な取り付け工具を必要とし、多大な費用がかかる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、上記の欠点を克服することであり、復帰ばねが存在しているときでも、軸方向に固定するデザインにより、弁の動作信頼性を確実にするようになっている流体循環弁を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
このために、前述した、例えばEGR弁などの流体循環弁において、本発明においては、軸の軸方向の固定を、軸と一緒に回転するようにして、軸に取り付けられ、一方の軸受の方を向いており、かつその横面に接触する外面を有する、少なくとも1つの円筒リングによって行うことを特徴としている。
【0011】
従って、本発明によると、このリングは、対応する軸受に接触することによって、軸のための軸方向当接部としての機能を、直接に果たしている。また、弁の製造生産は、従来の座金の受容溝(従って、摩耗を発生させる鋭い縁および摩擦点を有する)を省くことによって、または玉軸受および関連取り付け工具を除くことによって、簡単になっており、かつ弁の信頼性を高め、製造費用を下げることができる。さらに、本発明によると、弁の回転軸を軸方向に固定することができ、摩擦およびその結果生じる摩耗を低下させることができる。
【0012】
このような成果は、本体と軸との間に設けられている復帰ばねの作用を、軸が受けているときに、好ましく達成することができる。この場合、リングは、軸がばねから受ける軸の復帰の方向にある軸受の側面に接触する。
【0013】
リングは、軸受の方を向いている外面の範囲を定め、かつ軸受の横面に接触する半径方向のフランジを有することが好ましい。この場合、外側半径方向フランジは、ばねの軸方向力を、この接触面の全体に分散させて、摩耗を減らすように、軸受の横面との接触面を大きく提供することができる。軸受は、低摩擦材料からなっており、復帰ばねによる作用を受けた場合でさえ、回転軸の反復動作中の摩耗は、減少するか、またはほとんど存在しない。従って、摩擦および軸方向間隙は、発生しない。
【0014】
一実施形態においては、リングのフランジは、ばねの作用により、軸受の横面の端部にある対応するフランジに直接押し付けられる。従って、ばねの軸方向の力を好適に分散して、摩耗を減らすのに役立つ、大きな接触面が得られる。
【0015】
座金を、ばねの作用とは反対の軸方向に軸を固定するために、軸と本体との間に、他方の軸受に向かい合うように設けてもよい。この座金は、特に軸を取り付けるために使用されており、ばねの継続的な力が反対方向に作用するため、この座金は、弁の動作中に、ほとんど働くことはなく、従って、1枚の座金で十分である。
【0016】
別の実施形態においては、リングのフランジは、軸受の対応する側面に設けられている皿穴と係合している。
【0017】
例えば、回転軸に堅く連結されているリングの周りに、通路に収容されている軸受が取り付けられている。リングは、半径方向フランジを有し、この半径方向フランジは、軸受の皿穴の中に、動作間隙を設けて受容されており、ばねの作用方向では、皿穴の底面に軸方向に当接し、またその反対方向においては、通路の境界を画定する本体の部分に軸方向に当接している。この実施形態では、リングのフランジ自体が、皿穴の底面と本体との間に保持されており、両方向における軸方向当接部として役立っているので、従来の座金がなくても、うまく機能する。
【0018】
また別の実施形態においては、リングのフランジは、弁の本体に設けられている皿穴に係合している。
【0019】
例えば、この場合、軸受は、リングに向かい合って、軸に取り付けられるのに対して、フランジは、ばねの作用の方向において軸受に当接することができ、または反対方向において、本体の皿穴の底面に当接することができるように、通路の境界を確定している本体の一部に設けられているリング受容通路孔の皿穴に、軸方向の動作間隙をもって係合している。
【0020】
リングは、焼嵌め、溶接などによって、軸と一緒に回転するようになっているのが好ましく、軸受は、本体の通路に、焼嵌めなどの強制嵌め込みによって取り付けるのが好ましい。
【0021】
摩擦をさらに少なくするために、リングは、軸受の材料と適合する材料から作られている。一例として、軸受は、ステンレス鋼、または銅ニッケル合金、または青銅型銅合金からなっている。
【0022】
軸受は、直線であってもよい、すなわち丸い支持部がなくてもよい。
【0023】
各軸受は、複写成形以外の手段で作ることができる。
【0024】
各軸受は、本体に収容することができる。すなわち、各軸受は、本体の外郭を超えて外側に突き出でない。本体を、一体物とすることができる。
【0025】
係止リングとばねを、互いに接触しないようにすることができる。このばねは、例えば、リング位置から遠い軸端部に配置されている。
【0026】
座金は、軸をどちらの方向にも停止させることができるような形状とすることができる。
【0027】
弁は、例えばEGR弁、または測定用のものであってもよい。
【0028】
添付図は、本発明をどのように形成することができるかを、明瞭に示している。各図において、同様の要素には、同じ符号を付してある。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の第1の実施形態による弁の回転制御軸の軸方向固定手段を備え、かつ復帰ばねを有する流体循環弁の第1の実施形態の一部の断面図である。
【図2】本発明の第2の実施形態による弁の回転制御軸の軸方向固定手段を示す断面図である。
【図3】本発明の第3の実施形態による弁の回転制御軸の軸方向固定手段を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1に示す流体循環弁1は、例えば、上述したエンジンの排出ガスを再循環するための弁であるが、本発明は、このタイプの弁に限定されず、復帰ばねの作用を受ける、シール(フラップ)用の回転駆動軸を有する弁に関する。
【0031】
弁1のボディ2の内部には、長手方向のチャネル3が設けられており、かつ連結手段を用いて、エンジンの排出ラインの分岐導管に取り付けられるようになっており、分岐導管の中を循環する排出ガスの一部をチャネルの中を通過させ、吸入ラインに向け直して、エンジンで再燃焼させるようになっている。連結部、排出ライン、および吸入ラインは、公知であり、かつ本発明の一部ではないので図示していない。
【0032】
通常鋳物からなる弁1のボディ2には、主に、チャネル3用のフラップシール5に堅く連結されている制御軸4と、その軸線Aを中心として制御軸4を回転させるための2つの軸受6、7と、軸に軸線方向の力を加える復帰ばね8と、制御軸4の軸方向固定手段が設けられている。
【0033】
詳しく述べると、長手方向のチャネル3と直交し、かつチャネルの中心を通る、2つの径方向に並ぶ孔9A、9Bが、ボディ2に設けられて、円形断面の通路10が形成され、各孔9A、9Bには、それぞれ筒状軸受7、6が嵌合され。これらの軸受は、環状断面を有する円筒体であり、この例では、ボディ2に対して、回転および往復運動をしないように、孔9A、9Bにプレス嵌めして取り付けられている。これらの筒状軸受6、7は、耐用期間を長くする適切な自己潤滑特性および防錆特性を有する材料から作られている。例えば、銅とニッケルもしくは錫との合金からなっていてもよいし、また、ステンレス鋼からなっていてもよい。
【0034】
これら2つの軸受6、7に、制御軸4が嵌合されている。従って、制御軸4は、軸線Aの周りを自由に旋回することができる。図1の下部に示す軸端部11は、下方の対応する軸受6に嵌合されているのに対し、上部に示す他方の軸端部12は、上方の軸受7を貫通して、弁1のボディ2の外側へ突出し、回転制御軸4の制御ユニットに連結されている。この制御ユニットは、それ自体が公知のタイプのものであるので、図1に示していない。
【0035】
制御軸4に、固定部材14を用いて、溶接などにより、フラップシール5が回転可能に連結されている。これにより、フラップシール5は、両端の位置の間を、軸とともに回転することができる。両端の位置の一方は、完全に開口しており(図1に示すように、フラップの面は、ガスの循環方向を向いている)、排出ガスの一部が、向きを変更されて通過できるようになっており、両端の位置の他方は、チャネル3の側壁を閉じている。オプションとして、図示していないシーリング(フラップシールの面が、図1のガスの循環方向と直交している)によって、チャネル3の側壁を閉じることもある。
【0036】
本発明による制御軸4の軸方向の固定は、図1に示す第1の実施形態においては、軸に直接取り付けられており、かつ復帰ばね8の作用(矢印F)により、筒状軸受6に接触する接触面20を有する外径方向フランジ16を備えている円筒リング15によって行われる。同様に、制御軸4の軸方向の固定は、制御軸4に係止されており、かつ他方の筒状軸受7の側にある座金17によって、ばねの作用の反対方向に得られる。これについては、後で説明する。
【0037】
円筒リング15は、焼嵌めによって制御軸4の端部11に堅く連結されており、これにより、選択した位置において、円筒リング15を、軸に対して、回転および並進することができないようになっている。このような連結を行うために、他の任意の手段を採用しても良いことは言うまでもない。円筒リング15の一末端部にある外径方向フランジ16は、簡単な筒状軸受6の末端部にある外径方向フランジ18に直接押し付けられるようになっている。この筒状軸受6は、通孔9Aに嵌合され、軸の端部11を支持している。従って、円筒リング15は、復帰ばね8が軸線Aに沿って加える軸方向力Fに対する、制御軸4のための軸方向当接部としての役割を有し、円筒リング15と筒状軸受6との接触は、各外径方向フランジ16、18の外側接触面20、21によって、大きい接触面積をもって直接行われることとなる。
【0038】
このようにして、復帰ばねが発生する軸方向力は、この大きな接触面積全体に分散され、弁の耐用期間中、ばねが継続的に作用して、接触がそこで行われ、所望の要件を充たすこととなる。さらに、軸受6は、低摩擦材料で作られ、またリング15は、軸受に適合する材料、または軸受と同じ材料で作られているので、ほとんど摩耗することはない。
【0039】
復帰ばね8に関しては、図1から分かるように、弁1の制御軸4の端部12は、座金17を超えて延びており、本体の外側肩22と、軸の周りに配置され、軸に連結されている蓋23との間に設けられ、かつ筒状軸受7を支持する本体2の周りに配置されている。従って、復帰ばね8は、回転軸4を通路10から押し出す方向Fに、本体の回転軸4に対して作用しており、電気的故障の際に、弁をシールして、安全を図るために使用されていることが分かると思う。従って、軸受6と直接接触する径方向フランジ16を有する円筒リング15により、弁の機能不良につながる上記の摩擦と摩耗の問題は、回避されている。
【0040】
軸線Aに沿う方向Fの反対方向における軸方向当接部としての機能を果たす座金17は、U字状であって、軸の端部12の周辺溝25内に取り付けられており、軸端部の、軸受7から少し離れた、通孔9Bの拡大部26で使用されている。
【0041】
従って、U字状座金17は、この方向における回転軸4を軸方向に停止させるために、本体2とだけ接触している。軸受7は、直径が一定の筒状をなし、かつ弁1の制御ユニットの方を向いている。このU字状座金17は、特にFとは反対方向における取り付け軸方向当接部としての役割を果たすので、方向Fにおける軸方向当接部としての役割を果たすリング15とは異なり、弁の動作中にばね8の作用を受けない、従って、少しも摩耗しない。既に述べたように、このリングは、ばねの継続的な作用を受けており、このリングを機械加工することなしに、回転軸4に取り付けることにより、および低摩擦軸受と直接接触する大きい接触面20を有する外径方向フランジ16により、弁の動作中に、軸のフラップの回転を係持し、かつ摩擦と摩耗の問題をなくす。
【0042】
さらに、リング15と軸受6との間の軸方向動作間隙は、リングの軸への焼嵌め中に、取り付け工具を用いて調節される。弁1の動作中、この動作間隙Jは、軸受の中で摺動する回転軸4を軸方向に引張っているばね8の作用によってなくなり、次いで、リング15(回転軸4の端部11の横面と同一面)と、通路10をシールする栓28の形状の本体の部分27との間に現れる。
【0043】
図2に示す第2の実施形態においては、外径方向フランジ16を有する円筒リング15は、前と同様に、回転軸4に堅く連結されているが、例えば前の図から類推しうると軸受6は、リング15に取り付けられている。従って、リングは、軸を軸方向に固定する機能と、軸を案内する機能とを有している。筒状軸受6は、本体2に対して動かないように、通路10の通孔9Aに焼嵌めされており、回転軸4に堅く固定されている円筒リング15は、筒状軸受6に対して、摺動および枢動することができるように、筒状軸受6に滑り嵌合手段によって取り付けられている。
【0044】
外径方向フランジ16は、軸受の端面31に設けられており、軸受に対するフランジ18としての役割を果たす皿穴30に受容されている。皿穴の深さPは、フランジ16の厚さEより大きく、その差により、軸方向間隙Jが形成されている。端面31は、通路10を終端するために、この場合は本体の端面27に押し付けられている。回転軸4がばね8の作用を受けていない時は、円筒リング15のフランジ16を、この端面27に押し付けることができる。しかし、制御軸が、弁1の動作により、矢印Fで示すばねの作用を受けている時、リングのフランジは、図2に示すように、その外側接触面20は、皿穴30の底面32に接触している(この底面32は、図1の軸受の外側接触面21に相当している)。軸方向間隙Jは、この場合、フランジと本体の端面との間に存在する。
【0045】
皿穴の底面32および本体の端面27は、外径方向フランジ16を有するリング15に対する動作用軸方向当接部としての役割を果たし、その結果、回転軸4に対して、前の実施形態における座金17の必要性がなくなっていることが分かると思う。もちろん、円筒リング15および外径方向フランジ16は、上記と同じ機能および利点を提供する。すなわち、大きい接触面積または接触面の全体にばねの力を分散し、弁の動作時の軸のフラップの回転中に、低摩擦自己潤滑軸受との直接接触により、摩耗は、少ないか、またはほとんどない。
【0046】
図3に示す第3の実施形態は、第2の実施形態に近いデザインを有するが、リング15の外径方向フランジ16は、軸受の皿穴内ではなく、本体の端面27に設けられている段状の皿穴34内に収容されている。この皿穴34は、回転軸4の下端部11を取り囲む本体の通路孔35の終端にあり、リング15を受容している。このリング15は、図2と位置が逆になっており、そのフランジ16は、弁が図3に示すように動作する時、矢印Fで示すばね8の作用により、軸受6(軸受7でもよい)の側面31(図1の外側接触面21に対応している)に対して、フランジの接触面20が軸方向に当接している。あるいは、フランジは、例えば取り付け中などに、皿穴34の底面36に当接する。皿穴の深さPと、フランジ16の厚さEとの幾何学的条件、およびその結果としての間隙J(PとEの差)は、図2の実施形態と同じである。
【0047】
しかし、リング15が、軸を案内する追加の機能をもはや提供しないものの、その主な機能である、この場合は軸線Aに対して両方向に軸を軸方向に固定する機能を提供するように、筒状軸受6は、第1の実施形態(図1)と同様に、回転軸4の周りに取り付けられている。リングは、図2の実施形態に比べて、軸方向の長さが小となっている。
【0048】
代替形態として、軸が矢印Fの方向、およびその反対方向の両方に、強い作用を受ける場合には、第2の円筒状リング15を、他方の筒状軸受7に接触するように設けてもよい。
【0049】
上記した種々の実施形態で述べた弁の動作信頼性は、シールを有し、復帰ばねの作用によって、軸受と直接に接触するフランジを有する円筒状リングを、回転軸に取り付けることによって、確かなものになる。
【符号の説明】
【0050】
1 流体循環弁
2 ボディ
3 チャネル
4 制御軸
5 フラップシール
6、7 筒状軸受
8 復帰ばね
9A、9B 通孔
10 (円形端面の)通路
11、12 端部
14 固定部材
15 円筒状リング
16 外径方向フランジ
17 座金
18 外径方向フランジ
20、21 外側接触面
22 外側肩
23 蓋
25 周辺溝
26 拡大部
27(本体の)端面
28 栓
30 皿穴
31 端面
32 皿穴の底面
34 皿穴
35 通路孔
36 底面
A 軸線
E フランジの厚さ
F 軸方向力
J 間隙
P 皿穴の深さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体循環弁であって、
−流体用のチャネル(3)を有するボディ(2)と、
−前記チャネルとつながっている、前記ボディの通路(10)に取り付けられている、前記チャネル用のシールを有する回転制御軸(4)と、
−前記通路の中の、前記本体と前記回転制御軸との間に設けられている軸受(6、7)と、
−前記軸(4)の軸方向の固定を、前記軸と一緒に回転するように取り付けられ、前記軸受(6、7)の一方の方を向いており、その側面と接触する外面(20)を有する、少なくとも1つの円筒状リング(15)によって行うようになっている、前記ボディにおける前記軸の軸方向固定手段と、
−前記ボディ(2)と前記制御軸(4)との間に設けられ、前記制御軸(4)に復帰力を加え、前記円筒状リング(15)には接触しない復帰ばね(8)とを備えていることを特徴とする弁。
【請求項2】
前記円筒状リング(15)は、前記制御軸(4)が、前記復帰ばね(8)の力を受ける軸方向である、前記軸受の側面に接触するようになっていることを特徴とする請求項1に記載の弁。
【請求項3】
前記リング(15)は、前記軸受の方を向いており、その側面に接触する前記卒塔婆輪接触面(20)の範囲を定める外径方向フランジ(16)を有することを特徴とする請求項2に記載の弁。
【請求項4】
前記リング(15)の外径方向フランジ(16)は、前記ばね(8)の作用により、前記軸受(6)の側面の端部にある外径方向フランジ(18)に、直接押し付けられるようになっていることを特徴とする請求項2または3に記載の弁。
【請求項5】
前記リング(15)の外径方向フランジ(16)は、前記対応する軸受に設けられている皿穴(30)に係合するようになっていることを特徴とする請求項2または3に記載の弁。
【請求項6】
前記通路に収容されている軸受(6)は、前記回転軸に堅く連結されている前記リング(15)の周りに取り付けられており、前記リングの半径方向フランジ(16)は、前記軸受の皿穴(30)に動作間隙を有して受容され、前記ばねの作用方向において、前記皿穴の底面に、または反対方向において、通路の境界を画定する前記本体の部分に、軸方向に当接するようになっていることを特徴とする請求項5に記載の弁。
【請求項7】
前記リング(15)のフランジ(16)は、前記本体に設けられている皿穴(34)に係合するようになっていることを特徴とする請求項2または3に記載の弁。
【請求項8】
前記軸受(6)は、前記リング(15)と向かい合って、前記軸(4)に取り付けられているのに対して、前記フランジ(16)は、このフランジが、前記ばねの作用方向において、前記軸受(6)に、またはその反対方向において、前記本体の皿穴(34)の底面に当接することができるように、前記通路(10)の境界を画定する前記本体(2)の部分に設けられている、リング(15)受容通路孔(35)の前記皿穴(34)に、軸方向動作間隙を有して係合するようになっていることを特徴とする請求項7に記載の弁。
【請求項9】
各軸受(6、7)は、前記本体(2)の外形を超えて突き出ていないことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の弁。
【請求項10】
前記リング(15)は、焼嵌め、溶接などにより、前記制御軸(4)と一緒に回転するようになっていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の弁。
【請求項11】
前記軸受(6、7)は、前記本体の通路(10)に、嵌め込みによって取り付けられていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の弁。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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