説明

輸送手段の速度を調整するための無線通信

【課題】輸送手段の速度制御方法及び装置を提供する。
【解決手段】本発明の一例は、次のステップを含む方法である。一方の輸送手段において、前方にある他方の輸送手段から、該他方の輸送手段の速度を示す無線を受信するステップ、自身の速度を検出するステップ、及び前記一方の輸送手段の速度と前記他方の輸送手段の速度の間の速度差としきい値との比較に基づいて、前記一方の輸送手段に追越し操作又は速度調整操作のどちらを推奨するかを決定するステップを備え、前記速度差が前記しきい値未満の場合には前記速度調整操作が推奨され、前記速度差が前記しきい値以上の場合には追越し操作が推奨される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信に関し、詳細には無線通信に関する。
【背景技術】
【0002】
ドイツのアウトバーンのような高速道路および自動車道路では、トラックが、順調で安全な交通の流れを妨げる。特に道路の2車線区間では、別の大型トラックをゆっくりと追い越す大型トラックは、より速く進んでいる輸送手段にとって重大な危険となりうる。ドイツでは、このような状況は、「Elefantenrennen」(象レース)として知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明者は、輸送手段がゆっくりと追い越すという危険性を減らす、またはこれを回避するための方法を見出した。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一例は、次のステップを含む方法である。一方の輸送手段において、前方にある他方の輸送手段から、該他方の輸送手段の速度を示す無線を受信するステップ、自身の速度を検出するステップ、及び前記一方の輸送手段の速度と前記他方の輸送手段の速度の間の速度差としきい値との比較に基づいて、前記一方の輸送手段に追越し操作又は速度調整操作のどちらを推奨するかを決定するステップを備え、前記速度差が前記しきい値未満の場合には前記速度調整操作が推奨され、前記速度差が前記しきい値以上の場合には追越し操作が推奨される。
【0005】
次に本発明の一実施形態を一例として、図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本発明の一実施形態によるトラックを示す図である。
【図2】図1に示すようなもう1台のトラックを示す図である。
【図3】それぞれ図1に示すような2台のトラックが対話していることを実例として示す図である。
【図4】追越し操作を選択するか、速度調整操作を選択するかを決定する際の図3に示す2台のトラック間のメッセージングを示すメッセージのシーケンス図である。
【図5】追越し操作を示すメッセージのシーケンス図である。
【図6】速度調整操作を示すメッセージのシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
まず、トラックに搭載されている自動速度制御システムについて説明する。その後に、システムの初期設定について説明する。次に、別のトラックに遭遇したあるトラックが追い越すべきかまたは速度を調整すべきかの決定に至るシナリオについて説明する。その後、追越し操作について説明する。次に、他方の選択、すなわち速度調整について説明する。
【0008】
搭載機器
図1に示すように、トラックAと示すこともあるトラック2は、自動速度制御システム4を含んでいる。制御システム4は、トラック2の前部に装着された無線送受信装置8に接続されたプロセッサ6と、トラック2の後部に装着された対応する無線送受信装置10とで構成される。送受信装置8、10は、2.4GHzで動作するBluetooth無線プロトコルを使用して、他のトラック(図1には示していない)の他の送受信装置(図示せず)と通信することができる。この送受信装置のラジオレンジは、およそ100メートルである。
【0009】
また制御システム4は、全地球測位システム、GPSモジュールなど、高精度のトラック速度検出器12を含む。これは、トラックの速度の測定値をプロセッサ6に定期的に供給する。
【0010】
この制御システム4はまた、プロセッサ6への電子ヒューマン・インターフェース14を含む。このインターフェース14は、例えばトラック2のダッシュボード(図示せず)に装着された画像表示画面16およびキーパッド18を含む。インターフェース14はまた、単一の押しボタン20を含むことがあり、これは「承認」確認キーである。押しボタン20は、運転者(図示せず)が運転中に容易に押すことができるように、ハンドル(図示せず)付近またはハンドル上に配置されている。インターフェース14はまた、運転者の注意を引くために短い「ビープ」音を発する音響器(図示せず)を含むことができる。
【0011】
制御システム4はまた、トラック2のプロセッサ6から走行制御システム(図示せず)へのインターフェース22を含む。これにより、運転者の同意に従って、走行制御速度をプロセッサ制御で調整することができる。
【0012】
また制御システム4は、トラック2の前部に装着された距離検出器24を含む。距離検出器24は、レーダーを使用して、前方の範囲内にある第1の輸送手段または他の大きな物体までの距離を測定する。距離検出器24は、距離データをプロセッサ6に定期的に提供する。
【0013】
同じく上述の機器を有し、トラックBと示すこともある別のトラック2’を、図2に示している。次の説明では明確にするために、このもう1台のトラック2’、すなわちトラックBに搭載されている機器の参照符号は、プライム(’)符号を付けて示す。
【0014】
システムの初期設定
使用する前に、運転者がヒューマン・インターフェース14を介して入力するデータにより、制御システム4を設定する。データは、例えば次のものである。
トラックの識別子、すなわちトラックの登録番号
優先速度範囲
法定最高速度
トラックの長さ(例えば短いまたは長い)
目的地までの距離
天候状態(雨/雪/良好)
【0015】
このデータを、以下では設定データと呼ぶ。
【0016】
トラックの接近
それぞれ上述した2台のトラック2、2’が、互いに接近しているという、図3に示すシナリオについて考える。
【0017】
2台のトラックのそれぞれの制御システム4、4’は、上述のようにその運転者からの適切なデータで初期設定されている。両方のトラックは、それぞれの制御システム4、4’がアクティブになる60キロメートル/時(km/h)を上回って移動中である。各トラックでは、速度検出器12、12’が定期的に速度情報をプロセッサ6、6’に伝える。
【0018】
各トラック2、2’では、レーダー距離検出器24、24’が、100メートル未満離れている前方の第1の障害物までの距離を定期的に測定するように動作する。例えば、次の輸送手段が前方100メートル未満にあるとき、これは、前方のこの輸送手段までの距離である可能性がある。レーダー距離検出器24、24’は、距離情報をプロセッサ6、6’に定期的に伝える。
【0019】
図4に示すように、「トラックA」と示す後方のトラック2は、「コンピュータA」と示すプロセッサ6と、「前部tx/rx A」と示す前部に装着された送受信装置8と、「後部tx/rx A」と示す後部に装着された送受信装置10と、このトラックの運転者と対話するための、「運転者A」と示すヒューマン・インターフェース14とを含んでいる。同様に、「トラックB」と示す前方のトラック2’は、「コンピュータB」と示すプロセッサ6’と、「前部tx/rx B」と示す前部に装着された送受信装置8’と、「後部tx/rx B」と示す後部に装着された送受信装置10’と、このトラックの運転者と対話するための、「運転者B」と示すヒューマン・インターフェース14’とを含んでいる。
【0020】
図4に示すように、後方のトラック2が、前方のトラック2’に接近する(ステップa)。後方のトラック2のプロセッサは、その前部送受信装置8にポーリング・メッセージを定期的に送信し(ステップb)、この前部送受信装置8は、無線通信の既知のBluetooth標準を使用して前方へポーリング・メッセージを送信する(ステップc)。前方のトラック2’が、Bluetooth範囲に十分に接近すると、このようなポーリング・メッセージが前方のトラック2’の後部送受信装置10’によって受信され(ステップd)、前方のトラック2’のその後部送受信装置10’からプロセッサ6’へ転送される(ステップe)。
【0021】
このプロセスは、前方のトラック2’ではプロセッサ6’によって続けられ、ヒューマン・インターフェース14’によって可聴ビープ音を出し(ステップf)、続いてヒューマン・インターフェース14’の画面16’に「後方にトラック」の情報メッセージを表示する。次に前方のトラック2’のプロセッサ6’が、後方のトラック2へのデータ・メッセージの送信を命令する(ステップg)。このデータ・メッセージは、前方のトラック2’に関するデータであり、上述したように前方のトラックの設定データ、および前方のトラックの速度を含んでいる。またこのデータ・メッセージは、前方のトラック2’の前方のBluetooth範囲に、したがってこの前方のトラック2’によって前方にあると判断されるさらなるトラック(図示せず)があるかどうかの表示を含んでいる。
【0022】
このデータ・メッセージは、後方のトラック2の前部送受信装置8によって受信され、後方のトラック2のプロセッサ6へ転送される(ステップh)。その結果、後方のトラック2のプロセッサ6は、後方のトラック2のヒューマン・インターフェース14によって可聴「ビープ」音を出す(ステップi)。また、後方のトラックのヒューマン・インターフェース14の画面16に、「前方にトラック、識別番号は(登録番号)−確認してください」などの形態のメッセージを表示する(ステップj)。
【0023】
後方のトラック2の運転者は、前方のトラック2’の登録番号プレートを調べ(ステップk)、次に前方のトラックが正しく識別されることを確認するために押しボタン20を押す(ステップk’)。
【0024】
次に後方トラック2のプロセッサ6が、前方のトラック2’へのデータ・メッセージの送信(ステップl)を命令する。このデータ・メッセージは、後方のトラック2に関するデータであり、上述したように後方のトラックの設定データ、および後方のトラックの速度を含んでいる。またこのデータは、前方のトラック2’までの検出された距離を含んでいる。このデータは、前方のトラック2’の後部送受信装置8’によって受信され、前方のトラック2’のプロセッサ6’へ転送される(ステップm)。次に前方のトラック2’のプロセッサ6’は、前方のトラックのヒューマン・インターフェース14’を制御して、「速度=…、速度差=…」などの形態のメッセージを表示する(ステップn)。
【0025】
後方のトラック2では、プロセッサ6が、速度差のしきい値Xを計算する(ステップp)。速度差のしきい値Xは、天候状態、トラックの長さ、最高法定速度、および優先速度範囲によって決定される。
【0026】
速度差のしきい値Xは、プロセッサ6によって用いられて、一方では追越し動作を、他方では速度調整操作を推奨するかどうかを決定する。例えば、天候が「良好」、両方のトラックが「長い」、後方のトラック2の速度が法定最高速度未満、かつ2台のトラック2、2’の優先速度範囲の重複がないかまたは非常に小さい、さらに前方のトラック2の前方にさらなるトラックが検出されない場合、しきい値Xは、およそ5キロメートル/時(km/h)となるように選択することができる。しきい値Xは、2km/hから15km/hの可能範囲内から選択される。
【0027】
後方のトラック2のプロセッサ6が、2台のトラック2、2’の検出された速度のデータおよびしきい値Xを用いて、追越し動作を推奨するか、または速度調整操作を推奨するかを決定する(ステップq)。速度差がX未満である場合、速度調整を推奨する。速度差がX以上である場合、追越しを推奨する。
【0028】
追越し操作
図5に示すように、決定が追越しを推奨することである場合(ステップq’)、後方のトラック2のプロセッサ6は、ヒューマン・インターフェースに可聴「ビープ」音を出すよう命令する(ステップr)。ビープ音が出され、後方のトラック2のヒューマン・インターフェース14に「追越しを希望しますか?現在の速度差=…」などの形態のメッセージが表示される(ステップs)。
【0029】
運転者は、追越しを希望する決定をし、そこで後方のトラック2のヒューマン・インターフェース14の押しボタン20を押して(ステップt)プロセッサ6に確認信号を送信するようにする。その結果、プロセッサ6は、後方のトラック2のデータ、具体的にはその速度および速度差を含む追越し要求メッセージを形成して送信する(ステップu)。このメッセージは、後方のトラック2の前部送受信装置8および前方のトラック2’の後部送受信装置10’を介して前方のトラック2’のプロセッサ6’へ送信される。
【0030】
次に前方のトラックのプロセッサ6’が、前方のトラック2’の所望の減少速度、追越し操作の予想時間、および前方のトラック2’の追加行程時間を計算する(ステップv)ために、後方のトラックの速度および速度差を用いる。この情報は、前方のトラック2’のヒューマン・インターフェース14’へ伝えられ、「ビープ」音の前触れ(ステップw)の後に、「追越しさせるために減速して運転しますか?3km/h減速:時間損失=…秒。追越し時間=…。」などの形態のメッセージとしてそこに表示される(ステップx)。
【0031】
前方のトラック2’の運転者は、自身のトラック2’にある押しボタン20’を押すことによって承諾し、確認信号が前方のトラック2’のプロセッサ6’に伝わるようにする(ステップy)。
【0032】
このプロセッサ6’は、前方のトラック2’の後部送受信装置10’および後方のトラック2の前部送受信装置8を介して後方のトラック2のプロセッサ6に承諾メッセージを送信する(ステップz)ことによって反応する。
【0033】
後方のトラック2のプロセッサ6は、「要請受諾。車の流れが追越し可能になったら加速し、その後承認を押してください。」などのメッセージを表示する(ステップaa)よう命令することによって反応する。
【0034】
追越し車線が走行可能になると、後方のトラック2の運転者は、走行制御インターフェース22を介して走行制御速度の調整を有効にすることにより、速度の増大量(例えば3km/h)を制御する(ステップbb)。その結果、後方のトラック2は速度を上げ(ステップcc)、次に後方のトラック2の運転者は、トラックが速度を上げて現在走行中であることを示すために、押しボタン20を介してプロセッサに確認信号を送信する(ステップdd)。
【0035】
後方のトラック2のプロセッサ6は次に、後方のトラック2の前部送受信装置8および前方のトラック2’の後部送受信装置10’を介して前方のトラック2’のプロセッサ6’に、減速運転のコマンド・メッセージを送信する(ステップee)。
【0036】
次に前方のトラック2’のプロセッサ6’が、そのヒューマン・インターフェース14’を制御して可聴「ビープ」音を出し(ステップff)、「追越し中、直ちに減速してください」、続いてさらに「ありがとうございます」などのメッセージを表示する(ステップgg)。
【0037】
前方のトラック2’の運転者は、他方のトラック2が追い越す(ステップii)間、先に示した量(例えばこの例では3km/h)だけ減速することによって、その速度を制御する(ステップhh)。
【0038】
トラック2(トラックA)は、今や前方のトラックとなり、トラック2’(トラックB)は、今や後方のトラックとなっている。トラックBのプロセッサ6’は、間の送受信装置を介してトラックAにポーリング・メッセージを送信する(ステップjj)。トラックAのプロセッサ6がこのメッセージを受信し、返答のデータ・メッセージでその設定データおよび現在の速度を送信する(ステップkk)。トラックBのプロセッサ6’は、このデータ・メッセージを受信して、トラックAを確認し(ステップll)、トラックAが、トラックAの前にさらなるトラックを検出しなかったことに注目する。その後2台のトラック間の距離は拡大し、そうして追い越されたトラック(トラックB、2’)は元の速度に戻る。この距離がおよそ100メートルより大きくなると、追い越されたトラック、すなわちトラックBは、もはやトラックBの前方にトラックを検出せず、そこでこのプロセッサ6’は、「単独」運転状態と想定する(ステップll’)。
【0039】
速度調整操作
図6に示すように、追越しではなく速度調整を推奨することを決定する場合は、後方のトラック2のプロセッサ6は、加速要求のメッセージが前方のトラック2’に送信されるように命令し(ステップmm)、前方のトラック2’でこのメッセージが受信されて前方のトラック2’のプロセッサ6’に転送される。このメッセージは、速度増加値を含み、これをここではVと示す。例えばVは、2Km/hを表す。後方のトラック2のプロセッサは、「調整中、お待ちください」などのメッセージを表示する(ステップnn)ようヒューマン・インターフェース14に命令する。
【0040】
前方のトラック2’のプロセッサ6’は、そのヒューマン・インターフェース14’に可聴「ビープ」音を出させ(ステップoo)、「可能であればVkm/h加速してください。その後承認を押してください。」などの形態のメッセージを表示する(ステップpp)。前方のトラック2’の運転者の制御の下でこの速度増加量が増加されると(ステップqq)、この運転者は、押しボタン20’を押して、前方のトラック2’のヒューマン・インターフェース14’からプロセッサ6’へ確認信号が送信されるようにする(ステップrr)。その結果、前方のトラック2’のプロセッサ6’によって「受諾」メッセージが送信され(ステップss)、後方のトラック2のプロセッサ6に届く。次に前方のトラック2’の増加した速度のデータが後方のトラック2のプロセッサ6に報告されるように、同じ経路でデータ・メッセージが送信される(ステップtt)。
【0041】
前方のトラック2’のプロセッサ6’は、前方のトラック2’のヒューマン・インターフェース14’に「ありがとうございます」などのメッセージを表示するよう命令する(ステップuu)。
【0042】
後方のトラック2のプロセッサ6は、次に(ステップvv)速度値から後方のトラック2の速度差を計算し、また目的地までの残りの距離を考慮して減速による最大可能時間損失を計算し、後方のトラック2の運転者に対して「ビープ」音を出す(ステップww)ようヒューマン・インターフェース14に命令する。後方のトラック2のプロセッサ6はまた、そのヒューマン・インターフェース14に、「他のトラックと合わせるために<値>km/h減速してください。最大損失時間=…」などの形態のメッセージを表示させる(ステップxx)。前のメッセージでは、<値>km/hは、例えば2km/hである可能性がある。後方のトラック2の運転者は、その量だけ減速するようにその速度を制御し(ステップyy)、次に押しボタン20を押して後方のトラック2のプロセッサ6に確認信号が送信される(ステップzz)ようにする。これに応えてヒューマン・インターフェース14により「ありがとうございます」というメッセージが返されて、表示される(ステップaa’)。
【0043】
その後、後方のトラック2のプロセッサ6から適切な送受信装置8、10’を介して前方のトラック2’のプロセッサ6’へデータ・メッセージが送信され(ステップbb’)、後方のトラックの速度を知らせる。
【0044】
対応するデータ・メッセージが、前方のトラック2’のプロセッサ6’から適切な送受信装置10’、8を介して後方のトラック2のプロセッサ6へ送信され(ステップcc’)、前方のトラックの速度を知らせる。後方のトラックでは、速度が引き続き調整されていることを調べ(ステップdd’)、調整されていない場合は、上記と同様のさらなる調整のステップ(図示せず)を始める。
【0045】
総論
一部の実施形態では、制御システムを初期設定するために運転者によって与えられる追加情報は、例えば夏用または冬用など、タイヤの種類とすることが可能である。タイヤの種類は、天候状態によって最高速度に影響を与える可能性がある。一部の実施形態では、追加情報は、トラックの重量を含むことができる。重量は、緊急停止距離を、ゆえにトラックの最高安全速度を限定することがある。
【0046】
一部の実施形態では、送受信装置は、Bluetoothではなく、WLANまたはその他の無線プロトコルを使用する。
【0047】
一部の実施形態では、走行制御システムへのインターフェースは、運転者自身である。このときは運転者が、手動で走行制御システムを制御する。
【0048】
一部の実施形態では、独立したレーダー距離検出器がなく、むしろ、トラックの送受信装置間に送信される無線信号の無線送信時間を測定することによって、距離を計算することができる。
【0049】
一部の実施形態では、ヒューマン・インターフェースの画面に加えて、またはその代わりに、ヒューマン・インターフェースが、運転者に情報を提供する、または運転者に質問をするスピーカーなどの音声出力を含む。
【0050】
一部の実施形態では、トラックの制御システムのプロセッサと送受信装置間の接続は、ケーブルで接続することができる。一部の実施形態では、接続は無線接続である。
【0051】
一部の実施形態では、プロセッサはまた、衛星ナビゲーション・システム、携帯情報端末、トラック課金システム「Toll Collect」搭載装置、もしくはその他を搭載したコンピュータの機能を果たす、またはそのものであることが可能である。
【0052】
一部の実施形態では、GPSモジュールのトラック速度検出器は、通常、トラックの従来のスピードメーターよりも正確である、その他の既知の速度検出器に代替される。
【0053】
一部の実施形態は、トラック以外の、またはトラックに加えて陸上の輸送手段に関する。他の実施形態は、海、空、および/または宇宙の輸送手段に関する。
【0054】
本発明は、本質的な特徴を逸脱することなく、他の特定の形態で具現されることが可能である。記載した実施形態は、あらゆる点で例示にすぎず、限定ではないと考えられなければならない。したがって本発明の範囲は、前述の説明ではなく、添付の特許請求の範囲によって示される。特許請求の範囲の均等物の意味および範囲内で生じるあらゆる変更は、特許請求の範囲内に含まれなければならない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、一方の輸送手段において、
前方にある他方の輸送手段から、該他方の輸送手段の速度を示す無線を受信するステップ、
自身の速度を検出するステップ、及び
前記一方の輸送手段の速度と前記他方の輸送手段の速度の間の速度差としきい値との比較に基づいて、前記一方の輸送手段に追越し操作又は速度調整操作のどちらを推奨するかを決定するステップ
を備え、前記速度差が前記しきい値未満の場合には前記速度調整操作が推奨され、前記速度差が前記しきい値以上の場合には追越し操作が推奨される、方法。
【請求項2】
請求項1の方法において、
前記閾値が、天候状態、輸送手段の長さ、最高法定速度、及び優先速度範囲のうちの少なくとも1つによって決定される、方法。
【請求項3】
輸送手段の速度制御装置であって、
前方にある他方の輸送手段から該他方の輸送手段の速度を示す無線を受信するための、一方の輸送手段の無線送受信機、
自身の速度を検出するための、前記一方の輸送手段の速度検出器、及び
前記一方の輸送手段の速度と前記他方の輸送手段の速度の間の速度差としきい値との比較に基づいて、前記一方の輸送手段に追越し操作又は速度調整操作のどちらを推奨するかを決定するための、前記一方の輸送手段のプロセッサを備え、前記速度差が前記しきい値未満の場合には前記速度調整操作が推奨され、前記速度差が前記しきい値以上の場合には追越し操作が推奨される、輸送手段の速度制御装置。
【請求項4】
請求項3の輸送手段の速度制御装置において、
前記閾値が、天候状態、輸送手段の長さ、最高法定速度、及び優先速度範囲のうちの少なくとも1つによって決定される、輸送手段の速度制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−258213(P2011−258213A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−150509(P2011−150509)
【出願日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【分割の表示】特願2009−519516(P2009−519516)の分割
【原出願日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(596092698)アルカテル−ルーセント ユーエスエー インコーポレーテッド (965)
【Fターム(参考)】