説明

農園芸用土壌オゾン酸化消毒殺菌方法とその装置。

【課題】従来の有機栽培による農園芸土壌を造成する時、土の消毒殺菌には合成化学薬品の農薬による消毒殺菌を行なうため、有機栽培農法とはかけ離れた処理が行われていた。
【解決手段】 本発明は土作りの最初から全く合成化学薬品の農薬を使用せずに土そのものをオゾン酸化消毒殺菌を行なう為、作業する農業従事者や農園芸生産物が土作りの最初から合成化学薬品と無縁の素朴なオゾン酸化による殺菌から始めて、無菌の土を作り、元肥には発酵熱により80℃以上の温度で長時間殺菌された堆肥を用いて、農耕用土壌を形成し、農業従事者にも、農業生産品にも農薬とは無縁の本当の有機栽培が現出される。更に水分の多い畑や水田にはオゾンを水に溶かしたオゾン水の挿入或は散布が効果的であり、気体と液体の両方が使用できるのが、オゾン使用において優れた特徴を持つ方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は農園芸用土壌オゾン酸化消毒殺菌方法とその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来は合成化学薬品を用い、この種の従来の農園芸用殺菌剤は銅、水銀、ヒ素、カドミウム等の如き重金属化合物あるいは、有機塩素系薬剤、有機リン系薬剤、有機スルホン酸薬剤臭化メチル等の合成化学薬品であるため、人畜に有害で、種々の悪作用を及ぼし、これらの薬剤による環境汚染が農耕作地近隣住民や、耕作農民にとっても大きな社会問題になっていた。
【0003】
一方畑作の中には、例えばナス、ジャガイモ等の如く、連作を続けると障害が生じて、収量が低下するため、昔から同じ作物を同じ場所で作らないという慣行があり、現在でも慣行は踏襲されている。連作障害は学術的に研究が進んでいるが、糸状菌等の増殖によると略解明されているが、これに対処する殺菌剤が出現していないため、農家では転作又は休作によって連作障害を防止している。
【特許文献1】昭57−48089農園芸用殺菌剤
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以上に述べた従来の方法では、積極的な解決方法を採れば合成化学薬品に頼り、その結果環境汚染と耕作農民の薬害が障害になり、しかも、有機農法を謳いながら、その実は全くの薬品浸け、農薬漬けの農産品を消費者に提供していた。
【0005】
本発明は一切の合成化学薬品を用いずに最初の土作りから、土の原点に戻り、土を小さく砕き、小さな土の塊りにオゾンガスが充分接触酸化を促進して消毒殺菌を充分行い汚れのない病原菌を除去したピュアな土に作りを行い、厳選された有機肥料を混合する。これが本来の有機農園芸土壌と云える農園芸用土壌オゾン酸化消毒殺菌方法とその装置を提供するものである。
【0006】
本発明は農園芸用土壌の土をオゾン酸化消毒殺菌し、合成化学薬品に頼らない消毒殺菌した真に有機農業を志す農業従来者の健康と生産した作物が安心して消費者に提供できる野菜として市場に出荷できることを志向するものである。
【0007】
一年中出荷できる野菜を作るために冬期はハウス等による栽培が主になっているが、一定温度と一定の湿度を保ったハウスは一般細菌類から糸状菌等の特定微生物に至るまで、バクテリアから菌類に至る微生物にとっては極めて良好なアメニティ空間となっているこの中で菌類と戦うために合成化学薬品の農薬まみれになり乍ら、肌に抵触し、呼吸で吸い込む量は一生の間にどの位になるのか想像することさえ恐ろしい話である。
【0008】
野菜農家で自家食用と市場出荷用の畑は別にして、皮ごと食べられるトマトは自家用で市場出荷用の畑とは全く違ったところで作られており、農家出の元社員はスーパーから買って来たトマトに手を付けないので不審に思って聞いて見ると上記の答えが返って来て、単なる噂話ではなかった事が立証されたことがある。何も知らない消費者は農薬まみれの野菜を食していることになる。
【0009】
ハウス栽培の原点は土壌の殺菌からスタートすると知って、最初の土作りは面倒でも、オゾン酸化消毒殺菌すれば1シ−ズンは合成化学薬品の農薬とは縁を切った野菜が収穫でき、後2シーズンは土壌のオゾン酸化消毒殺菌を行はなくてもよい。農業を志す者は土作りをする時必ず土壌オゾン酸化消毒殺菌を義務付ければ何れ習慣になり無農薬野菜が日本のお家芸になるのではないかと思考している。
【問題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため本発明は農園芸に必要な土の深さを維持する量の土を予め想定し、土壌中の生物即ち昆虫及び昆虫の幼虫から小動物、菌類、バクテリアに至るまでが死に至るオゾン濃度と時間を抑制して全く生物のいない土を生成する。
【課題を解決する手段】
【0011】
植栽する植物の深さを維持する量の土をオゾン酸化消毒殺菌するため、例えば休耕田等を畑にする時は、ビニールシートで全面を覆いその上にオゾン酸化消毒殺菌した土を入れ農園芸野菜等を植え栽培する。土の中に幼虫や虫の卵、或は雑草の種子等も不活性化するため、無菌土壌を具現した土は2〜3年は使用できる。防虫網で覆い虫の卵の産み付けを防止し、害虫駆除に徹する。4世代目で再度オゾン酸化消毒殺菌を行なえば、強い合成化学薬品を使用せずに済むので、農業従事者も、ハウス栽培の野菜も、安心して食べられるものが生産出来ることになる。水田にはオゾン水を挿入して殺菌し、水分の多い畑にはオゾン水の散布が効果的である。
【発明の効果】
【0012】
外国産の合成化学薬品を充分吸収した野菜類が唯安価なだけで大量に出回っております。見た目がきれいなだけの日本農業生産品では何れ衰微していくことが目に見えています。我が国でも大量生産を目指せば価格はある程度下げることは可能だと思われます。然し根本的に、生産農家が自家用と市場出荷用と区別するようなことを続ける限り農業は立ち行かなくなります。
【0013】
見た目もきれい味も良く然も全く合成化学薬品を使用しない農園芸野菜は日本のみならず世界のベジタリアン及び有機栽培野菜の愛好者から無条件に受け入れられ、オゾン酸化消毒殺菌農法野菜としてブランド化できる。又オゾンガス薫蒸とオゾン水散布という気体と液体を使用することで消毒殺菌は有効な方法となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下本発明の実施の形態を図1に基づいて説明する。
オゾナイザ−1で発生したオゾンガスはオゾンガス接続部4で圧力空気と混合する。空気発生はブロアー2で発生し、空気加圧機3は球形でもドラム型でも形状は問わないが、土壌用オゾンガス分散用配管5内の空気圧力を均一にするために使用する。圧力オゾン噴出口9から出たオゾンガスが、土壌中に放散され、飽和状態になった後、余剰オゾンが地上に排出されるので、余剰ガス吸着用敷藁6、の上に新聞紙等の余剰ガス吸着用紙7、更にその上に余剰ガス掩蔽耐オゾン用シートを重ね漏洩したオゾンによる被害を防御する手段とする。オゾンガスによる消毒殺菌を行う対象土壌10内に予め土壌中オゾンガス分散用配管5を布設しておきオゾンガス挿入を行なう。
【0015】
オゾン水挿入及び散布は図面と説明を省略する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に使用するオゾン酸化消毒殺菌方法の概略配置図の1例である。
【図2】本発明のオゾン酸化消毒殺菌施工時対象土壌断面図。
【図3】本発明に使用するオゾンと次亜塩素酸塩の微生物殺菌比較表
【符号の説明】
【0017】
1.オゾナイザ−
2.ブロアー
3.空気加圧機
4.オゾンガス接続部
5.土壌中オゾンガス分散用配管
6.余剰ガス吸着用敷藁
7.余剰ガス吸着用紙
8.余剰ガス掩蔽耐オゾン用シート
9.圧力オゾン噴出口
10.対象土壌

【特許請求の範囲】
【請求項1】
農園芸用土壌オゾン酸化消毒殺菌方法において、植物を植栽する土を作る時、土壌菌の種類或は量を調査することなく、必要土量を総て任意のオゾンガス濃度に上げて、消毒殺菌し、改良土壌による健全な植物を育成する農園芸用土壌オゾン消毒殺菌法とその装置。
【請求項2】
上記請求項1において、土壌をオゾン消毒殺菌する方法には球形サイクロン本人特許(1618387)を用いれば、比較的安価な費用でオゾン酸化消毒殺菌することが出来る。又土壌をオゾン酸化することによって土中のアンモニアが酸化されて、硫酸アンモニアを生成し、酸化分解された窒素は植物に吸収し易い肥料となる。布設した配管は気体から液体に接続を変更すれば給水管に変更使用できる。
【請求項3】
請求項1・2においてオゾン酸化消毒殺菌した土は植物に取っては障害となる各種の菌類や有害な虫の幼虫、雑草の種、或は連作障害を起こす特定微生物等は総て絶やされ、全くピュアな土にすることが出来る雑草の種はオゾン酸化によって不活性化するため除草剤が不要になり、防虫ネットで外部からの侵入を防げばよい。後から元肥になる堆肥も85℃を超えた土壌菌による菌量抑制を行なっている為、素直に植物が生育できる環境となる農園芸用土壌オゾン酸化消毒殺菌方法とその装置。
【請求項4】
請求項1・2・3において水田等、水分の多い土壌では、水の中にオゾンガスをカスケードポンプや散気管を用いて、ミクロレベルで気泡にし、水中にオゾンガスを溶解し、オゾン水を作る。該オゾン水を散布し、酸化することを特徴とする農園芸用土壌オゾン酸化消毒殺菌方法とその装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−31135(P2008−31135A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−224703(P2006−224703)
【出願日】平成18年7月26日(2006.7.26)
【出願人】(000159906)
【Fターム(参考)】