説明

軸構造

【課題】撓みを抑制する軸構造を提供する。
【解決手段】動力伝達要素に用いられる軸構造において、前記軸構造は、中空状に形成されたシャフト部材10と、そのシャフト部材10の中空状の内部に嵌入され、前記シャフト部材10よりも相対的にヤング率の大きな物質により構成された中央部部材11,14とからなることによる。又は、動力伝達要素に用いられる軸構造において、中空状に形成されたシャフト部材13と、そのシャフト部材13の中空状の内部に充填され、電磁気的雰囲気の変化に応じて剛性が変化する中央部部材14とからなることによる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、動力伝達装置の一般的な細部に関し、特に動力伝達系の軸構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両の動力伝達装置には、歯車やベルトなどの動力伝達要素が備えられており、それらの動力伝達要素には、中心部を軸心として回転する回転軸が備えられる。このような動力伝達要素を備えた回転軸が、同軸状や平行状すなわち一つの軸からそれとある軸間距離だけ離して他の軸が設けられて配置される。このような動力伝達要素を備えた回転軸は、その動力伝達要素が他の動力伝達要素からのラジアル方向の荷重を受けるために、その内部に応力が作用して撓み変形が起こる。このような回転軸や歯車などの動力伝達要素の撓みは、動力伝達装置の性能に影響を与える。また、動力伝達装置には、様々な機能を有する機械要素が用いられており、一般にこれらの撓み変形も動力伝達装置の性能に影響を与える。
【0003】
特許文献1には、相対向する第1及び第2固定壁間に軸方向に移動可能に軸支される、歯車伝動装置の一部の歯車と第2固定壁との間に,歯車を第1固定壁側に弾発するウェーブワッシャを介装した、歯車伝動装置の防振構造が記載されている。この歯車伝動装置の防振構造は、ウェーブワッシャを囲繞する円筒部を歯車及び第2固定壁の相対向する一方の端面に突設し,この円筒部が他方の端面に当接することでウェーブワッシャの撓み量の一定値以上の増加を規制するように構成されている。これにより、ウェーブワッシャが常に正常な緩衝機能を発揮し得る。
【0004】
また、特許文献2に記載の平行軸型の円すい歯車装置は、第1の回転軸に円すい小歯車が取り付けられ、この第1の回転軸に第2の回転軸が平行に配置される。第2の回転軸に、円すい小歯車に噛み合う円すい大歯車が取り付けられる。小歯車と大歯車とは円すい角がほぼ等しく、第1の回転軸を軸方向に移動可能に支持手段により支持される。第1の回転軸の軸方向に推力が付勢手段により付勢される。第1の回転軸の軸端部に付勢手段により付勢された推力を支持し第1の回転軸の径方向の変位を許容する荷重支持体が設けられる。これにより、歯車装置において調整が容易となり、バックラッシが低減される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−100857号公報
【特許文献2】特開2006−118623号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のとおり、回転軸や歯車などの動力伝達要素の撓みは、動力伝達装置の性能に影響を与える。例えば、はす歯歯車の噛合い損失は歯車系のミスアライメントすなわち噛合い不具合により悪化する。このような、噛合い損失は、歯車の回転軸の撓みによっても発生する。そのため、回転軸の撓みを抑制すれば、歯車の噛合い損失は抑制もしくは低減される。
【0007】
特許文献1に記載の構造では、座金やベアリングなどの支持構造による構成であることから、回転軸部分の振動等による動きを規制することが可能であるが、歯車同士の分離力による回転軸自体の撓みを減少させることはできない。また、特許文献2に記載された装置では、円錐歯車の軸方向に発生する推力に対し、荷重支持体が設置される位置が調整されることから、歯車にかかる荷重を分散させて歯面に発生する反力を抑制させて歯車の損失を防止する。しかしながら、荷重支持体を設けることやこれを収容するように歯車箱を加工する工程など装置が複雑となる。このように動力伝達装置に設けられる軸の撓みの抑制に関しては、軸構造の簡素化やエネルギ効率の向上を図る点では未だ改善の余地がある。
【0008】
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、軸の構成によってその撓みを抑制する軸構造を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、動力伝達要素に用いられる軸構造において、中空状に形成されたシャフト部材と、そのシャフト部材の中空状の内部に嵌入され、前記シャフト部材よりも相対的にヤング率の大きな物質により構成された中央部部材とからなることを特徴とするものである。
【0010】
請求項2の発明は、動力伝達要素に用いられる軸構造において、中空状に形成されたシャフト部材と、そのシャフト部材の中空状の内部に充填され、電磁気的雰囲気の変化に応じて剛性が変化する中央部部材とからなることを特徴とするものである。
【0011】
請求項3の発明は、前記シャフト部材には、歯車が固定されていることを特徴とする請求項1に記載の軸構造である。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明によれば、動力伝達要素に用いられる軸構造において、中空状に形成されたシャフト部材と、そのシャフト部材の中空状の内部に嵌入され、前記シャフト部材よりも相対的にヤング率の大きな物質により構成された中央部部材とからなることから、シャフト部材の撓みを抑制できる。
【0013】
また、請求項2の発明によれば、動力伝達要素に用いられる軸構造において、中空状に形成されたシャフト部材と、そのシャフト部材の中空状の内部に充填され、電磁気的雰囲気の変化に応じて剛性が変化する中央部部材とからなることから、シャフト部材の撓みを抑制できるとともに、シャフト部材の折損を抑制できる。また、電磁気的雰囲気の変化に応じて剛性が変化するため、例えば駆動力源の駆動力に併せてシャフト部材の剛性を変化させることができる。
【0014】
さらに、請求項3の発明によれば、前記シャフト部材に歯車が固定されていることから、例えば、互いに対抗して噛み合わされた二つの歯車がこのシャフト部材に固定された構成において、この二つの軸で動力伝達される場合、歯車同士が噛み合わされていることによるラジアル荷重に対して、シャフト部材の撓みを抑制できるため、歯車同士の噛合い損失を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】この発明に係る軸構造の一例を表す模式図である。
【図2】この発明に係る軸構造の他の例を表す模式図である。
【図3】この発明に係る軸構造の他の例における制御フローチャートである。
【図4】この発明の軸構造を適用できるはす歯歯車の歯車系を表す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
つぎに、この発明をより具体的に説明する。この発明は一般的な機械要素として用いられるシャフト(軸、回転軸)の撓みを抑制するような構造に関するものである。また、一般に車両などの動力伝達経路では、シャフトに歯車、ベルト、チェーンなどという回転要素が固定されて用いられる。シャフトは、両端などを軸受に支持されて回転し、この回転力によって撓みが生じる。この撓みは、シャフトに備えられた前述の歯車などの回転要素から作用する力によっても発生する。このような要因から発生する撓みによりシャフトに曲げモーメントが作用する場合、シャフトに生ずる曲げ応力が軸材料の許容応力値以下であっても、撓みがある程度以上に大きくなると、軸受の片当たりを生じたり歯車の噛み合い性能を劣化して、機械の性能を低下する。また、シャフトは曲げやねじりに対する一種のばねであるから、このような軸の固有振動数が、シャフトに作用する曲げモーメントあるいはトルクの変動周期と合致した場合、シャフトは共振を起こしてしまう場合などもある。
【0017】
このようにシャフトに影響する撓みは、そのヤング率E、断面二次モーメントを大きくして撓みを小さくすることができる。この発明は、そのようなシャフトの撓みが抑制されるシャフトの軸構造に関するものであり、以下、図面を参照してこのシャフトの軸構造について説明する。図4には、この発明のシャフトの軸構造を適用することのできる歯車系1が記載されている。この歯車系1は、シャフト2からこのシャフト2とある軸間距離だけ離れたシャフト3に回転運動を伝達する要素として、歯車4と歯車5とを備えている。シャフト2は、長さLで規定される両端部が軸受6,7にそれぞれ回転自在に支持されている。なお、この軸受6,7は、つぎに述べる歯車4がはす歯歯車であることから、ラジアル荷重とスラスト荷重とを受けることができるアンギュラコンタクト玉軸受や円すいころ軸受などが用いられる。また、この軸受6,7に支持されている中間部すなわち軸線方向の中心部付近に歯車4は備えられている。具体的には、この歯車4は、シャフト2が軸受6に支持されている位置から軸線方向に長さaの距離だけ離れた位置にボス孔面にキー溝が切削されて、図示しないキーなどによりシャフト2に固定されている。
【0018】
一方、シャフト3は、長さLで規定される両端部が軸受8,9にそれぞれ回転自在に支持されている。なお、この軸受8,9は、つぎに述べる歯車5がはす歯歯車であることから、ラジアル荷重とスラスト荷重とを受けることができるアンギュラコンタクト玉軸受や円すいころ軸受などが用いられる。また、この軸受8,9に支持されている中間部すなわち軸線方向の中心部付近に歯車5は備えられている。具体的には、この歯車5は、シャフト2が軸受8に支持されている位置から軸線方向に長さaの距離だけ離れた位置にボス孔面にキー溝が切削されて、図示しないキーなどによりシャフト3に固定されている。このように構成される歯車系1の歯車4,5は、はす歯歯車により構成されている。なお、この発明における歯車系1の歯車4,5は、他にも平歯車ややまば歯車であってもよい。この歯車4,5は互いにギヤ面を対向させて噛み合わされている。
【0019】
上記の記載した歯車系1のような構成において、シャフト2,3の撓みを抑制するために、この発明では、この点を考えてシャフト2,3の構造を変更することにより、剛性を上げる。以下、このように歯車4,5がそれぞれ取り付けられたシャフト2,3の軸構造について説明する。なお、シャフト2,3は同様の構造であってよいため、シャフト2を例に説明する。図1は、この発明のシャフト2の軸構造の一例(断面図)を示している。このシャフト2は、中空軸状のシャフト部材10と中実軸状の中心部材(中央部部材)11とから構成されている。このシャフト部材10と中心部材11とは、中心部材11の方がシャフト部材10よりも相対的にヤング率が大きい構成となっている。言い換えると、中心部材11の方がシャフト部材10よりも相対的に変形に対する抵抗の度合いが大きい部材により構成されている。このような中心部材11がシャフト部材10に挿入されて二重構造となっている。また、中心部材11は、ヤング率の大きな物質(一例として金属)を焼きばめ等の製法により製作してそのヤング率を大きくする。このように構成されるシャフト部材10と中心部材11とは、例えばシャフト部材10がSCr20(ヤング率E=200GPa)で、中心部材11が超硬合金(E=440〜550Pa)といった構成であってもよい。また、中心部材11は、高周波焼入れを施した部材などの金属表面のみ硬化させて硬さを増し、内部はじん性を保った状態で柔軟性に富んだ部材であってもよい。
【0020】
上記のとおり構成された、この歯車系1の動作について説明すると、シャフト2を入力側、シャフト3を出力側とすれば、シャフト2に動力が伝達されると両端部が軸受6,7によって回転自在に支持されたシャフト2が回転する。シャフト2が回転すると、シャフト2に固定されている歯車4も一体に回転する。歯車4が回転すると、これとギヤ面を対向させて噛み合わされた歯車5に両歯車4,5の歯面を介して動力が伝達される。歯車5に動力が伝達されると、歯車5が回転して、これを固定しているシャフト3も軸受8,9に支持されて一体に回転する。このようにシャフト2から歯車4,5を介してシャフト3に動力が伝達される。
【0021】
このように歯車系1で動力伝達が行われる場合、歯車4,5がはす歯歯車により構成され、その歯面が傾いていることから、入力トルクによる分離力すなわちラジアル方向の荷重がかかる。アキシャル方向(軸線方向)への荷重は、軸受6,7,8,9によって受け止められ、この分離力も軸受6,7,8,9によって受け止められるが、互いに対向して噛み合わされた歯車4,5同士にも作用して、シャフト2,3の撓みの原因となる。この発明の軸構造では、シャフト2は上述したとおり、中空軸状のシャフト部材10の内部に、それよりもヤング率の大きな中実軸状の中心部材11が備えられているため、その撓みを抑制することができる。シャフト2に着目して撓み量を計算すると、撓み量ymaxは、前述の分離力をP、ヤング率をE、断面2次モーメントをIzとすると、以下の式(1)により表される。
【数1】

【0022】
式(1)に見るように、撓み量を小さくするためには、ヤング率Eと断面2次モーメントIzを大きくすればよく、この発明においては、上述のとおりヤング率の大きな中実軸状の中心部材11が備えられているため、この撓みを抑制できる。また、撓みを抑制できることから、歯車4,5のミスアライメントによる歯車4,5の噛み合い損失を抑制できる。また、このようなシャフト2,3の撓みの抑制が簡便な構造により可能であるため、製造性が向上してコストを削減できる。さらに、シャフト2の構成をシャフト部材10を軽量合金などの軽量な部材で構成し、中心部材11をそれより比重は大きいがヤング率の大きな部材で構成するなどの組み合わせにより、シャフト2を高剛性で軽量な構成とすることができることから燃費の向上や、ひいては車両挙動の向上などが図れる。
【0023】
つぎに、この発明のシャフトの軸構造における他の構成例について説明する。このシャフトの軸構造の他の構成例は、シャフトの軸構造のみが上記の歯車系1と相違する点であるため、シャフトの軸構造についてのみ説明する。また、このシャフトの軸構造以外は上記の歯車系1と同様の構成であり、同じ符号を用いて説明する。図2には、この発明のシャフトの軸構造の他の構成例であるシャフト12が示されている。なお、シャフト12は前述の歯車系1におけるシャフト2もしくは3に適用されている。このシャフト12は、内部に空間を有して形成されるシャフト部材13を備えており、その内部の電磁気的雰囲気の変化に応じて剛性が変化する、もしくはその内部に電圧が印加されることにより剛性が可変となる液状体(中心部材、中央部部材)14が液密に封入(充填)されている。なお、この中央部部材14は液状でなくてもよく、粉体もしくは固体などでもよい。シャフト12は、液状体14がシャフト部材13に挿入されて二重構造となっており、液状体14は、シャフト部材13の内部の電磁気的雰囲気の変化もしくは電圧が印加される度合いによりヤング率が変化する流体、言い換えると、変形に対する抵抗の度合いが変化する流体により構成されている。
【0024】
具体的には、この液状体14は磁性流体などであってよく、電圧の印加状態に応じてシャフト部材13の内部の電磁気的雰囲気の変化によって剛性を変化させる構成となっている。そのため、シャフト部材13の内部に導線15,16の一方端がシャフト部材13の壁部17を介して挿入されて、この導線15,16の一方端には、コイルなどが接続されてシャフト部材13の内部の電磁気的雰囲気を変化させることが可能なように構成されている。また、導線15,16の他方端が図示しない電源供給装置に接続されている。この電源供給装置は、図示しない電子制御装置により電圧の印加する度合いが制御される。電子制御装置による電圧の印加する度合いは、シャフト12に入力されるトルクの大きさ、例えばエンジンなどの内燃機関や電動機などの駆動力源からのトルク信号が図示しないセンサなどから電子制御装置に入力されて行われる。
【0025】
この電子制御装置による電圧を印加する度合いを変化させてシャフト部材10の内部の電磁気的雰囲気を変化させることによりシャフト部材13内部の液状体14の剛性を変化させる制御の一例を表すフローチャートが図3に記載されている。まず、ステップS1において、エンジントルクTengがトルク判定基準値Trefよりも大きいか否かが判定される。このトルク判定基準値Trefは、電圧を印加してヤング率Eを大きくするか否かを判断するための値であり、電子制御装置により算出されるか、もしくは予め用意されたマップにより提供される。ステップS1において、否定の判断が下されると、液状体14の剛性を上げるすなわちヤング率Eを大きくする必要がないため、電圧は印加されず、すなわち電源がOFF状態とされる(ステップS3)。ステップS1で肯定の判断が下されると、ステップS2の制御が実行される。すなわちステップS2において、液状体14の剛性を上げるすなわちヤング率Eを大きくする必要があるため、電圧が印加されてすなわち電源がON状態とされる。この図3に示したフローチャートによる制御ルーチンが所定毎に行われて、適宜にシャフト12の剛性すなわちヤング率Eが変化させられる。なお、このフローチャートでは、電圧の印加状態を電源のON状態とOFF状態との二つの状態が示されているが、電源がON状態である場合は、エンジントルクTengに応じて、電圧を印加する値が変えられる。
【0026】
上記の他の構成例が適用された歯車系1で動力伝達が行われる場合、前述の中実軸状の中心部材11を有する構成と同様に歯車4,5がはす歯歯車により構成されており、その歯面が傾いていることから、入力トルクによる分離力すなわちラジアル方向の荷重がかかる。アキシャル方向(軸線方向)への荷重は、軸受6,7,8,9によって受け止められるが、この分離力は、互いに対向して噛み合わされた歯車4,5同士に作用して、シャフト12の撓みの原因となる。この発明の軸構造では、シャフト12は上述したとおり、内部に空間を有して形成されるシャフト部材13を備えて、その内部の電磁気的雰囲気を変化させることにより剛性が可変となる液状体(中心部材)14が液密に封入(充填)されていることから、その撓みを抑制することができる。また、前述の式(1)で表されているように、撓み量を小さくするためには、ヤング率Eと断面2次モーメントIzを大きくすればよく、この発明の他の構成例においては、上述のとおり電圧を印加することによりヤング率の大きくすることのできる液状体14が備えられているため、この撓みを抑制できる。また、撓みを抑制させて減少させることができることから、歯車4,5のミスアライメントによる歯車4,5の噛み合い損失を抑制できる。さらに、電子制御装置により前述のフローチャートによるシャフト12にかかるトルクによって電圧の印加状態を変更できることから、例えば適宜電圧の印加状態の度合いを変更して、必要な剛性を付与することができる。さらに、シャフト12の構成をシャフト部材13を軽量合金などの軽量な部材で構成し、中心部材(液状体)14をそれより比重は大きいがヤング率の大きな部材で構成するなどの組み合わせにより、シャフト12を高剛性で軽量な構成とすることができることから燃費の向上や、ひいては車両挙動の向上などが図れる。
【0027】
なお、上述した2つの実施例では、歯車系1にシャフト2,12が適用される例を説明したが、この発明におけるシャフトは、要は、シャフトが中空軸状もしくは内部に空間を有する形状の部材(シャフト部材)で構成され、その中空部もしくは内部の空間にシャフト部材よりヤング率が大きい部材が隙間なく内部に収容(充填)された構成であればよく、歯車系に限定されず他の回転伝達要素、例えばベルトやチェーンなどの動力伝達系にも適用できる。また、歯車系1に適用された歯車5,6,7,8ははす歯歯車である構成を示したが、ラジアル方向に荷重が加えられる歯車などに、この発明のシャフトの軸構造(具体的にはシャフト2,12)を適用できる。
【符号の説明】
【0028】
10,13…シャフト部材、 11,14…中央部部材(中心部材、液状体)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動力伝達要素に用いられる軸構造において、中空状に形成されたシャフト部材と、そのシャフト部材の中空状の内部に嵌入され、前記シャフト部材よりも相対的にヤング率の大きな物質により構成された中央部部材とからなることを特徴とする軸構造。
【請求項2】
動力伝達要素に用いられる軸構造において、中空状に形成されたシャフト部材と、そのシャフト部材の中空状の内部に充填され、電磁気的雰囲気の変化に応じて剛性が変化する中央部部材とからなることを特徴とする軸構造。
【請求項3】
前記シャフト部材には、歯車が固定されていることを特徴とする請求項1に記載の軸構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−122694(P2011−122694A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−282182(P2009−282182)
【出願日】平成21年12月11日(2009.12.11)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】