説明

農作業機

【課題】 圃場の端部で確実に自動停止できる農作業機を提供する。
【解決手段】 農作業機1は、圃場あるいは畦上に立てたポール4を検知するセンサ4を備え、農作業機1の走行中にセンサ2がポール4を検知した場合に農作業機1の走行を自動停止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トラクタや自走式収穫機など圃場を走行する農作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、機体に走行方向センサを備えた農作業機は知られている。
【特許文献1】特開平8−51808号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来の農作業機では、走行方向センサによって自動走行を行わせているが、走行方向センサの不具合から農作業機が圃場の端部で停止せずに、圃場外へ転落してしまうという問題がある。
【0004】
本発明は、圃場の端部で確実に自動停止する農作業機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の農作業機は、圃場あるいは畦上に立てたポールを検知するセンサを設け、農作業機の走行中にセンサがポールを検知した場合には、農作業機の走行を自動停止するようにした。
【0006】
そして、この構成では、ポールを検知するセンサを設けたことにより、農作業機の走行を圃場の端部で確実に自動停止させることができる。
【0007】
請求項2記載の農作業機は、請求項1記載の農作業機にタイマを設け、時間セットしたタイマがOFFになった時には、農作業機の走行を自動停止するようにした。
【0008】
そして、この構成では、タイマとポールを検知するセンサを設けたことにより農作業機の走行を圃場の端部でより確実に自動停止させることができる。
【発明の効果】
【0009】
請求項1記載の発明によれば、ポールを検知するセンサを設けたことにより、農作業機の走行を圃場の端部で確実に自動停止することができる。また、夜間作業のときにも農作業機の走行を圃場端部で確実に自動停止させることができるので、転落等の事故を防止できる。さらに、作業の安全停止を安価なコストで確実に自動化できる。
【0010】
請求項2記載の発明によれば、タイマを設けたことにより時間セットしたタイマがOFFになった時には、農作業機の走行を確実に自動停止させることができる。また、適当な範囲で確実に農作業機の走行を自動停止させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の農作業機の一実施の形態を図面を参照して説明する。
【0012】
図1は、農作業機であるトラクタに圃場を耕耘するロータリーを連結した農作業機1の作業状態説明図である。
【0013】
そして、農作業機1の前方部には、ポール4を検知する超音波式のセンサ2が設けられ、図2に示すようにある程度の範囲でセンサ2が検知できるようになっている。また、図3に示すように、ポール4が農作業機1の進行方向終端部の畦に立てられている。
【0014】
さらに、農作業機1には、作業時間を計測するタイマ3が設けられている。また、図4は、1工程のタイマセットのフローチャート図であり、図5は、2工程以降のフローチャート図であり、図6は、本実施例の回路図である。
【0015】
次に、上記農作業機1を用いて作業をする場合について、図1を参照しながら説明する。
【0016】
まず、イから説明すると、ポール4を農作業機1のスタート位置の隣である位置Aの畦に立てる。そして、タイマ3をONにして農作業機1を走行させて作業を開始する。そして、ロに到着したらタイマ3をOFFにしてイからロまでの作業時間を計測する。
【0017】
次に、ロの位置から1工程分隣の位置Bの畦にポール4を立てる。そして、農作業機1を旋回させてハの位置にする。但し、旋回や再スタートは作業者が手動で行うものである。
【0018】
さらに、イからロ間で計測した時間をセットしたタイマ3とポール4を検知するセンサ2をONにして、ポール4が立っている位置Aに向かって作業開始する。
【0019】
そして、ニの位置でポール4をセンサ2が検知するか又はタイマ3がOFFになって農作業機1の走行を自動停止する。次に、農作業機1を旋回させて位置Bに向かって作業をするが、この場合にロからハに移るのと同様に、ポール4を位置Aの位置から1工程分隣の位置の畦に立て替えて、タイマ3をONにしてから作業を開始する。
【0020】
このような動作を繰り返し行いながら圃場での作業を進行していく。従って、上記のように実施することにより、農作業機1の走行を圃場の端部で確実に自動停止させるので、畦を乗り越えての転落事故の防止ができ安全な作業を行うことができる。
【0021】
また、農作業機1がポール4を検知できない方向に走行した場合にも、時間セットしたタイマ3がOFFになって農作業機1の走行を自動停止させるので、畦を乗り越えての転落事故の防止ができ安全な作業を行うことができる。
【0022】
また、本実施例では、トラクタにロータリーを連結した農作業機を例示したが、これに限らず、田植機や自走式収穫機などの自走式作業車に適用できる。
【0023】
また、本実施例でのセンサ2は、システム全体が比較的安価な超音波式のセンサであるが、これに限らず、レーザー式、遠赤外光等の他のセンサを適用することもできる。
【0024】
また、本実施例では、ポール4の移し変えを行ったが、ポールを複数本用意して予め立てておいても良い。さらに、ポールに限らず、センサが検知できる検知物であれば何でも良い。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の農作業機の作業状態説明図である。
【図2】センサの検知範囲を示す概略図である。
【図3】ポールが立てられている様子を示す概略図である。
【図4】1工程のタイマセットのフローチャート図である。
【図5】2工程以降のフローチャート図である。
【図6】本実施例の回路図である。
【符号の説明】
【0026】
1 農作業機
2 センサ
3 タイマ
4 ポール
A ポールを立てられている位置
B ポールを立てられている位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圃場あるいは畦上に立てたポールを検知するセンサを設けた農作業機において、農作業機の走行中にセンサがポールを検知した場合には、農作業機の走行を自動停止するようにしたことを特徴とする農作業機。
【請求項2】
前記農作業機にタイマを設け、時間セットしたタイマがOFFになった時には、農作業機の走行を自動停止するようにしたことを特徴とする請求項1記載の農作業機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2007−124908(P2007−124908A)
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−317949(P2005−317949)
【出願日】平成17年11月1日(2005.11.1)
【出願人】(000188009)松山株式会社 (285)
【Fターム(参考)】